セレンディピティ ダイアリー

アンジェリーナ・ジョリー主演しゅえんの、アメリカ西部せいぶの森林地帯しんりんちたいを舞台ぶたいにしたクライムサスペンス。「ウィンド・リバー」のテイラー・シェリダンが監督かんとくを務つとめています。

モンタナの目撃もくげき者しゃ　(Those Who Wish Me Dead)

ウィンド・リバー (Wind River) がとても気きに入いったので、本ほん作さくも楽たのしみにしていました。前作ぜんさくと同おなじく、アメリカの広大こうだいな自然しぜんを舞台ぶたいに展開てんかいする本ほん作さくは、サスペンスとしてのスリルもさることながら、ヒューマンドラマとしても見応みごたえがあって、引ひき込こまれました。

アンジーの出演しゅつえん作さくを見みるのは久ひさしぶりでしたが、これまで見みた彼女かのじょの出演しゅつえん作さくの中なかで本ほん作さくのアンジーが一番いちばん好すきです。これまでが女優じょゆうとしてのアンジーだとすると、本ほん作さくのアンジーは、ありのままのアンジーのように感かんじたからです。

映画えいがを見みる前まえはなんとなく、山やま火事かじで活躍かつやくする勇敢ゆうかんな消防しょうぼう士しの話はなしなのかな～？と思おもっていましたが、冒頭ぼうとうフロリダでとある豪邸ごうていがガス爆発ばくはつする場面ばめんから、いきなり意表いひょうを突つかれました。

不正ふせいを暴あばこうとしていた父親ちちおやは、自分じぶんが悪あくの組織そしきから命いのちを狙ねらわれていることを知しり、幼おさない息子むすこを連つれて知人ちじんのいるモンタナへとたどり着つきますが、父親ちちおやは息子むすこの目めの前まえで殺ころされてしまいます。

隠かくれていた息子むすこはなんとかその場ばは逃にげおおせたものの、顔かおを見みられた悪人あくにん２人にんによって執拗しつように追おわれることとなります。(これが原題げんだいにつながります)

本ほん作さくは、この少年しょうねんコナーと、森林しんりんの中なかで偶然ぐうぜんコナーと出会であった森林しんりん消防しょうぼう隊員たいいんのハンナ (アンジェリーナ・ジョリー) の逃避行とうひこう、ハンナをよく知しる保安ほあん官かんとその妻つま、少年しょうねんを追おう２人ふたりの悪党あくとうを軸じくとして物語ものがたりが進すすみますが

ウィンド・リバー同様どうよう、モンタナの美うつくしく、たくましくも過酷かこくな大地だいちとともに、この地ちにしっかりと足あしをつけて生いきている人ひとたちの姿すがたが、力強ちからづよく描えがかれています。ハンナ自身じしん、過酷かこくな山やま火事かじの現場げんばで、救すくえなかった命いのちがあったことがトラウマとなっていて

自然しぜんの驚異きょうい、人間にんげんの命いのちのはかなさを存分ぞんぶんに知しっているからこそ、少年しょうねんコナーに安易あんいに甘あまいことばをかけることはありません。でも、私わたしはそこに彼女かのじょの誠実せいじつさと、信念しんねんを感かんじました。

最後さいごに命いのちが助たすかったものの、天涯孤独てんがいこどくの身みとなったコナーは、ハンナに「この先さき、僕ぼくはどうなるの？」と問といかけます。その時とき、ハンナが「大丈夫だいじょうぶよ」でも「私わたしにまかせて」でもなく、「いっしょに考かんがえましょう」(Figure out together.) といった言葉ことばが心しんに残のこりました。

本ほん作さく、アンジー演えんじるハンナと保安ほあん官かんの妻つまアリソン、強つよくてたくましくて勇気ゆうきある女性じょせい２人にんが登場とうじょうするのもうれしかった。シェリダン監督かんとく作品さくひんに登場とうじょうするヒロインはいつも魅力みりょく的てきです。

前回ぜんかい、オープンしたばかりの時ときに息子むすこと行おこなった学芸がくげい大学だいがく駅えき高架こうか下かのイタリアン Nature/Pizza TOSCANA (ナチュールピッツァ トスカーナ) に、今度こんどは夫おっとと行おこなってきました。（前回ぜんかいの記事きじはコチラ）

ランチセットは、メインとなるパスタかピッツァに、スープ、東京とうきょう野菜やさいゴチソウサラダ、飲のみ物もの、食後しょくごのミニドルチェがつきます。

前菜ぜんさい代かわりとなる東京とうきょう野菜やさいゴチソウサラダは、６種類しゅるいのトッピングから３種類しゅるいを選えらぶことができるので、前回ぜんかい同様どうよう、違ちがうものを３種類しゅるいずつ選えらんでシェアしていただくことにしました。

といっても私わたしは、前回ぜんかいと全まったく同おなじく、キャロットラペ、自家製じかせいスモークサーモン、バルサミコナッツの３種類しゅるいにしました。ドレッシングも、前回ぜんかいと同おなじく有機ゆうき人参にんじんドレです。スープはミネストローネでした。

そして夫おっとは、前回ぜんかいの息子むすこと全まったく同おなじく、お肉にく系けいばかりのセレクションで、切きりたてふあふあ生なまハム、自家製じかせいポルケッタ、鶏肉とりにくのボリート にしました。ドレッシングも、前回ぜんかいの息子むすこと同おなじく、有機ゆうき焼やき玉葱たまねぎドレです。

メインは、ピッツァとパスタをそれぞれ選えらんでシェアしていただきました。こちらは、自家製じかせいポルケッタ (ローストポーク) とポロネギのピッツァです。見みた目めは少々しょうしょう地味じみですが、焙あぶられた豚肉ぶたにくの旨味うまみがぎゅっとおいしい一品いっぴんです。

お店みせのスタッフがりんごの甘煮うまにを持もってきてくださったので、後ごから味あじ変へんしていただきます。りんごと豚肉ぶたにくは黄金おうごんの組合くみあわせですが、りんごはマスタードといっしょに煮込にこまれていて、それがまた豚肉ぶたにくによく合あうのです。初はじめていただくお味あじでした。

パスタは、お店みせの名前なまえを冠かんしたTOSCANAのミートソースを大盛おおもりで。ミートソースは家いえでは野菜やさいたっぷりトマト味あじで作つくりますが、これはお肉にくの旨味うまみがぎゅっと凝縮ぎょうしゅくした味あじわい深ぶかいお味あじでした。パスタはリングイネ風ふうでスパゲティより若干じゃっかん幅広はばひろです。

食後しょくごのドルチェは、前回ぜんかいと同おなじく紅茶こうちゃのプリンとマスカット、さらにブラウニーもついていました。この日ひ (先月せんげつです) は暑あつかったので、それぞれ冷つめたい紅茶こうちゃとコーヒーとともにおいしくいただきました。

映画えいが版ばん「チャーリーズ・エンジェル」シリーズの３作さく目め。新しんエンジェルズを、クリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカが演えんじ、エリザベス・バンクスが監督かんとくを務つとめています。

チャーリーズ・エンジェル　(Charlie's Angels)　2019

公開こうかい時じに見み損そこねてしまった本ほん作さくを、Amazom Prime Video で見みつけて鑑賞かんしょう。かっこいい女性じょせいエージェントたちが活躍かつやくする本ほんシリーズが大好だいすきなので、今回こんかいもとっても楽たのしめました。

もとはTVドラマで、その後ご何なん度どか映画えいが化かされた本ほんシリーズですが、時代じだいとともにエンジェルたちのキャラクターも変遷へんせんし、その時代じだいを映うつす鏡かがみになっていると実感じっかんします。

前々まえまえ作さくで初はじめてアジア系けいのルーシー・リューが抜擢ばってきされた時ときには驚おどろきましたが、今回こんかいはインド系けい、カリブ系けいとますます多彩たさいな顔触かおぶれに。そしてクリステン・スチュワートにしても、マニッシュな魅力みりょくがあって、従来じゅうらいのエンジェルとは全まったく違ちがうタイプですよね。

監督かんとくがエリザベス・バンクスということもあり、若干じゃっかんフェミニズム寄よりの視点してんで作つくられていますが、悪役あくやくの男性だんせいたちを華麗かれいにぼこぼこにするエンジェルたちは、颯爽さっそうとしてとってもかっこよかったです！

個人こじん的てきな話はなしになりますが、昨年さくねんは再さい就職しゅうしょくして人間にんげん関係かんけいの難むずかしさに苦労くろうし「プラダを着きた悪魔あくま」に支ささえられた年としでした。 (コチラの記事きじ) 　その後ご 思おもい切きって組織そしき内ない転職てんしょくした今いまは、本ほん作さくに共感きょうかんし、勇気ゆうきづけられました。

というのも本ほん作さくは、エンジニアであるエレーナ (ナオミ・スコット) が、組織そしきの不正ふせいを暴あばこうとして事件じけんに巻まき込こまれ、やがてエンジェルズの一員いちいんとして迎むかえ入いれられるまでを描えがいた作品さくひんでもあるからです。

プラダ...に続つづき、相変あいかわらず図々ずうずうしい妄想もうそうがさく裂れつしていて恥はずかしい限かぎりですが、私わたしにとって、パワーを与あたえてくれる大切たいせつな作品さくひんになりました。

本ほん作さくはノリのいい音楽おんがくも魅力みりょくのひとつですが、懐なつかしかったのはドナ・サマーの Bad Girls。

Charlie's Angels - Bad Girl (Gigamesh Remix) The Night Club Dance Scene

サビーナ (クリステン・スチュワート) とジェーン (エラ・バリンスカ) が、敵てきのいるパーティに乗のり込こむシーンは、予告よこく映像えいぞうにもありましたが、かっこいいだけでなく、ガーリィな一いち面めん (なぜかパーティ会場かいじょうにプリクラがあり、仲良なかよしフォトを撮影さつえい) もあってすごく好すきです。

２か月げつくらい前まえの写真しゃしんですが、今いまさらながらのアップです。

この日ひは前日ぜんじつ、たまたまTVでステーキを見みたこともあって、久ひさしぶりに世田谷せたがや区く・玉堤たまづつみにある Fiesta del amigo (フィエスタ・デル・アミーゴ) にメキシカン・ステーキを食たべに行いこう、ということになりました。(前回ぜんかい訪おとずれた時ときの記事きじはコチラ)

駅えきから離はなれた住宅じゅうたく街がいにある小ちいさなお店みせですが、アメリカの田舎町いなかまちにあるメキシカン・レストランのような雰囲気ふんいきがあって、なぜか懐なつかしい気持きもちになります。どうやらメキシコ人じんではなく日本人にっぽんじんの方ほうが経営けいえいしているようですが

どういう経緯けいいでここにお店みせを開ひらいたのか気きになります。その昔むかし、メキシコかテキサス辺あたりに住すんでいらしたことがあるのではないか、と想像そうぞうしています。メキシコ料理りょうりのお店みせですが、お昼ひるはステーキが中心ちゅうしんです。

私わたしは前回ぜんかいと同おなじくプレミアムロースのステーキをいただきました。これにサルサ風ふうのメキシカンサラダと、スープがつきます。夫おっとも前回ぜんかいと同おなじくハラミステーキにしていました。

テーブルの上うえに調味ちょうみ料りょうがずらり。自分じぶんの好このみの味付あじつけでいただきます。私わたしはたまねぎのすりおろしの入はいった自家製じかせいステーキソースに、お醤油じょうゆとにんにく少々しょうしょう加くわえました。じゅ～っと焼やかれたステーキに、お醤油じょうゆの香こうばしい風味ふうみがよく合あい、おいしくいただきました。

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これはまた別べつの日ひ。この日ひは私わたしがモデルナの１回かい目めのワクチンでしたが、夫おっとが半日はんにち休やすみをとって車くるまで迎むかえに来きてくれたので、帰かえりに田園調布でんえんちょうふ倶楽部くらぶに寄よってお昼ひるをいただきました。２階かいにイタリアンレストランがありますが、この日ひは１階かいのカフェに入はいりました。

自家製じかせいスモークサーモンとルッコラのピッツァ。

DENCULAナポリタンは、お店みせのオリジナルナポリタン。上うえに目玉焼めだまやきがのっています。

せっかくお休やすみを取とってくれたのに悪わるいですが、この日ひも翌日よくじつもほとんど副ふく反応はんのうなく拍子抜ひょうしぬけしました。モデルナの２回かい目めはかなりつらいと各種かくしゅ情報じょうほうで目めにしていましたが、私わたしは２回かい目めもほとんど軽かるくすみました。

”副ふく反応はんのうが軽かるい”という声こえはとかく届とどきにくいですし、ワクチンの種類しゅるいによらず個人こじん差さがあるとも感かんじていますが、これから受うける方ほうには、必要ひつよう以上いじょうに心配しんぱいしないようお伝つたえしたいと思おもいます。

いつまでも若わかく美うつくしくありたいと願ねがうあまりに、禁断きんだんの秘薬ひやくに手てを出だしてしまった愚おろかなる女性じょせい２人にんを、ブラックユーモアたっぷりに描えがいた1992年ねんのコメディ映画えいがです。

永遠えいえんに美うつくしく　(Death Becomes Her)

Amazon Prime Videoで見みつけて、ロバート・ゼメキス監督かんとく、メリル・ストリープ主演しゅえんというのに期待きたいして見みましたが、予想よそう外がいにとんでもない作品さくひんでした。^^;　ひとことで言いえば、ものすごく贅沢ぜいたくに作つくられたB級きゅう映画えいがといったらよいでしょうか。 (褒ほめています)

メリル・ストリープ演えんじる女優じょゆうのマデリーンと、ゴールディ・ホーン演えんじる作家さっかのヘレンが、若わかさと美うつくしさを競きそって激はげしいバトルを繰くり広ひろげます。２人ふたりの間あいだで翻弄ほんろうされる美容びよう外科げか医いのアーネストをブルース・ウィリスが演えんじていますが

本ほん作さくではパワフルな２人ふたりの美女びじょにはさまれて右往左往うおうさおうする気弱きよわな役やくどころで、アクションシーンもないので、映画えいがが終おわるまでブルース・ウィリスだと気きがつきませんでした。でも最終さいしゅう的てきに、アーネストが一番いちばん幸しあわせな人生じんせいを送おくっていました。^^

私わたし自身じしん、健康けんこうと美容びように今いままで以上いじょうに気きを配くばるようになってきましたが、最近さいきんつくづく思おもうのは、老化ろうかのスピードを遅おくらせることはできても、若わかさを取とり戻もどすことはできないということ。

だったら、時ときの流ながれにさからうのではなく、上手じょうずに年としを重かさねることを考かんがえた方ほうがいいと思おもうのです。まあ、そういいながら、じたばたしてしまう自分じぶんもいるのですが。^^

いやー、それにしてもメリル・ストリープほどの才媛さいえんが、下品げひんなセリフがぽんぽん飛とび出だす、こんなにおバカな女性じょせいを大だい真面目まじめに演えんじるなんて。そのことにも衝撃しょうげきを受うけました。女優じょゆうさんてすごいです。

ゼメキス監督かんとくらしく、VFXがふんだんに使つかわれていて、ありえない特殊とくしゅ映像えいぞうの数々かずかずが、ばかばかしくも見応みごたえありました。^^

映画えいがを見みた後のち、イクスピアリの Rainforest Cafe (レインフォレストカフェ・トーキョー) でお昼ひるをいただきました。熱帯ねったい雨林うりんをフィーチャーしたテーマ・レストランです。

映画えいが館かんのすぐ斜ななめ前まえ、動物どうぶつのぬいぐるみなど扱あつかっているショップで受付うけつけし、地下ちかに向むかうとそこはアマゾンのような熱帯ねったい雨林うりんの世界せかいです。洞窟どうくつを模もした広ひろい店内てんないに、フェイクの熱帯ねったい植物しょくぶつが茂しげり、ネオンを灯ともした水槽すいそうに熱帯魚ねったいぎょがひらひらと泳およいでいます。

Rainforest Cafe は、アメリカにいた頃ころ、フロリダのディズニーワールドの他ほか、ショッピングモールなどにもよく入はいっていたと記憶きおくしていますが、アメリカ版ばんWikiを見みたら、今いまや知しっているお店みせがほとんどクローズしていて驚おどろきました。

舞浜まいはまのお店みせは現在げんざい日本にっぽんでは唯一ゆいいつある店舗てんぽで、今いまとなっては多少たしょう老朽ろうきゅう化かしている感かんは否いなめないものの、よくも悪わるくもアメリカらしさが懐なつかしく、楽たのしい食事しょくじとなりました。

私わたしはペンネ・アラビアータをいただきました。トマトソース、なす、ベーコンをからめたペンネで、おいしかったのですが、アメリカンサイズで量りょうがやや多おおく、最後さいごの方ほうはちょっと飽あきてしまいました。

日本にっぽんだったら、この半分はんぶんのサイズにして、スープやミニサラダなどとセットにするところでしょうが、この半端はんぱない量りょうの感覚かんかくにアメリカを思おもい出だし、懐なつかしくなりました。

こちらはRFCバーガー。お店みせの名前なまえ(イニシャル)を冠かんしたシグネチャー・バーガーらしく、間違まちがいのないおいしさでした。食たべきれないほどたくさんのフレンチフライは、ハインツのケチャップをディップしながらいただきました。

ちょっとわかりにくいですが、奥おくのジャングルでゴリラの人形にんぎょうが、うほっうほっとしています。店内てんないは時々ときどき雷鳴らいめいがとどろいて、スコール(音おとだけ)がやってきます。アトラクションのような感覚かんかくで楽たのしめるレストランです。

M・ナイト・シャラマン監督かんとくの最新さいしん作さくは、時ときの流ながれが異常いじょうに速はやい、謎なぞのビーチを舞台ぶたいにしたスリラーです。

オールド　(Old)

なんだかおもしろそう！とイクスピアリまで遠征えんせいして見みに行いってきました。映画えいがが始はじまる前まえにシャラマン監督かんとくからのメッセージ。監督かんとくの Welcome back ということばには、映画えいがの内容ないようとも相あいまって、コロナ時代じだいをサヴァイヴし、映画えいが館かんに足あしを運はこんで見みに来きてくれた観客かんきゃくへの

感謝かんしゃと歓迎かんげいの気持きもちが込こめられていると私わたしは受うけ止とめましたが、いかがでしょうか。非常ひじょう事態じたいをしばし忘わすれて、映画えいが館かんの大おおきなスクリーンならではの映像えいぞう体験たいけん、摩訶不思議まかふしぎな映画えいが体験たいけんができて、私わたしはとっても楽たのしめました。

リゾートホテルに向むかう送迎そうげいの車中しゃちゅうのシーンからはじまる本ほん作さく。いかにもニューヨーク郊外こうがいの住宅じゅうたく地ちに住すんでいそうな家族かぞくの、いかにも いかにもな会話かいわがシニカルでおもしろく、一気いっきに映画えいがの世界せかいに引ひき込こまれました。

ネットでこのリゾートを見みつけたという妻つまは「ほら、カンクン(ニューヨーカーに人気にんきのメキシコのリゾート地ち)よりいいでしょ！」と誇ほこらしげに胸むねを張はりますが、実じつは彼女かのじょがここを見みつけたのではなく、ここが彼女かのじょを見みつけたのでした。

この作品さくひん、大だい部分ぶぶんは非ひ科学かがく的てきな話はなしなのですが、ところどころに現代げんだい科学かがくの要素ようそをブレンドしていて、その匙加減さじかげんの絶妙ぜつみょうさが、ストーリーに程ほどよいリアリティと緊張きんちょう感かんを与あたえていると感心かんしんしました。

後のちになってから、序盤じょばんにさまざまな伏線ふくせんが散ちりばめられていたとわかりますが、映画えいがを見みている時ときは謎なぞ解ときをする気きはなく、ただただストーリーの流ながれに身みを任まかせて見みていました。そしておそらくそれが正ただしい鑑賞かんしょう方法ほうほうだと思おもいます。^^

最後さいごの方ほうで場面ばめんがパパッと変かわって、短時間たんじかんで手際てぎわよく真相しんそうが明あきらかになる手法しゅほうも鮮あざやかでした。お勧すすめの作品さくひんです。

目黒めぐろ通どおりにあるフィットネスクラブに併設へいせつされたレストラン Restaurant Solfege (レストラン ソルフェージュ) でお昼ひるをいただきました。最近さいきん偶然ぐうぜん知しったお店みせですが、１年ねん前まえにオープンしたそうです。

ソルフェージュといえば、昔むかしピアノで習ならっていた楽典がくてんや音楽おんがく理論りろんを思おもい出だします。私わたしはピアノだけでなく、こういう理論りろんも大好だいすきでした。どこか数学すうがくに通つうじるおもしろさがあります。店内てんないにはグランドピアノが置おかれ、サロンのような雰囲気ふんいきでした。

ランチは日替ひがわりの他ほか、お肉にく料理りょうり、お魚さかな料理りょうり、パスタ等とうのセットがあります。

セットにつくスープとサラダ。スープは冷つめたいコーンスープですが、クリーミィでありながらさっぱりとした口当くちあたり。サラダは野菜やさいが瑞々みずみずしく、ドレッシングもおいしかったです。

こちらはお肉にく料理りょうり。この日ひは豚肉ぶたにくのローストでした

おいしそう！　いつもは途中とちゅうでお皿さらを交換こうかんするか、取とり皿さらでシェアしていただくことが多おおいですが、テーブル中央ちゅうおうでアクリル版ばんに仕切しきられていたので、今回こんかい味見あじみはさすがにがまん。

私わたしはパスタのセットにしました。この日ひのパスタは真鯛まだいを使つかったオイルベースのスパゲティ。さっぱりとして私好わたしごのみのお味あじでした。

食後しょくごに飲のみ物ものがつきます。私わたしはハーブティをいただきました。

バーカウンターもあって、落おち着ついた大人おとなの雰囲気ふんいきです。

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この後のち、九品仏くほんぶつにある人気にんきのパン屋やさん Comme'N (コム・ン) に行いってみました。以前いぜんはいつも行列ぎょうれつができていましたが、最近さいきんようやく落おち着ついてきたので、行おこなってみる気きになりました。

バゲット、カンパーニュ、クロワッサンなどのフレンチブレッドがいろいろ。私わたしはどちらかというこういうハード系けいのパンが好すきなので、魅力みりょく的てきすぎて目移めうつりしてしまいましたが、結局けっきょくベーシックなバゲットと、ベーグルのような食しょく感かんのパンを買かいました。

ガーリックブレッドにして、食事しょくじのおともにしたり、パンペルデュ (フレンチトースト) にしたり、とおいしくいただきました。

平野ひらの啓一郎けいいちろうさんの最新さいしん作さくは、自由じゆう死しが合法ごうほう化かされた近きん未来みらいの日本にっぽんが舞台ぶたい。シングルマザーに育そだてられた孤独こどくな青年せいねん 朔ついたち也は、亡なくなった母ははそっくりの VF (バーチャルフィギュア) を作つくり、自由じゆう死しを望のぞんだ母ははの本心ほんしんを探さぐろうとします。

平野ひらの啓一郎けいいちろう「本心ほんしん」

カズオ・イシグロ「クララとお日ひさま」に続つづき、こちらも AI が登場とうじょうする小説しょうせつです。とはいえ、未来みらいを舞台ぶたいにはしているものの、描えがかれているのはSFの世界せかいではなく、過去かこから現代げんだい、そして未来みらいへと連つらなる人間にんげんの心しんの物語ものがたりである、と私わたしは思おもいました。

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今いまよりさらに格差かくさが進すすんだ近きん未来みらい。主人公しゅじんこうの朔ついたち也はリアルアバターという仕事しごとに就ついています。ヘッドセットをつけて、依頼人いらいにんに代かわって思おもい出での地ちを訪おとずれるなど、人ひとの心しんに寄より添そう仕事しごとですが、一方いっぽうで依頼人いらいにんから便利べんりに使つかわれることもしばしば。

朔ついたち也は、母ははの生前せいぜんを探さぐっていく中なかで、母ははと仲良なかよくしていたという三好みよしという若わかい女性じょせいと会あい、その後ご三好みよしが災害さいがいで行いき場ばをなくしてからは、家いえに呼よび寄よせて母ははが使つかっていた部屋へやを貸かし、いっしょに暮くらすようになります。

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朔ついたち也と三好みよしは、こっちの世界せかいに住すんでいて、あっちの世界せかいに移うつり住すむことは不可能ふかのうだと半なかばあきらめています。先さきの見みえない閉塞へいそく感かんの中なか、読よんでいて心しんが押おしつぶされそうになることもありましたが、朔さく也があるきっかけでイフィーと出会であって

アシスタントを務つとめるようになってからは、一気いっきにエンタメ性せいが高たかまり、おもしろくなってきました。

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イフィーは、人々ひとびとがバーチャルな世界せかいで遊あそぶ時ときに装よそおうアバターのデザイナーで、巨きょ万まんの富とみを築きずいていますが、いたって気きさくで、こだわりのない、心しんの広ひろい人物じんぶつ。（私わたしの中なかでは「ザ・ハッスル」に出でてくるトーマスみたいなイメージ）

朔ついたち也と三好みよしにとっては、あっちの世界せかいに住すむイフィーですが、彼かれには障害しょうがいがあって車椅子くるまいすに乗のっていて、人ひとの手てを借かりなければ生活せいかつできないことにコンプレックスを抱だいているのです。

朔ついたち也、三好みよし、イフィーという３人にんの、微妙びみょうなバランスの上うえに成なり立たつ関係かんけい。私わたしは、朔さく也が大切たいせつな人ひとの幸しあわせを願ねがってとった行動こうどうに、涙なみだが止とまらなくなってしまいました。

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この他ほか、VFである母ははが介護かいご施設しせつでお話はなし相手あいてとして仕事しごとを始はじめるのも衝撃しょうげきでした。人ひとは亡なくなってもなお、だれかの役やくに立たてるというのは、ちょっとした希望きぼうを与あたえてくれました。（亡なくなった後のちのことなんて知しらんこっちゃないといってしまえばそれまでですが）

「クララのお日ひさま」との共通きょうつう点てんもありました。AF、VFは、持もち主ぬしの心しんの穴あなを埋うめてくれる存在そんざいですが、持もち主ぬしがAF、VFなしに暮くらせるようになることが、あるべき到達とうたつ点てんなのだろうと思おもいます。

今年ことし一番いちばんのお勧すすめの小説しょうせつです。（余談よだんですが、昨日きのう 平野ひらの啓一郎けいいちろうさん原作げんさくの「ある男おとこ」の映画えいが化かが発表はっぴょうされましたね。原作げんさくがとてもよかったので、映画えいがも見みてみたいです！）