杉すぎ孫七郎まごしちろう

杉すぎ孫七郎まごしちろう（すぎまごしちろう、1835年ねん 2月がつ13日にち（天保てんぽう6年ねん1月がつ16日にち）- 1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）5月3日にち）は、日本にっぽんの武士ぶし・長州ちょうしゅう藩士はんし。明治めいじ・大正たいしょう期きの官僚かんりょう、華族かぞく（子爵ししゃく）。諱いみなは重じゅう華はな。字じは子こ華はな。通称つうしょうは徳とく輔・忠次郎ちゅうじろう・少しょう輔九郎ろう。号ごうは松城まつしろ・聴雨。

来歴らいれき・人物じんぶつ

植木うえき五郎右衛門ごろうえもんの次男じなんとして周防すおう国こく吉敷よしき郡ぐん御ご堀村ほりむら（現在げんざいの山口やまぐち県けん山口やまぐち市し）で生うまれる。母ははは周布すふ政之助まさのすけの姉あねである。杉すぎ考こう之これ進しん盛もり倫りんの養子ようしとなり、藩校はんこう明倫めいりん館かんで学まなんだ他ほか、吉田よしだ松陰しょういんにも師事しじした。藩主はんしゅの小姓こしょうを務つとめた後のち、1861年ねん（文久ぶんきゅう元年がんねん）、藩はん命いのちにより江戸えど幕府ばくふの遣や欧おう使節しせつである竹内たけうち保徳やすのり・松平まつだいら康やすし英えいらに従したがって欧米おうべい諸国しょこくを視察しさつする。正式せいしきの使節しせつ団だん員いんではなく、賄まかなえ方かた並なみ小使こづかい雇人やといにんの杉すぎ徳いさお輔としての同行どうこうだった^[1]。帰国きこく後ご、下関しものせき戦争せんそうでは井上いのうえ馨かおるとともに和議わぎに尽つくし、元もと治ちの内乱ないらんでは高杉たかすぎ晋作しんさくを支持しじしつつも、保守ほしゅ派はとの軍事ぐんじ衝突しょうとつには最後さいごまで反対はんたいした。四よん境さかい戦争せんそうでは長州ちょうしゅう軍ぐんの参謀さんぼうとして活躍かつやくした。

明治維新めいじいしん後のちには山口やまぐち藩はん副ふく大だい参事さんじとなる。廃藩置県はいはんちけん後ごの1871年ねん（明治めいじ4年ねん）、宮内みやうち大だい丞すすむ、秋田あきた県令けんれいを歴任れきにん後ご、再度さいど宮内くない大だい丞すすむを務つとめる。1874年ねん（明治めいじ7年ねん）に宮内くない少しょう輔、1877年ねん（明治めいじ10年ねん）に宮内くない大輔だいすけ、1878年ねん（明治めいじ11年ねん）に侍さむらい補ほを兼務けんむ、後のちに皇太后こうたいごう宮みや大夫たいふに転てんじる。

明治めいじ17年ねんから同どう20年ねんまで皇居こうきょ御ご造営ぞうえい事務じむ局長きょくちょうをつとめる。1887年ねん（明治めいじ20年ねん）に子爵ししゃくに叙じょせられる。 1897年ねん（明治めいじ30年ねん）に枢密すうみつ顧問こもん官かんに転てんじた。大正たいしょう九きゅう年ねんまで枢密すうみつ顧問こもん官かんをつとめ、その間あいだ、明治めいじ三さん一いち年ねんから同どう三さん三さん年ねんまで東宮御所とうぐうごしょ御ご造営ぞうえい局長きょくちょうをつとめる。

書しょにも優すぐれていた。墓所はかしょは青山あおやま霊園れいえん立山たてやま墓地ぼち。杉すぎ聴雨墓ぼと刻きざまれており、分わかりづらい。

日本にっぽんホテル協会きょうかい会長かいちょうなどを務つとめた原はら範行のりゆきは曾孫そうそん^[2]^[3]。

栄典えいてん

位階いかい

1886年ねん（明治めいじ19年ねん）10月がつ20日はつか - 従したがえ三さん位い^[4]
1894年ねん（明治めいじ27年ねん）6月30日にち - 正せい三さん位い^[5]
1901年ねん（明治めいじ34年ねん）11月30日にち - 従したがえ二に位い^[6]
1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）5月3日にち - 従したがえ一いち位い^[7]

勲章くんしょう等とう

1886年ねん（明治めいじ19年ねん）11月30日にち - 勲くん二に等とう旭日重光章きょくじつじゅうこうしょう^[8]
1887年ねん（明治めいじ20年ねん）
- 5月9日にち - 子爵ししゃく^[9]
- 12月27日にち - 金製きんせい黄綬おうじゅ褒章ほうしょう^[10]
1889年ねん（明治めいじ22年ねん）11月25日にち - 大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう発布はっぷ記念きねん章あきら^[11]
1896年ねん（明治めいじ29年ねん）12月25日にち - 勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう^[12]
1904年ねん（明治めいじ37年ねん）12月27日にち - 旭日大綬章あさひだいじゅしょう^[13]
1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）5月3日にち - 旭日きょくじつ桐きり花はな大だい綬章じゅしょう^[7]

外国がいこく勲章くんしょう佩用はいよう允許いんきょ

1884年ねん（明治めいじ17年ねん）8月がつ20日はつか - イタリア王国おうこく：イタリア王冠おうかん勲章くんしょうグランコルドーネ^[14]

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ 幕末ばくまつの遣や欧おう使節しせつ竹内たけうち下野げや守もり一いち行ぎょう大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん 1928.5.17-1928.5.30 (昭和しょうわ3)
^ 新井あらい恵美子えみこ『原はら三渓さんけい物語ものがたり』284頁ぺーじ
^ 日外にちがいアソシエーツ『熊本くまもと県けん人物じんぶつ・人材じんざい情報じょうほうリスト、2007』
^ 『官報かんぽう』第だい994号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1886年ねん10月がつ21日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい3301号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1894年ねん7月がつ2日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい5525号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1901年ねん12月2日にち。
^ ^a ^b 『官報かんぽう』第だい2325号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1920年ねん5月がつ5日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい1027号ごう「叙任じょにん」1886年ねん12月1日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい1156号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1887年ねん5月がつ10日とおか。
^ 『官報かんぽう』第だい1351号ごう「彙報いほう - 官庁かんちょう事項じこう - 褒章ほうしょう - 黄綬おうじゅ褒章ほうしょう下賜かし」1887年ねん12月28日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい1928号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1889年ねん11月30日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい4050号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1896年ねん12月26日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい6450号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1904年ねん12月28日にち。
^ 『官報かんぽう』第だい363号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1884年ねん9月がつ11日にち。

外部がいぶリンク

公職こうしょく
先代せんだい（新設しんせつ）	東宮御所とうぐうごしょ御ご造営ぞうえい局長きょくちょう 1898年ねん - 1900年ねん	次代じだい堤つつみ正ただし誼よしみ
先代せんだい児玉こだま愛あい二郎じろう	図書としょ頭あたま 1895年ねん - 1896年ねん	次代じだい都と筑馨六ろく
先代せんだい（新設しんせつ）	内蔵ないぞう頭あたま 1884年ねん - 1892年ねん	次代じだい芳川よしかわ顕正けんせい
先代せんだい三条さんじょう実美みみ皇居こうきょ御ご造営ぞうえい事務じむ総裁そうさい	皇居こうきょ御ご造営ぞうえい事務じむ局長きょくちょう 1884年ねん - 1887年ねん	次代じだい（廃止はいし）
先代せんだい万里小路まりこうじ博はく房ぼう（→欠員けついん）	宮内みやうち大輔だいすけ 1877年ねん - 1884年ねん	次代じだい（欠員けついん→）吉井よしい友実ともみ
先代せんだい吉井よしい友実ともみ（→欠員けついん）	宮内みやうち少しょう輔 1874年ねん - 1877年ねん	次代じだい（欠員けついん→）土方ひじかた久元ひさもと
その他たの役職やくしょく
先代せんだい谷たに干城かんじょう	斯文しぶん学会がっかい会長かいちょう 1911年ねん - 1917年ねん	次代じだい小松原こまつばら英太郎えいたろう
日本にっぽんの爵位しゃくい
先代せんだい叙爵じょしゃく	子爵ししゃく杉すぎ（孫七郎まごしちろう）家か初代しょだい 1887年ねん - 1920年ねん	次代じだい杉すぎ七郎しちろう

[1] 幕末ばくまつの遣や欧おう使節しせつ竹内たけうち下野げや守もり一いち行ぎょう大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん 1928.5.17-1928.5.30 (昭和しょうわ3)

[2] 新井あらい恵美子えみこ『原はら三渓さんけい物語ものがたり』284頁ぺーじ

[3] 日外にちがいアソシエーツ『熊本くまもと県けん人物じんぶつ・人材じんざい情報じょうほうリスト、2007』

[4] 『官報かんぽう』第だい994号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1886年ねん10月がつ21日にち。

[5] 『官報かんぽう』第だい3301号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1894年ねん7月がつ2日にち。

[6] 『官報かんぽう』第だい5525号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1901年ねん12月2日にち。

[qwer-7] 『官報かんぽう』第だい2325号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1920年ねん5月がつ5日にち。

[8] 『官報かんぽう』第だい1027号ごう「叙任じょにん」1886年ねん12月1日にち。

[9] 『官報かんぽう』第だい1156号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1887年ねん5月がつ10日とおか。

[10] 『官報かんぽう』第だい1351号ごう「彙報いほう - 官庁かんちょう事項じこう - 褒章ほうしょう - 黄綬おうじゅ褒章ほうしょう下賜かし」1887年ねん12月28日にち。

[11] 『官報かんぽう』第だい1928号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1889年ねん11月30日にち。

[12] 『官報かんぽう』第だい4050号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1896年ねん12月26日にち。

[13] 『官報かんぽう』第だい6450号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1904年ねん12月28日にち。

[14] 『官報かんぽう』第だい363号ごう「叙任じょにん及辞令れい」1884年ねん9月がつ11日にち。

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表ひょう話はなし編へん歴れき皇太后こうたいごう宮みや大夫たいふ（英えい照あきら皇太后こうたいごう：第だい4代だい、1884年ねん - 1897年ねん）
英えい照あきら皇太后こうたいごう	正親町おおぎまち実みのる徳とく烏丸からすま光徳みつのり（廃止はいし→再興さいこう）万里小路まりこうじ博はく房ぼう杉すぎ孫七郎まごしちろう
昭憲皇太后しょうけんこうたいごう	香川かがわ敬三けいぞう
貞明皇后ていめいこうごう	大森おおもり鍾一入江いりえ為ため守もり大谷おおや正男まさお坊ぼう城じょう俊しゅん良りょう
香こう淳じゅん皇后こうごう	安楽あんらく定信さだのぶ井関いせき英男ひでお