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三菱みつびし・GTO

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
三菱みつびし・GTO
Z15/16Aがた
前期ぜんきがた
中期ちゅうきがた北米ほくべい仕様しよう
後期こうきがた北米ほくべい仕様しよう
概要がいよう
別名べつめい 三菱みつびし・3000GT
販売はんばい期間きかん 1990ねん10月 - 2001ねん8がつ[1]
設計せっけい統括とうかつ 鈴木すずき正勝まさかつ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 4めい
ボディタイプ 3ドアファストバッククーペ
駆動くどう方式ほうしき 前輪ぜんりん駆動くどう
よんりん駆動くどう
パワートレイン
エンジン 6G72がた 2,972cc Vがた6気筒きとう DOHC 24バルブ
6G72がた 2,972cc Vがた6気筒きとう DOHC 24バルブ IC ツインターボ
最高さいこう出力しゅつりょく 225PS(NA)
280PS(ツインターボ)
最大さいだいトルク 28.0 kgf·m(NA)
43.5 kgf·m(ツインターボ)
変速へんそく 4そくAT
5そくMT(前期ぜんきがた)・(中期ちゅうきがた以降いこう NA)
6そくMT(中期ちゅうきがた以降いこう ツインターボ)
まえ まえマクファーソンしきストラット
ダブルウィッシュボーン
のち まえマクファーソンしきストラット
ダブルウィッシュボーン
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,470 mm
全長ぜんちょう 4,555 mm(前期ぜんきがた)
4,575 mm(中期ちゅうきがた)
4,590 mm(後期こうきがた)
4,600 mm(最終さいしゅうがた)
全幅ぜんぷく 1,840 mm
ぜんこう 1,285 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 1,600-1,730 kg
その
生産せいさん台数だいすう 18まん2867だい[2]
系譜けいふ
先代せんだい 三菱みつびし・スタリオン
後継こうけい
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GTO(ジーティーオー)は、三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょう製造せいぞう販売はんばいしていたスポーツクーペである。

ほん項目こうもくでは姉妹しまいしゃダッジ・ステルスについても解説かいせつする。

概要がいよう

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キャッチコピーは『スポーツは、ライバルがいるから、面白おもしろい。』、『あなたのスポーツは、面白おもしろいですか。』。

1989ねんだい28かい東京とうきょうモーターショーで「三菱みつびし・HSX」という参考さんこう出品しゅっぴんされ、その1990ねん10月から市販しはんされた。日本にっぽん国内こくないにおいては、ぜんグレード駆動くどう方式ほうしき4WDとなっているが、北米ほくべいけはFFもラインナップされている。基本きほんてき北米ほくべい市場いちば意識いしきしたGTカーとして企画きかくされており、直線ちょくせん道路どうろ余裕よゆうってはしれるトルクをそなえた性格せいかくけがなされている。エンジンと基本きほんシャーシはディアマンテものをベースにGTOようにアレンジしたものが採用さいようされている。スタイリングは、三菱みつびしらしいアクのつよいもので、コークボトルラインのボディにしぼまれたサイドへの稜線りょうせんはデザインじょうのハイライトとなっている(Cd0.33)。全幅ぜんぷくは1,840mmと当時とうじとしてはおおきめであった。 サイドエアダムのエアインテークは、モーターショー出展しゅってんはブレーキ冷却れいきゃくダクトだったが、HSXは市販しはんにあたり後部こうぶ座席ざせき設置せっちしなければならなくなったために、設計せっけいじょう都合つごう市販しはんしゃではダミーとなった。マイナーチェンジにより、ダミーであったエアインテークにはブレーキ冷却れいきゃくようとしてタイヤハウスに空気くうきけるあなもうけられたが、その効果こうかたかいものではなかったとされる。

前期ぜんきがたのボンネットじょうには左右さゆうにバルジがもうけられているが、これは当初とうしょ設計せっけいされたボンネットのたかさにディアマンテようのストラットしきサスペンションタワーがおさまらなかったため、それをカバーするためのものであった。

また、バブル設計せっけいされたくるまであるGTOには、意欲いよくてき装備そうび多数たすうまれていた。

下記かき日本にっぽんしゃとしてははつ採用さいようである。

国外こくがいへは「3000GT」という名称めいしょう輸出ゆしゅつされ、SLおよびRTというNAエンジンのFFモデルもあった。トップグレードであるVR-4は4WDで320PSの出力しゅつりょく発生はっせいした。北米ほくべいでは電動でんどう格納かくのうしきハードトップオープンモデルである「3000GTスパイダー・リトラクタブルハードトップ」とばれるモデルも設定せっていされた。これは1959ねんフォードスカイライナー以来いらい電動でんどうハードトップの復活ふっかつである。なお、3000GTの前輪ぜんりん駆動くどうモデルのブレーキキャリパーはディアマンテと同様どうようのスライドしき2ピストンキャリパーであり、日本にっぽん国内こくない仕様しようのような4ピストン対向たいこうキャリパーはターボモデルだけで、6ピストン対向たいこうキャリパーは採用さいようされなかった。

初代しょだい(1990ねん-2001ねん)Z15A/Z16Aがた

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  • 1990ねん10月 - 発売はつばい型式けいしきは4WSありがZ16A、4WSなしがZ15A
  • 1992ねん1がつ - マイナーチェンジ。ホイールを17インチし、50%偏平へんぺいりつタイヤを採用さいよう(225/50R17)。それにともないスペアタイヤも17インチアルミホイールされた。その電動でんどう格納かくのうしきドアミラーを採用さいよう運転うんてんせきシートに電動でんどうスライド機能きのう追加ついか。エアコンの冷媒れいばい代替だいたいフロン(R134a)に変更へんこう。メーカーオプションでグラストップを設定せってい
  • 1992ねん6がつ - 特別とくべつ仕様しようしゃ「スペシャルバージョン」を設定せってい
  • 1992ねん10月 - マイナーチェンジ。ブレーキディスクを17インチし、リアブレーキに対向たいこう2ポットキャリパーを採用さいよう。キーレスエントリーを採用さいよう(NAしゃはメーカーオプション)。
  • 1993ねん8がつ - ビッグマイナーチェンジ。ヘッドライトを4とう固定こていしきプロジェクタータイプへ変更へんこう。エンジンはシリンダーヘッドガスケットのメタルによりターボチャージャーのきゅうあつ変更へんこうし、最高さいこう出力しゅつりょくが280PS/42.5kgf·mから280PS/43.5kgf·mへ向上こうじょう。ツインターボのみあらたに6そくMTを採用さいようした(NAしゃは5そくMTを継続けいぞく)。その助手じょしゅせきエアバッグ追加ついか
  • 1994ねん8がつ - マイナーチェンジ。軽量けいりょうモデル「MR」を追加ついかBBSせい17インチホイール、4WS、オートクルーズ、フォグランプレス、ABSメーカーオプション)。フロントグラスシェードをグレーからブラックに変更へんこう。オプションとしてAPロッキードせい6ポットブレーキ、リアハイブリッドLSD(ツインターボ、MRのみ)、電動でんどうチルト&アウターサンルーフを設定せってい
  • 1995ねん8がつ - マイナーチェンジ。NAモデルを価格かかくおさえた「SR」に変更へんこう(4WS、オートクルーズ、フォグランプレス、助手じょしゅせきエアバッグオプション、フロント16インチブレーキ)。内装ないそうしょくをダークグレーからブラックに変更へんこうし、ヘッドライトレンズはガラスせいから樹脂じゅしせい変更へんこう
  • 1996ねん8がつ - マイナーチェンジ。フロントバンパーとリアスポイラーの意匠いしょう変更へんこうし、アクティブエアロは廃止はいし。ターボモデルには18インチクロムメッキホイールが採用さいようされた(この変更へんこうともない、MRの標準ひょうじゅん装備そうびも18インチクロムメッキホイールとなる)。「SR」にプロジェクターフォグランプを装備そうび。ブレーキキャリパーカラーをブラックからレッドへ変更へんこう(ツインターボ、MR)。キーレスエントリーをキーいち体型たいけい変更へんこう(ツインターボ)。
  • 1997ねん8がつ - マイナーチェンジ。ABSを標準ひょうじゅん装備そうび(MR、SR)。助手じょしゅせきエアバッグ追加ついか(SR)。
  • 1998ねん8がつ - 最後さいごのビッグマイナーチェンジ。大型おおがたリアスポイラー採用さいよう。ヘッドライトをダッジ・ステルスに意匠いしょう変更へんこうし、フロントウインカーはコンビネーションランプくるまじゅう従来じゅうらいがたくらべて5%軽量けいりょうされている。
  • 2001ねん8がつ - 生産せいさん終了しゅうりょう

ちいさな変更へんこう(シートのとう)をれると毎年まいとしのように改良かいりょうされており、とくにターボモデルのほうがマイナーチェンジでの進化しんか度合どあいがおおきかった。なお、最初さいしょがた最終さいしゅうがたでは17インチアルミホイールのスペアタイヤは採用さいようされていない。

パトカーへの採用さいよう

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GTOは高速こうそくたいパトカーとして国費こくひ前期ぜんきがた中期ちゅうきがた後期こうきがたMRが導入どうにゅうされており、基本きほんてきフェンダーミラー仕様しよう導入どうにゅうされたがMRのみドアミラー仕様しよう導入どうにゅうされている(このモデルが国費こくひ導入どうにゅう白黒しろくろパトカーでははじめてのドアミラーしゃである)。ほとんどの車両しゃりょう廃車はいしゃになっているが一部いちぶけん警察けいさつ中期ちゅうきがた後期こうきがたMRが現存げんそんおもにイベント展示てんじようとして使用しようされている[3]。また、前期ぜんきがた交通こうつう覆面ふくめんパトカーが静岡しずおかけん警察けいさつ交通こうつう配備はいびされていた。

ダッジ・ステルス

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ダッジ・ステルス
前期ぜんきがた
後期こうきがた
概要がいよう
製造せいぞうこく 日本の旗 日本にっぽん
販売はんばい期間きかん 1991ねん1997ねん
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん 2めい
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン位置いち フロント
駆動くどう方式ほうしき 前輪ぜんりん駆動くどう / よんりん駆動くどう
パワートレイン
エンジン 3.0L V6 6G72がた DOHC
最高さいこう出力しゅつりょく 325PS/6,000rpm
最大さいだいトルク 43.5kgf·m/2,500rpm
変速へんそく 6そくMT/5そくMT/4そくAT
まえ まえ:ストラット
:ダブルウィッシュボーン
のち まえ:ストラット
:ダブルウィッシュボーン
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 2,470mm
全長ぜんちょう 4,559mm
全幅ぜんぷく 1,840mm
ぜんこう 1,247mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 1,680kg
系譜けいふ
後継こうけい ストラトスクーペ
テンプレートを表示ひょうじ

GTOは開発かいはつ当初とうしょからクライスラーけにOEM供給きょうきゅうすることが決定けっていしており、1991ねんダッジブランドからステルスSTEALTH )として販売はんばい開始かいしされた。

GTOから外装がいそうおおきく変更へんこうされており、前後ぜんごバンパーはべつデザインで、テールランプはハイグレードのR/TおよびTwin-TurboではGTOとまったことなるウインカー兼用けんよう一体いったいがたとなり、Cピラーの位置いちことなっているためリアサイドガラス形状けいじょうことなっている。なお、廉価れんかモデルのベースグレードおよびESについてはGTOとどう形状けいじょうのテールデザインとなっている。フロントグリルは一連いちれんのダッジシリーズにじゅんずる十字じゅうじのクロスヘアデザインが採用さいようされた。

グレード展開てんかい現地げんちのGTO(3000GT)にじゅんじており、SOHCを搭載とうさいしたFFの廉価れんかグレードであるES(1994ねんからはベースモデルに名称めいしょう変更へんこう)、DOHCを搭載とうさいしたR/T、DOHCターボを搭載とうさいしたR/T Twin-Turboが設定せっていされていた。ただし、ターボモデルは6ピストン対向たいこうキャリパーが採用さいようされていないなど、日本にっぽん国内こくないけのGTOとはこまかいてん仕様しようことなっている。

発売はつばい当初とうしょは3000GTを上回うわまわ販売はんばい台数だいすう(1991年度ねんど:3000GT/9,927だい、ステルス/17,280だい)であったが、1994ねんのマイナーチェンジをさかい急激きゅうげきげがみ、1996ねん生産せいさん終了しゅうりょうし、1997ねん販売はんばい終了しゅうりょうした。最終さいしゅうねん販売はんばい台数だいすうはわずか360だいであった。

生産せいさん拠点きょてん

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  • 三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょう名古屋なごや製作所せいさくしょ大江おおえ工場こうじょう

カスタマイズ

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日本にっぽん国外こくがい、とりわけアメリカでは、日本にっぽんしゃばなれしたボディスタイルのため、エアロパーツによるドレスアップがさかんであったり、3,000cc(V6)ツインターボと強力きょうりょくなエンジンと、4WDくるまであるというてんから、ドラッグレースのベース車両しゃりょう使つかわれることもおおい。

ぎゃく母国ぼこく日本にっぽんではいわゆるマイナーしゃ分類ぶんるいされるため、前述ぜんじゅつとおりアフターパーツがすくないという一種いっしゅ逆転ぎゃくてん現象げんしょう発生はっせいしている。しかしそれでもすうしゃよりエアロパーツ、エンジン内部ないぶ、ドライブけい強化きょうかパーツが発売はつばいされており、なかにはフロントのドライブシャフトをき、センターデファレンシャル機構きこう溶接ようせつロックして完全かんぜんにFRするキットがあった。トルクがゆたかなV6ツインターボ、強度きょうどじゅうぶんのゲトラグせいのトランスミッション、だい容量ようりょうブレーキシステムなども一部いちぶでは人気にんきであった。

レース活動かつどう

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GTOは1991ねんから1996ねんまでN1耐久たいきゅう選手権せんしゅけん(クラス1、げんスーパー耐久たいきゅう)に参戦さんせんしていた。マシンメンテナンスはテストアンドサービスが担当たんとうし、レースでは最高峰さいこうほうクラスであるクラス1で当時とうじ最強さいきょうほこっていた日産にっさん・スカイラインGT-R対抗たいこうてき存在そんざいとして活躍かつやくしていた。おもくるまじゅうにもかかわらず、直線ちょくせんではスカイラインGT-Rと互角ごかく勝負しょうぶえんじた。

強力きょうりょくなパワーとよんりん駆動くどうでの戦闘せんとうりょくたかかったが、くるまじゅうおもいためにレース後半こうはんでタイヤやブレーキの負担ふたんくるしむことがおおく、TIサーキット英田あいだげん岡山おかやま国際こくさいサーキット)で記録きろくした2最高さいこうであった。このレースではコースじょう落下らっかぶつひろってしまい、それが冷却れいきゃくけいたったことでしくも優勝ゆうしょうのがしてしまった。

ギャラリー

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くるまめい由来ゆらい

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イタリアの「Gran Turismo Omologato」、すなわちモータースポーツにおけるGTカテゴリとして公認こうにんされたくるまという意味いみ。モータースポーツへのあつおもいをめて命名めいめいされた。一時いちじ先代せんだい名前なまえって「スタリオンGTO」というくるまめい検討けんとうされていた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ GTO(三菱みつびし)のカタログ”. リクルート株式会社かぶしきがいしゃ (2020ねん1がつ31にち). 2020ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  2. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊しゅうかん日本にっぽん名車めいしゃだい26ごう3ページより。
  3. ^ 愛知あいち県警けんけい三菱みつびし GTO パトカー見参けんざん. レスポンス (MSN). (2012ねん5がつ28にち). http://car.jp.msn.com/news/%e6%84%9b%e7%9f%a5%e7%9c%8c%e8%ad%a6%e3%81%ae%e4%b8%89%e8%8f%b1-gto-%e3%83%91%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%bc%e8%a6%8b%e5%8f%82-1 2012ねん5がつ28にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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