ひろば　川崎かわさき高津たかつ公法こうほう研究けんきゅう室しつ別室べっしつ

　2018年ねん12月29日にち０時じ０分ふん０秒びょう付づけで「北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつが神戸こうべ市営しえいに？」という記事きじを掲載けいさいしました。今回こんかいは続報ぞくほうです。神戸新聞社こうべしんぶんしゃが、昨日きのう（2019年ねん３月がつ29日にち）の13時じ40分ふん付づけで「北きた神しん急行きゅうこうが神戸こうべ市営しえい化か　阪急はんきゅうが譲渡じょうとへ基本きほん合意ごうい」（https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201903/0012191954.shtml）として報ほうじています。

　民営みんえい鉄道てつどうの公営こうえい化かは、1940年代ねんだいまではよく見みられたのですが、日本国にっぽんこく憲法けんぽう施行しこう下かにおいてはほとんど例れいがありません。北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの例れいは、少すくなくとも21世紀せいきに入はいってから初はじめての例れいであるばかりでなく、今後こんごの地域ちいき公共こうきょう交通こうつうの在あり方かたとして注目ちゅうもくすべきものとなるかもしれません。

　上記じょうき神戸新聞社こうべしんぶんしゃ記事きじによると、神戸こうべ市しと、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの親会社おやがいしゃである阪急電鉄はんきゅうでんてつが、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの事業じぎょうを神戸こうべ市しに譲渡じょうとすることで基本きほん合意ごういをしたとのことです。時期じきは2020年度ねんどの上半期かみはんきとなったようです。

　これで、神戸こうべ市営しえい地下鉄ちかてつ西にし神しん・山手やまて線せんと北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつ北神線ほくしんせんとは完全かんぜんに一体化いったいかされることとなり、運賃うんちんの引ひき下さげにもつながることとなります。例たとえば、谷上やがみから三宮さんぐうまでの540円えんは半分はんぶん程度ていどになるというのです（ちなみに、谷上やがみから新しん神戸こうべまで360円えんです）。

　と、ここまで書かいて思おもいだしたのですが、「北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつが神戸こうべ市営しえいに？」において記しるしたように、現在げんざいの北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつ北神線ほくしんせんは、第だい三種さんしゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃが神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう、第だい二に種しゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃが北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつという構成こうせいです。このことについては、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうのサイトに「平成へいせい14年ねん４月がつ１日にち　北きた神しん急行きゅうこう線せんを譲受ゆずりうけし、同線どうせんにおいて第だい３種しゅ鉄道てつどう事業じぎょう開始かいし」と書かかれています（http://www.kobe-kousoku.jp/company.html）。また、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつのサイトには「平成へいせい13年度ねんどには金融きんゆう情勢じょうせいの悪化あっかにより、市中しちゅう金融きんゆう機関きかんからの当社とうしゃへの融資ゆうし継続けいぞくが困難こんなんとなったため、地域ちいきに不可欠ふかけつな輸送ゆそうサービスを安定あんてい的てきに継続けいぞくすべく、国土こくど交通省こうつうしょう、兵庫ひょうご県けん、神戸こうべ市し、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう等とうの協力きょうりょくの下した、親会社おやがいしゃの多大ただいな支援しえんを得えて、平成へいせい14年ねん（2002年ねん）４月がつ１日にちより、民みん鉄てつ業界ぎょうかい初はつの上下じょうげ分離ぶんり方式ほうしきを導入どうにゅうし、経営けいえいの健全けんぜん化かを計はかった。すなわち、当社とうしゃは主要しゅような鉄道てつどう施設しせつを神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどう（株）かぶしきがいしゃに譲渡じょうとし、その線路せんろを使用しようする第だい２種しゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃとして運行うんこうを継続けいぞくしていくこととなった」と書かかれています（http://www.hokushinkyuko.co.jp/office/enkaku.html。この他ほか、http://www.hokushinkyuko.co.jp/office/nenpu.html、http://www.hokushinkyuko.co.jp/office/gaiyou.html）。

　なお、資産しさんなどについて、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの「安全あんぜん報告ほうこく書しょ2018」（http://www.hokushinkyuko.co.jp/pdf/anzen2018.pdf）には次つぎのように書かかれています。

　「当社とうしゃから神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうへ譲渡ゆずりわたされた鉄道てつどう施設しせつは、新しん神戸こうべ駅えき部ぶや谷上やがみ駅えき部ぶを除のぞく新しん神戸こうべ~ 谷上やがみ間あいだの軌道きどうやトンネル等とうの線路せんろ設備せつびと、剛体ごうたい電車でんしゃ線せん等とうの電路でんろ設備せつびの一部いちぶですが、その鉄道てつどう施設しせつの保守ほしゅ及および管理かんりは、保有ほゆうする神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうではなく、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつが行おこなう取とり決きめとなっています。この取とり決きめに基もとづき、北きた神しん急行きゅうこう線せんの鉄道てつどう施設しせつの保守ほしゅ及および管理かんりは、施設しせつ譲渡じょうと以降いこうも当社とうしゃが引ひき続つづき実施じっししています。」

　また、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうは、2009年ねん４月がつ１日にち、「神戸こうべ市しが阪急はんきゅう阪神はんしんグループに株式かぶしきの一部いちぶを譲渡じょうと」することによって「阪急はんきゅう阪神はんしんホールディングス株式会社かぶしきがいしゃの子会社こがいしゃとな」っています（http://www.kobe-kousoku.jp/company.html）。

　上記じょうき神戸新聞社こうべしんぶんしゃ記事きじでは、神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうの第だい三種さんしゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃとしての地位ちいがどのようになるのか、詳くわしいことがわかりません。ただ、この記事きじには、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつに「関係かんけいする資産しさんは計けい400億おく円えんに上のぼる一方いっぽう、阪急電鉄はんきゅうでんてつや県けん、同市どうしからの借入金かりいれきん計けい約やく650億おく円えんの返済へんさいが残のこる」と書かかれていますので、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつ北神線ほくしんせんの資産しさんが神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうの保有ほゆうするところであることが意識いしきされているのかもしれません。そうなれば、資産しさんは、直接的ちょくせつてきには神戸こうべ高速こうそく鉄道てつどうから神戸こうべ市しに譲渡ゆずりわたされるということになるのでしょう。北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつが引ひき続つづき保有ほゆうする資産しさんが神戸こうべ市しに譲渡ゆずりわたされることとなるのは当然とうぜんです。北神線ほくしんせんについて神戸こうべ市しが第だい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃとなるのが最もっとも素直すなおなところでしょう。

　一方いっぽう、北きた神しん急行きゅうこう電鉄でんてつの借入金かりいれきんですが、こちらは神戸こうべ市しに譲渡ゆずりわたされず、阪急電鉄はんきゅうでんてつが引ひき継つぐこととなるようです。既定きてい方針ほうしんであり（http://www.city.kobe.lg.jp/information/inspection/office/kekka/img/18-1-2.pdf）、変かわることはないでしょう。但ただし、借入金かりいれきんには神戸こうべ市しからの分ぶんもありますので、その扱あつかいがどのようになるかという問題もんだいは残のこるかもしれません。

　2018年ねん05月がつ23日にち01時じ04分ふん25秒びょう付づけで「東京とうきょう都内とないの、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう別表べっぴょうに掲載けいさいされた予定よてい線せん」という記事きじを掲載けいさいしました。今回こんかいはその続編ぞくへんです。なお、既すでにこのブログで触ふれたものもあります。

　▲「四よん十じゅう三さん　茨城いばらき県けん土浦つちうらヨリ水海道みつかいどう、境さかい、埼玉さいたま県けん久喜くき、鴻巣こうのす、坂戸さかどヲ経けいテ飯能はんのうニ至いたりル鉄道てつどう及水海道みつかいどうヨリ分岐ぶんきシテ佐貫さぬきニ至いたりル鉄道てつどう並なみ境さかいヨリ分岐ぶんきシテ古河ふるかわニ至いたりル鉄道てつどう」

　第だい43号ごうは茨城いばらき県けんおよび埼玉さいたま県けんに及およぶものです。ただ、この規定きていの仕方しかたでは栃木とちぎ県けんおよび群馬ぐんま県けんを通とおるかどうかがわかりません。

　文字通もじどおりに読よむと土浦つちうら⇆水海道みつかいどう⇆境さかい⇆久喜くき⇆鴻巣こうのす⇆坂戸さかど⇆飯能はんのう、水海道みつかいどう⇆佐貫さぬき、境さかい⇆古河ふるかわとなります。いずれも鉄道てつどう路線ろせんとしては実現じつげんしていません。地図ちずを見みながら想像そうぞうすると、土浦つちうら駅えきから西進せいしんしつつも南北なんぼくへ大おおきく、Ｗのように動うごくものであり、いかなる意味いみがこめられたのかと不思議ふしぎな気分きぶんになります。

　ただ、考かんがえ方かたによっては、坂戸さかど⇆飯能はんのうの一部いちぶだけが鉄道てつどう路線ろせんとして実現じつげんしていると言いえるかもしれません。東武とうぶ越生線おごせせんは、坂戸さかど駅えきを出でると一本松いっぽんまつ駅えき、西にし大家たいか駅えきと南西なんせいの方角ほうがくに進すすんでおり、北西ほくせいに転てんじて川角かわかど駅えきに向むかうことなく南西なんせいの方角ほうがくを採とり続つづければ日高ひだか市しの北方ほっぽうへ向むかうことになります。そこで、延長線えんちょうせんをもう少すこし南みなみのほうに向むければ高麗川こまがわ駅えきに行いくことになります。大正たいしょう11年ねん鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう公布こうふ当時とうじには八高線はちこうせんの高麗川こまがわ駅えきおよび東飯能ひがしはんのう駅えきが開業かいぎょうしていませんので、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほうにいう飯能はんのうは西武せいぶ池袋いけぶくろ線せん（大正たいしょう時代じだいには武蔵野むさしの鉄道てつどう）の飯能はんのう駅えきのことでしょう。あるいは東飯能ひがしはんのう駅えきのことかもしれませんが、いずれにせよ、高麗川こまがわ駅えきから東飯能ひがしはんのう駅えきまでは第だい43号ごうの一部いちぶであるとも言いえます。しかし、それでは後のちに取とり上あげる第だい51号ごうとの関係かんけいはどうなるのかという問題もんだいが残のこります。

　▲「五ご十じゅうノ二に　千葉ちば県けん我孫子あびこヨリ埼玉さいたま県けん大宮おおみやニ至いたりル鉄道てつどう」

　「神奈川かながわ県内けんないの、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう別表べっぴょうに掲載けいさいされた予定よてい線せん」で述のべたように、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほうに示しめされた起点きてん、終点しゅうてんが変更へんこうされた上うえで実際じっさいに建設けんせつされた路線ろせんがあります。但ただし、経緯けいいなどを示しめした資料しりょうがなければ、こじつけと捉とらえかねられません。この第だい50号ごうの２もそうです。

　文字通もじどおり、我孫子あびこ駅えきから大宮おおみや駅えきまで建設けんせつされた路線ろせんはありません。しかし、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう別表べっぴょうには、途中とちゅうの経由けいゆ地ちが書かかれているものであっても詳細しょうさいは示しめされていません。そうすると、第だい50号ごうの２に示しめされている起点きてんおよび終点しゅうてんが変更へんこうされた上うえで実際じっさいに建設けんせつされた、と理解りかいするしかありません。この辺あたりの事情じじょうについての資料しりょうを持もっていないので何なんとも言いえないところですが。敢あえて記しるせば、武蔵野線むさしのせんの新松戸しんまつど駅えきから南浦和みなみうらわ駅えきまでの区間くかんが該当がいとうすると言いえそうです。

　▲「五ご十じゅうノ三さん　埼玉さいたま県けん与野よのヨリ東京とうきょう府ふ立川たつかわニ至いたりル鉄道てつどう」

　「東京とうきょう都内とないの、鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう別表べっぴょうに掲載けいさいされた予定よてい線せん」で扱あつかいました。

　▲「五ご十じゅうノ四よん　埼玉さいたま県けん大宮おおみやヨリ川越かわごしヲ経けいテ飯能はんのうニ至いたりル鉄道てつどう」

　枝えだ番号ばんごうが付ついているところが気きになるところですが、私わたしの手元てもとにある平成へいせい30年版ねんばん注解ちゅうかい鉄道てつどう六ろく法ほうには改正かいせい経緯けいいなどの詳細しょうさいが記しるされていません。

　大宮おおみや駅えきから川越かわごえ駅えきへ向むかう鉄道てつどう路線ろせんと言いえば川越線かわごえせんです。つまり、第だい50号ごうの４は、終点しゅうてんが飯能はんのうから高麗川こまがわに変かわった上うえで川越かわごえ線せんとして実現じつげんしたのです。

　▲「五ご十じゅう一いち　東京とうきょう府ふ八王子はちおうじヨリ埼玉さいたま県けん飯能はんのうヲ経けいテ群馬ぐんま県けん高崎たかさきニ至いたりル鉄道てつどう」

　八高線はちこうせんそのものです。厳密げんみつに言いえば、同線どうせんの終点しゅうてんは高崎たかさき線せんの倉賀野くらがの駅えきですから、高崎たかさき駅えきの一ひとつ手前てまえとなります。また、同線どうせんには飯能はんのう駅えきではなく、東飯能ひがしはんのう駅えきがあります。

　なお、八王子はちおうじ駅えきから高麗川こまがわ駅えきまでの電化でんかの後のち、電化でんか区間くかんと非ひ電化でんか区間くかんは完全かんぜんに系統けいとう分離ぶんりがなされており、同一どういつの路線ろせんとは思おもえないほどとなっています。八高線はちこうせんの高こうは高麗川こまがわのことと思おもっている人ひともいるかもしれません。似にたようなことは川越かわごえ線せんにも言いえます。同線どうせんは全線ぜんせん電化でんかされていますが、川越かわごえ駅えきで系統けいとう分離ぶんりがなされており、大宮おおみや駅えきから川越かわごえ駅えきまでは埼京線さいきょうせんの延長えんちょうのような部分ぶぶんであるのに対たいし、川越かわごえ駅えきから高麗川こまがわ駅えきまでの区間くかんでは八高線はちこうせんの高麗川こまがわ駅えきから八王子はちおうじ駅えきまでの区間くかんへの直通ちょくつう運転うんてんがなされています。路線ろせん名めいと系統けいとうが合致がっちしていない訳わけです。

　どうせのことなら、川越かわごえ線せんの大宮おおみや駅えき〜川越かわごえ駅えきと川越かわごえ駅えき〜高麗川こまがわ駅えきとを完全かんぜんに分離ぶんりし、八高線はちこうせんも八王子はちおうじ駅えき〜高麗川こまがわ駅えきと高麗川こまがわ駅えき〜倉賀野くらがの駅えきを完全かんぜんに分離ぶんりし、別べつ路線ろせんとしたらいかがでしょうか。

　川越かわごえ線せんの大宮おおみや駅えき〜川越かわごえ駅えきは埼京線さいきょうせんの一部いちぶと化かしていますが、埼京線さいきょうせんは山手やまて線せん、赤羽線あかばねせん（正式せいしきの路線ろせん名めいとしては生いきています）および東北本線とうほくほんせんの愛称あいしょうの一ひとつに過すぎませんから、川越かわごえ線せんでよいでしょう。

　川越かわごえ線せんの川越かわごえ駅えき〜高麗川こまがわ駅えきと八高線はちこうせんの八王子はちおうじ駅えき〜高麗川こまがわ駅えきは、統合とうごうして一ひとつの路線ろせんにするほうがわかりやすいでしょう。八川はちかわ線せん、八はち越えつ線せんなどと変かえればよいのではないでしょうか。

　八高線はちこうせんの高麗川こまがわ駅えき〜倉賀野くらがの駅えきは、上うえ武たけし線せん、武たけ上うえ線せん、高こう高だか線せんなどとすることが考かんがえられます。今後こんごも非ひ電化でんか区間くかんのままで残のこるでしょうし、八王子はちおうじ駅えき〜高麗川こまがわ駅えきの区間くかんとの直通ちょくつう運転うんてんはなされないでしょうから、八高線はちこうせんを名乗なのる意味いみはかなり弱よわいものとなっています。

　管理人かんりにんの権限けんげんを利用りようして、おしらせです。

　地方ちほう自治じち総合そうごう研究所けんきゅうじょから刊行かんこうされている雑誌ざっし「自治じち総研そうけん」の最新さいしん号ごう（2019年ねん３月がつ号ごう。通巻つうかん485号ごう）が刊行かんこうされました。

　この中なかに、私わたしの「所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちの利用りようの円滑えんかつ化か等とうに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう（平成へいせい30年ねん６月がつ13日にち法律ほうりつ第だい49号ごう）（地方ちほう自治じち関連かんれん立法りっぽう動向どうこう研究けんきゅう27）」が掲載けいさいされています（46〜73頁ぺーじ）。お読よみいただければ幸さいわいです。

　また、この雑誌ざっしは、地方ちほう自治じち総合そうごう研究所けんきゅうじょのサイトでもPDFファイルで見みることができますので、御覧ごらんいただけば幸さいわいです。

　最初さいしょに読よんだのはYahoo! NewsかOCNのニュース記事きじですが、共同通信社きょうどうつうしんしゃのサイトで読よむには面倒めんどうな手続てつづき（？）が必要ひつようなので、朝日新聞社あさひしんぶんしゃのサイトを見みたところ、昨日きのう（2019年ねん３月がつ22日にち）の11時じ50分ふん付づけで「瀬戸大橋せとおおはし渡わたる路線ろせん以外いがいすべて赤字あかじ　JR四国しこくが収支しゅうし初はつ公表こうひょう」（https://www.asahi.com/articles/ASM3N5300M3NPLFA007.html）という記事きじが掲載けいさいされていましたので、これによりつつ、ブログを書かいていきます。

　実みのところ、私わたしは一いち度ども四国しこく各かく県けんを訪おとずれたことがないので、当然とうぜん、JR四国しこく（四国旅客鉄道しこくりょかくてつどう株式会社かぶしきがいしゃ）の各線かくせんを利用りようしたこともありません。ただ、国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえい化かの時ときに、四国しこく、九州きゅうしゅうおよび北海道ほっかいどうは経営けいえい基盤きばんが弱よわいということがわかっており、そのために四国しこくおよび北海道ほっかいどう向むけにキハ54が製造せいぞうされたという話はなしもあるほどですから、JR四国しこくの状況じょうきょうは良よくないであろうということも簡単かんたんに推測すいそくできました。

　しかも、上記じょうき記事きじの見出みだしにもあるように、JR四国しこくの路線ろせんごとの収支しゅうしが初はじめて公表こうひょうされたのです。このブログにもJR北海道ほっかいどうかどこかに関連かんれんして記しるしましたが、公表こうひょうの時期じきが遅おそすぎます。国鉄こくてつ時代じだいには毎年まいとし公表こうひょうされていたようですが、民営みんえい化かされてから、株主かぶぬしはともあれ、地域ちいきに示しめされていなかったことが問題もんだいを大おおきくしたと考かんがえられるからです。ちなみに、JR四国しこくの公式こうしきサイトを少すこしばかり見みたところでは、区間くかんごとの収支しゅうしに関かんする情報じょうほうは掲載けいさいされていないようです。

　今回こんかい公表こうひょうされたのは、2013年度ねんどから2017年度ねんどまでの５年間ねんかんの平均へいきん実績じっせきです。JR四国しこくには９ここのつの路線ろせんがありますが、長距離ちょうきょりの路線ろせんについてはいくつかの区間くかんに分割ぶんかつして公表こうひょうされたため、９路線ろせん18区間くかんとなっています。

　①鉄道てつどう路線ろせん全体ぜんたいの年間ねんかん赤字あかじ額がく

　平均へいきんで109億おく円えんです。鉄道てつどう事業じぎょうで黒字くろじになったことは一いち度どもありません。

　②路線ろせんごとの赤字あかじ額がく

　これも年間ねんかん平均へいきん額がくと思おもわれますが、最大さいだいは土讃線どさんせんの琴平ことひら〜高知こうちで17億おく6000万まん円えん、次つぎに予讃線よさんせん・内子線うちこせんの松山まつやま〜宇和島うわじまで12億おく4000万まん円えん（上記じょうき記事きじでは予讃線よさんせんと内子線うちこせんが区別くべつされていません）です。予讃線よさんせんの高松たかまつ〜多度津たどつでも６億おく2000万まん円えんとなっています。

　③黒字くろじ路線ろせんと黒字くろじ額がく

　瀬戸大橋せとおおはしを通とおる本四備讃線ほんしびさんせん（茶屋ちゃや町まち〜児島こじまがJR西日本にしにほん、児島こじま〜宇多津うたづがJR四国しこく）のみが黒字くろじ路線ろせんで、額がくは５億おく2000万まん円えんです。

　④営業えいぎょう係数けいすう

　鉄道てつどう路線ろせんの経営けいえい状じょう況きょうを示しめす数値すうちとしてよく用もちいられるのが営業えいぎょう係数けいすうです。これは、路線ろせんにおいて100円えんの収入しゅうにゅうを得えるために必要ひつようとされる経費けいひの額がくを示しめします。勿論もちろん、経費けいひの額がくが100円えんを超こえれば赤字あかじであり、額がくが大おおきければ大おおきいほど経営けいえい状じょう況きょうが悪わるいことを示しめします。

　JR四国しこく全体ぜんたいの営業えいぎょう係数けいすうは144でした。

　次つぎに、線区せんくごとに見みますと、予想よそう通どおりというべきか、最もっとも悪わるいのは予土線よどせん（若井わかい〜北宇和きたうわ島とう）の1159、次つぎに牟岐線むぎせんのうち、阿南あなみ〜海部かいふの635となっています。この他ほかに２ふたつの線区せんくで300を超こえています。

　さらに詳くわしいデータを見みる必要ひつようがありますが、上記じょうきのような端はし的てきなものでも状況じょうきょうの悪わるさがわかります。これから本格ほんかく的てきに存続そんぞく・廃止はいしの議論ぎろんが始はじまるでしょう。

　そう言いえば、牟岐線むぎせんに接続せつぞくする阿佐あさ海岸かいがん鉄道てつどうも、経営けいえい状じょう況きょうが悪わるいことで知しられています。この３月さんがつのダイヤ改正かいせいで、阿佐あさ海岸かいがん鉄道てつどうと牟岐線むぎせんとの直通ちょくつう運転うんてんが中止ちゅうしされました。これがどのような方向ほうこうに進すすむか、注意ちゅういを向むける必要ひつようがありそうです。

　昨日きのう（2019年ねん３月がつ18日にち）付づけの朝日新聞あさひしんぶん夕刊ゆうかん２面めん４版はんに「プレミアム商品しょうひん券けん 対象たいしょうの０歳児さいじ　９月くがつ30日にち生うまれまで 検討けんとう」という記事きじが掲載けいさいされています。

　例れいの消費しょうひ税ぜい・地方ちほう消費しょうひ税ぜいの税率ぜいりつ引ひき上あげに伴ともなう経済けいざい政策せいさくなのですが、何なん度ども懲こりずに商品しょうひん券けんを配くばるということです。一体いったい、過去かこのデータなどをしっかりと検討けんとうしてから打うち出だしたのか、と疑うたがわざるをえません。

　しかも、記事きじを引用いんようすれば「０～２歳児さいじの子育こそだて世帯せたいへの支給しきゅうではこれまで、６月がつ２日にち以降いこうに生うまれた子こは対象たいしょうにしない方針ほうしんだった」のが、９月くがつ30日にちまでに出生しゅっしょうした０歳児さいじのいる世帯せたいの全すべてを対象たいしょうとする方向ほうこうを採とろうとしているようです。どこで線引せんひきしても不公平ふこうへい感かんは否いなめません。

　問題もんだいはこれだけに留とまりません。

　上限じょうげんの20,000円えんで25,000円えん分ぶんの商品しょうひんを買かうことができるというのは、一見いっけん、消費しょうひ効果こうかなどに貢献こうけんすると思おもわれるからよいことだ、ということになるでしょう。しかし、20,000円えんで25,000円えん分ぶんということは、25%の上乗うわのせをしているということです。税率ぜいりつ（これがまたややこしいことになります。標準ひょうじゅん税率ぜいりつの10%と軽減けいげん税率ぜいりつの8%の二に本立ほんだてです）よりも高たかいので、差額さがくをどうするのかという疑問ぎもんも湧わきます。社会しゃかい保障ほしょう制度せいどの充実じゅうじつや教育きょういくの無償むしょう化か（その内容ないよう自体じたいも問題もんだいですが）に貢献こうけんしないことは間違まちがいないでしょう。短期たんき的てきな効果こうかはあっても、中長期ちゅうちょうき的てきな効果こうかは期待きたいしないほうが無難ぶなんというものです。将来しょうらいの伸のびしろを先さき食ぐいするようなものですから。

　また、子育こそだて世帯せたいと住民じゅうみん税ぜい非課税ひかぜい世帯せたいに限定げんていしていることにも疑問ぎもんが残のこります。所得しょとく制限せいげんなどは、方向ほうこうを変かえると我々われわれ日本人にっぽんじんが大好だいすきなレッテル貼ばりに終おわってしまう可能かのう性せいが高たかいからです。

　たまたま、うちで切きり抜ぬきをしている時ときに、今月こんげつデビューした西武鉄道せいぶてつどうの新型しんがた特急とっきゅう電車でんしゃの記事きじを見みました。

　写真しゃしんが目めに入はいった瞬間しゅんかんに、「南海なんかいのラピートか？」と思おもいました。

　今日きょうは2019年ねん３月がつ11日にちです。つまり、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいからちょうど８年ねんが経過けいかした、ということになります。

　「2011年ねん３月がつ11日にち、高島平たかしまだいらからの帰宅きたく記き」にも記しるしましたが、その日ひ、私わたしは大学だいがくの研究けんきゅう室しつで仕事しごとをしていました。板橋いたばし校舎こうしゃ２号館ごうかん10階かいには私わたししかいなかったはずです。

　その時ときの私わたしは、17時半じはんに大学だいがくを出でて、路線ろせんバスや都電とでんや地下鉄ちかてつなどを乗のり継ついで帰宅きたくしました。23時半じはんを過すぎていましたので、６時間じかん以上いじょうもかかりました（池袋いけぶくろ駅えきの周辺しゅうへんで夕食ゆうしょくをとりましたが）。大学だいがくに泊とまることも考かんがえなかった訳わけではないのですが、板橋いたばし校舎こうしゃ２号館ごうかんの10階かいなどには立入禁止たちいりきんしとなってしまいましたし、教室きょうしつで一夜いちやを過すごすのはどうなのかと思おもったからです。

　しかし、今いまは、地震じしんに遭あった場所ばしょによっては帰宅きたくしないという選択肢せんたくしを採とるしかないであろうと考かんがえています。

　ルイ14世せいが「朕ちんは国家こっかなり」（L'État, c'est moi.）と言いったそうですが、最近さいきんも似にたようなことを言いった人ひとがいるとか。

　本当ほんとうのことなんでしょうか。

　先程さきほど、芦部あしべ信喜しき（高橋たかはし和之かずゆき補ほ訂てい）『憲法けんぽう』〔第だい７版はん〕を購入こうにゅうしたばかりの私わたしには、信しんじられないことですが。

　他たの大学だいがく教員きょういんの方々かたがたがどのようになされているのかわかりませんが、私わたしは、期末きまつ試験しけん、追試験ついしけん、再さい試験しけんに関かんして、いかなる形かたちであっても事前じぜんに問題もんだいなどを漏もらさないようにしています。

　と言いうより、問題もんだいを作成さくせいして、提出ていしゅつした瞬間しゅんかんに、忘わすれてしまうのです。

　いつもこのように説明せつめいしているので、「嘘うそだろう」と思おもう学生がくせいも少すくなくないでしょう。

　嘘うそではありません。本当ほんとうです。

　まあ、うちのMacBook Proなどを使つかえば何なん時じでも引ひっ張ぱり出だせますが、漏もらさないのが職業しょくぎょう人じんというものです。

　それにしても、レポートで採点さいてんした科目かもくで再さい試験しけんを行おこなうというのも変へんな話はなしではあります。