ルキウス3世せい (ローマ教皇きょうこう)

ルキウス3世せい
第だい171代だいローマ教皇きょうこう
教皇きょうこう就任しゅうにん	1181年ねん9月1日にち
教皇きょうこう離任りにん	1185年ねん11月25日にち
先代せんだい	アレクサンデル3世せい
次代じだい	ウルバヌス3世せい
個人こじん情報じょうほう
出生しゅっしょう	1100年ねん(?) ルッカ
死去しきょ	1185年ねん11月25日にち ヴェローナ
その他たのルキウス

ルキウス3世せい（Lucius III, 1100年ねん(?) - 1185年ねん11月25日にち）は、12世紀せいきのローマ教皇きょうこう（在位ざいい、1181年ねん-1185年ねん）。本名ほんみょうはウバルド・アルチンゴリ（Ubaldo Allucingoli）。

教皇きょうこう就任しゅうにん以前いぜん

ルキウス3世せいは1100年ねんごろ、当時とうじ独立どくりつ国こくであったルッカ共和きょうわ国こくでオルランド (Orlando) の息子むすこウバルドとして生うまれた。ウバルドはシトー修道しゅうどう会かいと近ちかい関係かんけいにあった。1138年ねん12月、インノケンティウス2世せいによって枢機卿すうききょうに指名しめいされてサンアドリアノの助祭じょさいとなり、1141年ねん5月がつにはサンタプラシード (Santa Prassede) の司祭しさいとなった。その後ご、1158年ねん12月にハドリアヌス4世せいによってオスティアおよびヴェッレトリ教区きょうくの司祭しさいに昇格しょうかくされ、さらにアレクサンデル3世せいのもとで首席しゅせき枢機卿すうききょうにまで昇のぼり、強つよい影響えいきょう力りょくを発揮はっきした。

教皇きょうこう就任しゅうにん以降いこう

アレクサンドル3世せいの後任こうにんとして教皇きょうこうに指名しめいされた後のちの1181年ねん11月、一旦いったんはローマに移うつり住すんだが市民しみんの反感はんかんに遭あい、1182年ねん3月がつに町まちを離はなれると以降いこうの在位ざいい期間きかんをヴェッレトリ、アナーニ、ヴェローナで過すごした。

ルキウス3世せいの在位ざいい中ちゅう、神かみ聖きよしロろーマ帝国まていこくとは常つねに緊張きんちょうした関係かんけいであった。特とくに、トスカーナ女おんな伯はくマティルデ・ディ・カノッサが残のこした領地りょうちの所有しょゆうをめぐって皇帝こうていフリードリヒ1世せいと対立たいりつした。1177年ねんに神聖しんせいロろーマ帝国まていこくとローマ教皇きょうこうの間あいだで結むすばれたヴェネツィア条約じょうやく（ヴェネツィアの和わ約やく）ではトスカーナ女おんな伯はくの所領しょりょう問題もんだいが未み解決かいけつのままとなっていた。そこでフリードリヒ1世せいは1182年ねん、教皇きょうこう庁ちょうが領地りょうちを放棄ほうきする代かわり、帝国ていこくがイタリアから得える収入しゅうにゅうの中なかから教皇きょうこうに1割わり、司教しきょうに1割わりの計けい2割わりを分配ぶんぱいする提案ていあんをしたが、ルキウス3世せいはこれに賛成さんせいせず、翌年よくねん示しめされた妥協だきょう案あんにも同意どういしなかった。1184年ねん10月がつにはヴェローナで教皇きょうこうと皇帝こうていの直接ちょくせつの話はなし合あいが持もたれたが、結局けっきょくこの件けんについて解決かいけつを見みることはなかった。一方いっぽう、新あらたな争あらそいのもとが生うまれていた。フリードリヒ1世せいは教皇きょうこう分裂ぶんれつ期きに実施じっしされたドイツ内ないの司教しきょう選挙せんきょを規制きせいし、中なかでも1183年ねんに行おこなわれたトリーア大司教だいしきょう選挙せんきょの見直みなおしを要求ようきゅうしたが、ルキウス3世せいはこれをき入きいれなかった。

1184年ねん、ヴェローナで開ひらかれた教会きょうかい会議かいぎ後ごに教皇きょうこう勅書ちょくしょを発はっし、カタリ派はやパタリン派は、ヴァルド派は、アルノルド派はを異端いたんとして破門はもんした。異端いたん審問しんもんがより厳密げんみつに法制ほうせい化かされたのは1234年ねんのグレゴリウス9世せいの代だいになってからである。

教皇きょうこうは神聖しんせいロろーマ帝国まていこくとの対抗たいこう姿勢しせいを緩ゆるめず、1185年ねん、ついにはフリードリヒ1世せいが世継よつぎに指名しめいしたハインリヒ6世せいの即位そくいにも反対はんたいし、イタリアの統治とうちに関かんする両者りょうしゃの溝みぞは深ふかまるばかりであった。

エルサレム国王こくおうボードゥアン4世せいの求もとめに応おうじて第だい3回かい十字軍じゅうじぐんの準備じゅんびが進すすめられていた1185年ねん、ルキウス3世せいはヴェローナで没ぼっした。

参考さんこう文献ぶんけん

•  この記事きじにはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく内うちで著作ちょさく権けんが消滅しょうめつした次つぎの百科ひゃっか事典じてん本文ほんぶんを含ふくむ: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Lucius". Encyclopædia Britannica (英語えいご). Vol. 17 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 105.
•  この記事きじには現在げんざいパブリックドメインである次つぎの出版しゅっぱん物ぶつからのテキストが含ふくまれている: Jackson, Samuel Macauley, ed. (1914). New Schaff-Herzog Encyclopedia of Religious Knowledge (英語えいご) (third ed.). London and New York: Funk and Wagnalls. {{cite encyclopedia}}: |title=は必須ひっすです。 (説明せつめい)
• Philippe Levillain, John W. O'Malley, The Papacy. An Encyclopedia, 2002
• Levillain, Philippe (2002). The Papacy: Gaius-Proxies. Routledge. pp. pp. 960-962. ISBN 9780415922302