神かみ御衣おんぞ祭さいは、神宮じんぐうのお祭まつりの中なかでも神嘗祭かんなめさいと共ともに古ふるい由緒ゆいしょのあるお祭まつりで、平安へいあん時代じだいの『皇すめらぎ太ふと神宮じんぐう儀式ぎしき帳ちょうこうたいじんぐうぎしきちょう』や『延喜えんぎ太神おおが宮みや式しきえんぎだいじんぐうしき』には、その内容ないようが詳くわしく記しるされています。現在げんざい、一般いっぱんでは「神様かみさまの夏なつと冬ふゆの衣替ころもがえのお祭まつり」と説明せつめいされていますが、 『令れい義ぎ解かいりょうのぎげ』や『令れい集しゅう解かいりょうのしゅうげ』などによると、古ふるくは神嘗祭かんなめさいの当日とうじつに神かみ御衣おんぞがお供そなえされていますので衣替ころもがえではないと言いえます。

それは新あたらしい御料ごりょうごりょうを奉たてまつることにより、大御神おおみかみの御ご神威しんいがさらに増ますことを願ねがう意味いみがあると考かんがえられています。

神かみ御衣おんぞは、三重みえ県けん松阪まつさか市しの郊外こうがいに鎮座ちんざする神かみ服ふく織機しょっき殿どのかんはとりはたどの神社じんじゃで和かず妙たえが、神かみ麻あさ続ぞく機き殿どのかんおみはたどの神社じんじゃで荒あら妙たえが5月と10月がつの初日しょにちから2週間しゅうかんをかけて奉たてまつ織おされます。この辺あたりは古ふるくから紡績ぼうせき業ぎょうと関係かんけいが深ふかく、機織はたおりはたおりを行おこなう服部はっとり神部かんべはとりかんべという人々ひとびとが住すんでいたといわれます。 現在げんざいも下した御ご糸いとしもみいと、上うえ御ご糸いとかみみいと、中ちゅう麻績おみなかおみなどの地名ちめいが残のこっていることから、その関係かんけいの深ふかさを伺うかがうことができます。