ひろば　研究けんきゅう室しつ別室べっしつ

　Yahoo! Japan Newsを見みていたら、「孫まごへの教育きょういく資金しきん贈与ぞうよ　非課税ひかぜい時限じげん措置そちの恒久こうきゅう化か　税制ぜいせいで文科ぶんか省しょう方針ほうしん固かためる」という産経新聞さんけいしんぶん社しゃ配信はいしん（８月がつ28日にち８時じ付づけでYahoo! Japan Newsに掲載けいさい）の記事きじが目めに飛とび込こんできました（https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180828-00000505-san-pol）。

　見出みだしを見みた瞬間しゅんかんに「こんな制度せいどを恒久こうきゅう化かしてよいのか？」と首くびを傾かしげました。税制ぜいせいによる格差かくさ促進そくしんの典型てんけい例れいと考かんがえられてもおかしくないからです。

　実際じっさいにはかなり複雑ふくざつな制度せいどですが、簡単かんたんに記しるせば、祖父母そふぼが孫まごに教育きょういく資金しきんを一括いっかつ贈与ぞうよした場合ばあいに、１年間ねんかんに1500万まん円えんまで贈与ぞうよ税ぜいの非課税ひかぜい枠わくが認みとめられるというものです。「26　贈与ぞうよ税ぜい」にも記しるしておきましたので、御ご参照さんしょうください（誤字ごじがあるため、また、平成へいせい30年度ねんど税制ぜいせい改正かいせいには対応たいおうできていないため、近日きんじつ中ちゅうに修正しゅうせいする予定よていです）。

　高齢こうれい者しゃが皆みな富裕ふゆうかと言いえば、勿論もちろん、そのようなことはありません。むしろ経済けいざい格差かくさが大おおきいと言いえるでしょう。また、この制度せいどを利用りようするには、直系ちょっけい尊属そんぞくが信託しんたく会社かいしゃとの教育きょういく資金しきん管理かんり契約けいやくを締結ていけつすることなどが要件ようけんとなっており、実質じっしつ上じょう、信託しんたく銀行ぎんこうなどの口座こうざを持もつ必要ひつようがあります。このような要件ようけんを充足じゅうそくしうる家計かけいが、果はたしてどれだけ存在そんざいするでしょうか。

　高齢こうれい者しゃが保有ほゆうする資産しさんを子孫しそんに継続けいぞくさせるという観点かんてんからすれば、十分じゅうぶんに理解りかいできる政策せいさくではあります。しかし、資産しさんを保有ほゆうしていない、または保有ほゆうできない家計かけいにとっては、子孫しそんに教育きょういくの機会きかいを与あたえることができないということにもなります。経済けいざい格差かくさの固定こてい化かが進すすんでいると指摘してきされて、それなりの年月としつきが経過けいかしていることを忘わすれてはなりません。

　管理人かんりにんの権限けんげんを利用りようして、お知しらせです。

　地方ちほう自治じち総合そうごう研究所けんきゅうじょから刊行かんこうされている雑誌ざっし「自治じち総研そうけん」の最新さいしん号ごう（2018年ねん８月がつ号ごう。通巻つうかん478号ごう）が刊行かんこうされました。

　この中なかに、私わたしの「地方ちほう税法ぜいほう等とうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ （平成へいせい30年ねん３月がつ31日にち法律ほうりつ第だい３号ごう）」が掲載けいさいされています（33～54頁ぺーじ）。お読よみいただければ幸さいわいです。

　また、この雑誌ざっしは、地方ちほう自治じち総合そうごう研究所けんきゅうじょのサイトでもPDFファイルで見みることができますので、御覧ごらんいただけば幸さいわいです。

　まだ早はや過すぎますが、今年ことしを一言ひとことで表現ひょうげんするならば、というお題だいに、どのように答こたえればよいでしょうか。

　漢字かんじ一いち文字もじならば「嘘うそ」（これは、大変たいへん申もうし訳わけないことに出典しゅってんなどがわからなくなってしまいましたが、何処どこかのサイトで読よんだ話はなしです。私わたしも同感どうかんしたのでお借かりいたしました）でしょうか。

　漢字かんじ二に文字もじならば「過大かだい」か「過剰かじょう」でしょう。気候きこうの点てんでも、です。夏なつ好すきの私わたしでも、この暑あつさは流石さすがに……。何なにとか堪こたえています。あるいは「改竄かいざん」でしょうか。

　三さん文字もじならば「水増みずまし」でしょう。または「改かいざん」です。

　今日きょう、フィリアホールでの「奥泉おくいずみ光ひかり×矢野やの沙織さおりカルテット　『ビビビ・ビ・バップな午後ごご〜ジャズと小説しょうせつと電脳でんのう空間くうかん』」を見みるために青葉台あおばだいへ行いきました。ブックファーストに寄よってみたら、Harbor Business Online編へん『枝野えだの幸男ゆきお、魂たましいの３時じ間あいだ大だい演説えんぜつ　「安倍あべ政権せいけんが不信任ふしんにんに足たる７ななつの理由りゆう」』（扶桑社ふそうしゃ刊かん）がありました。

　これは、今年ことしの７月がつ20日はつか、枝野えだの幸男ゆきお議員ぎいんによる内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ案あん「趣旨しゅし弁明べんめい演説えんぜつ」の全文ぜんぶんを、おそらくはほぼそのまま収録しゅうろくしたものです。２時じ間あいだ43分ふんにも及およんだというのは、少すくなくとも記録きろくが残のこっている中なか（1972年ねん以降いこう）では最長さいちょうであるとのことで、このことも驚おどろくべき話はなしですが、それ以上いじょうに驚おどろくべきなのは、長大ちょうだいな原稿げんこうを読よみ上あげるのではなく、真しんのレジュメというべきか、主張しゅちょうしたいことを箇条書かじょうがきにしただけの、数すう枚まいのメモに基もとづいていたという事実じじつです。

　さらに大おおきく、いや最もっとも大おおきく驚おどろくべきことは、日本にっぽんの国会こっかいにおける演説えんぜつの全部ぜんぶが、このように単行本たんこうぼん（ブックレットほどの薄うすいものですが）として刊行かんこうされたことです。

　イギリス、アメリカ、フランスではありそうな話はなしです。ブックレットよりは少すこし厚あつめのものですが、私わたしは、大学院生だいがくいんせい時代じだい、あのリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー（Richard von Weizsäcker）の演説えんぜつ集しゅう（ドイツ語ご）を購入こうにゅうし、何人なんにんかの自主じしゅゼミで読よみました。有名ゆうめいな「荒あれ野のの40年ねん」も収録しゅうろくされていたからです（そうです、敢あえてドイツ語ごで引用いんようするとWer aber vor der Vergangenheit die Augen verschliest, wird blind für die Gegenwart.という文章ぶんしょうが登場とうじょうする、あの演説えんぜつです）。勿論もちろん、ヴァイツゼッカーの演説えんぜつ集しゅうは日本語にほんご訳やくでも刊行かんこうされています。

　しかし、日本にっぽんで、これまで国会こっかいにおける演説えんぜつが単行本たんこうぼんになったことがあったのでしょうか。後うしろで何なん本ほんかがまとめられて刊行かんこうされることはあるかもしれませんが、時間じかんもそれ程ほど経過けいかしていないのに一本いっぽんの演説えんぜつが一いち冊さつの本ほんになるということは、おそらく例れいがなかったことでしょう。

　購入こうにゅうして、帰かえりの電車でんしゃの中なかで読よんでいました。２時じ間あいだ43分ふんという時間じかんが必要ひつようであった。このように評価ひょうかしてよいものです。過剰かじょうでも不足ふそくでもなく、複数ふくすうにわたりながら根本こんぽんでは共通きょうつうするような諸しょ問題もんだいを手際てぎわよく、しかも深ふかく取とり上あげ、批判ひはんしているところには感心かんしんしました。変へんな喩たとえになって申もうし訳わけないのですが、何処どこをどのように切きっても鮮血せんけつが吹ふき上あがってくるような印象いんしょうすら受うけます。

　先頃さきごろ閉会へいかいした第だい196回かい国会こっかいについては、憲政けんせい史上しじょう最悪さいあくの国会こっかい（議会ぎかい）であるという評価ひょうかも少すくなくありません。枝野えだの氏し自身じしんも演説えんぜつにおいてこのように評価ひょうかしています（本書ほんしょにおける田中たなか信一郎しんいちろう准じゅん教授きょうじゅの解説かいせつも必読ひつどくです）。実際じっさいに、３月がつ以降いこう、具体ぐたい的てきなことは記しるしませんが文書ぶんしょやデータの改竄かいざんが当あたり前まえのようになされ、隠かくされる、はぐらかされる、など、無茶苦茶むちゃくちゃとしか表現ひょうげんしようがない実情じつじょうが明あきらかにされました。作成さくせいしてから１年ねん以内いないに廃棄はいきするのであれば、何なにのために日誌にっしを作つくっているのかわかりませんし、最初さいしょから作つくらないほうが合理ごうり的てきです。今いまの日本にっぽんの状況じょうきょうからすれば、今いまの政権せいけんがどうして情報じょうほう公開こうかい法ほうは直ただちに廃止はいしする法律ほうりつ案あんを提出ていしゅつしないのかがわからないくらいです（これは私わたしの考かんがえであって、枝野えだの氏しはこのようなことを言いっておりません。あしからず）。文書ぶんしょも情報じょうほうもいい加減かげんに扱あつかわれ、とにかく捨すてられる。それが日本にっぽんです。また、７月しちがつの西日本にしにほん豪雨ごううについては、初動しょどう対応たいおうが遅おくれたという批判ひはんもやむをえないところでしょう（このことは枝野えだの演説えんぜつも触ふれています）。枝野えだの氏しは、あの赤坂あかさか●●亭ちん（敢あえて詳くわしく書かく必要ひつようもないでしょう）についてもしっかりと言及げんきゅうした上うえで、初動しょどう対応たいおうなどについて批判ひはんしています。

　そして、国会こっかい議員ぎいんが職務しょくむとして何なにを行おこなうべきなのか、立法府りっぽうふ、立法りっぽう機関きかんの役割やくわりとは何なにかを、枝野えだの演説えんぜつは明言めいげんしています。ここは私わたしが安易あんいに引用いんようしてはならないところですので、演説えんぜつそのものをお読よみ下ください。

　政治せいじ的てきな立場たちば、思想しそう上じょうの相違そういなどを問とわず、一いち度どは読よんでみるべき演説えんぜつです。

　８月がつ22日にち７時じ44分ふん付づけで、岐阜新聞社ぎふしんぶんしゃが「養老線ようろうせん、老朽ろうきゅう化かの車両しゃりょう更新こうしんへ　来年らいねん２月がつ以降いこう運行うんこう」として報ほうじていました（https://www.gifu-np.co.jp/news/20180822/20180822-67464.html）。

　記事きじにあるイメいめージ図じずを見みて、すぐに東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ7700系けいとわかりました。読よんでみると、養老線ようろうせん管理かんり機構きこうなどが7700系けいを15両りょう購入こうにゅうし、養老線ようろうせん用ように改造かいぞうした上うえで2019年ねん２月がつより同線どうせんを走はしらせるとのことです。　

　（2018年ねん２月がつ、雪ゆきが谷大塚やおおつか駅えき１番線ばんせん。蒲田かまた行いき。）

　7700系けいと言いえば、現在げんざいは池上線いけがみせんおよび東急とうきゅう多摩川線たまがわせんで運用うんようされている車両しゃりょうですが、元もとはと言いえば日本にっぽんで最初さいしょのオールステンレスカー、初代しょだい7000系けいです。1962年ねんから、当時とうじの帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだんの日比谷線ひびやせんとの相互そうご乗のり入いれのために製造せいぞうされました。私わたしが小学生しょうがくせいの頃ころまでは東横線とうよこせんの急行きゅうこう用ようとしても大だい活躍かつやくしましたが、田園都市線でんえんとしせんの溝みぞの口くち〜長津田ながつたの開業かいぎょう祝賀しゅくが電車でんしゃとして運転うんてんされたことでも知しられています。1980年代ねんだい、初代しょだい7000系けいの一部いちぶがVVVF制御せいぎょ、冷房れいぼう車しゃに改造かいぞうされて7700系けいとなったのでした。当初とうしょは大井おおい町まち線せんで運用うんようされていましたが、1989年ねんに目蒲線めかませんで運用うんようされるようになり、1990年代ねんだいに池上線いけがみせんおよび東急とうきゅう多摩川線たまがわせんで運行うんこうされるようになりました。

　（2018年ねん３月がつ、戸越とごし銀座ぎんざ駅えき２番線ばんせん。五反田ごたんだ行いき。）　

　最初さいしょに製造せいぞうされてから50年ねん以上いじょうが経過けいかしていますが、車体しゃたいは老朽ろうきゅう化かしていないようですし、足あし回まわりは1980年代ねんだいに更新こうしんされていますので、あと30年ねん程ほどは使つかえるという見込みこみがなされています。ちなみに、7700系けいの一部いちぶは十和田とわだ観光かんこう電鉄でんてつに譲渡ゆずりわたされています（同線どうせんの廃はい線せんとともに廃車はいしゃとなりました）。

　今年度こんねんど、7700系けいは東急とうきゅう線せんから引退いんたいすることが決きまっています。池上線いけがみせんおよび東急とうきゅう多摩川線たまがわせんでの営業えいぎょう運転うんてんが見みられるのもあと僅わずかということになりますが、養老ようろう鉄道てつどうでの活躍かつやくも期待きたいしたいところです。

　そう言いえば、養老ようろう鉄道てつどうは、2007年ねん９月がつ30日にちまでは近鉄きんてつの路線ろせんであった養老ようろう線せんを引ひき継ついだ会社かいしゃで、現在げんざいも近鉄きんてつグループの一員いちいんです。しかし、従来じゅうらいから走はしっていた近鉄きんてつの車両しゃりょうを置おき換かえるのは、新車しんしゃでもなければ近鉄きんてつの車両しゃりょうでもなく、東急とうきゅうの車両しゃりょうを購入こうにゅうしたのです。この点てんは、同おなじく近鉄きんてつグループで、2007年ねん９月がつ30日にちまでは近鉄きんてつの路線ろせんであった伊賀線いがせんを引ひき継ついだ伊賀いが鉄道てつどうと同様どうようです。伊賀いが鉄道てつどうも、従来じゅうらいの車両しゃりょうを置おき換かえるために東急とうきゅう1000系けいを購入こうにゅうし、これに統一とういつしてしまいました（伊賀いが鉄道てつどうでは200系けいとなっています）。

　何処どこの話はなしということは書かきませんが、お読よみになればおわかりでしょう。但ただし、少すくなくとも日本にっぽんの国くに・地方ちほうを問とわず、また、政党せいとう、政策せいさくなどの違ちがいを問とわず、至いたる所ところに見みられる話はなしであり、特定とくていする必要ひつようはありません。

　以上いじょうをお断ことわりしておいた上うえで、記しるしておきます。

　私わたしは、このブログの「公職こうしょく者しゃの『後継こうけい指名しめい』　選挙せんきょ制度せいどを無視むししていないか？」（2013年ねん９月がつ４日にち７時じ39分ふん１秒びょう付づけ）において、次つぎのように記しるしました（太字ふとじは、ここに再掲さいけいする際さいに施ほどこしたものです）。

　「個人こじんとして誰だれを応援おうえんしようと思おもおうが勝手かってなことで、何人なんにんであっても、たとえ親おやであっても子こであっても干渉かんしょうすることはできません。しかし、国民こくみん主権しゅけん国家こっかあるいは民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかにおいて、公職こうしょくに就ついている者ものが、まさにその立場たちばを利用りようして「後継こうけい者しゃ」を指名しめいしたり応援おうえんしたりすることは、おかしな話はなしではないでしょうか。私わたしには、少すこしばかり地位ちいを濫用らんようしているように見みえます。選挙せんきょ制度せいどを無視むしした、あるいは冒涜ぼうとくしており、国民こくみん・住民じゅうみんを馬鹿ばかにした発言はつげんである、と表現ひょうげんしてもよいでしょう。」

　「日本にっぽんの地方ちほう自治じちで、いつまでどこまで『お世継よつぎ』的てきな思考しこうが生いき残のこっているのか、興味深きょうみぶかいところではあります。政治せいじ史しや政治せいじ思想しそうの研究けんきゅう対象たいしょうとして格好かっこうの題材だいざいかもしれません。しかし、現代げんだい社会しゃかいにおいて、『後継こうけい者しゃ』は、在位ざいい中ちゅうの者ものによって一方いっぽう的てきに（あるいは相思相愛そうしそうあい的てきに）指名しめいされる者ものではないでしょう。選挙せんきょによって選出せんしゅつされた者ものが、結果けっか的てきに『後継こうけい者しゃ』となるにすぎないのです。」

　民主みんしゅ主義しゅぎを声高こわだかに唱となえている、あるいは唱となえていた者ものが、根本こんぽんのところで民主みんしゅ主義しゅぎを否定ひていしかねないことを行おこなう。矛盾むじゅんと言いうべきか逆説ぎゃくせつと言いうべきか。或あるる意味いみでは仕方しかたのないことかもしれません。しかし、釈然しゃくぜんとしないのです。

　★★★★★★★★★★

　もう一ひとつ、前まえとは全まったく関係かんけいのない話題わだいです。

　障害しょうがい者しゃ雇用こようについて、国くにの省庁しょうちょうや地方ちほう公共こうきょう団体だんたいが水増みずましをしているという報道ほうどうが相次あいついでいます。「民間みんかんにも義務付ぎむづけておいて何なにをやっているのか」と呆あきれてしまいます。とくに、行政ぎょうせい監察かんさつ局きょくが置おかれている省しょうが水増みずましをやっている訳わけですから、お話はなしにも洒落しゃれにもなりません。

　こんな調子ちょうしであるから、行政ぎょうせい監察かんさつを担当たんとうする機関きかんが第三者だいさんしゃ機関きかんでないことに批判ひはんが寄よせられるのです。時折ときおり、第三者だいさんしゃ「的まと」機関きかんなどと言いわれることもありますが、「的まと」というごまかし（あるいはそれに近ちかい）言葉ことばに惑まどわされてはいけません。日本語にほんごでは、「的まと」という字じが用もちいられると「そのものに似にた姿すがたではあるがそのものではない」、「もどき」というような意味合いみあいが表あらわされます。

　勿論もちろん、純然じゅんぜんたる第三者だいさんしゃ機関きかんだからよいという訳わけでもありません。外部がいぶ監査かんさでも機能きのう不全ふぜんに陥おちいるのが今いまの日本にっぽんです。ただ、内部ないぶよりも外部がいぶのほうが厳きびしい見方みかたをとるということも事実じじつです。

　気きが早はやいと思おもわれるかもしれませんが、大東文化大学だいとうぶんかだいがくにおける後期こうき講義こうぎ期間きかんが始はじまるまで１か月げつを切きっています。そこで、今回こんかいは後期こうき科目かもくの参考さんこう書しょについて記しるしておきます。

　なお、今後こんごも追加ついかする可能かのう性せいがあります。また、以下いかにあげる２ふたつの科目かもくに共通きょうつうの参考さんこう書しょになっているものもあります。

　（１）月曜日げつようび２限げんの「税法ぜいほう」

　岡村おかむら忠生ただお・酒井さかい貴子たかこ・田中たなか晶あきら国こく『租税そぜい法ほう』（有斐閣ゆうひかくアルマ）

　池本いけもと征男ゆきお『所得しょとく税ぜい　理論りろんと計算けいさん』〔十じゅう二に訂てい版ばん〕（税務ぜいむ経理けいり協会きょうかい）

　成道じょうどう秀雄ひでお監修かんしゅう・坂本さかもと雅士まさし編著へんちょ『現代げんだい税務ぜいむ会計かいけい論ろん』（中央経済社ちゅうおうけいざいしゃ）

　中田なかた信正のぶまさ『新しん訂てい税務ぜいむ会計かいけい要よう論ろん』〔第だい３版はん〕（同文どうぶん舘だて出版しゅっぱん）

　山形やまがた富夫とみお『税務ぜいむの基礎きそからエッセンスまで　主要しゅよう地方ちほう税ぜいハンドブック』（清文せいぶん社しゃ）

　（２）月曜日げつようび３限げんの「法学ほうがく特殊とくしゅ講義こうぎ２Ｂ」

　小池こいけ正明まさあき『知しっておきたい相続そうぞく税ぜいの常識じょうしき』〔第だい19版はん〕（税務ぜいむ経理けいり協会きょうかい）

　ここ何なん年ねんか、地方ちほう分権ぶんけんという言葉ことばはどこか脇わきへ追おいやられ、地方ちほう創そう生せいという、わかったようなわからないような言葉ことばが喧伝けんでんされています。しかし、地方ちほう創そう生せいの正体しょうたい、と記しるすと大おおげさですが、地方ちほう創そう生せいの姿すがたが見みえてこないという方ほうも少すくなくないものと思おもわれます。

　このように記しるす私わたしもその一人ひとりで、そもそも何なにを目指めざしている政策せいさくなのかが不ふ明確めいかくなまま、あたかも重かさね塗ぬりのように手段しゅだんが積つみ重かさねられているだけのように見みえるのです。

　そのような中なかで、私わたしも地方ちほう自治じちや地方ちほう税ぜい財政ざいせいを研究けんきゅうしている訳わけですが、昨日きのう、朝日新聞社あさひしんぶんしゃのWEBRONZAを見みていたら、首都しゅと大学だいがく東京とうきょう教授きょうじゅの山下やました祐介ゆうすけ氏しによる「地方ちほう創そう生せいが日本にっぽんを壊こわす？　なぜ出生しゅっしょう力りょく回復かいふくが目指めざせなくなったのか？　地方ちほう創そう生せいの失敗しっぱいどころではない深刻しんこくな事態じたい」という８月がつ18日にち付づけの記事きじ（http://webronza.asahi.com/politics/articles/2018081100007.html）を見みつけました。

　山下やました教授きょうじゅは、この記事きじを「国くにを方向付ほうこうづける政策せいさくが、その目的もくてきと手段しゅだんを違ちがえているのは大変たいへん不幸ふこうなことである」という文ぶんで始はじめます。

　ここだけ読よんで、「あれではないか？」、「まさにこれだろう！」と考かんがえる方ほうも多おおいでしょう。山下やました教授きょうじゅは「平成へいせい26年ねん９月がつに始はじまった地方ちほう創そう生せい。すでにもう４年ねんが経たとうとしているが、この地方ちほう創そう生せいがまさにそれだ」という答こたえを出だしています。

　そして、地方ちほう創そう生せいは、元々もともと「日本にっぽんの止とまらない人口じんこう減少げんしょうに立たち向むかうためだった。そしてもっとも出生しゅっしょう力りょくの低ひくい東京とうきょうに若わかい人々ひとびとが集あつまっているのを問題もんだい視しして、東京とうきょう一いち極きょく集中しゅうちゅうを阻止そしする――地方ちほう創そう生せいとはそういうものだった」と振ふり返かえりつつ、「いまや地方ちほう創そう生せいは、地方ちほうの仕事しごとづくり事業じぎょうになってしまっている」、「あるいはまた、地方ちほう移住いじゅうが地方ちほう創そう生せいの代名詞だいめいしのようにもなっている」と指摘してきします。つまり、約やく４年ねんという短みじかい間あいだに政策せいさくの基軸きじくが変かえられていることを鋭するどく見通みとおされているのです。

　また、終おわりに近ちかい部分ぶぶんで「東京とうきょう一いち極きょく集中しゅうちゅうの正体しょうたい」についても記しるされています。ただ、私わたしは、この部分ぶぶんについて漠然ばくぜんとした疑問ぎもんを抱だいています。

　あまりここで引用いんようばかりしている訳わけにもいきませんので、記事きじのほうをお読よみください。

　最近さいきんは三業さんぎょう地ちという表現ひょうげんをあまり聞きかなくなりましたが、川崎かわさき市しでは新丸子しんまるこや二に子し新地さらちがそうでした。

　新丸子しんまるこのほうには、まだ三業さんぎょう地ちの痕跡こんせきが残のこっているとも言いえますが、二子ふたご新地さらちのほうはと言いえば、駅名えきめいにその名残なごりがある程度ていどです（地名ちめいとしては二に子し、瀬田せた、諏訪すわ）。この何なん年ねんかで新あらたに飲のみ屋やなどが増ふえていますが、これは多摩川たまがわの対岸たいがん、二に子し玉川たまがわ（世田谷せたがや区く玉川たまがわ）の影響えいきょうであると考かんがえられます。

　さて、その二に子し新地さらちですが、最近さいきんもマンションなどが増ふえているとは言いえ、木造もくぞうの家屋かおくが多おおい所ところです。国道こくどう246号ごうは片側かたがわ２車線しゃせんの道路どうろですが、その脇道わきみちはいずれも狭せまく、しかも入いり組くんでいます。車くるまで通とおることができない道路どうろも少すくなくありません。徒歩とほか自転車じてんしゃでまわってみるべき場所ばしょです。

　私わたしは、時々ときどき、二子ふたご新地しんじ駅えき周辺しゅうへんを歩あるきます。気晴きばらしのための散歩さんぽなのですが、今いまでも小ちいさな発見はっけんをすることがあり、楽たのしんでいます。たいていは旧きゅう大山おおやま街道かいどうから東側ひがしがわ、二子ふたご新地しんじ駅えきから二に子し二に丁目ちょうめ、瀬田せた、諏訪すわ、二子ふたご三さん丁目ちょうめと歩あるいて二に子し四よん丁目ちょうめ、五ご丁目ちょうめと歩あるいて行いくのですが、先日せんじつ、二子ふたご一いち丁目ちょうめの旧きゅう大山おおやま街道かいどうより西側にしがわを歩あるいてみました。

　うちから国道こくどう246号ごうに出でて、東急とうきゅうバス高津たかつ営業えいぎょう所しょ、トナミ運輸となみうんゆ川崎かわさき営業えいぎょう所しょ、佐川急便さがわきゅうびん世田谷せたがや営業えいぎょう所しょ（名称めいしょうと異ことなり、川崎かわさき市し高津たかつ区く溝口みぞぐちにあります）の前まえを通とおり、少すこし脇わきに入はいってサンジェルマンの工場こうじょうの跡あとに建たてられた大型おおがたマンションのそばを通とおります。マンションの反対はんたい側がわは木造もくぞうの家屋かおく、アパートが並ならんでおり、何なんとも不思議ふしぎな所ところだと思おもいながら歩あるいていると……

　料亭りょうていがありました。二子ふたご新地さらちにおそらく一いち軒けんだけ残のこっている店みせです。高津たかつ区くに生うまれ育そだった私わたしですが、この辺あたりのことをあまりよく知しらないため、驚おどろきました。夜よるなのでよくわからなかったのですが、敷地しきちも建物たてものもそれなりに広ひろく大おおきそうです。