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狭軌きょうき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
軌間きかん
軌間きかん一覧いちらん
Graphic list of track gauges

最小さいしょう軌間きかん
  15インチ 381 mm (15 in)

狭軌きょうき
  2フィート、600 mm 597 mm
600 mm
603 mm
610 mm
(1 ft 11+12 in)
(1 ft 11+58 in)
(1 ft 11+34 in)
(2 ft)
  750 mm,
ボスニア,
2フィート6インチ,
800 mm
750 mm
760 mm
762 mm
800 mm
(2 ft 5+12 in)
(2 ft 5+1516 in)
(2 ft 6 in)
(2 ft 7+12 in)
  スウェーデン3フィート
900 mm
3フィート
891 mm
900 mm
914 mm
(2 ft11+332 in)
(2 ft 11+716)
(3 ft)
  1m軌間きかん 1,000 mm (3 ft 3+38 in)
  3フィート6インチ 1,067 mm (3 ft 6 in)
  4フィート6インチ 1,372 mm (4 ft 6 in)

  標準軌ひょうじゅんき 1,435 mm (4 ft 8+12 in)

広軌こうき
  ロシア軌間きかん 1,520 mm
1,524 mm
(4 ft 11+2732 in)
(5 ft)
  アイルランド軌間きかん 1,600 mm (5 ft 3 in)
  イベリア軌間きかん 1,668 mm (5 ft 5+2132 in)
  インド軌間きかん 1,676 mm (5 ft 6 in)
  ブルネル軌間きかん 2,140 mm (7 ft 14 in)
軌間きかん差異さい
軌間きかん不連続ふれんぞくてん · さんせん軌条きじょう · あらため ·
台車だいしゃ交換こうかん · 軌間きかん可変かへん
地域ちいきべつ
軌間の分布を示した地図

狭軌きょうき(きょうき、えい: Narrow gauge ナローゲージ)とは、鉄道てつどうにおける線路せんろレール間隔かんかくをあらわす軌間きかんが、標準軌ひょうじゅんきの1,435 mm(4フィート8+12インチ未満みまんのものをす。軽便鉄道けいべんてつどう参照さんしょう

概要がいよう

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標準軌ひょうじゅんきあお)と狭軌きょうきあか)のはば比較ひかく

元々もともと狭軌きょうき」はよりひろ軌間きかんたいする相対そうたいてきないいかたであり、現在げんざい標準軌ひょうじゅんき」とばれる4 ft8+12 in(1,435 mm)軌間きかんも、イギリス1846ねんみことのりさいされた「鉄道てつどうのゲージ規制きせいかんする法律ほうりつ」ができるまえは、2 m以上いじょうあるブルネル軌間きかんくらべてせまく「標準ひょうじゅん」ではなかったため、法律ほうりつ適用てきようされる以前いぜんはもちろん、適用てきよう1850年代ねんだいころまでは狭軌きょうきばれていた。1870ねんころにおいても、現在げんざい標準軌ひょうじゅんき狭軌きょうきぶことがのこっていたとわれる[1]

現在げんざいでもきゅうだいえい帝国ていこくりょう植民しょくみんとうの3 ft6 in(1,067 mm)軌間きかん使用しようする地域ちいきでは、その地域ちいきでこれよりもひろ軌間きかん存在そんざいしないため、これを狭軌きょうきばずに標準軌ひょうじゅんきぶことがある。これは1,000 mm軌間きかん(メーターゲージ)についても同様どうようである。このような事情じじょうにより、今日きょうでは「1,000 mm未満みまん確実かくじつ狭軌きょうき」とみなされているが、これ以上いじょう状況じょうきょうによっては狭軌きょうきれない場合ばあいもある[2]

日本にっぽん国内こくないでのかた

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日本にっぽん場合ばあい、かつての日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)の軌間きかんは1,067 mmが標準ひょうじゅんであったためこれを「狭軌きょうき」とぶことはすくなく、新幹線しんかんせんやいくつかの私鉄してつ使用しようされている1,435 mm軌間きかん標準軌ひょうじゅんき)のほうあやまって「広軌こうき」とひとおおかったという[3][ちゅう 1]国鉄こくてつなか買収ばいしゅう国有こくゆう路線ろせんなか存在そんざいした762 mm軌間きかん路線ろせん(ナローゲージ)については特殊とくしゅ狭軌きょうきせん呼称こしょうされ、おなじく日本にっぽん私鉄してつでも、さん鉄道てつどう北勢線ほくせいせん四日市よっかいちあすなろう鉄道てつどうなどの現存げんそんする該当がいとう路線ろせんたいして、同様どうようかたをする。

なお、特殊とくしゅ狭軌きょうきせん軽便鉄道けいべんてつどう混同こんどうされやすいが、特殊とくしゅ狭軌きょうきせん軌間きかんが762 mmの線路せんろ意味いみし、軽便鉄道けいべんてつどうほうしたがって敷設ふせつされた鉄道てつどうという意味いみである。軽便鉄道けいべんてつどうほうもまた軌間きかんを762 mm以上いじょうさだめているため、軽便鉄道けいべんてつどう大半たいはん特殊とくしゅ狭軌きょうきせんではあるが、西大寺さいだいじ鉄道てつどう(914 mm)や新宮しんぐう軽便鉄道けいべんてつどう(1,435 mm)などのれいもあり、かならずしも一致いっちするものではない。

狭軌きょうき特性とくせい採用さいようされやすい場所ばしょ

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意図いとてきせま軌間きかん選択せんたくする鉄道てつどうは、元々もともと機関きかんしゃさえもない時代じだい人力じんりき家畜かちく動力どうりょくトロッコのような路線ろせんからまれた。こうした鉄道てつどう使用しようされる車両しゃりょうはホイールベースや軌間きかんちいさくても不安定ふあんていではなく、むしろきゅうカーブ(障害しょうがいぶつけられるのでトンネルなどの施設しせつ費用ひようおさえられる)をがりやすくなって好都合こうつごうであったため、機関きかんしゃ開発かいはつされてからも鉱山こうざん鉄道てつどう[4]線路せんろ施設しせつ簡易かんいてきなものでむことから木材もくざい伐採ばっさいわったら線路せんろ移動いどうしなくてはならない森林しんりん鉄道てつどう採用さいようれいおおい。

また、枕木まくらぎおよび砂利じゃりなどの道床どうしょうにかかるコストも最低限さいていげん軌間きかんぶんはば必要ひつようとなるため、標準軌ひょうじゅんきであれば「1,435mm+レールのあつみ」の枕木まくらぎ必要ひつようとなるところ、狭軌きょうきであればそれだけ短縮たんしゅくでき[ちゅう 2]、よりてい規格きかくかつひくコスト路線ろせんつくることが可能かのうである。そのためだいいち世界せかい大戦たいせんときには、同盟どうめいこく連合れんごうこく双方そうほうとも前線ぜんせんen:front line)での輸送ゆそうよう狭軌きょうき鉄道てつどうさかんに建設けんせつした。だいいち世界せかい戦後せんごen:Aftermath of World War I)のヨーロッパでは、その資材しざい流用りゅうようした狭軌きょうき鉄道てつどう一時いちじ流行りゅうこうした。

歴史れきし

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人力じんりきによる運搬うんぱん

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Woodcut of a mine with three shafts
De re metallica木版もくはんより。鉱山こうざんない人力じんりき鉄道てつどうえがかれている
Red-and-white electric train outdoors
750 mm軌間きかん鉄道てつどうであるヴァルデンブルク鉄道てつどうバッド・ブベンドルフえき停車ていしゃちゅう列車れっしゃ

はじめて記録きろくされた鉄道てつどうは、ゲオルク・アグリーコラの1556ねんさくデ・レ・メタリカ」(日本語にほんごで「金属きんぞくについて」)に登場とうじょうしている。この書籍しょせき登場とうじょうする鉄道てつどうは、ボヘミア鉱山こうざんにあり、軌間きかんやく2フィート(やく610mm)であった。16世紀せいき鉄道てつどうおもにヨーロッパちゅう鉱山こうざん手押ておしされた狭軌きょうき線路せんろかぎられていた。17世紀せいき鉱山こうざん鉄道てつどう地上ちじょうへの輸送ゆそう提供ていきょうするために拡張かくちょうされた。これらの路線ろせん鉱山こうざんちかくの輸送ゆそうポイント(通常つうじょう運河うんがまたは水路すいろ)に接続せつぞくする工業こうぎょうようであった。これらの鉄道てつどう通常つうじょう開発元かいはつもと鉱山こうざん鉄道てつどうおな軌間きかん建設けんせつされた[5]

蒸気じょうき機関きかんしゃ導入どうにゅう

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1802ねんリチャード・トレビシックによってコールブルックデールカンパニーのため製造せいぞうされた世界せかいはつ蒸気じょうき機関きかんしゃは、914mm軌間きかんプレートウェイ走行そうこうした。商業しょうぎょうてきはじめての蒸気じょうき機関きかんしゃは、1812ねん製造せいぞうされたマシュー・マレーサラマンカ英語えいごばんで、リーズにあるミドルトン鉄道てつどう軌間きかん1245 mm)で利用りようされた。サラマンカははじめてのラックしき鉄道てつどう機関きかんしゃでもあった。1820年代ねんだいと1830年代ねんだい、イギリスのおおくの産業さんぎょうけの狭軌きょうき鉄道てつどう蒸気じょうき機関きかんしゃ使用しようしていた。1842ねん、イギリス国外こくがいはじめての狭軌きょうき蒸気じょうき機関きかんしゃベルギーにあるアントワープ - ゲント鉄道てつどう[6]軌間きかん1100 mm)で製造せいぞうされた。旅客りょかく輸送ゆそうよう狭軌きょうき鉄道てつどう蒸気じょうき機関きかんしゃはじめて使用しようされたのは1865ねんで、フェスティニオグ鉄道てつどうが、旅客りょかく輸送ゆそうのために導入どうにゅうした[7]

工業こうぎょうのための狭軌きょうき鉄道てつどう

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おおくの狭軌きょうき鉄道てつどう工業こうぎょう企業きぎょう一部いちぶであり、一般いっぱん輸送ゆそうではなく、おも専用せんよう鉄道てつどうとして機能きのうしていた。これらの産業さんぎょうよう狭軌きょうき鉄道てつどう一般いっぱんてき用途ようとには、採掘さいくつ伐採ばっさい建設けんせつ、トンネル掘削くっさく採石さいせき、および農産物のうさんぶつ運搬うんぱんふくまれている。狭軌きょうきによる広範囲こうはんいのネットワークが世界せかいおおくの地域ちいき構築こうちくされた。19世紀せいき森林しんりん伐採ばっさい作業さぎょうでは、製材せいざいしょから市場いちば丸太まるた輸送ゆそうするために狭軌きょうき鉄道てつどうがよく使つかわれていた。キューバフィジージャワフィリピンオーストラリアクイーンズランドしゅうでは、現在げんざい重要じゅうようなサトウキビ鉄道てつどう運行うんこうされており、トンネルの建設けんせつには狭軌きょうき鉄道てつどう一般いっぱんてき使用しようされている。

内燃ないねん機関きかんしゃ導入どうにゅう

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狭軌きょうき機関きかんしゃ動力どうりょく内燃ないねん機関きかんはじめて使用しようしたのは1902ねんであった。フランシス・クロード・ブレイク英語えいごばんは、イギリスのロンドンリッチモンド・アポン・テムズモートレイク英語えいごばんにあるリッチモンドメイン下水道げすいどう委員いいんかい下水げすいプラントように7馬力ばりきのガソリン機関きかんしゃ製造せいぞうした。この機関きかんしゃ軌間きかんは838 mmであり、3気筒きとうガソリンエンジンを搭載とうさいしていた[8]

だいいち世界せかい大戦たいせん以降いこう

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だいいち世界せかい大戦たいせんでは、広範こうはん狭軌きょうき鉄道てつどうシステムりょうじん最前線さいぜんせん塹壕ざんごうせん貢献こうけんした[9][10]。それらは短期間たんきかん軍事ぐんじ用途ようとであり、戦後せんご余剰よじょう設備せつびはヨーロッパの狭軌きょうき鉄道てつどう建設けんせつちいさなブームをもたらした。

利点りてん欠点けってん

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利点りてん

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狭軌きょうき鉄道てつどう通常つうじょうちいさい客車きゃくしゃ機関きかんしゃちいさい車両しゃりょう限界げんかい)、ちいさいはしやトンネル(ちいさい建築けんちく限界げんかい)、および、きゅう曲線きょくせん使用しようしているため、建設けんせつ費用ひようすくなくなる[11]狭軌きょうきは、技術ぎじゅつてき大幅おおはば節約せつやくできる可能かのうせいのある山岳さんがく地帯ちたいでよく使用しようされるほか、経済けいざいてきつための潜在せんざいてき需要じゅようひく人口じんこうすくない地域ちいきでも使用しようされる。これは不毛ふもう大地だいちのため人口じんこう密度みつどひくく、標準軌ひょうじゅんき鉄道てつどう運行うんこうきびしいオーストラリアの一部いちぶ南部なんぶアフリカにほとんどの場合ばあいてはまる。

伐採ばっさい鉱業こうぎょう、またはだい規模きぼ建設けんせつプロジェクト(とくに、英仏海峡えいふつかいきょうトンネルなどのかぎられたスペース)のような短期間たんきかん使用しよう撤去てっきょされる仮設かせつ鉄道てつどう場合ばあい狭軌きょうき鉄道てつどう大幅おおはばにコストがやす容易ようい設置せっち撤去てっきょすることができる。しかし、そのような鉄道てつどうは、現代げんだいのトラックの性能せいのう向上こうじょうによりほとんど姿すがたした。

おおくのくにでは、建設けんせつコストがひくいため、狭軌きょうき鉄道てつどう支線しせんとして建設けんせつされ、標準軌ひょうじゅんき鉄道てつどうえてきた。おおくの場合ばあい狭軌きょうき標準軌ひょうじゅんきかの鉄道てつどう選択せんたくではなく、狭軌きょうき鉄道てつどう敷設ふせつしないかのあいだ選択せんたくであった。

欠点けってんとその改良かいりょう

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互換ごかんせい

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狭軌きょうき鉄道てつどうは、鉄道てつどう車両しゃりょう客車きゃくしゃなど)を標準軌ひょうじゅんきまたは広軌こうき鉄道てつどうにそのままれることはできない。また、旅客りょかく貨物かもつ移動いどうには、旅客りょかくえや、貨物かもつえが必要ひつようとなる[12]石炭せきたん鉱石こうせき砂利じゃりなどの一部いちぶのバルク商品しょうひん機械きかいてきえることができるが、この方法ほうほうだと時間じかんがかかり、えに必要ひつよう設備せつび維持いじ手間てまがかかる。

鉄道てつどうもうないことなる軌間きかんがある場合ばあい、ピーク需要じゅようことなる軌間きかん区域くいきえて車両しゃりょう移動いどうさせることができないので、必要ひつよう場所ばしょ車両しゃりょう移動いどうすることは困難こんなんとなる。狭軌きょうき鉄道てつどうのピーク需要じゅようたすために十分じゅうぶん車両しゃりょう利用りよう可能かのうである必要ひつようがあり、需要じゅようすくない期間きかんには余剰よじょう設備せつびとなりキャッシュフローを生成せいせいしない。狭軌きょうき鉄道てつどうもうのごく一部いちぶ形成けいせいしている地域ちいきでは(かつてのロシアのサハリン地方ちほう鉄道てつどうのように)、狭軌きょうき設備せつび設計せっけい製造せいぞう、または輸入ゆにゅうには追加ついか費用ひよう必要ひつようとなる。

互換ごかんせい問題もんだいたいする解決かいけつさくには、じくあるいは台車だいしゃ交換こうかんロールボック軌間きかん可変かへんデュアルゲージ、またはあらためがある。

高速こうそく困難こんなん

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歴史れきしてきに、おおくの狭軌きょうき鉄道てつどうは、やすくてはや建設けんせつすることを優先ゆうせんするためにてい水準すいじゅん建設けんせつされた。その結果けっかおおくの狭軌きょうき鉄道てつどうは、重量じゅうりょうまたは高速こうそく制約せいやくけることがよくある。れいとして、きゅうカーブが使つかわれるため、最大さいだい許容きょよう速度そくど制限せいげんされる。日本にっぽんでは、田沢湖線たざわこせん奥羽本線おううほんせん一部いちぶ在来ざいらいせん軌間きかん1067 mm)を標準軌ひょうじゅんきミニ新幹線しんかんせんあらため軌し、標準軌ひょうじゅんき新幹線しんかんせん直通ちょくつうするようにした。ただし、路線ろせん形状けいじょうにより、最大さいだい速度そくどもと狭軌きょうき路線ろせんおなじである。日本にっぽん提案ていあんするスーパー特急とっきゅうのように、狭軌きょうき線路せんろ高水準こうすいじゅん建設けんせつされている場合ばあい、この問題もんだい最小限さいしょうげんおさえることができる。

狭軌きょうき線路せんろ潜在せんざいてき成長せいちょう考慮こうりょして(または標準軌ひょうじゅんきおな基準きじゅんで)設計せっけいされている場合ばあい将来しょうらい成長せいちょうたいする障害しょうがい軌間きかん同様どうようになる。てい水準すいじゅん建設けんせつされた路線ろせん場合ばあい線路せんろさい調整ちょうせいしてカーブをゆるやかにし、踏切ふみきりかずらし、車体しゃたい傾斜けいしゃしき車両しゃりょう導入どうにゅうすることで、速度そくどげることができる。

高水準こうすいじゅんした狭軌きょうき鉄道てつどう

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Electric silver-and-yellow train
クイーンズランドしゅう車体しゃたい傾斜けいしゃしき電車でんしゃ。オーストラリアクイーンズランドしゅう鉄道てつどうもう軌間きかん1067 mmの鉄道てつどう構成こうせいされている

オーストラリアクイーンズランドしゅうみなみアフリカ、およびニュージーランドの1067 mm軌間きかん鉄道てつどうは、線路せんろ標準軌ひょうじゅんき水準すいじゅんおな基準きじゅんわせて建設けんせつされた場合ばあい標準軌ひょうじゅんき線路せんろとほぼおな性能せいのう可能かのうであることをしめしている。200りょう編成へんせい列車れっしゃみなみアフリカの鉄鉱てっこうせきせん運行うんこうされ、高速こうそくティルト列車れっしゃがオーストラリアクイーンズランドしゅう運行うんこうされている。もう1つのれいは、ブラジルのヴィトーリア・ミナス鉄道てつどうポルトガルばんである。1000 mm軌間きかんで、100ポンドちょうのレール(100 lb/ydまたは49.6 kg/m)を敷設ふせつしている。この路線ろせんには、4000馬力ばりき(3000 kW)の機関きかんしゃと200りょう以上いじょう貨車かしゃ連結れんけつした列車れっしゃ運行うんこうしている。みなみアフリカとニュージーランドでは、車両しゃりょう限界げんかい制約せいやくされたイギリスの車両しゃりょう限界げんかい類似るいじしている。ニュージーランドでは、イギリスのレールマーク2の車両しゃりょうあたらしい台車だいしゃさい構築こうちくされ、トランツ・シーニック(ウェリントン-パーマストンノース)、トランツ・メトロ(ウェリントン-マスタートン)、トランス・デヴ・オークランド(オークランド郊外こうがい)で使用しようされている。

最速さいそく列車れっしゃ

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狭軌きょうきでは安定あんていせい低下ていかすることは、その列車れっしゃ広軌こうきおなじくらいの速度そくどはしることができないことを意味いみする。たとえば、標準軌ひょうじゅんき線路せんろのカーブが時速じそく145 kmまで走行そうこうできる場合ばあい狭軌きょうきおなじカーブは時速じそく130 kmまでの速度そくどしか走行そうこうできない[13]

ただし、19世紀せいきなかば(1865ねん)の時点じてんでもノルウェーの1067㎜軌間きかん最高さいこう時速じそく56㎞ほど(標準軌ひょうじゅんきのイギリスでも当時とうじカル線かるせんはこの程度ていど)の走行そうこう可能かのうであるとかっており[14]、さらに狭軌きょうきでも20世紀せいき前半ぜんはんでは朝鮮ちょうせん鉄道てつどう黄海こうかいせん(762㎜軌間きかん)で1935ねんから最高さいこう時速じそく70kmの列車れっしゃはしらせている[15] など、蒸気じょうき機関きかんしゃ時代じだいでもこれより広軌こうきのローカル路線ろせんくらべてもそこまでわらないケースもあった。

日本にっぽんオーストラリアクイーンズランドしゅうでは、最近さいきん路線ろせん改良かいりょうにより、軌間きかん1067mmの線路せんろで、時速じそく160 kmをえることができた。クイーンズランド鉄道てつどう車体しゃたい傾斜けいしゃしき電車でんしゃは、オーストラリアで最速さいそく電車でんしゃであり、世界せかい最速さいそくの1067 mm軌間きかん列車れっしゃで、時速じそく210 kmの記録きろく樹立じゅりつした[16]。1067 mm軌間きかん線路せんろでの速度そくど記録きろくは、1978ねんみなみアフリカ共和きょうわこく記録きろくされた時速じそく245 kmである[17][18][19]

設計せっけい速度そくど時速じそく137 kmの610 mm軌間きかん鉄道てつどう車両しゃりょうが、オタヴィ鉱山こうざん鉄道てつどう会社かいしゃ英語えいごばんのために製造せいぞうされた[20]

狭軌きょうきおも軌間きかん採用さいようこく傾向けいこう

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おも軌間きかん

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  • 381mm(15インチ)
  • 508mm(20インチ)
  • 597mm
  • 600mm
  • 610mm(24インチ=2フィート)
  • 750mm
  • 762mm(30インチ=2フィート6インチ)「ニブロク」・「特殊とくしゅ狭軌きょうき
  • 800mm
  • 914mm(3フィート)
  • 1000mm「メーターゲージ」
  • 1050mm
  • 1067mm(3フィート6インチ)「さんろく軌間きかん」・「サブロク」
  • 1372mm(4フィート6インチ)「馬車ばしゃ軌間きかん

このうち幹線かんせん鉄道てつどうもちいられるのは914mm以上いじょうのもので、英語えいごでは「medium gauge ミディアム・ゲージ」ともばれる。

採用さいようこく傾向けいこう

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イギリスから鉄道てつどう技術ぎじゅつ導入どうにゅうした国々くにぐに日本にっぽんふくむ)では1067mmがおももちいられ、フランスなどのヨーロッパ大陸たいりく諸国しょこく影響えいきょうくにでは1000mmが、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく影響えいきょうにあったくにでは914mmがもちいられる傾向けいこうにある。

なお、営業えいぎょうようとして運行うんこうされる鉄道てつどうもっとせまいゲージは381mm(15インチ)で、イギリスのロムニー・ハイス&ディムチャーチ鉄道てつどう有名ゆうめいである。日本にっぽん静岡しずおかけん伊豆いず修善寺しゅぜんじにあるにじさとには、この鉄道てつどうどう規格きかく車両しゃりょうによる園内えんない路線ろせん敷設ふせつ運行うんこうされている。

914mm(3フィート)

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914 mm(3フィート)はアメリカ大陸あめりかたいりくでよくられる軌間きかんで、「American Narrow アメリカンナロー」ともばれる。

日本にっぽんでは、北陸ほくりく地方ちほう九州きゅうしゅう地方ちほうなどでられた。のち両備りょうびバスとなった岡山おかやまけん西大寺さいだいじ鉄道てつどう廃止はいしされて以来いらい普通ふつう鉄道てつどう軌道きどうとしては日本にっぽん存在そんざいしないが、青森あおもりけん青函せいかんトンネル記念きねんかんにあるケーブルカー青函せいかんトンネルりゅう斜坑しゃこうせん営業えいぎょうようとして使用しようされている。東京とうきょうディズニーランドにかつて存在そんざいした路面ろめん電車でんしゃのアトラクションである「ジョリートロリー」やかつて存在そんざいしたテーマパーク「ウェスタンむら」の村内むらうち鉄道てつどうアトラクション「ウェスタンむら鉄道てつどう」でも使用しようされていた。

1067mm(3フィート6インチ・「さんろく軌間きかん」)

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イギリス帝国ていこく植民しょくみんひろもちいられたことから「British imperial gauge(イギリス帝国ていこく軌間きかん)」という呼称こしょう存在そんざいした。とくケープ植民しょくみんみなみアフリカ)でもちいられたことから「Cape gauge」とばれるほか、この軌間きかん最初さいしょもちいたノルウェーじんカール・アブラハム・ピルのイニシャルにちなんで「CAP gauge」あるいは「Kapspur」(ドイツ:CがKにえられている)ともばれる。

後述こうじゅつするように、日本にっぽんおおもちいられている軌間きかんはこの1067mm、3フィート6インチである。日本にっぽん国内こくないでは「さんろく軌間きかん」とばれている(「さんろく」は3フィート6インチから)。→#日本にっぽんさんろく軌間きかん

世界せかいで1067mm、3フィート6インチをもちいた国々くにぐに地域ちいき

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1067mmの軌間きかん採用さいようしたことのあるくに地域ちいき現在げんざいもしているくに地域ちいきれい以下いかとおり。

なおノルウェースウェーデンでは19世紀せいきに1067mm軌間きかん鉄道てつどうもうつくられたが、のちに1435mmへあらため軌された。

1372mm(4フィート6インチ・「馬車ばしゃ軌間きかん」)

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1,372mm軌間きかん京王線けいおうせん

1,372 mm(4フィート6インチ)軌間きかんは、かつてスコットランド一部いちぶ採用さいようされていた[ちゅう 3] ため、英語えいごではスコッチ・ゲージScotch gauge)とばれる。

日本にっぽんでは東京とうきょうとその周辺しゅうへん一時いちじひろ採用さいようされたのにたいし、日本にっぽん国内こくないのみならず世界せかいてきても、東京とうきょう(とその周辺しゅうへん以外いがいでの使用しようれいがきわめてすくないことから、これを東京とうきょうゲージ鉄道てつどう史家しかもいる[21][22]

日本にっぽん国内こくないではその出自しゅつじから「馬車ばしゃ軌間きかん」ともばれ、標準軌ひょうじゅんききゅう国鉄こくてつ採用さいよう軌間きかんともちがうことや日本にっぽん使用しようされた線区せんく特殊とくしゅせいから、日本にっぽんでは「へん」・「変則へんそく軌道きどう」ともわれる。 →#日本にっぽん国内こくないの1372mm

欧州おうしゅう狭軌きょうき

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日本にっぽん狭軌きょうき

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日本にっぽんさんろく軌間きかん

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1,067mm軌間きかんのJRせん
1,067mm軌間きかん蒸気じょうき機関きかんしゃ杉並すぎなみ児童じどう交通こうつう公園こうえんD51

日本にっぽんで3ft6in軌間きかんさんろく軌間きかん)を選択せんたくした理由りゆうについて、「イギリスから植民しょくみんあつかいされていた」「やまおおいからきゅう曲線きょくせんつよい」というせつがしばしば提唱ていしょうされるがりょうせつともあながある。

前者ぜんしゃ標準軌ひょうじゅんきであるイギリス本土ほんどにおいても、1860年代ねんだい後半こうはんから1870年代ねんだい初頭しょとうにかけて新規しんき路線ろせんかぎらず既存きそん路線ろせん狭軌きょうきしたほう経済けいざいてき[ちゅう 4]というせつ提唱ていしょうされており、フェアリーしき関節かんせつしき機関きかんしゃ開発かいはつしゃであるロバート・フランシス・フェアリーは1870ねん9がつ英国えいこく学術がくじゅつ協会きょうかい会合かいごうで「西海岸にしかいがん本線ほんせんのLNWRの路線ろせんを4ft8in軌間きかんから3ft軌間きかんにしてもおな貨物かもつ輸送ゆそう可能かのう車両しゃりょう小型こがたできるぶんコストは半分はんぶんおさえられる。」というせつげている[23]

後者こうしゃについても、日本にっぽん路線ろせんきゅう曲線きょくせんきゅう勾配こうばいどころかむしろゆるやかで、1929ねん昭和しょうわ4ねん)の線路せんろ等級とうきゅう制定せいてい以前いぜん本線ほんせん一律いちりつ半径はんけい300 m以上いじょう勾配こうばいは25 ‰以下いか[ちゅう 5]等級とうきゅう制定せいていかぶとせんおなじ)であり、おな軌間きかんのノルウェーとみなみアフリカの最小さいしょう半径はんけいが150 mと100 mだが、日本にっぽん場合ばあいはこれはのちに制定せいていされた線路せんろ等級とうきゅうみとめられた一番いちばん程度ていどひく簡易かんいせん本線ほんせん半径はんけい160 m以上いじょう以下いかになる[ちゅう 6]。また、当初とうしょ導入どうにゅうされた機関きかんしゃノルウェークイーンズランドしゅう(オーストラリア)・ニュージーランドインドの3ft6in軌間きかん路線ろせんでは動輪どうりん直径ちょっけいが3ftほどなのにたいし、日本にっぽんは4ftから4ft6inとおおきく(機関きかんしゃ自体じたいおおきい)、さきしたがえいていても固定こていでホイールベースがながいことからもきゅう曲線きょくせん通過つうかのために狭軌きょうき採用さいようではないことがれる[24]

もっとも、以上いじょう数値すうち鉄道てつどう需要じゅよう先進せんしんこく上回うわまわるようになり設定せっていされた数値すうちである。明治めいじ 33 ねん制定せいてい建設けんせつ規程きていでは半径はんけいいかほどの曲線きょくせん通過つうかしうべきかについては明示めいじしていなかったが、線路せんろ最小さいしょう曲線きょくせん半径はんけいが 200 フィート (61m。テッサに附帯ふたい曲線きょくせん)以上いじょうとされているので、この程度ていど曲線きょくせん通過つうかしうるものとされた[25]機関きかんしゃは 18mm のスラックをゆうする半径はんけい100mの曲線きょくせん支障ししょうなく通過つうかすることがもとめられ[26]日本にっぽん最小さいしょう曲線きょくせん半径はんけいゆるやかどころか100m程度ていどちいさい[27]。9600かたちやD51を運用うんようしていた根室本線ねむろほんせんきゅうせんでは半径はんけい225.31m、181.05m、181.05m、最小さいしょう179.04mの連続れんぞくカーブが1966ねんしんせん開業かいぎょうまでのこっていた。[28][29] 勾配こうばいかんしても当初とうしょは25 ‰を目安めやすとして40‰までみとめられ、きゅう勾配こうばい輸送ゆそう隘路あいろとなると勾配こうばいゆるやかにするようになった経緯けいいがある[30]

イギリスもゲージほうで1,435mmが「標準ひょうじゅん」になりいち軌間きかん敷設ふせつみとめられなくなったが、日本にっぽんでは1900ねん明治めいじ33ねん)の私設しせつ鉄道てつどうほうだい40じょうに「軌間きかん特例とくれいのぞさんしゃくろくすんかぎる」と明記めいきされていた[ちゅう 7] ため、国鉄こくてつだけではなく私鉄してつふくめてこれにさだめられた1,067 mm軌間きかん日本にっぽん標準ひょうじゅんになったが、軌道きどうほう軌間きかん制限せいげんとくになかったため、とく近畿きんき地方ちほう私鉄してつではこれを拡大かくだい解釈かいしゃくして標準軌ひょうじゅんき専用せんよう軌道きどう敷設ふせつした路線ろせんがいくつもあったほか、東京とうきょうでも馬車ばしゃ鉄道てつどうから開業かいぎょうした東京とうきょう馬車ばしゃ鉄道てつどう現在げんざい東京とうきょう電車でんしゃ)などは1,372 mm軌間きかん後述こうじゅつ)であった。その軌間きかん以外いがい規制きせいきびしすぎたことで私鉄してつつくられなくなったため、1910ねん基準きじゅんゆる軽便鉄道けいべんてつどうほう施行しこうされ、これやこの後継こうけいたる地方ちほう鉄道てつどうほう(1919ねん)ではことなる軌間きかんみとめていたため、下限かげんの762 mm軌間きかん多数たすう)から標準軌ひょうじゅんきの1,435 mm軌間きかん新宮しんぐう軽便鉄道けいべんてつどう塩江しおのえ温泉おんせん鉄道てつどうなど)までのさまざまな軌間きかん建設けんせつされている。

なお、国鉄こくてつでは鉄道てつどういん時代じだい後藤ごとう新平しんぺい総裁そうさい指示しじしま安次郎やすじろうらによって標準軌ひょうじゅんきへのあらため軌の技術ぎじゅつてき検討けんとうもされたが、あらため軌はせまくするのは容易よういだがひろくするのはむずかしく[ちゅう 8]しま自身じしんもなるべくあらため軌中のゲージ分断ぶんだんによる悪影響あくえいきょうないように配慮はいりょするなどの具体ぐたいあん研究けんきゅうしたものの、膨大ぼうだい経費けいひかべ政党せいとうあいだ政争せいそうとなり、1919ねん原内はらうちかくによって路線ろせんもうひろげるほう優先ゆうせんけんぬしあらためしたがえ)、幹線かんせん輸送ゆそうりょく増大ぞうだい狭軌きょうきのまま補強ほきょう強度きょうど狭軌きょうき)するとされ、ここであらため軌の完全かんぜんたれた[31]日本にっぽんあらため軌論そう参照さんしょう)。また、この前後ぜんご日本にっぽん支配しはいしていた現在げんざい台湾たいわんでは、当時とうじ日本国にっぽんこく政府せいふにより鉄道てつどうもう構築こうちく台湾たいわん近代きんだいにおいてさい重要じゅうよう施策しさくとされ、狭軌きょうきによる鉄道てつどうもう構築こうちくされた。現在げんざいでも在来ざいらいせん狭軌きょうきのまま運用うんようされ有効ゆうこう活用かつようされている。

その未完みかんわったが既存きそん路線ろせん無関係むかんけい敷設ふせつされる弾丸だんがん列車れっしゃ計画けいかくにおいては車両しゃりょう限界げんかいじくじゅうなどのしがらみもなく[ちゅう 9][32]みなみ満州まんしゅう鉄道てつどうまんてつ)などのようなおおきな車両しゃりょう限界げんかいった標準軌ひょうじゅんき建設けんせつされる予定よていで、このながれをんだ戦後せんご新幹線しんかんせん計画けいかく国鉄こくてつはつとなる標準軌ひょうじゅんき建設けんせつされた。

日本にっぽんで1,067mm軌間きかん採用さいようするおも路線ろせんつぎとおり。

日本にっぽん国内こくないの1372mm

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日本にっぽん特殊とくしゅ狭軌きょうきせん

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762 mm軌間きかん内部ないぶ八王子はちおうじせん

日本にっぽんで1,067 mm未満みまん軌間きかん採用さいようしている路線ろせんで、現存げんそんするものにはつぎのものがある。

かつて存在そんざいした路線ろせん非常ひじょうおおく、だい世界せかい大戦たいせんなか不要ふよう不急ふきゅうせんとして廃止はいしされたもの、1960年代ねんだい前後ぜんご道路どうろ交通こうつう整備せいびにより役目やくめえて廃止はいしされたものがある。なお、国鉄こくてつ存在そんざいした特殊とくしゅ狭軌きょうきせんについては国鉄こくてつ特殊とくしゅ狭軌きょうきせん参照さんしょう

日本にっぽん国内こくない鉱山こうざんや、工事こうじ現場げんば使用しようされた手押ておしトロッコ軌間きかんおもに610 mmと508 mmであり、機関きかんしゃもちいた工事こうじよう軌道きどうは610 mmと762 mmがおおい。

日本にっぽんにおける狭軌きょうき保存ほぞん鉄道てつどう

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 弾丸だんがん鉄道てつどう計画けいかく」など
  2. ^ ぎゃく狭軌きょうきひろ道床どうしょう使つかうことも可能かのうである。
  3. ^ 1846ねんほう整備せいびによってブリテンとう軌間きかん標準軌ひょうじゅんき統一とういつされたため、スコットランドに1,372mm軌間きかん実用じつよう鉄道てつどう現存げんそんしていない。
  4. ^ 既存きそん客車きゃくしゃ貨車かしゃおおきすぎて重量じゅうりょう過多かたなため小型こがたしたほうがよく、技術ぎじゅつ革新かくしんによって狭軌きょうきでもこれに十分じゅうぶん機関きかんしゃ製造せいぞうできるようになっていた。
  5. ^ 国有こくゆう鉄道てつどう建設けんせつ規定きてい大正たいしょうじゅうねんじゅうがつじゅうよんにち)には、だいじゅうさんじょう本線ほんせんにおける曲線きょくせん最小さいしょう半径はんけいさんひゃくメートル以上いじょうたることをようす」、おなじくだいじゅうよんじょう本線ほんせんにおける勾配こうばいせんぶんじゅうよりきゅうならざることをようす」とある。(官報かんぽう1921ねん10がつ14にち』P.2国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクションより
  6. ^ 蒸気じょうき機関きかんしゃ200ねん』P148では「簡易かんいせん最小さいしょう半径はんけいが300m」とあるが「かぶとせん」の誤記ごき直径ちょっけい半径はんけいあやまりと判断はんだん
  7. ^ この制限せいげんは、あと政府せいふ私鉄してつげて国有こくゆう鉄道てつどう一体化いったいかすることを前提ぜんていとしていたからである。また、国有こくゆう鉄道てつどう狭軌きょうきであることから、貨物かもつ輸送ゆそうおこな場合ばあい貨車かしゃ直通ちょくつう不可能ふかのうになることをける目的もくてきもある。この法律ほうりつそのものは1900ねん明治めいじ33ねん施行しこうだが、1887ねん明治めいじ20ねん)の私設しせつ鉄道てつどう条例じょうれいにすでに私鉄してつ軌間きかんさんしゃくろくすん規定きてい説明せつめいがある
  8. ^ 短期間たんきかんひろげたれいとしては、みなみ満州まんしゅう鉄道てつどうまんてつ)の最初さいしょに1年間ねんかんで3ft6inを4ft8inにしたことはあるが、これは元々もともとロシアが5ft軌間きかんいた広軌こうきにち戦争せんそうちゅう日本にっぽん機関きかんしゃ使つかえるように軌間きかんが3ft6inになるようにレールを中央ちゅうおうにずらしてなおしたのをまたずらしたものであり、もとをたどるとむしろ狭軌きょうきである。
  9. ^ しまあらため軌論そうさいえがいた標準軌ひょうじゅんき機関きかんしゃ計画けいかくはイギリスの車両しゃりょう限界げんかい参考さんこうにしていたらしく、アメリカどころかヨーロッパ大陸たいりく機関きかんしゃくらべてもいちまわちいさく、じくじゅういたっては14.37 tと、強度きょうど狭軌きょうき日本にっぽん機関きかんしゃくらべてもひくい。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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