ザ・スティグ

ザ・スティグ The Stig
ホワイトスティグ 2006年ねんイギリス国際こくさいモーターショーにて
生誕せいたん	不明ふめい　（設定せってい上じょう） 不明ふめい　（設定せってい上じょう）
出身しゅっしん校こう	不明ふめい　（設定せってい上じょう）
職業しょくぎょう	トップ・ギア専属せんぞくテストドライバー
配偶はいぐう者しゃ	不明ふめい　（設定せってい上じょう）
子供こども	不明ふめい　（設定せってい上じょう）

ザ・スティグ（英語えいご: The Stig）は現在げんざい、BBCのテレビ番組ばんぐみ『トップ・ギア』に出演しゅつえんしている覆面ふくめんのレーシングドライバーである。番組ばんぐみ内ないでは主おもにラップタイム計測けいそくのコーナーに出演しゅつえんしている。

由来ゆらい

スティグという名なは、トップ・ギアの元もと司会しかい者しゃであるジェレミー・クラークソンが在学ざいがくしていたレプトン・スクールでの逸話いつわに由来ゆらいする。ジェレミーによれば、新入生しんにゅうせいは「スティグ」と呼よばれていたという。

番組ばんぐみ内ないでは、番組ばんぐみで取とり上あげた高級こうきゅう車しゃ（主おもにスポーツカーやスーパーカー）の性能せいのうを測はかる「パワーラップ」コーナーでドライブを担当たんとうするのが主おもな役割やくわりである。また、「激げき安やすシリーズ」などでジェレミー達たち3人にんが購入こうにゅうした中古ちゅうこ車しゃの性能せいのうチェックでドライブする事こともある。さらに、有名人ゆうめいじんが走行そうこうタイムを競きそうコーナー「Star in a Reasonably Priced Car」では、ゲストが走行そうこうする前まえにアドバイスや指導しどうを行おこなっている。番組ばんぐみ中ちゅうにしゃべることは一切いっさいなく、感情かんじょう・意思いしの表現ひょうげんも殆ほとんどしない（例外れいがいあり。後述こうじゅつ）。またスティグはあくまで番組ばんぐみ内ないの「備品びひん」扱あつかいであり、『トップ・ギア』のオフィスに常備じょうびされているという設定せっていになっている。

スティグはキャラクター単独たんどくとしても高たかい人気にんきを持もっており、番組ばんぐみ公式こうしきグッズが多数たすう発売はつばいされている（後述こうじゅつ）。

歴代れきだいのスティグ

ブラックスティグ（初代しょだいスティグ）

初はつ登場とうじょう時じのスティグは、黒くろいフルフェイスヘルメットに黒くろいオーバーオールの姿すがたであった。

当初とうしょは番組ばんぐみプレゼンターがラップタイムの計測けいそくに当あたっていたが、プロのドライバーではないため計測けいそく速度そくどを一貫いっかんして掲示けいじすることが出来できなかった。そのため現行げんこうの番組ばんぐみ形態けいたいに移行いこうした際さい、安定あんていした運転うんてんが出来できる常駐じょうちゅうのテストドライバーとして導入どうにゅうされた。

ブラックスティグはトップギア・テストトラックにてスズキ・リアナによる標準ひょうじゅん記録きろくとして1分ふん46秒びょうを出だし、シリーズ1と2に出演しゅつえんした。

番組ばんぐみの企画きかくとして、ジャガー・XJSに乗のりイギリス海軍かいぐんの航空こうくう母艦ぼかんインヴィンシブルの飛行ひこう甲板かんぱん上うえで速度そくど実験じっけんをするも減速げんそくに失敗しっぱいし車しゃごと転落てんらくし、「死亡しぼう」したという演出えんしゅつがとられた。そしてシリーズ3からホワイトスティグ（2代目だいめ）に交代こうたいした。

ホワイトスティグ（2代目だいめスティグ）

シリーズ3から登場とうじょうした新あたらしいスティグは、アルパインスターズの白しろいレーシングスーツに、シンプソンの白しろいヘルメットという全身ぜんしん白しろ尽ことごとくめの格好かっこうであり、初代しょだいと区別くべつする意味いみから「ホワイトスティグ」とも呼よばれている。 F1マシンをドライブする時ときは、ヘルメットをアライに変更へんこうする場合ばあいもある。

ラップタイム発表はっぴょう時じに登場とうじょうする際さいはジェレミー等とうに「本物ほんもののセレブだからという理由りゆうで、（番組ばんぐみ中ちゅうで揶揄やゆされる低俗ていぞくな）セレブ番組ばんぐみには出でない」、「便器べんきを見みて動揺どうようする」「本名ほんみょうは"The"である」など様々さまざまな噂うわさとともに紹介しょうかいされる。好物こうぶつは豚ぶたの生肉せいにくで、乗車じょうしゃ前まえに食たべさせることで好こうタイムを出だせるとされている。

ラップタイム計測けいそく中ちゅうには、車載しゃさいステレオがあれば音楽おんがくを聞きくことがあり、第だい10シリーズでは自己じこ啓発けいはつCD、第だい11シリーズではエルトン・ジョン、第だい12シリーズではモールス信号しんごう、第だい13シリーズではバグパイプとシリーズによって題材だいざいが変かわる。第だい12シリーズでのモールス信号しんごうは実際じっさいに車くるまの印象いんしょう等とうを述のべており、番組ばんぐみ内ないでほぼ唯一ゆいいつスティグ自身じしんの意思いし表示ひょうじがなされているが、「放送ほうそう後ごインターネット上じょうへファンが解読かいどくしたものが勝手かってに載のせられる」との理由りゆうで番組ばんぐみ内ないでは口語こうご訳やくされていない。第だい15シーズンでは最初さいしょの放送ほうそうがワールドカップ開催かいさい期間きかん中ちゅうだったため、「ノルウェー代表だいひょうのファン」という理由りゆうでノルウェーの旗はたを立たてたり、ヘルメットの頬ほお部分ぶぶんにノルウェーの国旗こっきを張はり、音楽おんがくの代かわりにブブゼラを聞きいていた。ワールドカップ終了しゅうりょう後ごはビージーズなど普通ふつうの音楽おんがくを聞きいている。

ホワイトスティグは番組ばんぐみの「備品びひん」として、ラップタイム計測けいそく以外いがいの企画きかくにも参加さんかしたことがある。例たとえばロンドン市内しないを各種かくしゅ交通こうつう手段しゅだんを使用しようして縦断じゅうだんする企画きかくでは荷台にだいで運はこばれて登場とうじょうし、自動車じどうしゃを運転うんてんせず徒歩とほで移動いどうしてロンドン地下鉄ちかてつに乗のる、地下鉄ちかてつ内ないで新聞しんぶんを読よんで、ルイス・ハミルトンが1面めんに出でている記事きじを見みて読よむのを止とめてしまう、着信ちゃくしんが掛かかった携帯けいたい電話でんわに出でないなど一風いっぷう変かわった姿すがたをみせた。シーズン13エピソード2では『トップ・ギア』オフィスでコピー機きと格闘かくとうしている描写びょうしゃがある。

基本きほん的てきに車くるま以外いがいの移動いどうは前述ぜんじゅつの通とおり徒歩とほ、あるいはスタッフに運はこばれるなどで登場とうじょうし、走はしったりはしない。また、普段ふだんは腕組うでぐみをして軽かるく足あしを開ひらいた状態じょうたいで立たっている。また金銭きんせんの概念がいねんを理解りかいしておらず、公共こうきょう交通こうつう機関きかんの支払しはらいはプリペイドカード、買かい物ものの支払しはらいはクレジットカードを使用しようしている描写びょうしゃが見みられる。

ちなみに2008年ねんのNational Television Awardsでは、『トップ・ギア』がMost Popular Factual Programmeにノミネートされたためホワイトスティグが番組ばんぐみを代表だいひょうして授賞じゅしょう式しきに出席しゅっせきし同どう賞しょうを受うけ取とったが、授賞じゅしょう式しきの際さいも無言むごんを貫つらぬいた（代かわりにプレゼンターが、スティグの持参じさんしたジェレミー・クラークソンのメッセージを読よみ上あげている）。

ホワイトスティグはトップギア・テストトラックでスズキ・リアナに乗のり1分ふん44秒びょう4を出だしている（「Star in a Reasonably Priced Car」のタイム）。これはナイジェル・マンセルやジェンソン・バトン、ルイス・ハミルトン、デイモン・ヒルなどのF1ドライバーの記録きろくを上回うわまわる記録きろくであり、第だい15シーズン3回かい目めの放送ほうそうでルーベンス・バリチェロが破やぶるまで最速さいそく記録きろくだった。

Google ストリートビューでも『トップ・ギア』オフィスの窓際まどぎわに立たつホワイトスティグの姿すがたを確認かくにんすることができ、その話題わだいは『トップ・ギア』の公式こうしきブログでも取とり上あげられた。また、グランツーリスモ5にTopGearテストトラックが収録しゅうろくされるが、プロモーションビデオにおけるテストトラックの映像えいぞうにもホワイトスティグが出演しゅつえんしている。

ホワイトスティグ（3代目だいめスティグ）

後述こうじゅつの騒動そうどうにより2代目だいめスティグが「いなくなった」後ご、シリーズ16から登場とうじょうした3人にん目めのスティグで、ホワイトスティグとしては2代目だいめ。見みた目めは先代せんだいとあまり変かわらないが、細部さいぶが異ことなる。

初はつ登場とうじょうは2010年ねん11月にトップ・ギア公式こうしきサイトで公開こうかいされた『The Stig farm』を紹介しょうかいする動画どうがのラスト。設定せってい上じょうは2010年ねん12月に放送ほうそうされたクリスマススペシャル企画きかく「中東ちゅうとうスペシャル・トップ・ギアの三さん賢者けんじゃ」のラストシーンのベツレヘムで登場とうじょうした赤あかん坊ぼうスティグが生後せいご1ヶ月かげつで義務ぎむ教育きょういくと反抗はんこう期き、大学だいがくの教育きょういく課程かていを修了しゅうりょうして成長せいちょうした姿すがたであるとされ、2代目だいめスティグと同等どうとうのドライビングスキルを持もつとされる。その言葉ことば通どおりに、初はつ登場とうじょうとなるシリーズ16エピソード1でアリエル・アトム V8でパワーラップに挑戦ちょうせんし、シリーズ15エピソード4で先代せんだいスティグがブガッティ・ヴェイロン スーパースポーツで記録きろくした1:16.8を大おおきく越こえる1:15.1を記録きろくした。

2代目だいめ同様どうように音楽おんがく好すきで、シリーズ18エピソード2ではラジオドラマを聞ききながら運転うんてんしている様子ようすも見みられる。

2014年ねん1月がつには、Google ストリートビューの撮影さつえい車しゃ(オペル・アストラ)と共ともに、白しろいメルセデス・ベンツ・SLS AMGでトップ・ギア テスト・トラックを走行そうこう。同どうコース各所かくしょのストリートビューでその姿すがたを確認かくにんすることができる。

2015年ねんには不祥事ふしょうじにより番組ばんぐみの司会しかい者しゃが総そう入いれ替かえになるという事態じたいが発生はっせいしたものの（詳細しょうさいはトップ・ギア#不祥事ふしょうじと司会しかい者しゃ総そう入いれ替かえを参照さんしょう）、スティグについては、旧きゅうレギュラー陣じんの中なかでただ一人ひとり続投ぞくとうすることになった。件けんの3人にんが不祥事ふしょうじにより解雇かいこされた後のち、新しん番組ばんぐみ「The Grand Tour」が立たち上あげられたが、スティグの版権はんけんは当とう番組ばんぐみが有ゆうしていた為ため、使用しようできなかった。

他たのスティグ

トップ・ギアの各回かくかいではカメオ出演しゅつえんする「いとこの」スティグが登場とうじょうすることがある。いずれもオリジナルのスティグ同様どうよう、高たかいドライビングテクニックを有ゆうしている。各かく「いとこの」スティグは、基本きほん的てきに住すんでいる国くに、あるいは主義しゅぎ等とうを反映はんえいさせた見みた目め、振ふる舞まいをしている。

シリーズ9エピソード3「アメリカン・ホリデーチャレンジ」編へんでは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに住すんでいる「アメリカのいとこ」、通称つうしょう「ビッグ・スティグ」が登場とうじょうした。衣装いしょうは同おなじだがオリジナルに比くらべて肥満ひまん体たいである。

シリーズ10エピソード4「アフリカ・スペシャル」ではボツワナに住すんでいる「アフリカのいとこ」が登場とうじょう。その姿すがたは黒人こくじんらしく、プーマのレーシングシューズ、民族みんぞく衣装いしょう風ふうの白しろい腰巻こしまき、白しろいヘルメットだけを着用ちゃくようしているという出いで立たちである。

シーズン10エピソード10では、プールでくつろいでいるスティグの後うしろに「女性じょせい版ばんスティグ」が泳およいでいる姿すがたが確認かくにんできる。スティグと同様どうようのヘルメットをかぶっているが、ヘルメットから下したは水着みずぎを着用ちゃくようした女性じょせいである。この女性じょせい版ばんスティグがスティグとどういった関係かんけいなのかは不明ふめい。

シリーズ12エピソード1では「トラック運転うんてん手しゅのいとこ」が登場とうじょう。「アメリカのいとこ」同様どうようの肥満ひまん体たいだが、トラック運転うんてん手しゅの特徴とくちょうである「極端きょくたんに日焼ひやけした右腕うわん」が確認かくにんできる。

また同どうシリーズ最終さいしゅう回かいのベトナムスペシャルにおいては、全身ぜんしん赤色あかいろの「共産きょうさん主義しゅぎ者しゃのいとこ(ライダー)」がDVD特典とくてんのカットされたシーンに登場とうじょうした。

シリーズ13のCMでは出演しゅつえん者しゃの3人にんに紛まぎれて、子供こども並なみのサイズのスティグも登場とうじょうしている。

シリーズ14エピソード2では出演しゅつえん者しゃ3人にんが作つくった（ディーゼル発電はつでん機きを搭載とうさいした）電気でんき自動車じどうしゃの耐久たいきゅう走行そうこうテストをするため、「菜食さいしょく主義しゅぎ者しゃのいとこ」が登場とうじょう。ヘルメットの頭頂とうちょう部ぶに太陽たいよう電池でんちが貼はられており、靴くつはサンダルで、全身ぜんしん緑色みどりいろである。ジェレミーが「ジャネット・スティグ＝ポーター」と命名めいめいした。しかし、テストを始はじめて間まもなく発電はつでん機きの排気はいきパイプが外はずれて車内しゃないに煙けむりが充満じゅうまんし、開始かいし35分ふん後ご（番組ばんぐみの演出えんしゅつで）死亡しぼうするというアクシデントが起おきた。

シリーズ15エピソード2では、ドイツに住すんでいる「ドイツ人じんのいとこ」が登場とうじょうした。ほとんどスティグと変かわりないが、ヘルメットから髪かみの毛けがはみ出だしている。メイ曰いわく「スティギー・レイ・サイラス」。

クリスマスシーズンに放映ほうえいされた「TopGear　三さん賢者けんじゃスペシャル」では、最後さいごのシーンで赤あかん坊ぼうのスティグが登場とうじょう。このスティグの成長せいちょうした姿すがたが後こうの3代目だいめである。

番組ばんぐみではイギリス国内こくないにスティグを育成いくせいするための農場のうじょう『The Stig farm』を持もっているという設定せっていになっており、2010年ねん11月に番組ばんぐみ公式こうしきサイトで公開こうかいされた動画どうがには様々さまざまな色いろのスティグが、あたかも動物どうぶつのように育そだてられている様子ようすが示しめされた（その中なかには「本ほんを執筆しっぴつするスティグ」など、後述こうじゅつの騒動そうどうを皮肉ひにくるようなシチュエーションも登場とうじょうしている）。

シリーズ15エピソード7では後述こうじゅつの騒動そうどうの影響えいきょうでスティグが一時いちじ不在ふざいとなったため、以前いぜん『トップ・ギア』に出演しゅつえんしその後ご『フィフス・ギア』（チャンネル5で放送ほうそうされるライバル番組ばんぐみ）に移籍いせきしていたティフ・ニーデルが復帰ふっきして「Star in a Reasonably Priced Car」コーナーでのアドバイスを担当たんとう。その際さいスタッフロールでは「Emergency Stig」（非ひ常用じょうようスティグ）とクレジットされた。

シリーズ18エピソード1「イタリアでのロードトリップ」ではイタリア在住ざいじゅうの「イタリア人じんのいとこ」が登場とうじょうした。レーシングスーツではなくグレーのスーツを着きこなし（白しろいレーシングシューズとグローブ、ヘルメットは装備そうび）、着飾きかざった美女びじょを何人なんにんも引ひき連つれている。ジェレミー曰いわく「ブンガブンガスティグ」。

同どうシリーズのエピソード2では中国ちゅうごくに住すんでいる「中国人ちゅうごくじんのいとこ」が登場とうじょう。見みた目めはほぼスティグと同おなじだが、常つねにカンフーの様ような動うごきで出演しゅつえん者しゃやスタッフ問とわず襲おそい掛かかる。ジェレミーが「レーシングドライバーなんだから車くるまに乗のれ」と命令めいれいしてもひっきりなしに蹴けりやパンチを入いれるという有様ありさまで、誘導ゆうどうしてやっと車くるまに乗のらせた（計測けいそくが終おわれば再ふたたびスタッフに暴力ぼうりょくを振ふるう上うえ、計測けいそく中ちゅうに降車こうしゃしてスタッフを殴なぐるという有様ありさまも見みせている）。その凶暴きょうぼうさから「That's the worst Stig we've ever had.(今いままでで最悪さいあくのスティグだ)」とジェレミーが評ひょうした。

2013年ねんに発売はつばいされたXbox One用ようレーシングゲーム「Forza Motorsport 5」にも「デジタルいとこ（The Stig's Digital Cousin）」なる人物じんぶつが登場とうじょうすることがトレイラーで公表こうひょうされた。容姿ようしは3代目だいめスティグと変かわらないが、3代目だいめスティグとは別人べつじんである（という設定せってい）。これは、番組ばんぐみの広報こうほうスタッフによればスティグ本人ほんにんでは強つよすぎてプレイヤーが楽たのしめない、という声こえがスタッフやジェレミーから上あがったから、とのこと。

また、2015年ねん9月がつ17日にちに発売はつばいされたForza Motorsport 6にも引ひき続つづきデジタルいとこが登場とうじょうしている。

シリーズ22では、ジェレミーの不祥事ふしょうじの影響えいきょうで最終さいしゅうエピソードにまとめて放送ほうそうされた「激げき安やすSUVチャレンジ」にキャラバンのテストのみに使つかわれるというトップシークレットの「レジャー・スティグ」が登場とうじょう。見みた目めはスティグと変かわらないが、ジェレミー曰いわく「無能むのうなドライバー」。

計測けいそく記録きろく

スティグのトップ・ギア テスト・トラックでの最速さいそく公式こうしきラップタイムはアリエル・アトム500で1分ふん15秒びょう1を記録きろく。なおフェラーリ・FXXでは1分ふん10秒びょう7を記録きろくしているが、これはスティグの格好かっこうをしたミハエル・シューマッハによる記録きろくであることに加くわえ、翌週よくしゅうの放送ほうそうで「実じつはスリックタイヤを使つかっていた」ことが判明はんめいし、最速さいそくラップから抹消まっしょうされている。

他たにパガーニ・ゾンダRで1分ふん8秒びょう5、アストンマーティン・DBR9で1分ふん8秒びょう6、さらにルノー・R24で59秒びょうが記録きろくされている。しかし、ルノーやアストンマーティンの記録きろくはイギリス行政ぎょうせいによって一般いっぱん道どうに設置せっちされたスピードバンプ（規制きせい減速げんそくを目的もくてきとした道路どうろ上じょうに設置せっちされた減速げんそく帯たい）を通過つうかすることが困難こんなんであることと、一般いっぱん市民しみんが車両しゃりょうを購入こうにゅう出来できないこと、ゾンダRは騒音そうおんなどの規制きせいを理由りゆうに、番組ばんぐみのラップボードに載のせられてはいない。

正体しょうたい

ブラックスティグ

長ながらく正体しょうたい不明ふめいと語かたられていたが、2010年ねん8月がつ25日にちのBBCニュースで本人ほんにんが素顔すがおで登場とうじょうし、テロップにも「The Original Stig」と表示ひょうじされていた。この結果けっか、1992年ねんにアンドレア・モーダでF1デビューをしたペリー・マッカーシーが「初代しょだいスティグ」であったことが明あきらかになった。

以前いぜんよりスティグの正体しょうたいがマッカーシーであるという噂うわさは囁ささやかれており、最初さいしょにそれを報ほうじたのは2003年ねんで発信はっしん元もとはサンデー・ミラー紙しであった。BBC側がわは一貫いっかんしてこれを否定ひていし続つづけたが、その後ごの2009年ねんにニュース・オブ・ザ・ワールド紙しがマッカーシーであると暴露ばくろを開始かいしした。2010年ねん8月がつ25日にちにBBCニュースにマッカーシーが「オリジナルのスティグ」としてゲスト出演しゅつえんしたため、ようやくBBC側がわも事実じじつを認みとめる形かたちとなった。

マッカーシーはF1ではアンドレア・モーダで全ぜん戦せん予備よび予選よせん落おちという実績じっせきしか残のこしていないものの、ベネトン、アロウズ、ウィリアムズにてテストドライバーとしての豊富ほうふな経験けいけんがあり、これらのチームで好こうタイムを計測けいそくしていた。他ほかにもBMWのドライバー選考せんこうテストに参加さんかしたこともあるほか、ル・マン24時じ間あいだレースではアウディのワークス・チームに所属しょぞくしてアウディ・R8をドライブしていたこともある。

但ただし、マッカーシーは "I was Original Stig"（「私わたしは本物ほんもののスティグだった」）と述のべているほか、2003年ねんを最後さいごに番組ばんぐみを離はなれたことも明あきらかにしている（これは丁度ちょうどブラックスティグからホワイトスティグへの交代こうたい時期じきに当あたる）。

ホワイトスティグ（2代目だいめスティグ）

ホワイトスティグの正体しょうたいについては、様々さまざまな憶測おくそくが飛とんでいた。

2代目だいめスティグと噂うわさされる人物じんぶつは、元もと全日本ぜんにほんF3選手権せんしゅけんのチャンピオンで、全日本ぜんにほんF3000選手権せんしゅけんへの参戦さんせん経験けいけんやジョーダンF1のテストドライバーの経験けいけんがあり、その後ごも番組ばんぐみの企画きかくレースで名前なまえを出だして出演しゅつえんしているアンソニー・レイドをはじめとする様々さまざまなレーシングドライバー、スタントドライバーの他ほか、複数ふくすう名めいがスティグを演えんじているとも憶測おくそくされていた。

特とくに、番組ばんぐみ内ないで2004年ねん型かたのルノーF1（ルノー・R24）を安定あんていしたペースで運転うんてんしたことがある経緯けいいから、元もとF1ドライバーか、そのレベルに相当そうとうする競技きょうぎ経験けいけんのある人物じんぶつではないかと見みられている。2008年ねんのF1イギリスGPではスティグがF1マシン（を改造かいぞうした2シーターマシン）をドライブするというイベントがあり、それを見みていたフェルナンド・アロンソが、「あれは相当そうとうの腕うでだ。F1に何なんらかの形かたちでかかわったドライバーに違ちがいない」とコメントしていた。

なお、シリーズ13エピソード1（2009年ねん6月がつ21日にち放送ほうそう）では「ホワイトスティグの正体しょうたいがミハエル・シューマッハである」とされたが、司会しかいのクラークソンは最後さいごに「僕ぼくはミハエルがスティグだとは思おもわない (I don't think Michael Schumacher is the Stig)」と述のべており、シューマッハが出演しゅつえんした際さいは、スティグとは別べつにスペシャルゲストとしてクレジットされた。

2代目だいめスティグとベン・コリンズ

2009年ねん1月がつに『タイムズ』紙しをはじめとする英国えいこく内ないの複数ふくすうの新聞しんぶんが、元もとF3ドライバーのベン・コリンズがホワイトスティグの正体しょうたいの一人ひとりであると報ほうじた。2010年ねん8月がつにはさらにサンデー・タイムズ紙しが、BBCからコリンズの経営けいえいする会社かいしゃに対たいして「『トップ・ギア』を主体しゅたいとした番組ばんぐみのための運転うんてんサービス」の対価たいかとして多額たがくの支払しはらいが行おこなわれていること、またその支払しはらいがホワイトスティグの登場とうじょうとほぼ同どう時期じきである2003年ねんに始はじまっていることを報ほうじている。

2010年ねん8月がつ29日にちには、イギリスの『デイリー・ミラー』紙しが、ベン・コリンズがBBCから解雇かいこされたと報道ほうどうした。同紙どうしは、この日ひニュルブルクリンクで行おこなわれた『トップ・ギア』のイベントにホワイトスティグが出演しゅつえんしていたのと同おなじ時間じかんに、コリンズが自宅じたく近ちかくで子供こどもと遊あそんでいる様子ようすを捉とらえられた（すなわち別べつの人物じんぶつがホワイトスティグを演えんじている）ことを解雇かいこの根拠こんきょとしている。

そもそもの問題もんだいの発端ほったんは、コリンズが2010年ねん9月がつに出版しゅっぱんした自伝じでん『The Man in the White Suit』（ISBN 978-0007327966）の中なかで「スティグは自分じぶんだった」と明あかそうとした事ことが原因げんいんとされている。BBCはコリンズの自伝じでんの出版しゅっぱん差さし止とめを求もとめる仮処分かりしょぶんをロンドンの高等法院こうとうほういんに申もうし立たてたものの、申立もうしたては却下きゃっかされ、同年どうねん9月16日にちに予定よてい通どおり英国えいこく内ないでも発売はつばいされた。

なお『トップ・ギア』のプロデューサーを務つとめるアンディ・ウィルマンは、この騒動そうどうに関連かんれんして『トップ・ギア』の公式こうしきサイトにおいて「The Stig. He's ours（スティグは我々われわれのものだ）」というコラムを公開こうかいしており、番組ばんぐみがスティグというブランドを育そだててきたこと、そして今後こんごもスティグの匿名とくめい性せいを守まもる意向いこうをアピールしている。また『トップ・ギア』の司会しかい者しゃの一人ひとりであるジェームズ・メイも、この件けんに関かんして「スティグは何者なにものでもない。我々われわれは代かわりのスティグを獲得かくとくすることができるし、宇宙うちゅうにはたくさんのスティグがいる」と語かたったと伝つたえられた。その後ご2010年ねん11月には、前述ぜんじゅつの『The Stig farm』の動画どうがの中なかで新あたらしいスティグの登場とうじょうが予告よこくされた。

この騒動そうどうの後のちの12月22日にちに放送ほうそうされたシリーズ15エピソード7では、リチャード・ハモンドが「スティグが速はやい車くるまに乗のるはずの時間じかんだったが、彼かれがいなくなったので今日きょうはできない」と言いい、ジェームズは「スティグの本名ほんみょうがわかった、イスカリオテのユダだ」と皮肉ひにくっている。この回かいでは、実弾じつだん射撃しゃげきの的まととして旧きゅうホワイトスティグの写真しゃしんが用意よういされ、3人にんによって銃撃じゅうげきされた。さらにリチャードは的まとを裏返うらがえして「背中せなかから撃うってやる、裏切うらぎったお返かえしだ」「新あたらしい仲間なかまと何なにかやっている頃ころだから、それをぶち壊こわしにしてやる」というブラックジョークを披露ひろうしている。2011年ねんに放送ほうそうされたシリーズ16エピソード1でも、2代目だいめスティグに対たいし「クビになったスティグ」、シリーズ17エピソード3ではセバスチャン・ベッテルとの会話かいわで「こいつはスティグじゃない（old sacked Stig）」とまたも嫌味いやみが飛とび出だしている。

もっとも、そのベン・コリンズもシリーズ17エピソード6にてTop Gearに再さい出演しゅつえんを果はたし、傷痍軍人しょういぐんじんたちで結成けっせいされたラリーチームのコーチ役やくを務つとめた。「”元もと”スティグにして、ロマン小説しょうせつ家か」と紹介しょうかいされ、リチャードは皮肉ひにくを言いいながらも「彼かれが教おしえ上手じょうずなのはよく知しっている」と評ひょうしている。また、2012年ねん11月放送ほうそうの「ジェームズ・ボンド50周年しゅうねんスペシャル」にも出演しゅつえんし、リチャードに「本ほんでも書かいたらどうか」と皮肉ひにくられている。

また、それに先立さきだつシリーズ6エピソード1のトヨタ・アイゴ自動車じどうしゃサッカーではハモンドのチームの一員いちいんとして「F1テストドライバーのベン・コリンズ」として登場とうじょうしている。

ホワイトスティグ（3代目だいめスティグ）

シリーズ16から登場とうじょうした3代目だいめのスティグについては、正体しょうたいに関かんする議論ぎろんは活発かっぱつ化かしていない。

シリーズ16・エピソード2では、スーパー2000仕様しようのプロトン・サトリアネオで、グラベルとターマックのミックスコースをこなすなど、オフロードでの運転うんてん技量ぎりょうも高たかい。また車内しゃないの映像えいぞうからは左足ひだりあしブレーキを使つかっていることが確認かくにんできる。

グッズ

番組ばんぐみの公式こうしきグッズとして、『ウォーリーをさがせ!』のスティグ版ばん『Where's Stig?』（ISBN 978-1846078088）や、リアウインドーに貼はるステッカーなどを販売はんばいしている。特とくに人気にんきが高たかいのが、前面ぜんめんに「I AM THE STIG」の文字もじ、後うしろにホワイトスティグの後うしろ姿すがたがプリントされたTてぃーシャツで、スタジオ収録しゅうろく時じに着きている観客かんきゃくがそれをネタに弄いじくられることもある。

またバリチェロはスティグのラップタイムを抜ぬいたことにちなんで、自分じぶん用ように「I beat the Stig」（私わたしはスティグに勝かった）、息子むすこ用ように「My Dad beat the Stig」（私わたしの父ちちはスティグに勝かった）と書かかれたTてぃーシャツを作成さくせいし着用ちゃくようしていた。バリチェロはさらにタイムが下回したまわったF1ドライバーへ「I didn't beat the Stig」（私わたしはスティグに負まけた）と書かかれたTてぃーシャツを配布はいふした。2010年ねんのドイツGPでは、ジェンソン・バトンがこれを着用ちゃくようしていることが番組ばんぐみで紹介しょうかいされた。これ以来いらいのスティグ登場とうじょう時じの噂うわさ話ばなし紹介しょうかいでは「バリチェロの人形にんぎょうをデスクファンで痛いためつけている」など、バリチェロを怨うらんでいるようなネタが何なん度どか登場とうじょうしている。

外部がいぶリンク

• Top Gear