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傷病しょうびょう手当てあてきん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

傷病しょうびょう手当てあてきん(しょうびょうてあてきん)とは、健康けんこう保険ほけんほうひとし根拠こんきょに、公的こうてき医療いりょう保険ほけん健康けんこう保険ほけん国民こくみん健康けんこう保険ほけん船員せんいん保険ほけん各種かくしゅ共済きょうさい組合くみあいひとし)の保険ほけんしゃ疾病しっぺいまたは負傷ふしょうにより業務ぎょうむくことが出来できない場合ばあいに、療養りょうようちゅう生活せいかつ保障ほしょうとして保険ほけんしゃ全国ぜんこく健康けんこう保険ほけん協会きょうかい健康けんこう保険ほけん組合くみあいひとし)からおこなわれる給付きゅうふ金銭きんせん給付きゅうふ)である。雇用こよう保険ほけん傷病しょうびょう手当てあてとは名称めいしょうがよくているが、まったことなる制度せいどである。以下いかではとくしるさないかぎり、健康けんこう保険ほけんにおける制度せいどについてべる。

健康けんこう保険ほけん船員せんいん保険ほけんにおいては傷病しょうびょう手当てあてきん絶対ぜったいてき必要ひつよう給付きゅうふ要件ようけんたしたときは保険ほけんしゃかなら支給しきゅうしなければならない)であるが、国民こくみん健康けんこう保険ほけん後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいどでは任意にんい給付きゅうふ条例じょうれいまたは規約きやくさだめるところによりおこなうことができる)となっている。

  • 健康けんこう保険ほけんほうについて、以下いかではじょうすうのみしるす。

給付きゅうふ要件ようけん[編集へんしゅう]

だい99じょう傷病しょうびょう手当てあてきん

  1. 保険ほけんしゃ任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃのぞく。だいひゃくじょうだいいちこうにおいておなじ。)が療養りょうようのため労務ろうむふくすることができないときは、その労務ろうむふくすることができなくなったから起算きさんしてさんにち経過けいかしたから労務ろうむふくすることができない期間きかん傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうする。
  2. 傷病しょうびょう手当てあてきんがくは、いちにちにつき、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん継続けいぞくした十二月じゅうにがつあいだ各月かくつき標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく保険ほけんしゃげんぞくする保険ほけんしゃとうによりさだめられたものにかぎる。以下いかこのこうにおいておなじ。)を平均へいきんしたがくさんじゅうぶんいち相当そうとうするがく(そのがくに、えん未満みまんはしすうがあるときは、これをて、えん以上いじょうじゅうえん未満みまんはしすうがあるときは、これをじゅうえんげるものとする。)のさんぶん相当そうとうする金額きんがく(その金額きんがくに、じゅうぜに未満みまんはしすうがあるときは、これをて、じゅうせん以上いじょういちえん未満みまんはしすうがあるときは、これをいちえんげるものとする。)とする。ただし、同日どうじつぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん継続けいぞくした期間きかんにおいて標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくさだめられているつき十二月じゅうにがつたない場合ばあいにあっては、つぎ各号かくごうかかげるがくのうちいずれかすくないがくさんぶん相当そうとうする金額きんがく(その金額きんがくに、じゅうぜに未満みまんはしすうがあるときは、これをて、じゅうせん以上いじょういちえん未満みまんはしすうがあるときは、これをいちえんげるものとする。)とする。
    1. 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん継続けいぞくした各月かくつき標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんしたがくさんじゅうぶんいち相当そうとうするがく(そのがくに、えん未満みまんはしすうがあるときは、これをて、えん以上いじょうじゅうえん未満みまんはしすうがあるときは、これをじゅうえんげるものとする。)
    2. 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくする年度ねんど前年度ぜんねんどきゅうがつさんじゅうにちにおけるぜん保険ほけんしゃ同月どうげつ標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんしたがく標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく基礎きそとなる報酬ほうしゅう月額げつがくとみなしたときの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくさんじゅうぶんいち相当そうとうするがく(そのがくに、えん未満みまんはしすうがあるときは、これをて、えん以上いじょうじゅうえん未満みまんはしすうがあるときは、これをじゅうえんげるものとする。)
  3. 前項ぜんこう規定きていするもののほか、傷病しょうびょう手当てあてきんがく算定さんていかんして必要ひつよう事項じこうは、厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる。
  4. 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう期間きかんは、同一どういつ疾病しっぺいまた負傷ふしょうおよびこれによりはっした疾病しっぺいかんしては、その支給しきゅうはじめたから起算きさんしていちねんろくがつえないものとする。

以下いかのすべての要件ようけんたした保険ほけんしゃ支給しきゅうされる(だい99じょう1こう)。

  1. 業務ぎょうむがい事由じゆうによる傷病しょうびょうであること。
    • 業務ぎょうむまたは通勤つうきん原因げんいんとする疾病しっぺい負傷ふしょうについては労働ろうどうしゃ災害さいがい補償ほしょう保険ほけん労災ろうさい保険ほけん)が適用てきようとなり、健康けんこう保険ほけん傷病しょうびょう手当てあてきんふく一切いっさい適用てきようできない(健康けんこう保険ほけん業務ぎょうむがい傷病しょうびょう対象たいしょうとする)。
    • 保険ほけんしゃが5にん未満みまんである小規模しょうきぼ適用てきよう事業じぎょうしょ所属しょぞくする法人ほうじん代表だいひょうしゃであって一般いっぱん労働ろうどうしゃいちじるしくことならないような労務ろうむ従事じゅうじしているものについては業務ぎょうむじょう事由じゆうによる疾病しっぺいとうであっても健康けんこう保険ほけんによる保険ほけん給付きゅうふ対象たいしょうとされる(だい53じょうの2)。従来じゅうらい当面とうめん暫定ざんてい措置そちとされていて(平成へいせい15ねん7がつ1にちはつ0701002ごう)、さらに傷病しょうびょう手当てあてきんほん措置そち対象たいしょうがいであるため支給しきゅうしないとされてきたが、平成へいせい25ねんほう改正かいせいによりだい53じょうの2が追加ついかされ前述ぜんじゅつ通知つうち廃止はいしされたことで、このような場合ばあいでも傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされることとなった。
  2. 療養りょうようちゅうであること。
    • 健康けんこう保険ほけん診療しんりょうけることができる範囲はんいない療養りょうようであれば、実際じっさい保険ほけん給付きゅうふとしてけた療養りょうようでなくてもよく、自費じひでの診療しんりょうや、自宅じたくでの静養せいようでも支給しきゅうされる(昭和しょうわ2ねん2がつ26にちはつ345ごう昭和しょうわ3ねん9がつ11にちことはつ1811ごう)。ただし、日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃ場合ばあいは、労務ろうむ不能ふのうとなったさいにその原因げんいんとなった傷病しょうびょうについて療養りょうよう給付きゅうふとうけていなければならない(だい135じょう1こう)。
  3. 労務ろうむふくすることができないこと
    • 保険ほけんしゃ任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃ特例とくれい退職たいしょく保険ほけんしゃのぞ)が疾病しっぺい負傷ふしょうにより業務ぎょうむ従事じゅうじできないことをす。かならずしも医学いがくてき基準きじゅんによらず、その保険ほけんしゃ従事じゅうじする業務ぎょうむ種別しゅべつかんがえ、その本来ほんらい業務ぎょうむこたえうるかかを標準ひょうじゅんとして社会しゃかい通念つうねんもとづき認定にんていする(昭和しょうわ31ねん1がつ19にちぶんはつだい340ごう)。つまり、現実げんじつ労働ろうどう不能ふのう体調たいちょうでなくても、その保険ほけんしゃ従事じゅうじしている労務ろうむ就労しゅうろうできない状態じょうたいになっていればよい。具体ぐたいてきには、以下いかのような事例じれい場合ばあい支給しきゅうされる。
      1. 休業きゅうぎょうちゅう家事かじ副業ふくぎょう従事じゅうじしても、その傷病しょうびょう状態じょうたい勤務きんむする事業じぎょうしょにおける労務ろうむ不能ふのう程度ていどである場合ばあい昭和しょうわ3ねん12月27にちぶんまわし3176ごう)。
      2. 傷病しょうびょう休業きゅうぎょうようする程度ていどのものでなくとも保険ほけんしゃ住所じゅうしょ診療しんりょうしょよりとおく、通院つういんのため事実じじつじょう労務ろうむふくせない場合ばあい昭和しょうわ2ねん5がつ10日とおか2211ごう)。
      3. 現在げんざい労務ろうむふくしても差支さしつかえないものであっても、療養りょうようじょうその症状しょうじょう休業きゅうぎょうようする場合ばあい昭和しょうわ8ねん2がつ18にちぶんまわし35ごう)。
      4. 病原びょうげんたい保有ほゆうしゃ隔離かくり収容しゅうようされたため労務ろうむ不能ふのうである場合ばあい昭和しょうわ29ねん10がつ25にち保険ほけんはつ261ごう)。かつては「発病はつびょうみとめられないかぎ保険ほけん事故じこたる疾病しっぺい範囲はんいぞくしないので傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうしない」(昭和しょうわ11ねんぶんまわし178ごう)とのあつかいとなっていたが、病原びょうげんたい保有ほゆうしゃたいするほう適用てきようかんしては、原則げんそくとして病原びょうげんたい撲滅ぼくめつかんとく療養りょうよう必要ひつようがあるとみとめられる場合ばあいは、自覚じかく症状しょうじょう有無うむにかかわらず伝染でんせんびょう病原びょうげんたい保有ほゆうすることをもって保険ほけん事故じこたる疾病しっぺいするものである。
      5. 本来ほんらい職場しょくばにおける労務ろうむたいする代替だいたいてき性格せいかくたない副業ふくぎょうないし内職ないしょくとう労務ろうむ従事じゅうじしたり、あるいは傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうがあるまでのあいだ一時いちじてき軽微けいびほか労務ろうむふくすることにより賃金ちんぎんるような場合ばあい平成へいせい15ねん2がつ25にちはつ0225007ごう)。報酬ほうしゅうていることを理由りゆうただちに労務ろうむ不能ふのうでないむね認定にんていをすることなく、労務ろうむ内容ないようとの関連かんれんにおけるその報酬ほうしゅうがくとう十分じゅうぶん検討けんとうのうえ労務ろうむ不能ふのう該当がいとうするかどうかの判断はんだんをする。
    • 一方いっぽう以下いかのような事例じれい場合ばあい支給しきゅうみとめられない。
      1. 医師いし指示しじまた許可きょかのもとに半日はんにち出勤しゅっきんし、従前じゅうぜん業務ぎょうむふくする場合ばあい昭和しょうわ32ねん1がつ19にちぶんはつ340ごう
      2. 就業しゅうぎょう時間じかん短縮たんしゅくせず、配置はいち転換てんかんによりどういち事業じぎょう所内しょない従前じゅうぜんしややかる労働ろうどうふくする場合ばあい昭和しょうわ29ねん12月9にちぶんはつ14236ごう
      3. 労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいほう規定きていにより伝染でんせんおそれがある保菌ほきんしゃたい事業じぎょうぬし休業きゅうぎょうめいじた場合ばあいで、その症状しょうじょうから労務ろうむ不能ふのうみとめられない場合ばあい昭和しょうわ25ねん2がつ15にちぶんはつ320ごう
      4. 療養りょうよう給付きゅうふをなさないこととした疾病しっぺいとう美容びよう整形せいけい手術しゅじゅつとう)について保険ほけんしゃ自費じひ手術しゅじゅつほどこし、そのため労務ろうむ不能ふのうとなった場合ばあい昭和しょうわ4ねん6がつ29にち1704ごう
      5. 負傷ふしょうのため廃疾はいしつとなり、その負傷ふしょうにつき療養りょうよう必要ひつようがなくなったとき(昭和しょうわ3ねん10がつ11にち3480ごう)。労務ろうむ不能ふのうであっても療養りょうようのための労務ろうむ不能ふのうではないので支給しきゅうしない。
  4. 休業きゅうぎょう期間きかんが3日間にちかんえるとき。
    • 連続れんぞくする最初さいしょの3日間にちかんまちとして傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされない。たとえば「きゅうきゅうきゅうきゅう」の場合ばあいまち完成かんせいであるが、「きゅうきゅうきゅう」はまち完成かんせいしていない(昭和しょうわ32ねん1がつ31にちはつ2ごうの2)。この3日間にちかん公休こうきゅう祝祭日しゅくさいじつ年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうか取得しゅとくふくまれていてもよく、また報酬ほうしゅうけていたとしても、まちは3日間にちかん完成かんせいする(昭和しょうわ2ねん2がつ5にち659ごう昭和しょうわ26ねん2がつ20日はつかぶんはつ419ごう)。
    • まちは、就業しゅうぎょう時間じかんちゅう労務ろうむ不能ふのうとなった場合ばあいはそのから、就業しゅうぎょう時間じかん終了しゅうりょう労務ろうむ不能ふのうとなったときはその翌日よくじつから起算きさんする(昭和しょうわ28ねん1がつ9にちぶんはつ69ごう)。就業しゅうぎょう時間じかん午前ごぜん0をはさんで2にちにわたる場合ばあいは、暦日れきじつによって判断はんだんし、労務ろうむ不能ふのうとなったそのから起算きさんする(昭和しょうわ4ねん12月7にちぶんまわし488ごう)。
    • まちは、同一どういつ傷病しょうびょうについて1かい完成かんせいさせればりる。したがって、まち完成かんせい傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうしたのちに、いったん労務ろうむふくしたものの、ふたた同一どういつ傷病しょうびょうについて労務ろうむ不能ふのうとなった場合ばあいにはふたたまち完成かんせいさせる必要ひつようはない(昭和しょうわ2ねん3がつ11にち1085ごう)。
    • 連続れんぞく3日間にちかん労務ろうむ不能ふのうだい4にち労務ろうむふくし、だい5にち以後いごふたた労務ろうむ不能ふのうとなったときは、療養りょうようのため労務ろうむふくすることのできない状態じょうたいどういち傷病しょうびょうにつき3日間にちかん連続れんぞくしていれば、すでにまち完成かんせいしたものとしてあつかわれる。 したがって、「きゅうきゅうきゅうきゅうきゅう」「きゅうきゅうきゅうきゅう」のいずれの場合ばあいでもまちはすでに完成かんせいしており、前者ぜんしゃ場合ばあいだい4にち後者こうしゃ場合ばあいだい5にちから支給しきゅうおこなう(昭和しょうわ32ねん1がつ31にちはつ2ごうの2)。
    • 船員せんいん保険ほけん場合ばあいは、3日間にちかんまち要件ようけん不要ふようである[注釈ちゅうしゃく 1]。したがって、休業きゅうぎょう初日しょにちから傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされる。
  5. 日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃにおいては、保険ほけんりょう納付のうふ要件ようけんたすこと。
    • 日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけるためには、その疾病しっぺいまた負傷ふしょうについて、はじめて療養りょうよう給付きゅうふけるぞくするつきぜん2がつあいだ通算つうさんして26にちぶん以上いじょうまたぜん6かげつあいだ通算つうさんして78にちぶん以上いじょう保険ほけんりょうが、その日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃについて納付のうふされていなければならない(だい135じょう1こう)。

保険ほけんしゃ資格しかく取得しゅとくまえ傷病しょうびょうであっても、資格しかく取得しゅとく療養りょうようについて上記じょうき要件ようけんたしたときは、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされる(昭和しょうわ26ねん5がつ1にちぶんはつ1346ごう)。事業じぎょうぬし保険ほけんりょう未納みのう理由りゆうとして保険ほけんしゃ傷病しょうびょう手当てあてきんけられないことはない(昭和しょうわ25ねん3がつ9にちぶんはつ535ごう)。なお扶養ふようしゃたいしては傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされない。

支給しきゅうがく支給しきゅう期間きかん[編集へんしゅう]

2016ねん平成へいせい28ねん)4がつ1にち支給しきゅうぶんより、1にちにつき、「傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん継続けいぞくした12かげつあいだ各月かくつき標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんしたがくの30ぶんの1に相当そうとうするがく(10えん未満みまん四捨五入ししゃごにゅう)の3ぶんの2に相当そうとうするがく」(1えん未満みまんはしすう四捨五入ししゃごにゅう)とされる。扶養ふようしゃ有無うむがくわりない。ただし標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくさだめられているつきが12かげつたない場合ばあいつぎのいずれかすくないがくの3ぶんの2に相当そうとうするがくとされる(だい99じょう2こう)。

  • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん継続けいぞくした各月かくつき標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんしたがくの30ぶんの1に相当そうとうするがく
  • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくする年度ねんど前年度ぜんねんどの9がつ30にちにおけるぜん保険ほけんしゃ同月どうげつ標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんしたがく標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく基礎きそとなる報酬ほうしゅう月額げつがくとみなしたときの標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくの30ぶんの1に相当そうとうするがく[注釈ちゅうしゃく 2]

標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくは、保険ほけんしゃげんぞくする保険ほけんしゃとうによってさだめられたものにかぎ転職てんしょくとう保険ほけんしゃわっている場合ばあい従前じゅうぜん保険ほけんしゃとうによる標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく算定さんてい対象たいしょうとならない。受給じゅきゅうちゅう保険ほけんしゃ異動いどう同一どういつ傷病しょうびょうについてあらたに加入かにゅうした保険ほけんしゃから傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうける場合ばあい当該とうがいあらたに加入かにゅうした保険ほけんしゃにおいて再度さいど傷病しょうびょう手当てあてきんがく算定さんていなおす。同一どういつ保険ほけんしゃ同一どういつ傷病しょうびょうかんし、一度いちど傷病しょうびょう手当てあてきんがく決定けっていすれば、その金額きんがく固定こていされ、その定時ていじ決定けっていとう標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく変更へんこうされても、傷病しょうびょう手当てあてきん金額きんがく変更へんこうされない。なお直近ちょっきん継続けいぞくした12かげつ以内いないにおいて保険ほけんしゃ所属しょぞくしていた健康けんこう保険ほけん組合くみあい合併がっぺい分割ぶんかつ解散かいさんがあった場合ばあいは、当該とうがい事象じしょう発生はっせいするまえさだめられた標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきん算定さんていくわえてよい。

健康けんこう保険ほけん組合くみあい場合ばあい付加ふか給付きゅうふとして(だい53じょう)、規約きやくさだめるところにより、支給しきゅうがく上乗うわのせや支給しきゅう期間きかん延長えんちょうがなされる場合ばあいがある。

日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃ場合ばあいは、保険ほけんりょう納付のうふ期間きかんにおいて保険ほけんりょう納付のうふされたかかるそのもの標準ひょうじゅん賃金ちんぎん日額にちがく各月かくつきごとの合算がっさんがくのうち最大さいだいのものの45ぶんの1相当そうとうするがくとなる(だい135じょう2こう)。

同一どういつ傷病しょうびょう事由じゆうについての支給しきゅう期間きかんは、現実げんじつ支給しきゅう開始かいしから起算きさんして通算つうさん1ねん6かげつである(だい99じょう4こう)。途中とちゅうでいったん労務ろうむふくしたのち再度さいど同一どういつ傷病しょうびょうにより休業きゅうぎょうした場合ばあい従来じゅうらい支給しきゅう期間きかん延長えんちょうはされないあつかいとなっていた(支給しきゅう開始かいしから暦日れきじつで1ねん6かげつ経過けいかした場合ばあい支給しきゅう日数にっすうが1ねん6かげつたない場合ばあいであっても支給しきゅう終了しゅうりょうした)が、2022ねん1がつ改正かいせいほう施行しこうにより、支給しきゅう日数にっすうが1ねん6かげついたるまで通算つうさんされるあつかいに変更へんこうとなった。受給じゅきゅうちゅう保険ほけんしゃあいだ異動いどうがあっても、前後ぜんご通算つうさんして1ねん6かげつとなる。傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけている保険ほけんしゃが、監獄かんごく労役ろうえきじょうそのこれらにじゅんずる施設しせつ拘禁こうきんされたとき(給付きゅうふ制限せいげんけたとき)も、その期間きかんは1ねん6かげつ期間きかんないつつめごうする(昭和しょうわ4ねん7がつ10日とおかことはつ1175ごう昭和しょうわ5ねん8がつ26にちぶんまわし451ごう)。なお、日雇ひやとい特例とくれい保険ほけんしゃ場合ばあい支給しきゅう期間きかんは6かげつ結核けっかくせい疾病しっぺい場合ばあいは1ねん6かげつ)となり(だい135じょう3こう)、船員せんいん保険ほけん場合ばあいは3ねんとなる(船員せんいん保険ほけんほうだい69じょう3こう)。事業じぎょうしょ公休こうきゅうについても傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされる(昭和しょうわ2ねん2がつ5にち659ごう)。支給しきゅうけている保険ほけんしゃ死亡しぼうした場合ばあい死亡しぼう当日とうじつまでは傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされる。

支給しきゅうはじめる」とは、実際じっさい傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるす。一般いっぱんてきにはさき年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうか取得しゅとくして(賃金ちんぎんが100%保障ほしょうされるため)、それでもなお休業きゅうぎょうつづ場合ばあい傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうはじめることになるので、「支給しきゅうはじめる」は年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうか取得しゅとくわった翌日よくじつ年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうか取得しゅとくしなかった場合ばあいや、取得しゅとく日数にっすうが2にち以下いか場合ばあいは、まち満了まんりょう翌日よくじつ)となる。また報酬ほうしゅうとの調整ちょうせい後述こうじゅつ)により傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう停止ていしされている場合ばあいは、報酬ほうしゅう支給しきゅう停止ていしまたは減額げんがく支給しきゅうにより傷病しょうびょう手当てあてきんがくすくなくなったが「支給しきゅうはじめる」となる(昭和しょうわ25ねん3がつ14にちぶんはつ571ごう昭和しょうわ26ねん1がつ24にちぶんはつ162ごう)。なおまち満了まんりょう傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされない場合ばあい、「支給しきゅうはじめる」にあらためて平均へいきん標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく算定さんていなおして傷病しょうびょう手当てあてきんがく決定けっていする。

傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうちゅうに、べつ傷病しょうびょうによりこれについても療養りょうようのため労務ろうむ不能ふのう状態じょうたいとなった場合ばあい後発こうはつ傷病しょうびょうにより労務ろうむ不能ふのうとなったから起算きさんして4にちから後発こうはつ傷病しょうびょうによる傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされるので、結果けっかてきには後発こうはつ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう終了しゅうりょうするまで支給しきゅう期間きかん延長えんちょうされる(昭和しょうわ26ねん6がつ9にちぶんはつ1900ごう昭和しょうわ26ねん7がつ13にちぶんはつ2349ごう)。ただしこの場合ばあいじゅう傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされるのではなく、前後ぜんご傷病しょうびょう手当てあてきんのうちいずれかがくおおいほうが支給しきゅうされる。

なお、傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうしているからといって、保険ほけんしゃ保険ほけんりょう負担ふたん免除めんじょされるわけではない。傷病しょうびょう手当てあてきん自体じたいは、健康けんこう保険ほけんほうでいう「報酬ほうしゅう」には該当がいとうしないため、傷病しょうびょう手当てあてきんから保険ほけんりょう控除こうじょすることはみとめられない。

継続けいぞく給付きゅうふ要件ようけん[編集へんしゅう]

退職たいしょくなどにより保険ほけんしゃ資格しかく喪失そうしつした場合ばあいでも、その前日ぜんじつ退職たいしょく当日とうじつ)まで1ねん以上いじょう継続けいぞくして保険ほけんしゃ資格しかくゆうしており、傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふ要件ようけんたしていれば、つづ傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふけることができる(だい104じょう)。受給じゅきゅう手続てつづきは在職ざいしょく場合ばあい同様どうようであるが、事業じぎょうぬし証明しょうめい不要ふようである(昭和しょうわ2ねん2がつ15にち658ごう)。

前記ぜんき給付きゅうふ要件ようけんじゅんじるほか、つぎ要件ようけんがある。

  1. 退職たいしょく当日とうじつまで1ねん以上いじょう継続けいぞくして保険ほけんしゃ資格しかくゆうしていること(任意にんい継続けいぞくちゅう期間きかんふくまれない)。
    この場合ばあいかならずしも同一どういつ保険ほけんしゃでなくてもよく、また資格しかく得喪とくそうがあっても1にち空白くうはくもなく保険ほけんしゃ資格しかく連続れんぞくしていればよい(附則ふそくだい3じょう6こう)。
    任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃとなる場合ばあい要件ようけんことなり、この場合ばあい任意にんい適用てきよう事業じぎょうしょ取消とりけしによる資格しかく喪失そうしつふくまれる。
    船員せんいん保険ほけん場合ばあいは、「1ねん以上いじょう継続けいぞくして」が「1年間ねんかんに3かげつ以上いじょう、また3年間ねんかんに1ねん以上いじょう強制きょうせい保険ほけんしゃだったもの」となる(船員せんいん保険ほけんほうだい69じょう6こう)。
  2. 資格しかく喪失そうしつ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけている、またけうる状態じょうたいにあるもの報酬ほうしゅうとの調整ちょうせいのために支給しきゅう停止ていしされている場合ばあいふくむ)。
    やすはじめて3にち退職たいしょくした場合ばあいまち完成かんせいするが「支給しきゅうけうる状態じょうたい」とはならないため、継続けいぞく給付きゅうふけることはできない(昭和しょうわ2ねん9がつ9にち3289ごう昭和しょうわ32ねん1がつ31にちはつ2ごう)。
    退職たいしょくまで年次ねんじ有給ゆうきゅう休暇きゅうかあつかいで報酬ほうしゅう全額ぜんがく支給しきゅうされ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされていない場合ばあい、「支給しきゅうけうる状態じょうたい」と取扱とりあつかい、継続けいぞく給付きゅうふけることができる(昭和しょうわ5ねん4がつ24にちぶんまわし270ごう昭和しょうわ32ねん1がつ31にちはつ2ごう)。
  3. 在職ざいしょくちゅう退職たいしょく退職たいしょくのいずれも疾病しっぺい負傷ふしょうにより業務ぎょうむ従事じゅうじできないこと。
    退職たいしょく当日とうじつ出勤しゅっきん事実じじつがある場合ばあい労務ろうむ不能ふのうみとめられない場合ばあい)、退職たいしょく傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふけられない。たと職場しょくばへの挨拶あいさつ目的もくてき私物しぶつ整理せいり会社かいしゃ関係かんけいしゃとの面談めんだんだけであっても出勤しゅっきんとされる場合ばあいには、給付きゅうふけられないことになる
    退職たいしょくの「労務ろうむ不能ふのう」とは、事業じぎょうじょうにおいて従事じゅうじした当時とうじ労務ろうむふくすることができないのとどう程度ていどのものをいう(昭和しょうわ2ねん4がつ27にちはつ1857ごう)。
  4. 支給しきゅうじょ斥期あいだ暦日れきじつで1ねん6かげつ経過けいか)をぎていないこと。
    資格しかく喪失そうしつ傷病しょうびょう手当てあてきんは、資格しかく喪失そうしつ前後ぜんこう通算つうさんして法定ほうてい支給しきゅう期間きかん終了しゅうりょうするまでの期間きかん支給しきゅうされる。なお、保険ほけんしゃ期間きかんちゅうとはことなり、断続だんぞくしてはけられないので、いったん支給しきゅうられると、1ねん6かげつ期間きかんちゅうであっても支給しきゅう復活ふっかつすることはい(昭和しょうわ26ねん5がつ1にちぶんはつ1346ごう)。また、請求せいきゅう手続てつづきおこなわなかったために権利けんり一部いちぶ時効じこう消滅しょうめつした場合ばあい、まだ時効じこう成立せいりつしていない残余ざんよ期間きかんについても支給しきゅうされない。

傷病しょうびょう手当てあてきん原則げんそくとして任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃには支給しきゅうされないが、上記じょうき要件ようけんたすもの任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃとなった場合ばあいには支給しきゅうされる。なお、同一どういつ健保けんぽ任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃでないと給付きゅうふしないとする健保けんぽ組合くみあい一部いちぶ存在そんざいする。退職たいしょく給付きゅうふには付加ふか給付きゅうふかないか、または任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃであることを要件ようけんとする組合くみあいもある。また、特例とくれい退職たいしょく保険ほけんしゃ上記じょうき要件ようけんたしても傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされない(附則ふそくだい3じょう5こう)。なお船員せんいん保険ほけん場合ばあい疾病しっぺい任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃ健康けんこう保険ほけんにおける任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃ相当そうとうまた疾病しっぺい任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃであったものたいしても傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされるが、当該とうがい保険ほけんしゃ資格しかく取得しゅとくしたから起算きさんして1ねん以上いじょう経過けいかしたときにはっした傷病しょうびょうについては傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうおこなわない(船員せんいん保険ほけんほうだい69じょう4こう)。

健康けんこう保険ほけん保険ほけんしゃであったもの船員せんいん保険ほけん保険ほけんしゃとなったときは、船員せんいん保険ほけんから給付きゅうふおこなわれるので健康けんこう保険ほけんからは傷病しょうびょう手当てあてきん継続けいぞく給付きゅうふけることはできず、また選択せんたく余地よちもない(だい107じょう)。

併給へいきゅう調整ちょうせいほうとの調整ちょうせい[編集へんしゅう]

  • 同一どういつ疾病しっぺい負傷ふしょうについて労災ろうさい保険ほけんまたは公務こうむ災害さいがいから傷病しょうびょう手当てあてきん相当そうとうする給付きゅうふけることができる場合ばあい傷病しょうびょう手当てあてきんはその全額ぜんがく支給しきゅうされない(だい55じょう1こう)。
  • 休業きゅうぎょう期間きかんちゅう傷病しょうびょう手当てあてきん金額きんがく以上いじょう報酬ほうしゅう控除こうじょまえそう支給しきゅうがく昭和しょうわ24ねん12月26にちぶんはつ2478ごう)を場合ばあい支給しきゅうされず、傷病しょうびょう手当てあてきん金額きんがく未満みまん報酬ほうしゅう場合ばあい差額さがく支給しきゅうとなる(だい108じょう1こう)。なお保険ほけんしゃ期間きかんちゅう老齢ろうれい年金ねんきん受給じゅきゅうしても調整ちょうせいおこなわれない。
    • これは欠勤けっきんした報酬ほうしゅう全部ぜんぶまた一部いちぶ支給しきゅうされる場合ばあい調整ちょうせい規定きていであり、出勤しゅっきんすればそもそも「労務ろうむ不能ふのう」とならないので支給しきゅうされない。
    • 何等なんら成文せいぶんもなく、ただ慣例かんれいとして事業じぎょうぬし意思いしにより私傷ししょうびょう場合ばあいにおいても金銭きんせん給付きゅうふし、名目めいもく休業きゅうぎょう手当てあて休業きゅうぎょう扶助ふじょりょう見舞みまいきんとうしょうしているものはたん病気びょうき見舞みまいであり報酬ほうしゅうみとめられずだい108じょう適用てきようはない(昭和しょうわ10ねん4がつ20日はつかぶんまわし123ごう)。見舞みまいきんその名称めいしょう如何いかわず、就業しゅうぎょう規則きそくまた労働ろうどう協約きょうやくひとしもとづき、報酬ほうしゅう支払しはらい目的もくてきを以って支給しきゅうされたと看做みなされるものであってその支払しはらい事由じゆう発生はっせい以後いごつづ支給しきゅうされるものはだい108じょうの「報酬ほうしゅう」に該当がいとうする。(昭和しょうわ25ねん2がつ22にちぶんはつだい367ごう)。当該とうがい支給しきゅう期間きかん以前いぜん支給しきゅうされた通勤つうきん定期ていきけん購入こうにゅうであっても、支給しきゅう期間きかんかかるものは調整ちょうせい対象たいしょうとなる。
  • 同一どういつ傷病しょうびょうにより障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん障害しょうがい基礎きそ年金ねんきんとの合算がっさん)をける場合ばあい原則げんそくとして傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされず、障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんがくの360ぶんの1のがく傷病しょうびょう手当てあてきん金額きんがくよりすくない場合ばあい差額さがく支給しきゅうおこなわれる(だい108じょう3こう)。障害しょうがい手当てあてきんける場合ばあいには、障害しょうがい手当てあてきん支給しきゅうけることになったからそのものがその以後いご傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけるとした場合ばあい合計ごうけいがく障害しょうがい手当てあてきんがくたっするにいたまでのあいだ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされず、合計ごうけいがく障害しょうがい手当てあてきんがくえる場合ばあい政令せいれいさだめる場合ばあい差額さがく支給しきゅうおこなわれる(だい108じょう4こう)。
    • 同一どういつ傷病しょうびょうにより障害しょうがい基礎きそ年金ねんきんのみ支給しきゅうされる場合ばあいは、傷病しょうびょう手当てあてきん同時どうじ支給しきゅうされる。また同一どういつ傷病しょうびょうによらない障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん傷病しょうびょう手当てあてきんは、同時どうじ受給じゅきゅうできる。
  • だい108じょう1~4こう該当がいとうするものが、疾病しっぺいにかかり、負傷ふしょうした場合ばあいにおいて、そのけることができるはずであった報酬ほうしゅう全部ぜんぶまた一部いちぶにつき、その全額ぜんがくけることができなかったときは傷病しょうびょう手当てあてきん全額ぜんがく、その一部いちぶけることができなかった場合ばあいにおいてそのけたがく傷病しょうびょう手当てあてきんがくよりすくないときはそのがく傷病しょうびょう手当てあてきんまた出産しゅっさん手当てあてきんとの差額さがく支給しきゅうする(だい109じょう1こう)。なお、だい109じょう1こう規定きていもとづき保険ほけんしゃ支給しきゅうした保険ほけん給付きゅうふは、立替払たてかえばらてき性質せいしつのものであるので、保険ほけんしゃ事業じぎょうぬしから支給しきゅうしたがく徴収ちょうしゅうする(だい109じょう2こう)。
  • 継続けいぞく給付きゅうふ受給じゅきゅう老齢ろうれい厚生こうせい年金ねんきん老齢ろうれい基礎きそ年金ねんきんもしくは退職たいしょく共済きょうさい年金ねんきん受給じゅきゅうすることができる場合ばあいには、原則げんそくとして傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされず、老齢ろうれい年金ねんきんとうがくの360ぶんの1のがく傷病しょうびょう手当てあてきん金額きんがくよりすくない場合ばあい差額さがく支給しきゅうおこなわれる(だい108じょう5こう)。
    • この場合ばあい老齢ろうれい年金ねんきん全額ぜんがく支給しきゅうされる。
  • 労災ろうさい保険ほけんから休業きゅうぎょう補償ほしょう給付きゅうふけている健康けんこう保険ほけん保険ほけんしゃが、業務ぎょうむがい事由じゆうによる傷病しょうびょうにより労務ろうむ不能ふのうとなった場合ばあい休業きゅうぎょう補償ほしょう給付きゅうふがく傷病しょうびょう手当てあてきんがくたっしないときにおけるその差額さがく部分ぶぶんかかるものをのぞき、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされない(昭和しょうわ33ねん7がつ8にち保険ほけんはつ95ごう)。つまり、いわゆる業務ぎょうむうえがい併給へいきゅうおこなわない。
  • 出産しゅっさん手当てあてきん傷病しょうびょう手当てあてきん同時どうじけることができる場合ばあい出産しゅっさん手当てあてきん優先ゆうせんして支給しきゅうされ傷病しょうびょう手当てあてきんはその期間きかん支給しきゅうされず、出産しゅっさん手当てあてきんがく傷病しょうびょう手当てあてきんがくよりすくないとき[注釈ちゅうしゃく 3]は、傷病しょうびょう手当てあてきんはその差額さがく支給しきゅうされる(だい103じょう1こう)。もし出産しゅっさん手当てあてきん支給しきゅうすべき場合ばあいにおいて傷病しょうびょう手当てあてきん支払しはらわれたとき(差額さがくぶんのぞく)は、その支払しはらわれた傷病しょうびょう手当てあてきんは、出産しゅっさん手当てあてきん内払うちばらいとみなされる(だい103じょう2こう)。
    • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうける中途ちゅうとにおいて出産しゅっさん手当てあてきん支給しきゅうけたため、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけることができなかった場合ばあいでも、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうは、その支給しきゅう開始かいしから1ねん6かげつられる(昭和しょうわ4ねん6がつ21にち1818ごう)。
  • 継続けいぞく給付きゅうふ傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうしている場合ばあい雇用こよう保険ほけん傷病しょうびょう手当てあて支給しきゅうされない。
    • 雇用こよう保険ほけん基本きほん手当てあて受給じゅきゅうした場合ばあい、「労働ろうどう意思いしおよ能力のうりょくがあった」という認定にんてい公共こうきょう職業しょくぎょう安定あんていしょでなされたのであって、労務ろうむ不能ふのう支給しきゅう要件ようけんとする傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけられない。一時いちじてき労務ろうむ不能ふのう(15にち未満みまん)と公共こうきょう職業しょくぎょう安定あんていしょ認定にんていして基本きほん手当てあて支給しきゅうしたのであれば、離職りしょくまえから現在げんざいまで療養りょうようのため労務ろうむ不能ふのうでかつ療養りょうよう給付きゅうふをひきつづきけているむね証明しょうめいして、基本きほん手当てあて返納へんのうし、あらためて傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう申請しんせいしなければならない(昭和しょうわ29ねん3がつ4にちぶんはつ2864ごう)。
  • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう要件ようけん該当がいとうするもの介護かいご休業きゅうぎょう期間きかんちゅうである場合ばあい傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうされる平成へいせい11ねん3がつ31にち保険ほけんはつ46ごうちょう保険ほけんはつ9ごう)。ただし休業きゅうぎょう期間きかんちゅう介護かいご休業きゅうぎょう手当てあてとう名目めいもく報酬ほうしゅうみとめられるものが支給しきゅうされた場合ばあいは、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうがくについて調整ちょうせいおこなわれる。
  • 保険ほけんしゃは、いつわりその不正ふせい行為こういにより保険ほけん給付きゅうふけ、またけようとしたものにたいして、6かげつ以内いない期間きかんさだめ、そのもの支給しきゅうすべき傷病しょうびょう手当てあてきん全部ぜんぶまたは一部いちぶ支給しきゅうしないむね決定けっていをすることができる。ただし、いつわりその不正ふせい行為こういがあったから1ねん経過けいかしたときは、当該とうがい給付きゅうふ制限せいげんおこなえない(だい120じょう)。

申請しんせい手続てつづ[編集へんしゅう]

傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけようとするものは、つぎかかげる事項じこう記載きさいした申請しんせいしょ保険ほけんしゃ提出ていしゅつしなければならない(施行しこう規則きそくだい84じょう1こう)。

  1. 保険ほけんしゃしょう記号きごうおよ番号ばんごうまた個人こじん番号ばんごう
  2. 保険ほけんしゃ業務ぎょうむ種別しゅべつ
  3. きず病名びょうめいおよびその原因げんいんならびに発病はつびょうまた負傷ふしょう年月日ねんがっぴ
  4. 労務ろうむふくすることができなかった期間きかん
  5. 保険ほけんしゃ報酬ほうしゅう全部ぜんぶまた一部いちぶけることができるときは、その報酬ほうしゅうがくおよ期間きかん
  6. 傷病しょうびょう手当てあてきんだい108じょう3こう但書ただしがきまたは4こう但書ただしがき規定きていによるものであるときは、障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんまた障害しょうがい手当てあてきんべつ、そのがく当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん同一どういつ支給しきゅう事由じゆうもとづき障害しょうがい基礎きそ年金ねんきん支給しきゅうけることができるときは、当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんがく当該とうがい障害しょうがい基礎きそ年金ねんきんがくとの合算がっさんがく)、支給しきゅう事由じゆうである傷病しょうびょうめい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんまた障害しょうがい手当てあてきんけることとなった年月日ねんがっぴ当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん同一どういつ支給しきゅう事由じゆうもとづき障害しょうがい基礎きそ年金ねんきん支給しきゅうけることができるときは、当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんけることとなった年月日ねんがっぴおよ当該とうがい障害しょうがい基礎きそ年金ねんきんけることとなった年月日ねんがっぴならびに障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんけるべき場合ばあいにおいては、個人こじん番号ばんごうまた基礎きそ年金ねんきん番号ばんごうおよ当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん同一どういつ支給しきゅう事由じゆうもとづき障害しょうがい基礎きそ年金ねんきん支給しきゅうけることができるときは、当該とうがい障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんおよ当該とうがい障害しょうがい基礎きそ年金ねんきん)の年金ねんきん証書しょうしょ年金ねんきんコード
  7. 傷病しょうびょう手当てあてきんだい108じょう5こう但書ただしがき規定きていによるものであるときは、どうこう規定きていする老齢ろうれい退職たいしょく年金ねんきん給付きゅうふ名称めいしょう、そのがく当該とうがい老齢ろうれい退職たいしょく年金ねんきん給付きゅうふけることとなった年月日ねんがっぴ個人こじん番号ばんごうまた基礎きそ年金ねんきん番号ばんごうおよびその年金ねんきん証書しょうしょしくはこれにじゅんずる書類しょるい年金ねんきんコードしくは記号きごう番号ばんごうしくは番号ばんごう
  8. 傷病しょうびょう手当てあてきんだい109じょう規定きていによるものであるときは、けることができるはずであった報酬ほうしゅうがくおよ期間きかんけることができなかった報酬ほうしゅうがくおよ期間きかんだい108じょう1こう但書ただしがき、3こう但書ただしがきまたは4こう但書ただしがき規定きていによりけた傷病しょうびょう手当てあてきんがくならびに報酬ほうしゅうけることができなかった理由りゆう
  9. 労務ろうむふくすることができなかった期間きかんちゅう介護かいご保険ほけんほう規定きていによる居宅きょたく介護かいごサービスかか指定してい居宅きょたくサービス、特例とくれい居宅きょたく介護かいごサービスかか居宅きょたくサービスしくはこれに相当そうとうするサービス、地域ちいき密着みっちゃくがた介護かいごサービスかか指定してい地域ちいき密着みっちゃくがたサービス、特例とくれい地域ちいき密着みっちゃくがた介護かいごサービスかか地域ちいき密着みっちゃくがたサービスしくはこれに相当そうとうするサービス、施設しせつ介護かいごサービスかか指定してい施設しせつサービスとう特例とくれい施設しせつ介護かいごサービスかか施設しせつサービス、介護かいご予防よぼうサービスかか指定してい介護かいご予防よぼうサービスまた特例とくれい介護かいご予防よぼうサービスかか介護かいご予防よぼうサービスしくはこれに相当そうとうするサービスをけたときは、どうほう規定きていする保険ほけんしゃしょう保険ほけんしゃ番号ばんごう保険ほけんしゃ番号ばんごうおよ保険ほけんしゃ名称めいしょう

この申請しんせいしょには、つぎかかげる書類しょるい添付てんぷしなければならない。これらの書類しょるい外国がいこく作成さくせいされたものであるときは、その書類しょるい日本語にほんご翻訳ほんやくぶん添付てんぷしなければならない(施行しこう規則きそくだい84じょう2~8こう)。

  • 保険ほけんしゃ疾病しっぺいまた負傷ふしょう発生はっせいした年月日ねんがっぴ原因げんいんしゅ症状しょうじょう経過けいか概要がいようおよ上記じょうき4.の期間きかんかんする医師いしまた歯科しか医師いし意見いけんしょ(これをしょうする医師いしまた歯科しか医師いしにおいて診断しんだん年月日ねんがっぴ記載きさいし、記名きめいおよ押印おういんをしなければならない)[注釈ちゅうしゃく 4][注釈ちゅうしゃく 5]
    • 一般いっぱんてき医師いし診断しんだんしょことなり、申請しんせいしょ添付てんぷする医師いし意見いけんしょ交付こうふ保険ほけん給付きゅうふ対象たいしょうとなる(「療養りょうよう給付きゅうふ」に該当がいとうする。昭和しょうわ60ねん3がつ29にち保険ほけんはつ27ごう[注釈ちゅうしゃく 6]
    • 請求せいきゅうしょには、労務ろうむ不能ふのう期間きかんかんする医師いし証明しょうめいしょ添付てんぷすべきものではなくて、意見いけんしょ添付てんぷすべきものであり、したがって、医師いし実際じっさい診療しんりょうしていない期間きかんについても、医師いし保険ほけんしゃ既往きおう状態じょうたい推測すいそくして表示ひょうじした意見いけんしょ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうしてつかえない。ただし、保険ほけんしゃが、保険ほけんしゃ労務ろうむ不能ふのう状態じょうたいにあったことをみとめなければ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうする必要ひつようはない(昭和しょうわ4ねん2がつ21にち388ごう)。これは、支給しきゅう最終さいしゅうてき決定けっていけんしゃ保険ほけんしゃであり保険ほけんしゃ医師いし意見いけんしょことなる取扱とりあつかいをすることを容認ようにんしているということである。もっとも実務じつむじょうは、医師いし医学いがくてき根拠こんきょをもって記載きさいした意見いけんしょ保険ほけんしゃくつがえすということは、書類しょるいとの整合せいごうせいれないひとし事情じじょうでもないかぎまれである。
    • 意見いけんしょ内容ないよう不明瞭ふめいりょう休業きゅうぎょう必要ひつよう程度ていど判別はんべつできない場合ばあい保険ほけんしゃ保険ほけんたい説明せつめい報告ほうこくもとめることはできるが、保険ほけんはんして意見いけんしょ必要ひつよう事項じこう記入きにゅうするようめいずることはできない。意見いけんしょ内容ないよう不明瞭ふめいりょうであるてん保険ほけんしゃ指示しじ当該とうがい保険ほけんしゃをして保険ほけん意見いけんしょえをもとめることはつかえない(昭和しょうわ3ねん10がつ9にち2677ごう)。
    • 複数ふくすう医師いし見解けんかいことなる場合ばあい保険ほけんAは就労しゅうろう可能かのうとし、保険ほけんBは就労しゅうろう不能ふのう判断はんだんした場合ばあい)、保険ほけんしゃ労務ろうむ不能ふのうみとめるのでなければ支給しきゅうすべきものではない(昭和しょうわ8ねん2がつ18にちぶんまわし35ごう)。とくに、保険ほけんしゃ主治医しゅじいと、保険ほけんしゃ勤務きんむする事業じぎょうじょうない産業さんぎょう[注釈ちゅうしゃく 7]とで見解けんかいことなる場合ばあい問題もんだいとなる。保険ほけんしゃが、主治医しゅじいから労務ろうむ不能ふのうであることについての意見いけんられなかった場合ばあい当該とうがい医師いしとはべつ産業さんぎょうたいし、労働ろうどうしゃとしての立場たちば就業しゅうぎょうについての意見いけんもとめ、意見いけんもとめられた当該とうがい産業さんぎょう任意にんい作成さくせいした書類しょるい保険ほけんしゃ提出ていしゅつすることはつかえない。この場合ばあい医師いしとう意見いけんしょには、労務ろうむ不能ふのうみとめられない疾病しっぺいまた負傷ふしょうかか意見いけん記載きさいもとめることとされる。また、このような場合ばあい保険ほけんしゃが、保険ほけんしゃ本人ほんにん同意どういうえで、当該とうがい産業さんぎょう意見いけんくこともつかえない。保険ほけんしゃにおいては、これらの書類しょるい提出ていしゅつけた場合ばあいとうには、双方そうほう意見いけん参酌さんしゃくし、適切てきせつ判断はんだんをされたい。なお、厚生こうせい労働省ろうどうしょうしん健康けんこう問題もんだいにより休業きゅうぎょうした労働ろうどうしゃ職場しょくば復帰ふっき支援しえん手引てびき」(平成へいせい16ねん10がつ改訂かいてい平成へいせい21ねん3がつ)においては、主治医しゅじい産業さんぎょう連携れんけい重要じゅうようとされ、「主治医しゅじいによる職場しょくば復帰ふっき可能かのう判断はんだん」にたっては、産業さんぎょうをはじめとする産業さんぎょう保健ほけんスタッフが、あらかじめ主治医しゅじいたいして職場しょくば必要ひつようとされる業務ぎょうむ遂行すいこう能力のうりょくかんする情報じょうほう提供ていきょうおこなうことがのぞましいとされている(平成へいせい26ねん9がつ1にち厚生こうせい労働省ろうどうしょう保健ほけんきょく保健ほけん事務じむ連絡れんらく)。
  • 上記じょうき4.5.8にかんする事業じぎょうぬし証明しょうめいしょ[注釈ちゅうしゃく 8][注釈ちゅうしゃく 9]
  • だい108じょう3こう規定きてい該当がいとうするものについては、障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん年金ねんきん証書しょうしょうつし、障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきんがくおよびその支給しきゅう開始かいし年月としつきしょうする書類しょるいならびに障害しょうがい厚生こうせい年金ねんきん直近ちょっきんがくしょうする書類しょるい
  • だい108じょう4こう規定きてい該当がいとうするものについては、障害しょうがい手当てあてきん支給しきゅうしょうする書類しょるい
  • だい108じょう5こう規定きてい該当がいとうするものについては、老齢ろうれい退職たいしょく年金ねんきん給付きゅうふ年金ねんきん証書しょうしょまたはこれにじゅんずる書類しょるいうつし、そのがくおよびその支給しきゅう開始かいし年月としつきしょうする書類しょるいならびにその直近ちょっきんがくしょうする書類しょるい
  • だい108じょう4こう規定きていする合計ごうけいがくどうこう規定きていする障害しょうがい手当てあてきんがくたっしたことにより傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけるべきこととなったものについては、障害しょうがい手当てあてきん支給しきゅうけたから当該とうがい合計ごうけいがく当該とうがい障害しょうがい手当てあてきんがくたっするにいたったまでの期間きかんかか上記じょうき4.にかかげる期間きかんおよびその期間きかんけた報酬ほうしゅう日額にちがくかんする事業じぎょうぬし証明しょうめいしょおよ医師いしまた歯科しか医師いし意見いけんしょ
  • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくさだめられている直近ちょっきん継続けいぞくした12かげつ以内いない期間きかんにおいて、使用しようされる事業じぎょうしょ変更へんこうがあった場合ばあいにおいては、かく事業じぎょうしょ名称めいしょう所在地しょざいちおよかく事業じぎょうしょ使用しようされていた期間きかん
  • 健康けんこう保険ほけん組合くみあい合併がっぺい分割ぶんかつ解散かいさんがあった場合ばあいにおいて消滅しょうめつした健康けんこう保険ほけん組合くみあい権利けんり義務ぎむしん保険ほけんしゃ承継しょうけいした場合ばあいにおいては、消滅しょうめつした健康けんこう保険ほけん組合くみあい名称めいしょうおよ当該とうがいかく健康けんこう保険ほけん組合くみあい加入かにゅうしていた期間きかん

船員せんいん保険ほけん傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふ適正てきせいについて[編集へんしゅう]

船員せんいん保険ほけん保険ほけんしゃについては、船員せんいん労働ろうどう特殊とくしゅせい考慮こうりょしてもなお制度せいど比較ひかくして、疾病しっぺい給付きゅうふめる傷病しょうびょう手当てあてきん割合わりあいおよ保険ほけんしゃいちにんたり支給しきゅう日数にっすういちじるしくたか状況じょうきょうにある。こうしたことから、対象たいしょうとなる請求せいきゅうしょれい実施じっし調査ちょうさ重点じゅうてん事項じこうおよ職務しょくむ不能ふのう可否かひ職務しょくむじょうそと認定にんていとうについて、「船員せんいん保険ほけん傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふ適正てきせい実施じっしたっての留意りゅうい事項じこう」(昭和しょうわ56ねん6がつ26にちちょうぶんはつだいいち、865ごう)がさだめられている。

書類しょるい審査しんさにおいては、

  1. つぎかかげる請求せいきゅうについては、請求せいきゅうしゃ傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう請求せいきゅうしょとう返戻へんれいのうえ完備かんびさせること。
    • 請求せいきゅうしょ記載きさい事項じこうとう記入きにゅうもれ、しるしもれ
    • 職務しょくむじょうまた通勤つうきん災害さいがいによるものとする請求せいきゅうについて「職務しょくむじょう事故じこ証明しょうめいしょまたは「通勤つうきん災害さいがいかんするとどけ」が添付てんぷされていないものまた添付てんぷされていても記載きさい内容ないよう不備ふびなもの
  2. つぎかかげる請求せいきゅうについては、療養りょうようのため職務しょくむけない状況じょうきょう確認かくにんするために「療養りょうようじょうきょう日常にちじょう生活せいかつじょうきょう調査ちょうさひょう」を提出ていしゅつさせること。
    • 閑休漁期ぎょきうえ期間きかんかか請求せいきゅう
    • 50さい以上いじょう資格しかく喪失そうしつしゃ
    • 請求せいきゅうしょの「医師いし意見いけんらん記載きさい簡単かんたんなもの
    • いちげつあいだ診療しんりょうじつ日数にっすうすくないもの
    • 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう開始かいし3がつ経過けいかしたもの
  3. つぎかかげる疾病しっぺいについては、慢性まんせい疾患しっかん老人ろうじんせい疾患しっかんとうであることにより、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう法定ほうてい期間きかん満了まんりょう症状しょうじょう不変ふへんとううたがいがあることから過去かこ病歴びょうれき請求せいきゅうしゃ申告しんこくさせ、同時どうじレセプトにより療養りょうよう給付きゅうふ開始かいしおよ療養りょうよう給付きゅうふ内容ないようならびに当該とうがい疾病しっぺいによる傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふ記録きろく確認かくにんすること。なお、請求せいきゅうしゃ保険ほけんしゃ期間きかんしょ所管しょかんである場合ばあいには、必要ひつようおうじて該当がいとうしょたいして給付きゅうふ記録きろくとう照会しょうかい確認かくにんすること。

書類しょるい審査しんさにより疑義ぎぎしょうじたものについては文書ぶんしょ照会しょうかいによるさい確認かくにんおこなうほか、必要ひつようおうじて実地じっち調査ちょうさをすること。とくに、つぎかかげる請求せいきゅうについては、実地じっち調査ちょうさ強化きょうかすること。

  1. 疾病しっぺいめい症状しょうじょうから判断はんだんして比較的ひかくてき軽症けいしょうおもわれるもの
  2. 診療しんりょうじつ日数にっすうすくなく、医師いし意見いけんから判断はんだんして職務しょくむ不能ふのうとした根拠こんきょ疑義ぎぎがあるもの
  3. 臨床りんしょうてき比較的ひかくてき軽症けいしょうおもわれるもので、漫然まんぜん治療ちりょうけているとおもわれるもの
  4. 書類しょるい審査しんさの3.にかかげる疾病しっぺいのもの
  5. 50さい以上いじょう資格しかく喪失そうしつしゃのもの
  6. 発病はつびょうまた負傷ふしょうから下船げせん初診しょしん年月日ねんがっぴまでのあいだ相当そうとう期間きかんのあるもの
  7. 傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅう開始かいしから3かげつ以上いじょうたっているもの
  8. 以前いぜんにもどういち疾病しっぺい傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうけているもの
  9. 職務しょくむうえがい疑義ぎぎのあるもの
  10. 特定とくてい医療いりょう機関きかん地域ちいきまた船舶せんぱく所有しょゆうしゃ集中しゅうちゅうしているもの
    • 医師いし証明しょうめい特定とくてい医療いりょう機関きかん集中しゅうちゅうしているものについては、医療いりょうがかり連携れんけいをとり、必要ひつよう措置そちをとること。けん医療いりょう機関きかんについても、当該とうがいけん医療いりょうがかり通告つうこくすること。
  11. 入院にゅういんちゅうのもので、つぎかかげるもの
    • 特定とくてい医療いりょう期間きかん集中しゅうちゅうしているもの
    • 病名びょうめい症状しょうじょうからみて入院にゅういんについて疑義ぎぎがあるもの
    • 退院たいいんからいち週間しゅうかん以内いないさい乗船じょうせんまた資格しかく取得しゅとくしているもの
    • レセプトじょう外泊がいはく日数にっすうまた食事しょくじ回数かいすうおおいもの

時効じこう[編集へんしゅう]

健康けんこう保険ほけんほううえ給付きゅうふ同様どうよう傷病しょうびょう手当てあてきんける権利けんりは、2ねん経過けいかしたときは時効じこうにより消滅しょうめつする(だい193じょう)。時効じこう起算きさんは、「労務ろうむ不能ふのうであったごとにその翌日よくじつ」である(昭和しょうわ30ねん9がつ7にち保険ほけんはつ199ごうの2)。

歴史れきし[編集へんしゅう]

1883ねんドイツビスマルク内閣ないかくのもとで疾病しっぺい保険ほけんほう成立せいりつ最低さいてい賃金ちんぎん半額はんがく最高さいこう13しゅうまで傷病しょうびょう手当てあてきんとして給付きゅうふするとされた。疾病しっぺい負傷ふしょうによる休業きゅうぎょう手当てあておもとするものを疾病しっぺい保険ほけん医療いりょう保障ほしょうおもとするものを健康けんこう保険ほけんというが、日本にっぽんではこの2つをまとめて健康けんこう保険ほけんとしてあつかってきた。その端緒たんしょ大正たいしょう2ねん1913ねん)に成立せいりつするも、関東大震災かんとうだいしんさいによる混乱こんらんなどで、ようやく昭和しょうわ2ねん1927ねん)になって施行しこうされた健康けんこう保険ほけんほうである。当初とうしょ支給しきゅう期間きかん最長さいちょう180にちとされ、労災ろうさい保険ほけん制度せいど整備せいびであったため、労災ろうさいによる休業きゅうぎょう対象たいしょう範囲はんいとなった。

平成へいせい18ねん2006ねん)の健康けんこう保険ほけんほう一部いちぶ改正かいせいにより、そのだい45じょうで「標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくの30ぶんの1相当そうとうがくの6わり」とされていた傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうがくが「標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがくの30ぶんの1相当そうとうがくの3ぶんの2」とされた。また、だい55じょうの2では保険ほけんしゃ資格しかく喪失そうしつ継続けいぞくして給付きゅうふけられるとされていたが、改正かいせいほうだい104じょうで1ねん以上いじょう継続けいぞく加入かにゅう必要ひつようとされるようになった。任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃについては継続けいぞくして給付きゅうふけている場合ばあいのぞいては、任意にんい継続けいぞく保険ほけんしゃ要件ようけんのみでの傷病しょうびょう手当てあてきん給付きゅうふおこなわれなくなった。ただし、前述ぜんじゅつ退職たいしょく給付きゅうふ資格しかくがある場合ばあい別段べつだんとなる。また生活せいかつ保障ほしょうのために支給しきゅうする意味合いみあいから、受給じゅきゅうちゅう標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく減額げんがく改定かいていされても、傷病しょうびょう手当てあてきん支給しきゅうがく減額げんがくすることはしないあつかいとなっていた(昭和しょうわ26ねん6がつ4にちぶんはつ1821ごう)。

平成へいせい28ねん4がつ1にちより、支給しきゅうがく見直みなおされ、現行げんこう規定きていとなる。休業きゅうぎょう直前ちょくぜん標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく増額ぞうがく改定かいてい不当ふとう高額こうがく傷病しょうびょう手当てあてきん請求せいきゅうする事例じれい横行おうこうしていたため、それをふせねらいがある。改正かいせいをまたいで傷病しょうびょう手当てあてきん受給じゅきゅうしている場合ばあい改正かいせいまえ従前じゅうぜん計算けいさん方法ほうほう改正かいせい以降いこう改正かいせい計算けいさん方法ほうほう受給じゅきゅう日額にちがく決定けっていされる。

制度せいど周知しゅうち重要じゅうよう課題かだいである。東京とうきょう調査ちょうさではがん患者かんじゃのうち高額こうがく療養りょうよう制度せいど利用りようしたひとは79.4%であったが、傷病しょうびょう手当てあてきん制度せいど利用りようしたひとは31.5%にまり、傷病しょうびょう手当てあてきん制度せいどを「らなかったので利用りようせず」が 39.5%にのぼった[1]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 船員せんいん傷病しょうびょう手当てあてきんについてさだめた船員せんいん保険ほけんほうだい69じょうには、健康けんこう保険ほけんほうだい99じょうのような「その労務ろうむふくすることができなくなったから起算きさんして3にち経過けいかしたから」という要件ようけんさだめられていない。
  2. ^ 平成へいせい30ねん9がつ30にち現在げんざい協会きょうかいけんぽにおける標準ひょうじゅん報酬ほうしゅう月額げつがく平均へいきんがくは、30まんえんとなっている。
  3. ^ 出産しゅっさん手当てあてきん傷病しょうびょう手当てあてきんも、支給しきゅうがく計算けいさん方法ほうほう自体じたいおなじであるが、「支給しきゅうはじめるぞくするつき以前いぜん直近ちょっきん12かげつ」の平均へいきん計算けいさんするので、出産しゅっさん手当てあてきん傷病しょうびょう手当てあてきんとで支給しきゅう開始かいしがつちが場合ばあい、そのあいだ定時ていじ決定けっていとうがあると単価たんかことなる可能かのうせいがある。
  4. ^ 医師いし意見いけんしょかならずしも保険ほけんのものである必要ひつようはなく、柔道じゅうどう整復せいふく施術しじゅつけた場合ばあい柔道じゅうどう整復せいふく意見いけんしょでも差支さしつかえないが(昭和しょうわ2ねん3がつ26にち118ごう昭和しょうわ25ねん1がつ17にちぶんはつ72ごう)、療養りょうよう担当たんとうしゃとしての意見いけんしょでなければならない。したがって、病院びょういんされた意見いけんしょではいけない(昭和しょうわ3ねん12月27にち3163ごう)。
  5. ^ 診療しんりょうけた医師いし死亡しぼうしたのち意見いけんしょは、請求せいきゅうしょにその事由じゆう記載きさいした書面しょめん添付てんぷさせ、医師いし事業じぎょうぬしその関係かんけいしゃについて調査ちょうさした結果けっか、ある期間きかん労務ろうむ不能ふのう事実じじつかくあかたものにたいしては支給しきゅうしてつかえない(昭和しょうわ6ねん7がつ25にちぶんまわし158ごう)。
  6. ^ 柔道じゅうどう整復せいふくは、患者かんじゃから傷病しょうびょう手当てあてきんけるために必要ひつよう傷病しょうびょう手当てあてきん意見いけんしょ交付こうふもとめられたときは、無償むしょう交付こうふすること(平成へいせい11ねん10がつ20日はつかはつ144ごうろうはつ682ごう)。
  7. ^ 産業さんぎょう意見いけんしょ作成さくせいするにたって企業きぎょうない保険ほけんしゃ診療しんりょうおこな場合ばあいには、企業きぎょうない診療しんりょうしょとう開設かいせつがなされていることが必要ひつようとなる(医療いりょうほうだい1じょうの2、だい7じょうだい8じょう平成へいせい26ねん9がつ1にち厚生こうせい労働省ろうどうしょう保健ほけんきょく保健ほけん事務じむ連絡れんらく)。診療しんりょうしょとう開設かいせつされていない企業きぎょうない定期ていき巡視じゅんしとうさい産業さんぎょう診療しんりょうおこなうことは、診療しんりょう結果けっかもとづいて保険ほけんしゃたいして休職きゅうしょく降格こうかくとう不利益ふりえき処分しょぶん企業きぎょうおこなった場合ばあい訴訟そしょうリスクをかかえるため、通常つうじょうはない。
  8. ^ だい99じょう表記ひょうきは「労務ろうむふくすることができない期間きかん」であるが、実際じっさい事業じぎょうぬし証明しょうめいするのは「労務ろうむふくさなかった期間きかん」(休業きゅうぎょう期間きかん)である(昭和しょうわ9ねん10がつ4にち保険ほけんはつ498ごう)。
  9. ^ 事業じぎょうぬし所在しょざい不明ふめいとなりまた労働ろうどう争議そうぎによりストライキ継続けいぞくちゅう事業じぎょうぬしにおいて保険ほけんしゃ動静どうせい知悉ちしつすることができない理由りゆう証明しょうめいこば証明しょうめいしょ添付てんぷ不能ふのう場合ばあいには、事業じぎょうぬし所在しょざい不明ふめいのときは、請求せいきゅうしょにその事由じゆう記載きさいした書面しょめん添付てんぷさせ、調査ちょうさ結果けっか労務ろうむ不能ふのう事実じじつ確認かくにんたものにたいしては支給しきゅうしてつかえないが、労働ろうどう争議そうぎにより保険ほけんしゃ動静どうせい知悉ちしつできない場合ばあいであっても、事業じぎょうぬしは、労務ろうむ不能ふのう証明しょうめいこばむことはできない(昭和しょうわ6ねん7がつ25にちぶんまわし158ごう)。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ がん患者かんじゃ就労しゅうろうとうかんする実態じったい調査ちょうさ 東京とうきょう福祉ふくし保健ほけんきょく平成へいせい26ねん5がつ

関連かんれん文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]