Amazon Prime Videoで見た3作品です。
トップガン (Top Gun)
「トップガン マーヴェリック」を見る前に、復習のために鑑賞しました。見ているうちに、ああ、そうだった、そうだった、とだんだん思い出しました。^^ 当時は1982年公開の「愛と青春の旅立ち」と、ミリタリー娯楽作品として人気を二分していましたが
愛と青春の旅立ちがシンデレラストーリーだったのに対し、トップガンはヒロインが自立した女性というのが新鮮でした。(とはいえ今見ると、教官の立場を忘れてすぐに生徒と恋に落ちるというモラルのなさが、ちょっと気になりましたが)
戦闘機を使った空中アクションは大迫力。死と隣り合わせのミッションに、恐怖と戦いながら挑戦する若者たちのドラマに胸が熱くなりました。音楽もかっこよかった! エンディングに流れる、チープ・トリックのMighty Wings にしびれました♪
ペイン・アンド・グローリー (Dolor y Gloria / Pain and Glory)
ペドロ・アルモドバル監督の最新作。アントニオ・バンデラスが主人公の映画監督を演じ、子ども時代の母親役をペネロペ・クロスが演じています。どちらもアルモドバル監督作品では欠かせない俳優さんで、監督が思い描く作品の世界を見事に体現していたと思います。
監督の自伝的作品ということもあって、どことなくフェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」や、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」を髣髴とさせる作品でした。子ども時代の甘く切ない思い出が、ノスタルジーたっぷりに描かれています。
私は冒頭のオープニング・クレジットの美しさからもうノックアウトされましたが、赤を基調にした主人公の家のキッチンや、子ども時代をすごした洞窟のような家など、ビジュアルのひとつひとつにアルモドバル監督の美学を感じました。
あることがきっかけで疎遠となった俳優との確執と和解、別れた恋人との思いがけない再会、子ども時代に気づいた同性に対する特別な感情。大きな事件が起こるわけではないけれど、胸がぎゅっとしめつけられて愛おしくなる作品でした。
プロミシング・ヤング・ウーマン (Promising Young Woman)
キャリー・マリガンが好きなので公開時に見たいと思っていたのですが、復讐がテーマとなっているので残酷な、場合によっては猟奇的なシーンがあるかも... と見ることを躊躇していました。でも、こんなことを言ってはなんですが
すごーくおもしろかったです。主人公のキャシーの復讐は「思い知らせる」ためではなく「思い出させる」ためのものだったのですね。人の命を奪っておいて、何食わぬ顔で日の当たる人生を堂々と歩いている張本人。事件を傍観し、助けようともしなかった友人たち。
事件を知ってて知らないふりをしていたクラスメート。事件をなかったことにしようとした大学側。加害者は、一番優秀だったニーナが邪魔だから貶めようと、もっとも卑劣な方法でニーナを傷つけたのです。ニーナの母は、キャシーにニーナのことは忘れて
自分の人生を生きて欲しいと願います。私も過去から逃れられないキャシーが痛々しくて見ているのがつらく、同じ思いで成り行きを見守っていましたが、キャシーはニーナを直接的、間接的に傷つけた人たちをどうしても赦すことができなかった。
他に方法はなかったのか、と思わずにはいられませんでしたが、すかっとするエンディングでした。