鈴木すずき義男よしお

日本にっぽんの政治せいじ家か 鈴木すずき義男よしお すずき よしお
生年月日せいねんがっぴ	1894年ねん1月がつ17日にち
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん 福島ふくしま県けん西白河にししらかわ郡ぐん白河しらかわ町まち （現げん・福島ふくしま県けん白河しらかわ市し）
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1963-08-25) 1963年ねん8月がつ25日にち（69歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく卒業そつぎょう
前ぜん職しょく	弁護士べんごし
所属しょぞく政党せいとう	（日本にっぽん社会党しゃかいとう→） （右派うは社会党しゃかいとう→） （日本にっぽん社会党しゃかいとう→） 民主みんしゅ社会党しゃかいとう
初代しょだい・第だい2代だい 法務ほうむ総裁そうさい
内閣ないかく	片山かたやま内閣ないかく 芦田あしだ内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1948年ねん2月がつ15日にち - 1948年ねん10月15日にち
第だい48代だい 司法しほう大臣だいじん
内閣ないかく	片山かたやま内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1947年ねん6月1日にち - 1948年ねん2月がつ15日にち
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	（福島ふくしま県けん全県ぜんけん区く→） 旧きゅう福島ふくしま2区く
当選とうせん回数かいすう	7回かい
在任ざいにん期間きかん	1946年ねん - 1958年ねん4月がつ25日にち 1960年ねん11月20日にち - 1963年ねん8月がつ25日にち

鈴木すずき 義男よしお（すずき よしお、1894年ねん1月がつ17日にち - 1963年ねん8月がつ25日にち）は、日本にっぽんの政治せいじ家か、法学ほうがく者しゃ、弁護士べんごし。日本国にっぽんこく憲法けんぽうにおける生存せいぞん権けんの制定せいてい・平和へいわ主義しゅぎの誕生たんじょうに寄与きよした。

来歴らいれき

1894年ねん（明治めいじ27年ねん）1月がつ17日にちに福島ふくしま県けん西白河にししらかわ郡ぐん白河しらかわ町まちで生うまれる。その後ご、東北学院とうほくがくいん普通ふつう科かに進学しんがくし、同どう学校がっこうの第だい2代だい院長いんちょうのD.B.シュネーダーら宣教師せんきょうしたちからキリスト教きょうに基もとづく教育きょういくを受うけた。同校どうこう卒業そつぎょう後ごは、仙台せんだいの第だい二に高等こうとう学校がっこう（旧制きゅうせい二に高だか）に進学しんがくした。そして東京とうきょう帝国ていこく大学だいがくに進学しんがくし、美濃部みのべ達吉たつきち・吉野よしの作造さくぞう・牧野まきの英一ひでかずらのもとで学まなんだ。卒業そつぎょう後ごは同大どうだいの助手じょしゅを務つとめ、任期にんき満了まんりょう後ごの1921年ねん（大正たいしょう10）年ねんから2年ねん８ヶ月かげつにわたり、欧米おうべい留学りゅうがくに向むかった。帰国きこく直後ちょくごの1924年ねん（大正たいしょう13）年ねん3月がつより、東北とうほく帝国ていこく大学だいがく教授きょうじゅに就任しゅうにんした。同どう大学だいがくでは、行政ぎょうせい法ほう・社会しゃかい法ほうの講義こうぎを担当たんとうした。しかし、在任ざいにん中ちゅうに「軍事ぐんじ教育きょういく批判ひはん」に関かんする論考ろんこうを『河北かわきた新報しんぽう』に掲載けいさいしたことから当局とうきょくからにらまれ、1930年ねん（昭和しょうわ５）年ねん５月がつ、東北とうほく帝国ていこく大学だいがくを辞職じしょく。その直後ちょくごの６月がつ、東京とうきょうで弁護士べんごし事務所じむしょを開ひらき、弁護士べんごしに転身てんしんした。

弁護士べんごし時代じだいには、志賀しが暁子あきこ堕胎だたい事件じけん、帝人ていじん事件じけんの弁護べんごなどを担当たんとうしたほか、治安ちあん維持いじ法ほう違反いはん事件じけんの弁護べんごに尽力じんりょくした。鈴木すずきが弁護士べんごしした者ものは、河上かわかみ肇はじめ、山田やまだ盛もり太郎たろう、大内おおうち兵衛ひょうえ、鈴木すずき茂三郎しげさぶろう、美濃部みのべ亮吉りょうきち、宇野うの弘蔵こうぞう、有澤ありさわ廣ひろ巳み、宮本みやもと百合子ゆりこなどがいた。また、李り光ひかり洙ら修養しゅうよう同友会どうゆうかいの治安ちあん維持いじ法ほう違反いはんの弁護べんごも鈴木すずきが担当たんとうしている。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、日本にっぽん社会党しゃかいとうの結成けっせいに関かかわり憲法けんぽう草案そうあんの作成さくせいに関与かんよ。また、高野たかの岩三郎いわさぶろうが中心ちゅうしんとなって結成けっせいした「憲法けんぽう研究けんきゅう会かい」にも参加さんかし、憲法けんぽう草案そうあん作成さくせいに携たずさわる。1946年ねん衆議院しゅうぎいん選挙せんきょで福島ふくしま全県ぜんけん区くにて日本にっぽん社会党しゃかいとうより出馬しゅつば、初はつ当選とうせん。制憲せいけん議会ぎかいと言いわれた第だい90回かい帝国ていこく議会ぎかいで発足ほっそくした帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせい案あん委員いいん小しょう委員いいん会かい（委員いいん長ちょうが芦田あしだ均ひとしであったため「芦田あしだ小しょう委員いいん会かい」とも呼よばれる）では、日本にっぽん社会党しゃかいとうの代表だいひょう者しゃとして参加さんか。24人にんのメンバーからなり、秘密ひみつ会かいとして非公開ひこうかいで行おこなわれた小しょう委員いいん会かいの議論ぎろんでは、委員いいん長ちょうの芦田あしだの次つぎに発言はつげん回数かいすうが多おおかったという。

鈴木すずきが関与かんよした条文じょうぶんの多おおくは、GHQ草案そうあんなどにもなかったもので、特とくに日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい25条じょうの生存せいぞん権けん規定きてい成立せいりつには、鈴木すずき義男よしおの果はたした役割やくわりが大おおきかったことが最近さいきんの研究けんきゅうでも指摘してきされている。1946年ねん8月がつ1日にち、帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせい案あん小しょう委員いいん会かいの第だい7回かい審議しんぎにおいて、「それならば生存せいぞん権けんは最もっとも重要じゅうような人権じんけんです」という鈴木すずきの気迫きはくのこもった一言ひとことで、委員いいん会かいの流ながれが生存せいぞん権けん承認しょうにんの方向ほうこうに変かわった。

中ちゅう選挙せんきょ区く制せいでは福島ふくしま2区くに転てんじ、衆議院しゅうぎいん議員ぎいん7期き（所属しょぞく政党せいとうは日本にっぽん社会党しゃかいとう→社会党しゃかいとう右派うは→日本にっぽん社会党しゃかいとう→民主みんしゅ社会党しゃかいとう）。この間あいだ、1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）から1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）まで片山かたやま内閣ないかく・芦田あしだ内閣ないかくで司法しほう大臣だいじん・法務ほうむ総裁そうさいを務つとめた。その後ご、専修大学せんしゅうだいがく学長がくちょう・学校がっこう法人ほうじん専修大学せんしゅうだいがく理事りじ長ちょう・東北学院とうほくがくいん院長いんちょうにもなった。

1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）8月がつ25日にちに69歳さいで死去しきょ。葬儀そうぎは青山学院あおやまがくいん礼拝れいはい堂どうで行おこなわれた。

人物じんぶつ

• 歴史れきし学者がくしゃ油井ゆい大だい三郎さぶろうは孫まご。
• ギダンさんの愛称あいしょうで親したしまれた。
• 東北学院大学とうほくがくいんだいがくで、弁護士べんごし時代じだいの鈴木すずきの研究けんきゅうがされている。

帝国ていこく議会ぎかい・国会こっかいでの委員いいん

• 第だい90回かい帝国ていこく議会ぎかい衆議院しゅうぎいん帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせい小しょう委員いいん会かい委員いいん

著書ちょしょ

• 『二に色刷いろずり六法全書ろっぽうぜんしょ 参考さんこう条文じょうぶん加除かじょ自在じざい』監修かんしゅう　創造そうぞう社しゃ　1932　
• 『選挙せんきょ違反いはん刑罰けいばつの実例じつれい 量刑りょうけい研究けんきゅう資料しりょう』編へん　有斐閣ゆうひかく　1937　
• 『新しん憲法けんぽう読本とくほん』鱒ます書房しょぼう　1948
• 『新しん選擧せんきょ運動うんどうの解説かいせつ 政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうと改正かいせい選擧せんきょ法ほうについて』神谷かみや尚男ひさお・本田ほんだ正義まさよし共著きょうちょ　近代きんだい書房しょぼう　1948
• 『社会しゃかい主義しゅぎのおはなし』東京とうきょう教育きょういく研究所けんきゅうじょ　1954
• 『判例はんれい訴因そいん法ほう』横井よこい大だい三さん共著きょうちょ　日本にっぽん評論ひょうろん新しん社しゃ　1956　社会しゃかい科学かがく双書そうしょ

伝記でんき

• 鈴木すずき義男よしお伝記でんき刊行かんこう会かい編へん『鈴木すずき義男よしお』（鈴木すずき義男よしお伝記でんき刊行かんこう会かい、1964年ねん）

その他た

ドキュメンタリー

• ETV特集とくしゅう「義男よしおさんと憲法けんぽう誕生たんじょう」（2020年ねん5月がつ2日にち、NHK Eテレ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 東北学院とうほくがくいん資料しりょう室しつ運営うんえい委員いいん会かい「大正たいしょうデモクラシーと東北学院とうほくがくいん」調査ちょうさ委員いいん会かい編へん『大正たいしょうデモクラシーと東北学院とうほくがくいん－杉山すぎやま元治郎もとじろうと鈴木すずき義男よしお』（東北学院とうほくがくいん、2006年ねん）
• 仁昌ひとあき寺てら正一しょういち『平和へいわ憲法けんぽうをつくった男おとこ　鈴木すずき義男よしお』（筑摩書房ちくましょぼう、2023年ねん）

外部がいぶリンク

• 近代きんだい日本人にっぽんじんの肖像しょうぞう - 鈴木すずき義男よしお
• NHK ETV特集とくしゅう - 「義男よしおさんと憲法けんぽう誕生たんじょう」
• <社説しゃせつ>憲法けんぽう9条じょうを考かんがえる ギダンさんと「平和へいわ」条項じょうこう

関連かんれん項目こうもく

• 生存せいぞん権けん
• 勤労きんろうの義務ぎむ

その他たの役職やくしょく
先代せんだい 簗やな田でん𨥆次郎じろう	学校がっこう法人ほうじん専修大学せんしゅうだいがく理事りじ長ちょう 1952年ねん - 1953年ねん	次代じだい 川島かわしま正次まさつぐ郎ろう