Reidポテンシャル(1968)から計算 けいさん した、2つの核 かく 子 こ 間 あいだ に働 はたら く力 ちから (単位 たんい は10,000 N)と距離 きょり のグラフ[1] 。中性子 ちゅうせいし と陽子 ようし のスピンは整列 せいれつ しており、角 かく 運動 うんどう 量 りょう S の状態 じょうたい にある。引力 いんりょく (負 まけ の力 ちから )は約 やく 1fmの距離 きょり において最大 さいだい 約 やく 25,000Nの力 ちから となり、粒子 りゅうし が0.8fmより近 ちか づくと大 おお きな反発 はんぱつ 力 りょく (正 せい の力 ちから )が働 はたら く。粒子 りゅうし は1fm以上 いじょう 離 はな れても引 ひ き合 あ う(湯川 ゆかわ ポテンシャル)が、その力 ちから は距離 きょり に対 たい し指数 しすう 関数 かんすう 的 てき に減少 げんしょう する。
Reidポテンシャルから計算 けいさん された、2つの核 かく 子 こ の対応 たいおう するポテンシャルエネルギー(単位 たんい はMeV)。ポテンシャルは約 やく 0.8fmの距離 きょり で最小 さいしょう となり、このポテンシャルでは核 かく 子 こ は負 まけ の「結合 けつごう エネルギー」で結合 けつごう することができる。
核 かく 力 りょく (かくりょく、英 えい : Nuclear force )は、原子核 げんしかく 内 うち の各 かく 核 かく 子 こ (陽子 ようし 、中性子 ちゅうせいし )同士 どうし を結合 けつごう している力 ちから である。
陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし はともに核 かく 子 こ であり、核 かく 力 りょく の影響 えいきょう をほぼ同様 どうよう に受 う ける。陽子 ようし は+1 e の電荷 でんか を持 も つため、陽子 ようし どうしを引 ひ き離 はな そうとする静電気 せいでんき 力 りょく が働 はたら くが、近距離 きんきょり では引力 いんりょく である核 かく 力 りょく が静電気 せいでんき 力 りょく に打 う ち勝 か つほど強 つよ い。核 かく 力 りょく は核 かく 子 こ を原子核 げんしかく に結合 けつごう させ留 ど めておく力 ちから がある。
核 かく 力 りょく は、約 やく 0.8フェムトメートル (fm、0.8×10−15 メートル )の距離 きょり では核 かく 子 こ 間 あいだ で強力 きょうりょく に引 ひ き合 あ うが、約 やく 2.5fmを超 こ えると急速 きゅうそく に減少 げんしょう し、無視 むし できるほど小 ちい さくなる。0.7フェムトメートル以下 いか の距離 きょり では、核 かく 力 りょく は核 かく 子 こ 同士 どうし を引 ひ き離 はな す斥力 せきりょく となる。この斥力 せきりょく は原子核 げんしかく の大 おお きさの要因 よういん となる。核 かく 子 こ 同士 どうし はこの力 ちから を超 こ えて近 ちか づくことはできないからである。原子 げんし の大 おお きさはオングストローム (Å、10−10 メートル)の単位 たんい であり、フェムトメートルより5桁 けた 大 おお きい。しかし核 かく 力 りょく は単純 たんじゅん ではない。核 かく 子 こ のスピンに依存 いぞん し、テンソル成分 せいぶん を持 も ち、核 かく 子 こ の相対 そうたい 運動 うんどう 量 りょう に依存 いぞん する可能 かのう 性 せい があるからである[2] 。
核 かく 力 りょく は、原子力 げんしりょく 発電 はつでん や核兵器 かくへいき に使 つか われるエネルギーを蓄 たくわ えるために重要 じゅうよう な役割 やくわり を担 にな っている。荷電 かでん した陽子 ようし 同士 どうし を電気 でんき 的 てき な反発 はんぱつ 力 りょく に逆 さか らって結合 けつごう させるには仕事 しごと (エネルギー) が必要 ひつよう である。このエネルギーは、陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし が核 かく 力 りょく によって結合 けつごう して原子核 げんしかく を形成 けいせい するときに蓄 たくわ えられる。原子核 げんしかく の質量 しつりょう は、陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし の個々 ここ の質量 しつりょう の合計 ごうけい よりも小 ちい さい。この質量 しつりょう の差 さ は質量 しつりょう 欠損 けっそん として知 し られ、質量 しつりょう とエネルギーの等価 とうか 性 せい として表 あらわ すことができる。重 おも い原子核 げんしかく が2つ以上 いじょう の軽 かる い原子核 げんしかく に分裂 ぶんれつ するとき、エネルギーが放出 ほうしゅつ される。このエネルギーは、帯電 たいでん した原子核 げんしかく 同士 どうし において、核 かく 力 りょく による結合 けつごう がなくなるときに解放 かいほう されるポテンシャルエネルギーである[3] [4] 。
核 かく 力 りょく の定量 ていりょう 的 てき な説明 せつめい は、一部 いちぶ を経験 けいけん 的 てき な方程式 ほうていしき に依存 いぞん している。これらの方程式 ほうていしき は核 かく 子 こ 間 あいだ のポテンシャルエネルギーをモデル化 か したものである。一般 いっぱん に、粒子 りゅうし が存在 そんざい する系 けい 内 ない の力 ちから は、系 けい のポテンシャルエネルギーで記述 きじゅつ されることによってより簡潔 かんけつ にモデル化 か され、ポテンシャル の負 まけ の勾配 こうばい はベクトルに等 ひと しい。方程式 ほうていしき の定数 ていすう は現象 げんしょう 論 ろん 的 てき 、つまり方程式 ほうていしき 側 がわ を実験 じっけん データに合 あ わせることによって決定 けってい される。核 かく 子 こ 間 あいだ ポテンシャルは、核 かく 子 こ と核 かく 子 こ の相互 そうご 作用 さよう の特性 とくせい を記述 きじゅつ しようとするものである。定数 ていすう がいったん決 き まれば、任意 にんい のポテンシャルは例 たと えばシュレーディンガー方程式 ほうていしき などで、核 かく 子 こ 系 けい の量子力学 りょうしりきがく 的 てき 性質 せいしつ を決定 けってい するために用 もち いることができる。
1932年 ねん の中性子 ちゅうせいし の発見 はっけん により、原子核 げんしかく は陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし から成 な り、引力 いんりょく によって結合 けつごう していることが明 あき らかになった。1935年 ねん までに、中間子 ちゅうかんし と呼 よ ばれる粒子 りゅうし によって核 かく 力 りょく が伝達 でんたつ されると考 かんが えられるようになった。この理論 りろん 的 てき 発展 はってん には、核 かく ポテンシャルの初期 しょき の例 れい である湯川 ゆかわ ポテンシャル の記述 きじゅつ も含 ふく まれていた。1947年 ねん に、この予言 よげん を満 み たすパイ中間子 ちゅうかんし が実験 じっけん で発見 はっけん された。1970年代 ねんだい までに、中間子 ちゅうかんし と核 かく 子 こ はクォークとグルーオンから構成 こうせい されていると見 み なすクォークモデル が開発 かいはつ された。
この新 あたら しいモデルによると、核 かく 力 りょく は、隣接 りんせつ する核 かく 子 こ 間 あいだ での中間子 ちゅうかんし の交換 こうかん から生 しょう じるものである。また核 かく 力 りょく は多 た 粒子 りゅうし 相互 そうご 作用 さよう であり、核 かく 子 こ の基礎 きそ 構造 こうぞう に対 たい する強 つよ い相互 そうご 作用 さよう の集合 しゅうごう 的 てき な効果 こうか である。
パイ中間子 ちゅうかんし は核 かく 力 りょく を媒介 ばいかい するが、パイ中間子 ちゅうかんし は素粒子 そりゅうし ではないため、核 かく 力 りょく は基本 きほん 相互 そうご 作用 さよう ではない。
核 かく 力 りょく とクーロン力 りょく の比較 ひかく 。a: 強 つよ い残留 ざんりゅう 力 りょく (核 かく 力 りょく )。約 やく 2.5fmを超 こ えると急速 きゅうそく に減少 げんしょう し、無視 むし できる程度 ていど になる。b: 核 かく 子 こ 中心 ちゅうしん 間 あいだ の距離 きょり が約 やく 0.7fm未満 みまん において、核 かく 力 りょく は斥力 せきりょく となる。c: 2つの陽子 ようし 間 あいだ のクーロン斥力 せきりょく 。3fmを超 こ えると主要 しゅよう な力 ちから となる。d: 陽子 ようこ -陽子 ようし 間 あいだ の平衡 へいこう 位置 いち 。r: 核 かく 子 こ (3つのクォークからなる雲 くも )の半径 はんけい 。注 ちゅう : 1fm = 10−15 m
通常 つうじょう 、核 かく 力 りょく は核 かく 子 こ と関連 かんれん しているが、より一般 いっぱん 的 てき には、この力 ちから はハドロン 、すなわちクォーク で構成 こうせい される粒子 りゅうし 間 あいだ で伝 つた わる。核 かく 子 こ 間 あいだ の距離 きょり が小 ちい さい場合 ばあい (スピンの状態 じょうたい にもよるが、中心 ちゅうしん 間 あいだ の距離 きょり が0.7fm以下 いか )、この力 ちから は反発 はんぱつ し、核 かく 子 こ をある平均 へいきん 的 てき な距離 きょり に保 たも つ。同一 どういつ の核 かく 子 こ (2個 こ の中性子 ちゅうせいし や2個 こ の陽子 ようし など)の場合 ばあい 、この斥力 せきりょく はパウリの排他 はいた 原理 げんり から生 しょう じる。この斥力 せきりょく は、異 こと なる核 かく 子 こ (陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし )の同 おな じフレーバー のクォーク間 あいだ でも生 しょう じる。
0.7fm以上 いじょう の距離 きょり では、スピンが揃 そろ った核 かく 子 こ 間 あいだ で力 ちから が引力 いんりょく となり、中心 ちゅうしん 間 あいだ 距離 きょり が約 やく 0.9fmで最大 さいだい になる。この距離 きょり を超 こ えると力 ちから は指数 しすう 関数 かんすう 的 てき に減少 げんしょう し、約 やく 2.0fmの距離 きょり を超 こ えると力 ちから は無視 むし できるほど小 ちい さくなる。核 かく 子 こ の半径 はんけい は約 やく 0.8fmである[5] 。
短 みじか い距離 きょり (1.7fm以下 いか )において核 かく 力 りょく による引力 いんりょく は、陽子 ようし 間 あいだ で反発 はんぱつ するクーロン力 りょく よりも強 つよ く、核 かく 内 ない の陽子 ようし の斥力 せきりょく に打 う ち勝 か つ。しかし、陽子 ようし 間 あいだ のクーロン力 りょく はより大 おお きな範囲 はんい を持 も っており、距離 きょり の逆 ぎゃく 二乗 にじょう として変化 へんか するため、クーロン力 りょく は陽子 ようし 間 あいだ の距離 きょり が約 やく 2~2.5fmを超 こ えると唯一 ゆいいつ の主要 しゅよう な力 ちから となる。
核 かく 力 りょく にはスピンに依存 いぞん する成分 せいぶん がある。スピンが揃 そろ っている粒子 りゅうし 同士 どうし の方 ほう が、スピンが揃 そろ っていない粒子 りゅうし よりも核 かく 力 りょく が強 つよ い。もし2つの粒子 りゅうし が同 おな じもの、例 たと えば2つの中性子 ちゅうせいし や2つの陽子 ようし の場合 ばあい 、力 ちから は粒子 りゅうし を結合 けつごう させるのに十分 じゅうぶん ではない。なぜなら、同 おな じ種類 しゅるい の2つの粒子 りゅうし が(スピンを除 のぞ いて)同 おな じ量子 りょうし 状態 じょうたい で互 たが いに近 ちか づく場合 ばあい 、スピンベクトルは反対 はんたい 方向 ほうこう を向 む かなければならないからである。このフェルミ粒子 りゅうし の要件 ようけん は、パウリの排他 はいた 原理 げんり に由来 ゆらい する。陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし といった異 こと なるタイプのフェルミ粒子 りゅうし の場合 ばあい 、パウリの排他 はいた 律 りつ に違反 いはん することなく、粒子 りゅうし は互 たが いに近 ちか づきスピンを揃 そろ えることができる。核 かく 力 りょく はスピンが揃 そろ った粒子 りゅうし の方 ほう がはるかに強 つよ いので、核 かく 力 りょく は粒子 りゅうし を(この場合 ばあい は重 じゅう 陽子 ようし として)結合 けつごう させることができる。しかし、たとえ粒子 りゅうし の種類 しゅるい が異 こと なっていても、粒子 りゅうし のスピンが互 たが いに反対 はんたい 方向 ほうこう では核 かく 力 りょく が弱 よわ すぎて結合 けつごう させることはできない。
核 かく 力 りょく はまた、核 かく 子 こ のスピンと角 かく 運動 うんどう 量 りょう の相互 そうご 作用 さよう に依存 いぞん するテンソル成分 せいぶん を持 も っており、単純 たんじゅん な球形 きゅうけい からの変形 へんけい をもたらす。
原子核 げんしかく を、結合 けつごう していない陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし に分解 ぶんかい するには、核 かく 力 りょく に逆 さか らう仕事 しごと が必要 ひつよう である。逆 ぎゃく に原子核 げんしかく が、結合 けつごう していない核 かく 子 こ や他 た の原子核 げんしかく から作 つく られるときには、核 かく 結合 けつごう エネルギー(en:Nuclear binding energy )というエネルギーが放出 ほうしゅつ される。質量 しつりょう とエネルギーの等価 とうか 性 せい (すなわちアインシュタインの式 しき E = mc 2 )のため、このエネルギーを放出 ほうしゅつ すると、原子核 げんしかく の質量 しつりょう が個々 ここ の核 かく 子 こ の質量 しつりょう の合計 ごうけい よりも小 ちい さくなり、いわゆる「質量 しつりょう 欠損 けっそん 」が生 しょう じる[6] 。
核 かく 力 りょく は、核 かく 子 こ が中性子 ちゅうせいし であるか陽子 ようし であるかにほとんど依存 いぞん しない。この性質 せいしつ は荷電 かでん 独立 どくりつ 性 せい と呼 よ ばれる。核 かく 力 りょく は核 かく 子 こ のスピン が平行 へいこう であるか反 はん 平行 へいこう であるかに依存 いぞん し、非 ひ 中心 ちゅうしん 成分 せいぶん またはテンソル 成分 せいぶん を持 も つ。軌道 きどう 角 かく 運動 うんどう 量 りょう は中心 ちゅうしん 力 りょく の作用 さよう 下 か では保存 ほぞん されるが、前述 ぜんじゅつ の成分 せいぶん は軌道 きどう 角 かく 運動 うんどう 量 りょう を保存 ほぞん しない。
ヴェルナー・ハイゼンベルク によって提唱 ていしょう された強 つよ い力 ちから の対称 たいしょう 性 せい とは、陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし は電荷 でんか 以外 いがい のすべての点 てん で同一 どういつ であるというものである。中性子 ちゅうせいし の方 ほう がほんの少 すこ し重 おも いのでこれは完全 かんぜん には正 ただ しくないが、ほぼ対称 たいしょう である。したがって陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし は同 おな じ粒子 りゅうし とみなされるが、アイソスピン の量子 りょうし 数 すう が異 こと なる。慣習 かんしゅう として、陽子 ようし はアイソスピン・アップ、中性子 ちゅうせいし はアイソスピン・ダウンである。粒子 りゅうし 間 あいだ の他 ほか の相互 そうご 作用 さよう がスピンのSU(2)変換 へんかん で不変 ふへん であるように、強 つよ い力 ちから もSU(2)アイソスピン変換 へんかん で不変 ふへん である。い換 いか えれば、アイソスピン変換 へんかん とスピン変換 へんかん の両方 りょうほう がSU(2)対称 たいしょう 群 ぐん に群 ぐん 同型 どうけい である(en:Representation theory of SU(2) )。相互 そうご 作用 さよう している粒子 りゅうし のアイソスピンの合計 ごうけい が0であるときのみ強 つよ い引力 いんりょく が存在 そんざい し、これは実験 じっけん によって確認 かくにん されている[7] 。
中性 ちゅうせい で仮想 かそう 粒子 りゅうし のパイ中間子 ちゅうかんし を媒介 ばいかい とする、陽子 ようこ -中性子 ちゅうせいし 間 あいだ の強 つよ い相互 そうご 作用 さよう の簡略 かんりゃく 化 か されたファインマン・ダイアグラム 。時間 じかん は左 ひだり から右 みぎ に進 すす む。
核 かく 力 りょく の知見 ちけん は、粒子 りゅうし 散乱 さんらん 実験 じっけん と軽 かる い原子核 げんしかく の結合 けつごう エネルギーから得 え られている。
核 かく 力 りょく は、仮想 かそう パイ中間子 ちゅうかんし や、ロー中間子 ちゅうかんし とオメガ中間子 ちゅうかんし といったスピンを持 も つ2種類 しゅるい の仮想 かそう 中間子 ちゅうかんし (ベクトル中間子 ちゅうかんし 、en:Vector meson )など、仮想 かそう の軽 かる い中間子 ちゅうかんし の交換 こうかん によって生 しょう じる。ベクトル中間子 ちゅうかんし は、この「仮想 かそう 中間子 ちゅうかんし 」描像における核 かく 力 りょく のスピン依存 いぞん 性 せい を説明 せつめい する。
核 かく 力 りょく は、歴史 れきし 的 てき に弱 よわ い核 かく 力 りょく として知 し られていたものとは異 こと なる。弱 よわ い相互 そうご 作用 さよう は4つの基本 きほん 相互 そうご 作用 さよう の1つで、ベータ崩壊 ほうかい のようなプロセスで役割 やくわり を果 は たす。弱 よわ い力 ちから は核 かく 子 こ の相互 そうご 作用 さよう には関与 かんよ しないが、中性子 ちゅうせいし から陽子 ようし への崩壊 ほうかい やその逆 ぎゃく には関与 かんよ する。
核 かく 力 りょく は、1932年 ねん にジェームズ・チャドウィック による中性子 ちゅうせいし の発見 はっけん によって原子核 げんしかく 物理 ぶつり 学 がく が誕生 たんじょう して以来 いらい 、核 かく 物理 ぶつり 学 がく の中核 ちゅうかく を担 にな ってきた。核 かく 物理 ぶつり 学 がく の伝統 でんとう 的 てき な目標 もくひょう は、原子核 げんしかく の性質 せいしつ を、二 に 核 かく 子 こ 間 あいだ の「裸 はだか の」相互 そうご 作用 さよう 、すなわち核 かく 子 こ -核 かく 子 こ 力 りょく (NN力 りょく )の観点 かんてん から理解 りかい することである。
中性子 ちゅうせいし の発見 はっけん から数 すう ヶ月 かげつ 以内 いない に、ヴェルナー・ハイゼンベルク [8] [9] [10] とドミトリー・イワネンコ [11] は原子核 げんしかく の陽子 ようし -中性子 ちゅうせいし モデルを提案 ていあん していた[12] 。量子力学 りょうしりきがく は当時 とうじ 全 まった く明 あき らかではなかったが、ハイゼンベルクは原子核 げんしかく 内 ない の陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし の記述 きじゅつ に、量子力学 りょうしりきがく を通 とお してアプローチした。ハイゼンベルクの原子核 げんしかく における陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし の理論 りろん は、「原子核 げんしかく を量子力学 りょうしりきがく 的 てき なシステムとして理解 りかい するための大 おお きな一 いち 歩 ほ 」であった[13] 。ハイゼンベルクは、核 かく 子 こ を結合 けつごう する交換 こうかん 力 りょく の理論 りろん を初 はじ めて導入 どうにゅう した。彼 かれ は陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし を同 おな じ粒子 りゅうし の異 こと なる量子 りょうし 状態 じょうたい 、すなわち核 かく 子 こ は核 かく アイソスピン量子 りょうし 数 すう の値 ね によって区別 くべつ されると考 かんが えた。
原子核 げんしかく の最 もっと も初期 しょき のモデルの 1 つは、1930 年代 ねんだい に開発 かいはつ された液 えき 滴 しずく 模型 もけい である。原子核 げんしかく の性質 せいしつ として、核 かく 子 こ 1個 いっこ あたりの平均 へいきん 結合 けつごう エネルギーが、安定 あんてい な原子核 げんしかく ではすべてほぼ同 おな じであるというものがあり、これは液体 えきたい の滴 しずく に似 に ている。液 えき 滴 しずく 模型 もけい では、原子核 げんしかく を非 ひ 圧縮 あっしゅく 性 せい の流体 りゅうたい の液 えき 滴 しずく として扱 あつか い、核 かく 子 こ は液体 えきたい 中 ちゅう の分子 ぶんし のように振 ふ る舞 ま う。このモデルはジョージ・ガモフ によって最初 さいしょ に提案 ていあん され、その後 ご ニールス・ボーア 、ヴェルナー・ハイゼンベルク 、カール・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカー によって発展 はってん した。この粗 あら いモデルは、原子核 げんしかく のすべての性質 せいしつ を説明 せつめい することはできなかったが、ほとんどの原子核 げんしかく が球形 きゅうけい であることを説明 せつめい できた。このモデルは、原子核 げんしかく の結合 けつごう エネルギーについても良 よ い予測 よそく を与 あた えた。
1934年 ねん 、湯川 ゆかわ 秀樹 ひでき は核 かく 力 りょく の性質 せいしつ を説明 せつめい する最 もっと も初期 しょき の試 こころ みを行 おこな った。彼 かれ の理論 りろん によれば、質量 しつりょう のあるボース粒子 りゅうし (中間子 ちゅうかんし )が2つの核 かく 子 こ 間 あいだ の相互 そうご 作用 さよう を媒介 ばいかい する。量子 りょうし 色 しょく 力学 りきがく (QCD)、ひいては標準 ひょうじゅん 模型 もけい に照 て らし合 あ わせると、中間子 ちゅうかんし 理論 りろん はもはや基本 きほん 的 てき なものとは認識 にんしき されていない。しかし、中間子 ちゅうかんし 交換 こうかん の概念 がいねん (ハドロン が素粒子 そりゅうし として扱 あつか われる)は、定量 ていりょう 的 てき なNNポテンシャルのための最良 さいりょう の実用 じつよう モデルであり続 つづ けている。湯川 ゆかわ ポテンシャル(遮蔽 しゃへい クーロンポテンシャル とも呼 よ ばれる)は次 つぎ のようなポテンシャルである。
V
Yukawa
(
r
)
=
−
g
2
e
−
μ みゅー
r
r
,
{\displaystyle V_{\text{Yukawa}}(r)=-g^{2}{\frac {e^{-\mu r}}{r}},}
ここで、gはスケーリング定数 ていすう 、すなわちポテンシャルの振幅 しんぷく 、μ みゅー は湯川 ゆかわ 粒子 りゅうし の質量 しつりょう 、rは粒子 りゅうし までの半径 はんけい 方向 ほうこう 距離 きょり である。ポテンシャルは単調 たんちょう 増加 ぞうか する、 つまり力 りょく は常 つね に引力 いんりょく であることを意味 いみ する。定数 ていすう は経験 けいけん 的 てき に決定 けってい される。湯川 ゆかわ ポテンシャルは粒子 りゅうし 間 あいだ の距離 きょり rにのみ依存 いぞん するため、中心 ちゅうしん 力 りょく をモデル化 か している。
イジドール・イザーク・ラービ 率 ひき いるコロンビア大学 ころんびあだいがく のグループは、1930年代 ねんだい を通 つう じて原子核 げんしかく の磁気 じき モーメントを測定 そくてい する磁気 じき 共鳴 きょうめい 技術 ぎじゅつ を開発 かいはつ した。これらの測定 そくてい により、1939年 ねん に重 じゅう 陽子 ようし にも電気 でんき 四 よん 極 きょく 子 こ モーメントがあることを発見 はっけん するに至 いた った[14] [15] 。重 じゅう 陽子 ようし のこの電気 でんき 的 てき 性質 せいしつ は、ラービのグループによる測定 そくてい を妨害 ぼうがい していた。陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし からなる重 じゅう 陽子 ようし は最 もっと も単純 たんじゅん な原子核 げんしかく 系 けい の一 ひと つである。この発見 はっけん は、重 じゅう 陽子 ようし の物理 ぶつり 的 てき 形状 けいじょう が対称 たいしょう 的 てき でないことを意味 いみ し、核 かく 子 こ を結合 けつごう する核 かく 力 りょく の性質 せいしつ について貴重 きちょう な洞察 どうさつ をもたらした。特 とく にこの結果 けっか は、核 かく 力 りょく が中心 ちゅうしん 力 りょく ではなく、テンソル的 てき な性質 せいしつ を持 も つことを示 しめ した[1] 。ハンス・ベーテ は、重 じゅう 陽子 ようし の四極 よんきょく 子 こ モーメントの発見 はっけん を、初期 しょき の核 かく 物理 ぶつり 学 がく における重要 じゅうよう な出来事 できごと のひとつと位置 いち づけた[14] 。
歴史 れきし 的 てき に見 み ても、核 かく 力 りょく を現象 げんしょう 論 ろん 的 てき に記述 きじゅつ する作業 さぎょう は手 て ごわいものであった。最初 さいしょ の半 はん 経験 けいけん 的 てき な定量 ていりょう モデルは、1950年代 ねんだい 半 なか ばに登場 とうじょう した[1] 、Woods-Saxonポテンシャル(1954年 ねん 、en:Woods–Saxon potential )などである。1960年代 ねんだい と1970年代 ねんだい には、核 かく 力 りょく に関連 かんれん する実験 じっけん と理論 りろん に大 おお きな進展 しんてん がみられた。影響 えいきょう 力 りょく のあるモデルの1つが、Reidポテンシャル(1968年 ねん )である[1] 。
V
Reid
(
r
)
=
−
10.463
e
−
μ みゅー
r
μ みゅー
r
−
1650.6
e
−
4
μ みゅー
r
μ みゅー
r
+
6484.2
e
−
7
μ みゅー
r
μ みゅー
r
,
{\displaystyle V_{\text{Reid}}(r)=-10.463{\frac {e^{-\mu r}}{\mu r}}-1650.6{\frac {e^{-4\mu r}}{\mu r}}+6484.2{\frac {e^{-7\mu r}}{\mu r}},}
ここで、
μ みゅー
=
0.7
fm
−
1
{\displaystyle \mu =0.7~{\text{fm}}^{-1}}
、ポテンシャルの単位 たんい はMeV である。
また、核 かく 力 りょく の詳細 しょうさい を扱 あつか う実験 じっけん テーマとして、例 たと えば以下 いか が挙 あ げられる。
核 かく 力 りょく の電荷 でんか 依存 いぞん 性 せい 、π ぱい NN結合 けつごう 定数 ていすう の正確 せいかく な値 ね 、改良 かいりょう された位相 いそう シフト解析 かいせき 、高 こう 精度 せいど NNデータ 、高 こう 精度 せいど NNポテンシャル、中 なか 〜高 こう エネルギーでのNN散乱 さんらん 、QCDから核 かく 力 りょく を導出 どうしゅつ する試 こころ みなど。
強 つよ い残留 ざんりゅう 力 りょく としての核 かく 力 りょく [ 編集 へんしゅう ]
相互 そうご 作用 さよう のアニメーション。色 いろ のついた2個 こ の丸 まる はグルーオン。補色 ほしょく はこの図 ず のように、反 はん 赤 あか はシアン、反 はん 緑 みどり はマゼンタ、反 はん 青 あお は黄色 おうしょく で示 しめ される(アニメーションの拡大 かくだい 版 ばん )。
基本 きほん 的 てき な強 つよ い相互 そうご 作用 さよう がどのように核 かく 力 りょく を生 う み出 だ すかを説明 せつめい するために、上 うえ と同 おな じ図 ず に個々 ここ のクォーク の構成 こうせい 要素 ようそ を示 しめ したもの。直線 ちょくせん はクォークで、多色 たしょく のループはグルーオン (基本 きほん 的 てき な力 ちから を伝 つた える粒子 りゅうし )である。陽子 ようし や中性子 ちゅうせいし を結合 けつごう させるその他 た のグルーオンや、「飛行 ひこう 中 ちゅう 」のパイ中間子 ちゅうかんし は図示 ずし されていない。
核 かく 力 りょく は、より基本 きほん 的 てき な強 つよ い力 ちから による、強 つよ い相互 そうご 作用 さよう の残留 ざんりゅう 効果 こうか である。強 つよ い相互 そうご 作用 さよう とは、クォーク と呼 よ ばれる素粒子 そりゅうし を結 むす びつけて核 かく 子 こ (陽子 ようし と中性子 ちゅうせいし )そのものを形成 けいせい する引力 いんりょく である。自然 しぜん 界 かい の基本 きほん 相互 そうご 作用 さよう のひとつである、より強力 きょうりょく なこの力 ちから は、グルーオン と呼 よ ばれる粒子 りゅうし を媒介 ばいかい としている。グルーオンは、電荷 でんか (チャージ)に似 に たカラーチャージ によってクォーク同士 どうし を結 むす びつけているが、その力 ちから ははるかに強 つよ い。クォーク、グルーオン、およびそれらの相互 そうご 作用 さよう は、そのほとんどが核 かく 子 こ 内 ない に閉 と じ込 こ められているが、残留 ざんりゅう 的 てき な影響 えいきょう が核 かく 子 こ の境界 きょうかい をわずかに超 こ えて広 ひろ がり、核 かく 力 りょく を生 う み出 だ している。
核 かく 子 こ 間 あいだ で発生 はっせい する核 かく 力 りょく は、化学 かがく の分野 ぶんや ではロンドン分散 ぶんさん 力 りょく と呼 よ ばれる、中性 ちゅうせい 原子 げんし や分子 ぶんし 間 あいだ の力 ちから に類似 るいじ している。ロンドン分散 ぶんさん 力 りょく のような原子 げんし 間 あいだ の力 ちから は、原子 げんし そのものをつなぎとめる電気 でんき 的 てき な引力 いんりょく (すなわち、電子 でんし を原子核 げんしかく に結合 けつごう させる引力 いんりょく )よりもはるかに弱 よわ い。また、中性 ちゅうせい 原子 げんし 内 ない の電荷 でんか の小 ちい さな分離 ぶんり から生 しょう じる力 ちから であるため、原子 げんし 間 あいだ でそれらの力 ちから が有効 ゆうこう な距離 きょり も短 みじか い。
同様 どうよう に、核 かく 子 こ がほとんどのグルーオン力 りょく を打 う ち消 け す組 く み合 あ わせのクォークでできている(それらは「色 いろ 中性 ちゅうせい 」である)にもかかわらず、クォークとグルーオンの組 く み合 あ わせの一部 いちぶ は、ある核 かく 子 こ から近 ちか くの別 べつ の核 かく 子 こ へと伸 の びる短距離 たんきょり の核 かく の力 ちから 場 じょう という形 かたち で、核 かく 子 こ から漏 も れ出 で ている。これらの核 かく 力 りょく は、核 かく 子 こ 内部 ないぶ の直接的 ちょくせつてき なグルーオンによる力 ちから (「色 いろ 力 りょく 」または強 つよ い力 ちから )に比 くら べると非常 ひじょう に弱 よわ い。核 かく 力 りょく は核 かく の直径 ちょっけい 数 すう 個 こ 分 ぶん にしか及 およ ばず、距離 きょり が遠 とお くなるにつれて指数 しすう 関数 かんすう 的 てき に減少 げんしょう する。それにもかかわらず、核 かく 力 りょく は短 みじか い距離 きょり で中性子 ちゅうせいし と陽子 ようし を結合 けつごう させ、原子核 げんしかく 内 ない の陽子 ようし 間 あいだ の電気 でんき 的 てき 反発 はんぱつ に打 う ち勝 か つのに十分 じゅうぶん 強 つよ い。
QCDから生 しょう じる強 つよ い相互 そうご 作用 さよう に対 たい して、核 かく 力 りょく は強 つよ い残留 ざんりゅう 力 りょく と呼 よ ばれることがある。この呼称 こしょう は、QCDが確立 かくりつ されつつあった1970年代 ねんだい に生 う まれた。それ以前 いぜん は、強 つよ い核 かく 力 りょく は核 かく 子 こ 間 あいだ ポテンシャルを指 さ していた。クォーク模型 もけい の検証 けんしょう 後 ご 、強 つよ い相互 そうご 作用 さよう はQCDを意味 いみ するようになった。
重水素 じゅうすいそ 原子 げんし の原子核 げんしかく である重 じゅう 陽子 ようし や、陽子 ようこ -陽子 ようし 散乱 さんらん 、中性子 ちゅうせいし -陽子 ようし 散乱 さんらん のような2核 かく 子 こ 系 けい は、NN力 りょく の研究 けんきゅう に理想 りそう 的 てき である。このような系 けい は、核 かく 子 こ にポテンシャル(湯川 ゆかわ ポテンシャル など)を割 わ り当 あて て、そのポテンシャルをシュレーディンガー方程式 ほうていしき に用 もち いることで記述 きじゅつ できる。ポテンシャルの形 かたち は現象 げんしょう 論 ろん 的 てき に(測定 そくてい によって)導 みちび かれるが、長距離 ちょうきょり 相互 そうご 作用 さよう については中間子 ちゅうかんし 交換 こうかん 理論 りろん がポテンシャルの構築 こうちく に役立 やくだ つ。ポテンシャルのパラメータは、重 じゅう 陽子 ようし 結合 けつごう エネルギーやNN弾性 だんせい 散乱 さんらん 断 だん 面積 めんせき (この文脈 ぶんみゃく では、いわゆるNN位相 いそう シフト)のような実験 じっけん データ に合 あ わせることによって決定 けってい される。
最 もっと も広 ひろ く使 つか われているNNポテンシャルは、Parisポテンシャル、Argonne AV18ポテンシャル[16] 、CD-Bonnポテンシャル、Nijmegenポテンシャルである。
より最近 さいきん のアプローチは、核 かく 子 こ -核 かく 子 こ および、3体 たい の核 かく 子 こ 力 りょく を矛盾 むじゅん なく記述 きじゅつ するための有効 ゆうこう 場 じょう の理論 りろん を開発 かいはつ することである。量子 りょうし ハドロン力学 りきがく (英語 えいご 版 ばん ) は核 かく 力 りょく の有効 ゆうこう 場 じょう 理論 りろん であり、色 いろ 相互 そうご 作用 さよう のQCDや電磁 でんじ 相互 そうご 作用 さよう のQED に相当 そうとう する。さらに、カイラル対称 たいしょう 性 せい の破 やぶ れ (英語 えいご 版 ばん ) を有効 ゆうこう 場 じょう 理論 りろん (カイラル摂動 せつどう 論 ろん (英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれる)の観点 かんてん から解析 かいせき することができ、交換 こうかん 粒子 りゅうし としてのパイ中間子 ちゅうかんし を持 も つ核 かく 子 こ 間 あいだ の相互 そうご 作用 さよう の摂動 せつどう 計算 けいさん が可能 かのう である。
原子核 げんしかく 物理 ぶつり 学 がく の究極 きゅうきょく の目標 もくひょう は、核 かく 子 こ 間 あいだ の基本 きほん 的 てき な相互 そうご 作用 さよう からすべての原子核 げんしかく 反応 はんのう を記述 きじゅつ することである。これは核 かく 物理 ぶつり 学 がく の微視的 びしてき あるいは第 だい 一 いち 原理 げんり 的 てき 手法 しゅほう と呼 よ ばれる。実現 じつげん には克服 こくふく すべき2つの大 おお きな障害 しょうがい がある。
多 た 体 からだ 問題 もんだい の計算 けいさん は(多 た 粒子 りゅうし 相互 そうご 作用 さよう のために)難 むずか しく、高度 こうど な計算 けいさん 技術 ぎじゅつ を必要 ひつよう とする。
三 さん 体力 たいりょく (そしておそらくより高次 こうじ の多 た 粒子 りゅうし 相互 そうご 作用 さよう )が重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たしているという証拠 しょうこ がある。つまり、3体 たい の核 かく 子 こ ポテンシャルをモデルに含 ふく める必要 ひつよう がある。
この分野 ぶんや は、核 かく における殻 から 構造 こうぞう の第 だい 一 いち 原理 げんり 的 てき 手法 しゅほう をより良 よ くするための計算 けいさん 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ に伴 ともな い、活発 かっぱつ な研究 けんきゅう 分野 ぶんや となっている。A =12までの核種 かくしゅ について、2核 かく 子 こ および3核 かく 子 こ のポテンシャルが実装 じっそう されている。
原子核 げんしかく の相互 そうご 作用 さよう を記述 きじゅつ する効果 こうか 的 てき な方法 ほうほう は、核 かく 子 こ を構成 こうせい するすべての要素 ようそ を考慮 こうりょ する代 か わりに、原子核 げんしかく 全体 ぜんたい に対 たい して1つのポテンシャルを構築 こうちく することである。これは巨視的 きょしてき アプローチと呼 よ ばれる。たとえば、原子核 げんしかく からの中性子 ちゅうせいし の散乱 さんらん は、実 み 部 ぶ と虚 きょ 部 ぶ からなる原子核 げんしかく のポテンシャル内 ない の平面 へいめん 波 は を考 かんが えることによって記述 きじゅつ できる。このモデルは、不透明 ふとうめい なガラス球 だま によって散乱 さんらん される光 ひかり の場合 ばあい に似 に ているため、しばしば光学 こうがく モデルと呼 よ ばれる。
核 かく ポテンシャルには局所 きょくしょ 的 てき (ローカル)ポテンシャルと大域 たいいき 的 てき (グローバル)ポテンシャルがある。局所 きょくしょ 的 てき ポテンシャルは、扱 あつか うエネルギーや原子核 げんしかく 質量 しつりょう が狭 せま い範囲 はんい に限定 げんてい される。大域 たいいき 的 てき ポテンシャルは、通常 つうじょう は精度 せいど が劣 おと るが、より多 おお くのパラメータを持 も ち、エネルギーと原子核 げんしかく 質量 しつりょう の関数 かんすう であるため、より幅広 はばひろ い用途 ようと に使用 しよう できる。
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