セレンディピティ ダイアリー

ウディ・アレン監督かんとくの最新さいしん作さくは、ニューヨークを舞台ぶたいにした、アレンらしいスノッブでシニカルなロマンティック・コメディ。ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスと今いまをときめく若手わかて俳優はいゆうたちが共演きょうえんしています。

ニューヨーク北部ほくぶの大学だいがくに籍せきを置おくギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュレー(エル・ファニング)。アシュレーが、憧あこがれの監督かんとくにインタビューする約束やくそくを取とり付つけてマンハッタンを訪おとずれることになり、ギャツビーは同行どうこうして

勝手かって知しったるマンハッタンをアシュレーに案内あんないしようと極上ごくじょうのプランを練ねりますが、忙いそがしく飛とび回まわるアシュレーに次々つぎつぎと約束やくそくをすっぽかされてしまいます。そんな折おり、ひょんなことから昔むかしの彼女かのじょの妹いもうとチャン(セレーナ・ゴメス)に再会さいかいし...。

予告よこく映像えいぞうを見みた時ときから楽たのしみにしていた本ほん作さく、公開こうかい最初さいしょの週末しゅうまつに足あしを運はこんできました。緑みどりが豊ゆたかで広大こうだいな大学だいがくのキャンパス。そこから長距離ちょうきょりバスでマンハッタンに乗のり込こむくだりから、アメリカらしさ全開ぜんかいでうれしくなってしまいました。

エロル・ガーナーの流麗りゅうれいなピアノ、昔むかしの映画えいが風ふうのスタッフロール、街まちの息遣いきづかいが聞きこえてきそうなマンハッタンの風景ふうけい、固有名詞こゆうめいしを多用たようした小粋こいきな会話かいわ、すべてがアレンならではで、うっとりわくわくと映画えいがの世界せかいに酔よいしれました。

ざっくり言いえば、奔放ほんぽうなガールフレンドに振ふり回まわされた主人公しゅじんこうが、新あたらしい恋こいを見みつけるまでのドタバタ劇げき。笑わらいのツボは人ひとそれぞれですし、アレンの作品さくひんには当あたり外はずれがありますが、本ほん作さくは私わたしの好このみにドンピシャリでした。

とにかく、エル演えんじるアシュレーがかわいくて、かわいくて。私わたしはたぶん、少女しょうじょ漫画まんがみたいにがんばる女おんなの子こが好すきなんだと思おもいます。それが時ときにずれずれになっているところも憎にくめなくて、親近しんきん感かんを覚おぼえます。

どうしてもチャンみたいに、クールで落おち着ついた女性じょせいにはなれないし、ギャツビーのように、霞かすみを食たべて生いきているような男性だんせいにも、あまり魅力みりょくを感かんじない。^^;

本ほん作さくのハイライトはなんといっても母ははの告白こくはく。この場面ばめんで、この作品さくひんがびしっと締しまったと感かんじました。ギャツビーと母ははの関係かんけい性せい、長男ちょうなんと次男じなんのキャラクターの違ちがいなど、なんとなく「エデンの東ひがし」を思おもい出だしました。

本ほん作さくはアレンのスキャンダルで米国べいこくでの公開こうかいが中止ちゅうし、コロナ禍かで日本にっぽんでの公開こうかいも遅おくれましたが、とにかく見みることができてよかった。でも、この映画えいがで描えがかれているキラキラしたニューヨークがもどってくる日ひがくるだろうか、と思おもわずにはいられませんでした。

【関連かんれん記事きじ】Everything Happens to Me　＠レイニーデイ・イン・ニューヨーク　2020-08-01

先月せんげつ、息子むすこが帰省きせいした折おりに、お誕生たんじょう日びのおいにお寿司すしを食たべに行いきました。子育こそだて中ちゅうは、毎年まいとしお料理りょうりを作つくりケーキでを焼やいておいしていましたが、大人おとなになった今いま、ようやくもういいよね？と親子おやこともども言いえるようになりました。^^

訪おとずれたのは学芸がくげい大学だいがくの和かず可奈かな鮨ずし(わかなずし)さんです。駅えきに近ちかい、カウンターのみ10席せきほどのこじんまりとしたお店みせですが、創業そうぎょう90年ねんという歴史れきしのあるお店みせ。この日ひは３代目だいめの若わかさん(といっても大だいベテラン)が握にぎってくださいました。

２代目だいめのおやじさんともども、魚さかなやお寿司すしのことになると饒舌じょうぜつになり、職人しょくにんとしての自信じしんと誇ほこりがうかがえます。お勧すすめのお刺身さしみをつまんだあとに、おまかせのお寿司すしをいただきました。

まずはビールで乾杯かんぱい。この日ひお勧すすめのカツオと鯵あじのお刺身さしみをいただきました。添そえてあるわかめや貝割かいわれ、大葉おおばまで全部ぜんぶおいしくて、きれいに平たいらげました。

お寿司すしは、カンパチからスタート。お酒さけは、お寿司すしによく合あうという岩手いわて県けん石巻いしのまきの ”日にち高見こうけん” を冷ひやでいただきました。

本ほんマグロ。このあと、写真しゃしんはないですが大だいトロと続つづきます。甘あまさを抑おさえた手作てづくりのしょうががおいしくて、これだけでお酒さけが進すすむほど。

雲丹うに。とろけるようなおいしさ。

イカ。（何なにイカだったか失念しつねん）　切込きりこみが入はいっていて食たべやすい。

炙あぶった平貝ひらがいを塩しおでいただきます。帆ほ立りつに少すこし似にていますが、わずかに歯応はごたえがあります。

車海老くるまえび。

車海老くるまえびの殻からは、カリカリに揚あげたおせんべいにして、まるごといただきます。

穴子あなご。優やさしいお味あじ。

夫おっとの大だい好物こうぶつのコハダ。

お吸すい物ものの具ぐは、コチでした。骨ほねがあって食たべにくいですが、身みがむくっとしておいしいです。

鉄火てっか巻まきにかんぴょう巻まき。かんぴょうも甘あまさ控ひかえめのすっきりとしたお味あじです。この後のち、写真しゃしんはありませんが玉子たまご焼やきをいただきました。

厳選げんせんされた素材そざいとプロの技わざによって握にぎられたお寿司すしは、どれも洗練せんれんされたおいしさ。大だい満足まんぞくでお店みせを後のちにしました。

1ヶ月かげつほど前まえになりますが、洋食ようしょく好すきの夫おっとが浅草あさくさに行いきたいお店みせがあるというので、雨あめの中なか、車くるまででかけてきました。コインパーキングに停とめて向むかった先さきは、浅草寺せんそうじの北側きたがわ、浅草あさくさの賑にぎわいから少すこし離はなれた静しずかな住宅じゅうたく街がいの中なかにある グリル佐久良さくら さんです。

お昼ひる時じ、既すでにお店みせの前まえには十じゅう数すう人にんの列れつができていて、雨あめの中なか１時じ間近まぢかく待まつことになり、特段とくだん洋食ようしょくが好すきというわけではない私わたしは「聞きいてないよ～」とばかりにめずらしく不機嫌ふきげんになってしまったのですが^^;

ようやく順番じゅんばんが回まわってきて、お料理りょうりのおいしさと、おかみさんのお人柄ひとがらにほっとして、気持きもちがおさまったというところです。おかみさんと常連じょうれんさんとの会話かいわを漏もれ聞きくに、

自粛じしゅく明あけでお店みせを再開さいかいし、待まちかねていたお客きゃくさんが次々つぎつぎと訪おとずれたということもあるでしょうし、十分じゅうぶんなディスタンスを取とるために、一いち度どにお客様きゃくさまを入いれられないという事情じじょうもあったようです。

メニューは定番ていばんの洋食ようしょくメニューがならびますが、私わたしはお店みせの看板かんばんメニューらしいビーフシチューをいただきました。とろけるほどに柔やわらかい牛肉ぎゅうにく、そして深ふかみのあるまろやかなシチューのおいしいこと。これだけで待まった甲斐かいがありました。

夫おっとは迷まよいに迷まよってカニクリームコロッケにしました。こちらも熱々あつあつのクリームが堪こたえられないおいしさ。カニクリームコロッケはタネの扱あつかいが難むずかしく、家いえではめったに作つくらないので、夫おっともプロのお味あじを堪能たんのうしたことと思おもいます。

そしてガーリックライス。洋食ようしょくによく合あうおいしさでした。

私わたしたちはカウンター席せきでしたが、飾かざられているスナップ写真しゃしんや調理ちょうり師し免許めんきょなどから推察すいさつするに、シェフのご主人しゅじんが亡なくなられ、今いまはお孫まごさんが跡あとを継ついて、厨房ちゅうぼうで腕うでをふるわれているようです。ご家族かぞくの歴史れきしとドラマが伝つたわってきて、心しんが温あたたかくなりました。

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偶然ぐうぜんですが、このすぐ近ちかくに、以前いぜんから気きになっていたスイーツのお店みせがあったので、立たち寄よっておみやげを買かって帰がえりました。菓子かし工房こうぼうルスルス というお店みせです。お店みせは東麻布ひがしあざぶにもありますが、浅草あさくさ店てんは古こ民家みんかを改装かいそうしたレトロシックな佇たたずまいです。

この時ときはイートインは再開さいかいされていなくて、テイクアウトのみでした。人気にんきのクッキー詰つめ合あわせは完売かんばいでしたが、ガラスケースにあった中なかから、焼しょう菓子かしとフルーツを使つかったタルトを選えらびました。

家いえに着ついてから、おやつにいただきました。右みぎは季き節ぶしのさくらんぼのタルト、左ひだりは忘わすれてしまいましたが^^;　どちらもおいしかったです。見みた目めは素朴そぼくな風合ふうあいながら、洗練せんれんされたプロの技わざを実感じっかんしました。

紅茶こうちゃのサブレと、右みぎは人気にんきのミカモトサブレ。浅草あさくさで人気にんきの猫ねこちゃんをモチーフにしているそうです。シンプルながら奥おくの深ふかい焼しょう菓子かしのお味あじを堪能たんのうしました。

7月がつ6日にちにイタリアの作曲さっきょく家か、エンニオ・モリコーネが亡なくなられました。1950年代ねんだい末まつから数すう多おおくの映画えいが音楽おんがくを手掛てがけ、名なだたる映画えいが賞しょうの作曲さっきょく賞しょうを何なん度ども受賞じゅしょうしています。手掛てがけた作品さくひんは数かぞえきれないほど。

Wikipedia のフィルモグラフィを見みて、初期しょきの頃ころは西部せいぶ劇げきの音楽おんがくを数多かずおおく手掛てがけていたと知しって驚おどろきました。

モリコーネの作品さくひんの中なかで、一番いちばん人気にんきがあるのはおそらく「ニュー・シネマ・パラダイス」だと思おもいますが、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や「アンタッチャブル」などマフィア映画えいがの哀愁あいしゅうを帯おびたメロディも忘わすれ難がたいです。

でも音楽おんがくに着目ちゃくもくすると、私わたしが一番いちばん好すきなのは「海うみの上うえのピアニスト」(The Legend of 1900)です。豪華ごうか客船きゃくせんの中なかで生うまれ、生涯しょうがい船せんを降おりることのなかったピアニストの物語ものがたりで、ヒューマンドラマであり、音楽おんがく映画えいがでもあります。

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先日せんじつ「ルース・エドガー」で久ひさしぶりにティム・ロスを見みて「海うみの上うえのピアニスト」を思おもい出だし、 YouTubeで音楽おんがくを聴きいたり、ピアノを弾ひいたりしていたばかりだったので、今回こんかいの訃報ふほうを不思議ふしぎな偶然ぐうぜんのように感かんじていました。

そしてこれも偶然ぐうぜんですが、「海うみの上うえのピアニスト」は８月がつに４Kデジタルリマスター版ばん、9月にイタリア完全かんぜん版ばんが劇場げきじょう公開こうかいされることが予定よていされています。

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前置まえおきが長ながくなりましたが、エンニオ・モリコーネへの追悼ついとうを込こめて「海うみの上うえのピアニスト」から２曲きょく、映画えいがのシーンとともにご紹介しょうかいします。

The Legend of 1900 (1998) - 'Playing Love' scene [1080p]

主人公しゅじんこうの 1900 が船ふねの上うえで演奏えんそうするピアノが話題わだいをよび、レコーディングの話はなしが持もち上あがります。そんな話はなしはおかまいなしに、1900 は甲板かんぱんを歩あるく美うつくしい女性じょせいにひと目め惚ほれし、彼女かのじょを思おもいながら即興そっきょうでピアノを弾ひき始はじめます。

ティム・ロスの恋こいする切せつない表情ひょうじょうと、その気持きもちとリンクするように奏かなでられる音楽おんがくがロマンティックで美うつくしい "Playing Love" という曲きょくです。

The Legend Of 1900 "Magic Waltz" HD Ennio Morricone

私わたしが一番いちばん好すきなシーンです。海うみが大だい荒あれに荒あれたある夜よる、船酔ふなよいしてぼろぼろになったマックスが 嵐あらしに合あわせてピアノを弾ひく1900 といっしょにいるうちに、いつしか楽たのしくなってニコニコしてくる ”Magic Waltz” という曲きょくです。

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最後さいごに「ニュー・シネマ・パラダイス」より ”Love Theme”。この曲きょくはクラシックのアーティストもよく演奏えんそうしていて、先日せんじつはチェリストのヨー・ヨーマが追悼ついとうの演奏えんそうを Twitter にアップしていました。

私わたしが好すきなのはヴァイオリニストのイツァーク・パールマンの演奏えんそうです。パールマンはユダヤ系けいヴァイオリニストで、映画えいが「シンドラーのリスト」の演奏えんそうでも知しられていますね。

私わたしも大好だいすきなヴァイオリニストで、1980年ねん頃ごろと1993年ねん頃ごろ、来日らいにち公演こうえんを聴ききに行いきました。20世紀せいきを代表だいひょうする偉大いだいなアーティストのひとりです。

Cinema Paradiso Theme By Itzhak Perlman & The City of Praga Orchestra

これは、チリのオーケストラとの演奏えんそうですが、美うつくしいのびやかなヴァイオリンの音色ねいろが、映画えいがとはまた別べつの感動かんどうを与あたえてくれます。

続つづきますが「ストーリー・オブ・マイライフ　わたしの若草わかくさ物語ものがたり」(Little Women) についてもう少すこしおつきあいを。

オルコットの故郷こきょうで「若草わかくさ物語ものがたり」の舞台ぶたいとなったマサチューセッツ州しゅうコンコードは、ボストンから車くるまで１時じ間あいだほどのところにある小ちいさな町まちです。私わたしも14年ねん前まえに訪おとずれ、当時とうじのブログに残のこしています。

コンコード - 「若草わかくさ物語ものがたり」が生うまれた町まち　(2006-12-1)

上うえはその時とき撮とった写真しゃしんで、オルコットの家族かぞくが20年間ねんかん(1857-1878)住すんでいた オーチャードハウス (Orchard House) です。映画えいがに使つかわれたのは撮影さつえい用ようのセットだと思おもいますが、忠実ちゅうじつに再現さいげんされていましたね。

オルコットの父ちちがこの家いえを買かった時とき、敷地しきちにりんごの果樹かじゅ園えん (オーチャード) があったことから、名付なづけたそうです。オルコットは、父ちちが彼女かのじょのために特別とくべつに作つくった机つくえで、1868年ねんに「若草わかくさ物語ものがたり」を執筆しっぴつしました。

オルコットが住すんでいた頃ころの調度ちょうどや装飾そうしょくが、大おおきく変かえないままに保存ほぞんされています。オーチャードハウスの内部ないぶを紹介しょうかいする映像えいぞうを見みつけたので、よかったらご覧らんになってみてください。若草わかくさ物語ものがたりの世界せかいそのものです。

Little Women: The House of Little Women

映画えいがに登場とうじょうする音楽おんがくは、アレクサンドル・デスプラによるオリジナル曲きょくもドラマティックですばらしかったですが、私わたしはピアノが好すきなので、ベスが演奏えんそうするクラシックのピアノ曲きょくの美うつくしさに心しんを動うごかされました。

サウンドトラックには入はいっていませんが、映画えいがの中なかで演奏えんそうされたクラシック音楽おんがくのリストをまとめているサイトを見みつけたので、ご紹介しょうかいさせていただきますね。リンク先さきで曲きょくを聴きくこともできます。

Soundtrack.com/Little Women Soundtrack (2019)

ショパンのノクターン、ブラームスのワルツ、シューマンの子こどもの情景じょうけいと懐なつかしい曲きょくが続つづく中なか、ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴ひそう」の第だい２楽章がくしょうもありました。

その名なにふさわしい、激はげしい慟哭どうこくのような第だい１楽章がくしょうとは打うって変かわって、甘あまく詩情しじょうあふれる第だい２章しょう。(余談よだんですが、ビリージョエルがこのメロディを This Song という歌うたに取とり入いれています。(^_-)-☆)

映画えいがではこの曲きょくが２回かい演奏えんそうされます。１回かい目めはベスによって。そして２回かい目めは、フレデリックがジョーに会あいにマーチ家かを訪おとずれる場面ばめんで。

Friedrich at Jo's House - Little Women 2019

（演奏えんそうの場面ばめんは 1:55 くらいから。映画えいがを見みてない方ほうはご注意ちゅういを）

音楽おんがくによって、そしてベスによって導みちびかれた運命うんめいに、胸むねが熱あつくなりました。

オルコットの名作めいさく小説しょうせつ「若草わかくさ物語ものがたり」を、「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグが新あらたな視点してんで映画えいが化か。シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、ティモシー・シャラメらが出演しゅつえんしています。

ストーリー・オブ・マイライフ　わたしの若草わかくさ物語ものがたり　(Little Women)

「若草わかくさ物語ものがたり」は小学生しょうがくせいの時ときに読よみましたが、ストーリーはだいぶ忘わすれてしまいました。ただ四よん姉妹しまいのうち、自分じぶんはどのタイプ？とかどのキャラクターが好すき？という話はなしで友ともだちとよく盛もり上あがったのを覚おぼえています。

私わたしは長女ちょうじょなので本来ほんらいはメグのはずですが、意外いがいとわがままで子こどもっぽいところがあるので、どちらかというと四よん女じょのメアリーかな～？と思おもったり。そして当時とうじの女子じょしたちの間あいだで一番いちばん人気にんきはなんといっても次女じじょのジョーでした。

本ほん作さくは、その次女じじょジョー(シアーシャ・ローナン)の視点してんで描えがかれています。ニューヨークの出版しゅっぱん社しゃに”友達ともだち”の書かいた小説しょうせつを売うり込こみにきたジョーが、ダメ出しゅっしされながらもようやく掲載けいさいにこぎつけ、颯爽さっそうと街まちを走はしり抜ぬけるオープニングが印象いんしょう的てき。

これだけで新あたらしい作品さくひんだという予よ感かんを感かんじて、わくわくしました。19世紀せいきのマサチューセッツ州しゅうコンコードが舞台ぶたいで、衣装いしょうも美術びじゅつもクラシックですが、四よん姉妹しまいがこの時代じだいの慣習かんしゅうにとらわれず、自分じぶんで考かんがえ、悩なやみながら生いき方かたを決断けつだんしていく姿すがたは

現代げんだいを生いきる私わたしたちにとって共感きょうかんでき、勇気ゆうきづけられるメッセージとなっていました。４人にんがそれぞれ自分じぶんの考かんがえをストレートにぶつけ合あい、時ときに取とっ組くみ合あいのけんかをするところも新鮮しんせんな描写びょうしゃでした。

そして、ローラ・ダーン演えんじる、慈愛じあいあふれる母親ははおやがまたすばらしい。牧師ぼくしとして戦地せんちに赴おもむいている夫おっとに代かわって女手おんなでひとつで家族かぞくを守まもる彼女かのじょは、きっと神かみに仕つかえる身みであることを常つねに心しんに留とめて娘むすめたちを育そだてていたのでしょう。

一方いっぽうメリル・ストリープ演えんじる叔母おばは、母ははとはまったく違ちがう、どちらかというと現実げんじつ的てきなタイプですが、姉妹しまいたちにとってはまだ見みぬ広ひろい世界せかいを示しめしてくれる、きらきらした存在そんざいだったのだろうと思おもいます。

オルコットは自身じしんをモデルにジョーというキャラクターを作つくりましたが、自身じしんが作家さっかという道みちを選えらび、生涯しょうがい独身どくしんを貫つらぬいたのに対たいし、ジョーには当時とうじの社会しゃかいを反映はんえいさせて、結婚けっこんというハッピーエンディングを用意よういしました。

ところが本ほん作さくでガーウィグ監督かんとくは、ジョーに結婚けっこんと仕事しごとと、どちらかをあきらめさせるということはさせなかった。ジョーが作家さっかとして認みとめられることはうれしいけれど、それによって何なにかを失うしなうようなことがあったらきっと物足ものたりなさを感かんじたと思おもうので

この結末けつまつには大だい、大だい満足まんぞくでした。

めずらしくコスメの話はなしです。^^　銀座ぎんざのギャラリーを訪おとずれた後のち、久ひさしぶりに新あたらしいリップを買かいました。

今いままで使つかっていたのは、シャネルの la merveilleuse という色いろで、信しんじられないほどすばらしいもの、といった意味いみがあります。たしか数すう年ねん前まえのクリスマスシーズンに買かった限定げんてい色しょくだったと記憶きおくしていますが

あまりに気きに入いりすぎて、ここまで使つかい切きってしまいました。^^　限定げんてい色しょくなので同おなじ色しょくが手てに入はいらないにしても、近ちかい色いろが欲ほしいと思おもっていました。

店員てんいんさんが次々つぎつぎとお勧すすめしてくださるトレンドの色いろを、ことごとくお断ことわりするのは申もうし訳わけなかったですが、私わたしが選えらんだのはこちら。

palpitante というこちらの色いろは、どきどきさせる、といった意味いみがあります。刺激しげき的てきで、挑発ちょうはつ的てきで、今いまの気分きぶんにぴったりかしら？？　こういう古ふるめかしい色いろが好すきです。

せっかくの新あたらしいリップも、今いまはマスクで見みえなくて残念ざんねんですが、隠かくれたおしゃれを楽たのしんでいます。

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ついでといっては何なにですが、私わたしの好すきな香かおりの話はなし。

香水こうすいの瓶びんが好すきで、昔むかしはよく集あつめていましたが、今いまはだいぶ処分しょぶんしてしまいました。若わかい頃ころは、ディオールの　Diorissimo が好すきで私わたしのトレードマークになっていましたが、いつしか自分じぶんの気分きぶんに合あわなくなっていました。

その後ご、いろいろ変遷へんせんがあったものの、今いまひとつしっくりくる香かおりに出会であえなかったのですが

数すう年ねん前まえに恋こいに落おちた？のが、ディオールの Forever and Ever です。風ふうに消きえてしまいそうなくらい軽かるい香かおりなので、スメハラ的てきにも安心あんしん？　自分じぶんの気持きもちを引ひき立たててくれる、守まもり神がみのような香かおりです。

銀座ぎんざメゾンエルメス フォーラムを訪おとずれたあと、THE GINZA SPACE で開催かいさいされている「幻想げんそうの銀河ぎんが　山本やまもと基はじめ ✕ 土屋つちや仁ひとし応おう」を見みに行いきました。

THE GINZA SPACE は資生堂しせいどうギャラリーとは別べつで、２年ねん前まえにできた資生堂しせいどうの新あたらしいマルチスペースだそうです。場所ばしょは銀座ぎんざ５丁目ちょうめのあづま通どおり、トリコロール本店ほんてんの並ならびです。入口いりくちはややわかりにくいですが、細ほそいらせん階段かいだんを下おりて、地下ちか２階かいにあります。

私わたしは５年ねん前まえに銀座ぎんざの POLA のギャラリーで、山本やまもと基はじめさんのインスタレーションと出会であい、深ふかい感銘かんめいを受うけたので、今回こんかいの展覧てんらん会かいを楽たのしみにしていました。コロナの影響えいきょうにより会期かいきが変更へんこうとなり、８月がつ2日にちまで開催かいさいされています。

【参考さんこう記事きじ】山本やまもと基はじめ展てん「原点げんてん回帰かいき」＠POLA MUSEUM ANNEX

今回こんかいは山本やまもと基はじめさんの、塩しおを使つかった「たゆたう庭にわ」というインスタレーションと、木彫きぼり作家さっかである土屋つちや仁ひとし応おうさんの「鹿しか」「月つき」という作品さくひんとのコラボレーションとなっています。

真まっ白しろな空間くうかんに鏡かがみの板いたが敷しかれ、山本やまもとさんの塩しおで描えがかれた繊細せんさいな文様もんようが広ひろがっています。その上うえを土屋つちやさんが制作せいさくされた木彫きぼりの鹿しかたちが佇たたずんでいます。

銀河ぎんがをイメージして制作せいさくされたという山本やまもとさんの作品さくひんと、本来ほんらい地上ちじょうにいる動物どうぶつである鹿しかの群むれとが組くみ合あわされたことで、この世よのものとは思おもえない、美うつくしく、神々こうごうしく、幻想げんそう的てきな世界せかいが広ひろがっていました。

そういえば奈良公園ならこうえんでは、鹿しかは神かみの使つかいとされていると聞きいています。土屋つちやさんが制作せいさくされた白しろい鹿しかたちは、まるで神馬しんめのように、神性しんせいが高たかめられていると感かんじました。

会場かいじょうにはステップがあり、少すこし高たかいところから作品さくひんを見下みおろすことができます。銀河ぎんがに佇たたずむように見みえた鹿しかの群むれも、上うえから見みると、神様かみさまに導みちびかれ、しっかりと歩あゆみを進すすめているように見みえました。

部屋へやの隅すみに１ｍくらいの高たかさの台だいがあり、そこにも塩しおの文様もんようと、立派りっぱな角かくをもつリーダー格かくの鹿しかの木彫きぼりが展示てんじされていて、目めの高たかさで間近まぢかに作品さくひんを鑑賞かんしょうすることができました。

均一きんいつな厚あつみに絞しぼり出だされた塩しおは、そのまま形かたちを留とめていて、塩しおだけでできているとはにわかに信しんじられないほど。手てで触さわって確たしかめてみたくなりました。

幻想げんそうの銀河ぎんが - 山本やまもと基はじめ × 土屋つちや仁ひとし応おう

本展ほんてんの紹介しょうかいビデオ

山本やまもと基はじめ(やまもと・もとい)さんのホームページ

土屋つちや仁ひとし応おう(つちや・よしまさ)さんのTwitterアカウント

久ひさしぶりに銀座ぎんざでアート・ギャラリーのはしごをしました。まず訪おとずれたのは、銀座ぎんざメゾンエルメス フォーラムで開催かいさい中ちゅうの「コズミック・ガーデン　サンドラ・シント展てん」(Cosmic Garden by Sandra Cinto)です。

コロナの影響えいきょうで一時いちじお休やすみしていましたが、再開さいかいして7月がつ31日にちまで開催かいさいされています。ブランドには縁えんのない私わたしもこちらのギャラリーは大好だいすきで、これまで何なん度どとなく訪おとずれてきました。

パリのポンピドゥー・センターと同おなじくレンゾ・ピアノが設計せっけいしたこのメゾンは、ガラスのブリックでできているので、時間じかんや天気てんきの移うつり変かわりをも取とり入いれた、この場所ばしょならではの現代げんだいアートやインスタレーションが鑑賞かんしょうできるのが魅力みりょくです。

本展ほんてんのサンドラ・シントは、ブラジル・サンパウロを拠点きょてんに活動かつどうしているアーティストで、星せいや結晶けっしょう、波なみなどをモチーフとして用もちいたドローイングを主おもに、空間くうかんと関かかわり合あいを持もつインスタレーションを数多かずおおく手てがけているそうです。

エレベータでギャラリーのある８階かいに上あがると、壁かべに沿そってブルーのグラデーションが続つづき、その先さきには空色そらいろとも水色みずいろともいえる淡あわいブルーの世界せかいが広ひろがっていました。極細ごくぼその白しろい線せんやドットで描えがかれる繊細せんさいなドローイングは、島しまや橋はし、波なみを表あらわしているようです。

あるいは、船ふねや飛行機ひこうきの航跡こうせきのようだったり、はえ縄なわ漁業ぎょぎょうの網あみのようであったり、空中くうちゅうブランコのようだったり。宇宙うちゅうから見みる地球ちきゅうは、こんな風ふうに見みえるのではないかと思おもわれました。

シントさん自身じしん、このような大おおきな作品さくひんを作つくるのは初はじめてのことで、今回こんかいは６人にんの仲間なかまたちと作品さくひんを作つくり上あげたのだとか。使つかっている画材がざいはペンやマーカーなど、どこにでもあるもの。

シントさんは今いまは個人こじん主義しゅぎが進すすんで、誰だれもがコンピュータ上じょうで自分じぶんの意見いけんをい合いあう時代じだいだから、と仲間なかまたちと手てを取とり合あうことの大切たいせつさを語かたります。

朝あさのスペースからグラデーションの通路つうろを通とおって...

もうひとつのスペースは、がらりと変かわって夜よるとなっています。朝あさのスペースでは鳥とりの鳴なき声ごえや水みずのせせらぎが聞きこえましたが、夜よるのスペースではコオロギの鳴なき声ごえや鳥とりの羽はばたきが聞きこえます。

漆黒しっこくの空そらに満点まんてんの星ほし。まるで宇宙うちゅう空間くうかんに放ほうり出だされたようです。床ゆかには絨毯じゅうたんが敷しき詰つめられ、クッションがぽんと置おかれ、どちらにも星ほしが描えがかれています。ここでは靴くつをぬいて、足あしで絨毯じゅうたんの感触かんしょくを味あじわいながら作品さくひんを鑑賞かんしょうします。

私わたしは気きがつかなかったのですが、ラベンダーとカモミールの香かおりも漂ただよっていたようで、まさに五感ごかんで味あじわうアートでした。

２ふたつのスペースをつなぐエレベータホールには、夜空よぞらいっぱいに打うち上あげられた花火はなび？？

作品さくひんを鑑賞かんしょうしながら、白しろの魅力みりょくを再さい認識にんしきしました。自宅じたくの壁かべにドローイングしたくなりました。^^

EXHIBITIONS | Sandra Cinto, "Cosmic Garden" at Le Forum, Tokyo (1/2)

作品さくひんのメイキングと、シントさんのインタビューです。ゆったり語かたることばに力ちからを感かんじました。