圧迫あっぱく面接めんせつ

圧迫あっぱく面接めんせつ（あっぱくめんせつ、英語えいご：stress interview）とは、面接めんせつで受験じゅけん者しゃに対たいして、わざと意地悪いじわるな、もしくは威圧いあつ的てきな内容ないようの質問しつもんや反論はんろんをし、これに対たいする応答おうとう・対応たいおうを評価ひょうかする面接めんせつのことをいう。「パワハラ面接めんせつ」「ブラック面接めんせつ」などとも呼よばれる。

概要がいよう

いわゆる教科書きょうかしょ的てきな模範もはん回答かいとうに終始しゅうしする受験じゅけん者しゃの「本音ほんね」を見みるために行おこなわれる。営業えいぎょう職しょくなど、仕事しごと上じょう不ふ特定とくてい多数たすうの顧客こきゃくや取引とりひき先さきに応対おうたいする必要ひつようのある業種ぎょうしゅにおいて、クレームや要望ようぼうにきちんと対処たいしょできるかどうかを見みるため行おこなわれることが多おおい。例たとえば、応募おうぼした動機どうきを質問しつもんし、その回答かいとうに対たいし「それは他たの会社かいしゃにもあると思おもいますよ」と返かえしてしまうことが挙あげられる。

圧迫あっぱく面接めんせつにおいては、回答かいとうそのものよりも、感情かんじょう的まとになることなく臨機応変りんきおうへんに迅速じんそくかつ冷静れいせいな回答かいとうをする「態度たいど」が評価ひょうかされる。面接めんせつ担当たんとう者しゃに声こえを荒あらげて反論はんろんする等ひとしの感情かんじょう的てき反応はんのうや、逆ぎゃくに言葉ことばに詰つまり、反論はんろんできずに黙だまり込こんでしまう萎縮いしゅくした態度たいど、圧迫あっぱく面接めんせつに対たいし不快ふかい感かんを表明ひょうめいしたり、表明ひょうめいしなかったとしても面接めんせつ官かんに不快ふかい感かんを悟さとられたりすることも評価ひょうかを下さげる。

あくまでも、試験しけんではあるが形式けいしき的てきには受験じゅけん者しゃを威圧いあつするものであるので、程度ていどを慎重しんちょうに検討けんとうし、事前じぜんに威圧いあつ的てきな質問しつもんがある旨むねを告知こくちし受験じゅけん者しゃの合意ごういを得えることが望のぞましく、企業きぎょうイメージが悪化あっかする事こともある。

このように圧迫あっぱく面接めんせつにはメリット以上いじょうにデメリットが多おおいため、最近さいきんはパワーハラスメントが問題もんだいになっていることもあり、企業きぎょうイメージや業界ぎょうかいイメージの低下ていかを恐おそれ、圧迫あっぱく面接めんせつを行おこないたがらない企業きぎょうも多おおい。

背景はいけい

圧迫あっぱく面接めんせつを行おこなう背景はいけいとして、情報じょうほう管理かんりと運用うんようの研究けんきゅう者しゃモーリス・シュバイツァーは、以下いかのような上司じょうしが圧迫あっぱく面接めんせつを行おこなう傾向けいこうにあると述のべている。

• ストレスの多おおい環境かんきょうで働はたらく上司じょうし
• 仕事しごとで過剰かじょうな要求ようきゅうを経験けいけんした上司じょうし
• 面接めんせつでストレスを感かんじることでストレスに対処たいしょする方法ほうほうを学まなぶことができると信しんじている上司じょうし

効果こうか

専門せんもん家かの多おおくは、ストレスの多おおい現場げんばに対応たいおうできることを見みる利点りてんなどの有効ゆうこう性せいについては意見いけんを分わけている。しかし、「相手あいてを侮辱ぶじょくするような面接めんせつ」については専門せんもん家か全員ぜんいんが時代遅じだいおくれと認みとめている。こういった面接めんせつを受うけた人間にんげんは、内部ないぶ事情じじょうを周囲しゅういに話はなすことによってブランドイメージが低下ていかし、優秀ゆうしゅうな人間にんげんを遠とおざけるデメリットがある。

問題もんだいにならない圧迫あっぱく面接めんせつの例れい

人ひとを侮辱ぶじょくするような行為こういを行おこなわずにストレスをかける質問しつもんの例れいとして以下いかのようなものがある。

• 厄介やっかいな状況じょうきょうの解決かいけつ策さくを質問しつもんする。
• 奇妙きみょうな質問しつもんをする。
• 質問しつもんの答こたえに同意どういしない態度たいどを取とってから、別べつの質問しつもんを行おこなう。
• 質問しつもんの答こたえが本当ほんとうのことに思おもえないと伝つたえて、もう少すこし別べつのい方いかたが無ないか答こたえさせる。
• プレゼンテーションを行おこなうよう要求ようきゅうし、準備じゅんび時間じかんやプレゼンテーション中ちゅうの行動こうどうなどを見みる。