源みなもと公こう忠ただし

源みなもと公こう忠ただし
源みなもと公こう忠ただし 狩野かの尚信なおのぶ的てき《三さん十じゅう六歌仙ろっかせん額がく》
三さん十じゅう六歌仙ろっかせん 新しん時代じだい不同ふどう歌合うたあわせ歌人かじん
時代じだい	平安へいあん時代じだい
出生しゅっしょう日び期き	寬平かんぺい元年がんねん（889年ねん）
逝世日び期き	天てん曆れき2年ねん（948年ねん）10月がつ
日にち語ご假名がな	みなもと の きんただ
羅ら馬うま字じ	Minamoto no Kintada
本姓ほんせい	源みなもと氏し
家系かけい	光孝みつたか源氏げんじ
別名べつめい	滋野しげの 滋野しげの井い辨べん
位階いかい	從したがえ四よん位い下した
官位かんい	右みぎ大だい辨べん
敕撰歌か	21首しゅ
初はつ次つぎ收錄しゅうろく	《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》
家集かしゅう	《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》
父親ちちおや	源みなもと國こく紀き
兄弟きょうだい	源みなもと公こう忠ただし 源みなもと公望きんもち 源みなもと公平こうへい
子こ	源みなもと信明のぶあき 源みなもと宏ひろし平たいら 源みなもと信孝のぶたか 觀かん教きょう（源信みなもとのまこと輔） 澄きよし觀かん 勝かち觀かん 寬ひろし祐ゆう 慈慶（滋しげる慶けい）
女おんな	源みなもと雅信まさのぶ之これ妻つま

源みなもと公こう忠ただし（日にち语：源みなもと公こう忠ただし／みなもと の きんただ ^{Minamoto no Kintada */?}，889年ねん—948年ねん10月がつ）是ぜ日本にっぽん平安へいあん時代じだい的てき貴族きぞく和わ歌人かじん，出自しゅつじ於光孝みつたか源氏げんじ，其父是ぜ大藏おおくら卿きょう源みなもと國こく紀き，祖父そふ是ぜ光孝みつたか天皇てんのう，官位かんい為ため從したがえ四よん位い下した右みぎ大だい辨べん。和歌わか方面ほうめん，他た有ゆう21首しゅ作品さくひん收錄しゅうろく於敕撰和歌集わかしゅう，初次はつじ收錄しゅうろく為ため《後こう撰せん和歌集わかしゅう》，與あずか其子源みなもと信明のぶあき同どう為ため三さん十じゅう六歌仙ろっかせん。

生平おいだいら

公おおやけ忠生ただお於寬平かんぺい元年がんねん（889年ねん），為ため源みなもと國こく紀き的てき次子じし。延喜えんぎ11年ねん正月しょうがつ21日にち（911年ねん2月がつ22日にち），他た獲え准じゅん昇殿しょうでん，延喜えんぎ13年ねん（913年ねん）4月がつ就任しゅうにん為ため掃部助すけ。延喜えんぎ18年ねん3月がつ14日にち（918年ねん4月がつ27日にち），他た獲え補任ほにん為ため六ろく位い藏人くろうど，翌年よくねん6月がつ3日にち（919年ねん7月がつ2日にち）兼任けんにん近江おうみ權けん大だい掾じょう。延喜えんぎ21年ねん3月がつ13日にち（921年ねん4月がつ23日にち），他た就任しゅうにん為ため修理しゅうり權けん亮あきら。

延長えんちょう3年ねん正月しょうがつ7日にち（925年ねん2月がつ2日にち），公おおやけ忠由ただよし於擔任たんにん藏人くろうど有ゆう勞ろう而獲敘為ため從したがえ五ご位い下した，同年どうねん10月がつ14日にち（11月2日にち）出だし任にん內藏權助ごんすけ。延長えんちょう6年ねん正月しょうがつ29日にち（928年ねん2月がつ23日にち），他た就任しゅうにん為ため民みん部ぶ少しょう輔，同年どうねん5月がつ10日とおか（5月がつ31日にち）補任ほにん為ため五ご位い藏人くろうど。延長えんちょう7年ねん正月しょうがつ29日にち（929年ねん3月がつ13日にち），他出たしゅつ任にん右みぎ少しょう辨べん，同年どうねん2月がつ25日にち（4月がつ7日にち）補任ほにん為ため東大寺とうだいじ別當べっとう。翌年よくねん9月がつ，他た的てき藏人くろうど職務しょくむ雖然一いち度ど停止ていし，不ふ過か在ざい同年どうねん11月がつ18日にち（930年ねん12月10日にち）復ふく任にん。

承うけたまわ平ひらた2年ねん正月しょうがつ7日にち（932年ねん2月がつ15日にち），公おおやけ忠ちゅう升ます至いたり從したがえ五ご位い上じょう，翌年よくねん正月しょうがつ13日にち（933年ねん2月がつ10日とおか）兼任けんにん山城やましろ守もり，同年どうねん10月がつ24日にち（11月14日にち）升ます任にん權けん右みぎ中ちゅう辨べん。承うけたまわ平ひら6年ねん正月しょうがつ7日にち（936年ねん2月がつ2日にち），他た再さい升ます至いたり正せい五ご位い下した，翌年よくねん正月しょうがつ辭任じにん藏人くろうど，由ゆかり其子源みなもと信明のぶあき繼つぎ任にん。同年どうねん9月がつ，他た就任しゅうにん為ため右みぎ中ちゅう辨べん。承うけたまわ平ひら8年ねん正月しょうがつ7日にち（938年ねん2月がつ8日にち），他た升ます至いたり從したがえ四よん位い下した，天てん慶けい3年ねん3月がつ25日にち（940年ねん5月がつ5日にち）就任しゅうにん為ため大だい宰おさむ大貳だいに，同年どうねん5月がつ14日にち（6月がつ22日にち）補任ほにん為ため朱雀すざく院いん的てき院いん別當べっとう。

天てん慶けい4年ねん3月がつ28日にち（941年ねん4月がつ27日にち），公おおやけ忠ちゅう出で任にん近江おうみ守まもる。天てん慶けい6年ねん12月7日にち（944年ねん1月がつ5日にち），他た兼任けんにん為ため右みぎ大だい辨べん，翌年よくねん因いん病びょう辭去じきょ右みぎ大だい辨べん職位しょくい。天てん曆れき2年ねん（948年ねん）10月がつ，公おおやけ忠ちゅう死去しきょ，享年きょうねん60歲さい，根據こんきょ《三さん十じゅう六ろく人にん歌仙かせん傳でん》記載きさい他た在ざい10月がつ28日にち（12月1日にち）死去しきょ，《日本にっぽん紀き略りゃく》則のり稱しょう是ぜ10月がつ29日にち（12月2日にち）。

公おおやけ忠ちゅう一生いっしょう先後せんご擔任たんにん醍醐天皇だいごてんのう和わ朱雀すざく天皇てんのう的てき藏人くろうど，不ふ但ただし得え到いた兩りょう人的じんてき重用じゅうよう，在ざい朱雀すざく天皇てんのう時期じき也獲太政大臣だじょうだいじん藤原ふじわら忠平ちゅうへい信任しんにん，於《貞さだ信しん公おおやけ記き》稱しょう其為忠實ちゅうじつ的てき能吏のうり。交友こうゆう方面ほうめん，他た與あずか藤原ふじわら季き繩なわ私わたし交甚篤あつし，兩人りょうにん的てき故事こじ見み於《大和やまと物語ものがたり》，紀貫之きのつらゆき在ざい死し前ぜん也將辭世じせい歌か贈おく予よ公こう忠ただし，此歌收錄しゅうろく於《貫之つらゆき集しゅう》（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう902）。

此外，他た也擅於鷹たか獵りょう和わ合ごう香が，《大だい鏡かがみ》記載きさい他た甚至能のう夠嚐出で久世くせ郡ぐん和わ交野かたの郡ぐん的てき綠みどり雉，其事蹟じせき也散見さんけん於《宇治うじ拾遺しゅうい物語ものがたり》、《江こう談だん抄しょう》、《今昔こんじゃく物語ものがたり集しゅう》、《袋ふくろ草紙ぞうし》、《古事ふるごと談だん》和かず《俊しゅん賴よりゆき髓ずい腦のう》等とう作品さくひん中ちゅう。

和歌わか

源みなもと公こう忠ちゅう的てき敕撰歌か一覽いちらん

敕撰和歌集わかしゅう	新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう
後こう撰せん和歌集わかしゅう	123、1316
拾遺しゅうい和歌集わかしゅう	106、283、1055、1207
新しん古今ここん和歌集わかしゅう	89、1444
新しん敕撰和歌集わかしゅう	255、379、454、542
續つづけ後ご撰せん和歌集わかしゅう	411
玉たま葉は和歌集わかしゅう	79、278、1114
續ぞく千載せんざい和歌集わかしゅう	380
續つづけ後ご拾遺しゅうい和歌集わかしゅう	257、435
新しん千載せんざい和歌集わかしゅう	404
新しん續ぞく古今ここん和歌集わかしゅう	452

公おおやけ忠ただし總そう共有きょうゆう21首しゅ和歌わか收錄しゅうろく於敕撰せん和歌集わかしゅう，其作品さくひん也收錄ろく於內裏うら菊きく合あい、前ぜん十じゅう五番歌合和日本紀竟宴和歌等等，連歌れんが則のり有ゆう兩りょう組くみ收錄しゅうろく於《菟うさぎ玖波くば集しゅう》，分別ふんべつ是ぜ「戀こい連歌れんが上じょう」以及「雜ざつ連歌れんが四よん」的てき作品さくひん（連歌れんが大觀たいかん編へん號ごう1392和わ2947），另有一首漢詩以掃部助名義收錄於西本願寺にしほんがんじ本ほん《躬恒集しゅう》內。

三さん十じゅう六ろく人にん撰せん

敕撰和歌集わかしゅう版本はんぽん	《三さん十じゅう六ろく人にん撰せん》版本はんぽん	《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》版本はんぽん	姜きょう文ぶん清きよし譯本やくほん
行いきやらで 山やまぢくらしつ ほととぎす 今こんひとこゑの きかまほしさに	ゆきやらで 山やまぢくらしつ ほととぎす いまひとこゑの きかまほしさに	ゆきやらで 山路やまじくらしつ 郭公かっこう 今こん一声いっせいの きかまほしさに	整せい日び行ぎょう 山路やまじ寂寥せきりょう 杜鵑とけん兒じ 此時應おう有ゆう 一聲いっせい啼叫

《佐竹さたけ本ほん三さん十じゅう六歌仙ろっかせん繪卷えまき》中ちゅう的てき源みなもと公こう忠ただし，其中的てき和歌わか即そく此歌

這首和歌わか收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》卷まき第だい二に「夏なつ」，新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう是ぜ106，詞書ことばがき是ぜ「北宮きたみや的てき裳も着ぎ的てき屏風びょうぶ」（北宮きたみやのもぎの屏風びょうぶに），在ざい《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》的てき詞書ことばがき則そく是ぜ「在ざい此宮的てき初はつ笄屏風ふう中ちゅう，當人とうにん越こし過か山嶺さんれい時じ聽到大だい杜鵑とけん的てき啼聲」（このみやのみくしげの御ご屏風びょうぶに、やまをこゆる人ひとの郭公かっこうききたるといふに）。其中，此宮（このみや）為ため北宮きたみや的てき誤讀ごどく，北宮きたみや是ぜ指ゆび康子やすこ內親王おう，裳も着ぎ是ぜ指ゆび從したがえ垂髮たれがみ改あらため成なり結髮けっぱつ的てき成人せいじん禮れい，又また稱たたえ為ため初はつ笄（みぐしあげ），詞書ことばがき中ちゅう的てき「みくしげ」漏も了りょう「あ」字じ，《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》的てき詞書ことばがき則そく反映はんえい屏風びょうぶ描繪當人とうにん在ざい越えつ過か山嶺さんれい時じ聽到大だい杜鵑とけん啼聲的てき畫面がめん。

此歌是ぜ祝賀しゅくが康子やすこ內親王おう在ざい承うけたまわ平ひら3年ねん8月がつ27日にち（933年ねん9月がつ19日にち）舉行裳も着ぎ儀式ぎしき的てき屏風びょうぶ歌か，當時とうじ獻上けんじょう屏風びょうぶ歌か的てき尚なお有紀ゆうき貫之つらゆき、右近うこん、伊勢いせ和わ大中おおなか臣しん賴よりゆき基もと等とう人ひと。此歌的てき意思いし是ぜ在ざい聽到大だい杜鵑とけん的てき啼聲後ご無法むほう就此離はなれ去さ，結果けっか在ざい山路やまじ過か了りょう一いち晚ばん，為ため的てき就是再さい聽其啼聲。此歌在ざい《大だい鏡かがみ》中ちゅう獲え評ひょう為ため「在ざい吟詠ぎんえい此歌前まえ，貫之つらゆき等とう不ふ少しょう人ひと雖然也已經けい發表はっぴょう其作品さくひん，不ふ過か以作者しゃ來らい說せつ，此歌是ぜ受到世人せじん格外かくがい推崇的てき好こう歌うた。」（貫之つらゆきなど数多あまた詠よみて侍はべりしかど、人ひとにとりてはすぐれてののしられたうびし歌かよ）。

此歌在ざい《袋ふくろ草紙ぞうし》也獲評ひょう為ため「大だい杜鵑とけん相關そうかん的てき五ご首しゅ好こう歌うた」（郭公かっこうの五ご首しゅ秀歌しゅうかなり）之の一いち，與あずか紀貫之きのつらゆき在ざい《古今ここん和歌集わかしゅう》的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう156）、平兼盛たいらのかねもり在ざい《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》中ちゅう的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう101）、藤原ふじわら實方じつかた在ざい《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》中ちゅう的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう124）以及藤原道綱母ふじわらのみちつなのはは在ざい《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》中ちゅう的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう102）齊ひとし名めい。

此歌同時どうじ收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい抄しょう》、《古今ここん和歌わか六ろく帖じょう》、《金玉きんぎょく和歌集わかしゅう》、《和漢わかん朗詠ろうえい集しゅう》、《前ぜん十じゅう五ご番ばん歌合うたあわせ》、《俊成としなり三さん十じゅう六ろく人にん歌合うたあわせ》、《新しん時代じだい不同ふどう歌合うたあわせ》、《和歌わか體たい十じゅう種しゅ》、《和歌わか十じゅう體たい》、《三さん十じゅう人にん撰せん》、《深窓しんそう秘ひ抄しょう》、《俊しゅん賴よりゆき髓ずい腦のう》、《奧儀おうぎ抄しょう》、《兼載けんさい雜談ざつだん》和かず《大だい鏡かがみ》等とう等とう。

敕撰和歌集わかしゅう版本はんぽん	《三さん十じゅう六ろく人にん撰せん》版本はんぽん	《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》版本はんぽん
よろづ世よも 猶なおこそあかね 君きみがため 思おもふ心しんの かぎりなければ	よろづよも なほこそあかね きみがため おもふ心しんの かぎりなければ	万代よろずよも 猶なおこそあかね 君きみがため おもふ心しんの かぎりなければ

這首和歌わか收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》卷まき第だい五ご「賀が」，新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう是ぜ283，詞書ことばがき是ぜ「向むかい權けん中納言ちゅうなごん敦あつし忠ただし的てき母親ははおや表示ひょうじ祝賀しゅくが」（権けん中ちゅう納言なごん敦あつし忠ただし、母ははの賀がし侍はべりけるに），此為定家さだいえ本ほん的てき說法せっぽう，具ぐ世よ本ほん和わ北きた野本のもと等ひとし則のり採用さいよう祝賀しゅくが敦あつし忠之ただゆき妻つま的てき說法せっぽう。官職かんしょく名稱めいしょう方面ほうめん，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう（書架しょか編へん號ごう510·12）和わ冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏本ぞうほん則そく為ため右みぎ大將たいしょう，然しか而敦忠ちゅう一生從未出任過右大將，直ちょく至いたり《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》才ざい改あらため成なり權けん中納言ちゅうなごん。

相對そうたい地ち，《拾遺しゅうい抄しょう》的てき詞書ことばがき是ぜ「向こう右みぎ大將たいしょう保ほ忠之ただゆき妻つま表示ひょうじ祝賀しゅくが」（右みぎ大将たいしょう保ほ忠ちゅうがめの賀がし侍はべりけるに），保ほ忠ちゅう是ぜ指ゆび敦あつし忠ちゅう的てき長兄ちょうけい藤原ふじわら保たもつ忠ただし，他た在ざい承うけたまわ平ひら2年ねん8月がつ30日にち（932年ねん10月がつ2日にち）出だし任にん右みぎ大將たいしょう，直ちょく至いたり承うけたまわ平ひら6年ねん7月がつ14日にち（936年ねん8月がつ3日にち）死去しきょ為ため止どめ。由よし於其號ごう為ため八はち條じょう大將たいしょう，與あずか宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏本ぞうほん（書架しょか編へん號ごう511·2）《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》的てき詞書ことばがき「向こう八はち條じょう大將たいしょう表示ひょうじ祝賀しゅくが」（八はち条じょうの大将たいしょうのためにがしけるに）不ふ謀はかりごと而合，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ另一藏本ぞうほん（書架しょか編へん號ごう501·54）為ため兩者りょうしゃ混合こんごう的てき「向こう八はち條じょう大將たいしょう之の妻つま表示ひょうじ祝賀しゅくが」（八はち条じょう大将たいしょうの女おんなの賀がしけるに），彰あきら考こう館かん文庫ぶんこ藏本ぞうほん則そく僅有「向こう右みぎ大將たいしょう」（右みぎ大将たいしょうに）。

此歌的てき對象たいしょう是ぜ保ほ忠ちゅう本人ほんにん的てき說法せっぽう也見於正保まさやす版はん歌仙かせん家集かしゅう本ほん以及西本願寺にしほんがんじ本ほん等とう等とう，有ゆう可能かのう是ぜ保ほ忠ちゅう的てき四よん十じゅう賀が。此歌的てき意思いし是ぜ就算你能夠長命いのち百ひゃく歲さい，我わが仍然不ふ會心かいしん滿まん意い足あし，因いん為ため我わが對たい你的思念しねん是ぜ沒ぼつ有界ゆうかい限げん的てき。按照定家さだいえ本ほん詞書ことばがき說法せっぽう的てき話ばなし，此歌是ぜ公こう忠ちゅう將はた自己じこ當とう成なり是ぜ敦あつし忠ちゅう而創作そうさく的てき和歌わか。此歌同時どうじ收錄しゅうろく於《新しん時代じだい不同ふどう歌合うたあわせ》、《三さん十じゅう人にん撰せん》和かず《定家さだいえ八はち代だい抄しょう》。

敕撰和歌集わかしゅう版本はんぽん	《三さん十じゅう六ろく人にん撰せん》版本はんぽん	《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》版本はんぽん
玉たま匣くしげ ふたとせあはぬ 君きみがみを あけながらやは あらむと思おもひし	たまくしげ ふたとせあはぬ きみが身みを あけながらやは あらむとおもひし	玉たまくしげ ふたとせあはぬ きみがみを あけながらやは あらんと思おもひし

這首和歌わか收錄しゅうろく於《後ご撰せん和歌集わかしゅう》卷まき第だい十じゅう五ご「雜ざつ一いち」，新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう是ぜ1123，詞書ことばがき是ぜ「小野おの好古よしふる朝臣あそん作為さくい討伐とうばつ軍ぐん被ひ派遣はけん至いたり西國さいごく已やめ經けい兩年りょうねん，本ほん以為能のう夠升至いたり四よん位い，卻事與あずか願ねがい違たがえ，他た對たい於自己じこ先さき前ぜん被ひ指ゆび派は負ふ責せめ此事心神しんしん不定ふてい，並なみ且來あっそ信しん訴苦，我わが便びん在ざい信しん的てき背面はいめん寫うつし下か此歌來らい回かい信しん」（小野おの好古よしふる朝臣あそん、にしのくにのうてのつかひにまかりて二に年ねんといふとし、四よん位いにはかならずまかりなるべかりけるを、さもあらずなりにければ、かかる事ことにしもさされにける事ことのやすからぬよしをうれへおくりて侍はべりけるふみの、返事へんじのうらにかきつけてつかはしける），《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》的てき詞書ことばがき是ぜ「野の好古こうこ在ざい獲え任命にんめい為ため純じゅん友とも的てき追討ついとう使し時じ充滿じゅうまん希望きぼう，相そう信しんじ作為さくい少將しょうしょう可か以升至いたり四よん位い，不ふ過か事こと與あずか願ねがい違たがえ，心神しんしん不定ふてい的てき他た繼つぎ而來信らいしん訴苦，我わが便びん在ざい文末ぶんまつ以此歌か來らい回かい信しん」（野の好古こうこ、すみともが時ときの追討ついとう使しにてくだり、明あきらくるとし、少将しょうしょうのらうにて四よん位いになるべかりけるが、あづからざりければ、やすからぬよし、うれへおくりてはべりける文ぶんのおくにかきつけける）。

此歌源げん於小野おの好古よしふる雖然作為さくい山陽さんよう道どう追つい捕と使つかい平定へいてい藤原ふじわら純じゅん友之ともの亂らん，不ふ過か在ざい凱旋がいせん後ご的てき翌年よくねん時じ仍然未み獲え晉すすむ升ます至いたり四よん位い而向公こう忠ちゅう訴苦而來，意思いし是ぜ時じ隔へだた兩年りょうねん沒ぼつ見み，沒ぼつ想到そうとう你還是ぜ身み穿ほじ五ご位い的てき緋ひ衣ころも。歌うた中ちゅう的てき玉だま匣くしげ（たまくしげ）是ぜ指ゆび裝そう有ゆう梳くしけず的てき華麗かれい盒子，為ため「蓋ぶた」（ふた）的てき枕詞まくらことば，與あずか「二に年ねん」（ふたとせ）形成けいせい掛詞かけことば，盒蓋與あずか「盒身」（身み）成なり對たい，「見み面めん」（あふ）、「盒身」和かず「緋色ひいろ」（あけ）是ぜ箱ばこ子こ的てき緣語えんご，「緋色ひいろ」與あずか「打開だかい」（開ひらく（あ）け）也是掛詞かけことば。好古こうこ的てき返歌へんか也收錄ろく於《後ご撰せん和歌集わかしゅう》內，緊隨於此歌か之の後のち。此歌同時どうじ收錄しゅうろく於《和漢わかん朗詠ろうえい集しゅう》、《俊成しゅんぜい三さん十じゅう六ろく人にん歌合うたあわせ》、《三さん十じゅう人にん撰せん》、《俊しゅん賴よりゆき髓ずい腦のう》、《和歌わか童蒙どうもう抄しょう》、《大和やまと物語ものがたり》、《世繼よつぎ物語ものがたり》和かず《定家さだいえ八はち代だい抄しょう》。

俊成しゅんぜい三さん十じゅう六ろく人にん歌合うたあわせ

敕撰和歌集わかしゅう版本はんぽん	《俊成しゅんぜい三さん十じゅう六ろく人にん歌合うたあわせ》版本はんぽん	《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》版本はんぽん
とのもりの とものみやつこ 心こころあらば この春はるばかり あさぎよめすな	とのもりの とものみやつこ こころあらば このはるばかり 朝ちょうぎよめすな	殿しんがりもりの とものみやつこ 心こころあらば このはるばかり 朝ちょうぎよめすな

這首和歌わか收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》卷まき第だい十じゅう六ろく「雜ざつ春はる」，新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう是ぜ1055，詞書ことばがき是ぜ「在ざい醍醐天皇だいごてんのう時期じき，於南殿なんでん看み見み散ち落一地ち的てき櫻さくら花時はなどき」（延喜えんぎ御ご時じ、南殿なんでんにちりつみて侍はべりける花はなを見みて）。此歌的てき意思いし是ぜ主ぬし殿どの寮りょう的てき基層きそう職員しょくいん啊，如果你們能のう夠體會かい到いた櫻花おうか散ち落的情趣じょうしゅ的てき話ばなし，這個春はる天てん就請不要ふよう每朝まいあさ打だ掃了。首くび句く是ぜ指ゆび負ふ責せめ打だ掃的主しゅ殿しんがり寮りょう，第だい二に句く是ぜ指ゆび伴とも部ぶ，意い指ゆび基層きそう職員しょくいん，第だい三句是指如果你有這種情趣的話，末まつ句く是ぜ指ゆび朝あさ早はや不要ふよう打だ掃。

此歌通過つうか描述左近櫻さこんのさくら，在ざい明知めいち職員しょくいん有ゆう其責任せきにん，仍然要求ようきゅう他た們不要ふよう打だ掃來表ひょう達たち唯美ゆいび的てき感覺かんかく。窪田空穗くぼたうつぼ則のり認みとめ為ため此歌的てき背景はいけい是ぜ早はや上じょう，反映はんえい當時とうじ作者さくしゃ在ざい過か了りょう一晚後於晨光下發現櫻花散落一地，其美景びけい恍惚こうこつ讓ゆずる其驚嘆きょうたん至いたり呼吸こきゅう也驟停とま。在ざい《今昔こんじゃく物語ものがたり集しゅう》中ちゅう，藤原ふじわら敦あつし忠ちゅう在ざい藤原ふじわら實みのる賴よりゆき的てき要求ようきゅう下か吟唱ぎんしょう了りょう此歌，實じつ賴よりゆき對たい此大加か讚たたえ賞しょう，表示ひょうじ實在じつざい無法むほう返歌へんか，以相形見がたみ絀的作品さくひん來らい回かい應おう的てき話ばなし只ただ會かい遺のこ臭ぐさ萬まん年ねん，要よう創作そうさく出で超越ちょうえつ此歌的てき作品さくひん我わが是ぜ沒ぼつ辦法了りょう，最後さいご實じつ賴よりゆき唯ただ有ゆう以古歌か來らい回かい應おう。

此歌同時どうじ收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい抄しょう》、《和漢わかん朗詠ろうえい集しゅう》、《新しん時代じだい不同ふどう歌合うたあわせ》、《俊しゅん賴よりゆき髓ずい腦のう》、《奧儀おうぎ抄しょう》、《袖そで中ちゅう抄しょう》、《和歌わか色しょく葉は》、《悅えつ目め抄しょう》、《和歌わか口傳くでん抄しょう》、《心敬しんけい私語しご》、《今昔こんじゃく物語ものがたり集しゅう》、《寶物ほうもつ集しゅう》和かず《色いろ葉は和わ難なん集しゅう》。

家集かしゅう

公おおやけ忠ちゅう的てき家集かしゅう是ぜ《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》，以敕撰せん和歌集わかしゅう的てき和歌わか分類ぶんるい方式ほうしき為ため基礎きそ，分ふん為春ためはる、夏なつ、秋あき、冬ふゆ、賀が、戀こい、別べつ和わ雜ざつ各かく部分ぶぶん，其中13首しゅ和歌わか並なみ非ひ公おおやけ忠ちゅう的てき作品さくひん，由ゆかり於當中ちゅう包括ほうかつ藤原公任ふじわらのきんとう在ざい寬和ひろかず2年ねん（986年ねん）內裏歌合うたあわせ中ちゅう的てき作品さくひん，因いん此推測すいそく編へん撰せん時期じき在ざい寬和ひろかず2年ねん之これ後ご，於《後ご撰せん和歌集わかしゅう》和かず《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》之の間あいだ的てき時期じき完成かんせい。家集かしゅう分ぶん為ため四よん個こ系統けいとう，分別ふんべつ是ぜ西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう（流布るふ本ほん系統けいとう）、宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう、定家さだいえ自筆じひつ本ほん系統けいとう（定家さだいえ筆ひつ本ほん系統けいとう）以及部類ぶるい名めい家集かしゅう系統けいとう（部類ぶるい名めい家集かしゅう切きり、名家めいか家集かしゅう切きり）。在ざい各かく版本はんぽん互補下か的てき總そう收錄しゅうろく歌か數すう是ぜ58首しゅ。

西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう和宮かずのみや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう

西本願寺にしほんがんじ本ほん

西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう（流布るふ本ほん系統けいとう）涵蓋西本願寺にしほんがんじ本ほん、正保しょうほう版ばん歌仙かせん家集かしゅう本ほん、宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏本ぞうほん（書架しょか編へん號ごう511·2）、內閣文庫ぶんこ藏本くらもと（書架しょか編へん號ごう201·433）、群ぐん書しょ類從るいじゅう本ほん以及高橋たかはし正治しょうじ藏ぞう《源みなもと公こう忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》等とう等とう。此系統けいとう總そう共きょう收錄しゅうろく50首しゅ和歌わか以及兩りょう組くみ連歌れんが，其中西本願寺にしほんがんじ本ほん是ぜ48首しゅ，為ため長ちょう20厘りん米まい，寬ひろし15厘りん米まい的てき粘ねば葉は裝そう，外題げだい是ぜ「公おおやけ忠ちゅう」（きむたゞ），內題是ぜ「公おおやけ忠ちゅう集しゅう」，料紙りょうし是ぜ白色はくしょく唐紙からかみ，11頁ぺーじ著ちょ墨すみ，1頁ぺーじ白紙はくし，與あずか西本願寺にしほんがんじ本ほん《朝忠ちょうちゅう集しゅう》推測すいそく同樣どうよう出自しゅつじ寂蓮じゃくれん的てき手て筆ひつ。正保しょうほう版ばん歌仙かせん家集かしゅう本則ほんそく是ぜ50首しゅ，各かく版本はんぽん之の間あいだ約やく有ゆう5首しゅ收錄しゅうろく歌か並なみ不ふ相あい同どう。此外，高橋たかはし正治しょうじ藏ぞう《源みなもと公こう忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》與あずか西本願寺にしほんがんじ本ほん幾いく乎一致いっち，僅有兩りょう處しょ不同ふどう，為ため長ちょう17厘りん米まい，寬ひろし17.6厘りん米まい的てき列れつ帖じょう裝そう。此外，此系統けいとう卷末かんまつ中ちゅう沒ぼつ有ゆう詞書ことばがき的てき和歌わか被ひ視し為ため增補ぞうほ部分ぶぶん。

宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう僅有此版本はんぽん，總そう共きょう收錄しゅうろく36首しゅ和歌わか以及三さん組くみ連歌れんが，為ため長ちょう23.7厘りん米まい，寬ひろし17.7厘りん米まい的てき列れつ帖じょう裝そう。排列はいれつ上じょう雖然與あずか西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう相しょう同どう，不ふ過か沒ぼつ有ゆう增補ぞうほ部分ぶぶん，另有奧書おくがき「校合きょうごう畢 從したがえ三さん位い行くだり治部じぶ卿きょう平ひら朝臣あそん業ぎょう兼けん」。此系統けいとう推測すいそく與あずか西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう源げん於同一いち祖そ本ほん，不ふ過か此系統けいとう時期じき更さら早はや。

定家さだいえ自筆じひつ本ほん系統けいとう

大だい東急とうきゅう紀き念ねん文庫ぶんこ藏ぞう定家さだいえ監督かんとく書しょ寫本しゃほん

定家さだいえ自筆じひつ本ほん系統けいとう總そう共きょう收錄しゅうろく16首しゅ和歌わか和わ一いち組くみ連歌れんが，為ため唯ただ一由公忠自行編撰的系統，涵蓋冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏ぞう《公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》、大だい東急とうきゅう紀き念ねん文庫ぶんこ藏くら定家さだいえ監督かんとく書しょ寫本しゃほん、彰あきら考こう館かん文庫ぶんこ藏ぞう（書架しょか編へん號ごう巳み·五ご）《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》、宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう（書架しょか編へん號ごう510·12）的てき《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》和わ聖母せいぼ清心せいしん女子じょし大學だいがく藏本くらもと等ひとし等とう。

其中，冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏ぞう《公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》推測すいそく成なり書しょ於平安へいあん時代じだい後期こうき的てき12世紀せいき中葉ちゅうよう之これ後ご，家いえ集中しゅうちゅう的てき校訂こうてい部分ぶぶん等とう出自しゅつじ定家さだいえ的てき手て筆ひつ，長ちょう12.6厘りん米まい，寬ひろし14.1厘りん米まい，與あずか《道成みちなり集しゅう》合ごう為ため一いち冊さつ，料紙りょうし是ぜ柿色かきいろ的てき唐紙からかみ，第だい4頁ぺーじ背面はいめん、第だい8頁ぺーじ正面しょうめん和わ第だい11頁ぺーじ正面しょうめん則そく是ぜ幾いく乎同色しょく的てき蠟箋鳥とり之子ゆきこ紙し。封ふう面めん是ぜ金きむ銀箔ぎんぱく砂子すなご，中央ちゅうおう處しょ邱後來こうらい加か上うえ的てき外題げだい，寫うつし有ゆう「公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう」，封ふう面めん後ご的てき第だい1頁ぺーじ、第だい2頁ぺーじ背面はいめん和わ第だい7頁ぺーじ正面しょうめん有ゆう以銀泥ぎんでい繪え成なり的てき花はな、松樹まつき和かず鳥とり的てき圖案ずあん。

大だい東急とうきゅう紀き念ねん文庫ぶんこ藏ぞう定家さだいえ監督かんとく書しょ寫本しゃほん長ちょう21.2厘りん米まい，寬ひろし15.3厘りん米まい，外題げだい是ぜ「公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう」，內題是ぜ「公おおやけ忠ちゅう」（きむたゞ），成なり書しょ於鎌倉かまくら時代ときよ，此版本はんぽん的てき祖そ本ほん是ぜ冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏ぞう《公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》，兩者りょうしゃ在ざい排列はいれつ上じょう不ふ但ただし一致いっち，內文也ふみや非常ひじょう類似るいじ，此版本はんぽん與あずか冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏ぞう冷泉れいせん為ため滿みつる筆ふで本ほん《公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》也有やゆう相しょう同どう的てき奧書おくがき「此一いち帖じょう依よ關白かんぱく秀次しゅうじ公おおやけ御ご 所望しょもう進之しんの一いち字じ不ふ 令れい寫うつし者しゃ也 于時天正てんしょう廿にじゅう壬みずのえ辰たつ年ねん正月しょうがつ吉日きちじつ 羽わ林はやし良りょう將はた藤ふじ為ため滿まん」，反映はんえい大だい東急とうきゅう紀き念ねん文庫ぶんこ藏ぞう定家さだいえ監督かんとく書寫しょしゃ本ほん是ぜ冷泉れいせん為ため滿まん在ざい天正てんしょう20年ねん（1592年ねん）正月しょうがつ將はた其贈予よ豐臣とよとみ秀次しゅうじ而來，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう（書架しょか編へん號ごう510·12）則のり是ぜ連れん同どう此奧書しょ，如實にょじつ抄しょう寫うつし自じ冷泉れいせん為ため滿まん筆ふで本ほん。

彰あきら考こう館かん文庫ぶんこ藏本ぞうほん是長これなが26厘りん米まい，寬ひろし18.6厘りん米まい的てき袋綴ふくろとじ，漢字かんじ的てき用法ようほう與あずか近世きんせい較為接近せっきん，奧書おくがき是ぜ「右みぎ者しゃ公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん家集かしゅう也，京極きょうごく中納言ちゅうなごん定家さだいえ卿きょう御ご筆ふで書寫しょしゃ了りょう」。此系統けいとう推測すいそく與あずか家集かしゅう的てき原型げんけい最さい為ため接近せっきん，與あずか西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう在ざい歌うた數すう、排列はいれつ以至內容方面ほうめん均ひとし截然せつぜん不同ふどう。

部類ぶるい名めい家集かしゅう系統けいとう

部類ぶるい名めい家集かしゅう系統けいとう（部類ぶるい名めい家集かしゅう切きり、名家めいか家集かしゅう切きり）是ぜ僅有一いち首しゅ的てき斷簡だんかん，為ため收錄しゅうろく於《拾遺しゅうい和歌集わかしゅう》卷まき第だい二に「夏なつ」的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう106），傳つて出自しゅつじ紀貫之きのつらゆき手しゅ筆ひつ，同樣どうよう稱しょう為ため部類ぶるい名めい家集かしゅう切せつな或ある名家めいか家集かしゅう切きり的てき有ゆう藤原ふじわら兼けん輔、在原ありわら元方もとかた、清原きよはら深ふかし養父ようふ、坂上さかがみ是則これのり和わ藤原ふじわら興きょう風ふう的てき家集かしゅう，形態けいたい上除かみのぞき了りょう《兼けん輔集》外そと均ひとし相しょう同どう。《和歌わか大だい辭典じてん》和かず《日本にっぽん古典こてん文學ぶんがく大だい辭典じてん》主張しゅちょう其屬於宮內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう，《和歌わか文學ぶんがく大だい辭典じてん》稱しょう西本願寺にしほんがんじ本ほん系統けいとう源げん於此系統けいとう，《冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい叢書そうしょ》則のり以其和歌わか分類ぶんるい與あずか其他系統けいとう完全かんぜん不同ふどう為ため由ゆかり，僅將此系統けいとう劃為第だい二に類るい，其他三さん系統けいとう均ひとし視し作為さくい第だい一類いちるい。

古筆こひつ

收錄しゅうろく於《日本にっぽん名跡みょうせき叢くさむら刊かん》中ちゅう的てき公おおやけ忠ちゅう集しゅう切きり是ぜ大だい東急とうきゅう紀き念ねん文庫ぶんこ藏ぞう「手鑑てかがみ（百ひゃく三さん十じゅう九きゅう葉よう）」中ちゅう的てき古筆こひつ，傳つて稱しょう筆者ひっしゃ是ぜ藤原公任ふじわらのきんとう，又また稱たたえ為ため砂子すなご切きり，料紙りょうし是ぜ小しょう飛ひ雲くも的てき雲くも紙し，撒有用よう手しゅ揉もめ過か的てき金箔きんぱく和わ銀箔ぎんぱく，推測すいそく原本げんぽん是ぜ在ざい12世紀せいき初はつ作為さくい「三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう」中ちゅう的てき一冊而書寫而成，和歌わか是ぜ收錄しゅうろく於家集中しゅうちゅう的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう9和わ其詞書しょ的てき最後さいご二に字じ「れば」、18和わ其詞書しょ的てき大だい部分ぶぶん）。此外，另一種砂子切則收錄於「手鑑てかがみ（閑里加か年ねん）」內，也稱為ため公こう忠ちゅう集しゅう切せつ或ある公おおやけ忠ちゅう集しゅう斷簡だんかん，連れん同どう這兩種しゅ砂子すなご切きり，稱しょう為ため砂子すなご切きり的てき古筆こひつ總そう共有きょうゆう六ろく種しゅ八はち首しゅ，均ひとし屬ぞく宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう。

收錄しゅうろく於古筆ひつ手鑑てかがみ「世世よよ之の友とも」的てき公おおやけ忠ちゅう集しゅう切きり是ぜ林原はやしばら美術館びじゅつかん的てき藏ぞう品ひん，屬ぞく於宮內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）系統けいとう，傳つて稱しょう筆者ひっしゃ四よん條じょう公おおやけ任にん，即そく藤原公任ふじわらのきんとう，長ちょう19.3厘りん米まい，寬ひろし11.4厘りん米まい，料紙りょうし是ぜ撒有銀箔ぎんぱく的てき雁皮紙がんぴし，推測すいそく書寫しょしゃ於平安へいあん時代じだい，和歌わか是ぜ收錄しゅうろく於家集中しゅうちゅう的てき作品さくひん（新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん編へん號ごう15和わ38的てき詞書ことばがき的てき後半こうはん部分ぶぶん等とう等とう），分ふん六ろく行ぎょう書寫しょしゃ。

底本ていほん

高橋たかはし正治しょうじ藏ぞう《源みなもと公こう忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》、彰あきら考こう館かん文庫ぶんこ藏ぞう（書架しょか編へん號ごう巳み·五ご）《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》和かず部類ぶるい名めい家集かしゅう切きり收錄しゅうろく於《私家しか集大成しゅうたいせい》，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん（書架しょか編へん號ごう501·54）同時どうじ收錄しゅうろく於《私家しか集大成しゅうたいせい》和かず《桂かつら宮本みやもと叢書そうしょ》，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏本ぞうほん（書架しょか編へん號ごう511·2）則のり收錄しゅうろく於《新編しんぺん國歌こっか大觀たいかん》，此外《校こう註國歌か大系たいけい》、《續ぞく國歌こっか大觀たいかん》和かず《西本願寺にしほんがんじ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん集しゅう精せい成なり》等とう也有やゆう採錄さいろく《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》，砂子いさご切きり則そく有ゆう四よん葉よう收錄しゅうろく於《古筆こひつ學がく大成たいせい》。影印えいいん版ばん方面ほうめん，宮みや內廳書しょ陵りょう部ぶ藏ぞう御所ごしょ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう（書架しょか編へん號ごう510·12）收錄しゅうろく於新しん典てん社しゃ版はん《御所ごせ本ほん三さん十じゅう六ろく人にん集しゅう》，冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ藏ぞう《公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう》收錄しゅうろく於《冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい叢書そうしょ》，部類ぶるい名めい家集かしゅう切きり則そく收錄しゅうろく於《古筆こひつ學がく大成たいせい》。

文化財ぶんかざい

源みなもと公こう忠ちゅう相關そうかん文化財ぶんかざい一覽いちらん

名稱めいしょう	名義めいぎ	所藏しょぞう	指定してい日び期き	指定してい類型るいけい	參考さんこう資料しりょう
紙かみ本ほん著ちょ色しょく三さん十じゅう六歌仙ろっかせん切きり（公おおやけ忠ちゅう，佐竹さたけ家か傳來でんらい）		相國寺しょうこくじ	1936年ねん5月がつ6日にち	重要じゅうよう文化財ぶんかざい
四條亞槐公任卿 公おおやけ忠ちゅう集しゅう切きり	古筆こひつ手鑑てかがみ「世世せぜ之の友とも」	林原はやしばら美術館びじゅつかん	1937年ねん12月 2018年ねん3月がつ6日にち	重要じゅうよう美術びじゅつ品ひん 岡山おかやま縣けん指定してい文化財ぶんかざい
公おおやけ忠ちゅう集しゅう	三さん十じゅう六ろく人にん家集かしゅう	本願寺ほんがんじ	1951年ねん6月がつ9日にち	國寶こくほう
公おおやけ忠ちゅう集しゅう 砂子すなご切きり	手鑑てかがみ（百ひゃく三さん十じゅう九きゅう葉よう）	五島ごしま美術館びじゅつかん	1953年ねん3月がつ31日にち	重要じゅうよう文化財ぶんかざい
傳でん藤原公任ふじわらのきんとう筆ひつ「砂子いさご切きり」《公おおやけ忠ちゅう集しゅう》	手鑑てかがみ（閑里加か年ねん）		1953年ねん2月がつ2日にち
公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう			2000年ねん12月4日にち
公おおやけ忠ちゅう朝臣あそん集しゅう和かず道成みちなり集しゅう	私家集しかしゅう	冷泉れいせん家か時雨しぐれ亭てい文庫ぶんこ	2002年ねん6月がつ26日にち

外部がいぶ連結れんけつ

• 源みなもと公こう忠ただし. kotobank （日にち语）. 
• 公おおやけ忠ちゅう集しゅう. 國書こくしょ數すう據よりどころ庫こ （日にち语）. 
• 公おおやけ忠ちゅう集しゅう. 國際こくさい日本にっぽん文化ぶんか研究けんきゅう中心ちゅうしん和歌わか數すう據よりどころ庫こ （日にち语）.