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トリトン (衛星) - Wikipedia コンテンツにスキップ

トリトン (衛星えいせい)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
トリトン
Triton
探査機ボイジャー2号が撮影した全球投影画像(1989年)
探査たんさボイジャー2ごう撮影さつえいしたぜんたま投影とうえい画像がぞう(1989ねん
かり符号ふごう別名べつめい Neptune I
かけの等級とうきゅう (mv) 13.54[1]
分類ぶんるい 海王星かいおうせい衛星えいせい不規則ふきそく衛星えいせい
発見はっけん
発見はっけん 1846ねん10がつ10日とおか
(177ねんまえ)
 (1846-10-10)[2]
発見はっけんしゃ ウィリアム・ラッセル[2]
発見はっけん方法ほうほう イギリスの旗 イギリス
リヴァプール[2]
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
軌道きどう種類しゅるい 逆行ぎゃっこう軌道きどう
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 354,759 km[3][4]
はなれしんりつ (e) 0.000016[5]
公転こうてん周期しゅうき (P) 5.87654 [5][6]
平均へいきん軌道きどう速度そくど 4.39 km/s
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 129.812°黄道こうどうめんたいして)
156.8650°[4]
海王星かいおうせい赤道せきどうたいして)
129.608°海王星かいおうせい軌道きどうめんたいして)
きんてん引数ひきすう (ωおめが) 66.142°[3]
のぼり交点こうてんけい (Ωおめが) 177.6075°[4]
平均へいきんきんてんかく (M) 352.257°[3]
海王星かいおうせい衛星えいせい
物理ぶつりてき性質せいしつ
赤道あかみちめんでの直径ちょっけい 2706.8 km
半径はんけい 1,353.4 ± 0.9 km[1]
表面積ひょうめんせき 2.3018×107 km2[ちゅう 1]
体積たいせき 1.0384×1010 km3[ちゅう 2]
質量しつりょう 2.14×1022 kg[ちゅう 3]
平均へいきん密度みつど 2.059 ± 0.005 g/cm3[1]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 0.779 m/s2
(0.0795 g[ちゅう 4]
脱出だっしゅつ速度そくど 1.455 km/s[ちゅう 5]
自転じてん周期しゅうき 5にち21あいだ2ふん53びょう
公転こうてん同期どうき[7]
絶対ぜったい等級とうきゅう (H) -1.2[8]
アルベド反射はんしゃのう 0.719[1]
赤道あかみち傾斜けいしゃかく
表面ひょうめん温度おんど 38 K[7]
(-235.2
大気たいき性質せいしつ
大気たいきあつ 1.4 - 1.9 Pa[7]
地球ちきゅうじょう気圧きあつの70,000ぶんの1)[10]
大気たいき組成そせい 窒素ちっそメタン少量しょうりょう[9]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

トリトン[11][12]英語えいご: Triton, Neptune I)は、海王星かいおうせい最大さいだい自然しぜん衛星えいせいで、海王星かいおうせい発見はっけんされたはじめての衛星えいせいである。1846ねん10がつ10日とおかイギリス天文学てんもんがくしゃであるウィリアム・ラッセルによって発見はっけんされた。太陽系たいようけいうち大型おおがた衛星えいせいなかでは唯一ゆいいつしゅ惑星わくせい自転じてん方向ほうこうたいしてぎゃく方向ほうこう公転こうてんする逆行ぎゃっこう軌道きどう[6][13][14]直径ちょっけいは 2,710 km[1]太陽系たいようけい衛星えいせいなかでは7番目ばんめおおきい。その逆行ぎゃっこう軌道きどうと、冥王星めいおうせい組成そせいであることから、トリトンはエッジワース・カイパーベルトかららえられたじゅん惑星わくせい規模きぼ天体てんたいであったとかんがえられている[15]。トリトンは、こおった窒素ちっそ表面ひょうめんと、おもみずこおりから地殻ちかくマントル[16]岩石がんせき金属きんぞくからなるおおきなかくっており、そう質量しつりょうやく3ぶんの2をめている。平均へいきん密度みつどは 2.059 g/cm3[1]で、これは組成そせいやく15~35%がこおりであることを反映はんえいしている[7]

トリトンは地質ちしつがくてき活動かつどうしていることがられている数少かずすくない太陽系たいようけいない衛星えいせいひとつである(には木星もくせいイオエウロパ土星どせいエンケラドゥスタイタンがある)。その結果けっか表面ひょうめん比較的ひかくてきわかく、明確めいかくクレーターはほとんどられない。こおり火山かざんテクトニクスといった地形ちけい存在そんざいは、複雑ふくざつ地質ちしつがくてき変遷へんせん示唆しさしている。その表面ひょうめん一部いちぶには昇華しょうかした窒素ちっそガスを噴出ふんしゅつする間欠泉かんけつせんゆうしており、地球ちきゅう海面かいめんじょうでの気圧きあつの70,000ぶんの1に相当そうとうするうす窒素ちっそ大気たいき関与かんよしている[7]

トリトンは1846ねん10がつ10日とおかにイギリスの天文学てんもんがくしゃウィリアム・ラッセルによって発見はっけんされ[17]、これは海王星かいおうせい発見はっけんから17にちのことであった。かれ自身じしん製作せいさくした口径こうけい61cm の望遠鏡ぼうえんきょうもちいてトリトンを発見はっけんした。

1820ねんジョン・ハーシェル海王星かいおうせい発見はっけんらせをけたとき、ラッセルに存在そんざいする可能かのうせいのある衛星えいせい探索たんさくするよう手紙てがみいて提案ていあんした。ラッセルはそれにおうじ、その8にちにトリトンを発見はっけんした[17][18]。ラッセルは当時とうじたまき発見はっけんしたと報告ほうこくしたが、観測かんそくたまきはとてもかすかでくらいということがわかったため、ラッセルが実際じっさいたまき観測かんそくしたかどうかはうたがわしい[19]

トリトンはポセイドーンローマ神話しんわではネプトゥーヌス相当そうとうするギリシャ神話しんわかみ)の息子むすこである、うみかみトリートーンΤρίτων)にちなんで命名めいめいされている[13]。この名称めいしょうカミーユ・フラマリオンによって1880ねん出版しゅっぱんされた書籍しょせきである、Astronomie Populaireはじめて提案ていあんされ[20]すうじゅうねん正式せいしき採択さいたくされた[21]。1949ねんだい2衛星えいせいネレイド発見はっけんされるまで、トリトンは一般いっぱんてきに「海王星かいおうせい衛星えいせい」とばれていた。ラッセルは自分じぶん自身じしん発見はっけんした衛星えいせい名称めいしょうをつけず、のちかれ発見はっけんした土星どせいだい8衛星えいせい名称めいしょうとして、以前いぜんにジョン・ハーシェルがえらんだヒペリオン使用しようすることを成功裏せいこうり提案ていあんした[22]

軌道きどう自転じてん

[編集へんしゅう]
トリトンの軌道きどうあかせん)は海王星かいおうせい赤道せきどうめん公転こうてんする典型てんけいてき衛星えいせい軌道きどうみどりせん)とくらべて、公転こうてん方向ほうこうぎゃく157かたむいている

トリトンは、太陽系たいようけいにあるすべての大型おおがた衛星えいせいなか唯一ゆいいつ逆行ぎゃっこう軌道きどう公転こうてん、すなわち、しゅ惑星わくせい自転じてん方向ほうこうぎゃくきに公転こうてんしている。木星もくせい土星どせい外側そとがわ公転こうてんするほとんどの不規則ふきそく衛星えいせい天王星てんのうせい外側そとがわ公転こうてんするいくつかの衛星えいせい逆行ぎゃっこう軌道きどうつ。しかし、これらの衛星えいせいしゅ惑星わくせいからはるかとおくにはなれており、おおきさもちいさい。そのなか最大さいだいのもの(フェーベ[ちゅう 6]でも、トリトンの直径ちょっけいのわずか8%(質量しつりょうだと0.03%)しかない。

トリトンの軌道きどうには、海王星かいおうせい軌道きどうたいする海王星かいおうせい自転じてんじくかたむ30と、海王星かいおうせい自転じてんたいするトリトンの軌道きどう傾斜けいしゃかく157(90えていれば逆行ぎゃっこう軌道きどうであることをしめす)の2つの傾斜けいしゃかかわっている。トリトンの軌道きどうは、海王星かいおうせい自転じてんたいして678地球ちきゅうねん(4.1海王星かいおうせいねん)の周期しゅうきとし運動うんどうこしており[3][4]海王星かいおうせい軌道きどうたいする相対そうたいてき軌道きどうかたむきは127から180まで変化へんかし、過去かこには173たっしたこともあった。現在げんざいは130になっており、トリトンの軌道きどう現在げんざい海王星かいおうせい軌道きどうめんからもっとはなれた状態じょうたい近付ちかづいていることになる。

トリトンの自転じてん公転こうてん同期どうきするように潮汐ちょうせき固定こていされており、つねおなめん海王星かいおうせいけている。トリトンの赤道せきどうはその軌道きどうめんとほぼ一致いっちしている[23]。トリトンの自転じてんじく海王星かいおうせい軌道きどうめんからやく40かたむいているため、海王星かいおうせい軌道きどうじょうのある地点ちてんにいるあいだ天王星てんのうせい両極りょうきょくとほぼおなじくトリトンのどちらかのきょく太陽たいよう非常ひじょうちか方向ほうこうくようになる。海王星かいおうせい軌道きどう公転こうてんするにつれて、トリトンのきょくいき太陽たいよう方向ほうこうくようになり、それぞれのきょくわるわる太陽光たいようこうすというぶし変化へんかしょうじる。このような変化へんかは、2010ねん観測かんそくされた[24]

海王星かいおうせいまわりにおけるトリトンの公転こうてん運動うんどうはほぼ完全かんぜん円形えんけいであり、はなれしんりつはゼロにちかい。潮汐ちょうせきによるねば弾性だんせい減衰げんすいだけでは、海王星かいおうせいけい形成けいせいから現在げんざいまでのあいだにトリトンの軌道きどう円形えんけいすることはできないとかんがえられており、順行じゅんこうするデブリ円盤えんばん英語えいごばんからのガス抗力こうりょく重要じゅうよう役割やくわりたしているとされている[4]潮汐ちょうせきりょく作用さようはまた、トリトンの公転こうてんにブレーキをかけ、地球ちきゅうから徐々じょじょとおざかっているつきよりもちか位置いちにあるトリトンを海王星かいおうせい接近せっきんさせてもいる[25]予測よそくでは、いまから36おくねんにはトリトンは海王星かいおうせいロッシュ限界げんかいより内側うちがわとおるようになる。これにより、トリトンは海王星かいおうせい大気たいき落下らっかするか、あるいは粉砕ふんさいされて土星どせいたまきあらたなたまき形成けいせいされるだろう[25]

捕獲ほかく

[編集へんしゅう]
トリトンの起源きげんかんがえられている、太陽系たいようけい外縁がいえんにあるカイパーベルトみどり

逆行ぎゃっこう軌道きどう衛星えいせいは、その衛星えいせい公転こうてんするしゅ惑星わくせいまわりで形成けいせいされたデブリ円盤えんばんから形成けいせいされることはないため、トリトンは領域りょういきから捕獲ほかくされた天体てんたいであるとされている。太陽たいようからやく 50 au はなれた位置いちにある、ちいさなこおり天体てんたいからなるリングじょう領域りょういきエッジワース・カイパーベルト(カイパーベルト)がトリトンの起源きげんかもしれない[15]地球ちきゅう観測かんそくされるたん周期しゅうき彗星すいせいだい部分ぶぶん起源きげんであるカイパーベルトには、冥王星めいおうせいふく惑星わくせいサイズの天体てんたいがいくつか存在そんざいしている。これらは現在げんざい海王星かいおうせい軌道きどう共鳴きょうめい状態じょうたいにあるカイパーベルトのなかもっとおおきな天体てんたい冥王星めいおうせいぞく)であると認識にんしきされている。トリトンは冥王星めいおうせいよりもわずかにおおきいだけで、組成そせいもほぼおなじであるため、両者りょうしゃおな起源きげん共有きょうゆうしているという仮説かせつみちびかれている[26]

トリトンが捕獲ほかくによって衛星えいせいになったという仮説かせつは、海王星かいおうせい衛星えいせいネレイドの極端きょくたん楕円だえん軌道きどうや、海王星かいおうせい巨大きょだいガス惑星わくせいよりも衛星えいせいかずすくないことなどの、海王星かいおうせいけいのいくつかの特徴とくちょう説明せつめいできるかもしれない。初期しょきのトリトンの楕円だえん軌道きどうは、不規則ふきそく衛星えいせい軌道きどう横断おうだんし、よりちいさな規則きそく衛星えいせい軌道きどう摂動せつどうあたえ、重力じゅうりょく相互そうご作用さようによってそれらを分散ぶんさんさせただろう[4]

捕獲ほかくされたトリトンの楕円だえん軌道きどうはまた、内部ないぶ潮汐ちょうせき加熱かねつこし、10おく年間ねんかんわたってトリトンの内部ないぶ流体りゅうたい存在そんざいさせることができた。この推論すいろんはトリトンの内部ないぶ分化ぶんかしているという証拠しょうこによって裏付うらづけられている。この内部ないぶ熱源ねつげん潮汐ちょうせき固定こてい軌道きどう円形えんけいともなって消滅しょうめつした[27]

トリトンの捕獲ほかくについては2種類しゅるいのメカニズムが提案ていあんされている。惑星わくせい重力じゅうりょくによってらえられるためには、通過つうかする天体てんたい離脱りだつ必要ひつよう速度そくどよりも低速ていそくになるために十分じゅうぶんなエネルギーをうしなわなければいけない。初期しょき理論りろんでは、トリトンは天体てんたい衝突しょうとつしたことによって減速げんそくしたとかんがえられた。その天体てんたい偶然ぐうぜん海王星かいおうせい通過つうかした天体てんたいか (ただし可能かのうせいひくい)、もしくは海王星かいおうせいまわりを公転こうてんする衛星えいせい原始げんし衛星えいせい(このほう現実げんじつてき)であったとされている[7]最近さいきん仮説かせつでは、トリトンは捕獲ほかくされるまえれんぼしじゅう惑星わくせいじゅう小惑星しょうわくせい)の一部いちぶであったことが示唆しさされている。この仮説かせつでは、れんぼし海王星かいおうせい接近せっきんしたさい重力じゅうりょく相互そうご作用さようによってれんほしけい破壊はかいされ、れんぼし片方かたがたはじばされ、もう片方かたがたのトリトンは海王星かいおうせいらえられたとされる。この現象げんしょうはもう片方かたがた天体てんたい質量しつりょうおおきいとより発生はっせいしうる[15]火星かせい衛星えいせい捕獲ほかくについても同様どうようのメカニズムが提案ていあんされている[28]。この仮説かせつは、おおきなカイパーベルト天体てんたい一般いっぱんてきれんぼししていることなどの、いくつかの証拠しょうこによって支持しじされている[29][30]。この捕獲ほかく現象げんしょう短期間たんきかんでしかしおだやかに発生はっせいしたため、トリトンの衝突しょうとつ破壊はかいふせいだとされている。この現象げんしょうは、海王星かいおうせい形成けいせいや、その外側そとがわへの移動いどうきていたあいだ一般いっぱんてききていたかもしれない[15]

しかし2017ねんおこなわれたシミュレーションでは、トリトンが捕獲ほかくされたのち軌道きどうはなれしんりつちいさくなるまえすくなくとも1個いっこほか衛星えいせい衝突しょうとつし、衛星えいせい同士どうし衝突しょうとつこしたことがしめされた[31][32]

物理ぶつりてき特徴とくちょう

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トリトンは海王星かいおうせい衛星えいせいけいなかでも卓越たくえつしており、ぜん質量しつりょうの99.5%をめている。この均衡きんこうせいは、トリトンが捕獲ほかくされたのち元々もともと海王星かいおうせい公転こうてんしていた衛星えいせいおおくを排除はいじょしたことを反映はんえいしているかもしれない[3][4]
トリトン(左下ひだりした)とつき左上ひだりうえ)、地球ちきゅうみぎ)のおおきさの比較ひかく

トリトンは、太陽系たいようけいで7番目ばんめおおきな衛星えいせいで、天体てんたい全体ぜんたいでも16番目ばんめおおきくじゅん惑星わくせい冥王星めいおうせいエリスよりもわずかにおおきい。海王星かいおうせいたまきとそのの13衛星えいせいふくむ、海王星かいおうせい周回しゅうかい軌道きどうじょうにある物体ぶったいぜん質量しつりょうの99.5%以上いじょうめており[ちゅう 7]太陽系たいようけいないられているトリトンよりちいさな衛星えいせいぜん質量しつりょうよりもおおきい[ちゅう 8]。また直径ちょっけい海王星かいおうせいの5.5%であり、巨大きょだいガス惑星わくせい衛星えいせいなかではそのしゅ惑星わくせいたいするおおきさはもっとおおきいが、質量しつりょう比較ひかくでは土星どせい衛星えいせいタイタンほうおおきい。冥王星めいおうせい半径はんけい密度みつど (2.059 g/cm3)、温度おんどそして化学かがく組成そせい[33]

トリトンの表面ひょうめんやきなましされた固体こたい窒素ちっそ透明とうめいそうおおわれている。観測かんそくされ研究けんきゅうおこなわれているのはトリトンの表面ひょうめんの40%のみだが、その表面ひょうめん全体ぜんたい窒素ちっそこおりでできたうすいシートでおおわれている可能かのうせいがある。冥王星めいおうせいおなじように、トリトンの地殻ちかくの55%は窒素ちっそこおりで、そこにそのこおりざったものになっている。みずこおりは15~35%、凍結とうけつした二酸化炭素にさんかたんそドライアイス)がのこりの10~20%をめているが、0.1%のメタンや、0.05%の一酸化いっさんか炭素たんそふくこおり少量しょうりょう存在そんざいしている[7]リソスフェアアンモニアみず和物あえもの兆候ちょうこうられるため、表面ひょうめんにアンモニアのこおり存在そんざいする可能かのうせいしめされている[34]。トリトンの平均へいきん密度みつどは、組成そせいやく30~45%がこおりで、のこりは岩石がんせきであることを示唆しさしている[7]表面積ひょうめんせきは2,300まんkm2で、地球ちきゅう全体ぜんたいの4.5%、陸地りくちのみに限定げんていするとその15.5%に相当そうとうする。トリトンはかなりたかアルベドち、ける太陽光たいようこうの60~95%を反射はんしゃする。またその最初さいしょ観測かんそくからわずかに変化へんかしている。これにたいして、つきはわずか11%しか太陽光たいようこう反射はんしゃしない[35]。トリトンのあかみがかったいろはメタンのこおりによるものとかんがえられており、メタンのこおり紫外線しがいせんけるとソリン変換へんかんされる[7][36]

トリトンの表面ひょうめん長期ちょうきわたって溶融ようゆうしていたことを示唆しさしているため、内部ないぶモデルではトリトンは地球ちきゅうのように固体こたいかくマントル、そして地殻ちかく分化ぶんかしていることを仮定かていしている。岩石がんせき金属きんぞくからなるかくかこんでいるトリトンのマントルは、太陽系たいようけいもっとおお存在そんざいしている揮発きはつせい物質ぶっしつであるみず構成こうせいされている。トリトンの内部ないぶには、放射ほうしゃせい物質ぶっしつ崩壊ほうかいねつ今日きょうまでマントルの対流たいりゅう駆動くどうするのに十分じゅうぶんりょう岩石がんせき存在そんざいする。このねつは、エウロパ内部ないぶ存在そんざいすると仮定かていされているのと同様どうようの、ぜんたま規模きぼ地下ちか海洋かいよう維持いじするのに十分じゅうぶんである可能かのうせいもある[7][37][38]排出はいしゅつされた黒色こくしょく物質ぶっしつには有機ゆうき化合かごうぶつふくまれている可能かのうせいがあり[37]、トリトンに液体えきたいみず存在そんざいしていれば、なんらかの形態けいたい生命せいめいにとって居住きょじゅう可能かのうせいがあると推測すいそくされている[37][39][40]

大気たいき

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トリトンの想像そうぞうえんうす大気たいきえがかれている。

トリトンはその表面ひょうめん微量びりょう一酸化いっさんか炭素たんそ少量しょうりょうのメタンをふくうす窒素ちっそ大気たいき[9][41][42]冥王星めいおうせい大気たいき同様どうように、トリトンの大気たいき表面ひょうめんからの窒素ちっそ蒸発じょうはつ起因きいんしているとかんがえられている[26]。トリトンにある窒素ちっそこおり温度おんど比較的ひかくてきたか場所ばしょ生成せいせいされる六方ろっぽうあきらけい状態じょうたい存在そんざいしており、その温度おんどではろくぽうあきらけいこおり立方りっぽうあきらけいこおりあいだあい転移てんいきるため、表面ひょうめん温度おんどすくなくとも35.6 K(-237.6 )となる[43]温度おんど上限じょうげんは40 Kじゃくで、これはトリトンの大気たいきちゅう窒素ちっそガスの平衡へいこう蒸気じょうきあつからもとめることができる[44]。これは冥王星めいおうせい平均へいきん平衡へいこう温度おんど 44 K(-229 ℃)よりもつめたい。トリトンの表面ひょうめん大気たいきあつやく1.4~1.9 Pa(0.014~0.019 mbar)しかない[7]

ボイジャー2ごうによって観測かんそくされた、周縁しゅうえんうえ存在そんざいしているトリトンのくも

トリトンの表面ひょうめんでのらんりゅう対流圏たいりゅうけんweather region)をしており、その高度こうどは 8 km にたっしている。間欠泉かんけつせん噴煙ふんえんによってトリトンの表面ひょうめんのこされたしま模様もようは、対流圏たいりゅうけんが 1 μみゅーm 以上いじょうおおきさの物質ぶっしつうごかすことが出来できぶしてきふうによってうごいていることを示唆しさしている[45]天体てんたい大気たいきとはことなり、トリトンには成層圏せいそうけん存在そんざいしておらず、わりに高度こうど 8~950 km にねつけん、その外側そとがわ外気がいきけん存在そんざいしている。太陽たいよう放射ほうしゃ海王星かいおうせい磁気圏じきけんから吸収きゅうしゅうされたねつにより、トリトンの大気たいき上層じょうそう温度おんどは 95 ± 5 K と表面ひょうめんよりも高温こうおんになっている[9][46]大気たいきちゅうヘイズ (もや) は対流圏たいりゅうけんだい部分ぶぶん浸透しんとうしており、おもにメタンと太陽光たいようこう作用さようによってしょうじた炭化たんか水素すいそニトリルからるとかんがえられている。トリトンの大気たいきには、高度こうど 1~3 km に凝縮ぎょうしゅくした窒素ちっそくも存在そんざいしている[7]

1997ねんに、地球ちきゅうからトリトンが恒星こうせいまえ通過つうかしたさいにトリトンの周縁しゅうえん部分ぶぶん観測かんそくされた。この観測かんそく結果けっかから、大気たいき密度みつどボイジャー2ごうのデータから推測すいそくされたものよりおおきいことが示唆しさされた[47]観測かんそくでは、1989ねんから1998ねんあいだ気温きおんが5%上昇じょうしょうしていることが観測かんそくされている[48]。これらの観測かんそく結果けっかから、トリトンはすうひゃくねんいちだけおとずれる異常いじょうあたたかいなつぶし近付ちかづいていることがしめされている。この温暖おんだん理論りろんには表面ひょうめんしものパターンの変化へんかこおりのアルベドの変化へんかふくまれており、そのためよりおおくのねつ吸収きゅうしゅうすることができる[49]べつ理論りろんでは、温度おんど変化へんか地質ちしつがくてきプロセスによるくら赤色あかいろ物質ぶっしつ堆積たいせきした結果けっかであると主張しゅちょうしている。トリトンはボンドアルベド太陽系たいようけいないもっとたか天体てんたいの1つであるため、スペクトルアルベドのちいさな変動へんどう敏感びんかんであるとされている[50]

表面ひょうめん特徴とくちょう

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トリトンの地形ちけいがくてき解釈かいしゃく

トリトンの表面ひょうめんかんする詳細しょうさい情報じょうほうは、すべて1989ねんにボイジャー2ごうが 40,000 km の距離きょりにまで接近せっきんしたさいられた[51]。トリトンの表面ひょうめんの40%がボイジャー2ごうによって撮影さつえいされており、むらのある露頭ろとう尾根おねたにみぞ盆地ぼんち高原こうげんこおった平野へいや、いくつかの衝突しょうとつクレーターといった地形ちけい存在そんざいしていることがあきらかになった。表面ひょうめん比較的ひかくてきたいらであり、観測かんそくされている範囲はんいない地形ちけいではたかさが 1 km をえて変化へんかすることはない。衝突しょうとつクレーターは比較的ひかくてきすくない。最近さいきんのクレーターの密度みつど分布ぶんぷ分析ぶんせきでは、地質ちしつがくてきるとトリトンの表面ひょうめん非常ひじょうわかいことが示唆しさされており、地域ちいきによってその推定すいてい年齢ねんれいは600まんねんから5000まんねん様々さまざまである[52]。トリトンの表面ひょうめんの55%はこおった窒素ちっそおおわれており、そのひょうのうちすいこおりは15~35%、ドライアイス(こおった二酸化炭素にさんかたんそ)がのこりの10~20%をめている[53]表面ひょうめんには、生命せいめい起源きげんへの先駆せんくてき化学かがく物質ぶっしつになるかもしれない有機ゆうき化合かごうぶつであるソリン堆積たいせきぶつられる[54]

こおり火山かざん

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窒素ちっそ間欠泉かんけつせん噴火ふんかによってのこされたちり堆積たいせきぶつであるとかんがえられている、トリトンの南極なんきょく極冠きょっかん横切よこぎくらしま模様もよう

トリトンは地質ちしつ学的がくてきには活動かつどうてき表面ひょうめんわかく、衝突しょうとつクレーターのかず比較的ひかくてきすくない。トリトンの地殻ちかく様々さまざまこおり構成こうせいされているが、その地下ちかきているプロセスは地球ちきゅうじょう火山かざん地溝ちこうたい形成けいせいするものとている。ただし、トリトンではそのプロセスでは液体えきたい岩石がんせきではなくみずアンモニアがはたらく[7]。トリトンは表面ひょうめん全体ぜんたい複雑ふくざつたに尾根おね存在そんざいしているが、これらはおそらくテクトニクス火山かざん活動かつどうによるものであるとされている。トリトンの表面ひょうめんにおける特徴とくちょうだい部分ぶぶんは、天体てんたい衝突しょうとつなどの外的がいてき要因よういんではなく、内部ないぶ地質ちしつがくてきなプロセスによって形成けいせいされた内因ないいんてきなものであり、そのおおくはテクトニクスてきなものとうよりは噴火ふんか噴出ふんしゅつてき性質せいしつのものである[7]

探査たんさボイジャー2ごうは1989ねんに、トリトンの表面ひょうめん窒素ちっそ噴出ふんしゅつする少数しょうすう間欠泉かんけつせんと、それに付随ふずいする表面ひょうめんから 8 km のたかさにまでたっするちり噴煙ふんえん観測かんそくした[33][55][13]。そのためトリトンは、地球ちきゅうイオおよびエンケラドゥスともに、あるしゅ活発かっぱつ噴火ふんか活動かつどう観測かんそくされている太陽系たいようけいないでも数少かずすくない天体てんたいの1つであるとされている[56]もっと観測かんそくされたけむりはしらはヒリ(Hili)とマヒラニ(Mahilani)と命名めいめいされている(それぞれズールー神話しんわ英語えいごばんみずせいトンガつたわるみず精霊せいれいちなむ)[57][58]

観測かんそくされているすべての間欠泉かんけつせんは、トリトンの太陽たいよう直下ちょっかてんちか南緯なんい50から57領域りょういきない存在そんざいしている。このことは、トリトンが太陽たいようからとおはなれているため、とても微弱びじゃくではあるものの太陽たいようからのねつ存在そんざいきわめて重要じゅうようであることをしめしている。トリトンの表面ひょうめんはおそらくくら基質きしつうえはん透明とうめいこおった窒素ちっそそうからり、一種いっしゅの「固体こたい温室おんしつ効果こうか」をすとかんがえられている。太陽たいようからの放射ほうしゃ表面ひょうめんうすこおりゆか通過つうかし、地上ちじょうから噴出ふんしゅつするのに十分じゅうぶんなガスあつ蓄積ちくせきするまで表面ひょうめん窒素ちっそ徐々じょじょ加熱かねつして蒸発じょうはつさせている[7][45]。そして、周囲しゅうい表面ひょうめん温度おんど 37 K よりも温度おんどが 4 K 上回うわまわると、観測かんそくされたたかさの噴出ふんしゅつ駆動くどうする可能かのうせいがあるとされている[55]一般いっぱんてきにこうした地質ちしつ活動かつどうこおり火山かざんばれているが、この窒素ちっそのプルーム活動かつどうは、問題もんだいとなっている天体てんたい内部ないぶねつ駆動くどうされるトリトンのだい規模きぼこおり火山かざん噴火ふんかや、天体てんたい火山かざん活動かつどうとはことなる。これと同様どうよう火星かせい二酸化炭素にさんかたんそ間欠泉かんけつせんは、ぶしはるになるたび噴出ふんしゅつするとかんがえられている[59]

トリトンの間欠泉かんけつせん噴火ふんか期間きかん最長さいちょうで1ねんになるとかんがえられており、そのあいだやく1おく km3もの窒素ちっそこおり昇華しょうかする。一緒いっしょ噴出ふんしゅつするちりは、肉眼にくがん観望かんぼうできるしま模様もようとしては風下かざしもに 150 km のながさにまで堆積たいせきする可能かのうせいがあり、より拡散かくさんした堆積たいせきぶつだとさらにとおくまで堆積たいせきする可能かのうせいがある[55]。ボイジャー2ごうによって撮影さつえいされた南半球みなみはんきゅう画像がぞうでは、こうしたくらいろしま模様もよう多数たすうられる[60]。1977ねんからボイジャー2ごう接近せっきんした1989ねんまでのあいだに、トリトンは冥王星めいおうせいあかみがかったいろからはるかにうす色合いろあいに変化へんかしており、かる窒素ちっそしもがよりふるあかみをびた物質ぶっしつおおったことが示唆しさされた[7]。トリトンの赤道せきどうからの揮発きはつせい物質ぶっしつ噴出ふんしゅつとそれらのきょくへの堆積たいせきは、1 まんねんにわたってごく移動いどうこすのに十分じゅうぶん質量しつりょうさい分配ぶんぱいするかもしれない[61]

極冠きょっかん平野へいやおよび尾根おね

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カンタロープ地形ちけい領域りょういきじょうにあるトリトンの南極なんきょくあかるい極冠きょっかん

トリトンの南極なんきょくは、衝突しょうとつクレーターと間欠泉かんけつせん噴出ふんしゅつこう散在さんざいしており、こおった窒素ちっそとメタンから反射はんしゃりつたか極冠きょっかんおおわれている[13]北極ほっきょくについては、ボイジャー2ごう接近せっきんしたときよるであったため、ほとんどられていないが、北極ほっきょくにもこうした極冠きょっかんがあるだろうとかんがえられている[43]

ジパンゴ高原こうげん(Cipango Planum)のようなトリトンの東半球ひがしはんきゅうられるたか平野へいやふる地形ちけいおおかくしているため、こおり溶岩ようがんがそれ以前いぜん地形ちけい一掃いっそうした結果けっかであるとかんがえられる。平野へいやにはリヴァイアサン(Leviathan Patera)といったくぼみが点在てんざいしている。トリトンの溶岩ようがんはアンモニアとみず混合こんごうぶつだとおもわれているものの、その組成そせいられていない[7]

トリトンには4つのほぼ円形えんけいな「かべのある平野へいや(Walled plains)」が確認かくにんされている。これらはこれまで観測かんそくされているなかもっと平坦へいたん領域りょういきで、高度こうど変動へんどうは 200 m 未満みまんになっている。この領域りょういきこおり溶岩ようがん噴火ふんかによって形成けいせいされたとかんがえられている[7]。トリトンの東側ひがしがわえんちかくにある平野へいやには、くろ斑点はんてんくろまだら)が点在てんざいしている。いくつかのくろまだらひろがった境界きょうかいせん単純たんじゅんなものであり、そのははっきりとした境界きょうかいせんち、中央ちゅうおうくら斑点はんてんまわりをしろいハロー(halo)がかこんでいるものである。典型てんけいてきくろまだら直径ちょっけいやく 100 km で、はば 20~30 km のハローをゆうする[7]

トリトンの表面ひょうめんには複雑ふくざつ尾根おねたに存在そんざいしており、これらはおそらく凍結とうけつ融解ゆうかいのサイクルによる結果けっかだとされている[62]。そのおおくはまた、本質ほんしつてき地殻ちかく活動かつどう出現しゅつげんしたとされており、伸長しんちょうまたははしこう移動いどう断層だんそう運動うんどう起因きいんしている可能かのうせいがある[63]中央ちゅうおうにはエウロパのせんもん地形ちけい規模きぼはこちらのほうおおきい[16])とつよ類似るいじせいながじゅう尾根おねがあり、同様どうよう起源きげんつかもしれない[7]。この地形ちけいはトリトンの軌道きどう完全かんぜん円形えんけいするまえきた潮汐ちょうせきおうりょくによってこされた、断層だんそう沿った運動うんどう形成けいせいされた可能かのうせいがある[16]。これらの平行へいこう尾根おね断層だんそうは、赤道あかみち地域ちいき横断おうだんする複雑ふくざつ地形ちけいたに内部ないぶから放出ほうしゅつしたものとされている。尾根おねたに、そしてヤスみぞ(Yasu Sulci)やホみぞ(Ho Sulci)、ロみぞ(Lo Sulci)のようなみぞはトリトンの地質ちしつがくてき歴史れきしると中期ちゅうき形成けいせいされたものとかんがえられており、おおくはどう時期じき形成けいせいされたとされている[64]。それらの地形ちけいは「グループ」や「パケット」としてまとめられる傾向けいこうがある[63]

カンタロープ地形ちけい

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ボイジャー2ごうが 130,000 km の距離きょりから観測かんそくした、エウロパに尾根おねが2つ横切よこぎっているカンタロープ地形ちけい。スリドルみぞ(Slidr Sulci、画像がぞうでは垂直すいちょくになっているほう)とタノみぞ(Tano Sulci)が「X」の形成けいせいしている。

トリトンの西半球にしはんきゅうは、カンタロープメロンのかわ模様もようていることから「カンタロープ地形ちけい」とばれる、奇妙きみょう一連いちれんくぼみで構成こうせいされている[13]。クレーターはすくないが、これはトリトンでもっとふる地形ちけいであるとかんがえられており[65]、トリトンの西半球にしはんきゅうだい部分ぶぶんおおっているとかんがえられる[7]

カンタロープ地形ちけいはほとんどがよごれたみずこおりからり、トリトンにしか存在そんざいしていない。直径ちょっけい 30~40 km のくぼみがあり[65]おなおおきさでなめらかな曲線きょくせんになっているため、おそらくクレーターではないとされている。これらの地形ちけい形成けいせいおも仮説かせつとしてダイアピリズム英語えいごばんせつがあり、これはより密度みつどたか物質ぶっしつそう通過つうかする、より密度みつどひく物質ぶっしつの「しこり」が上昇じょうしょうしたことで形成けいせいとする仮説かせつである[7][66]代替だいたい仮説かせつとして、崩壊ほうかいによって形成けいせいされたとするせつや、こおり火山かざん活動かつどう発生はっせいした洪水こうずいによって形成けいせいされたというせつなどがある[65]

衝突しょうとつクレーター

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ツオネラ平原へいげん(Tuonela Planitia、ひだり)とルーア平原へいげん(Ruach Planitia、中央ちゅうおう)は、こおり火山かざん活動かつどう形成けいせいされたトリトンの「かべのある平野へいや」 のうちの2つである。クレーターがすくないことは広範囲こうはんい比較的ひかくてき最近さいきん地質ちしつがくてき活動かつどうがあることをしめ証拠しょうこである。

継続けいぞくてき地質ちしつがくてき活動かつどうによる地形ちけい一掃いっそう変化へんかのため、トリトンの表面ひょうめんじょうにおいてクレーター比較的ひかくてきまれである。ボイジャー2ごう撮影さつえいしたトリトンの画像がぞう調査ちょうさから発見はっけんされたクレーターはわずか179であった。一方いっぽうで、表面積ひょうめんせきがトリトンのわずか3%しかない天王星てんのうせい衛星えいせいミランダには835ものクレーターが観測かんそくされている[67]。トリトンで観測かんそくされた、衝突しょうとつによってしょうじたとかんがえられている最大さいだいのクレーターはマゾムバ(Mazomba)とばれるクレーターで、直径ちょっけいは 27 km である[67][68]。よりおおきなクレーターも観測かんそくされているが、一般いっぱんてきにこれらは火山かざんせいのクレーターであるとかんがえられている[67]

数少かずすくないトリトンの衝突しょうとつクレーターのほとんどは、おも軌道きどう運動うんどう方向ほうこうたいして先行せんこうしているほう半球はんきゅう集中しゅうちゅうしており、そのだい部分ぶぶん経度けいど30から70赤道せきどう付近ふきん集中しゅうちゅうしている[67]。これは海王星かいおうせいまわりの軌道きどうじょう物質ぶっしつあつめた結果けっかであるとかんがえられている[52]。トリトンは片面かためん恒久こうきゅうてき海王星かいおうせいけているため、天文学てんもんがくしゃたち先行せんこうする半球はんきゅうにはより頻繁ひんぱんはげしい衝突しょうとつき、後方こうほう半球はんきゅうへの衝突しょうとつすくなくなるはずだと予想よそうしている[67]。ただしボイジャー2ごうはトリトンの表面ひょうめんの40%しか撮影さつえいしていないため、このかんがえは確実かくじつなままとなっている。

観測かんそく探査たんさ

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ボイジャー2ごうがフライバイした3にち撮影さつえいした海王星かいおうせいうえ)とトリトン(中央ちゅうおう

トリトンの軌道きどう特性とくせいは19世紀せいきにはすでにこう精度せいどもとめられており、海王星かいおうせい軌道きどうめんたいして非常ひじょうかたむいていて、逆行ぎゃっこう軌道きどうつことが判明はんめいしていた。トリトンの詳細しょうさい観測かんそくは1930ねんまでおこなわれておらず、1989ねんにボイジャー2ごう接近せっきんするまでは、トリトンについてほとんどられていなかった[7]

ボイジャー2ごうがフライバイをおこなまえは、天文学てんもんがくしゃはトリトンには液体えきたい窒素ちっそうみと、地球ちきゅうの30%もの密度みつど窒素ちっそとメタンから大気たいき存在そんざいするかもしれないとかんがえていた。しかし火星かせい大気たいき密度みつど過大かだい評価ひょうかされていたのと同様どうように、これはただしくなかったことが判明はんめいした。火星かせい同様どうように、初期しょきころはより大気たいき存在そんざい想定そうていされていた[69]

トリトンの直径ちょっけい測定そくていする最初さいしょこころみは1954ねんジェラルド・カイパーによってなされ、かれはトリトンの直径ちょっけいについて 3,800 km というた。そのおこなわれた測定そくていによるトリトンの推定すいてい直径ちょっけいは 2,500~6,000 km とはばがあり、これはつき(3,474.2 km)よりややちいさいおおきさから地球ちきゅうやく半分はんぶんおおきさにまで匹敵ひってきする[70]。1989ねん8がつ25にちにボイジャー2ごう海王星かいおうせい接近せっきんしたさいのデータから、トリトンの正確せいかく直径ちょっけい推定すいてい(2,706 km)がられた[71]

1990年代ねんだいには、近距離きんきょりぼし掩蔽えんぺいもちいて地球ちきゅうからトリトンの周縁しゅうえん調しらべる様々さまざま観測かんそくおこなわれ、トリトンに大気たいき風変ふうがわりな表面ひょうめん存在そんざいしていることが判明はんめいした。1997ねん後半こうはん観測かんそくでは、トリトンの温度おんど上昇じょうしょうしており、ボイジャー2ごうが1989ねん接近せっきんしたさいよりも大気たいき密度みつどいちじるしくおおきくなっていることが示唆しさされた[47]

2008ねん10がつ16にち冥王星めいおうせい探査たんさのためにげられた探査たんさニュー・ホライズンズが、やく37おく5,000まん km はなれた位置いちから海王星かいおうせいとトリトンの画像がぞう撮影さつえいした[72]

2010年代ねんだいおこなわれることを目指めざした海王星かいおうせいけい探査たんさミッションのあらたな構想こうそうは、過去かこすうじゅうねんあいだなんNASA科学かがくしゃによって提案ていあんされてきた。かれらはトリトンをおも観測かんそく対象たいしょうとしており、それらの提案ていあんにはタイタンホイヘンス・プローブのような着陸ちゃくりくをトリトンにおく計画けいかくふくまれることも頻繁ひんぱんにあった。しかし、海王星かいおうせいとトリトンの探査たんさ計画けいかく提案ていあん段階だんかいえておらず、また、そと太陽系たいようけい探査たんさミッションにたいするNASAの資金しきん用途ようと現在げんざい木星もくせい土星どせい探査たんさ集中しゅうちゅうしている[73]

トリトンへの着陸ちゃくりくおこなうミッションとして提案ていあんされている Triton Hopperばれる計画けいかくでは、トリトンの表面ひょうめんから窒素ちっそこおり採掘さいくつし、ちいさなロケット推進すいしんざいとして使用しようするように処理しょりして、トリトンの表面ひょうめんからの飛行ひこうあるいは表面ひょうめんを「ねて」わたっていくことが計画けいかくされている[74][75]

2017ねん10がつ5にちに、トリトンによる恒星こうせい UCAC4 410-143659 の掩蔽えんぺい発生はっせいした[76]

地図ちず

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いろ強調きょうちょうした地図ちず画像がぞう右側みぎがわ先行せんこうする半球はんきゅう

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いろ強調きょうちょうした極座標きょくざひょう地図ちずみぎ南側みなみがわ

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 半径はんけい)より計算けいさん
  2. ^ 体積たいせき 半径はんけい) より計算けいさん
  3. ^ 質量しつりょう 密度みつど体積たいせき) より計算けいさん
  4. ^ 質量しつりょう半径はんけい万有引力ばんゆういんりょく定数ていすう)より計算けいさん
  5. ^ 質量しつりょう半径はんけい万有引力ばんゆういんりょく定数ていすう)より計算けいさん
  6. ^ とくおおきな不規則ふきそく衛星えいせいには、土星どせいのフェーベ(210 km)、天王星てんのうせいシコラクス(150 km)、および木星もくせいヒマリア(85 km)がある。
  7. ^ トリトンの質量しつりょうは 2.14×1022 kg。られているそのの12海王星かいおうせい衛星えいせい合計ごうけい質量しつりょうは 7.53×1019 kg で、トリトンの0.35%に相当そうとうする。たまき質量しつりょうはごくわずかである。
  8. ^ その球状きゅうじょうになっている衛星えいせい質量しつりょう単位たんいはkg)は、チタニア - 3.5×1021オベロン - 3.0×1021レア - 2.3×1021イアペトゥス - 1.8×1021カロン - 1.5×1021アリエル - 1.3×1021ウンブリエル - 1.2×1021ディオネ - 1.0×1021テティス - 0.6×1021エンケラドゥス - 0.12×1021ミランダ - 0.06×1021プロテウス - 0.05×1021ミマス - 0.04×1021となっている。その衛星えいせいぜん質量しつりょうやく 0.09×1021。したがって、トリトンよりちいさな衛星えいせいぜん質量しつりょうやく 1.65×1022 となる。

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関連かんれん文献ぶんけん

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  • 監修かんしゅう: 渡辺わたなべ潤一じゅんいち『ビジュアル宇宙うちゅうだい図鑑ずかん 太陽系たいようけいから130おく光年こうねんてまで』日経にっけいナショナルジオグラフィックしゃ、2013ねんISBN 978-4-86313-143-9 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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