寄より倒たおし

寄より倒たおし（よりたおし）とは、相撲すもうの決きまり手しゅの一ひとつである。四よっつに組くんだ体勢たいせいになって自分じぶんの体からだを対戦たいせん相手あいてに密着みっちゃくさせ、前まえか横よこに進すすみながら相手あいてを土俵どひょう外がいへ倒たおす技わざ。土俵どひょう上じょうで倒たおせば、浴あびせ倒だおしになる。英語えいごでは"Frontal crush out"と呼よぶ。

1988年ねん11月場所ばしょ千秋楽せんしゅうらく結むすびの一番いちばん、西にし横綱よこづな大だい乃国が、53連勝れんしょう中ちゅうで26回かい目めの幕内まくうち優勝ゆうしょうを決きめていた、東ひがし横綱よこづな千代ちよの富士ふじを破やぶり、見事みごと54連勝れんしょうを阻止そしした。また、これが昭和しょうわ時代じだい最後さいごの取組とりくみとなったために、まさに大相撲おおずもう界かいでの歴史れきし的てきな一番いちばんとなった。

さらに、2010年ねん1月がつ場所ばしょ千秋楽せんしゅうらく結むすびの一番いちばんでは、既すでに25回かい目めの幕内まくうち優勝ゆうしょうを決きめた西にし横綱よこづな朝あさ青あお龍りゅうに対たいして、東ひがし横綱よこづな白はく鵬ほうはこの技わざで勝利しょうりし、意地いじを見みせつけた。だが朝あさ青あお龍りゅうは当とう場所ばしょ後ごに突然とつぜん現役げんえき引退いんたいを表明ひょうめいしたため、これが現役げんえき最後さいごの相撲すもうとなった。

2017年ねん3月がつ場所ばしょ13日にち目めに東ひがし横綱よこづな日馬くさま富士ふじが西にし横綱よこづな稀まれ勢ぜいの里さとに対たいして決きめた。この時とき稀まれ勢ぜいの里さとは左肩ひだりかたの大たいけがを負おい、その後ご西にし大関おおぜき照あきらノ富士ふじとの優勝ゆうしょう決定けってい戦せんを制せいして逆転ぎゃくてん優勝ゆうしょうを果はたしたものの、このけがが力士りきし生命せいめいを大おおきく縮ちぢめる結果けっかとなり、遂ついには完治かんじすることなく引退いんたいしている。

また、土俵際どひょうぎわで対戦たいせん相手あいてにうっちゃりを掛かけられたが失敗しっぱいして相手あいてが先さきに倒たおれ（ここで物言ものいいになることもある）、この決きまり手しゅで勝利しょうりすることもまれに見みられる。

関連かんれん項目こうもく

• 大相撲おおずもうの決きまり手しゅ一覧いちらん
• 寄より切きり
• 徳とく真ま鵬おおとり元久もとひさ