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速球そっきゅう

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直球ちょっきゅうから転送てんそう

速球そっきゅう(そっきゅう)は、野球やきゅう投手とうしゅげるたましゅのうちで球速きゅうそくはやいものをす。英語えいごではファストボール (fast ball)とばれる。

概要がいよう

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速球そっきゅう直進ちょくしんする速球そっきゅうと、球速きゅうそく直進ちょくしんする速球そっきゅうちかいながら左右さゆうがったりちるなど変化へんかする速球そっきゅうの2種類しゅるい大別たいべつできる。日本にっぽんにおいて前者ぜんしゃ直球ちょっきゅうストレート、アメリカではフォーシーム・ファストボールえい: four-seam fastballとうばれている。後者こうしゃ日本にっぽんにおいてくせたまばれ、さらにツーシーム・ファストボールえい: two-seam fastball)、カット・ファストボールえい: cut fastball) などに分類ぶんるいされている。

日本にっぽんでは伝統でんとうてきに、もっと落差らくさすくなく打者だしゃへの到達とうたつ時間じかんみじかたましゅであることから、変化へんかしないストレートが基本きほんになるたましゅとされていた。一方いっぽうアメリカでは速球そっきゅうたいし、打者だしゃ手元てもと変化へんかする「きたない」軌道きどうが「がたい」とされるなど球速きゅうそく威力いりょく重視じゅうしするようにかんがえられていた。

これが言葉ことば使つかわれかたとなっており、日本にっぽんにおいては速球そっきゅうという言葉ことばよりストレートという言葉ことばおお使つかわれ、基本きほんのストレートにたいし、シュートカットボールといった変化へんかする速球そっきゅうふくめた変化球へんかきゅうといった大別たいべつがなされるのにたいし、アメリカではファストボールとオフスピードボールという二分にぶんから分類ぶんるいはじまる。

日本にっぽんにおいて明確めいかく速球そっきゅうけは2000年代ねんだいころから認識にんしきされ、意図いとてき直進ちょくしんする速球そっきゅう直進ちょくしんしない速球そっきゅうける投手とうしゅ増加ぞうかしている。

種類しゅるい

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フォーシーム・ファストボール

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フォーシームのにぎりのれい(まえ)
フォーシームのにぎりのれい(よこ)

フォーシーム・ファストボールえい: Four-seam fastball)とは、日本にっぽん直球ちょっきゅう(ちょっきゅう)もしくはストレートなどとばれるたましゅ省略しょうりゃくしてフォーシームともばれる。

フォーシームとはきをあらわし、ボールが1しゅうスピンするあいだ (seam) のせんが4かい (four) 通過つうかし、マグヌス効果こうかによる揚力ようりょくをより効果こうかてきられるとされる。

人差ひとさゆび中指なかゆびならべ、ボールにある交差こうささせてにぎり、リリースさいにバックスピンをかけてげる。人差ひとさゆび中指なかゆびあいだ隙間すきまけるのが一般いっぱんてきで、隙間すきまけてにぎることで制球せいきゅう安定あんていしやすい。じてにぎるとつよ回転かいてんはかけやすいが、制球せいきゅう不安定ふあんていになりやすく、回転かいてんじく左右さゆうにブレやすい。

かくたましゅなかもっと球速きゅうそくがあり、たれがた基本きほんたましゅかんがえられているが、おな直球ちょっきゅうでも内角ないかく外角がいかく左右さゆう距離きょりかんたかめ・ひくめの高低こうてい使つかけたり、たましゅまじえることでたま軌道きどう球速きゅうそく利用りようして打者だしゃることが一般いっぱんてきで、こういった工夫くふうにより球速きゅうそくおそ投手とうしゅでも打者だしゃることができる。

純粋じゅんすいなバックスピンにちかく、スピンりょうおおいボールが理想りそうてきなフォーシーム・ファストボール(ストレート)であるとされる。これにちかたまをキレのあるたまび、とくにキレのあるたま球速きゅうそくはやいことにくわえて、マグヌス効果こうかによりたま重力じゅうりょくによる落下らっかとうほうくらずくなく、打者だしゃがボールのしたそらことを期待きたいできる。ロジャー・クレメンスランディ・ジョンソンマーク・プライアーらのげるものなど、とくがるかのような印象いんしょう打者だしゃあたえるものはライジング・ファストボール (えい: rising fastball) やマジック・ファストボール (えい: magic fastball)[1]ばれている。日本にっぽんでは、藤川ふじかわ球児きゅうじのフォーシーム・ファストボールががるような印象いんしょうからたまストレートなどばれる。

なお、っすぐとばれるが、投球とうきゅう動作どうさにより、どの投手とうしゅでもりょうはあるがシュート方向ほうこう変化へんかしている[注釈ちゅうしゃく 1]。サイドスローやアンダースロー投手とうしゅなどうで角度かくどひく投手とうしゅはそれが顕著けんちょで、ききて方向ほうこうたましず軌道きどうえが場合ばあいおおい。

直球ちょっきゅう投手とうしゅたましゅなかでも基本きほんちゅう基本きほんであるため、変化球へんかきゅう教則きょうそくほんなどでも「直球ちょっきゅうをまともにげられない投手とうしゅ変化球へんかきゅうげる資格しかくい」と注意ちゅうい喚起かんきされることがおおい。

ムービング・ファストボール

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ムービング・ファストボールえい: Moving fastball)とは、日本にっぽんむかしからくせたま(くせだま)とばれるたましゅ

はや球速きゅうそくちいさくするど変化へんかをすることから、バットのしんはずしてたせてりやすい。近年きんねんではフォーシーム・ファストボールと高速こうそくしたブレーキングボールでえられる場合ばあいおおい。

ツーシーム・ファストボール

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ツーシームのにぎりのれい

ツーシーム・ファストボールえい: Two-seam fastball)とは、ボールの (seam) が2かい (two) 通過つうかしてとうじられるたましゅ省略しょうりゃくしてツーシームファストツーシームともばれる。

フォーシームと同様どうようにツーシームもきをあらわ言葉ことばだが、おもたましゅあらわ言葉ことばとしてもちいられている[注釈ちゅうしゃく 2]日本にっぽんでは2000年代ねんだいになってフォーシーム・ファストボールと明確めいかく区別くべつされるようになった。

投球とうきゅう動作どうさはフォーシームとおなじだが、にぎったさいのボールのきはフォーシームをよこに90回転かいてんさせたきであり、バックスピンをけたときが1しゅうで2かい通過つうかするようににぎる。このようににぎりをえ、スピンじくえることで、もしくはゆびけないなど、ゆびかりにくいにぎりでげスピンりょう低下ていかさせることで、フォーシームにくら球速きゅうそくおおきくえないでシュート方向ほうこうげたり、しず軌道きどうとすることができる[2]。また、にぎさい親指おやゆびかたでスピンじく変化へんかさせよこがるかしずめるかの調整ちょうせいをする投手とうしゅもいる。

アメリカのメジャーリーグでは日本にっぽんプロ野球やきゅうのボールより変化へんかをさせやすい、リーグの過密かみつ日程にっていのため試合しあいではあさいカウントから凡打ぼんださそうことで投球とうきゅうすうらしたい、強打者きょうだしゃおおくフライ打球だきゅうたれることが危険きけんであるのにたい長打ちょうだ可能かのうせいひくいゴロ打球だきゅうたせやすいなどの理由りゆうから、1980年代ねんだいなかばから90年代ねんだい以降いこうひろ活用かつようされている。代表だいひょうてき使つかとしてはグレッグ・マダックスフェリックス・ヘルナンデスがいる[3]

ツーシームをにぎ位置いちのシームあいだはばは、メジャーリーグ公式こうしきだまはばは2センチだが、日本にっぽんプロ野球やきゅう公式こうしきだまは2.5センチというちがいがあり、このもツーシームの投球とうきゅう影響えいきょうする。2020ねんにメジャーリーグでサイ・ヤングしょう受賞じゅしょうし、2023ねんには日本にっぽん横浜よこはまDeNAベイスターズでもプレーしたトレバー・バウアーは、日本にっぽんではメジャーリーグ時代じだいくらべておもったようなツーシームの軌道きどうせないことからボールを調しらべ「一番いちばんおおきなちがいはツーシームのにぎりをしたときのシームとシームのはば。」「日本にっぽんほうすこひろいとかんじるので、それによってツーシームをげるさい空気くうき抵抗ていこうすこわってくる。」[4]結論けつろんし、このボール規格きかくちがいのためツーシームのかた調整ちょうせいようしたとかたっている。

とくしず軌道きどうのものをシンキング・ファストボールえい: sinking fastball)とぶ。これについて、アジアけん以外いがいではシンカーえい: sinker)とりゃくされてばれることがおおいが、日本にっぽんで「シンカー」とばれているたましゅまったべつのものである。

派生はせいとして、1ほんだけにゆびをかけてげるたましゅワンシーム[注釈ちゅうしゃく 3]・ファストボールえい: one-seam fastball)というもの存在そんざいし、平行へいこうゆびけるといったにぎりであるため握力あくりょく必要ひつようとなり、制球せいきゅうむずかしいが[5]、ツーシームとおな方向ほうこうおおきい変化へんかられる[6]ことから、ティム・ハドソンジョン・レスターザック・ブリットン日本人にっぽんじん選手せんしゅではダルビッシュゆう菅野かんの智之としゆき松坂まつさか大輔だいすけ金子かねこ千尋ちひろ山口やまぐちしゅん使用しようしている[7]

なお、日本にっぽん独自どくじもちいられてきたたましゅシュートとのちがいは曖昧あいまいであり、吉井よしいじんは、自分じぶんがMLB時代じだいげていたツーシームは日本にっぽん時代じだいげていたシュートのかたえただけ(シュートをげていたら同僚どうりょうに「マサトはツーシームをげるのか」とわれた)だとべている[8][注釈ちゅうしゃく 4]。また、西本にしもときよし川崎かわさき憲次けんじろうはテレビ番組ばんぐみNANDA!?」で自身じしんのシュートのかた披露ひろうしているが、どちらもツーシームとほぼおなにぎり(てのひらひらいた状態じょうたいからもどすことでシュート回転かいてんける)であり、西本にしもと説明せつめいした「ふかにぎってたて回転かいてんとしてしずませる」というかたはシンキングファストの理論りろんそのものである[出典しゅってん無効むこう]

また、やま﨑康あきら東浜ひがしはまきょ九里くのりはちす薮田やぶた和樹かずき中村なかむらみのるわたるといった、亜細亜大学あじあだいがく硬式こうしき野球やきゅう出身しゅっしん投手とうしゅらが「亜大あだいツーシーム」(あだいツーシーム)としょうするたまげているが[9][10]、これは先輩せんぱいである東浜ひがしはま本来ほんらいであれば「シンカー」としてげるたましゅ後輩こうはいらにおしえるさいに「ツーシーム」とあやまってつたえてしまったことによるものであり、とく山崎やまざき薮田やぶたとうじるものはスプリット・フィンガード・ファストボールにちか変化へんかをする。

カット・ファストボール

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カット・ファストボールえい: Cut fastball)とは、リリースにボールをようげるたましゅ。カットボール、っスラとも。また、アジアけん以外いがいではカッター(Cutter)とぶことがおおい。回転かいてんじくわずかにかたむくことで打者だしゃ手元てもとで、投手とうしゅのききうでぎゃく方向ほうこうちいさくするど変化へんかし、とくしゅぎゃく打席だせきはい打者だしゃまらせてたましゅとして使用しようされる。

スプリットフィンガー・ファストボール

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スプリットフィンガー・ファストボールえい: split-finger fastball)とは、フォークボールのなかでも高速こうそくたましゅ

打者だしゃ心理しんりあたえる様々さまざま表現ひょうげん工夫くふう

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野球やきゅう中継ちゅうけい解説かいせつなどで、投手とうしゅ直球ちょっきゅうたいして「たましつ」「球威きゅうい」「たまび」などと表現ひょうげんされることがある。これらは投球とうきゅうされたたま空気くうき抵抗ていこうやスピン(揚力ようりょく)による軌道きどう変化へんか、リリースポイントの遠近えんきんなどの投手とうしゅ投球とうきゅうフォームなどによって打者だしゃいだ印象いんしょうふか関係かんけいしている。

球速きゅうそく

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投球とうきゅうはやさのことで、スピードガンによる簡易かんい計測けいそく可能かのうなため、具体ぐたいてき数値すうちあらわされることがおおい。単純たんじゅん球速きゅうそくはやいほど、たまとらえることがむずかしくなり、到達とうたつ時間じかんみじかくなることから、打者だしゃ対応たいおうむずかしくなる。しかし、単純たんじゅん球速きゅうそくはやくても活躍かつやくできない投手とうしゅや、ぎゃく球速きゅうそくはなくとも活躍かつやくする投手とうしゅともおお存在そんざいし、たましゅ後述こうじゅつする要素ようそへの工夫くふうらすことによって打者だしゃっている場合ばあいおおい。

初速しょそくおわりそく

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球速きゅうそくはリリースポイントから捕手ほしゅミット到達とうたつするまでに空気くうき抵抗ていこうにより逓減ていげんする。そのりょう投球とうきゅう初速しょそくとスピンによって変化へんかする。初速しょそくはやいほど空気くうき抵抗ていこうえる。空気くうき抵抗ていこうによる投球とうきゅう減速げんそくりょうめる要素ようそPITCHf/xはじめとするトラッキングシステムにより解析かいせきされつつある。効果こうかとして、おな初速しょそくでも減速げんそくすくないたまほう相対そうたいてき体感たいかん速度そくどがるため、ちにくいたまであるとされるが、成績せいせきとの関連かんれんなどは研究けんきゅう途上とじょうである。

落差らくさ

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たま重力じゅうりょくにより放物線ほうぶつせんえがくが、先述せんじゅつのようにバックスピンをかけたたまマグヌス効果こうかにより上向うわむきの揚力ようりょくち、放物線ほうぶつせんからはなれた直線ちょくせんちか軌道きどうになる。打者だしゃは、投球とうきゅうがマウンドからホームプレートの投手とうしゅがわからおおよそ2ぶんの1から3ぶんの2ほどすすんだ時点じてんまでのたま挙動きょどうて、投手とうしゅなどとの対戦たいせんてきた経験けいけんから軌道きどう予測よそくし、それにわせてバッティングをおこなう。このとき投手とうしゅよりバックスピンのりょうおおい、スピンの角度かくど純粋じゅんすいなバックスピンにちかいなどで、その予測よそくよりもうえ通過つうかするとたまがったと錯覚さっかくする。

このようなたまを、「び」のあるたまぶ。また、直球ちょっきゅうにおいてはっきゅうの「れ(キレ)」も「び」と同義どうぎである。このようなたまは、打者だしゃのスイングするバットのうえをボールが通過つうかすることで空振からぶりをうばうことが出来できる、またバットのうわつらでボールをたたかせることによりポップフライをたせることが出来できるが、「び」が疲労ひろうなどによりにぶってしまったら、距離きょりやすいようにバットがたってしまい本塁打ほんるいだえてしまうという場合ばあいもある。

また、投球とうきゅうフォームの歩幅ほはばひろいなど工夫くふうをするなどでリリースポイントのひく投手とうしゅサイドスローアンダースローとうほうからげられる「び」のあるたまは、したからがってるのでこれも効果こうかてきがるように錯覚さっかくさせられる(ソフトボールのライズボールおな理屈りくつである)。

たま

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マウンドうえ投手とうしゅばんホームベースあいだ距離きょり公認こうにん野球やきゅう規則きそくにより18.44mとさだめられているが、実際じっさいには18.44mの距離きょりからたまはなたれず、投球とうきゅう動作どうさともないリリースポイントはホームベースりに近付ちかづくのが一般いっぱんてきである。リリースポイントが打者だしゃちかいほどボールの飛行ひこう距離きょり短縮たんしゅくされ、それによりリリースからはや打者だしゃ到達とうたつする。これを「たまち」がいと表現ひょうげんし、投手とうしゅすこしでもリリースポイントを打者だしゃりにするため、からだひらきをおさえ、たまながつようにするといった工夫くふうがなされる。より打者だしゃにリリースポイントを近付ちかづけるには基本きほんてき身長しんちょうたか手足てあしながほう有利ゆうりである。

ただし、リリースがはやいからといってかなら不利ふりということはなく、MLBでクローザーとして活躍かつやくした上原うえはらひろしはリリースが非常ひじょうはやい。上原うえはらNHK BS1番組ばんぐみたまえん』で取材しゅざいけた[注釈ちゅうしゃく 5]さいに「たまちはいいわるいではなくながみじかいで表現ひょうげんすべき」「たまちがみじかくても不利ふりになることはない」と持論じろんべている。

また、グラブや自身じしんからだ使つかう、からだひらきをおくらせるなどでリリースポイントをおそくまでえないようにすることにより、打者だしゃたまられるときあいだらし体感たいかん速度そくどげる、打者だしゃにタイミングをらせにくくすることも打者だしゃちにくくすることに有効ゆうこうである。このようなたま出処しゅっしょにくいことをメジャーリーグでは「スモーキー」などと[11]

角度かくど

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投手とうしゅはそのとうほう身長しんちょううでながさにより打者だしゃたいして高低こうてい、または左右さゆう角度かくどけたたまとうじることが出来できる。平均へいきんてき投手とうしゅよりリリースポイント角度かくどおおきいと、視界しかいさぶりや、高低こうてい場合ばあいバットのしたもぐむようにボールがはいってくるため[注釈ちゅうしゃく 6]メカニクスがくずれやすく、むずかしさをすことが出来できる。よりおおきい角度かくどをつけるためにはっきゅうちと同様どうよう長身ちょうしん手足てあしなが投手とうしゅ体格たいかくてき有利ゆうりで、高低こうていオーバースローかアンダースロー、左右さゆう角度かくどはサイドスローや投手とうしゅばん位置いち左右さゆう[注釈ちゅうしゃく 7]利用りようする投手とうしゅ一般いっぱんてき有利ゆうりである。げるうでたいかくのコースを直球ちょっきゅうクロスファイアぶことがある。前述ぜんじゅつたまちとはぎゃくに、リリースポイントをえてはやくすることで角度かくどおおきくしようとすることもある。

たましつ

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ふるくから日本にっぽんにおいて、打者だしゃ感覚かんかくとして、投球とうきゅうかえしたさい打球だきゅう距離きょり予想よそうよりもみじかく、もしくはながくなること、また、ったとき感覚かんかくが「おもい」「かるい」とかんじるたましつを「おもい」、「かるい」と形容けいようされることがある。ボールのおもさがわることは当然とうぜんないが、そのような感覚かんかくあたえる要因よういんとしては様々さまざませつ存在そんざいし、おもに、先述せんじゅつのスピンりょうによる落差らくさ変化へんかともな打球だきゅう傾向けいこうちがいによるせつたま回転かいてんすうおおいほど反発はんぱつりょくしてかるたまに、すくないとおもたまになるというせつがある。また、回転かいてんすくないたまは「ぼうだま(ぼうだま)」とばれ、やめされやすいたまとされることもある。あるいは、打者だしゃ自身じしんそんじなどに気付きづかずたましつのせいだとおもっているだけで、距離きょりおおきく左右さゆうするほどの影響えいきょうあたえるたま回転かいてんたましつ存在そんざいしないというせつもある。とくにツーシームやカットファストボールのように打者だしゃ手元てもと変化へんかするたましゅでは、しんはずしやすく打球だきゅうびないということがままある。また、しんはずされるとインパクトの衝撃しょうげきつたわることからおもかんじる。体重たいじゅうかる投手とうしゅげるたまかるいというせつもあり、体重たいじゅうおもくすることでたましつおもくしようとかんがえる投手とうしゅもいる[12]。これらのように回転かいてん距離きょりびる方向ほうこうにもちぢ方向ほうこうにも作用さようする可能かのうせいがあり、科学かがくてき検証けんしょうされつつあるが、いまだに様々さまざまかんがかた混在こんざいしている。日本にっぽん球界きゅうかいでも古田ふるたあつし実感じっかんしたことも意識いしきしたこともない、チームメイトの五十嵐いがらし亮太りょうたたまたましたときもバッティングのさいわらないとたましつ概念がいねん否定ひていしている[13]こんなみ隆博たかひろは、初速しょそくおわりそくすくないたまってまっておもかんじるのがおもたま正体しょうたいだとしており、たま回転かいてんすう物理ぶつりてきたましつ関係かんけいい(あっても微々びびたるもの)と主張しゅちょうしている。最初さいしょからしんはずしたとかったたりを打者だしゃは「おもい」とかんじることはないとも解説かいせつしている[14]

球威きゅうい

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球威きゅういとは「だま威力いりょく」で球速きゅうそくなどをあらわ言葉ことばだが定義ていぎ曖昧あいまいで、たまびがあり球速きゅうそく以上いじょう威力いりょくがあることをしめ場合ばあい球速きゅうそくたましつびなどの総合そうごうてき評価ひょうか場合ばあいもある。

最高さいこう球速きゅうそく

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速球そっきゅう球速きゅうそくはしばしば投手とうしゅ実力じつりょく評価ひょうかする指標しひょうひとつとなる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ナチュラルシュートしない、もしくはナチュラルカットとばれるわずかにスライダー方向ほうこう変化へんかする投手とうしゅ存在そんざいするが、ごくまれ存在そんざいである。
  2. ^ 「ツーシームのにぎりのスライダー」などといった使つかわれかたをする場合ばあいもある。
  3. ^ 回転かいてんするボールを真正面ましょうめんからたとき、たて方向ほうこう一本いっぽんだけえることが名前なまえ由来ゆらい実際じっさいには、は4かいあらわれるのでフォーシーム・ファストボールの一種いっしゅとされる。
  4. ^ 1992ねん公開こうかいアメリカ映画えいがミスター・ベースボール」の作中さくちゅうで、強打者きょうだしゃジャック・エリオットが日本にっぽん投手とうしゅのシュートによってられるシーンがあり、その影響えいきょうから日本語にほんご発音はつおんをそのまま英語えいご表記ひょうきした"shuuto"(shootballとも)という名称めいしょう使つかわれることもある。また、近年きんねんダルビッシュゆうだつ三振さんしんりつたかさから、アメリカの野球やきゅう評論ひょうろんジェイソン・パークスらはツーシームとはすこちがうとべており、"shuuto"にたいする関心かんしんせられている。
  5. ^ 2017ねん1がつ28にち放送ほうそうぶん。テーマは「たまち」。
  6. ^ ボールのうわつらはたき、ゴロになりやすくなる。
  7. ^ スライダー、げるうでたいかくのコースをく「クロスファイア」の角度かくどかしたい場合ばあい、プレートのげるうでがわ使つかうと有効ゆうこうである。一方いっぽう、シュートをかしたい場合ばあいやクロスファイア―の角度かくど負担ふたんになる投手とうしゅはプレートのグラブをはめるうでがわ使つかうと効果こうかてきであるとされる。どちらがいかは、投手とうしゅのフォームとたま投手とうしゅにとってのげやすさ、打者だしゃにとってのちにくさ、これらの優先ゆうせん順位じゅんい次第しだいわる。

出典しゅってん

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  1. ^ http://m.mlb.com/news/article/32669682/MLB News 2012ねん6がつ12にち
  2. ^ 高見たかみけいふとし みや嵜武 姫野ひめの龍太郎りゅうたろう バックスピンする球体きゅうたいはたらまけのマグナスりょく飛翔ひしょう実験じっけんによる測定そくてい - 2009ねん
  3. ^ 2010-11 MLB投手とうしゅ白書はくしょ だま種別しゅべつ解説かいせつ&データファイル 速球そっきゅう(4シーム&2シーム)『月刊げっかんスラッガー』2011ねん2がつごう日本スポにっぽんすぽツ企画出版社つきかくしゅっぱんしゃ雑誌ざっし15509-2、9ぺーじ
  4. ^ 細部さいぶにまでよくくバウアー アメリカとのちがいを意識いしきしながられた日本にっぽん長所ちょうしょとは”. スポーツナビ. 2023ねん10がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ 菅野かんの“ダル魔球まきゅう”ワンシームげた!初日しょにちから大器たいきへんりん sponichi annex 2013ねん1がつ7にち
  6. ^ 松坂まつさか、パワーピッチャーへ=あらたな武器ぶきワンシームを習得しゅうとく スポーツナビ 2010ねん7がつ27にち
  7. ^ ダル魔球まきゅう開幕かいまく「ワンシーム」ついに解禁かいきん nikkansports.com 2010ねん3がつ20日はつか
  8. ^ 『メジャー・リーグ変化球へんかきゅうバイブル』スボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、2010ねんISBN 978-4-583-61678-0 
  9. ^ 2015変化球へんかきゅう特集とくしゅう 山崎やまざきかんあきら(DeNA) “えるツーシーム”の秘密ひみつ”. 週刊しゅうかんベースボールONLINE. 2018ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  10. ^ SB東浜ひがしはま広島ひろしま薮田やぶた、DeNA山崎やまざき魔球まきゅう? 亜細亜大あじあだい出身しゅっしん投手とうしゅがCS席巻せっけん秘密ひみつ”. Number Web. 2018ねん3がつ21にち閲覧えつらん
  11. ^ 投手とうしゅろん』PHP研究所けんきゅうじょ、2013ねんISBN 978-4569810010 
  12. ^ 楽天らくてん永井ながい体重たいじゅう7キロぞうたましつ球威きゅうい
  13. ^ いストレート”ってなに斉藤さいとう五十嵐いがらし古田ふるたこたえは…【ピッチャーズバイブル】 フルタの方程式ほうていしき古田ふるたあつし公式こうしきチャンネル】 2021/08/27 (2021ねん8がつ30にち閲覧えつらん)
  14. ^ 「このピッチャーのたまおもい」←おもたまってなに本当ほんとうおもいの? こんなみ隆博たかひろのスポーツメンタルTV 2023/05/01 (2023ねん5がつ7にち閲覧えつらん)

外部がいぶリンク

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