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(208996) 2003 AZ84

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(208996) 2003 AZ84
(208996) 2003 AZ84とその衛星である可能性がある天体。2005年12月2日にハッブル宇宙望遠鏡によって画像化された。
(208996) 2003 AZ84とその衛星えいせいである可能かのう性せいがある天体てんたい。2005年ねん12月2日にちにハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによって画像がぞう化かされた。
仮かり符号ふごう・別名べつめい 2003 AZ84
見みかけの等級とうきゅう (mv) 20.3 (衝)[1]
分類ぶんるい TNO[2]・冥王星めいおうせい族ぞく[3]
発見はっけん
発見はっけん日び 2003年ねん1月がつ13日にち[2][4]
発見はっけん者しゃ チャドウィック・トルヒージョ[2][4]
マイケル・ブラウン[2][4]
発見はっけん場所ばしょ NEAT（パロマー天文台てんもんだい）[2][4]
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
元もと期き:2019年ねん4月がつ27日にち（JD 2458600.5）[2]
軌道きどうの種類しゅるい 楕円だえん軌道きどう
軌道きどう長ちょう半径はんけい (a) 39.362 au[2]
近日きんじつ点てん距離きょり (q) 32.170 au[2]
遠日点えんじつてん距離きょり (Q) 46.555 au[2]
離はなれ心しん率りつ (e) 0.183[2]
公転こうてん周期しゅうき (P) 246.96 年とし（90,202 日ひ）[2]
軌道きどう傾斜けいしゃ角かく (i) 13.596°[2]
近きん点てん引数ひきすう (ωおめが) 15.211°[2]
昇のぼり交点こうてん黄き経けい (Ωおめが) 252.202°[2]
平均へいきん近きん点てん角かく (M) 232.611°[2]
次回じかい近日きんじつ点てん通過つうか ≈ 2107年ねん3月がつ27 ± 2.2 日にち[5]
衛星えいせいの数かず 1（現在げんざいまで再さい確認かくにんはされず）[6][7][8][9]
物理ぶつり的てき性質せいしつ
直径ちょっけい (940±40)×(766±20)
×(490±16) km
(静水せいすい圧あつ平衡へいこうを想定そうていして導出どうしゅつ)[10]
平均へいきん直径ちょっけい 772±12 km (静水せいすい圧あつ平衡へいこうを想定そうてい)[10]
平均へいきん密度みつど 0.87±0.01 g/cm3 (静水せいすい圧あつ平衡へいこうを想定そうてい)[10]
自転じてん周期しゅうき 6.7874±0.0002 時間じかん[11]
絶対ぜったい等級とうきゅう (H) 3.760±0.058 (V)[11]
3.537±0.053 (R)[12]
アルベド（反射はんしゃ能のう） 0.097±0.009 (静水せいすい圧あつ平衡へいこうを想定そうてい)[10]
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

(208996) 2003 AZ84とは、衛星えいせいを持もつ可能かのう性せいがある太陽系たいようけい外縁がいえん天体てんたいである[6][9]。細長ほそながい形状けいじょうをしており、最もっとも長ながい部分ぶぶんは 940 km である[10]。冥王星めいおうせい族ぞく（その中なかで最大さいだいの天体てんたいである冥王星めいおうせいにちなんで名付なづけられた小惑星しょうわくせいのグループ）に属ぞくしており、海王星かいおうせいと2:3の軌道きどう共鳴きょうめいをしている共鳴きょうめい外縁がいえん天体てんたいである[3][13]。(208996) 2003 AZ84は、冥王星めいおうせいとオルクスに次ついで3番目ばんめに大おおきい既知きちの冥王星めいおうせい族ぞくである。2003年ねん1月がつ13日にち、パロマー天文台てんもんだいでサミュエル・オスキン望遠鏡ぼうえんきょうを用もちいて行おこなわれた地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせい追跡ついせき (NEAT) 計画けいかくでの観測かんそく中ちゅうに、アメリカの天文学てんもんがく者しゃチャドウィック・トルヒージョとマイケル・ブラウンによって発見はっけんされた[14]。

(208996) 2003 AZ84は細長ほそながい形状けいじょうであるが、自転じてん軸じくがほぼ極上ごくじょうに向むけられているため、小ちいさな光度こうど曲線きょくせんの振幅しんぷくを示しめしている。その変動へんどうは主おもに表面ひょうめんのアルベドの特徴とくちょうによって引ひき起おこされる[11][10]。

天文学てんもんがく者しゃのゴンサロ・タンクレディとマイケル・ブラウンによって、準じゅん惑星わくせいである可能かのう性せいが非常ひじょうに高たかいと考かんがえられている[15][16]。ただし、Will M. Grundyらは、このような天体てんたいはサイズの範囲はんいが400~1000kmで、アルベドが約やく 0.2 未満みまん、密度みつどが 1.2 g/cm3 以下いかの場合ばあい、完全かんぜんに固体こたいに圧縮あっしゅくされることはなく、静水せいすい圧あつ平衡へいこうへの崩壊ほうかいもないとされ、準じゅん惑星わくせいである可能かのう性せいは非常ひじょうに低ひくいと結論けつろん付つけている[17]。

物理ぶつり的てき特性とくせい

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スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうは(208996) 2003 AZ84のサイズを686±96kmと推定すいていしたが[18]、スピッツァーとハーシェルのデータの組くみ合あわせの分析ぶんせきは、727.0+61.9
−66.5 km のわずかに高たかい推定すいてい値ちをもたらした[19]。これらの結果けっかは互たがいに一致いっちしている[注釈ちゅうしゃく 1]。(208996) 2003 AZ84のサイズが大おおきいため、準じゅん惑星わくせいの可能かのう性せいがある。ただし、静水せいすい圧あつ平衡へいこうにないと仮定かていした結果けっかとして生しょうじる低てい密度みつどは、反対はんたいのことを示唆しさしている。衛星えいせいが回収かいしゅうされていないため、質量しつりょうは不明ふめいである[9]。

2010年ねんの恒星こうせい食しょくは、単一たんいつの恒星こうせいの前まえを横切よこぎる 573 ± 21 km の線せんを測定そくていした。しかし、その線せんが恒星こうせいの中心ちゅうしんを通過つうかしていない可能かのう性せいがあるため、これは(208996) 2003 AZ84の直径ちょっけいの下限かげんにすぎない[21]。2014年ねん11月15日にちには日本にっぽん、中国ちゅうごく、タイの三さんヶ所かしょで恒星こうせい食しょくが観測かんそくされ、概算がいさんで833×576kmの楕円だえん形状けいじょうが得えられた[22]。

2017年ねん、恒星こうせい食しょくとその光度こうど曲線きょくせんからのデータは、(208996) 2003 AZ84がハウメアやヴァルナと同様どうように、おそらく6.71時じ間あいだの急速きゅうそくな自転じてん速度そくどのために細長ほそながい形状けいじょうをしていることを示唆しさした[10]。これにより、(208996) 2003 AZ84のおよその寸法すんぽうは940×766×490kmになり、最長さいちょうの長ながさは最短さいたんの長ながさのほぼ2倍ばいになる。

(208996) 2003 AZ84のスペクトルと色いろは、海王星かいおうせいと2：3の共鳴きょうめいを持もつもう1つの大おおきな天体てんたいであるオルクスのものと非常ひじょうに似にている。(208996) 2003 AZ84のアルベドは低ひくいが、両方りょうほうの天体てんたいは、近赤外線きんせきがいせんの可視かしおよび適度てきどに強つよい水みず・氷こおりの吸収きゅうしゅう帯たいに平坦へいたんな特徴とくちょうのないスペクトルを持もっている。両方りょうほうの天体てんたいはまた、2.3μみゅーm付近ふきんに弱よわい吸収きゅうしゅう帯たいを持もっている。これは、アンモニアハイドレートまたはメタンの氷こおりによって引ひき起おこされる可能かのう性せいがある[23]。

軌道きどうと自転じてん

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(208996) 2003 AZ84は、平均へいきん距離きょり39.4天文てんもん単位たんい（au）で太陽たいようの周囲しゅういを公転こうてんし、公転こうてん周期しゅうきは247年ねんである[2]。海王星かいおうせいと2:3の軌道きどう共鳴きょうめいをしている。つまり、海王星かいおうせいが太陽たいようの周囲しゅういを3周しゅうするごとに、(208996) 2003 AZ84は太陽たいようの周囲しゅういを2周しゅうする[13]。そのような関係かんけいにより、(208996) 2003 AZ84は冥王星めいおうせい族ぞくに分類ぶんるいされている[13]。その軌道きどうは黄道こうどうに対たいして 13.6 度ど傾かたむいている[2]。(208996) 2003 AZ84の軌道きどうは離はなれ心しん率りつが比較的ひかくてき高たかく、その値ねは 0.183 である[2]。2019年ねん7月がつの時点じてんで、(208996) 2003 AZ84は太陽たいようから44.43天文てんもん単位たんい (6.647×109 km)離はなれた位置いちに存在そんざいする[1]。1982年ねんに遠日点えんじつてん（太陽たいようから最もっとも遠とおい距離きょり）に近ちかづき[24]、2107年ねんに近日きんじつ点てん（太陽たいように最もっとも近ちかい距離きょり）に到達とうたつするとみられる[2]。Deep Ecliptic Survey（DES）によるシミュレーションによると、(208996) 2003 AZ84は、今後こんご1000万まん年ねんにわたって、太陽たいようから31.6天文てんもん単位たんいより近ちかい距離きょりになることはない（常つねに海王星かいおうせいよりも遠とおい距離きょりである）[3]。

(208996) 2003 AZ84の自転じてん周期しゅうきは、2003年ねんにスコット・S・シェパードによって最初さいしょに測定そくていされた。ハワイ大学はわいだいがくの2.2m望遠鏡ぼうえんきょうで得えられた光度こうど曲線きょくせんは、明あかるさの変動へんどうが0.14等級とうきゅうで、6.71時じ間あいだまたは13.42時じ間あいだのあいまいな自転じてん周期しゅうきを示しめした[25][26]。

(208996) 2003 AZ84（黄色おうしょく）と他たの冥王星めいおうせい族ぞくの軌道きどう。
冥王星めいおうせいと海王星かいおうせいの軌道きどうと比較ひかくした(208996) 2003 AZ84（青色あおいろ）の軌道きどう。

衛星えいせい

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ハッブル宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによる観測かんそくで、(208996) 2003 AZ84の衛星えいせいの発見はっけんが2007年ねん2月がつ22日にちにIAUC 8812で報告ほうこくされた[8][6][27]。衛星えいせいは0.22秒びょう角かくの間隔かんかくと5.0の見みかけの等級とうきゅう差さで観測かんそくされた[6]。2012年ねんの時点じてんで、衛星えいせいを再ふたたび観測かんそくする試こころみは失敗しっぱいした[9]。衛星えいせいの直径ちょっけいは約やく72±12kmと推定すいていされている[7][8]。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ハーシェルによる(208996) 2003 AZ84の以前いぜんの観測かんそく結果けっかは、2010年ねんに報告ほうこくされた。それらは、chop/nod手法しゅほうを使用しようして910±60 kmという値ねが得えられた[20]。この違ちがいは、(208996) 2003 AZ84の大おおきな光度こうど曲線きょくせんの振幅しんぷくと、2010年ねんにそれからの放射ほうしゃが特定とくていの時間じかんに測定そくていされたのに対たいし、2012年ねんの決定けっていは時間じかんの平均へいきんデータで測定そくていされたことに由来ゆらいする[19]。

出典しゅってん

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外部がいぶリンク

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関連かんれん項目こうもく

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小惑星しょうわくせい帯たい
IAU
候補こうほ

ケンタウルス族ぞく
候補こうほ
冥王星めいおうせい族ぞく
IAU
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トゥーティノ族ぞく
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散乱さんらん円盤えんばん天体てんたい
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分離ぶんり天体てんたい
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