FJ1600

FJ1600（エフジェイせんろっぴゃく）は、日本にっぽんのフォーミュラカーレースのカテゴリー名めい。スーパーFJの前身ぜんしんで、1980年ねんから2009年ねんまで開催かいさいされていたジュニア・フォーミュラである。なおカテゴリー名めいのFJはFormula Juniorの略りゃくというのが一般いっぱん的てきだが、Formula Japanの略りゃくだという説せつも存在そんざいする。

概要がいよう

初級しょきゅう者しゃ用ようフォーミュラ

ヨーロッパにおけるフォーミュラ・フォードのような初級しょきゅう者しゃ用ようフォーミュラとして1980年ねんにスタートした（それ以前いぜんは、エンジン排気はいき量りょうが300cc少すくないFJ1300名義めいぎの同様どうようのカテゴリーが存在そんざい）。ドライバーの育成いくせいに主眼しゅがんをおいたレギュレーションづくりにより、ウィングなどの空そら力りょく的てき付加ふか物ぶつをつけないことで、コストを抑おさえるとともに、サーキットドライビングの基本きほんをマスターすることを目標もくひょうとしている。

パイプフレームを基本きほんにしたシャシーに、エンジン縦たて置おきFFだった富士重工業ふじじゅうこうぎょう（現げん・SUBARU）製せいの水平すいへい対向たいこう EA71型がた（スバル・レオーネ用よう）を、トランスミッションもそのままに後方こうほうへ搭載とうさいすることで、エントリーフォーミュラにふさわしい特性とくせいを得えることができた。スタート当初とうしょは別べつのエンジンを搭載とうさいした車両しゃりょうも存在そんざいしたが、重心じゅうしん位置いちの低ひくさや富士重工業ふじじゅうこうぎょうの協力きょうりょくもあり、その後ご、事実じじつ上じょうのワンメイクエンジンとなった。

マシン購入こうにゅう

ウエストレーシングカーズや東京とうきょうR&D、オスカーなど複数ふくすうのコンストラクター（車体しゃたい製造せいぞう会社かいしゃ）が、上記じょうきのレギュレーションに合あわせたFJのマシンを製造せいぞうしていた。当時とうじはエンジン込こみで平均へいきん300万まん円えん台だいで販売はんばいされていた。2013年ねん現在げんざいは新車しんしゃの販売はんばいは事実じじつ上じょう終了しゅうりょうしているが、中古ちゅうこ車しゃの販売はんばいは引ひき続つづき行おこなわれている。

シリーズ

2006年ねんまでは全国ぜんこく8つのサーキット（スポーツランドSUGO・仙台せんだいハイランド・ツインリンクもてぎ・筑波つくばサーキット・富士ふじスピードウェイ・鈴鹿すずかサーキット・岡山おかやま国際こくさいサーキット・オートポリス）で7シリーズ（東北とうほくシリーズのみSUGOと仙台せんだいハイランドで開催かいさい、他たはサーキット単独たんどくシリーズ）が行おこなわれていたが、後述こうじゅつするスーパーFJへの移行いこう等とうの関係かんけいで規模きぼは徐々じょじょに縮小しゅくしょうされ、2009年ねんはもてぎ・筑波つくば・富士ふじ・鈴鹿すずか・オートポリスの5サーキットで「JAF地方ちほう選手権せんしゅけん」としてシリーズ戦せんが開催かいさいされた。JAF地方ちほう選手権せんしゅけんの開催かいさいは同年どうねんで終了しゅうりょうし、現在げんざいは一部いちぶのサーキットが独自どくじシリーズの形かたちでレースを開催かいさいしている（詳細しょうさいは後述こうじゅつ）。

2009年ねんまでは、年末ねんまつに日本一にっぽんいちを決けっする「FJ日本一にっぽんいち決定けってい戦せん」も行おこなわれ、同どうレースの成績せいせき優秀ゆうしゅう者しゃにはジャパンスカラシップシステムによる翌よく年度ねんどのF4シリーズ参戦さんせん費用ひようをサポートするスカラシップも用意よういされていた。

スーパーFJへの移行いこう

しかし既すでにエンジンの生産せいさんが終了しゅうりょうしてから長期間ちょうきかんが経過けいかしており、レースでの使用しように耐たえうるエンジンの確保かくほが徐々じょじょに困難こんなんになってきていること（既すでにクランク等とうについて新品しんぴんの部品ぶひんの在庫ざいこが尽つきており、オーバーホールすら困難こんなんになりつつあった）、またフォーミュラカーはもちろんのことツーリングカー等ひとしでも空そら力りょくの重要じゅうよう性せいが高たかまってきており「ドライバー育成いくせいのためには早はやくからウィング付つきの車くるまを経験けいけんさせた方ほうが良よいのではないか」といった意見いけんが増ふえてきたことから、日本にっぽん自動車じどうしゃ連盟れんめい（JAF）は2007年ねんよりFJ1600の後継こうけいカテゴリーとして「スーパーFJ」を発足ほっそくさせることを決定けっていし、2009年ねんまでFJ1600とスーパーFJが並行へいこうしてJAF地方ちほう選手権せんしゅけんとして開催かいさいされた。

スーパーFJ用ようの新車しんしゃ・エンジンの購入こうにゅう資金しきんといった金額きんがく的てきな問題もんだいや、車くるまのパフォーマンス部分ぶぶんで、既存きそんのFJエントラントやメンテナンスガレージの間あいだではスーパーFJの成功せいこうを疑問ぎもん視しする声こえも多おおかったが、一方いっぽうで「エンジン部品ぶひんの供給きょうきゅうが困難こんなんである以上いじょう、いずれ移行いこうは避さけられない」との認識にんしきも広ひろがり、2008年ねんは具体ぐたい的てきな移行いこうのタイミングを各かくエントラント、ガレージ単位たんいで探さぐり続つづけた。

2010年ねんにはFJ1600のJAF地方ちほう選手権せんしゅけんは廃止はいしされスーパーFJに一本いっぽん化かされたが、引ひき続つづきFJ1600への参戦さんせんを希望きぼうする者ものが少すくなくないことから、2010年ねん以降いこうも一部いちぶサーキットでは独自どくじシリーズとして引ひき続つづきFJ1600のレースが開催かいさいされた。しかし参加さんかエントラントの減少げんしょうが続つづき単独たんどくシリーズとしての維持いじが困難こんなんになり、概おおむね2013年ねん頃ごろまでにはスーパーFJへの移行いこうが完了かんりょうした。ただ2022年ねん現在げんざいも可動かどうする車体しゃたい・エンジンは少すくなくないため、それらが各かくサーキットのスポーツ走行そうこう枠わくや体験たいけん走行そうこう会かい等とうでの走行そうこう、またヒストリックカーレースへの参戦さんせんなどに使用しようされている。

なお、2012年ねんにはフィリピン共和きょうわ国こくにおいてFJ1600を使つかったFormula Windsシリーズが開催かいさいされている。

スペック

• エンジン：水平すいへい対向たいこう4気筒きとう・OHV・1,600cc（スバル・EA71）
• タイヤ：2009年ねんまではダンロップ、2010年ねんより横浜よこはまゴム（ADVAN） ※いずれもワンメイク
• 車両しゃりょう重量じゅうりょう：465kg以上いじょう（ドライバーを含ふくんだ走行そうこう可能かのう状態じょうたいでの規定きてい最低さいてい重量じゅうりょう）
• 最高さいこう速度そくど：220km/h以上いじょう

歴代れきだいチャンピオン

年とし	鈴鹿すずかA	鈴鹿すずかB	筑波つくばA	筑波つくばB	東北とうほく	西日本にしにほん	オートポリス
1980年ねん	坂本さかもと典正のりまさ	――	――	――	――	――	――
1981年ねん	久徳きゅうとく一則かずのり						――
1982年ねん							――
1983年ねん	岡田おかだ成しげる一いち	兵頭ひょうどう秀二しゅうじ		片山かたやま右京うきょう			――
1984年ねん	片山かたやま右京うきょう		松井まつい茂樹しげき				――
1985年ねん	成瀬なるせ茂喜しげき		太田おおた哲也てつや	横島よこしま久ひさ			――
1986年ねん	田中たなか実みのる	田中たなか実みのる	佐田さた博文ひろぶみ			田中たなか実みのる	――
1987年ねん	服部はっとり尚貴なおき	和田わだ久ひさ	村松むらまつ栄さかえ紀き	服部はっとり尚貴なおき		和田わだ久ひさ	――
1988年ねん	金石かねいし勝智かつとも	藤永ふじなが敬道よしみち	石川いしかわ朗あきら	加藤かとうトオル	細野ほその智行ともゆき	藤永ふじなが敬道よしみち	――
1989年ねん	高村たかむら一明いちめい	高村たかむら一明いちめい		浅見あさみ武たけし		高村たかむら一明いちめい	――
1990年ねん	小川おがわ圭一けいいち	沢田さわだ龍太郎りゅうたろう	早田そうだ岳たけし史し	塩原しおばら秀雄ひでお	早田そうだ岳たけし史し	小川おがわ圭一けいいち	――
1991年ねん	渋谷しぶや勉つとむ		塩原しおばら秀雄ひでお	渡辺わたなべ設しつらえ也	島守しまもり広ひろ	渋谷しぶや勉つとむ
1992年ねん		岡野おかの豊ゆたか	薮内やぶうち弘道ひろみち			高西たかにし文雄ふみお
1993年ねん	谷川たにがわ達也たつや		内間うちま淳あつし		類家るいけ吉孝よしたか		玉たま中ちゅう哲二てつじ
1994年ねん	高木たかぎ真一しんいち		樋口ひぐち統みつる也		三橋みつはし茂しげる	高木たかぎ真一しんいち

主おもな出身しゅっしんドライバー

• 高橋たかはし徹とおる（F2、GC）
• 茂木もき和男かずお（全日本ぜんにほんF3000、全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん）
• 佐藤さとう浩二こうじ（全日本ぜんにほんF3000、全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん）
• 中谷なかたに明彦あきひこ（全日本ぜんにほんF3000、全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん、JGTC）
• 横島よこしま久ひさ（全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん）
• 片山かたやま右京うきょう（F1、JGTC）
• 田中たなか実みのる（全日本ぜんにほんF3000）
• 野田のだ英樹ひでき（F1、国際こくさいF3000選手権せんしゅけん、フォーミュラ・ニッポン）
• 服部はっとり尚貴なおき（F1、CART、フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）
• 村松むらまつ栄さかえ紀き（全日本ぜんにほんF3000）
• 和田わだ久ひさ（全日本ぜんにほんF3000、全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん、SUPER GT）
• 西垣内にしがいち正義まさよし（全日本ぜんにほんF3000、全日本ぜんにほんツーリングカー選手権せんしゅけん）
• 金石かねいし勝智かつとも（全日本ぜんにほんF3000、フォーミュラ・ニッポン、ドイツツーリングカー選手権せんしゅけん、SUPER GT）
• 柴原しばはら眞しん介かい（フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）
• 光貞みつさだ秀俊ひでとし（全日本ぜんにほんF3000、フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）
• 土屋つちや武士たけし（フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）
• 小暮こぐれ卓史たかし（フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）
• 吉本よしもと大樹だいき（GP2、フォーミュラ・ニッポン、SUPER GT）

関連かんれん項目こうもく

• モータースポーツ

外部がいぶリンク

• Japan Scholarship System