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シマツナソ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
シマツナソ
シマツナソの果実かじつ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせいそう子葉しようるい core eudicots
階級かいきゅうなし : バラるい rosids
階級かいきゅうなし : アオイるい malvids
: アオイ Malvales
: アオイ Malvaceae
: Grewioideae
ぞく : ツナソぞく CorchorusL.
たね : シマツナソ C. olitorius
学名がくめい
Corchorus olitorius L. (1753)[1]
和名わみょう
シマツナソ、ナガミツナソ、タイワンツナソ、モロヘイヤ
英名えいめい
nalta jute,
Jew's mallow[2],
tossa jute[3]

シマツナソしま綱麻つなそ[2]; 学名がくめい: Corchorus olitorius[よう検証けんしょう]は、アオイ[注釈ちゅうしゃく 1]ツナソぞく(コルコスルぞく)のいち年生ねんせい草本そうほん別名べつめいナガミツナソ[1]タイワンツナソ[4]、ジュート。 近年きんねん食材しょくざいさい)としても流通りゅうつうするようになり、モロヘイヤアラビア: ملوخية‎, 文語ぶんごアラビア発音はつおん:mulūkhīyahないしはmulūkhīya[注釈ちゅうしゃく 2], ムルーヒーヤ, ちゅう:モロヘイヤはエジプト方言ほうげん発音はつおん由来ゆらい)のでよくられるところとなっている。

リンネの『植物しょくぶつたね』(1753ねん)で記載きさいされた植物しょくぶつひとつである[5]

名称めいしょう

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たね小名しょうみょう olitorius (オルトリウス)はラテン語らてんごで「野菜やさいはたけの」の意味いみ果実かじつ円筒えんとうがたナガミツナソちょうみのる綱麻つなそ)の別名べつめいはここからくる。同属どうぞく植物しょくぶつは30種類しゅるい以上いじょうあるといわれるが、栽培さいばいされているのはおも食用しょくようになるオルトリウスしゅと、繊維せんい(ジュート)の原料げんりょうになるカプラリスしゅの2しゅで、オルトリウスしゅ別名べつめいタイワンツナソ台湾たいわん綱麻つなそ)、またはモロヘイヤとよばれている[4]一方いっぽうきんえんのカプラリスしゅ和名わみょうでツナソ(綱麻つなそ)といい、別名べつめいでコウマ(黄麻おうま)ともよばれている[4]

モロヘイヤの名前なまえ由来ゆらいは、一説いっせつによるとエジプト故事こじなか王様おうさまおも病気びょうきなおした野菜やさいとして記述きじゅつのこっており、この野菜やさいアラビア王様おうさまあらわす「マリク」、その複数ふくすうがた「ムルク」から、さらに形容詞けいようしの「モロヘイヤ」になって「王様おうさま野菜やさい」を意味いみするとされている[4]

特徴とくちょう

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中近東ちゅうきんとう原産げんさん[6]熱帯ねったいアジア原産げんさん[3]、あるいはインド西部せいぶアフリカエジプト原産げんさんといわれる[4][2]現在げんざいは、エジプトを中心ちゅうしんキプロスリビアスーダンなどの比較的ひかくてき乾燥かんそうした熱帯ねったい地域ちいき分布ぶんぷしている[4]自家じか受粉じゅふんにより種子しゅし繁殖はんしょくする、いち年生ねんせい作物さくもつである[4]

くき直立ちょくりつし、ぶんえだおおいものと、比較的ひかくてきすくないものがある[7]互生ごせいし、えんにギザギザした鋸歯きょしがあり[7]あおしそにかたちをしている。たんにちせいで、日照ひでり時間じかんが13あいだよりみじかくなると花芽かが形成けいせいして、開花かいか結実けつじつする[8]あきちかづいて花芽かが形成けいせいされはじめると、新芽しんめ発生はっせいまる[9]はな黄色きいろちいさく、通常つうじょう1つの5べんはなをつける[7][10]はなにつく果実かじつさいかちはてで、ながさ5 - 10センチメートル (cm) の細長ほそなが円筒えんとうがたをしている[11]。さやのなかにはくろいゴマつぶのような、角張かくばっている種子しゅしみの[10]には毒性どくせいはないが、この種子しゅしには毒性どくせいのある成分せいぶんふくまれている[10]

栽培さいばい品種ひんしゅ分化ぶんかとくられないが、背丈せたけひくくてがわえだやすい、たおれにくいなどの品種ひんしゅ改良かいりょうおこなわれている[12]

毒性どくせい

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種子しゅし強心きょうしん作用さようのあるステロイドるいg-ストロファンチジンオリトリサイドというつよ心配しんぱいとうからだ、さらにサポニンふくむことがられており[7][13]種子しゅし摂食せっしょくしたウシブタ死亡しぼうれい日本にっぽんおよびオーストラリアで報告ほうこくされているが[14][15]、これまでヒトにおける死亡しぼう事例じれい報告ほうこくはない。このつよ心配しんぱいとうたい収穫しゅうかくくきかく部位ぶい未熟みじゅく種子しゅしにはふくまれず[7]、また野菜やさいとして流通りゅうつうするモロヘイヤ、モロヘイヤ健康けんこう食品しょくひん、モロヘイヤちゃなどからも検出けんしゅつされなかったことから、通常つうじょう流通りゅうつうひんについては安全あんぜんであることが確認かくにんされている[16]。このつよ心配しんぱいとうたい成熟せいじゅくちゅうのかたい種子しゅし[7]成熟せいじゅく種子しゅしのさや、発芽はつがからしばらくまでの若葉わかばにもふくまれるため、家庭かてい菜園さいえんなどで栽培さいばいする場合ばあい注意ちゅうい必要ひつようである[17]。また、子供こども種子しゅしあやまいんすることもありうるため管理かんりをつけるよう厚生省こうせいしょう注意ちゅうい喚起かんきしている[18]

薬理やくり作用さよう

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ACE阻害そがい活性かっせいのある物質ぶっしつ含有がんゆうしているため、高血圧こうけつあつ抑制よくせい効果こうかがあるとする研究けんきゅうがある[19]

栽培さいばい

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日本にっぽん食用しょくようにする、若芽わかめ

モロヘイヤはエジプトインドなど中近東ちゅうきんとうひろくつくられており、夏場なつば高温こうおん多湿たしつ日本にっぽんでも栽培さいばいてきしている[20]高温こうおん多湿たしつつよ水分すいぶんこの性質せいしつで、発芽はつが適温てきおんは25 - 30[21]栽培さいばい適温てきおんは20 - 30とされる[11]温度おんど最低さいてい気温きおんを15 - 20以上いじょうにしないと安定あんていした露地ろじ栽培さいばいむずかしく[22]、10以下いかになると枯死こししてしまう[11]土壌どじょう酸度さんどpH 6.0 - 6.5が栽培さいばいてきしている[8]日本にっぽんでの栽培さいばい期間きかんは4がつ - 9月で、4がつ育苗いくびょうおこない、初夏しょか(5がつ下旬げじゅん - 6がつ上旬じょうじゅん)になえ定植ていしょくして、収穫しゅうかくは7がつから9がつ家庭かてい菜園さいえんでも容易ようい栽培さいばい可能かのうである[21][20]早出そうしゅつしのためにはゆたか育苗いくびょうして、マルチングやトンネル保温ほおんして地温ちおんげておくとよいとされる[12]定期ていきてき追肥ついひみずやりと、しゅえだを摘芯してよいがわえださせることで収穫しゅうかくりょうやすことができる[12]

生産せいさんではさまざまなさくがたおこなわれており、温暖おんだんでは5月に播種はしゅする露地ろじ栽培さいばい普通ふつう栽培さいばい)、それよりはや播種はしゅするさくがた促成そくせい栽培さいばいといいビニールハウスなどの施設しせつ利用りようする[22]遅出おそでしを目的もくてきとする秋期しゅうき施設しせつ栽培さいばいでは、温度おんど確保かくほでんあきらによる長日ちょうじつ条件じょうけん開花かいか抑制よくせいする必要ひつようがある[22]。モロヘイヤはたんにちせいのためなつわりごろから開花かいかはじまるが、たんかうあき施設しせつ栽培さいばいでは、でんあきらによる長日ちょうじつ条件じょうけんにすることによって開花かいか抑制よくせいすることができる[8]

はたけけの2 - 3週間しゅうかんまえに、元肥もとごえとして堆肥たいひほどこしておき、たかさ5 - 10センチメートル (cm) のうねつく[21][20]育苗いくびょうポットでなえそだてたほうがつくりやすいが、高温こうおんせい野菜やさいであるため、はたけ直播じかまきする場合ばあい気温きおん十分じゅうぶんあたたかくなった5 - 6がつごろがいとされる[21][23]育苗いくびょう期間きかんは35 - 30にちほんが5 - 6まいになったころのなえを、うね株間かぶま35 - 50 cmほどの間隔かんかく定植ていしょくする[24][25]低温ていおんよわいことや、雑草ざっそうえるのを防止ぼうしするためマルチング対策たいさくするとよいとされる[25][12]生長せいちょうはい草丈くさたけが40 - 50 cmほどになったところでしゅえだ先端せんたんを摘芯してたかさ30 cmにして、以後いごびてくるわきがたくさん収穫しゅうかくりょうやすことができる[9][25][26]。よいがわえださせるために、摘芯株間かぶまたがやしてぼかしこえなどで追肥ついひおこない、そのも15 - 20日はつかに1かい程度ていど追肥ついひ継続けいぞくするとわきかぶ充実じゅうじつする[25][26][23]支柱しちゅう必要ひつようではないが[26]しゅえだ倒伏とうふく防止ぼうしのため支柱しちゅうてておき、なつ乾燥かんそう防止ぼうしわらすいやりをするとよい[10]

草丈くさたけは1メートル (m) 以上いじょうにも生長せいちょうするが、草丈くさたけ50 cmをえたころからわき先端せんたんのやわらかい茎葉けいよう部分ぶぶんだけを利用りようし、10 - 20 cmほどんだり、はさみって収穫しゅうかくされる[25][26][10]放任ほうにんすると草丈くさたけは2 mにもたっしてしまい、草丈くさたけおおきくなると新芽しんめいきおいがなくなるので、120 - 150 cmになったらもどすとよいとされる[9][12]たね場合ばあいは、開花かいかにつく完熟かんじゅくさせる[26]黄色きいろはないてサヤができるが、じゅくした種子しゅしには毒性どくせいがあるので絶対ぜったいべてはいけない[25][26][12]。このサヤを乾燥かんそうさせることで、たねることができ、翌年よくねんたねまきに使つかうことができる[25][26]

病虫害びょうちゅうがい心配しんぱいすくなくそだてやすいが[20]農家のうか圃場ほじょう大量たいりょう栽培さいばいする場合ばあいうどんこびょう[27]灰色はいいろかびびょうぶくれやめ黒星くろぼしびょう発生はっせいすることがある[9]おも害虫がいちゅうは、コガネムシアザミウマにより食害しょくがいけたり、ハダニがつくと葉色はいろうすくなりクモったようになる[9]

利用りよう

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モロヘイヤ 茎葉けいよう せい[28]
100 gあたりの栄養えいよう
エネルギー 159 kJ (38 kcal)
6.3 g
デンプン 正確せいかくせい注意ちゅうい 0.1 g
食物しょくもつ繊維せんい 5.9 g
0.5 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん (0.07) g
一価いっか飽和ほうわ (0.03) g
あたい飽和ほうわ (0.24) g
4.8 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとうりょう
(105%)
840 µg
(93%)
10000 µg
チアミン (B1)
(16%)
0.18 mg
リボフラビン (B2)
(35%)
0.42 mg
ナイアシン (B3)
(7%)
1.1 mg
パントテンさん (B5)
(37%)
1.83 mg
ビタミンB6
(27%)
0.35 mg
葉酸ようさん (B9)
(63%)
250 µg
ビタミンC
(78%)
65 mg
ビタミンE
(43%)
6.5 mg
ビタミンK
(610%)
640 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(11%)
530 mg
カルシウム
(26%)
260 mg
マグネシウム
(13%)
46 mg
リン
(16%)
110 mg
鉄分てつぶん
(8%)
1.0 mg
亜鉛あえん
(6%)
0.6 mg
どう
(17%)
0.33 mg
セレン
(1%)
1 µg
成分せいぶん
水分すいぶん 86.1 g
水溶すいようせい食物しょくもつ繊維せんい 1.3 g
不溶性ふようせい食物しょくもつ繊維せんい 4.6 g
ビオチン(B7 13.6 µg
硝酸しょうさんイオン 0.2 g

ビタミンEはαあるふぁ─トコフェロールのみをしめした[29]廃棄はいきりつ木質もくしつくきつきの場合ばあい25%
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI割合わりあい

繊維せんい原料げんりょう(ジュート)として

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きんえんコウマ黄麻おうま)とともに「ジュート」(英語えいご: jute)と通称つうしょうされ、一部いちぶ繊維せんい原料げんりょうとして利用りようされる[4]バングラデシュにおけるジュート生産せいさんの4ぶんの1はシマツナソの作付さくづけである。はる播種はしゅし、2-3mに生長せいちょうしたところをり、くきみず醗酵はっこうさせて繊維せんい採取さいしゅする。

食材しょくざい(モロヘイヤ)として

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若葉わかばモロヘイヤ英名えいめい: Jew's mallow)としょうして食用しょくようとし、やわらかいわかんででてから利用りようするのが一般いっぱんてきである[2]生葉いくはべることもできるが、結石けっせきしょうじる原因げんいんになるシュウさんおおふくんでいるので、でてからみずにさらしてシュウさんらす処理しょりをする[3]きざんだりゆでたりするとツルムラサキオクラ同様どうようムチレージムシレージ)による特有とくゆうねばりがるのが特徴とくちょうである[6]野菜やさいとしてのおもしゅんは6 - 9がつごろで、あざやかな緑色みどりいろ先端せんたんまでりがあり、くきってやわらかいものが良品りょうひんである[6][2]あじにおいはほとんどクセがなく、たくさんべることもできる[6][3]

モロヘイヤのスープ

インド古代こだいエジプトではふるくから栽培さいばいされてべられていたことがられている[2]クレオパトラあいした野菜やさいといわれ、重病じゅうびょうわずらった古代こだいエジプトのおうがモロヘイヤのスープをんで病気びょうきなおしたという故事こじからアラビアで「王家おうけのもの」という意味いみがあり[12]、「王様おうさま野菜やさい」のがついたといわれている[6][2]現在げんざいエジプトなどでは栽培さいばいさかんで、きざんでとろりとしたスープにしてべるのが一般いっぱんてきである[21]中東ちゅうとうではスープの材料ざいりょう[30]きたアフリカでは、きざんでにくひつじにく鶏肉とりにく牛肉ぎゅうにくなど)と煮込にこむことがおおい。インドではホウレンソウわりの野菜やさいカリブ海かりぶかい沿岸えんがんではサラダ材料ざいりょうとしてもちいられている[30]台湾たいわんたいちゅう地域ちいきにおいても、かつて広大こうだいなタイワンツナソ農場のうじょうがあった歴史れきしから、地元じもと住民じゅうみんはつまむ、こすう、こねる、あらうの4つの工程こうていって、サツマイモやシラスとぜて調理ちょうりする独特どくとくの「マーイ」(あさ)スープを日常にちじょうてきべている。[31]

日本にっぽんはいってきたのは1980年代ねんだい後半こうはんで、エジプトに留学りゅうがくしていた大学だいがく教授きょうじゅ飯森いいもり嘉助かすけらが、モロヘイヤスープのあじなつかしんで、種子しゅしせて栽培さいばいしたのが最初さいしょわれており[4]、のちに「全国ぜんこくモロヘイヤ普及ふきゅう協会きょうかい」を設立せつりつ普及ふきゅうつとめた。1990年代ねんだい健康けんこうしょくブームになるなかで、非常ひじょう栄養えいようたかく、活性かっせい酸素さんそおさえるクロロゲンさんポリフェノール豊富ほうふなことで脚光きゃっこうびて、全国ぜんこく栽培さいばい産地さんちはじまった[4][6]現在げんざい日本にっぽん各地かくちひろ栽培さいばいされおり、三重みえけん群馬ぐんまけん岐阜ぎふけん静岡しずおかけん秋田あきたけんなどがおも産地さんち[4]宮城みやぎけん大郷おおさとまち[32]などが産地さんちとして有名ゆうめい醤油じょうゆなどの日本にっぽん調味ちょうみりょうにもくなじみ[6]ひた[6]スープるい[2]てんぷらなどにするほか[21]乾燥かんそう粉末ふんまつパンクッキー中華麺ちゅうかめん生地きじんだりしてもちいることもある[3]せい鮮度せんどちがはやいため、保存ほぞんするときはでてから冷凍れいとう保存ほぞんするといとされる[2]

栄養素えいようそ

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生葉いくはしょく100グラム (g) あたりの熱量ねつりょうは38キロカロリー (kcal) ほどで[6]水分すいぶん86.1 g、炭水化物たんすいかぶつ6.3 g、タンパク質たんぱくしつ4.8 g、灰分かいぶん2.1 g、脂質ししつ0.5 gがふくまれる[3]カルシウムβべーた-カロテンビタミンBぐんビタミンCビタミンEビタミンK食物しょくもつ繊維せんいマンガンなどに緑黄色りょくおうしょく野菜やさい代表だいひょうかく[6][2][12]こう酸化さんか作用さようのあるクエルセチンおおふくむ。ビタミンAもととなるβべーた-カロテンはあらゆる野菜やさいなかもっとおおふくまれており(しょく100グラムちゅう、10,000マイクログラム[3])、βべーた-カロテンと食物しょくもつ繊維せんいホウレンソウの2ばい、カルシウムは5ばいおおふくまれている[6]。ビタミンEの含有がんゆうりょう野菜やさいなかではトップクラスである[12]一方いっぽうビタミンCはコマツナの0.9ばい、ホウレンソウとほぼおなじである[30]全体ぜんたいてき栄養えいようきわめてたかく「野菜やさい王様おうさま」の異名いみょう[3]。これらの栄養えいようから免疫めんえき活性かっせいがん老化ろうか骨粗鬆症こつそしょうしょう予防よぼう疲労ひろう回復かいふくなつバテ防止ぼうし高血圧こうけつあつおさえる効果こうか期待きたいされている[2]。またきざむとてくるムチレージは、などの粘膜ねんまく保護ほごし、便秘べんぴ改善かいぜん血糖けっとうコレステロール上昇じょうしょう抑制よくせいする効果こうか期待きたいされている[6][2]

せい開張かいちょうせいことなるくさがたでビタミンるいポリフェノールるい含有がんゆうりょうにほとんどちがいはなく、栽培さいばい条件じょうけんによって変化へんかする可能かのうせいがある[30]βべーた-カロテンとビタミンCは部分ぶぶんおおふくまれており、葉柄ようへいくきにはほとんどふくまれていない[30]長時間ちょうじかんでることによりビタミンCはこわれて減少げんしょうしていくが、βべーた-カロテンについてはねつ影響えいきょうをほとんどけないという特徴とくちょうっている[30]。モロヘイヤがこう酸化さんか作用さようはポリフェノールるいによるもので、部分ぶぶんクロロゲンさん3.5-ジカフェオイルキナさんケルセチン3-ガラクトシドケルセチン3-グリコシドケルセチン3-(6-マロニルグルコシド)などがふくまれており、なかでもクロロゲンさん含有がんゆうりょうおお主要しゅようこう酸化さんか成分せいぶんとなっている[7]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 最新さいしんAPG体系たいけいではアオイであるが、従来じゅうらいふるクロンキスト体系たいけいしんエングラー体系たいけいではシナノキ分類ぶんるいされていた[1]
  2. ^ エジプトでは民間みんかん語源ごげんてきmulūkīya諸王しょおうのもの」という言葉ことば( < mulūk諸王しょおう」 < malikおう」)にむすびつけられることがおおいという。 モロヘイヤ事始ことはじめ

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
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  • 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん『かしこくえらぶ・おいしくべる 野菜やさいまるごと事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん7がつ10日とおか、53ぺーじISBN 978-4-415-30997-2 
  • 金子かねこよしとう野口のぐちいさお監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん有機ゆうき農薬のうやく 家庭かてい菜園さいえん当地とうちふるさと野菜やさいそだかた成美せいびどう出版しゅっぱん、2011ねん4がつ1にち、162 - 163ぺーじISBN 978-4-415-30991-0 
  • 金子かねこよしとう「モロヘイヤ」『有機ゆうき農薬のうやくでできる野菜やさいづくりだい事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん4がつ1にち、148 - 149ぺーじISBN 978-4-415-30998-9 
  • 講談社こうだんしゃへん『からだにやさしいしゅん食材しょくざい 野菜やさいほん講談社こうだんしゃ、2013ねん5がつ13にち、25ぺーじISBN 978-4-06-218342-0 
  • 主婦しゅふ友社ともしゃへん野菜やさいまるごと大図おおずあきら主婦しゅふ友社ともしゃ、2011ねん2がつ20日はつか、230ぺーじISBN 978-4-07-273608-1 
  • 農文協のうぶんきょうへん野菜やさい園芸えんげいだい百科ひゃっか だい2はん 20:特産とくさん野菜やさい70しゅのうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2004ねん3がつ31にち、337 - 346ぺーじISBN 4-540-04123-1 

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