九鬼くき隆一りゅういち

日本にっぽんの政治せいじ家か 九鬼くき 隆一りゅういち くき りゅういち
生年月日せいねんがっぴ	(1852-09-12) 1852年ねん9月12日にち（嘉よしみ永ひさし5年ねん8月がつ7日にち）?
出生しゅっしょう地ち	摂津せっつ国こく三田みた（現げん・兵庫ひょうご県けん三田みた市し）
没ぼつ年月日ねんがっぴ	1931年ねん8月がつ18日にち（満まん78歳さい没ぼつ?）
死没しぼつ地ち	神奈川かながわ県けん鎌倉かまくら郡ぐん鎌倉かまくら町まち（現げん・鎌倉かまくら市し）
出身しゅっしん校こう	慶應義塾けいおうぎじゅく
称号しょうごう	正せい二に位い勲一等くんいっとう 男爵だんしゃく
配偶はいぐう者しゃ	農のう子こ（先妻せんさい・のち堀内ほりうち令れい順じゅん妻つま）、波津子はつこ（後妻ごさい）
子女しじょ	一造いちぞう（次男じなん）、光子こうし（養女ようじょ・政せい尾藤びとう吉きち妻つま）、三郎さぶろう（三男さんなん）、周造しゅうぞう（四男よつお）
親族しんぞく	星崎ほしざき貞さだ幹みき（実父じっぷ）、九鬼くき隆たかし周しゅう（養父ようふ）、星崎ほしざき琢磨たくま（実兄じっけい）、下見したみ万まん寿ことぶき（実妹じつまい・下見したみ重じゅう慎まき妻つま）、上野うえの要子ようこ（実妹じつまい・上野うえの昭道あきみち妻つま）、九鬼くき隆一郎りゅういちろう（孫まご）
枢密すうみつ顧問こもん官かん
在任ざいにん期間きかん	1895年ねん6月25日にち - 1931年ねん8月がつ18日にち
貴族きぞく院いん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	（勅みことのり選せん議員ぎいん）
在任ざいにん期間きかん	1890年ねん9月29日にち - 1895年ねん8月がつ12日にち
元老げんろう院議いんぎ官かん
在任ざいにん期間きかん	1880年ねん11月30日にち - 1884年ねん5月14日にち

九鬼くき 隆一りゅういち（くき りゅういち、嘉よしみ永ひさし5年ねん8月がつ7日にち（1852年ねん9月12日にち）? - 昭和しょうわ6年ねん（1931年ねん）8月がつ18日にち）は、明治めいじ時代じだいから昭和しょうわ初期しょきにかけての日本にっぽんの官僚かんりょう、政治せいじ家か。旧きゅう綾部あやべ藩士はんし。旧姓きゅうせい星崎ほしざき。男爵だんしゃく。号ごうは成海なるみ。先祖せんぞに戦国せんごく武将ぶしょうの九鬼くき嘉隆よしたかがおり、隆たかしの字じは九鬼くき家か当主とうしゅに代々だいだい受うけ継つげられた字じである。

紹介しょうかい

摂津せっつ国こく三田みた出身しゅっしん。慶應義塾けいおうぎじゅくに学まなび、福澤ふくさわ諭吉ゆきちの薫陶くんとうを受うけた。のち文部省もんぶしょうに出仕しゅっしし、若わかくして文部もんぶ少しょう輔（現在げんざいの事務次官じむじかん）にまで栄進えいしん。1884年ねん（明治めいじ17年ねん）、駐米ちゅうべい特命とくめい全権ぜんけん公使こうしに転てんじ、1888年ねん（明治めいじ21年ねん）に帰国きこくすると図書としょ頭あたま、臨時りんじ全国ぜんこく宝物ほうもつ取調とりしらべ委員いいん長ちょう、宮中きゅうちゅう顧問こもん官かん、帝国ていこく博物館はくぶつかん総長そうちょうを歴任れきにん。美術びじゅつ行政ぎょうせいに尽力じんりょくした。また貴族きぞく院いん議員ぎいん、次ついで枢密すうみつ顧問こもん官かんを兼任けんにん。1900年ねん（明治めいじ33年ねん）に総長そうちょうを退しりぞいてからは枢密すうみつ顧問こもん官かんを長ながく務つとめた。1914年ねん（大正たいしょう4年ねん）には郷里きょうりに三田みた博物館はくぶつかんを設立せつりつし、自みずからの美術びじゅつコレクションを展示てんじ・公開こうかいしている。四よん男なんは哲学てつがく者しゃの九鬼くき周造しゅうぞう。

生涯しょうがい

三田みた藩はん・綾部あやべ藩はん時代じだい

嘉よしみ永ひさし3年ねん（1850年ねん）、三田みた藩はんの家臣かしんで180石せき取とりの星崎ほしざき貞さだ幹みきの次男じなんとして藩はん内ないの屋敷やしき町まち（現げん・兵庫ひょうご県けん三田みた市し）で生うまれた。幼名ようみょうは貞次郎ていじろう。1860年ねん（万延まんえん元年がんねん）に母はは・龍りゅうが亡なくなるが、新しん藩主はんしゅ・九鬼くき隆義たかよし（前年ぜんねんに綾部あやべ九鬼くき家かから養子ようし入いりして三田みた九鬼くき家かを継ついだ）の斡旋あっせんで、跡継あとつぎを探さがしていた綾部あやべ藩はん家老がろう・九鬼くき隆たかし周しゅうの養子ようしとなる（隆りゅう周あまねの家系かけいは三田みた・綾部あやべ両りょう藩主はんしゅ家かと同族どうぞくで、綾部あやべ藩はんの一門いちもん家老がろう家かである）。慶応けいおう元年がんねん（1866年ねん）に家督かとくを継つぎ九鬼くき家かの当主とうしゅとなった。

三田みた藩はんの藩政はんせい改革かいかくに携たずさわっていた福澤ふくさわ諭吉ゆきちが大阪おおさか江戸堀えどぼりの藩はん屋敷やしきで饗応きょうおうされた際さいに同席どうせきし、面識めんしきを得える。明治めいじ2年ねん（1869年ねん）5月がつ19日にちに九鬼くき隆義たかよしと共ともに上京じょうきょうした際さいに福澤ふくさわを再訪さいほうし、藩はんの推薦すいせんもあって慶應義塾けいおうぎじゅく（後ごの慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく）への入塾にゅうじゅくを許可きょかされた。同年どうねん11月がつ、綾部あやべ藩はんの洋式ようしき練兵れんぺい中隊ちゅうたい長ちょう、権けん少しょう参事さんじなどの職しょくに就つき、山陰さんいん鎮撫ちんぶ総督そうとくとして丹波街道たんばかいどうの塚原つかはら口こうを受うけ持もった。

入塾にゅうじゅく、文部省もんぶしょう出仕しゅっし

明治めいじ3年ねん（1870年ねん）2月がつに川本かわもと幸みゆき民みんの私塾しじゅくに入学にゅうがくし、閉校へいこうまでの数すうか月げつ間あいだ教おしえを受うけた。同年どうねん11月がつには権けん少しょう参事さんじの職しょくを退しりぞき、翌年よくねん2月がつに慶應義塾けいおうぎじゅく（後ごの慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく）に入塾にゅうじゅくして英語えいごなどを学まなんだ。この頃ころから隆一りゅういちと名乗なのっている。明治めいじ5年ねん（1872年ねん）4月がつに文部省もんぶしょうに十じゅう一等いっとう出仕しゅっしし大学南だいがくみなみ校こうの監事かんじ、同どう9月がつには大学だいがく東ひがし校こう事務じむ主任しゅにんとなる。

当時とうじ、国内こくないの教育きょういく予算よさんのうち40%弱じゃくが海外かいがいに派遣はけんされていた260名めいの留学りゅうがく費用ひように充あてられており、文部省もんぶしょうとしては彼かれらの留学りゅうがくを打うち切きってその費用ひようで外国がいこく人じん教師きょうし（お雇やとい外国がいこく人じん）を招聘しょうへいすることを考かんがえていた。留学生りゅうがくせいは薩長さっちょう土肥どいの高官こうかんや明治維新めいじいしんの功績こうせき者しゃの子弟していが中心ちゅうしんであり、特権とっけん的てきな留学りゅうがくによる身分みぶんの固定こてい化かへの危惧きぐや優秀ゆうしゅうな学生がくせいの機会きかい獲得かくとくのため、九鬼くきは文部省もんぶしょうの方針ほうしんに積極せっきょく的てきに賛同さんどうしていた。

そこで、現地げんちで留学生りゅうがくせいの実態じったい調査ちょうさと帰国きこくの説明せつめい・説得せっとくにあたるため、九鬼くきは明治めいじ6年ねん（1873年ねん）に渡わたり欧おうしている。当時とうじの留学生りゅうがくせいの中なかには井上いのうえ毅あつし、今村いまむら和郎かずおなどもおり、当初とうしょは強つよい反発はんぱつを受うけたが、中江なかえ篤あつし介かい（後ごの中江なかえ兆民ちょうみん）の理解りかいなどもあって最終さいしゅう的てきに全員ぜんいんの承諾しょうだくを得えることができた。なお、制度せいど変更へんこう後ごの第だい1回かい国費こくひ留学生りゅうがくせいには、政治せいじ家かとなった鳩山はとやま和夫かずお、外交がいこう官かんとなった小村こむら寿太郎じゅたろうなどの人材じんざいがおり、結果けっか的てきに九鬼くきの目標もくひょうは達成たっせいされたと言いえる。

文部省もんぶしょうでの昇進しょうしん

説得せっとくの成功せいこうもあり、帰国きこく後ごの明治めいじ7年ねん（1874年ねん）、新あらたに文部もんぶ卿きょうとなった木戸きど孝允たかよしのもと、4月がつには文部もんぶ少しょう丞すすむとなる。さらに明治めいじ9年ねん（1876年ねん）4月がつには奏そう任官にんかんである文部もんぶ大だい丞すすむ・一等いっとう法制ほうせい官かんとなった。この年とし、来日らいにち中ちゅうのエミール・ギメの訪問ほうもんを受うけた。翌よく明治めいじ10年ねん（1877年ねん）1月がつには文部もんぶ大だい書記官しょきかん・太政官だじょうかん大だい書記官しょきかんに昇進しょうしんする。10月には翌年よくねんのパリ万国博覧会ばんこくはくらんかいのため派遣はけんされ、ギメと再会さいかいした。明治めいじ12年ねん（1879年ねん）5月がつに帰国きこく、この渡わたり仏ふつ中ちゅうに博覧はくらん会かい副ふく総裁そうさいの松方まつかた正義まさよしと出会であい、以後いご交流こうりゅうが深ふかまる。

また、フランスで西洋せいよう美術びじゅつや美術びじゅつ行政ぎょうせいに触ふれたことがきっかけでこの分野ぶんやへの関心かんしんを持もった。この後のちにアーネスト・フェノロサや岡倉おかくら天心てんしんと面識めんしきを持もち、その美術びじゅつ研究けんきゅうの支援しえん者しゃとなる。後援こうえんを受うけたフェノロサらは京都きょうとや奈良ならをはじめ全国ぜんこく各地かくちで寺社じしゃなどにある文化財ぶんかざいの調査ちょうさを効率こうりつ的てきに進すすめた。

明治めいじ13年ねん（1880年ねん）に文部もんぶ少しょう輔（現在げんざいの文部省もんぶしょう事務次官じむじかん）となり、同どう11月がつには内国ないこく勧業かんぎょう博覧はくらん会かいの審査しんさ副長ふくちょうおよび議ぎ官かんに就任しゅうにんした。藩閥はんばつの力ちからが強力きょうりょくな当時とうじでは、小しょう藩はん出身しゅっしんの人物じんぶつの出世しゅっせとしては珍めずらしいほどの速はやさである。文部もんぶ卿きょう（後ごの文部もんぶ大臣だいじん）の河野こうの敏さとし鎌がまの行政ぎょうせいへの関心かんしんが薄うすかったこともあり、「九鬼くきの文部省もんぶしょう」と呼よばれるほどの権勢けんせいを振ふるった。

明治めいじ十じゅう四よん年ねんの政変せいへん

翌よく明治めいじ14年ねん（1881年ねん）に自由じゆう民権みんけん運動うんどうに歯止はどめをかけようとした伊藤いとう博文ひろぶみらにより、いわゆる明治めいじ十じゅう四よん年ねんの政変せいへんが起おき、大隈おおくま重信しげのぶが政府せいふから追放ついほうされた。この際さいに、大隈おおくまや福澤ふくさわ諭吉ゆきちが藩閥はんばつ政府せいふに代かわる内閣ないかくを組織そしきしようとしていたとの疑惑ぎわくから、福澤ふくさわの影響えいきょうが強つよい慶應義塾けいおうぎじゅく出身しゅっしんの官僚かんりょうが多数たすう官かんを辞じすることになった。この中なかには犬いぬ養やしなえ毅あつし、尾崎おざき行雄ゆきおなどが含ふくまれる。

しかし九鬼くきは、彼かれらと一線いっせんを画かくして文部省もんぶしょうに残のこり、福澤ふくさわの文明開化ぶんめいかいか主義しゅぎに反対はんたいする伝統でんとう主義しゅぎ的てきな教育きょういく政策せいさくの実施じっし者しゃとなった。このため九きゅう鬼おにと福澤ふくさわの関係かんけいは極度きょくどに緊張きんちょうし、後のちに福澤ふくさわの会合かいごうへの招待しょうたい状じょうを誤あやまって九鬼くきに送おくった事務じむ担当たんとう者しゃに対たいする注意ちゅういの中なかで、『九鬼くきの存在そんざいは座ざ上じょうに犬いぬころがいるようなものだ』という過激かげきな表現ひょうげんを福澤ふくさわが用もちいている。なお、最終さいしゅう的てきには九鬼くきが福澤ふくさわに謝罪しゃざいする形かたちで両者りょうしゃの間あいだに和解わかいが成なされた。

文部省もんぶしょう退官たいかん

明治めいじ15年ねん（1882年ねん）12月に文部もんぶ卿きょうとなった大木おおき喬任たかとうは九鬼くきへの信頼しんらいが弱よわく、翌年よくねんに強力きょうりょくな支持しじ者しゃであった岩倉いわくら具視ともみが亡なくなると文部省もんぶしょうでの九鬼くきの権勢けんせいは弱よわまった、と三宅みやけ雪嶺せつれいは語かたっている。さらに明治めいじ17年ねん（1884年ねん）、西洋せいよう化かを進すすめる伊藤いとう博文ひろぶみの方針ほうしんで森もり有礼ありのりが初代しょだい文部もんぶ大臣だいじんに就任しゅうにんしたため、元田もとだ永えい孚まこととともに儒学じゅがく的てきな指向しこうだった九鬼くきは同年どうねん5月がつに文部省もんぶしょうを去さり、特命とくめい全権ぜんけん公使こうしとしてワシントンD.C.に赴任ふにんした。

ワシントンでは公使館こうしかんの客間きゃくまに数すう百ひゃく幅ぶくの日本にっぽん画がを飾かざって日本にっぽん美術びじゅつを紹介しょうかいし、また古こ美術びじゅつ品ひんの海外かいがい流出りゅうしゅつ防止ぼうしの観点かんてんから国宝こくほう保存ほぞんを文部省もんぶしょうや宮みや内省ないせいに進言しんげんしている。この背景はいけいには以前いぜんから交流こうりゅうのあったアーネスト・フェノロサの意見いけんがあったと考かんがえられる。

駐在ちゅうざい公使こうしとして赴任ふにん中ちゅうの明治めいじ18年ねん（1885年ねん）には洋行ようこう中ちゅうの西郷さいごう菊次郎きくじろうや西郷さいごう寅太郎とらたろう（西郷さいごう隆盛たかもりの息子むすこ）、西郷さいごう隆たかし準じゅん（隆盛りゅうせいの甥おい）らに会あっており集合しゅうごう写真しゃしんが残のこされている。

明治めいじ20年ねん（1887年ねん）、ヨーロッパでの視察しさつを終おえたフェノロサと岡倉おかくら天心てんしんがアメリカに立たち寄より、数すう年ねんぶりに再会さいかいしている。九鬼くきの妻つま・波津子はつこが妊娠にんしんしていたため天心てんしんが付つき添そいとして一緒いっしょに帰国きこくし、10月に横浜よこはま港こうに着ついた。帰国きこく後ご、明治めいじ21年ねん（1888年ねん）2月がつ15日にちに生うまれたのが後こうの九鬼くき周造しゅうぞうである。九鬼くき自身じしんも同年どうねん2月がつに帰国きこくしている。

宮みや内省ないせい

議員ぎいん記章きしょうを佩用はいようした隆一りゅういち

帰国きこく後ご、九鬼くきは宮みや内省ないせいの図書としょ頭あたまに就任しゅうにんした。ここで臨時りんじ全国ぜんこく宝物ほうもつ取調とりしらべ掛かけを設置せっちして自みずから委員いいん長ちょうとなり、旧知きゅうちのフェノロサや天心てんしんが委員いいんを務つとめて文化財ぶんかざいの調査ちょうさ・保護ほごに当あたった。明治めいじ21年ねん5月がつから9月がつと、10月から翌年よくねん2月がつの2回かいにわたり、フェノロサを伴ともなって近畿きんき地方ちほうの京都きょうと府ふ・大阪おおさか府ふ・奈良なら県けん・滋賀しが県けん・和歌山わかやま県けんを訪おとずれ、社寺しゃじや美術びじゅつ品ひんの調査ちょうさを行おこなっている。。

翌よく・明治めいじ22年ねん（1889年ねん）に東京とうきょう・京都きょうと・奈良ならに帝国ていこく博物館はくぶつかん（現在げんざいの国立こくりつ博物館はくぶつかん）が設立せつりつされると初代しょだい総長そうちょうとなった。明治めいじ30年ねん（1897年ねん）古こ社寺しゃじ保存ほぞん法ほうの制定せいていに尽力じんりょく。明治めいじ33年ねん（1900年ねん）に帝国ていこく博物館はくぶつかんの総長そうちょうを辞じした同年どうねんには、九鬼くきの支援しえんした東京とうきょう美術びじゅつ学校がっこう（現げん・東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく美術びじゅつ学部がくぶ）も設立せつりつされ、フェノロサが校長こうちょうとなっている。

明治めいじ23年ねん（1890年ねん）に上野うえので開催かいさいされた第だい3回かい内国ないこく勧業かんぎょう博覧はくらん会かいでは審査しんさ総長そうちょうを務つとめた。同年どうねんには帝室ていしつ技芸ぎげい員いんの制定せいていに携たずさわり、また帝国ていこく議会ぎかいの設立せつりつに際さいして貴族きぞく院いん議員ぎいんに任命にんめいされている。翌よく・明治めいじ24年ねん（1891年ねん）4月がつ、農のう商務しょうむ大臣だいじん・陸奥むつ宗光むねみつの命令めいれいで2年ねん後ごのシカゴ万国博覧会ばんこくはくらんかいの準備じゅんび組織そしき作づくりを行おこない、実質じっしつ的てきな責任せきにん者しゃである副ふく総裁そうさいとなった。

総そう選挙せんきょ支援しえん

明治めいじ25年ねん（1892年ねん）の第だい2回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょでは総理そうり大臣だいじん・松方まつかた正義まさよしの依頼いらいを受うけて1月がつから2月がつまで近畿きんき・瀬戸内せとうち東部とうぶ地方ちほうで政府せいふ系けい候補こうほの支援しえん活動かつどうを行おこなった。この時ときの身分みぶんは渡米とべい時じから続つづいていた特命とくめい全権ぜんけん公使こうしで、同年どうねん9月がつにこれを免めんぜられた。

この選挙せんきょでは品川しながわ弥二郎やじろうや白根しらね専せん一いちが強力きょうりょくな選挙せんきょ干渉かんしょうを行おこない、警察官けいさつかんに武力ぶりょく行使こうしを命めいじて高知こうち県けんなどで死者ししゃが出でたことが有名ゆうめいである。九鬼くきも警察官けいさつかんへの命令めいれいを下くだしているが、政党せいとう系けい候補こうほの支援しえんをする壮士そうしの取締とりしまりなど、相対そうたい的てきに消極しょうきょく的てきな方針ほうしんを示しめしている。むしろ政府せいふ系けい候補者こうほしゃの一本いっぽん化かや、三井みつい家か・住友すみとも家かなど財閥ざいばつ、美術びじゅつ調査ちょうさで面識めんしきを得えた本願寺ほんがんじへの働はたらきかけ、資金しきんの効率こうりつ的てきな運用うんようなどに力ちからを注そそいだ。

法的ほうてきな根拠こんきょを持もたない身分みぶんでの出張しゅっちょうだったため、京都きょうと府知事ふちじの北垣きたがき国道こくどうが独立どくりつに行動こうどうするなどしたが、結果けっかとして九鬼くきの活動かつどうした地方ちほうでは奈良なら県けんの4増ぞうをはじめ政府せいふ系けい候補こうほが10議席ぎせき増加ぞうかし、自由党じゆうとうの大物おおものである大井おおい憲太郎けんたろうを落選らくせんに追おい込こむなどの成果せいかを収おさめた。しかし選挙せんきょ後ごは大臣だいじん候補こうほにすら名前なまえが上のぼらなかったため松方まつかたと袂たもとを分わかち、伊藤いとう博文ひろぶみに接近せっきんしていく。

栄達えいたつと晩年ばんねん

明治めいじ26年ねん（1893年ねん）のシカゴ万国博覧会ばんこくはくらんかい (1893年ねん)では、九鬼くきや天心てんしんの意向いこうから日本にっぽんの展示てんじは日本にっぽん画がを中心ちゅうしんとした伝統でんとう的てきなものとなった。日本にっぽん館かんとして平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどうを模もした鳳凰ほうおう殿どのを建たて、工芸こうげい品ひんの輸出ゆしゅつを積極せっきょく的てきに促進そくしんしたことが前回ぜんかいまでとの大おおきな違ちがいである。 明治めいじ28年ねん（1895年ねん）4月がつに京都きょうとで開ひらかれた第だい4回かい内国ないこく勧業かんぎょう博覧はくらん会かいでは前回ぜんかいに続つづいて審査しんさ総長そうちょうとなった。この際さい、黒田くろだ清輝きよてるが出品しゅっぴんした裸体らたい画が・「朝あさ妝」が問題もんだい視しされたが、九鬼くきの判断はんだんで展示てんじが許可きょかされている。同年どうねん6月がつには第だい2次じ伊藤いとう内閣ないかくの下したで枢密すうみつ顧問こもん官かんに任命にんめいされた。

明治めいじ29年ねん（1896年ねん）、それまでの功績こうせきを称となえて男爵だんしゃくに叙じょせられた。翌年よくねんには古こ社寺しゃじ保存ほぞん法ほうの制定せいていに加くわわり、同どう法ほうにより日本にっぽんで初はじめて文化財ぶんかざいが指定していされている。明治めいじ31年ねん（1898年ねん）にいわゆる美術びじゅつ学校がっこう騒動そうどうが起おき、岡倉おかくら天心てんしんと九鬼くきの妻つま・波津子はつこの不倫ふりんが公おおやけになる。同年どうねん、天心てんしんは東京とうきょう美術びじゅつ学校がっこう校長こうちょうや帝国ていこく博物館はくぶつかん美術びじゅつ部長ぶちょうを辞任じにんすることになった。

明治めいじ33年ねん（1900年ねん）、波津子はつことの離婚りこんが成立せいりつした。その後ごは主おもに美術びじゅつ行政ぎょうせいに専念せんねんし、大正たいしょう3年ねん（1914年ねん）に旧きゅう・有馬ありま郡ぐんの役所やくしょを利用りようして自身じしんの収蔵しゅうぞう品ひんを展示てんじする三田みた博物館はくぶつかんを設立せつりつしている。大正たいしょう9年ねん（1920年ねん）に議定ぎてい官かんとなった。枢密すうみつ顧問こもん官かんと議定ぎてい官かんを務つとめたまま昭和しょうわ6年ねん（1931年ねん）8月がつ18日にちに鎌倉かまくらで亡なくなった。墓所はかしょは三田みた市し心月しんげつ院いん。

跡継あとつぎとしていた次男じなんの一いち造づくりに先立さきだたれており、一造いちぞうの長男ちょうなんの隆一郎りゅういちろうが男爵だんしゃく位いを継ついだ。

人柄ひとがらなど

人格じんかく、趣味しゅみ

性格せいかくは尊大そんだいで、容易よういにへりくだらないと評ひょうされた。また女性じょせいとの交遊こうゆうも多おおく、これが妻つま波津子はつこと岡倉おかくら天心てんしんの不倫ふりんの一因いちいんになったとされる。先述せんじゅつのように師しである福澤ふくさわ諭吉ゆきちからは酷評こくひょうを受うけるなど、人柄ひとがらへの評価ひょうかはあまり芳かんばしくない。制作せいさく者しゃに対たいする態度たいども尊大そんだいであったようで、彫刻ちょうこく師しへの不遜ふそんな物言ものいいが名士めいし奇聞きぶんとして残のこされている。

晩年ばんねんは達磨だるまを題材だいざいにした絵画かいがを数すう百ひゃく点てん収集しゅうしゅうし、自みずからもこれを好このんで描えがいたが、人ひとに所望しょもうされても謙遜けんそんして承諾しょうだくすることは少すくなかった。また、『史記しき』の李り斯伝つてから「成海なるみ」という雅号がごうを名乗なのっている。

福沢ふくさわが、文化ぶんか政策せいさくが膨張ぼうちょうすることに警戒けいかいしていたのは、国民こくみん経済けいざい（経世済民けいせいさいみん）を巨視的きょしてきに診断しんだんしていたため、家父かふ長ちょう的てきに政策せいさく優先ゆうせん順位じゅんいを決定けっていできる指導しどう者しゃ階級かいきゅうが美術びじゅつ品ひんに孤立こりつ的てきに拘泥こうでいしてしまうことを好このまなかったからである、という見解けんかいがある一方いっぽうで、以後いごには九鬼くきの配慮はいりょもうかがえる。

岡倉おかくら天心てんしんとの関係かんけい

天心てんしんも奔放ほんぽうな性格せいかくで知しられ、人格じんかく面めんでの相性あいしょうは必かならずしも良好りょうこうでなかったと考かんがえられている。しかし、藩閥はんばつに属ぞくせないため得意とくい分野ぶんやを確立かくりつしたい九鬼くきと、寺社じしゃなどを相手あいてに研究けんきゅうを進すすめるため権力けんりょくの支援しえんを必要ひつようとする天心てんしんの間あいだでは利害りがい関係かんけいが完全かんぜんに一致いっちしていた。さらに両者りょうしゃは共ともに人並ひとなみ外はずれた能力のうりょくを有ゆうしており、これが20年ねん以上いじょうにわたる両者りょうしゃの関係かんけいを支ささえた。しかし、岡倉おかくらと九鬼くきの妻つまとの不倫ふりん、美術びじゅつ学校がっこう騒動そうどうなどで関係かんけいは決裂けつれつした。

三田みた博物館はくぶつかん

三田みた市し屋敷やしき町まちにあった日本にっぽんで最初さいしょの私立しりつ博物館はくぶつかんである。1884（明治めいじ17）年ねんに東京とうきょう在住ざいじゅうの有馬ありま郡ぐん出身しゅっしん者しゃの会かいを前身ぜんしんに、同どう郡ぐん内ないの教育きょういく者しゃらが合流ごうりゅうして「有馬ありま会かい」が結成けっせいされ、帝国ていこく博物館はくぶつかん総長そうちょうだった九鬼くき隆一りゅういちが会頭かいとうに、有馬ありま郡ぐん立りつ農林のうりん学校がっこう校長こうちょうだった細木さいき喜兵衛きへえが副ふく会頭かいとうに就ついた。会員かいいんには松方まつかた幸次郎こうじろうや元良もとら勇次郎ゆうじろうらがいた。隆一りゅういちは文化ぶんか遺産いさんの保存ほぞん公開こうかいを通つうじて地方ちほうの産業さんぎょう、観光かんこうの活性かっせい化かを提唱ていしょうし、1894年ねんに郡ぐん内ないの建物たてもの内ない10か所しょに本ほんを置おき、1904年ねんには和風わふうの平屋ひらやを建たて、中央ちゅうおうに「公会こうかい室しつ」と呼よばれる住民じゅうみんの集つどいの場ばを持もつ私立しりつ図書館としょかんを開設かいせつしたのち、1914年ねんに旧きゅう有馬ありま郡ぐん役所やくしょを改築かいちくして洋風ようふう2階かい建だての博物館はくぶつかんを開設かいせつし、隆一りゅういちが集あつめた仏像ぶつぞうや壺つぼ、伊藤いとう若冲じゃくちゅう、雪舟せっしゅうらの日本にっぽん画がなど約やく500点てんを展示てんじした。1931年ねんに隆一りゅういちが没ぼっすると図書館としょかんは休館きゅうかんし1944年ねんに廃はい館かんとなり、博物館はくぶつかんも戦時せんじを理由りゆうに1941年ねんに閉館へいかんした。

親族しんぞく

• 父ちち：星崎ほしざき貞さだ幹みき - 三田みた藩はん士し（家老がろう、180石せき取とり）
• 母はは：龍りゅう
• 兄あに：星崎ほしざき琢磨たくま - 第だい六ろく十じゅう五ご銀行ぎんこう取締役とりしまりやく。妻めあわさつの姪めいに裏千家うらせんけ13代だい円えん能のう斎ときの妻つま・綱子つなごがいる。
• 養父ようふ：九鬼くき隆たかし周しゅう - 三田みた藩主はんしゅ九鬼くき家かの分家ぶんけ、綾部あやべ藩はん家老がろう
• 養母ようぼ：とよ（京都きょうと府ふ士族しぞく・平井ひらい善よし兵衛ひょうえの長女ちょうじょ）
• 妻つま：九鬼くき波津子はつこ（初子はつねとも、杉山すぎやま弥わたる右みぎ衛門えもんの娘むすめ、星崎ほしざき琢磨たくまの養女ようじょ、離婚りこん）
• 長男ちょうなん：良造りょうぞう（早世そうせい）
• 次男じなん：九鬼くき一造いちぞう（1884年生ねんせい） - 20世紀せいき初頭しょとうにテキサス州しゅうでの米作べいさく事業じぎょうに携たずさわった。
  • 一造いちぞうの妻つま：縫子ぬいこ（中橋なかはし徳五郎とくごろうの長女ちょうじょ） - 一造いちぞうの没後ぼつごに周造しゅうぞうと再婚さいこん、のち離婚りこん
  • 一造いちぞうの長男ちょうなん：九鬼くき隆一郎りゅういちろう（陸軍りくぐん軍人ぐんじん、男爵だんしゃく位いを継つぐ）
  • 一造いちぞうの次男じなん：九鬼くき隆造りゅうぞう（海軍かいぐん軍人ぐんじん）
• 三男さんなん：九鬼くき三郎さぶろう（1885年生ねんせい） - 千葉ちば県けん書記官しょきかん、学務がくむ部長ぶちょう。分家ぶんけを興おこす。アメリカ生うまれ。両親りょうしん離婚りこん後ごは波津子はつこに引ひき取とられた。1913年ねんに東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく政治せいじ学科がっか卒業そつぎょう後ご、文官ぶんかん高等こうとう試験しけん合格ごうかく、奈良なら県けん警部けいぶ、東京とうきょう府ふ足立あだち部長ぶちょう、明治めいじ神宮じんぐう造営ぞうえい局きょく書記官しょきかん、内務ないむ書記官しょきかん、東京とうきょう府ふ理事りじ官かんなどを務つとめる。岳父がくふに旧きゅう七なな十じゅう八はち銀行ぎんこう取締役とりしまりやく・熊坂くまさか弁べん蔵ぞう、義兄ぎけい（妻つまフジの姉あねの夫おっと）に松村まつむら瞭あきら。
• 四男よつお：九鬼くき周造しゅうぞう（1888年生ねんせい） - 哲学てつがく者しゃ。両親りょうしん離婚りこん後ごは兄あにの三郎さぶろうとともに波津子はつこに引ひき取とられた。
• 養女ようじょ：光ひかり（1883年生ねんせい） - 士族しぞく九鬼くき清きよしの妹いもうと、政せい尾藤びとう吉きちの妻つま。隆一りゅういち・波津子はつこ離婚りこん後ごは隆一りゅういちに引ひき取とられた。
• 甥おい：上野うえの直昭なおあき - 上野うえの昭道あきみちの長男ちょうなんとして生うまれる。

栄典えいてん

位階いかい

• 1874年ねん（明治めいじ7年ねん）6月17日にち - 正せい六ろく位い
• 1875年ねん（明治めいじ8年ねん）2月がつ24日にち - 従したがえ五ご位い
• 1880年ねん（明治めいじ13年ねん）
  • 5月24日にち - 正せい五ご位い
  • 12月20日にち - 従したがえ四よん位い
• 1886年ねん（明治めいじ19年ねん）10月がつ20日はつか - 従したがえ三さん位い
• 1890年ねん（明治めいじ23年ねん）12月16日にち - 正せい三さん位い
• 1900年ねん（明治めいじ33年ねん）3月がつ20日はつか - 従したがえ二に位い
• 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）2月がつ11日にち - 正せい二に位い

勲章くんしょう等とう

• 1879年ねん（明治めいじ12年ねん）12月27日にち - 勲くん四よん等とう旭日きょくじつ小しょう綬章じゅしょう
• 1881年ねん（明治めいじ14年ねん）8月がつ31日にち - 銀牌ぎんぱい一いち個こ
• 1882年ねん（明治めいじ15年ねん）11月1日にち - 勲くん三さん等とう旭日きょくじつ中ちゅう綬章じゅしょう
• 1888年ねん（明治めいじ21年ねん）5月29日にち - 勲くん二に等とう旭日重光章きょくじつじゅうこうしょう
• 1889年ねん（明治めいじ22年ねん）11月25日にち - 大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう発布はっぷ記念きねん章あきら
• 1895年ねん（明治めいじ28年ねん）9月4日にち - 勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう
• 1896年ねん（明治めいじ29年ねん）
  • 5月29日にち - 銀盃ぎんぱい一いち組くみ
  • 6月5日にち - 男爵だんしゃく
• 1902年ねん（明治めいじ35年ねん）12月27日にち - 旭日大綬章あさひだいじゅしょう
• 1912年ねん（大正たいしょう元年がんねん）8月がつ1日にち - 韓国かんこく併合へいごう記念きねん章あきら
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）11月10日にち - 大礼たいれい記念きねん章あきら（大正たいしょう）
• 1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）4月がつ1日にち - 金盃きんぱい一いち組くみ
• 1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）9月7日にち - 金盃きんぱい一いち組くみ
• 1921年ねん（大正たいしょう10年ねん）1月がつ10日とおか - 御ご紋付もんつき銀杯ぎんぱい
• 1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）11月がつ10日とおか - 大礼たいれい記念きねん章あきら（昭和しょうわ）
• 1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）
  • 1月がつ16日にち - 御ご紋付もんつき銀杯ぎんぱい
  • 3月がつ20日はつか - 帝都ていと復興ふっこう記念きねん章あきら
  • 8月がつ18日にち - 旭日きょくじつ桐きり花はな大だい綬章じゅしょう

外国がいこく勲章くんしょう佩用はいよう允許いんきょ

• 1879年ねん（明治めいじ12年ねん）
  • 7月がつ9日にち - レジオンドヌール勲章くんしょうシュヴァリエ、オフィシエ・ド・ランストリュクシヨン・ピュブリック（フランス共和きょうわ国こく）
  • 8月がつ19日にち - イタリア王冠おうかん勲章くんしょうウッフィチャーレ（イタリア王国おうこく）
• 1890年ねん（明治めいじ23年ねん）3月8日にち - ハワイ王冠おうかん第だい一等いっとう勲章くんしょう（ハワイ王国おうこく）

著作ちょさく

• 『九鬼くき君くん演説えんぜつ之の大だい旨むね』 原はら亮あきら三郎さぶろう、1889年ねん1月がつ
• 『九鬼君大阪商法会議所演述之大旨』 雲くも根ね堂どう、1889年ねん3月がつ
• 『明治めいじ美術びじゅつ会かいニ於ケル演説えんぜつ』 平田ひらた純一郎じゅんいちろう、1893年ねん5月がつ
• 『九鬼くき君くん講説こうせつ大意たいい』 野村のむら成之しげゆき、1893年ねん12月
• 『日にち露ろ時局じきょく断片だんぺん』 光彰みつあき館かん、1904年ねん3月がつ
• 『成功せいこうの心得こころえ』 金港きんこう堂どう書籍しょせき、1905年ねん12月
• 『九鬼くき男爵だんしゃく日本にっぽん美術びじゅつ論ろん』 橘高きったか乙おつ一いち、1908年ねん9月がつ
• 『乃木のぎ大将たいしょうの感化かんか』 大島おおしま唱治、1912年ねん12月
• 『九鬼くき男爵だんしゃく講演こうえん速記そっき』 大だい日本にっぽん武徳ぶとく会かい、1925年ねん9月がつ

記録きろく・回顧かいこ録ろく

• 「第だい三さん大学だいがく区く（高知こうち県けんハ除じょ之の）府県ふけん学事がくじ概況がいきょう」「第だい三大学区巡視功程附録」（『文部省もんぶしょう第だい四よん年報ねんぽう附録ふろく 第だい一いち』）
  • 「第だい三さん大学だいがく区く巡視じゅんし報告ほうこく」（山住やまずみ正せい己おのれ校こう注ちゅう 『日本にっぽん近代きんだい思想しそう大系たいけい 6 教育きょういくの体系たいけい』 岩波書店いわなみしょてん、1990年ねん1月がつ） - 抄録しょうろく
• 「海外かいがい留学生りゅうがくせいの引上ひきあげ 教育きょういく意見いけん書しょ奉呈ほうていの事こと」（国民こくみん教育きょういく奨励しょうれい会かい編纂へんさん 『教育きょういく五ご十じゅう年ねん史し』 民みん友とも社しゃ、1922年ねん10月がつ ／ 国書刊行会こくしょかんこうかい〈明治めいじ教育きょういく古典こてん叢書そうしょ〉、1981年ねん4月がつ ／ 日本にっぽん図書としょセンター、1982年ねん1月がつ）
• 「華族かぞくの新しん制度せいどと教育きょういく振興しんこう」（平塚ひらつか篤あつし編へん 『伊藤いとう博文ひろぶみ秘録ひろく』 春秋しゅんじゅう社しゃ、1929年ねん3月がつ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 森もり林太郎りんたろう 「矢野やの文雄ふみお氏しと九鬼くき隆一りゅういち氏しとの美術びじゅつ論ろん」（『文学ぶんがく評論ひょうろん しからみ草紙ぞうし』第だい16号ごう、1891年ねん1月がつ）
  • 森もり林太郎りんたろう著ちょ 『鴎外おうがい全集ぜんしゅう 第だい一いち巻かん』 鴎外おうがい全集ぜんしゅう刊行かんこう会かい、1923年ねん2月がつ）
  • 森もり林太郎りんたろう著ちょ 『鴎外おうがい全集ぜんしゅう 第だい22巻かん』 岩波書店いわなみしょてん、1973年ねん8月がつ、ISBN 4000912224
• 「枢密すうみつ顧問こもん官かん 男爵だんしゃく 九鬼くき隆一りゅういち君くん」（藤本ふじもと薫かおる編輯へんしゅう 『現代げんだい 有馬ありま郡ぐん人物じんぶつ史し』 三丹さんたん新報しんぽう社しゃ、1917年ねん1月がつ）
• 小寺こでら謙吉けんきち述じゅつ 『成海なるみ九鬼くき先生せんせい達磨だるま図ず』 小寺こでら謙吉けんきち、1932年ねん9月がつ
  • 小寺こでら謙吉けんきち述じゅつ 『成海なるみ九鬼くき先生せんせい達磨だるま図ず』 小寺こでら謙吉けんきち、1932年ねん10月がつ改訂かいてい第だい三さん版はん
• 伊藤いとう正雄まさお 「福沢ふくさわ諭吉ゆきちと岡倉おかくら天心てんしん：九鬼くき隆一りゅういちをめぐる両者りょうしゃの立場たちばについて」（『甲南大学こうなんだいがく文学ぶんがく会かい論集ろんしゅう』第だい10号ごう、1959年ねん11月、NAID 40001242442）
• 佐々木ささき隆たかし 「干渉かんしょう選挙せんきょ再考さいこう：第だい二に回かい総そう選挙せんきょと九鬼くき隆一りゅういち」（日本にっぽん歴史れきし学会がっかい編へん 『日本にっぽん歴史れきし』第だい395号ごう、1981年ねん4月がつ、NAID 40003066238）
• 三島みしま雅博まさひろ 「鳳凰ほうおう殿どのの形態けいたいとその成立せいりつ要因よういんについて」（『日本にっぽん建築けんちく学会がっかい計画けいかく系けい論文ろんぶん報告ほうこく集しゅう』Vol.434、1992年ねん4月がつ、NAID 110004082765）
• 司つかさ亮一りょういち著ちょ 『男爵だんしゃく九鬼くき隆一りゅういち：明治めいじのドン・ジュアンたち』 神戸こうべ新聞しんぶん総合そうごう出版しゅっぱんセンター、2003年ねん4月がつ、ISBN 4343002233
  • 北きた康かん利とし著ちょ 『九鬼くきと天心てんしん：明治めいじのドン・ジュアンたち』 PHPエディターズ・グループ、2008年ねん10月がつ、ISBN 9784569702254
• 高橋たかはし眞司しんじ著ちょ 『九鬼くき隆一りゅういちの研究けんきゅう：隆一りゅういち・波津子はつこ・周造しゅうぞう』 未來社みらいしゃ、2008年ねん9月がつ、ISBN 9784624112011

関連かんれん文献ぶんけん

• 「九鬼くき隆一りゅういち」（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かん所蔵しょぞう 「枢密院すうみついん文書ぶんしょ・枢密院すうみついん高等官こうとうかん転てん免めん履歴りれき書しょ 明治めいじノ一いち」） - アジア歴史れきし資料しりょうセンター Ref. A06051177800
  • 『枢密院すうみついん高等官こうとうかん履歴りれき 第だい1巻かん』 東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、1996年ねん10月がつ、ISBN 4130987119
• 「九鬼くき顧問こもん官かん病気びょうき危篤きとくニ付づけ特別とくべつ叙勲じょくんノ儀ぎ申さる牒ノ件けん」（国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かん所蔵しょぞう 「枢密院すうみついん文書ぶんしょ・叙勲じょくんニ関せきスル書類しょるい・昭和しょうわ二に年ねん〜昭和しょうわ二に十じゅう二に年ねん」） - アジア歴史れきし資料しりょうセンター Ref. A06051018100
• 「正せい三さん位い勲くん二に等とう 貴族きぞく院いん議員ぎいん宮中きゅうちゅう顧問こもん官かん兼けん帝国ていこく博物館はくぶつかん総長そうちょう 九鬼くき隆一りゅういち」（杉本すぎもと勝二郎かつじろう編纂へんさん 『国くに乃礎後編こうへん 上うえ編へん』 国こく乃礎編輯へんしゅう所しょ、1894年ねん12月がつ）
  • 杉本すぎもと勝二郎かつじろう編纂へんさん 『国くに乃礎後編こうへん 上うえ編へん』 霞かすみ会館かいかん、1991年ねん10月がつ
• 「枢密すうみつ顧問こもん官かん従したがえ二に位い勲一等くんいっとう 男爵だんしゃく 九鬼くき隆一りゅういち君くん」（成文せいぶん社しゃ編纂へんさん 『現代げんだい名家めいか精彩せいさい』 成文せいぶん社しゃ編輯へんしゅう部ぶ、1910年ねん11月）
• 「枢密すうみつ顧問こもん官かん 男爵だんしゃく 九鬼くき隆一りゅういち君くん」（田住たずみ豊四郎とよしろう編纂へんさん 『現代げんだい 兵庫ひょうご県けん人物じんぶつ史し』 県けん友とも社しゃ、1911年ねん11月）
• 京都きょうと美術びじゅつ倶楽部くらぶ編へん 『三田みた九鬼くき男爵だんしゃく家蔵かぞう品目ひんもく録ろく』 京都きょうと美術びじゅつ倶楽部くらぶ、1932年ねん
• 中谷なかたに一正かずまさ著ちょ 『男爵だんしゃく九鬼くき隆一りゅういち伝でん』 私家版しかばん、1966年ねん10月がつ
• 神津こうづ善よし三郎さぶろう 「評伝ひょうでん九鬼くき隆一りゅういち：開明かいめい派は文部もんぶ官僚かんりょうの軌跡きせき」（長野県短期大学ながのけんたんきだいがく人文じんぶん社会しゃかい研究けんきゅう会かい編へん 『現代げんだいへの視角しかく : 神津こうづ善よし三郎さぶろう博士はかせ還暦かんれき記念きねん』 長野県短期大学ながのけんたんきだいがく人文じんぶん社会しゃかい研究けんきゅう会かい、1980年ねん12月がつ）
• 上垣うえがき巌いわお編へん 『男爵だんしゃく九鬼くき隆一りゅういち展てん図録ずろく：バロン成なり海鳴うみなり響ひびきの世界せかい』 草くさ雲くも書道しょどう会かい、1983年ねん8月がつ
• 「中江なかえ兆民ちょうみんのフランス：明治めいじ初期しょき官費かんぴ留学生りゅうがくせいの条件じょうけん」（井田いだ進也しんや著ちょ 『中江なかえ兆民ちょうみんのフランス』 岩波書店いわなみしょてん、1987年ねん12月、ISBN 4000015370）
• 「九鬼くき隆一りゅういち」（北きた康かん利とし著ちょ 『北摂ほくせつ三田みたの歴史れきし』 六甲ろっこうタイムス社しゃ、2000年ねん8月がつ）
• 「神戸こうべの九鬼くき一族いちぞく」（七宮ななみや涬三著ちょ 『織田おだ水軍すいぐん・九鬼くき一族いちぞく』 新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、2008年ねん10月がつ、ISBN 9784404035486）
• 山本やまもと哲也てつや 「九鬼くき隆一りゅういち」（青木あおき豊ゆたか、矢島やじま國雄くにお編へん 『博物館はくぶつかん学がく人物じんぶつ史し 上じょう』 雄山閣ゆうざんかく、2010年ねん7月がつ、ISBN 4639021194）
• エミール・ギメ『明治めいじ日本にっぽん散策さんさく 東京とうきょう・日光にっこう』岡村おかむら嘉子よしこ訳やく、尾本おもと圭子けいこ解説かいせつ、角川かどかわソフィア文庫ぶんこ、2019年ねん4月がつ、ISBN 9784044004286

外部がいぶリンク

• 古こ典籍てんせき総合そうごうデータベース - 早稲田大学わせだだいがく図書館としょかん。大隈おおくま関係かんけい文書ぶんしょの九鬼くき隆一りゅういち書翰しょかんなどが閲覧えつらんできる。
• Memory of the Netherlands - オランダ王立おうりつ図書館としょかん。肖像しょうぞう写真しゃしんが閲覧えつらんできる。
• 大だい日本にっぽん教育きょういく会かい・帝国ていこく教育きょういく会かい東京とうきょう府ふ会員かいいんファイル2 - ウェイバックマシン（2015年ねん2月がつ2日にちアーカイブ分ぶん） - 大だい日本にっぽん教育きょういく会かい・帝国ていこく教育きょういく会かいの群像ぐんぞう

公職こうしょく
先代せんだい 井上いのうえ毅あつし	図書としょ頭あたま 1888年ねん - 1889年ねん	次代じだい 児玉こだま愛あい二郎じろう
先代せんだい 神田かんだ孝平たかひら	文部もんぶ少しょう輔 1880年ねん - 1884年ねん	次代じだい （欠員けついん→廃止はいし）
その他たの役職やくしょく
先代せんだい 辻つじ新次しんじ	大だい日本にっぽん教育きょういく会かい長なが 1884年ねん - 1886年ねん	次代じだい 辻つじ新次しんじ
日本にっぽんの爵位しゃくい
先代せんだい 叙爵じょしゃく	男爵だんしゃく 九鬼くき（隆一りゅういち）家か初代しょだい 1896年ねん - 1931年ねん	次代じだい 九鬼くき隆一郎りゅういちろう