IP放送ほうそう

IP放送ほうそう（アイピーほうそう）とは、 Internet Protocol (IP) を利用りようする放送ほうそう（有線ゆうせん放送ほうそう）に類似るいじした通信つうしんサービスである。

概要がいよう

主おもにブロードバンド回線かいせんを利用りようし、IP網もうにより映像えいぞう（動画どうが）や音声おんせいを視聴しちょう・聴取ちょうしゅするものである。サービスは、大おおまかにオンデマンド及およびストリーミングに分わかれるが、この内うち、放送ほうそう法ほう（昭和しょうわ25年ねん法律ほうりつ第だい132号ごう）が適用てきようされるものについては、同どう法ほうが適用てきようされる一般いっぱん放送ほうそうとなる（同どう法ほう第だい126条じょう第だい1項こうただし書しょの規定きていにより同どう法ほうの規定きていが適用てきようされないものもある）。

主おもなサービス

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラムでは、IPTVのサービスをVODサービス、ダウンロードサービス、IPマルチキャスト放送ほうそうサービス及およびIP再さい送信そうしんサービスの4つに分類ぶんるいしている。

VODサービス

「ビデオ・オン・デマンド」を参照さんしょう

IPマルチキャスト放送ほうそうサービス

技術ぎじゅつとしては、IPマルチキャストやIPv6を活用かつようしているものである。

回線かいせん性能せいのうや回線かいせん事業じぎょう者しゃの関係かんけい上じょう、通信つうしん系けいの網あみ構成こうせいを取とるFTTHを利用りようするものが殆ほとんどであるが、ADSLなどの高速こうそくな電話でんわ線せんも利用りようするものもある。網あみ構成こうせいによっては回線かいせんの遅延ちえん、帯域たいいきが問題もんだいになる場合ばあいがある。

画質がしつは、SDTVに加くわえHDTVも行おこなわれている。また、5.1chサラウンドによる配信はいしんも一部いちぶのチャンネルで行おこなわれている。

IP再さい送信そうしんサービス

NTTドコモのひかりTVに於おいてアイキャストが地上波ちじょうは及およびBSの再さい送信そうしんを行おこなっている。ただし、現時点げんじてんでは区域くいき外がい再さい放送ほうそうについては各かく放送ほうそう局きょくとの同意どういを得えていないため、独立どくりつ県域けんいき放送ほうそう局きょくの他た都府県とふけんの放送ほうそうが受信じゅしんできない状態じょうたいになっている。

技術ぎじゅつ・制度せいど

デジタル放送ほうそうなどと同様どうように、著作ちょさく権けん保護ほご機能きのうや課金かきん制御せいぎょなどに対応たいおうする必要ひつようがある。（cf.デジタル著作ちょさく権けん管理かんり）

また、IP放送ほうそう事業じぎょう者しゃについて、日本にっぽんにおいては著作ちょさく権けん法ほう上じょうの課題かだいがあった。著作ちょさく権けん法ほうの有線ゆうせん放送ほうそう事業じぎょう者しゃには該当がいとうせず、自動じどう公衆こうしゅう送信そうしんであり、また著作ちょさく物ぶつの利用りように関かんして事前じぜんの別個べっこ許諾きょだくが必要ひつようなどの問題もんだいである。2006年ねん12月に改正かいせい著作ちょさく権けん法ほうが成立せいりつし、自動じどう公衆こうしゅう送信そうしんによる放送ほうそうの同時どうじ再さい送信そうしんの場合ばあい、有線ゆうせん放送ほうそうと同様どうように、著作ちょさく隣接りんせつ権けん者しゃとの利用りよう許諾きょだく手続てつづきが簡素かんそ化かされるとともに、補償ほしょう金きんや報酬ほうしゅう請求せいきゅう権けん化かした。

IPTVに関かんする技術ぎじゅつ

詳細しょうさいは「IPTVフォーラム」を参照さんしょう

日本にっぽんにおけるIPTVは、IPTVフォーラムが技術ぎじゅつ規格きかくの標準ひょうじゅん化かを推進すいしんしている。

同どう団体だんたいの技術ぎじゅつ仕様しよう体系たいけいとしては、配信はいしんサービス仕様しようとして「VOD(ビデオ・オン・デマンド)仕様しよう」「ダウンロード仕様しよう」「IP放送ほうそう仕様しよう」、サービスアプローチ仕様しようとして「放送ほうそう連携れんけいサービスアプローチ仕様しよう」「インターネットスコープサービスアプローチ仕様しよう」「CDNサービスアプローチ仕様しよう」、その他た「地上ちじょうデジタルテレビジョン放送ほうそうIP再さい送信そうしん運用うんよう規定きてい」「BSデジタル放送ほうそうIP再さい送信そうしん運用うんよう規定きてい」の8つの技術ぎじゅつ規格きかくに分類ぶんるいされている。

VOD方式ほうしき

IPTVに関かんする主要しゅような仕様しようの一ひとつとして、VOD方式ほうしきが挙あげられる。

VODは、テレビをインターネット上うえに存在そんざいするコンテンツサーバーにアクセスし、データをダウンロードせずに番組ばんぐみなどを閲覧えつらんする方式ほうしきである。データをHDDなどの記録きろく装置そうちに保管ほかんする必要ひつようがないので、データで記憶きおく装置そうちの容量ようりょうを圧迫あっぱくしないというメリットがある。^[1]

ダウンロード方式ほうしき

VODと並ならぶ主要しゅような方式ほうしきの一ひとつとして、ダウンロード方式ほうしきも挙あげられる。

ダウンロード方式ほうしきは、テレビをインターネット上じょうのコンテンツサーバーにアクセスし、データをダウンロードし、そのデータを記憶きおく装置そうちに書かき込こみ、それを読よみ込こんでデータを閲覧えつらんする方式ほうしきである。

ダウンロード方式ほうしきは、一度いちど記憶きおく装置そうちにデータを書かき込こんでしまえば、VOD方式ほうしきのようにコンテンツサーバーのデータにアクセスするたびに発生はっせいする通信つうしん費ひを無なくすことができる。

ただし、データが破損はそんした場合ばあいなど、再度さいどデータをダウンロードしなければならない場合ばあいは、通信つうしん費ひが発生はっせいする。^[1]

IP告知こくち放送ほうそう

IP告知こくち放送ほうそうは、老朽ろうきゅう化かした有線ゆうせん放送ほうそう電話でんわ・オフトーク通信つうしん等ひとしを置おき換かえるために、IP網もうを使用しようして地域ちいきの告知こくち放送ほうそうを行おこなうものである。地域ちいきの特性とくせいに合あわせて、ブロードバンド回線かいせん（ADSL、CATV《DOCSIS》・光ひかりファイバー回線かいせん《FTTH/FTTx》等とう)が用もちいられる。

単純たんじゅんな操作そうさで利用りよう可能かのうな専用せんよう機器ききを使用しようするのが一般いっぱん的てきである。緊急きんきゅう放送ほうそうの割わり込こみ・情報じょうほう提供ていきょうセンターから利用りよう者しゃのグループ別べつ情報じょうほう提供ていきょう・利用りよう者しゃからの緊急きんきゅう連絡れんらく用ようワンタッチボタン・IP電話でんわなどが装備そうびされている。また、音声おんせいのみではなく文字もじ情報じょうほう・簡易かんい動画どうが送信そうしん・蓄積ちくせき形がた放送ほうそう機能きのうがあるものも多おおい。

屋外おくがいスピーカー・気象きしょう観測かんそく装置そうち・ライブビデオカメラなどを組くみ合あわせた総合そうごう防災ぼうさいシステムとして構成こうせいされているものもある。

主おもなIP放送ほうそう

日本にっぽん

日本にっぽんでは、VODサービス(VOD)や放送ほうそう法ほうに基もとづいて行おこなわれるIPマルチキャスト放送ほうそうサービス及およびIP再さい送信そうしんサービス(TV)が行おこなわれている。この内うち、セットトップボックス又または対応たいおうするテレビ受像じゅぞう機きを利用りようして視聴しちょうする形態けいたいのサービスに次つぎ表ひょうの様ようなものがある。

社名しゃめい	サービス名めい	地上波ちじょうは/BS	CS	VOD
NTTドコモ	ひかりTV	○^{[注ちゅう 1]}	○	○
KDDI	auひかりTVサービス		○	○
U-NEXT	U-NEXT		○	○
障害しょうがい者しゃ放送ほうそう通信つうしん機構きこう	目めで聴きくテレビ		○	○

過去かこのサービス

テレビ用ようIPマルチキャスト放送ほうそう

セットトップボックス又または対応たいおうするテレビ受像じゅぞう機きを利用りようしないで直接ちょくせつ視聴しちょうする形態けいたいのテレビ放送ほうそう

海外かいがい

サービス等とう

U-verse TV (AT&T) (アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく)[1]
now TV（PCCW）（香港ほんこん）[2]
中華ちゅうか電信でんしんMOD （中華ちゅうか電信でんしん）（台湾たいわん） [3]
Genie TV（KT）（韓国かんこく）[4]
U+TV（LGユープラス）（韓国かんこく）[5]
B TV（SKブロードバンド）（韓国かんこく）[6]

技術ぎじゅつ等とう

Microsoft TV、IPTV（マイクロソフト）
Alcatel OMP

その他た

IP電話でんわとインターネット電話でんわとの関係かんけい性せいと同様どうように、IP放送ほうそうとインターネット放送ほうそうの関係かんけい性せいも類推るいすいする事ことが出来できる。即すなわち、インターネット放送ほうそうではインターネット上うえのストリーミングサーバから配信はいしんされ、また、パーソナルコンピュータ(PC)・スマートフォンを使用しようして視聴しちょう・聴取ちょうしゅするものが主おもである。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ テレビサービスは、有線ゆうせん一般いっぱん放送ほうそう事業じぎょう者しゃであるアイキャストが提供ていきょうする。

出典しゅってん

^ ^a ^b 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラム (2013年ねん3月がつ10日とおか). “IPTVについて詳くわしく学まなぼう”. IPTV FORUM JAPAN（一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラム）. 2023年ねん6月がつ4日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラム

この項目こうもくは、工学こうがく・技術ぎじゅつに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（Portal:技術ぎじゅつと産業さんぎょう）。

[2] テレビサービスは、有線ゆうせん一般いっぱん放送ほうそう事業じぎょう者しゃであるアイキャストが提供ていきょうする。

[:0-1] 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラム (2013年ねん3月がつ10日とおか). “IPTVについて詳くわしく学まなぼう”. IPTV FORUM JAPAN（一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんIPTVフォーラム）. 2023年ねん6月がつ4日にち閲覧えつらん。

[1]

[注ちゅう 1]