ひろば　川崎かわさき高津たかつ公法こうほう研究けんきゅう室しつ別室べっしつ

　2013（平成へいせい25）年ねんの最後さいごの日ひを迎むかえました。

　年末年始ねんまつねんしには、何なんらかの仕事しごとを抱かかえています。冬休ふゆやすみ期間きかん中ちゅうですから講義こうぎの仕事しごとはありませんが、それ以外いがいにあれこれと、行おこなわなければならない仕事しごとがあるのです。

　考かんがえてみれば、これはありがたいことです。何なにもやるべきことがないというのは、やはりつらいものですから。

　いつの頃ころからかはっきりとは覚おぼえていませんが、大晦日おおみそかは、23時半じはんからテレビ東京てれびとうきょうのシルヴェスター・コンサートを見みています。おそらく、テレビで最初さいしょに放送ほうそうされた頃ころから見み続つづけているはずです。他たの番組ばんぐみは見みません。今年ことしのカウントダウンの曲きょくは何なにだろうか、と楽たのしみにしています。15日にちまで、３曲きょくの中なかから投票とうひょうで云々うんぬんというのを、東急とうきゅう線せんの広告こうこくで見みたのですが、気きづいたのが遅おそかったので投票とうひょうなどをしていません。「ニュルンベルクのマイスター・ジンガー」序曲じょきょくも候補こうほになっていたので、残念ざんねんな話はなしなのですが。

　別べつに大晦日おおみそかに限かぎったことではなく、ここ数すう年ねん、あまりテレビを見みていません。よく見みるのは日曜にちよう美術館びじゅつかんと、NHKの動物どうぶつ番組ばんぐみくらいでしょうか。日曜日にちようびの午後ごご８時じも、大河たいがドラマではなく、日曜にちよう美術館びじゅつかんの再さい放送ほうそうを見みていたりします（かなり前まえからそうでした）。

　今年ことしは、３月がつにインターネット番組ばんぐみに出演しゅつえんするという機会きかいをいただきました。そして、11月に京都きょうとで久ひさしぶりの学会がっかい報告ほうこくという機会きかいをいただきました。この二ふたつが、特とくに強つよい印象いんしょうとして残のこっています。

　2014（平成へいせい26）年ねんは、私わたしが大分大学おおいただいがくから大東文化大学だいとうぶんかだいがくに移うつって満まん10年ねんを迎むかえます。さらに前進ぜんしんし、発展はってんしたいと思おもっております。

　幼おさない頃ころからブラームスのハンガリー舞曲ぶきょく集しゅう（オーケストラ版ばん）やヴァイオリン協奏曲きょうそうきょくなどを聴きいていたし、交響曲こうきょうきょく全曲ぜんきょく、ヴァイオリン・ソナタなども聴きいていた（今年ことしの９月くがつ、青葉台あおばだいのフィリアホールで開ひらかれたコンサートでは３曲きょくのソナタ全部ぜんぶが演奏えんそうされた）。しかし、弦楽げんがく四よん重奏じゅうそう曲きょく、弦楽げんがく五ご重奏じゅうそう曲きょくなどを耳みみにしたことがなく、LPやCDも持もっていなかった。この分野ぶんやの曲きょくが好すきであるというのに。

　今年ことしになって、何なんのきっかけということもなく、たまプラーザテラスの山野やまの楽器がっきで１枚まいのCDを買かった。ヴァイオリン協奏曲きょうそうきょくとクラリネット五ご重奏じゅうそう曲きょくのカップリングという、よく意味いみのわからないものであったが、安やすかったこともあって購入こうにゅうした。自宅じたくで聴きいてみたら、ブラームスらしい渋しぶさにあふれた素晴すばらしい曲きょくであることを知しり、それ以来いらい、折おりに触ふれて聴きくようになった。最近さいきん、弦楽げんがく四よん重奏じゅうそう曲きょくや弦楽げんがく五ご重奏じゅうそう曲きょくなどが収録しゅうろくされたセット物ぶつを購入こうにゅうし、何故なぜブラームスが諦観ていかんの作曲さっきょく家かなどと言いわれているのか、よくわかったような気きがする。

　クラリネット五ご重奏じゅうそう曲きょくは、弦楽げんがく四よん重奏じゅうそうにクラリネットという編成へんせいによる曲きょくが多おおいようであるが、他たのスタイルと比くらべると数かずは少すくない。モーツァルトのイ長調いちょうちょうの曲きょく（K. 581）が圧倒的あっとうてきに有名ゆうめいであるが、その他たと言いえば、このブラームスのロ短調たんちょう（作品さくひん115）くらいであろうか。

　全体ぜんたいは暗くらい雰囲気ふんいきで覆おおわれている。途中とちゅう、何なん箇所かしょかで「ここにはクラリネットが入はいらないほうがよいのではないか」、「弦楽げんがく四よん重奏じゅうそうか弦楽げんがく五ご重奏じゅうそうのほうがよかった」と思おもえる部分ぶぶんがある。クラリネットの音色ねいろの性質せいしつによるためである（音域おんいきによって質しつが変かわる）。それはともあれ、第だい１楽章がくしょうから引ひき込こまれる。

　第だい２楽章がくしょうはロ長調ちょうちょうであるが、雰囲気ふんいきは変かわらない。中間なかま部ぶがロ短調たんちょうであることが、曲きょくの統一とういつ性せいを高たかめることに貢献こうけんしているのであろう。第だい３楽章がくしょうにも同おなじことが言いえる。ニ長調ちょうちょうなのであるが、交響こうきょう曲きょく第だい２番ばんやヴァイオリン協奏曲きょうそうきょくのような明あかるさはない。この楽章がくしょうも、中間ちゅうかんではロ短調たんちょうとも聞きこえるような曲調きょくちょうになる。そして第だい４楽章がくしょうである。変奏曲へんそうきょくであり、途中とちゅうでロ長調ちょうちょうに転調てんちょうするが、諦観ていかんの空気くうきは変かわらない。その中なかに様々さまざまな別べつの要素ようそが入はいる。変奏へんそうを終おえ、クラリネットが静しずかに吹ふき終おえると、弦楽げんがく四よん重奏じゅうそうがＢマイナーの和音わおんを強つよく演奏えんそうし、すぐに残響ざんきょうのごとく弱よわい音おとで曲きょくを閉とじる。

　ここのところ、CDというとクラシックを買かうことが多おおい。拍子ひょうしなどのことを考かんがえると、クラシックほど多彩たさいな分野ぶんやもないからかもしれない。今年ことし、好このんで聴きいたのは、ブラームス、ドビュッシー、武満たけみつ徹とおる、といったところである。

　本日ほんじつ、大東文化大学だいとうぶんかだいがくが法科ほうか大学院だいがくいんの学生がくせい募集ぼしゅうを2015年度ねんどから停止ていしする旨むねを発表はっぴょうしました。

　先程さきほど、Googleで検索けんさくをかけたら、朝日新聞社あさひしんぶんしゃが今日きょうの19時じ21分ふん付づけで「大東文化大だいとうぶんかだい、法科ほうか大学院だいがくいんの募集ぼしゅう停止ていしへ　15年度ねんどから」として報ほうじているのを見みつけました（http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312190226.html）。大東文化大学だいとうぶんかだいがくのサイトでは、今日きょう、「大東文化大学だいとうぶんかだいがく大学院だいがくいん法務ほうむ研究けんきゅう科か（法科ほうか大学院だいがくいん）の学生がくせい募集ぼしゅう停止ていしについて」として発表はっぴょうしています（http://www.daito.ac.jp/news/details_8554.html）。

　私わたしは大東文化大学だいとうぶんかだいがく法学部ほうがくぶに勤務きんむしていますから、当然とうぜん、この話はなしは知しっていました。また、前期ぜんきだけですが法科ほうか大学院だいがくいんの講義こうぎを担当たんとうしています。合格者数ごうかくしゃすうも合格ごうかく率りつも低迷ていめいしており、定員ていいん充足じゅうそく率りつの問題もんだいも生しょうじていましたから、廃止はいしはやむをえないということです。

　朝日新聞社あさひしんぶんしゃの上記じょうき報道ほうどうでは、大東文化大学だいとうぶんかだいがくは「文部もんぶ科学かがく省しょうによると、募集ぼしゅう停止ていしは９例れい目め」であるとのことですが、10月25日にち付づけでこのブログに投稿とうこうした「９例れい目め（？）はニュースにもならず……」に照てらせば10例れい目めとなります。私わたしが勘定かんじょうを誤あやまった可能かのう性せいも高たかいので、ここでは「文部もんぶ科学かがく省しょうによる」ところとしておきましょう。

　大東文化大学だいとうぶんかだいがく大学院だいがくいん法務ほうむ研究けんきゅう科かは、これまで27名めいの合格ごうかく者しゃを出だしています。その８割わりが未収みしゅう者しゃまたは社会しゃかい人じんです。実際じっさい、これまで私わたしが担当たんとうした講義こうぎの受講じゅこう者しゃの多おおくが社会しゃかい人じんです。平日へいじつには夜間やかん２コマ（18時半じはんから20時じまでと、20時じ10分ふんから21時じ40分ふんまで）も設もうけられており、土曜日どようびと日曜日にちようびにも講義こうぎが入はいっています。

　しかし、ここ数すう年ねん、合格ごうかく率りつが低迷ていめいしています。今年ことしの合格ごうかく率りつは1.64％で、全体ぜんたいでは71位いでした。これは昨年さくねん（59位い）より下回したまわっており、合格ごうかく率りつ０％であったところ（東海大学とうかいだいがく、神戸学院大学こうべがくいんだいがくおよび姫路獨協大学ひめじどっきょうだいがくの３校こう。いずれも撤退てったいを表明ひょうめい済ずみです）を除のぞけば最低さいていの数字すうじとなってしまいました。

　まさに、我々われわれの力ちからが及およばなかった、ということです。

　12日にち（金かね）の講義こうぎの際さいに話はなしましたように、当初とうしょは期末きまつ試験しけんを行おこなう予定よていでしたが、レポート提出ていしゅつに切きり替かえます。

　K-SMAPYの「お知しらせ」および「フォーラム」の欄らんにも「課題かだい」を記しるしましたし、私わたしのサイトの「行政ぎょうせい法ほう試験しけん問題もんだい集しゅう」にも「その42」（http://kraft.cside3.jp/PrVwR42.htm）として掲載けいさいしましたが、便宜べんぎのため、ここにも掲載けいさいしておきます。

　●次つぎの中なかから二に題だいを選えらび、解答かいとうしてください。

　１．国家こっか公務員こうむいんＸは、或あるる休日きゅうじつに、特定とくてい秘密ひみつ保護ほご法ほう制定せいてい反対はんたい集会しゅうかいに参加さんかし、現役げんえきの公務員こうむいんとして演説えんぜつも行おこなった。これにより、Ｘは国家こっか公務員こうむいん法ほう違反いはんで起訴きそされた。この事案じあんについて、行政ぎょうせい法ほうの問題もんだいについて、判例はんれい・学説がくせつに照てらしつつ、論ろんじなさい。

　２．行政ぎょうせい行為こういの無効むこうと取消とりけしについて、判例はんれい、学説がくせつに照てらしつつ、論ろんじなさい。

　３．行政ぎょうせい調査ちょうさのうち、強制きょうせい調査ちょうさとその手続てつづきが抱かかえる問題もんだい点てんについて、判例はんれい、学説がくせつに照てらしつつ、論ろんじなさい。

　４．行政ぎょうせい手続てつづき法ほう第だい８条じょうおよび同どう第だい14条じょうは「理由りゆうの提示ていじ」を定さだめる。その趣旨しゅしは何なにに求もとめられるか。また、「理由りゆうの提示ていじ」は、どの程度ていどまで求もとめられるべきか。判例はんれい、学説がくせつに照てらしつつ、論ろんじなさい。

　●字数じすう・枚数まいすう：一いち題だいについて2000字じ以上いじょうとします（上限じょうげんは設もうけません）。次つぎの点てんに注意ちゅういしてください。

　①パソコン、ワープロでレポートを作成さくせいする際さいには、A4の用紙ようしを使用しようしてください。また、１行ぎょうあたりの字数じすうと１頁ぺーじあたりの行くだり数すうを明示めいじしてください。

　②パソコン、ワープロを使用しようしない場合ばあいには、必かならず原稿げんこう用紙ようしを使用しようしてください。ルーズリーフ、レポート用紙ようしなどを使用しようした場合ばあいには採点さいてんしません。また、黒くろの万年筆まんねんひつかボールペンで記しるすこと（鉛筆えんぴつなどの場合ばあいは採点さいてんしない場合ばあいがあります）。

　③参考さんこう文献ぶんけんを明示めいじしてください。ここで、参考さんこう文献ぶんけんとは、教科書きょうかしょ（講義こうぎの教科書きょうかしょだけでは不十分ふじゅうぶんです）、論文ろんぶん集しゅう、法律ほうりつ雑誌ざっし掲載けいさいの論文ろんぶんをいいます。六法ろっぽうなどの法令ほうれい集しゅう、辞書じしょ、判例はんれい集しゅうなどは参考さんこう文献ぶんけんにならないので注意ちゅういしてください（参考さんこう文献ぶんけんとして記しるされている場合ばあいは、論述ろんじゅつの展開てんかいに関連かんれんする必然ひつぜん性せいがあると認みとめられない限かぎりにおいて減点げんてんします）。また、文献ぶんけんの数かずも評価ひょうかの対象たいしょうとなります。

　なお、総務そうむ省しょう、各かく地方ちほう公共こうきょう団体だんたいのサイトを除のぞいて、ホームページ（各種かくしゅサイト）などの参照さんしょうは避さけてください（参照さんしょうされていることが明あきらかな場合ばあい、減点げんてんすることがあります）。

　●提出ていしゅつ方法ほうほう

　①原則げんそくとしてK-SMAPYによります。締切しめきりは１月がつ17日にち（金かね）の14時じ30分ふんです。

　②但ただし、この機能きのうを使つかえない場合ばあいには、１月がつ17日にちの講義こうぎの際さいに提出ていしゅつしていただきます。教卓きょうたくの上うえに置おいてください。

　③レポートの提出ていしゅつがない場合ばあいには、単位たんいの認定にんていをしません。また、教科書きょうかしょや参考さんこう文献ぶんけん、さらにホームページなどの丸まる写うつしなどで終おわっているものは未み提出ていしゅつとみなします。

　自分じぶんの力ちからで考かんがえ、表現ひょうげんしてみましょう。

　国会こっかいであれ地方ちほう議会ぎかいであれ、審議しんぎが空転くうてんしたりすることはよくあります。しかし、開会かいかいから閉会へいかいまで、全まったく議案ぎあんが審議しんぎされないままに閉会へいかいされるという例れいはほとんどないのではないでしょうか。少すくなくとも、珍めずらしい話はなしであると言いうことはできるでしょう。朝日新聞社あさひしんぶんしゃが、今日きょうの５時じ58分ふん付づけで「川俣かわまた町議会ちょうぎかい　審議しんぎ無なく閉会へいかい」（http://digital.asahi.com/articles/CMTW1312120700001.html）として報ほうじています。

　福島ふくしま県けんの川俣かわまた町まちでは、今月こんげつ５日にちから昨日きのう（11日にち）まで、町議会ちょうぎかいが開ひらかれていました。ところが、この町議会ちょうぎかいを構成こうせいする16名めいの議員ぎいん（議長ぎちょうおよび副ふく議長ぎちょうを含ふくむ）のうち、９名めいの議員ぎいんの議員ぎいんが、初日しょにちの途中とちゅうから本ほん会議かいぎへの出席しゅっせきを拒否きょひしました。過半数かはんすうの議員ぎいんが出席しゅっせきしなかったのですから、議会ぎかいの定足数ていそくすうを満みたせず、議事ぎじを進行しんこうできません。

　こうなったことの理由りゆうは、次つぎのように報ほうじられています。今年ことしの７月がつ25日にち、伊達だて郡ぐん３町まちで議員ぎいん大会たいかいが行おこなわれました。この大会たいかいで、各かく町議会ちょうぎかいが行おこなっている県けんへの要望ようぼうについて、川俣かわまた町議会ちょうぎかいからの案あんを、議長ぎちょうが事前じぜんに、議員ぎいんに諮はかることとなっていました。ところが、どういう訳わけか議長ぎちょうが「失念しつねんした」とのことでした。そのため、町議会ちょうぎかいの議員ぎいんは要望ようぼうの内容ないようを知しらされなかったというのです。

　議員ぎいん大会たいかいのことを「失念しつねん」していたのが議長ぎちょうだけだったのか、疑問ぎもんも残のこります。しかも、その話はなしから４か月げつ以上いじょうも経たってから、議会ぎかいの場ばで問題もんだいとして取とり上あげられたことについても、疑問符ぎもんふが浮うかびます。７月しちがつ25日にちから12月５日にちまで、町議会ちょうぎかいは一いち度ども開ひらかれていないのでしょうか。全員ぜんいん協議きょうぎ会かいなど、設定せっていしようと思おもえば開ひらくことは可能かのうであったはずです。

　ともあれ、12月５日にちに町議会ちょうぎかいの日程にっていが決きまり、その直後ちょくごに議長ぎちょうに対たいする不信任ふしんにんの緊急きんきゅう動議どうぎが提出ていしゅつされました。この動議どうぎに対たいして賛成さんせいしたのは８名めいです。議会ぎかいの議長ぎちょうおよび副ふく議長ぎちょうを除のぞいた議員ぎいんの総数そうすうは14名めいですから、かろうじて過半数かはんすうということになる賛成さんせいにより、動議どうぎは可決かけつしました。しかし、議長ぎちょうは辞意じいを表明ひょうめいせず、これに対たいし副ふく議長ぎちょうを含ふくめて９名めいの議員ぎいんが退席たいせきしました。

　町議会ちょうぎかいには重要じゅうよう案件あんけんがありました。その一ひとつが補正ほせい予算よさん案あんです。詳くわしい内容ないようはわかりませんが、およそ１億おく３千せん万まん円えんの規模きぼということです。町議会ちょうぎかいが開ひらかれていたのに審議しんぎされていないのですから、どうしようもありません。町長ちょうちょうの専決せんけつ処分しょぶんということになりそうです。

　地元じもとの詳くわしい事情じじょうは、地元じもとの人間にんげんでなければわからないものです。上記じょうき報道ほうどうによれば、「動議どうぎに賛成さんせいした議員ぎいんの中なかには前ぜん議長ぎちょうや議会ぎかい運営うんえい委員いいん長ちょうもいる。今年ことし１月がつに前ぜん議長ぎちょうが議会ぎかい運営うんえいを批判ひはんされ、任期にんき途中とちゅうで辞任じにんしたことをめぐる議会ぎかい内ないのしこりが背景はいけいにある、と指摘してきする議員ぎいんも少すくなくない」とのことです。ちなみに、2012年ねん11月、復興ふっこう庁ちょうの参事官さんじかんがツイッターで福島ふくしま県内けんないの町議会ちょうぎかいを揶揄やゆするという事件じけんが生しょうじましたが、その対象たいしょうが川俣かわまた町議会ちょうぎかいでした。

　いかなる組織そしきであれ、一旦いったんできたしこりはなかなか消きえないものです。しかし、大だい災害さいがいからの復興ふっこうに取とり組くんでいる最中さいちゅうに内輪揉うちわもめをしている場合ばあいではないでしょう。これでは批判ひはんされても仕方しかたがないところです（揶揄やゆはいけませんが）。

　前回ぜんかいに記しるした阪急はんきゅう側がわの事情じじょうは、多分たぶんに私わたしの推測すいそくです。ただ、当あたらずとも遠とおざからず、と考かんがえています。関西かんさい経済けいざい圏けんの縮小しゅくしょうという大だい問題もんだいがあることは承知しょうちしていますが、それを考慮こうりょに入いれても、阪急はんきゅうには新あらたなネットワークを構築こうちくする必要ひつよう性せいがあるものと判断はんだんされたのではないかと思おもわれるのです。また、阪急はんきゅう阪神はんしんグループの再編さいへんなども視野しやに入いれていると考かんがえられます。

　かつては「永遠えいえんのライバル」とも言いわれ、戦前せんぜんには実際じっさいに阪急はんきゅう（この時代じだいは阪神はんしん急行きゅうこう電鉄でんてつ）と多おおくの紛争ふんそうを構かまえた阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうも、JR西日本にしにほんの攻勢こうせいを受うけて乗客じょうきゃくの減少げんしょうに見舞みまわれました。JR東西線とうざいせんの開通かいつうも、阪神はんしん本線ほんせんにとっては打撃だげきであったはずで、大阪おおさか府内ふないの各駅かくえき（とくに、特急とっきゅうが通過つうかする駅えき）では大幅おおはばな乗降じょうこう客きゃく減げんが見みられました。

　もっとも、阪神はんしん西大阪線にしおおさかせんが難波なんばまで延長えんちょうして阪神はんしんなんば線せんとなり、近鉄きんてつ奈良なら線せんとの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを開始かいししてからは、利用りよう客きゃくが増加ぞうかに転てんじたかもしれません。そうなると、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんの存在そんざいは霞かすんできます。JR西日本にしにほんの攻勢こうせいは続つづいており（岡本おかもとに続つづいて夙川しゅくがわに特急とっきゅうが停車ていしゃするようになったのが象徴しょうちょう的てきです）、たとえば福知山ふくちやま線せん、東西線とうざいせん、学研都市線がっけんとしせん（片町線かたまちせん）の直通ちょくつう運転うんてんを行おこない、東海道とうかいどう本線ほんせん・山陽本線さんようほんせんの新しん快速かいそくの運転うんてん区間くかんを拡大かくだいするなど、京阪神けいはんしん地区ちくでの広域こういきネットワークを構築こうちくしています。阪神はんしんも、遅おくればせながら近鉄きんてつ奈良なら線せんへの乗のり入いれを通つうじて広域こういきネットワークを構築こうちくし、やろうと思おもえば近鉄きんてつ名古屋なごやから阪神はんしんなんば線せん、阪神はんしん本線ほんせん、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんを経由けいゆして山陽姫路さんようひめじまでの直通ちょくつう特急とっきゅうを走はしらせることができるようにまでなっています。

　広域こういきネットワークにはデメリットもあります。首都しゅと圏けんの例れいでわかるように、埼玉さいたま県けんや栃木とちぎ県けんで人身じんしん事故じこが発生はっせいすると、都内とないは勿論もちろん、神奈川かながわ県内けんないにまで遅延ちえんなどの影響えいきょうが出でます。JR湘南しょうなん新宿しんじゅくラインが典型てんけい的てきですし、東急東横とうきゅうとうよこ線せんや田園都市線でんえんとしせんでも見みられるようになりました。それでも、首都しゅと圏けんで再さい構築こうちくと広域こういき化かが図はかられることにより、利用りよう可能かのう性せいが大幅おおはばに増ふえるというメリットが大おおきいのです。

　JR西日本にしにほんの場合ばあいは自社じしゃ路線ろせんだけでネットワークの広域こういき化かが可能かのうですし、阪神はんしんや近鉄きんてつは他社たしゃへの乗のり入いれによって可能かのうとしています。もっとも、この点てんでは関東かんとうの大手おおて私鉄してつのほうが進すすんでいます（電車でんしゃのバリアフリーという点てんでも、昔むかしから関西かんさいは遅おくれています。手てすりが少すくなすぎるのは昔むかしから今いまも変かわりません）。関西かんさいの大手おおて私鉄してつは、阪急はんきゅう京都きょうと線せんと大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ堺さかい筋すじ線せんとの直通ちょくつう運転うんてんのような例れいは見受みうけられるものの、あまり積極せっきょく的てきではありません。これには、大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつの影響えいきょうなどがあるでしょう。それにしても、近年きんねんの状況じょうきょうを見みると、ネットワークの再さい構築こうちくへの積極せっきょく性せいでは態度たいどが分わかれます。積極せっきょく的てきなのが阪神はんしんと近鉄きんてつで、とくに近鉄きんてつは大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ中央ちゅうおう線せんや京都きょうと市営しえい地下鉄ちかてつ烏丸からすま線せんへの乗のり入いれも行おこなっています。逆ぎゃくに消極しょうきょく的てきなのが京阪けいはん（京都きょうと市営しえい地下鉄ちかてつ東西とうざい線せんへの乗のり入いれはありますが）、南海なんかい（泉北せんぼく高速こうそく鉄道てつどうへの乗のり入いれはありますが）、そして阪急はんきゅうです（上記じょうきの他ほかに宝塚たからづか線せんから能勢のせ電鉄でんてつ線せんへの乗のり入いれがありますが、片かた乗のり入いれという状態じょうたいです）。阪急はんきゅうの場合ばあいは、前回ぜんかいにも記しるしたように山陽さんよう電鉄でんてつへの直通ちょくつう運転うんてんを中止ちゅうししているくらいですから、縮小しゅくしょうしている訳わけです。ネットワークを狭せばめるような結果けっかになっていますし、京都きょうと側がわのネットワークを広ひろげることは難むずかしいので、神戸こうべ側がわの新あらたな可能かのう性せいを模索もさくしているというところでしょう。

　さて、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんと神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せんの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんは、実現じつげん可能かのうなのでしょうか。

　この問といに対たいしては、技術ぎじゅつ的てきな観点かんてん、経済けいざい的てきな観点かんてんなど、複数ふくすうの方向ほうこうからの検討けんとうが必要ひつようとなります。ただ、私わたしは土木どぼく技術ぎじゅつなどについては全まったく手てが出でませんので、かなりの程度ていどで趣味しゅみ的てきな視点してんから記しるしていきます。

　相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを開始かいしするには、接続せつぞく駅えきが必要ひつようです。どちらも既存きそんの路線ろせんですから、どちらか一方いっぽうが大幅おおはばな改造かいぞうを行おこなう必要ひつようがあります。少すこしばかり考かんがえると「こういう話はなしは40年ねんくらい前まえに済すましておけばよかったのに」と思おもうことにもなりますが、今更いまさらどうしようもありません。

　そこで路線ろせん図ずを見みますと、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんと神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せんとの直接ちょくせつの乗換のりかえ駅えきは、三宮さんのみやしかありません。しかし、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんの三宮さんぐう駅えきは高架線こうかせん上じょうにあるのに対たいし、西にし神しん・山手やまて線せんの三宮さんぐう駅えきは北側きたがわ（山側やまがわ）に少すこし離はなれた地下ちか線せんの途中とちゅうにあります。しかも、地下鉄ちかてつの駅えきは狭せまい道路どうろの下したにあるためか、ホームが二に層そう構造こうぞうになっています（東京とうきょうで言いえば桜さくら新町しんまち駅えき、麹こうじ町まち駅えき、神楽坂かぐらざか駅えきのような構造こうぞうです）。このままでは直通ちょくつう運転うんてんなど無理むりですから、阪急はんきゅうの三宮さんぐう駅えきを地下ちか化かするという手てが考かんがえられます。実際じっさいに、この案あんが示しめされているようです。

　但ただし、今いまの高架こうか駅えきの場所ばしょに地下ちか駅えきを作つくっても、別べつの場所ばしょにある点てんは変かわりません。連絡れんらく線せんを造つくるとしても、阪急はんきゅうの三宮さんぐう駅えきと地下鉄ちかてつの三宮さんぐう駅えきが別々べつべつになっているのでは混乱こんらんします。下手へたをすれば、京都きょうと市営しえい地下鉄ちかてつ東西とうざい線せんの山科やましな駅えきと京阪けいはん山科やましな駅えきとの関係かんけいのようになってしまうのです。誤あやま乗じょうなどが頻発ひんぱつするでしょう。

　そうなると、望のぞましいのは、阪急はんきゅう三宮さんぐう駅えきの地下ちか化かとともに阪急はんきゅうと地下鉄ちかてつの駅えきを統合とうごうすることです。建設けんせつ場所ばしょによっては西にし神しん・山手やまて線せんのルートが変かわりますが、やむをえないところです。どちらが管理かんりするかということなどを明確めいかく化かしておけば、実現じつげんの可能かのう性せいは低ひくくありません。

　ただ、この案あんを採用さいようするとなると、地形ちけい的てきな問題もんだい、技術ぎじゅつ的てきな問題もんだい、財政ざいせい上じょうの問題もんだいの他ほかに、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんの三宮さんのみや・高速こうそく神戸こうべ間あいだをどうするのかという問題もんだいが残のこります。阪急はんきゅうとしては、西にし神しん・山手やまて線せんとの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを開始かいししたら神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんへの乗のり入いれを中止ちゅうしすることも念頭ねんとうに置おいているかもしれません。しかし、そうなると三宮さんのみや・高速こうそく神戸こうべ間あいだは廃止はいしされることになりかねません。地下ちか駅えきの高速こうそく神戸こうべはともあれ、途中とちゅうにある地下ちか駅えきの花隈はなくまは廃はい駅えきとなるのでしょうか。日本にっぽんで地下鉄ちかてつ史上しじょう初はつの廃止はいし区間くかん、廃止はいし駅えきが登場とうじょうするかもしれませんが、何なんらかの活用かつよう方法ほうほうが考かんがえられて然しかるべきでしょう（神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうには神戸こうべ市しも出資しゅっししています）。

　ここで、他たの手ても考かんがえてみましょう。第だい二にの手てとしては、阪急はんきゅう三宮さんぐう駅えきを（高架こうかのままに残のこしておくか地下ちか化かするかは別べつとして）地下鉄ちかてつ三宮さんぐう駅えきとは別べつのままにしておいて、県庁けんちょう前ぜん駅えき付近ふきんから分岐ぶんき線せんを造つくり、新しん神戸こうべ方面ほうめんは地下鉄ちかてつ三宮さんぐう駅えき、梅田うめだ方面ほうめんは阪急はんきゅう三宮さんぐう駅えきというように振ふり分わけることが考かんがえられます。首都しゅと圏けんで言いえば京王線けいおうせんと京王けいおう新しん線せんの関係かんけい、あるいは東武とうぶ伊勢崎いせざき線せんの曳舟・東京とうきょうスカイツリー間あいだと曳舟・押上おしあげ間あいだの関係かんけいに近ちかい（？）ものとなります。費用ひようはかかりますが、どのみち避さけられない話はなしです。この手てのメリットは、阪急はんきゅうが神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう乗のり入いれの選択肢せんたくしを残のこしておけることですが、意味いみがないかもしれません。

　第だい三さんの手てとして、阪急はんきゅうのほうが春日野道かすがのみち駅えきか王子おうじ公園こうえん駅えきから地下鉄ちかてつ三宮さんぐう駅えきへの連絡れんらく線せんを建設けんせつするという手てもあります。これは、現在げんざいの阪急はんきゅう三宮さんぐう駅えきを高架こうか駅えきのままにしておき、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんへの乗のり入いれも維持いじする、という前提ぜんていの下したで考かんがえられるものです。

　但ただし、この案あんにも難点なんてんがあります。一ひとつには、阪急はんきゅうと地下鉄ちかてつとで駅えきが別々べつべつになるという点てんに変かわりがないことです。もう一ひとつは、おそらく工事こうじが非常ひじょうに難むずかしくなるということです。原因げんいんは、先程さきほど記しるした、地下鉄ちかてつ三宮さんぐう駅えきの構造こうぞうです。二に層そう構造こうぞうのため、この駅えきに連絡れんらく線せんを造つくるとなると、距離きょりの問題もんだいもあれば分岐ぶんき点てんなどの問題もんだいもあります。西にし神しん・山手やまて線せんは、三宮さんぐう駅えきを出でると急きゅうカーブで北きたの方かたへ曲まがり、新しん神戸こうべ駅えきに向むかいます。かなり困難こんなんであることが予想よそうされます。さらに、阪急はんきゅう側がわに資金しきんでの余裕よゆうがあるかどうかです。春日野道かすがのみち駅えきか王子おうじ公園こうえん駅えきまでの新しんルートを建設けんせつしなければなりませんから、土地とち買収ばいしゅうなどの面めんで困難こんなんが予想よそうされます。また、春日野道かすがのみち駅えきはホームの幅はばが狭せまいことでも知しられていますので、改良かいりょう工事こうじを同時どうじに行おこなう必要ひつようもあります。このように考かんがえていくと、あまり現実げんじつ的てきな案あんとも言いえません。

　その他たの手てとしては、三宮さんぐう駅えきで接続せつぞくするのではなく、たとえば花隈はなくま駅えきを活用かつようして連絡れんらく線せんを新あらたに建設けんせつするという事ことも考かんがえられますが、阪急はんきゅう・神戸こうべ高速こうそく・神戸こうべ市しと跨またががるのでは面倒めんどうな話はなしで、運賃うんちんの点てんでも疑問ぎもんです。

　考かんがえようと思おもえばいくらでもできる話はなしですが、最もっとも現実げんじつ的てきにして高たかい利便りべん性せいを生うみ出だす方法ほうほうが最善さいぜんです。莫大ばくだいな費用ひようがかかることからして、そもそも相互そうご直通ちょくつう運転うんてんには慎重しんちょうたらざるをえないかもしれません（むしろ、実現じつげんの可能かのう性せいは低ひくいと評価ひょうかしてもよいでしょうが）。しかし、検討けんとうには値あたいするでしょう。いかなる結果けっかが出でるか、注目ちゅうもくすべきところです。

　蛇足だそくですが、神戸こうべ市しの中央ちゅうおう区く、兵庫ひょうご区くなど、海うみから山やままでの南北なんぼくに狭せまい平地ひらちに、JR東海道とうかいどう本線ほんせん・山陽本線さんようほんせん、神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せん、神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ海岸かいがん線せん、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西線とうざいせん（阪急はんきゅう、阪神はんしん、山陽さんように直通ちょくつう）が並行へいこうしているのを見みる度たびに、実じつに無駄むだな路線ろせん網もうであると感かんじます。何なん度どか神戸こうべを訪おとずれ、これらの路線ろせんを利用りようしましたが、その度どごとに「こんなにたくさんの鉄道てつどう路線ろせんが通かよっていても、食くい合あいで終おわるだろう」と思おもっています。一度いちど、海岸かいがん線せんを利用りようしたのですが、乗客じょうきゃくの少すくなさには驚おどろきました。地図ちずなどを見みても、他たの鉄道てつどう路線ろせんとそれほど離はなれていない場所ばしょを走はしっているのです。何なにのために建設けんせつしたのか、意味いみがよくわかりません。海岸かいがん線せんに限かぎりません。神戸こうべ市しは、既すでに神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうという第だい三さんセクターを作つくり、出資しゅっししていたのにもかかわらず、その東西とうざい線せんと並行へいこうするような形かたちで地下鉄ちかてつを建設けんせつしているのです。どのような需要じゅよう予測よそくが立たてられたのか、興味深きょうみぶかいところです。

　昨日きのう（と言いっても日付ひづけが変かわる寸前すんぜんのことですが）、朝日新聞社あさひしんぶんしゃのサイトを見みていたら、９日にち22時じ40分ふん付づけで「阪急はんきゅう神戸こうべ線せんと神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ、相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを検討けんとうへ」（http://digital.asahi.com/articles/OSK201312090025.html）という記事きじが目めに付つきました。

　実じつは、この相互そうご直通ちょくつう運転うんてんの話はなし自体じたいは前まえから存在そんざいしており、私わたしも知しっていました。近畿きんき地方ちほう交通こうつう審議しんぎ会かいは、2004年ねん10月がつ８日にち付づけの「近畿きんき圏けんの望のぞましい交通こうつうのあり方かたについて（答申とうしん第だい８号ごう）」において、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんと神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せんの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを「別紙べっし１」の「京阪神けいはんしん圏けんにおいて、既存きそん施設しせつの改良かいりょうに関かんし検討けんとうすべき主おもな事業じぎょう」のトップに登場とうじょうさせています。しかも「西にし神しん・山手やまて線せんの急行きゅうこう運転うんてんを検討けんとう」とも書かいています。もっとも、「京阪神けいはんしん圏けんにおいて、既存きそん施設しせつの改良かいりょうに関かんし検討けんとうすべき主おもな事業じぎょう」とは「現時点げんじてんで、京阪神けいはんしん圏けんにおいて、事業じぎょうの具体ぐたい化かの可能かのう性せいを検討けんとうすべき主おもなもの」ですので、どの程度ていどの優先ゆうせん順位じゅんいなのかということなどがよくわかりません。

　（ちなみに、上記じょうき答申とうしんはhttp://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/shingi/toshin/toshin.pdfで見みることができますが、47頁ぺーじ以下いかの別紙べっし、付図ふず、付表ふひょうを参照さんしょうすることができません。「別紙べっし１」はhttp://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/shingi/pdf/8-5-2.pdfで参照さんしょうできますが、わざわざ別べつのアドレスにすべき必然ひつぜん性せいに乏とぼしいと評ひょうすべきでしょう。）

　上記じょうき朝日新聞社あさひしんぶんしゃ報道ほうどうに戻もどりますと、９日にちに神戸こうべ市長しちょうが「市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せんと阪急電鉄はんきゅうでんてつ神戸こうべ線せんを三宮さんのみや付近ふきんで接続せつぞくし、相互そうご直通ちょくつう運転うんてんする案あんの検討けんとうに入はいる考かんがえ」を、神戸こうべ市議会しぎかい本ほん会議かいぎでの答弁とうべんで示しめしました。狙ねらいは「三宮さんのみやの活性かっせい化かや、西にし神しんニュータウンから大阪おおさか・梅田うめだへの利便りべん性せいを向上こうじょうさせることなど」とのことです。

　報道ほうどうでも触ふれられていますが、元々もともと、相互そうご直通ちょくつう運転うんてんは阪急電鉄はんきゅうでんてつの意向いこうによるところが大おおきく、神戸こうべ市し側がわは1900億おく円えんもの事業じぎょう費ひを要ようすることなどから難色なんしょくを示しめしていました。ところが、ここに来きて、最近さいきん就任しゅうにんしたばかりの神戸こうべ市長しちょうが検討けんとうに積極せっきょく的てきな姿勢しせいを示しめしたのです。あくまでも検討けんとうであって、そこから先さきは白紙はくしということなのでしょうか。

　阪急はんきゅうが相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを志向しこうすることは理解りかいできます。朝日新聞社あさひしんぶんしゃも「阪急はんきゅう側がわには、市営しえい地下鉄ちかてつからJR線せんへの乗のり換かえ客きゃくの取とり込こみを狙ねらえるなどのメリットがある」と述のべている通とおりです。しかし、それだけではないように思おもわれます。

　かつて、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんは神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんを経由けいゆして山陽さんよう電鉄でんてつ線せんまでの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを行おこなっていました。しかし、1998年ねん、山陽さんよう電鉄でんてつ線せんへの直通ちょくつう運転うんてんを中止ちゅうしし（免許めんきょは保持ほじしているとのことですが）、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんの新開地しんかいち駅えきまでに短縮たんしゅくしています。その理由りゆうとしては、JR西日本にしにほんの積極せっきょく的てきな攻勢こうせいにより、東海道とうかいどう本線ほんせん・山陽さんよう本線ほんせんと並行へいこうする阪急はんきゅう神戸こうべ線せん（・阪神はんしん本線ほんせん）・神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう・山陽さんよう電鉄でんてつの直通ちょくつうラインが不利ふりになったことが考かんがえられます。阪神はんしん梅田うめだから山陽姫路さんようひめじまでの直通ちょくつう運転うんてんは現在げんざいも行おこなわれていますが、JRならば一いち社しゃだけの運賃うんちん体系たいけいで済すむのに対たいし、阪神はんしん・神戸こうべ高速こうそく・山陽さんようなら三さん社しゃの運賃うんちんの合算がっさんとなるので高額こうがくになります。これでスピードもJRに劣おとるならば、競争きょうそうの意味いみがなくなります。阪急はんきゅうは神戸こうべ線せんのみならず、京都きょうと線せんと宝塚たからづか線せんでもJR西日本にしにほんと競合きょうごうしており、京都きょうと線せんと宝塚たからづか線せんは劣勢れっせいに立たたされています。神戸こうべ線せんについても影響えいきょうは出でているでしょうから、なるべくマイナスを減へらしたいでしょう。

　神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西線とうざいせんも、完全かんぜんにJR東海道とうかいどう本線ほんせん・山陽さんよう本線ほんせんに並行へいこうしています。これに対たいし、神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつであれば、並行へいこうする部分ぶぶんもあるものの、西にし神しんニュータウンという別べつの展開てんかいができます。JR山陽さんよう本線ほんせんや山陽さんよう電鉄でんてつ本線ほんせんから離はなれた山側やまがわに路線ろせんがあるためです。

　仮かりに西にし神しん・山手やまて線せんとの直通ちょくつう運転うんてんが実現じつげんすれば、阪急はんきゅう神戸こうべ線せんから神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう東西とうざい線せんへの直通ちょくつう運転うんてんは廃止はいしとなるようです。生いき残のこりをかけるのであれば当然とうぜんの選択せんたくでしょう。

　以上いじょうの他ほかに考かんがえられるのは、阪急はんきゅう阪神はんしんホールディングス成立せいりつ以前いぜんから子会社こがいしゃである神戸電鉄こうべでんてつと北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの不振ふしんです。神戸電鉄こうべでんてつについて記しるすならば、粟生線あおせんの赤字あかじ問題もんだいがあることは数すう年ねん前まえに存廃そんぱい問題もんだいとして大おおきく取とり上あげられています。また、西にし神しん・山手やまて線せんと相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを行おこなう北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつは、高額こうがくな運賃うんちんが災わざわいして利用りよう客きゃくが少すくないと言いわれており（バスに乗客じょうきゃくを奪うばわれているとか。神戸電鉄こうべでんてつも同様どうようです）、多額たがくの負債ふさいを抱かかえているようです。

　ただ、親会社おやがいしゃの阪急電鉄はんきゅうでんてつが西にし神しん・山手やまて線せんとの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんを開始かいしした場合ばあい、神戸電鉄こうべでんてつ（とくに粟生線あおせん）と北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつにもかなり大おおきな影響えいきょうが出でるはずです。北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつと西にし神しん・山手やまて線せんとの相互そうご直通ちょくつう運転うんてんは継続けいぞくされるのかという点てんなどでの調整ちょうせいも求もとめられることでしょう。

　まだ続つづきがあるのですが、稿こうを改あらためることとします。

　９月くがつ15日にち付づけでFox Capture Plan, Trinityを取とり上あげました。それから３カ月かげつ弱じゃくで、再ふたたびFox Capture PlanのCDを取とり上あげることとします。前作ぜんさくから半年はんとしほどしか経たっていませんが、Bridgeというタイトルの新作しんさくです。

　Fox Capture Plan, Bridge（ディスクユニオン、PWT-007）

　今日きょう、二子ふたご玉川たまがわライズのヴィレッジ・ヴァンガードで耳みみにして、すぐに買かいました。Trinityが素晴すばらしい作品さくひんであったからで、今回こんかいも期待きたいしたのです。初回しょかい限定げんてい版ばんということでシールが付ついており、また、DVDも付ついてきました。

　帰宅きたくしてから通とおして聴きいてみました。基本きほん的てきな路線ろせんは前作ぜんさくと同様どうようですが、統一とういつ感かんが増ましているような印象いんしょうを受うけます。前作ぜんさくの２曲きょく目め「衝動しょうどうの粒子りゅうし」を最初さいしょに三軒茶屋さんげんぢゃやで聴きいた時ときほどの衝撃しょうげきを受うけなかったのですが、確実かくじつに進化しんかしています。今後こんごに期待きたいができるジャズ・ユニットです。