当直とうちょく

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当直とうちょく(とうちょく)とは、交代こうたい通常つうじょう勤務きんむ時間じかんがい業務ぎょうむ担当たんとうすること[1]当番制とうばんせい日直にっちょく宿直しゅくちょくにあたること[2]

概説がいせつ[編集へんしゅう]

当直とうちょくとは、交代こうたい通常つうじょう勤務きんむ時間じかんがい業務ぎょうむ担当たんとうすることである。 そのうちにちちゅうおこな当直とうちょくのほうを日直にっちょく(にっちょく)といい、夜間やかんに(まりんで)おこな当直とうちょくのほうを宿直しゅくちょく(しゅくちょく)という[3][4][5]。ふたつあわせて「宿やど日直にっちょく(しゅくにっちょく)」などともいう[3]

24あいだ体制たいせいくことが業務ぎょうむ性質せいしつじょう必須ひっすとなる職場しょくばであっても、時間じかんたいとうによる業務ぎょうむ繁閑はんかんにより夜間やかん休日きゅうじつ通常つうじょう人員じんいん配置はいちをすることが困難こんなん場合ばあい効率こうりつ場合ばあいがある。こうした職場しょくばでは当直とうちょくもちいて、勤務きんむわり作成さくせい柔軟じゅうなんせいたせる。医療いりょう介護かいごひとし業界ぎょうかいとくもちいられる勤務きんむ業態ぎょうたいであり、一般いっぱんてき商社しょうしゃではあまりられない[1]通常つうじょう勤務きんむ時間じかんがい当該とうがい労働ろうどうしゃ本務ほんむではない軽微けいび仕事しごと(たとえば定時ていじ巡視じゅんし緊急きんきゅう電話でんわ応対おうたい ひとし)をおこなうというてん特徴とくちょうであり(あるいはそういう建前たてまえになっており)、夜間やかん休日きゅうじつ本務ほんむ労働ろうどうおこな夜勤やきん休日きゅうじつ出勤しゅっきんとはこのてんことなる。

なお業種ぎょうしゅによっては、あらかじめ当番制とうばんせい応援おうえんをする役割やくわりひとめておき自宅じたく応援おうえん要請ようせいける、ということがおこなわれている場合ばあいもある。これは「たくただし」や「オンコール当番とうばん」などという[6]。ただしたくただしやオンコール当番とうばんについては、宿直しゅくちょく日直にっちょく一体いったい制度せいどではないとなされている[7]

以下いかでは特記とっきしないかぎり、当直とうちょくえば基本きほんてきには日直にっちょく宿直しゅくちょく総称そうしょうしたものとする。

日本にっぽん法制ほうせい[編集へんしゅう]

日本にっぽん労働ろうどう法制ほうせいにおいては、労働ろうどう時間じかん原則げんそくとして1にち8あいだしゅう40時間じかん以内いないおさめなければいけないが(法定ほうてい労働ろうどう時間じかん労働ろうどう基準きじゅんほうだい32じょう)、当直とうちょくはこの法定ほうてい労働ろうどう時間じかん枠外わくがいである(労働ろうどう基準きじゅんほうだい41じょう)ことが最大さいだい特徴とくちょうである。したがって、使用しようしゃ労働ろうどうしゃ通常つうじょう労働ろうどう時間じかんとはべつ当直とうちょくをさせても割増わりまし賃金ちんぎん支払しはらいは必要ひつようないが、使用しようしゃ当直とうちょくせい採用さいようするにはあらかじめ所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょちょう許可きょかけなければならない(労働ろうどう基準きじゅんほう施行しこう規則きそくだい23じょう[8]。そのうえで、就業しゅうぎょう規則きそくひとし当直とうちょく従事じゅうじする労働ろうどうしゃ範囲はんい当直とうちょくおこなときあいだたい当直とうちょくたいして支払しはらわれる手当てあてがくとうさだめる必要ひつようがある。

所轄しょかつ労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょうおこな許可きょか基準きじゅん通達つうたつによってしめされていて(昭和しょうわ22ねん9がつ13にちはつもと17ごう昭和しょうわ63ねん3がつ14にちもとはつ150ごう)、以下いかのとおりである。

  • 常態じょうたいとして、ほとんど労働ろうどうをする必要ひつようのない勤務きんむのみをみとめるものであって、定時ていじてき巡視じゅんし緊急きんきゅう電話でんわまたは文書ぶんしょ収受しゅうじゅ非常ひじょう事態じたいそなえての待機たいきとう目的もくてきとするものにかぎって許可きょかする。
  • 原則げんそくとして、通常つうじょう労働ろうどう継続けいぞく許可きょかしない
  • 当直とうちょく勤務きんむたいして相当そうとう手当てあて支給しきゅうされること。具体ぐたいてきには、宿直しゅくちょく勤務きんむ1かいについての宿直しゅくちょく手当てあて深夜しんや割増わりまし賃金ちんぎんふくむ。)また日直にっちょく勤務きんむ1かいについての日直にっちょく手当てあて最低さいていがく当該とうがい事業じぎょうじょうにおいて宿直しゅくちょくまた日直にっちょく勤務きんむくことの予定よていされている同種どうしゅ労働ろうどうしゃたいして支払しはらわれている賃金ちんぎんほうだい37じょう割増わりまし賃金ちんぎん基礎きそとなる賃金ちんぎんかぎる。)の1人ひとり1にち平均へいきんがくの3ぶんの1をくだらないものであること。ただし、どういち企業きぎょうぞくする数個すうこ事業じぎょうじょうについて、一律いちりつ基準きじゅんにより宿直しゅくちょくまた日直にっちょく手当てあてがくさだめる必要ひつようがある場合ばあいには、当該とうがい事業じぎょうじょうぞくする企業きぎょうぜん事業じぎょうじょうにおいて宿直しゅくちょくまた日直にっちょく勤務きんむくことの予定よていされている同種どうしゅ労働ろうどうしゃについての1人ひとり1にち平均へいきんがくによることができるものであること。
  • 宿直しゅくちょくについてはしゅう1かい日直にっちょくについてはつき1かい限度げんどとすること(宿やど日直にっちょくおこないうるすべてのもの宿やど日直にっちょくをさせてもなお不足ふそくであり、かつ勤務きんむ労働ろうどう密度みつどとくうす場合ばあいのぞく)。
  • 宿直しゅくちょくについては、相当そうとう睡眠すいみん設備せつび設置せっちすること。
  • まん18さい未満みまんものについては原則げんそくとして許可きょかしない(昭和しょうわ23ねん6がつ16にち収監しゅうかん733ごう[9]

当直とうちょくちゅう突発とっぱつてき本来ほんらい業務ぎょうむ従事じゅうじした場合ばあい当直とうちょくとして対応たいおうすることは可能かのうであるが、そのさい労働ろうどうたいしては割増わりまし賃金ちんぎん支払しはらいが必要ひつようとなる。また、突発とっぱつ業務ぎょうむ頻繁ひんぱんおこなわれ通常つうじょう労働ろうどうとほとんどわりない場合ばあい当直とうちょくとしての対応たいおうみとめられず(通常つうじょう夜勤やきん休日きゅうじつ労働ろうどうとみなされ)、当直とうちょく許可きょかされ[10]、この場合ばあい交代こうたいせい勤務きんむ導入どうにゅうとう勤務きんむ体制たいせい見直みなおしが必要ひつようとなる。実際じっさい当直とうちょくもちいている職場しょくばにおいては、上記じょうき許可きょか基準きじゅんまもられているのかうたがわしい職場しょくばすくなからずみられるところである。本来ほんらい職場しょくば労働ろうどう環境かんきょう改善かいぜん労使ろうし自主じしゅてき交渉こうしょうによってはかるべきものであるが、それでも改善かいぜんられない、あるいはあきらかな法令ほうれい違反いはんられるとう事情じじょうがある場合ばあいには、労働ろうどうしゃ弁護士べんごし社会しゃかい保険ほけん労務ろうむとう法律ほうりつ専門せんもんしょく相談そうだんおこなったり、あるいは労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょへの申告しんこくおこな改善かいぜんもとめるという手段しゅだんがある[3][11]

病院びょういんにおける当直とうちょく勤務きんむ[編集へんしゅう]

医療いりょうほうだい16じょう

医業いぎょうおこな病院びょういん管理かんりしゃは、病院びょういん医師いし宿直しゅくちょくさせなければならない。ただし、当該とうがい病院びょういん医師いし当該とうがい病院びょういん隣接りんせつした場所ばしょ待機たいきする場合ばあい[12]その当該とうがい病院びょういん入院にゅういん患者かんじゃ病状びょうじょう急変きゅうへんした場合ばあいにおいても当該とうがい病院びょういん医師いしすみやかに診療しんりょうおこな体制たいせい確保かくほされている場合ばあいとして厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる場合ばあい[13]は、このかぎりでない。

医師いしとう医師いしのみならず、看護かんご技師ぎしとうふくむ)の当直とうちょくについては、上記じょうき一般いっぱんてき原則げんそくくわえ、許可きょか基準きじゅん細目さいもくべつさだめられている。従来じゅうらい、1949ねん昭和しょうわ24ねん)の通達つうたつ昭和しょうわ24ねん3がつ22にちもとはつだい352ごう)によって細目さいもくさだめていたが、2019ねんれい元年がんねん)7がつあらたな通達つうたつれい元年がんねん7がつ1にちもとはつ0701だい8ごう)が発出はっしゅつされ、以後いごどう通達つうたつによって細目さいもくさだめることになった。

どう通達つうたつにより、医師いしとう当直とうちょく勤務きんむについては、つぎかかげる条件じょうけんすべてをたし、かつ、宿直しゅくちょく場合ばあい夜間やかん十分じゅうぶん睡眠すいみんがとりるものである場合ばあいに、当直とうちょく許可きょかあたえるようあつかうこと。

  1. 通常つうじょう勤務きんむ時間じかん拘束こうそくから完全かんぜん解放かいほうされたのちのものであること。すなわち、通常つうじょう勤務きんむ時間じかん終了しゅうりょうもなお、通常つうじょう勤務きんむ態様たいよう継続けいぞくしているあいだは、通常つうじょう勤務きんむ時間じかん拘束こうそくから解放かいほうされたとはいえないことから、そのあいだ勤務きんむについては、当直とうちょく許可きょか対象たいしょうとはならないものであること。
  2. 当直とうちょくちゅう従事じゅうじする業務ぎょうむは、一般いっぱん当直とうちょく業務ぎょうむ以外いがいには、特殊とくしゅ措置そち必要ひつようとしない軽度けいどまた短時間たんじかん業務ぎょうむかぎること。たとえば、つぎかかげる業務ぎょうむとうをいい、通常つうじょう勤務きんむ時間じかんどう態様たいよう業務ぎょうむふくまれないこと。
    • 医師いしが、少数しょうすう要注意ようちゅうい患者かんじゃ状態じょうたい変動へんどう対応たいおうするため、問診もんしんとうによる診察しんさつとう軽度けいど処置しょちふくむ。以下いかおなじ。)や、看護かんごとうたいする指示しじ確認かくにんおこなうこと
    • 医師いしが、外来がいらい患者かんじゃ来院らいいん通常つうじょう想定そうていされない休日きゅうじつ夜間やかんたとえば輪番りんばんであるなど)において、少数しょうすう軽症けいしょう外来がいらい患者かんじゃや、かかりつけ患者かんじゃ状態じょうたい変動へんどう対応たいおうするため、問診もんしんとうによる診察しんさつとうや、看護かんごとうたいする指示しじ確認かくにんおこなうこと
    • 看護かんご職員しょくいんが、外来がいらい患者かんじゃ来院らいいん通常つうじょう想定そうていされない休日きゅうじつ夜間やかんたとえば輪番りんばんであるなど)において、少数しょうすう軽症けいしょう外来がいらい患者かんじゃや、かかりつけ患者かんじゃ状態じょうたい変動へんどう対応たいおうするため、問診もんしんとうおこなうことや、医師いしたいする報告ほうこくおこなうこと
    • 看護かんご職員しょくいんが、病室びょうしつ定時ていじ巡回じゅんかい患者かんじゃ状態じょうたい変動へんどう医師いしへの報告ほうこく少数しょうすう要注意ようちゅうい患者かんじゃ定時ていじけんみゃく検温けんおんおこなうこと
  3. 上記じょうき1、2以外いがいに、一般いっぱん当直とうちょく許可きょかさい条件じょうけんたしていること。
  • 上記じょうきによって当直とうちょく許可きょかあたえられた場合ばあいにおいて、当直とうちょくちゅうに、通常つうじょう勤務きんむ時間じかんどう態様たいよう業務ぎょうむ従事じゅうじすること(医師いし突発とっぱつてき事故じこによるおう急患きゅうかんしゃ診療しんりょうまた入院にゅういん患者かんじゃ死亡しぼう出産しゅっさんとう対応たいおうすること、また看護かんごとう医師いしにあらかじめ指示しじされた処置しょちおこなうこととう)がまれにあったときについては、一般いっぱんてきにみて、常態じょうたいとしてほとんど労働ろうどうすることがない勤務きんむであり、かつ宿直しゅくちょく場合ばあいは、夜間やかん十分じゅうぶん睡眠すいみんがとりるものであるかぎり、当直とうちょく許可きょか必要ひつようはないこと。また、当該とうがい通常つうじょう勤務きんむ時間じかんどう態様たいよう業務ぎょうむ従事じゅうじする時間じかんについて労働ろうどう基準きじゅんほうだい33じょうまただい36じょう1こうによる時間じかんがい労働ろうどう手続てつづきがとられ、だい37じょう割増わりまし賃金ちんぎん支払しはらわれるようあつかうこと。したがって、当直とうちょく対応たいおうする医師いしとうかずについて、当直とうちょくさい担当たんとうする患者かんじゃすうとの関係かんけいまた当該とうがい病院びょういんとう夜間やかん休日きゅうじつ来院らいいんする急病きゅうびょう患者かんじゃ発生はっせいりつとの関係かんけいとうからみて、上記じょうきのように通常つうじょう勤務きんむ時間じかんどう態様たいよう業務ぎょうむ従事じゅうじすることが常態じょうたいであると判断はんだんされるものについては、当直とうちょく許可きょかあたえることはできないものであること。
  • 当直とうちょく許可きょかは、ひとつの病院びょういん診療しんりょうしょひとしにおいて、所属しょぞく診療しんりょう職種しょくしゅ時間じかんたい業務ぎょうむ種類しゅるいとうかぎってあたえることができるものであること。たとえば、医師いし以外いがいのみ、医師いしについて深夜しんや時間じかんたいのみといった許可きょかのほか、上記じょうき例示れいじかんして、外来がいらい患者かんじゃ対応たいおう業務ぎょうむについては許可きょか基準きじゅん該当がいとうしないが、病棟びょうとう当直とうちょく業務ぎょうむについては許可きょか基準きじゅん該当がいとうするような場合ばあいについては、病棟びょうとう当直とうちょく業務ぎょうむのみに限定げんていして許可きょかあたえることも可能かのうであること。小規模しょうきぼ病院びょういん診療しんりょうしょとうにおいては、医師いしとうが、そこにんでいる場合ばあいがあるが、この場合ばあいにはこれを当直とうちょくとしてあつか必要ひつようはないこと。ただし、この場合ばあいであっても、上記じょうきかかげるような通常つうじょう勤務きんむ時間じかんどう態様たいよう業務ぎょうむ従事じゅうじするときには、時間じかんがい労働ろうどう手続てつづき必要ひつようであり、割増わりまし賃金ちんぎん支払しはらわなければならないことはいうまでもないこと。

当直とうちょく勤務きんむかか許可きょかけた医療いりょう機関きかんについては、その労働ろうどう実態じったい把握はあくし、当直とうちょく勤務きんむとしてあつかうことが適切てきせつであるかについて確認かくにんおこない、問題もんだいみとめられる場合ばあいには、当直とうちょく勤務きんむかか許可きょか基準きじゅんさだめられた事項じこう履行りこう確保かくほはかることまた当直とうちょく勤務きんむかか許可きょか取消とりけしおこなうことにより、その適正てきせいはかることとしている。労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく機関きかんにおいては、以下いか対応たいおうおこなっている(平成へいせい14ねん3がつ19にちもとはつだい0319007ごう平成へいせい14ねん11月28にちもとかんはつだい1128001ごう)。

  • 自主じしゅ点検てんけんひょう送付そうふ回収かいしゅうによる当直とうちょく勤務きんむ労働ろうどう実態じったい把握はあくおよ分類ぶんるい
    • 自主じしゅ点検てんけんひょう提出ていしゅつしない医療いりょう機関きかんたいしては、事業じぎょうまた当直とうちょく業務ぎょうむ廃止はいしあきらかになる場合ばあいのぞき、電話でんわとうにより、事業じぎょうまた当直とうちょく業務ぎょうむ有無うむ確認かくにんし、当直とうちょく勤務きんむがある場合ばあいには自主じしゅ点検てんけんひょう提出ていしゅつ督促とくそくおこなう。
  • 集団しゅうだん指導しどうとう実施じっし
    • 集団しゅうだん指導しどうだい3四半期しはんきまただい4四半期しはんきにおいておこなう。提出ていしゅつされた自主じしゅ点検てんけんひょう分類ぶんるいにより問題もんだいがあるとされた医療いりょう機関きかん督促とくそくおこなったにもかかわらず自主じしゅ点検てんけんひょう提出ていしゅつしなかった医療いりょう機関きかん集団しゅうだん指導しどう出席しゅっせきしなかった医療いりょう機関きかんについては、行政ぎょうせい指導しどうのうえ、一定いってい期日きじつして、報告ほうこくしょ提出ていしゅつもとめる。
  • 監督かんとく指導しどう実施じっしおよ許可きょか取消とりけし
    • 指導しどうおこなったにもかかわらず報告ほうこくしょ提出ていしゅつしない医療いりょう機関きかん報告ほうこくしょ内容ないようから問題もんだいがあるとかんがえられる医療いりょう機関きかんたいし、監督かんとく指導しどう実施じっしする。その結果けっか許可きょか基準きじゅんさだめられた事項じこうじょう問題もんだいてんみとめられた場合ばあいには、ほう違反いはんとして指摘してきするなど所要しょよう措置そちこうじる。また、その労働ろうどう実態じったいから、当直とうちょく勤務きんむ対応たいおうすることが適切てきせつでないことがあきらかとなったものについては、許可きょか取消とりけしおこなう。

社会しゃかい福祉ふくし施設しせつにおける宿直しゅくちょく勤務きんむ[編集へんしゅう]

社会しゃかい福祉ふくし施設しせつにおける宿直しゅくちょく勤務きんむについては、つぎかかげる条件じょうけんのすべてをたす必要ひつようがある(昭和しょうわ49ねん7がつ26にちもとはつだい387ごう平成へいせい11ねん3がつ31にちもとはつ168ごう)。社会しゃかい福祉ふくし施設しせつにおける宿直しゅくちょく許可きょか取扱とりあつかいについては、従前じゅうぜんしめされていた一般いっぱん宿直しゅくちょく許可きょか基準きじゅんのみでは明確めいかくでないので、その取扱とりあつかいの細部さいぶあきらかにしたものであって特例とくれいみとめたものではない昭和しょうわ49ねん7がつ26にちもとかんはつ27ごう[14]

  • 通常つうじょう勤務きんむ時間じかん拘束こうそくから完全かんぜん解放かいほうされたのちのものであること。
  • 夜間やかん従事じゅうじする業務ぎょうむは、一般いっぱん宿直しゅくちょく業務ぎょうむのほかは、しょう人数にんずう入所にゅうしょしゃたいしておこなよる尿にょうこし、おむつ取替とりかえ、検温けんおんひとし介助かいじょ作業さぎょうであって、軽度けいどかつ短時間たんじかん作業さぎょうかぎること[15]。したがって、夜間やかんにおける児童じどう生活せいかつ指導しどう起床きしょう着衣ちゃくい指導しどうとう通常つうじょう労働ろうどうどう態様たいよう業務ぎょうむふくまれないこと。
  • 夜間やかん十分じゅうぶん睡眠すいみんがとりうること[16]
  • 上記じょうき以外いがいに、一般いっぱん宿直しゅくちょく許可きょかさい条件じょうけんたしていること。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 当直とうちょくはたらかたとは?当直とうちょくがある仕事しごと5せん夜勤やきん宿直しゅくちょくとのちがだい新卒しんそつエージェントneo
  2. ^ 広辞苑こうじえんだいろくはん電子でんしばん当直とうちょく
  3. ^ a b c ハタラクティブ「当直とうちょくってなに?っておくべき特徴とくちょうなど」
  4. ^ 大辞泉だいじせん日直にっちょく
  5. ^ デジタル大辞泉だいじせん宿直しゅくちょく
  6. ^ 奈良なら病院びょういん事件じけん大阪おおさかだかばん平成へいせい22ねん11月26にち)では、大阪おおさか高裁こうさいたくただし担当たんとう産科さんかについて「たくただし制度せいどは、宿やど日直にっちょく担当たんとう以外いがいすべての産婦人科さんふじんか医師いし全員ぜんいん連日れんじつにわたって応援おうえん要請ようせいける可能かのうせいがあるという過大かだい負担ふたんけるため、医師いしが、そのプロフェッションの意識いしきもとづいて、当該とうがい緊急きんきゅう措置そち要請ようせい応援おうえん要請ようせい)を拒否きょひすることなくけることを前提ぜんていとして、そのける医師いしあらかじさだめたものであり、どう制度せいど医師いしらの自主じしゅてき取組とりくみである」とした。
  7. ^ なお、奈良なら病院びょういん事件じけんでは「病院びょういんちょうからの黙示もくし業務ぎょうむ命令めいれいがあったとはいえない」「たくただし制度せいど宿やど日直にっちょく制度せいど一体いったい制度せいどであるとまでいうことはできない」として、たくただし勤務きんむによる残業ざんぎょうだい支払しはらい請求せいきゅうみとめなかった。
  8. ^ 大星おおぼしビル管理かんり事件じけんさいはん平成へいせい14ねん2がつ28にち)では、ビル管理かんり会社かいしゃ従業じゅうぎょういん連続れんぞく8あいだ仮眠かみん時間じかんちゅうにビルの仮眠かみんしつ待機たいきをして、警報けいほうったりしたときはただちに所定しょてい作業さぎょうおこなうこととされていた事案じあんについて、労働ろうどうからの解放かいほう保障ほしょうされてなく、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署長しょちょう許可きょかていないことから、当該とうがい仮眠かみん時間じかん法定ほうてい労働ろうどう時間じかん枠外わくがいとはみとめなかった。
  9. ^ 女子じょし深夜しんやぎょう禁止きんしされていた時代じだい平成へいせい11ねん改正かいせいまえ)、女子じょし労働ろうどうしゃ宿直しゅくちょく勤務きんむ禁止きんしされていた(日直にっちょく昭和しょうわ23ねん6がつ11にちもとおさむ855ごう)。
  10. ^ 労働ろうどう基準きじゅんほう基本きほんてき知識ちしきQ&A
  11. ^ 当直とうちょく宿直しゅくちょく夜勤やきんちがケアきょう
  12. ^ 隣接りんせつした場所ばしょ」とは、その場所ばしょ事実じじつじょう当該とうがい病院びょういん敷地しきち同一どういつであるとみとめられる場合ばあいであり、つぎのいずれかの場所ばしょすこととする(公道こうどうひとしはさんで隣接りんせつしている場合ばあいとする)(平成へいせい30ねん3がつ22にちせいはつ0322だい13ごう)。
    • どういち敷地しきちないにある施設しせつ住居じゅうきょとう
    • 敷地しきちがいにあるが隣接りんせつした場所ばしょにある施設しせつ医療いりょう機関きかん併設へいせつした老人ろうじん保健ほけん施設しせつひとし
    待機たいきする」とは、患者かんじゃ急変きゅうへんすみやかに緊急きんきゅう治療ちりょうおこなえるよう、そなえていることをすこととする(平成へいせい30ねん3がつ22にちせいはつ0322だい13ごう)。
  13. ^ 厚生こうせい労働ろうどう省令しょうれいさだめる場合ばあい」は、病院びょういん入院にゅういん患者かんじゃ病状びょうじょう急変きゅうへんした場合ばあいにおいても当該とうがい病院びょういん医師いしすみやかに診療しんりょうおこな体制たいせい確保かくほされているものとして当該とうがい病院びょういん管理かんりしゃがあらかじめ当該とうがい病院びょういん所在地しょざいち都道府県とどうふけん知事ちじみとめられた場合ばあいとする(医療いりょうほう施行しこう規則きそくだい9じょうの15の2)。「当該とうがい病院びょういん所在地しょざいち都道府県とどうふけん知事ちじ都道府県とどうふけん知事ちじみとめ」るさい具体ぐたいてき基準きじゅんについて、以下いかの1~4をすべたすものとする(平成へいせい30ねん3がつ22にちせいはつ0322だい13ごう)。
    1. 入院にゅういん患者かんじゃ病状びょうじょう急変きゅうへんした場合ばあいに、当該とうがい病院びょういん看護かんごとうがあらかじめさだめられた医師いし連絡れんらくをする体制たいせい常時じょうじ確保かくほされていること。
    2. 入院にゅういん患者かんじゃ病状びょうじょう急変きゅうへんした場合ばあいに、当該とうがい医師いし当該とうがい病院びょういんからの連絡れんらく常時じょうじけられること。
    3. 当該とうがい医師いしすみやかに当該とうがい病院びょういんけつけられる場所ばしょにいること。
      特別とくべつ事情じじょうがあって、すみやかにけつけられない場合ばあいにおいても、すくなくともすみやかに電話でんわとう看護かんごとう診療しんりょうかんする適切てきせつ指示しじせること。
    4. 当該とうがい医師いし適切てきせつ診療しんりょうおこなえる状態じょうたいであること。
      当該とうがい医師いし適切てきせつ診療しんりょうができないおそれがある状態じょうたい診療しんりょうおこなってはならない。
  14. ^ 社会しゃかい福祉ふくし施設しせつ保母ほぼひとしんでいる場合ばあいたんにこれをもって宿直しゅくちょくとしてあつか必要ひつようはないが、これらのもの前記ぜんき通達つうたつしめされている一般いっぱん宿直しゅくちょく業務ぎょうむおよ夜間やかん従事じゅうじする業務ぎょうむめいずる場合ばあいには、宿直しゅくちょく業務ぎょうむとしてあつかうことをようするものであること(昭和しょうわ49ねん7がつ26にちもとはつだい387ごう)。
  15. ^ 軽度けいど」とは、おむつ取替とりかえ、よる尿にょうこしであってもよう介護かいごしゃいだきかかえるとう身体しんたい負担ふたんがかかる場合ばあいふくまず、「短時間たんじかん」とは、通達つうたつしめされた介助かいじょ作業さぎょういち勤務きんむちゅうに1かいないし2かいふくまれていることを限定げんていとして、1かい所要しょよう時間じかん通常つうじょう10ふん程度ていどのものをいうものであること(昭和しょうわ49ねん7がつ26にちもとかんはつ27ごう)。
  16. ^ 睡眠すいみん時間じかんちゅう老人ろうじん急病きゅうびょうとうのため介助かいじょすることがあれば、だい33じょうまただい36じょうもとづく時間じかんがい労働ろうどう手続てつづきをおこなわなければならず、また、その時間じかん対応たいおうするときあいだがい労働ろうどうおよ深夜しんやぎょうたいする割増わりまし賃金ちんぎん支払しはらわなければならない。なお、このような介助かいじょ作業さぎょう度々たびたびある場合ばあいには、宿直しゅくちょく許可きょかあたえられないこととなるので、交替こうたいせいとう勤務きんむ体制たいせい必要ひつようとなること(昭和しょうわ49ねん7がつ26にちもとかんはつ27ごう)。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]