あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
今年のお正月は恒例の家族旅行は見送り、元日に都内のホテルに集まって、おいの食事をいただくことになりました。場所はホテルニューオータニにある料亭、千羽鶴<SENBAZURU> さんです。
少し早めに着いたので、お部屋で家族が揃うのを待ちました。この日の東京は、日本晴れと呼ぶのにふさわしいみごとな青空。おひさまが燦々と降り注ぐお部屋は明るく、外気の寒さを忘れるほどでした。室内に設えた坪庭の愛らしさが目に和みました。
テーブルに置かれた小さなアレンジメント。添えられている和紙の折り紙でできた24面体が、個人的にはツボにはまりました。各席にも店名にちなんだ折り鶴が置かれています。
やがて家族が勢揃いし、ノンアルコールのスパークリングワインで乾杯。健やかに新年を迎えられた喜びに感謝しつつ、おいの食事がはじまりました。
(先付)ふぐ南蛮漬け赤酢ゼリー掛け 車海老 花穂
南蛮漬けというので、衣をつけて揚げ、甘酢につけたものと思いましたら、湯引きして薄造りにしたふぐを、赤酢のゼリーで和えたものでした。繊細なふぐが、さっぱりといただける一品でした。
赤地に金の模様の入ったみごとなお椀に気分が華やぎます。
(お椀)松葉蟹真薯と蓮根豆腐 薄葛仕立て 蟹内子 三つ葉 柚子
中を開けますと、松葉蟹をふんだんに使ったふわふわの真薯がなんとも贅沢。葛でとろみをつけたお汁に、体がじんわりと温まりました。
(お造り)炙り羽太薄造り ポン酢 鮪 甘海老 むら芽 寿海苔 山葵
右は羽太 (はた) を使った和風のカルパッチョ。これは家でもまねして作ってみたい。左の鮪と甘海老は甘くてやわらかく、口の中でとろけるようでした。
(焼物)蒸し鮑香味焼 子持ち若布と菜花
蒸し鮑と海藻のグラタン風の一品。焼き茶椀蒸し?のようでもありました。海の幸の旨みを生かした濃厚な一品でした。子持ち若布はこりこりとした食感が楽しめました。
(進肴)黒毛和牛フィレロースト 和風デミグラスソース 旬野菜
少し厚めにカットされたローストビーフが、口の中でとろけるように柔らかい。和風デミグラスソースは主張しすぎないものの、お肉をしっかりと受け止める適度な濃厚さがありました。
器の赤い実の模様が愛らしい。同じ模様のドーム形のふたがついていて、一見北欧食器のような趣がありました。
この後、写真はありませんが
(食事)山椒と天然鯛炊き込みごはん 竹の子と若布のお吸い物 香の物
(水菓子)メロン 苺 メロンジュレ ほうじ茶アイスクリーム
と続きました。
伝統的な和食に洋の要素を取り入れた会席料理は、ほっとする味わいの中にも新鮮な驚きがあり、どれもおいしくて大満足でした。よい一年のスタートとなりました。
食事の後は、ホテルの庭園を散策しました。元日のホテルは、宿泊や食事を楽しまれるご家族でにぎわっていて華やいだ雰囲気。お正月のイベントもいろいろ催されていました。
ホテルニューオータニは1967年公開の「007は二度死ぬ」(You Only Live Twice) の中で、敵の組織スペクターの秘密基地として登場します。東京オリンピック後の高度成長期の日本を舞台にしたこの作品は
「ウルヴァリン SAMURAI」のようなとんでも日本が描かれていますが、つっこみを入れつつ楽しめる作品です。Wikipedia をチェックしたら、脚本を児童文学のロアルド・ダールが手掛けていたと知ってびっくりしました。
メインビルディングのロビーに飾られていた大掛かりな生け花