この項目 こうもく では、地域 ちいき (地方 ちほう )の経済 けいざい 力 りょく や意欲 いよく の向上 こうじょう 、人口 じんこう を増 ふ やすことについて説明 せつめい しています。地域 ちいき の形成 けいせい については「まちづくり 」を、安倍 あべ 内閣 ないかく の政策 せいさく については「地方 ちほう 創 そう 生 せい 」をご覧 らん ください。
常磐 ときわ 線 せん 土浦 つちうら 駅 えき (茨城 いばらき 県 けん 土浦 つちうら 市 し )の改札 かいさつ 口 こう 。天井 てんじょう 付近 ふきん の垂 た れ幕 まく に「また来 こ ようよ。土浦 つちうら へ。」と記載 きさい されている。
地域 ちいき おこし (ちいきおこし、地域興 ちいきおこ し)とは、地域 ちいき (地方 ちほう )が、経済 けいざい 力 ちから や人々 ひとびと の意欲 いよく を(再 ふたた び)向上 こうじょう させる、人口 じんこう を維持 いじ する(再 ふたた び)増 ふ やすためなどに行 おこな う諸 しょ 活動 かつどう のことである。地域 ちいき 活性 かっせい 化 か 、地域 ちいき 振興 しんこう 、地域 ちいき づくり とも呼 よ ばれる。
「地域興 ちいきおこ し」と表現 ひょうげん する場合 ばあい は、地域 ちいき の住民 じゅうみん や団体 だんたい (商工会 しょうこうかい ・農協 のうきょう ・漁協 ぎょきょう など)の主体性 しゅたいせい が強調 きょうちょう される傾向 けいこう がある。「地域 ちいき づくり」も同様 どうよう である。いずれも語感 ごかん の固 かた さを避 さ けるため、「地域 ちいき おこし」のように「地域 ちいき 」以外 いがい はひらがな 表記 ひょうき されることが多 おお い。なお、住 す みよい地域 ちいき を形成 けいせい するための諸 しょ 活動 かつどう は「まちづくり」と呼 よ ばれることがあるが、「地域 ちいき おこし」「地域 ちいき 活性 かっせい 化 か 」などとは若干 じゃっかん 異 こと なったニュアンスで使 つか われることが多 おお い。
町 まち (街 まち )の場合 ばあい は特 とく に「町 まち おこし 」、「都市 とし おこし 」、「まちおこし 」とも呼 よ ばれ、村 むら の場合 ばあい は「村 むら おこし 」とも呼 よ ばれる。
英語 えいご 圏 けん では「vitalization」や「revitalization」などの用語 ようご を用 もち いて表現 ひょうげん されることが一般 いっぱん 的 てき である。[注 ちゅう 1]
日本 にっぽん では1960年代 ねんだい 以降 いこう の重化学 じゅうかがく 工業 こうぎょう を主軸 しゅじく とした工業 こうぎょう 化 か に成功 せいこう した一部 いちぶ の地域 ちいき を除 のぞ き、地方 ちほう では人口 じんこう 流出 りゅうしゅつ が起 お き、労働 ろうどう 力 りょく を必要 ひつよう とした大都市 だいとし 圏 けん (特 とく に東京 とうきょう 23区 く ・政令 せいれい 指定 してい 都市 とし ・都道府県 とどうふけん 庁 ちょう 所在地 しょざいち および近接 きんせつ する市 し ・郡 ぐん )に産業 さんぎょう や人口 じんこう が集中 しゅうちゅう し、地方 ちほう の郡部 ぐんぶ ・中山 なかやま 間 あいだ 地域 ちいき ・離島 りとう などで、以下 いか のような過疎 かそ 化 か の悪循環 あくじゅんかん が深刻 しんこく になった。
地方 ちほう の雇用 こよう の絶対 ぜったい 数 すう が少 すく ない。あるいは減 へ っている。
地方 ちほう の若年 じゃくねん 層 そう ・労働 ろうどう 力 りょく 人口 じんこう が大都市 だいとし 圏 けん や県庁 けんちょう 所在地 しょざいち などへ移動 いどう する
若者 わかもの や労働 ろうどう 人口 じんこう が流出 りゅうしゅつ した地域 ちいき では地元 じもと 産業 さんぎょう の衰退 すいたい や高齢 こうれい 化 か が進 すす む
さらに人口 じんこう 流出 りゅうしゅつ が加速 かそく し、地方 ちほう がいっそう過疎 かそ 化 か する
農村 のうそん ・山村 さんそん ・漁村 ぎょそん では、戦後 せんご の過剰 かじょう 人口 じんこう の状態 じょうたい が原因 げんいん で、都市 とし 部 ぶ へ労働 ろうどう 力 りょく 人口 じんこう が流出 りゅうしゅつ した。山村 さんそん では燃料 ねんりょう 革命 かくめい とも呼 よ ばれる薪 たきぎ 需要 じゅよう の激減 げきげん 、品質 ひんしつ が悪 わる いが安 やす い外国 がいこく 産 さん 材 ざい の流入 りゅうにゅう により急速 きゅうそく に衰退 すいたい した。
しかし、1973年 ねん の石油 せきゆ 危機 きき によって重化学 じゅうかがく 工業 こうぎょう 中心 ちゅうしん の高度 こうど 経済 けいざい 成長 せいちょう 路線 ろせん 、それにともなう首都 しゅと 圏 けん ・近畿 きんき 圏 けん ・中京 ちゅうきょう 圏 けん への人口 じんこう 集中 しゅうちゅう は変化 へんか を余儀 よぎ なくされる。日本 にっぽん 経済 けいざい は安定 あんてい 成長 せいちょう へ転換 てんかん し、三 さん 大都市 だいとし 圏 けん へ の人口 じんこう 流入 りゅうにゅう も収 おさ まった。こうした中 なか 、玉野井 たまのい 芳郎 よしお が地域 ちいき 主義 しゅぎ を提唱 ていしょう し、それに続 つづ いて杉岡 すぎおか 碩 せき 夫 おっと ・清成 きよなり 忠男 ただお らも地域 ちいき 主義 しゅぎ に関 かん する書籍 しょせき を出版 しゅっぱん した。この地域 ちいき 主義 しゅぎ は、現在 げんざい までつながる「地域 ちいき おこし」「まちづくり」の源流 げんりゅう であるとされる。その後 ご 、地域 ちいき 主義 しゅぎ は、清 せい 成忠 しげただ 男 おとこ ら地域 ちいき の経済 けいざい 振興 しんこう を説 と くグループと中村 なかむら 尚司 しょうじ らエコロジーを重視 じゅうし するグループに分 わ かれていった。前者 ぜんしゃ は主 おも に地方 ちほう 都市 とし で受 う け入 い れられ、後者 こうしゃ は発展 はってん 途上 とじょう 国 こく における「もう一 ひと つの発展 はってん 」を探究 たんきゅう する内 うち 発 はつ 的 てき 発展 はってん 論 ろん と結 むす びついた[1] 。
地域 ちいき 経済 けいざい の振興 しんこう を説 と く地域 ちいき 主義 しゅぎ は行政 ぎょうせい の政策 せいさく にも影響 えいきょう を与 あた え、国政 こくせい では第 だい 三 さん 次 じ 全国 ぜんこく 総合 そうごう 開発 かいはつ 計画 けいかく (1977年 ねん 開始 かいし )、首相 しゅしょう ・大平 おおひら 正芳 まさよし が提唱 ていしょう した田園 でんえん 都市 とし 構想 こうそう (1978年 ねん 提唱 ていしょう )、地方 ちほう では大分 おおいた 県知事 けんちじ ・平松 ひらまつ 守彦 もりひこ (1979年 ねん )が掲 かか げた一村 いちむら 一品 いっぴん 運動 うんどう などに結実 けつじつ した。1985年 ねん には、佐々木 ささき 信夫 しのぶ が「都市 とし 間 あいだ 競争 きょうそう 」・「自治体 じちたい 間 あいだ 競争 きょうそう 」という概念 がいねん を提唱 ていしょう し、各 かく 都市 とし ・各 かく 自治体 じちたい が政策 せいさく を切磋琢磨 せっさたくま させていくことで、地域 ちいき の活性 かっせい 化 か が実現 じつげん できるとした。この頃 ころ から、国 くに が地方自治体 ちほうじちたい に指図 さしず するやり方 かた が改 あらた められるようになり、首相 しゅしょう 竹下 たけした 登 のぼる が掲 かか げたふるさと創 そう 生 せい 事業 じぎょう (1988年 ねん - 1989年 ねん )では、初 はじ めて各 かく 地方自治体 ちほうじちたい に用途 ようと の使途 しと を定 さだ めない交付 こうふ 金 きん が与 あた えられた[1] 。
多 おお くの地方 ちほう 都市 とし では、モータリゼーション の進展 しんてん やショッピングモール の郊外 こうがい への進出 しんしゅつ によって、中心 ちゅうしん 部 ぶ の都市 とし 機能 きのう が衰退 すいたい (郊外 こうがい 化 か 、ドーナツ化 か )し、「大 だい 規模 きぼ 小売 こうり 店 てん 」や周辺 しゅうへん 地域 ちいき の小売 こうり 店 てん が経営 けいえい の危機 きき を迎 むか えた。その結果 けっか 、商店 しょうてん 街 がい が寂 さび れて「シャッター通 どお り 」となり、その寂 さび れた雰囲気 ふんいき が余計 よけい に客足 きゃくあし を遠 とお ざける悪循環 あくじゅんかん にはまっている[2] [3] 。
かつて工業 こうぎょう 化 か に成功 せいこう した地域 ちいき でも、2度 ど の石油 せきゆ 危機 きき 、急速 きゅうそく な円 えん 高 だか の結果 けっか 、製造 せいぞう 原価 げんか を下 さ げるために工場 こうじょう が日本 にっぽん 国外 こくがい に移転 いてん させられることが増 ふ えた。その結果 けっか 、製造 せいぞう ノウハウが現地 げんち の外国 がいこく 人 じん 技術 ぎじゅつ 者 しゃ などに流出 りゅうしゅつ し、アジア諸国 しょこく が追 お い上 あ げたことにより、日本 にっぽん の地域 ちいき では空洞 くうどう 化 か 現象 げんしょう がみられ、雇用 こよう の喪失 そうしつ や低 てい 賃金 ちんぎん 化 か に見舞 みま われた。
こうした人口 じんこう 減少 げんしょう により、産業 さんぎょう や地域 ちいき 活動 かつどう の担 にな い手 て が不足 ふそく した。さらには、地元 じもと に伝 つた わる伝統 でんとう 工芸 こうげい ・伝統 でんとう 芸能 げいのう ・祭 まつり ・歌 うた ・踊 おど り といった伝統 でんとう 的 てき な文化 ぶんか 活動 かつどう の担 にな い手 て や後継 こうけい 者 しゃ 不足 ふそく も顕著 けんちょ になり、中 なか には後継 こうけい 者 しゃ 不足 ふそく から、文献 ぶんけん すら満足 まんぞく に保存 ほぞん 継承 けいしょう されず消失 しょうしつ してしまう地方 ちほう 文化 ぶんか もある。
問題 もんだい のまとめと対策 たいさく の目的 もくてき
次 つぎ のような問題 もんだい が複 ふく 合 あい 的 てき に起 お きている。
産業 さんぎょう の発展 はってん 。雇用 こよう の減少 げんしょう
人口 じんこう の流出 りゅうしゅつ 。人口 じんこう の減少 げんしょう
地域 ちいき 文化 ぶんか の伝統 でんとう の途絶 とぜつ
よって次 つぎ のようなことのいずれか、あるいは複数 ふくすう 、全部 ぜんぶ を目的 もくてき としているのが地域 ちいき おこしである。
産業 さんぎょう の立 た て直 なお しによる雇用 こよう の創出 そうしゅつ や維持 いじ
若者 わかもの の人口 じんこう 流出 りゅうしゅつ の歯止 はど め・回復 かいふく 。新規 しんき 住民 じゅうみん の呼 よ び込 こ み。子供 こども のいる家族 かぞく の呼 よ び込 こ み
地域 ちいき 文化 ぶんか の担 にな い手 て の確保 かくほ と継承 けいしょう
地域 ちいき おこしの主体 しゅたい (企画 きかく 者 しゃ 、実行 じっこう 者 しゃ )は次 つぎ のようなものがある。
なお、2011年 ねん 7月 がつ 9日 にち に大分 おおいた 県 けん 佐伯 さいき 市 し で開催 かいさい された「国道 こくどう 326号 ごう ・10号 ごう 沿線 えんせん 活性 かっせい 化 か シンポジウム」において、「観光 かんこう カリスマ」の山田 やまだ 桂一郎 けいいちろう [4] は「行政 ぎょうせい に頼 たよ ってはダメ 」としたうえで、観光 かんこう 客 きゃく には新 あら たに開発 かいはつ し売 う り出 だ した「商品 しょうひん 」などではなく、地域 ちいき のライフスタイル(地域 ちいき の人々 ひとびと の暮 く らし)からえり抜 ぬ いたものに価値 かち を認 みと めてもらう必要 ひつよう 性 せい があることを述 の べている[5] [注 ちゅう 2] 。
以下 いか のようなさまざまな試 こころ みが地方自治体 ちほうじちたい や各種 かくしゅ 団体 だんたい ・組織 そしき で行 おこな われているが、どこにでも有効 ゆうこう な決定的 けっていてき な策 さく というものがあるわけではない。その地域 ちいき ごとの特色 とくしょく や立地 りっち 、人口 じんこう や産業 さんぎょう の状況 じょうきょう を判断 はんだん し、独自 どくじ 性 せい のある地域 ちいき おこし施策 しさく の計画 けいかく ・実施 じっし が望 のぞ まれる。他 た の地域 ちいき の真似 まね するほど地域 ちいき ごとの独自 どくじ の特色 とくしょく がなくなり、同 おな じようなものが増 ふ えた分 ぶん 、相対 そうたい 的 てき に魅力 みりょく が減 へ ってゆく。よって、他 た の地域 ちいき と比較 ひかく した場合 ばあい の、自 じ 地域 ちいき の特色 とくしょく 、本当 ほんとう の強 つよ みを見抜 みぬ く必要 ひつよう がある。
成功 せいこう したケースにおいては、立地 りっち 、時代 じだい 背景 はいけい 、推進 すいしん したリーダー、関係 かんけい 団体 だんたい の協力 きょうりょく 、組織 そしき 化 か などに恵 めぐ まれたケースが多 おお い。そうした要因 よういん を考慮 こうりょ せず、成功 せいこう 事例 じれい をそのまま真似 まね しただけでは、地域 ちいき 色 しょく が出 だ しきれず失敗 しっぱい に終 お わることが多 おお い。
地域 ちいき 振興 しんこう のためには、人口 じんこう を維持 いじ 、または増加 ぞうか させる必要 ひつよう がある。そのためには、他 た 地域 ちいき から人 ひと を呼 よ び込 こ むことと、他 た 地域 ちいき への人口 じんこう 流出 りゅうしゅつ を防 ふせ ぐことが必要 ひつよう である。主 おも な人口 じんこう の維持 いじ 増加 ぞうか 策 さく として、次 つぎ のようなものが挙 あ げられる[6] (一部 いちぶ は他 た の節 ふし のものと重複 じゅうふく している)
当該 とうがい 自治体 じちたい への移住 いじゅう の推進 すいしん ・支援 しえん (たとえばUターン ・Jターン ・Iターン での移住 いじゅう の推進 すいしん )
自治体 じちたい のPR (たとえばインターネット での情報 じょうほう 発信 はっしん 、IターンUターン推進 すいしん 誌 し での広告 こうこく 、CM 、キャラクター などを使 つか ったものなど。いわゆる「お役所 やくしょ 仕事 しごと 」的 てき に形式 けいしき 的 てき に実行 じっこう しても大抵 たいてい は効果 こうか が無 な く、民間 みんかん 企業 きぎょう 並 な みに、実際 じっさい のところどれだけの人数 にんずう にメッセージや情報 じょうほう が届 とど いているか(リーチ数 すう )、どれだけの人数 にんずう が反応 はんのう してくれたか(レスポンス数 すう )、反応 はんのう した人 ひと の心的 しんてき な反応 はんのう の内容 ないよう や態度 たいど の変化 へんか 、などをしっかり把握 はあく して、広告 こうこく 効果 こうか を厳 きび しく吟味 ぎんみ ・判定 はんてい して工夫 くふう をないとうまくゆかない。)
居住 きょじゅう 支援 しえん (たとえば空 あ き家 や ・公営 こうえい 住宅 じゅうたく の提供 ていきょう 、家賃 やちん 補助 ほじょ など)
雇用 こよう の確保 かくほ (たとえば企業 きぎょう 誘致 ゆうち ・新 しん 産業 さんぎょう 創出 そうしゅつ ・6次 じ 産業 さんぎょう 化 か など)
結婚 けっこん 支援 しえん (たとえば若者 わかもの の出会 であ い、仲人 なこうど サービスなど)
育児 いくじ 世帯 せたい への経済 けいざい 支援 しえん (たとえば出産 しゅっさん 一 いち 時 じ 金 きん の上乗 うわの せなど)
子育 こそだ て環境 かんきょう の充実 じゅうじつ (たとえば保育 ほいく 所 しょ 整備 せいび など)
学校 がっこう 施設 しせつ 、教育 きょういく 環境 かんきょう の充実 じゅうじつ
インフラストラクチャー 整備 せいび (たとえばコミュニティバス ・道路 どうろ ・下水道 げすいどう などの整備 せいび )
コンパクトシティ の推進 すいしん (施設 しせつ ・住居 じゅうきょ などを分散 ぶんさん させず、集約 しゅうやく させること]
イベントを開催 かいさい (幅広 はばひろ い年齢 ねんれい に興味 きょうみ を持 も ってもらえるような)
ただし、人口 じんこう 減少 げんしょう が激 はげ しい自治体 じちたい ほど、家賃 やちん 補助 ほじょ のような経済 けいざい 支援 しえん による応急 おうきゅう 処置 しょち 的 てき な移住 いじゅう 策 さく を選択 せんたく し、子育 こそだ て環境 かんきょう の充実 じゅうじつ といった定住 ていじゅう 促進 そくしん 策 さく を行 おこな うのが難 むずか しい状況 じょうきょう にある。経済 けいざい 的 てき 支援 しえん は、若 わか い世代 せだい の誘引 ゆういん 策 さく としては効果 こうか が一時 いちじ 的 てき で持続 じぞく 的 てき な定住 ていじゅう 策 さく としては未知数 みちすう である。過度 かど に経済 けいざい 支援 しえん を行 おこな った場合 ばあい 、自治体 じちたい の財政 ざいせい を悪化 あっか させ、かえって地域 ちいき の弱体 じゃくたい 化 か に拍車 はくしゃ をかける恐 おそ れがある。また、移住 いじゅう の呼 よ びかけが過熱 かねつ して自治体 じちたい が人口 じんこう を奪 うば い合 あ うようになれば、小規模 しょうきぼ 自治体 じちたい がさらに疲弊 ひへい することが懸念 けねん される。そのため様々 さまざま な側面 そくめん から費用 ひよう 対 たい 効果 こうか を検証 けんしょう し、実態 じったい にあった施策 しさく をとることが必要 ひつよう であるとされる[6] 。
地元 じもと の漁業 ぎょぎょう ・農業 のうぎょう の振興 しんこう
(農業 のうぎょう 地域 ちいき )地域 ちいき の農作物 のうさくもつ の品質 ひんしつ 向上 こうじょう ・基準 きじゅん 策定 さくてい ・地域 ちいき ブランド化 か とその広報 こうほう 。新 あら たな有望 ゆうぼう な農作物 のうさくもつ 品種 ひんしゅ への挑戦 ちょうせん と、成功 せいこう した品種 ひんしゅ の地域 ちいき 内 ない の農家 のうか への普及 ふきゅう
道 みち の駅 えき を設置 せっち し、観光 かんこう 客 きゃく に対 たい し地域 ちいき の農産物 のうさんぶつ や特産 とくさん 物 ぶつ を直売 ちょくばい し、生産 せいさん 者 しゃ の収入 しゅうにゅう や地元民 じもとみん の雇用 こよう につなげる
企業 きぎょう ・工場 こうじょう の誘致 ゆうち (「企業 きぎょう が地方 ちほう へ進出 しんしゅつ する際 さい に発生 はっせい する、何 なん らかのメリット(用地 ようち 確保 かくほ 、減税 げんぜい など)の提示 ていじ 」と「地元 じもと の人 ひと の雇用 こよう 割合 わりあい 、地元 じもと 枠 わく のノルマの要求 ようきゅう ・確保 かくほ ・契約 けいやく 書 しょ のとりかわし」をワンセットで行 おこな う。ただ来 き てもらうだけでは、必 かなら ずしも地元 じもと の人 ひと の雇用 こよう につながらない)
観光 かんこう 資源 しげん の発掘 はっくつ ・創出 そうしゅつ ・再 さい 検討 けんとう (後述 こうじゅつ )
観光 かんこう によって観光 かんこう 業 ぎょう (宿泊 しゅくはく 業 ぎょう など)が盛 さか んになると、小売 こうり 業 ぎょう ・卸売 おろしうり 業 ぎょう などにも経済 けいざい 効果 こうか が波及 はきゅう し、域内 いきない の経済 けいざい が活発 かっぱつ になる。そのため、観光 かんこう 振興 しんこう は地域 ちいき 経済 けいざい の活性 かっせい 化 か につながる[7] 。
地元 じもと 住民 じゅうみん にとって「当 あ たり前 まえ 」で「何 なん でもないこと」(山 やま ・海 うみ ・水 みず ・田園 でんえん 風景 ふうけい ・棚田 たなだ ・雪原 せつげん ・星空 ほしぞら ・自然 しぜん 環境 かんきょう 全般 ぜんぱん など)が、観光 かんこう 資源 しげん になる。
旅行 りょこう 先 さき で人々 ひとびと と交流 こうりゅう したり、現地 げんち 独特 どくとく の人々 ひとびと の生活 せいかつ 様式 ようしき をじっくり見 み たり実際 じっさい に体験 たいけん することでその人 ひと の「人生 じんせい の一部 いちぶ 」になるような旅 たび を好 この む人々 ひとびと の割合 わりあい が次第 しだい に増 ふ えてきている。そこで「農業 のうぎょう 体験 たいけん コース 」「漁業 ぎょぎょう 体験 たいけん コース 」などを設 もう けるという方法 ほうほう もある。
地元民 じもとみん が子供 こども のころから何気 なにげ なく食 た べている料理 りょうり (地元 じもと の日 ひ 常食 じょうしょく ・家庭 かてい 料理 りょうり ・郷土 きょうど 料理 りょうり )を、他 た の地域 ちいき の人々 ひとびと も食 た べてみたいと思 おも えるような形 かたち で提供 ていきょう し、上手 じょうず に広報 こうほう して多 おお くの人々 ひとびと に知 し ってもらえば、商業 しょうぎょう ベースに乗 の ることもある。獣 しし 害 がい が深刻 しんこく な地域 ちいき では、森 もり や里山 さとやま に自然 しぜん の動物 どうぶつ が出没 しゅつぼつ するということなので、シカ やイノシシ の肉 にく をジビエ として売 う り出 だ すという方法 ほうほう がある(和歌山 わかやま 県 けん など)[8] 。また、風 ふう が吹 ふ き抜 ぬ ける地域 ちいき では、風力 ふうりょく 発電 はつでん 機 き (大 だい 規模 きぼ な風力 ふうりょく 発電 はつでん 所 しょ ・ウィンドファーム )を設置 せっち して、当該 とうがい 地域 ちいき に必要 ひつよう な電力 でんりょく のかなりの割合 わりあい をそれでまかない、その地域 ちいき の経済 けいざい 的 てき な強 つよ みとしたり、あるいは売 うれ 電 でん を行 おこな うという方法 ほうほう もある。例 たと えば、北海道 ほっかいどう のオロロン街道 かいどう (稚内 わっかない 市 し から留萌 るもい 市 し あたりまで、日本海 にほんかい 側 がわ に面 めん した数 すう 百 ひゃく kmの街道 かいどう )、えりも町 まち (襟裳岬 えりもみさき )、千葉 ちば 県 けん の銚子 ちょうし 市 し の海岸 かいがん の丘 おか の上 うえ などでは、風 ふう が強 つよ い場所 ばしょ に風力 ふうりょく 発電 はつでん 機 き が立 た ち並 なら び、地域 ちいき に役立 やくだ つ電力 でんりょく を生 う みだしている。また、風力 ふうりょく 発電 はつでん 機 き が多数 たすう 立 た ち並 なら ぶ風景 ふうけい は印象 いんしょう 的 てき で、一種 いっしゅ の観光 かんこう 資源 しげん となり、それを目当 めあ てに観光 かんこう 客 きゃく が訪 おとず れるようにもなる。
上手 うま くいけばメディアで話題 わだい となるが、他 た の地域 ちいき が模倣 もほう することで埋 うず もれてしまい、長期 ちょうき 的 てき には効果 こうか が薄 うす くなってしまうことがある。ミニ独立 どくりつ 国 こく ・ご当地 とうち キャラクター(ゆるキャラ )・B級 きゅう グルメ などは、あまりに乱立 らんりつ が過 す ぎて、効果 こうか が激減 げきげん してしまったといわれる。アート産業 さんぎょう への多大 ただい な税金 ぜいきん 投入 とうにゅう も問題 もんだい となっている[9] 。象徴 しょうちょう 的 てき な事例 じれい ではあいちトリエンナーレ の2019年 ねん の騒動 そうどう が挙 あ げられる。
箱 はこ 物 ぶつ 行政 ぎょうせい とは、日本 にっぽん の地域 ちいき 自治体 じちたい などが美術館 びじゅつかん ・博物館 はくぶつかん ・スポーツ公園 こうえん ・リゾート施設 しせつ などの公共 こうきょう 施設 しせつ (=箱 はこ もの)を建設 けんせつ すること。
安定 あんてい 成長 せいちょう 期 き までは一定 いってい の成果 せいか があることもあったものの、失 うしな われた10年 ねん を経 へ て負 まけ の遺産 いさん と化 か したものも多 おお い。「箱 はこ 物 ぶつ 」は、各 かく 地域 ちいき で似 に たようなものが乱立 らんりつ し、相対 そうたい 的 てき に人 ひと を引 ひ き寄 よ せる力 ちから が弱 よわ い。また、建造 けんぞう 後 ご の毎年 まいとし の維持 いじ 費 ひ (管理 かんり 者 しゃ の人件 じんけん 費 ひ 、建築 けんちく 物 ぶつ の補修 ほしゅう 費 ひ など)が大 おお きく、赤字 あかじ になりやすい。そのため、地域 ちいき 衰退 すいたい の要因 よういん のひとつにもなっている。また土建 どけん 業者 ぎょうしゃ と、地元 じもと 有力 ゆうりょく 議員 ぎいん ・助役 じょやく ・市長 しちょう などの間 あいだ の賄賂 わいろ のやりとりや、談合 だんごう が起 お きやすい。
情報 じょうほう インフラの整備 せいび (情報 じょうほう 格差 かくさ の減少 げんしょう )
交通 こうつう インフラの整備 せいび
利用 りよう が減少 げんしょう し、廃止 はいし の危機 きき にある鉄道 てつどう ・路線 ろせん バス への運行 うんこう 経費 けいひ や車両 しゃりょう 購入 こうにゅう 費用 ひよう 補助 ほじょ 、コミュニティバス の運行 うんこう 、タクシー利用 りよう 補助 ほじょ 券 けん の配布 はいふ 。
バスマップ(路線 ろせん 図 ず ・時刻 じこく 表 ひょう ・乗 の り方 かた ・バスを利用 りよう して行 い ける施設 しせつ を記載 きさい )の配布 はいふ 。乗 の り方 かた 教室 きょうしつ ・無料 むりょう 運行 うんこう 日 び の実施 じっし や、体験 たいけん 乗車 じょうしゃ 券 けん の配布 はいふ 。鉄道 てつどう との乗 の り継 つ ぎ時間 じかん を極力 きょくりょく 短 みじか くしたダイヤ編成 へんせい 。バスロケーションシステム(走行 そうこう 位置 いち 情報 じょうほう )の提供 ていきょう 。学生 がくせい ・高齢 こうれい 者 しゃ ・障害 しょうがい 者 しゃ ・運転 うんてん 免許 めんきょ 証 しょう 返納 へんのう 者 しゃ 向 む けに割引 わりびき した定期 ていき 券 けん の発行 はっこう 。環境 かんきょう 定期 ていき 券 けん 制度 せいど の導入 どうにゅう 。観光 かんこう 施設 しせつ 入場 にゅうじょう 料 りょう とセットになった割引 わりびき 乗車 じょうしゃ 券 けん の発売 はつばい といった利用 りよう 促進 そくしん 策 さく
鉄道 てつどう 駅 えき への公共 こうきょう 施設 しせつ の移転 いてん 集約 しゅうやく や、待合室 まちあいしつ ・パークアンドライド 用 よう 駐車 ちゅうしゃ 場 じょう の整備 せいび
特区 とっく
2002年 ねん には行政 ぎょうせい 改革 かいかく により、従来 じゅうらい の法規 ほうき 制 せい の一部 いちぶ を緩和 かんわ できる構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき が制定 せいてい できるようになり、全国 ぜんこく 各地 かくち で様々 さまざま な「特区 とっく 」が生 う まれつつあり、これらの特区 とっく 内 ない での様々 さまざま な活動 かつどう に、地域 ちいき 振興 しんこう の期待 きたい が寄 よ せられている。
詳細 しょうさい は構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき を参照 さんしょう のこと。
地域 ちいき ブランド化 か
地域 ちいき 団体 だんたい 商標 しょうひょう (地域 ちいき ブランド)が2006年 ねん 4月 がつ の改正 かいせい 商標 しょうひょう 法 ほう によって要件 ようけん が緩和 かんわ されたことで、地域 ちいき ブランドによる「地域 ちいき おこし」が注目 ちゅうもく されている。これらでは従来 じゅうらい 地場 じば 産品 さんぴん の一般 いっぱん 名称 めいしょう として利用 りよう されていた呼称 こしょう を「商標 しょうひょう 」とすることで、他 た の地域 ちいき で製造 せいぞう された類似 るいじ 品 ひん に同 どう 名称 めいしょう を用 もち いられないですむ排他 はいた 性 せい もあり、類似 るいじ 品 ひん を廃 はい することで地場 じば 産業 さんぎょう の育成 いくせい にも期待 きたい がもたれている。
シンボルマーク・シンボルスローガンの作成 さくせい
栃木 とちぎ 県 けん 宇都宮 うつのみや 市 し が該当 がいとう する。「住 す めば愉快 ゆかい だ宇都宮 うつのみや 」というシンボルマークを作成 さくせい して民間 みんかん の店舗 てんぽ や団体 だんたい が使用 しよう したり、オリジナルのシンボルマークを作成 さくせい したりして魅力 みりょく を伝 つた える作戦 さくせん [10] 。
ウィキペディアタウン
自治体 じちたい や住民 じゅうみん ・ボランティアが街 まち の名所 めいしょ ・施設 しせつ などを積極 せっきょく 的 てき にWikipedia 上 うえ で記事 きじ 化 か ・充実 じゅうじつ 化 か することで、地域 ちいき 振興 しんこう を図 はか る動 うご きもある[11] 。
大 だい 規模 きぼ イベントの開催 かいさい
地域 ちいき おこしを目的 もくてき としたイベントをきっかけに知名度 ちめいど や観光 かんこう 誘引 ゆういん 力 りょく を向上 こうじょう させる手法 しゅほう がある。例 れい として『ももクロ春 はる の一大事 いちだいじ 〜笑顔 えがお のチカラ つなげるオモイ〜 』が挙 あ げられる(女性 じょせい 音楽 おんがく グループのももいろクローバーZ が、毎年 まいとし 異 こと なる地方自治体 ちほうじちたい と協 きょう 働 はたらけ でコンサート開催 かいさい を軸 じく とした広報 こうほう 活動 かつどう を手掛 てが けており、2020年 ねん の「第 だい 12回 かい 観光 かんこう 庁 ちょう 長官 ちょうかん 表彰 ひょうしょう 」で特別 とくべつ 感謝 かんしゃ 状 じょう が贈呈 ぞうてい された[12] [13] [14] )。
姉妹 しまい 都市 とし 、同名 どうめい 地域 ちいき との交流 こうりゅう
本 ほん の街 まち
下記 かき の2つの成功 せいこう 例 れい から、二番煎 にばんせん じで「本 ほん の街 まち 」にする事例 じれい が多 おお く見 み られた。
ヘイ・オン・ワイ - イギリスの本 ほん の街 まち として有名 ゆうめい 。昔 むかし からあるヘイ城 じょう の中 なか にも古書 こしょ 店 てん があり、それぞれの店 みせ が個性 こせい をもった専門 せんもん 的 てき な本 ほん を担当 たんとう する。イベントや国 くに からの独立 どくりつ も行 おこな っている。
ルデュ (英語 えいご 版 ばん ) - ベルギーで過疎 かそ の村 むら で行 おこな われた古書 こしょ 店 てん のイベントから、古書 こしょ 店 てん が集 あつ まるようになった。
芸術 げいじゅつ
ナント - もともとブルターニュ公 こう のお膝元 ひざもと で奴隷 どれい 貿易 ぼうえき でにぎわったが20世紀 せいき から低迷 ていめい 。アートの町 まち としてイベントなどを開催 かいさい し、2004年 ねん に「欧州 おうしゅう で最 もっと も住 す みやすい都市 とし 」1位 い などを獲得 かくとく した。
藻 も 谷 たに 浩 ひろし 介 かい による指摘 してき
藻 も 谷 たに 浩 ひろし 介 かい は『ニッポンの地域 ちいき 力 りょく 』(日本経済新聞 にほんけいざいしんぶん 出版 しゅっぱん 、2007年 ねん 9月 がつ )において次 つぎ のような指摘 してき をしている。
以下 いか は、地域 ちいき おこしを語 かた る際 さい によく言 い われる言葉 ことば であり、条件 じょうけん に恵 めぐ まれて成功 せいこう したケースもある。しかし、実情 じつじょう を把握 はあく せずに成功 せいこう 事例 じれい を表面 ひょうめん 上 じょう 真似 まね ただけで、固定 こてい 観念 かんねん にとらわれて地域 ちいき おこしを行 おこな うと、政策 せいさく を誤 あやま りかえって地域 ちいき が衰退 すいたい する場合 ばあい もある。その固定 こてい 観念 かんねん が間違 まちが っていることをはっきり示 しめ すために「×」(バツ印 しるし )をつける。
「県庁 けんちょう 所在地 しょざいち や政令 せいれい 指定 してい 都市 とし に名店 めいてん が集中 しゅうちゅう すれば、他 た の市町村 しちょうそん もそれに刺激 しげき され、活性 かっせい 化 か する。」×
「リゾート地 ち に観光 かんこう 客 きゃく を呼 よ び込 こ めば地域 ちいき が活性 かっせい 化 か する。」×
「観光 かんこう 客 きゃく が泊 と まれるホテルを増 ふ やす。」×
「道路 どうろ や鉄道 てつどう 、空港 くうこう ができて交通 こうつう が便利 べんり になれば、地域 ちいき は豊 ゆた かになる」×(ストロー効果 こうか )。
「パチンコ店 てん やゲームセンター などの娯楽 ごらく 施設 しせつ を作 つく れば若者 わかもの が集 あつ まる」×(反面 はんめん 、治安 ちあん が悪化 あっか し、それを嫌悪 けんお する人々 ひとびと が逃 に げ出 だ し、人口 じんこう 流出 りゅうしゅつ が加速 かそく する場合 ばあい も。治安 ちあん 面 めん に配慮 はいりょ し出店 しゅってん に否定 ひてい 的 てき な自治体 じちたい も少 すく なくない)。
「工場 こうじょう を誘致 ゆうち すれば、人 ひと (作業 さぎょう 員 いん )が集 あつ まり、商店 しょうてん 街 がい も活性 かっせい 化 か する。」×(昼食 ちゅうしょく などは工場 こうじょう 内 ない の食堂 しょくどう で済 す ませたり弁当 べんとう で済 す ませ、また、品 しな ぞろえが悪 わる い地元 じもと 商店 しょうてん 街 がい では買 か い物 もの もしないので、結局 けっきょく 、地元 じもと 商店 しょうてん 街 がい にはほとんどお金 かね が落 お ちない)
「マンションやアパートを増 ふ やせば人口 じんこう が増 ふ える。」×
「地域 ちいき の製造 せいぞう 業 ぎょう が活性 かっせい 化 か すれば、雇用 こよう も増 ふ える。」× (もともと製造 せいぞう 業 ぎょう が強 つよ くない地域 ちいき が他 た の成功 せいこう 事例 じれい をマネしようとして、とってつけたように製造 せいぞう 業 ぎょう に力 ちから を注 そそ いでも、うまくゆかない場合 ばあい のほうが多 おお い。また、日本 にっぽん の製造 せいぞう 業 ぎょう ・輸出 ゆしゅつ 産業 さんぎょう 全体 ぜんたい が沈 しず みこんでいる時 とき に、その分野 ぶんや に向 む かってもあまり効果 こうか が出 で ない、という面 めん もある。また、自然 しぜん が魅力 みりょく の地域 ちいき が、うっかり製造 せいぞう 業 ぎょう の工場 こうじょう を誘致 ゆうち して自然 しぜん 破壊 はかい を行 おこな ったり公害 こうがい を引 ひ き起 お こしてしまったりすると、観光 かんこう 的 てき 魅力 みりょく は激減 げきげん し、もともとあった観光 かんこう 産業 さんぎょう の雇用 こよう が減 へ ってしまい、総 そう 雇用 こよう 数 すう はむしろ減 へ ってしまうことも起 お きうる。高度 こうど 成長 せいちょう 期 き の固定 こてい 観念 かんねん は捨 す てて、各 かく 地域 ちいき の本当 ほんとう の強 つよ みを見出 みいだ して、選択肢 せんたくし ごとの効果 こうか を、(行政 ぎょうせい にありがちな誇大 こだい な効果 こうか 見積 みつ もりをするのではなく)冷静 れいせい に試算 しさん する必要 ひつよう がある)
「地域 ちいき 振興 しんこう の成功 せいこう 例 れい 」への懐疑 かいぎ [ 編集 へんしゅう ]
「地域 ちいき 振興 しんこう の成功 せいこう 例 れい 」として取 と り上 あ げられているものの中 なか に、実 じつ は成功 せいこう していないものがあるという指摘 してき がある。
久 ひさし 繁 しげる 哲之 てつゆき 介 かい の指摘 してき
久 ひさし 繁 しげる 哲之 てつゆき 介 かい は、「専門 せんもん 家 か が推奨 すいしょう する成功 せいこう 事例 じれい のほとんどが、実 じつ は成功 せいこう していない」「稀 まれ にある『本当 ほんとう の成功 せいこう 』は、異国 いこく や昔 むかし の古 ふる い話 はなし であり、しかも模倣 もほう がきわめて難 むずか しい」としている。
長谷川 はせがわ 計 はかる の指摘 してき
長谷川 はせがわ 計 はかる は、一度 いちど 成功 せいこう 例 れい とされた自治体 じちたい には、全国 ぜんこく 的 てき に注目 ちゅうもく されたため後 のち に引 ひ けなくなり、実際 じっさい は活性 かっせい 化 か してないにもかかわらず公的 こうてき 資金 しきん を投入 とうにゅう して振興 しんこう している所 ところ もあると指摘 してき した。
市川 いちかわ 虎彦 とらひこ の指摘 してき
市川 いちかわ 虎彦 とらひこ はこれらの議論 ぎろん を基 もと に、人口 じんこう ・雇用 こよう の観点 かんてん から地域 ちいき 活性 かっせい 化 か を再考 さいこう した[15] 。
木下 きのした 斉 ひとし の指摘 してき
まちビジネス事業 じぎょう 家 か の木下 きのした 斉 ひとし も、「成功 せいこう 事例 じれい 」とされるものの中 なか に事実 じじつ 上 じょう 失敗 しっぱい した(自治体 じちたい の財政 ざいせい 支援 しえん に頼 たよ っている)ものがあるという立場 たちば をとっている。また、失敗 しっぱい 例 れい を成功 せいこう だと思 おも い込 こ んで複数 ふくすう の地域 ちいき が模倣 もほう することで「全国 ぜんこく レベルでの失敗 しっぱい の連鎖 れんさ 」が生 しょう じてしまうとしている[16] 。
市川 いちかわ 虎彦 とらひこ の指摘 してき 。(+南 みなみ 予 よ 地方 ちほう 限定 げんてい の分析 ぶんせき )
社会 しゃかい 学者 がくしゃ の市川 いちかわ 虎彦 とらひこ は、「地域 ちいき おこしに成功 せいこう した」という既存 きそん の報告 ほうこく に疑念 ぎねん を示 しめ し、人口 じんこう 減少 げんしょう が激 はげ しい愛媛 えひめ 県 けん 南 みなみ 予 よ 地方 ちほう の自治体 じちたい における1960年 ねん から2010年 ねん にかけての人口 じんこう 推移 すいい や産業 さんぎょう の盛衰 せいすい を検証 けんしょう した。その結果 けっか から、「地域 ちいき おこしに成功 せいこう した」とされる市町村 しちょうそん でも人口 じんこう が減少 げんしょう しており、逆 ぎゃく に「地域 ちいき おこしの成功 せいこう 例 れい 」として名前 なまえ が上 あ がらない大洲 おおす 市 し ・南宇和 みなみうわ 郡 ぐん が人口 じんこう 維持 いじ に一時 いちじ 成功 せいこう していた、とした。大洲 おおす 市 し などではなく、人口 じんこう 減少 げんしょう が激 はげ しい他 ほか の自治体 じちたい が「地域 ちいき 振興 しんこう の成功 せいこう 例 れい 」とされた理由 りゆう として、宮本 みやもと 憲一 けんいち の外来 がいらい 型 がた 開発 かいはつ 批判 ひはん や、コンサルタント らが介入 かいにゅう (助言 じょげん ・指導 しどう )する余地 よち のある領域 りょういき での事例 じれい が積極 せっきょく 的 てき に(意図 いと 的 てき に、恣意 しい 的 てき に)取 と り上 あ げられたことが原因 げんいん ではないかと推測 すいそく した[15] 。
なお、市川 いちかわ 虎彦 とらひこ は南 みなみ 予 よ 地方 ちほう で人口 じんこう が増 ふ えた地域 ちいき に共通 きょうつう することは工場 こうじょう 誘致 ゆうち や漁業 ぎょぎょう 振興 しんこう によって雇用 こよう を増 ふ やしたことだ、とし、(南 みなみ 予 よ 地方 ちほう しか分析 ぶんせき していないのだが、一挙 いっきょ に、日本 にっぽん の一般 いっぱん 論 ろん にまで論理 ろんり を飛躍 ひやく させ)「地域 ちいき 振興 しんこう には新 あたら しい産業 さんぎょう の勃興 ぼっこう が不可欠 ふかけつ だ」と(まで)主張 しゅちょう した[15] 。
小説 しょうせつ
漫画 まんが
胡桃 くるみ ちの 『アキナイ☆ダマシイ 』(2009年 ねん 12月 がつ 号 ごう - 2015年 ねん 2月 がつ 号 ごう ) - 地域 ちいき おこしをテーマとした漫画 まんが 作品 さくひん 。
アニメ
『サクラクエスト 』(2017年 ねん 4月 がつ - 9月放送 ほうそう ) - 地域 ちいき おこしをテーマとしたアニメーション作品 さくひん 。
^ 一般 いっぱん 概念 がいねん としては、「community vitalization」となる。コミュニティ (自治体 じちたい 、街 まち 、村 むら )がその名 な を掲 かか げて「~ vitalization」「~ town vitalization」「~ village vitalization」のように使 つか うことが多 おお い。なお、アメリカ では、日本 にっぽん と状況 じょうきょう が異 こと なるため、都市 とし 部 ぶ での部分 ぶぶん 的 てき な荒廃 こうはい がから様々 さまざま な問題 もんだい が発生 はっせい し、「downtown vitalization ダウンタウン (都市 とし 中心 ちゅうしん 部 ぶ )の活性 かっせい 化 か 」がしばしば話題 わだい になる。
^ なお、特定 とくてい 地域 ちいき についての言及 げんきゅう だが、あくまで山田 やまだ は(同 どう シンポジウムにおいて東 ひがし 九州 きゅうしゅう 自動車 じどうしゃ 道 どう が開通 かいつう し、国道 こくどう 326号 ごう ・国道 こくどう 10号 ごう 沿線 えんせん の佐伯 さいき 市 し ・豊後 ぶんご 大野 おおの 市 し ・延岡 のべおか 市 し で地域 ちいき 住民 じゅうみん が何 なに もしなければ観光 かんこう 客 きゃく が吸 す い取 と られるだけになる危惧 きぐ があるとし)、「同 どう 地域 ちいき にはすでに十分 じゅうぶん な素材 そざい ・価値 かち (観光 かんこう 資源 しげん )があり、住民 じゅうみん がその価値 かち を認 みと めて客 きゃく を細分 さいぶん 化 か し取 と り込 こ んでいくことが重要 じゅうよう である」旨 むね を述 の べた(出典 しゅってん :「活性 かっせい 化 か 連携 れんけい が鍵 かぎ -東 ひがし 九州 きゅうしゅう 道 どう 開通 かいつう 後 ご 見据 みす えシンポジウム」夕刊 ゆうかん デイリーWebヘッドラインニュース )