フィレオフィッシュ

フィレオフィッシュ

フィレオフィッシュ（英えい: Filet-O-Fish）は、ファーストフードチェーンのマクドナルドが販売はんばいしているハンバーガーメニューの一ひとつ。

商品しょうひん概要がいよう

スケトウダラ

フィレ「Filet」は骨ほねのない魚さかなの切きり身みを意味いみしている。あっさりとしたスケトウダラなどの白身しろみ魚ぎょのフライにタルタルソースがかけられ、スライスチーズと共ともに、レギュラーバンズ（パン）に挟はさんで提供ていきょうされる。また、バンズは（他たの、肉にくを使つかったハンバーガーとは違ちがい、鉄板てっぱんで焼やかずに）スチーマーで蒸むしたものを使用しようする。またスライスチーズは半分はんぶんにカットしたものが使つかわれる。

提供ていきょう時じは、潰つぶれてバンズのふわふわ感かんが損そこなわれないよう、ビッグマックと同おなじような硬かたい紙かみ製せいの箱はこに入いれて出だされる。なお、日本にっぽんでは1978年ねん以降いこう、発泡はっぽうスチロール製せいのクラムシェルボックスを使用しようしていたが、ゴミ問題もんだいなどから1990年ねんにアメリカのマクドナルドがこの容器ようきの使用しよう中止ちゅうしを決定けってい。日本にっぽんでも段階だんかい的てきに首都しゅと圏けんから紙かみラップに切きり替かえた後のち、現在げんざいの紙かみ箱ばこになった。

商品しょうひん史し

商品しょうひん開発かいはつ

1959年ねんよりオハイオ州しゅうシンシナティでマクドナルドのフランチャイジーとして店みせの経営けいえいにあたっていたルー・グルーンは、開業かいぎょう当初とうしょから経営けいえい難なんに直面ちょくめんしていた。理由りゆうの一ひとつに地域ちいきの宗教しゅうきょう上じょうの問題もんだいがあった。グルーンの店みせの周囲しゅういにはカトリックの信者しんじゃが多おおく暮くらしており、「肉にくを食たべてはいけない」金曜日きんようびになると客足きゃくあしが遠とおのいていた。また灰はいの水曜日すいようびから復活ふっかつ祭さいまでの約やく40日間にちかんも売上うりあげが大おおきく落おち込こんだ。

グルーンは、近所きんじょにあったビッグボーイのチェーン店てんが、魚さかなのサンドイッチを提供ていきょうしていることを知しった。これをヒントとして独自どくじの魚さかなフライのホットサンドイッチを作つくるための試行錯誤しこうさくごを始はじめた。

1961年ねん、グルーンは最初さいしょにオヒョウの切きり身みのフライとタルタルソースを使つかったフィレオフィッシュを完成かんせいさせ、店みせでの販売はんばい許可きょかを得えるためにマクドナルド本社ほんしゃのレイ・クロックとの交渉こうしょうに臨のぞんだ。しかしクロックは「店みせが魚さかな臭くさくなる」という理由りゆうで当初とうしょこの提案ていあんを却下きゃっかした。グルーンは諦あきらめずに粘ねばり交渉こうしょうを続つづけたところ、クロックから「フラ・バーガー(Hulu Burger)」を売うってみたらどうかと逆ぎゃく提案ていあんを受うけた。

クロックが提案ていあんした「フラ・バーガー」はパイナップルの上うえにチーズを載のせて焼やいたものを挟はさんだホットサンドイッチだった。グルーンとクロックは、どちらのメニューが売うれるか賭かけをすることになった。1962年ねんのある金曜日きんようび、グルーンの店みせで「フラ・バーガー」と「フィレオフィッシュ」のどちらが売うれるかのテスト販売はんばいが行おこなわれた。結果けっか、「フラ・バーガー」は売上うりあげ6ドル、「フィレオフィッシュ」は350ドルを売うり上あげた。

クロックは負まけを認みとめた上うえで魚さかなのレシピをメニューに加くわえることに同意どういした。ただしフィレオフィッシュに使つかう魚さかなをオヒョウではなく別べつのものにすることを求もとめた。オヒョウは漁獲ぎょかく高だかの増減ぞうげんが大おおきく値段ねだんの変動へんどうが大おおきいため、アメリカ全土ぜんどに展開てんかいするには不ふ適格てきかくであったからである。代かわりとなる海産物かいさんぶつをテストしたところ、当初とうしょはハマグリにパン粉ぱんこをまぶしたものが適てきしているという結論けつろんがでた。このレシピに「ディープ・シー・ドーリー」と名前なまえをつけてテスト販売はんばいしたが、調理ちょうり法ほうが難むずかしかったために断念だんねんすることになった。最終さいしゅう的てきにタイセイヨウダラをフライにしたものを「フィレオフィッシュ」と命名めいめいし、全米ぜんべいのマクドナルドのメニューに載のせることになった。

商品しょうひんの変遷へんせん

アメリカでは、アラスカでのタラ類るいの漁獲ぎょかく高だかの減少げんしょうにより、1996年ねん9月26日にちにフィレオフィッシュをメニューより外はずし、高級こうきゅう指向しこうの「フィッシュ・デラックス（Fish Delux）」を加くわえると発表はっぴょうした。しかし、顧客こきゃくからフィレオフィッシュを復活ふっかつを要望ようぼうする内容ないようの手紙てがみや嘆願たんがん書しょが多おおく寄よせられ、1998年ねん3月がつ22日にちにメニューに復帰ふっきさせた。

原材料げんざいりょうを巡めぐる問題もんだい

日本にっぽんマクドナルドは原材料げんざいりょうに関かんする問とい合あわせに対たいし、2001年ねんに使用しようしている白身しろみ魚ぎょの種類しゅるいをスケトウダラであると回答かいとうした。また、日本にっぽん以外いがいではマダラや深海魚しんかいぎょのホキ、メルルーサも使用しようされていると回答かいとう。2019年ねん現在げんざい、同社どうしゃはアメリカ・ベべーリング海りんぐかいのスケトウダラを使用しようし、タイで加工かこうした後のちに日本にっぽんに輸送ゆそうしている

インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙かみは2009年ねん9月がつ10日にち付づけの紙面しめんで、マクドナルドだけで年間ねんかん約やく7,000t（1,500万まんポンド）のホキを消費しょうひしていると報ほうじた。またこの漁獲ぎょかくにより、ホキは絶滅ぜつめつの危機ききにあり、ホキの漁獲ぎょかく量りょうの制限せいげんが行おこなわれているとした。

2013年ねん1月がつ、マクドナルドは全米ぜんべいで販売はんばいするフィレオフィッシュについてはすべてアラスカ産さんのスケソウダラを使用しようすると発表はっぴょう。またこのスケソウダラは海洋かいよう管理かんり協議きょうぎ会かい（略称りゃくしょう：MSC）から持続じぞく可能かのう性せいな漁りょうで流通りゅうつうされているとの認定にんていを受うけた。この認定にんていは全米ぜんべいで展開てんかいするレストランチェーンでは初はじめてのことだった。しかし、ベべーリング海りんぐかいでのスケソウダラ漁りょうは底引そこびき網あみで行おこなわれており、絶滅ぜつめつの危機ききにあるオヒョウを混こん獲えしていると指摘してきされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 日本にっぽんマクドナルド株式会社かぶしきがいしゃ広報こうほう部ぶ『日本にっぽんマクドナルド20年ねんのあゆみ』日本にっぽんマクドナルド、1991年ねん。OCLC 47486957。 
• “No fish story: Sandwich saved his McDonald's”. USATODAY.com. 2015年ねん4月がつ10日とおか閲覧えつらん。
• “The Fishy History of the McDonald’s Filet-O-Fish Sandwich”. Smithsonian.com. 2015年ねん4月がつ10日とおか閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

• マクドナルドの商品しょうひん一覧いちらん

外部がいぶリンク

• フィレオフィッシュ メニュー情報じょうほう McDonald's Japan