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Mozi Jiangu : 卷十二 - Chinese Text Project
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まきじゅう

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貴義たかよし

Books referencing 《貴義たかよし Library Resources
1 貴義たかよし:
ぼく曰:「萬事ばんじ莫貴於義。こんいいじん曰:『かんむりくつ,而斷手足てあし為之ためゆき乎?』必不為ふため何故なぜすなわちかんむりくつわか手足てあし也。また曰:『天下でんか而殺為之ためゆき乎?』必不為ふため何故なぜのり天下でんかわか也。おううん:「『何故なぜのり』,ほんさくなにそく』,後人こうじんあやま以『のりぞくため於『なにしもゆえみみなにそくあずかなに同義どうぎへん曰『なにそく,其所どうしか也』。《なおけんへん曰『なにそくみな以明小物こもの而不明大めいだいぶつ也』。《荀子·なだめすわへん曰『なにそくりょうおそ』。しんさく曰『しんこわかん卑辭おもんばか患,而實欺大國たいこく也,此何也』,史記しきはるさるくん傳作でんさくなにそく』,其證。太平たいへい御覽ごらん人事じんじじゅういちろくじゅう資產しさん,引此なみさくなにそく』,ゆえ。」あん:「ゆえ衍文えんぶん御覽ごらんしょ引或ゆう刪節,おうこうはなわそう一言ひとこと相殺そうさい貴義たかよし於其也。貴義たかよし」,うたぐとうさく義貴よしたか」。畢云:「太平たいへい御覽ごらん引作ひきつくり義貴よしたか於身』。」曰,萬事莫貴於義也。」淮南ワイナン·たいぞくくんうん天下てんかだい利也としやそくしょう重也しげや義則よしのりけい」,よしほん此。

2 貴義たかよし:
ぼく魯即ひとしもうていふう東門ひがしもん墠,つてうんそく,就也」。げんよし魯至ひとし。畢云:「きゅうたおせ,以意あらため。」故人こじん畢云:「太平たいへい御覽ごらん引作ひきつくりこれひとしぐう故人こじん』。」いいすみ曰:畢云:「よん太平たいへい御覽ごらん引,さく故人こじん』。」こん天下てんか莫為よし獨自どくじ而為よしわかやめ。」ぼく曰:「こん有人ゆうじん於此,有子ゆうこじゅうにん一人ひとりこうきゅうにんしょのりこうしゃ不可ふか以不えききゅう矣。何故なぜのりしょくしゃ眾,而耕しゃ寡也。おうこうまた刪「ゆえこん天下てんか莫為よし則子のりこ如勸しゃ也,畢云:「太平たいへい御覽ごらん人事じんじろくじゅう資產しさん引,さくむべすすむ』,またさくむべすすむ』。」おううん:「此不かい『如』よし,而以あらため也。如,なおむべ也,げんむべすすむわがため義也よしや。如字,ふるあるくんためよろし何故なぜやめわが?」畢云:「太平たいへい御覽ごらん,『ゆえさく『以』。」ぼくみなみゆう於楚,すわえけんじめぐみおう畢云:「けん史記しきすわえけんじめぐみおう也,蓺文類聚るいじゅう引作ひきつくりめぐみおうまた案文あんぶんせんちゅう引本しょうんぼくけんじしょめぐみおうおう受而讀之,曰良しょ也』,おそれ此間脫文だつぶん。」うん:「けんじめぐみおうそくすわえめぐみおう也。ぶた當時とうじやめゆうりょうおくりな。」詒讓あん:此文だつ佚甚あまり知古ちこなぎさみやきゅうことうんぼくいたり郢,けんじしょめぐみおうおう受而讀之,曰『良書りょうしょ也。寡人雖不とく天下でんか,而樂やしなえ賢人けんじん,請過しんひゃくしゅ,以待官舍かんしゃじん不足ふそく須天すあま下之したの賢君けんくん。』ぼく曰『翟聞賢人けんじんすすむみちくだり受其しょうよし聽不しょ其朝。いましょもちい,請遂行すいこう矣。』はたおう而歸。おう使きよし以老。魯陽ぶんくんごと於王曰『ぼく北方きたがたけん聖人せいじん君王くんのうまた不為ふためれい,毋乃しつ?』乃使ぶんくんついぼく,以書しゃさとふう受而去。」此與文選ぶんせんちゅうしょ引合ひきあえ,必是此篇佚文いつぶんただし不明ふめいちょすみぶんまた刪節なまりますこん敢據ぞうしょけんじめぐみおうまたとめさくめぐみおううたぐしょほんさくけんじしょめぐみおう傳寫でんしゃだっしょ」,そんけんじ」,こうしゃまたさらえき上下じょうげぶん以就みみけんじめぐみおう以老やめうん:「すわえめぐみおう以周けいおうさんじゅうねんりつそつ於考おうきゅうねんはじめみずのとうしおわりかのえとら,凡五じゅうななねんぼくゆうぶたとう其暮ねん以老。」詒讓あんなぎさみやきゅうことちゅううん:「めぐみおう在位ざいいやめじゅうねん矣。」あまりせつうたぐほんぼくきゅうちゅうしかのり此事ざいしゅうこうおうねん,魯悼こうじゅうきゅうねん也。使つかいきよしぼくすみせつきよしきよしだいせついいすみ曰:「げんそくなりぜん矣!畢本「なりあらためまこと」,うん舊作きゅうさくなり』,よりどころ蓺文類聚るいじゅうあらため一本いっぽんどう」。あん:顧校ほんまたさくまこと」。おううん:「ふるある以成ためまことはんあらため。」而君おう天下てんか大王だいおう也,毋乃曰『賤人所為しょい』,而不よう乎?」畢云:「蓺文類聚るいじゅう引作ひきつくりよう』,またふし。」ぼく曰:「ただ其可ぎょうたとえわかやくしか畢云:「蓺文類聚るいじゅう引作ひきつくり『焉』。」くさほん鈔本しょうほん,「ほんさく」,したどううん「『くさほんじょうとうだっいち。」天子てんししょく以順其疾,畢云:「蓺文るい聚引,『じゅんさく『療』。」あに曰『いちくさほん』而不しょく哉?畢云:「蓺文るい聚引,『しょくさくよう』。」こん農夫のうふにゅう其稅於大おだいじんだい人為じんいしゅ醴粢もり畢云:「『しとぎ』,當為とうい『齍』。《せつぶんうんきびきびざいうつわ以祀しゃ』,もりかいどう,俱從さらまたしゅうあや也。前文ぜんぶんみなどう此義。」以祭上帝じょうてい鬼神きじんあに曰『賤人所為しょい』而不とおる哉?雖賤じん也,うえのうしたくすり,曾不わかいちくさほん乎?且主くんまた嘗聞せつ乎?主君しゅくんいいきよし也。《戰國せんごくさく》、《史記しき》,はたせつろくこくくんひとしすわえかんつばめ諸王しょおうみなたたえはたため主君しゅくんさくかくれうん:「れいきょう大夫たいふしょうぬしいまよしみ合從がっしょう諸侯しょこう,褒而美之みゆきしょう曰主くん」。あんひだりでん昭二しょうじじゅうきゅうねんひとし高張たかはり唁魯あきらおおやけしょう主君しゅくんもりちゅううんこう於大おだいおっとしか」,此小司馬しばしょほん魯問へんぼくしょう魯君,また曰主くん。《戰國せんごくさく·はたさく》,らくひつじたいぶんこうさく,魯君たいりょうめぐみおうまた並稱へいしょう主君しゅくんのり戰國せんごく主君しゅくんたたえぶたどおり上下じょうげしょう司馬しばよりどころ春秋しゅんじゅう時制じせいいいただ大夫たいふしょうぬし也。むかししゃはた往見いんれい彭氏之子ゆきこ。彭氏之子ゆきこ半道はんどう而問曰:『きみはたなに?』曰:『はた往見いん。』彭氏之子ゆきこ曰:『いん天下てんか賤人也。なおけん中篇ちゅうへんうん摯,ゆう莘氏おんなわたししんおやため庖人」,曰天下之したの賤人。若君わかぎみよくこれ鈔本しょうほん,「若君わかぎみさくきみわか」。またれい召問焉,かれ受賜矣。』曰:『おんなしょ知也ともや鈔本しょうほん,「おんなさくなんじ」。こんゆうやく此,うん:「『くすりしもとうだっ『於』。」しょくのりみみさとしあきらのりわれ必說而強しょくこんおっといん於我こく也,たとえりょうぜんやく也。而子よく我見がけんいんよくわれぜん也。』いん彭氏之子ゆきこ使つかいかれ苟然,しか可也かなり」。うん:「此下うたぐゆう脫文だつぶん。」詒讓あん:此七字與上文亦不相應,上下じょうげなみゆうだつ佚。

3 貴義たかよし:
ぼく曰:「凡言凡動,於天おに百姓ひゃくしょうしゃ為之ためゆき;凡言凡動,がい於天おに百姓ひゃくしょうしゃしゃ;凡言凡動,ごう於三代聖王堯舜禹湯文武者為之;凡言凡動,ごう於三代暴王桀紂幽厲者舍之。」

4 貴義たかよし:
ぼく曰:「げんあし以遷行者ぎょうじゃつね不足ふそく以遷行者ぎょうじゃ,勿常。不足ふそく以遷ぎょう而常きゅうほんだっ不足ふそくおうよりどころうえおぎなえあずかこうばしらへんあいいましたがえこれとろけこう也。うん:「《こうばしらへんまたゆう此文,じょう『遷』さくふく』,下二しもふた『遷』さく『舉』。」

5 貴義たかよし:
ぼく曰:「必去ろく辟。辟,へき嘿則おもえ畢云:「だまぞくうつししたがえこう。」げんそく誨,どうそくごと使つかいさんしゃだいきゅうほんさく使者ししゃさんだい」,畢云:「此言さんせいためじん,必能そもそもしかしたわか喜怒きどらく悲愛,而有聖人せいじん用心ようじん也。」俞云:「『使者ししゃさんだいとうさく使つかいさんしゃだい』。三者さんしゃそく嘿、げんどうさんこと也。よう也。《荀子·れいろんへんどき舉而だい』,楊注曰『しんよう也』。此云だいあずかかれどうこと更迭こうてつよう此三しゃのり必為聖人せいじん也。いんさんしゃ傳寫でんしゃあやまたおせ,畢遂きょく為之ためゆきせつ,謬矣。」あん:俞說是也これやこんよりどころただし必為聖人せいじん。必去いかたのし悲,あい,而用仁義じんぎ俞云:「『あいしたとうゆうあく傳寫でんしゃだっ喜怒きどらく悲愛あく,其六しゃみなむべこれそくうえぶん所謂いわゆるろく辟也。」手足てあしこうはなみみうたぐだついち從事じゅうじ於義,必為聖人せいじん。」

6 貴義たかよし:
ぼくいいさん曰:「ため不能ふのう,必無はい其道。げん於道不能ふのう出入でいりそう大宗たいそうへんかくちゅううんはいしゃ推移すいいいい也。」たとえわかたくみじん斲而不能ふのうはい其繩。」畢云:「はいなお。」

7 貴義たかよし:
ぼく曰:「君子くんし使つかいためいちいぬいち彘之おさむおさむそくぜんおさむ也,儀禮ぎれい·つばめあや》、《れい·ぶんおう世子せいし》、玉藻たまもきゅうほんだっいちいぬおうよりどころぐんしょよううん:「《魯問へんまたうん竊一けんいち』。」不能ふのうそく使ためいち國之くにゆきしょう不能ふのう而為あにもと哉!」

8 貴義たかよし:
ぼく曰:「こん瞽曰:『鉅者白也はくや俞云:「鉅無はくよしとうさくあに』,あにしゃ,皚之かり。《こうみやびしゃく》『皚,白也はくや』。『皚』しょうさくあに』,またあやまさくきょ』,いんため『鉅』矣。《りょ春秋しゅんじゅう·ゆうはじめらん南方みなかた曰巨ふう』,よし注文ちゅうもんせん引作ひきつくり『凱風』,ぶたまたはぶけ『凱』ためあに』,而誤ためきょ』也,以為しょう。」黔者くろ也。』鈔本しょうほん,「くろさくすみ」,。畢云:「《せつぶんうん『黔,はじむ也。はたいいみんため黔首,いい黑色こくしょく也』。」雖明しゃ以易けん白黑しろくろ使つかい瞽取焉,不能ふのう知也ともや淮南ワイナン·おもじゅつくんうんとい瞽師曰,しろもとなん如?曰縞しか。曰黑なんわか?曰黮しか。援白黑しろくろ而示のりしょ焉」,あずか語意ごいどうわが曰瞽不知ふち白黑しろくろしゃ」,鈔本しょうほんさくのう」,以上いじょうぶんこううたぐとうさく不能ふのう」,今本いまもと及吳ほんなみだついちみみ以其めい也,以其取也。こん天下てんか君子くんしめいじん也,雖禹以易けんじんあずか不仁ふじん,而使天下でんかきみ子取ことり焉,不能ふのう知也ともやわが曰天下之したの君子くんし不知ふち仁者じんしゃ以其めい也,また以其取也。」

9 貴義たかよし:
ぼく曰:「いまもちいわか商人しょうにんもちいいちぬの慎也しんやしゅうあやいずみていちゅううん:「ぬのいずみ也。」其藏曰泉,其行曰布。商人しょうにんよういちぬのぬのしたぬのとうさく」,げんよういち布市ぬのいちぶつ也。敢繼苟而讎焉,つぎ苟」,不可ふかどおりうたぐとうさく「䜁訽」,そく「謑詬」あるからだ也。《せつぶん·げんうん:「詬,謑詬はじ也,あるさく訽,したがえ」,「謑,あるしたがえ奊作䜁」。《すわえ·きゅうおもえうんたがえ群小ぐんしょう兮謑訽」,おうちゅううん「謑訽,恥辱ちじょくあか陋之げん也」。《荀子·じゅうへんうん廉恥れんち而忍謑訽」,楊注うん「謑詬,詈辱也,ほんさく䜁訽」。《漢書かんしょ·賈誼でんうん「頑鈍ほろびはじ,奊詬ほろびぶし」,かおちゅううん「奊詬,いいこころざしぶん也。」《りょ春秋しゅんじゅう·誣徒へんうん草木くさき雞狗鳥獸ちょうじゅう不可ふか譙詬ぐう。譙詬ぐうのりまた譙詬ほうじん」,「譙詬また「䜁詬」なまりぶた謑詬ほんくんはじいん以為はじ詈人かたりまた引申にんこうむ恥辱ちじょくけつまたいい謑詬。此以ぬのため喻,またげん輕易けいいけつ而讎ぶつ也。畢云:「『讎』,そく『售』正文せいぶん。」必擇りょうしゃいまもちいそくしかこれしょよくそく為之ためゆきあつしゃにゅう刑罰けいばつすすきしゃ毀醜,のりもちいわか商人しょうにんもちいいちぬの慎也しんや。」

10 貴義たかよし:
ぼく曰:「君子くんしよく其義なり鈔本しょうほん作治さくじ而助おさむ其身そく慍,これなおよく其牆なり,而人すけちくのり慍也,あにもと哉!」

11 貴義たかよし:
ぼく曰:「いにしえ聖王せいおうよくつたえ其道於後世こうせいゆえしょ竹帛ちくはくちりばめ金石かねいしつてのこ後世こうせい子孫しそんほし後世こうせい子孫しそんほう也。こん聞先おうのこ不為ふためはい先王せんおうつて也。」おううん:「『のこ字義じぎ不可ふかどおり。『のこ當為とういみち』,此涉じょうぶんでんのこ而誤也。うえぶん曰『いにしえ聖王せいおうほっでん其道於後世こうせい』,此文曰『こん聞先おうみち不為ふためはい先王せんおうつて也。』」

12 貴義たかよし:
ぼくみなみゆう使まもるゆう」,鈔本しょうほんさくゆう」。畢云:「きたどうしょしょうさく使つかい於衛』。」せきちゅうしょ甚多,畢云:「せきちゅうなおうん扃中,せき、扃音相近すけちか。」あん:畢說是也これや文選ぶんせんちょう西京にしぎょうはただつ扃」,薛綜ちゅううん「扃,せき也」。ひだりでんせんじゅうねんあな疏引ふくけんうん「扃,橫木よこぎこうあいだ。」ぶた乘車じょうしゃはこあいだ以木ためたけなわちゅう庋物,いい扃,またいいかんぼく於關ちゅうしょ矣。つる唐子からこ而怪こういんいちさきうんつるまたせい。」《風俗ふうぞくどおりうんつる。」《ひだりでん》「ていゆう商人しょうにんつるだか」。曰:「われ夫子ふうしきょうこうなお曰:『おおやけひさし,《りょ春秋しゅんじゅう·こうよしへんさくこうじょうだかちゅううんおおやけじょうすみ弟子でし也」。あんおうせんおっとろん·こころざし氏姓しせいへんまもるおおやけぞくゆうこうじょう。」こういんいちひがしうんまもる大夫たいふゆうこう上玉じょうだま」,なおうえどおりうたぐまたまもるじん。揣曲ちょく而已。』《せつぶん·うん揣,りょう」。こん夫子ふうししょ甚多,なにゆう也?」ぼく曰:「むかししゃしゅうこうだんちょう讀書どくしょひゃくへん畢本しょうん:「ほん多作たさく讀書どくしょひゃくへん』,繹史どう,蓺文るい聚引,しょきたどうしょしょう,凡三引みびきりょう引無,いち引有,しゃ是也これや。」あんみち藏本ぞうほん鈔本しょうほんなみゆうしょこんよりどころ刪。ゆううるしじゅう畢云:「『うるし』,『ななかりおとこんぞくさく『柒』,蓺文類聚るいじゅう引作ひきつくりなな』。」詒讓あんから岱嶽かん五經ごきょう文字もじ石本いしもと,「なななみさくうるし」。しゅうこうだんしょう天子てんし,其脩いたり於今。鈔本しょうほん,「おさむさくおさむ」。翟上くん上之うえのごとしたこうのうなんわれやす敢廢此?畢云:「きたどうしょ鈔引うんそう天下でんかなお如此,きょうわれ無事ぶじなに敢廢乎?』」翟聞:『どうものしんゆうあやましゃ。』えき繫辭うん天下てんかどう而殊ぬり」,あな疏云「げん天下でんか萬事ばんじおわりそくどう於一」。ぶたいい雖同,而言不能ふのうあやましか而民聽不ひとし鈔本しょうほんさくひとし」。畢云:「『ひとしかりおと。」以書也。いまわかこれしんしゃすうぎゃく精微せいびしゅうあやさとていちゅううんぎゃくなおかぎこう也」。どうものすんでやめ其要矣,以不きょう以書也。而子なんかい焉?」畢云:「げん苟得其精微せいびのり無用むよう以書ためきょう。」

13 貴義たかよし:
ぼくいい公良きみよし桓子曰:うん:「公良きみよし桓子,ぶたまもる大夫たいふ。」詒讓あん史記しき孔子こうし弟子でし列傳れつでんゆう公良きみよし儒,ひねじんのりひねまたゆう此姓。まもる小國おぐに也,ところ於齊おさいすすむあいだなおひんしょ於富あいだ也。ひん而學富家ふうか衣食いしょく多用たようのりそくほろび必矣。こん簡子いえこうみやびしゃくげんうん「簡,閱也」。かざりしゃすうひゃくじょう馬食ばしょくまめあわしゃすうひゃくひき婦人ふじんころもぶん繡者すうひゃくにんわれかざりしゃしょくこれあずか繡衣ざい以畜俞云:「『われ』,當為とういわかあやま也。」せんにん有餘ゆうよわかゆう患難,のり使ひゃくにんしょ於前,すうひゃく於後,畢云「『すうひゃくしたとうだっひとしょ。」おううん:「『ひゃくにん』,また當為とういすうひゃくにん』。うえぶん曰『せんにん有餘ゆうよ』,此分ごと,曰『すうひゃくにんしょ於前,すうひゃくにんしょ於後』,いまさくひゃくにん』,のりあずか上下じょうげぶんごう。」あずか婦人ふじんすうひゃくにんしょ前後ぜんこう,孰安?われ以為わか畜士やす也。」

14 貴義たかよし:
ぼくつかまつひと於衛,畢云:「きゅうだっひといち本有ほんゆう。」詒讓あん:《荀子·富國ふこくへん楊注,引作ひきつくりすみ弟子でしつかまつ於衛」,のりうたぐつかまつ於衛」じょうだっ弟子でしところつかまつしゃいたり而反。すみ曰:「何故なぜはん?」たい曰:「あずかわがげん不當ふとう畢云:「後作あとさくしん』。」詒讓あん:荀子ちゅう引,またさくとう」,うたぐしんきん曰『まちおんな以千ぼん。』おんな」,鈔本しょうほんさくなんじ」。「ぼん」,畢本あらためえき」,うん舊作きゅうさくぼん』,あやま『鎰』たださくえき』,あるさく『溢』。《漢書かんしょ·しょく貨志うん黃金おうごん以溢ためめい』,ちゅうはじめかん曰:じゅう兩為りょうだめ溢也』。賈逵國語こくごちゅううんじゅうよんりょう』。」おううん:「いにしえ『鎰』みなさく『溢』,さくえきしゃ。此言せんぼんひゃくぼんみないいあわいい金也きんや。《荀子·富國ふこくへん,『こんなま五穀ごこく也,にん善治よしはるのりうねすうぼん』,楊倞曰『ぶた當時とうじ以盆ためりょう』。引《こうこう》曰『ぼんじつ●』。また引墨曰『まちおんな以千ぼん,授我ひゃくぼん』,のりぼんえきなまり也。富國ふこくへんまたうんふりももなつめ一本いっぽんすう以盆、つづみ』。つづみまたりょうめい。」授我ひゃくぼんぼん」,畢本またあらためえき」,どうこれ也。」ぼく曰:「授子せんぼん則子のりここれ乎?」たい曰:「。」ぼく曰:「しかのりため其不審也しんやため其寡也。」

15 貴義たかよし:
ぼく曰:「世俗せぞく君子くんし義士ぎしわかまけあわしゃこん有人ゆうじん於此,あわいき於路がわよくおこり不能ふのう君子くんしこれちょうしょう賤,必起何故なぜ也?おううん:「『ゆえまた後人こうじんしょ御覽ごらん人事じんじろくじゅう引,ゆえ。」義也よしやこんため義之よしゆきくん畢云:「『これ』,舊作きゅうさく『也』,よりどころ太平たいへい御覽ごらんあらため。」たてまつうけたまわ先王せんおうみち以語たてせつ而行,せつ」,鈔本しょうほんさくえつ」。またしたがえ而非毀之。のり世俗せぞく君子くんし義士ぎし也,わかあわしゃ也。」みち藏本ぞうほん「也」さくこれ」。畢云「一本いっぽんだつ此字。」

16 貴義たかよし:
ぼく曰:「商人しょうにん四方しほう賈信徙,畢云:「當為とういばい徙』,したどう。」あん:畢校是也これや。徙蓰どおり雖有せきはりなん盜賊とうぞく危,必為いますわ而言よし無關むせきはりなん盜賊とうぞく危,此為しん徙,不可ふかかちけいしか不為ふためのりけい畢云:「『のり』,舊作きゅうさくざい』,一本いっぽん如此。」わか商人しょうにん察也。」

17 貴義たかよし:
ぼく北之きたのひとしぐうしゃ史記しきにちしゃでんしゅうかいうん:「古人こじんうらないこう卜筮ぼくぜいつういいにちしゃ。」さくかくれうんめい卜筮ぼくぜい曰日しゃ,以墨所以ゆえん卜筮ぼくぜいうらないこう時日じじつつうめいしゃ也。」畢云:「文選ぶんせんりゅうたかししるべべんいのちろんちゅう引『ぐうさく』。」詒讓あんこううけたまわ事物じぶつきのげん引,またさく」。にちしゃ曰:「みかど以今ころせくろりゅう北方ほっぽう畢云:「ことるい引,『ころせさくほふ』。」先生せんせいいろくろきゅうほん,「せいあやまおう」,こんよりどころくれ鈔本しょうほん、顧校ほんせい不可ふか以北いほく。」淮南ワイナン·要略ようりゃくうんみさおしゃひらけふさがかくゆうりゅう」,もとちゅううん中國ちゅうごく以鬼しんこと曰忌,きたえびす南越なんごしみないい請龍」。あん:此日しゃ以五しょくりゅう定吉さだきちきょううたぐそく所謂いわゆるりゅうもとくん請龍せつしょう所出しょしゅつこわいにしえじゅつ也。畢云「『きた』,ことるいさく『往』。」ぼく聽,とげきたいたり淄水,とげ而反焉。畢云:「きゅうだっいたり淄水とげよりどころ史記しきにちしゃでんしゅうかい及事るいぞう。《史記しきしゅうかいうんぼくとげ而反焉』,また。淄水いま山東さんとうえき都縣とけん西南せいなんかおしん鎮東みなみさんじゅう原山はらやまけい臨淄けん東北とうほくりゅういたり壽光としみつけんきた入海いりうみ。」にちしゃ曰:「わがいい先生せんせい不可ふか以北いほく。」ぼく曰:「みなみひととくきた北之きたのじんとくみなみ,其色ゆうくろしゃゆうしろしゃ何故なぜみなとげ也?且帝以甲おつころせあおりゅう於東おひがしかた,以丙ひのところせあかりゅう於南かた,以庚からしころせ白龍はくりゅう於西かた,以壬みずのところせくろりゅう北方ほっぽう畢本,此下ぞう「以戊おのれころせりゅう於中かた」,うん「此句きゅうだっよりどころ太平たいへい御覽ごらんぞう」。おううん:「畢增也。原文げんぶんほん此句,こんこくほん御覽ごらん鱗介りんかいいちゆうこれしゃ後人こうじん知古ちこ,而妄也。古人こじんいい東西とうざい南北なんぼくため四方しほうしゃ,以其ざいよんつくり也。わか中央ちゅうおうため四方しほうなかのりとくごと中方なかほういち謬也;行者ぎょうじゃこれしょむこう有東うとうゆう西にしゆうみなみゆうきた,而中あずか焉,謬也。鈔本しょうほん御覽ごらん及容ときぞくふでしょ引,みな此句。」あんおうせつ是也これや。此即五龍ごりゅうこれせつおに谷子たにこもりかみほう五龍ごりゅう」,とうひろしけいちゅううん五龍ごりゅうぎょう龍也たつや」。みずけいちゅう,引遁かぶと開山かいさんうん龍見たつみきょう天皇てんのうあと」。さかえちゅううん五龍ごりゅうおさむざいぽうためぎょうしん。」《せつぶん·つちのえうんつちのえ中宮なかみや也,ぞう六甲ろっこう,五龍相拘絞也」,よしなみどうしかのり五龍ごりゅうゆう中宮ちゅうぐうただしにちしゃげんさまたげやく四方しほうみみわかようげんのりきん天下でんか行者ぎょうじゃ也。畢云:「きゅうだってんこれよりどころ太平たいへい御覽ごらんぞう。」かこえこころ而虛天下でんか也,うん:「かこえこころしょう,『かこえ』,あるとうさくたがえ』。」たま搢云:「かこえしんそくたがえしんかこえたがえどおり。」げん不可ふかよう也。」

18 貴義たかよし:
ぼく曰:「此上うたぐゆう脫文だつぶんわれげんあしよう矣,しゃげんかわおもえしゃしゃまたとうゆうわれうんかわさら也。」これなおしゃ而攈あわ也。國語こくご·魯語》「おさむ攟而烝」,韋注うん「攟,じつ也。」一切經音義引賈逵云「攟,じつ也」,攈、攟字どう。畢云:「攟,じつ也。一本いっぽんさく『攗』,。」以其げんわれげんしゃ畢云:「太平たいへい御覽ごらん引,『其』さく』。」これなお以卵投石とうせき也,つき天下でんかたまご,其石なお是也これや不可ふか毀也。」畢云:「太平たいへい御覽ごらんさくいしなお毀也』。」

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1 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「めぐみとううん:「おおやけ孟子もうこそく公明こうめい孔子こうし。」そうしょうおおとりうん:「孟子もうし公明こうめい公明こうめいだか,曾子弟子でしおおやけ孟子もうしあずかぼくといなんみな儒家じゅかげんはじめあずか明通あけどおりおおやけ孟子もうしそく公明こうめい,其人そくだかせいあずかぼく翟同。」詒讓あん:《せんおっとろん·こころざし氏姓しせいへんまもるおおやけぞくゆうこうはじめ。」ひだりでんじょうじゅうねんあな疏謂こうはじめ縶之,以字ため。《せつえん·おさむぶんへんゆうこう孟子もうこ高見こうけん孫子まごこ莫及曾子,此公孟子もうしうたぐそくだかぶたななじゅう弟子でし也。君子くんしどもおのれ以待,うん:「とも,讀如きょう。」詒讓あん:《荀子·おうへんうんのり天子てんしどもおのれ而已」。楊注うんとも,讀為きょうある讀為拱,たれ拱而やめ也」。あん此『きょうおのれ』,とう讀為『拱己』,《儒》へんうんこう拱下是也これやとい焉則ごと不問ふもん焉則どめたとえわか鍾然,扣則扣則。」儒下へんじゅつ儒者じゅしゃげん曰「君子くんしわか鍾,げきのりどるげき」,そく此。畢云:「《せつぶんうん扣,牽馬也』,『𢼒,げき也,讀若扣』,此假おんみみ。」ぼく曰:「げんゆうさんぶつ焉,乃今一身いっしん也,鈔本しょうほん「其」しもゆうゆうおう引之うん:「『字義じぎ不可ふかどおり,『當為とういみみ』,隸書れいしょあるさくみみ』,かん荊州從事じゅうじえん鎮碑,あずかみみ相似そうじみみあやまため』。《かん·兵法ひょうほうへんきょう其耳以號れいすう』,今本いまもとみみあやまため』。所謂いわゆるげんゆうさんものしゃ扣則しゃいち,雖不扣必鳴しゃ,而公孟子もうしただしうん扣則其一而不知其二也。曰『乃今其一みみ』,今本いまもとみみあやまため』,『しもまた衍『也』。」また未知みち所謂いわゆる也。わか大人おとなぎょういん暴於國家こっかしん而諫,のりいい不遜ふそんいん左右さゆう而獻諫,のりいいげん。此君これしょ疑惑ぎわく也。鈔本しょうほん,「ところしもゆう「以」疑惑ぎわくいいごと無益むえき有害ゆうがいのり君子くんし遲疑ちぎ敢發,此明扣而これ一物いちもつわか大人おとな為政いせいはたいん國家こっかなんたとえわかしょうはつ也然,儒篇》うんわかはたゆうだい寇亂,とう賊將ぞくしょうさくわか辟將はつ也」。君子くんし必以諫,したうたぐだついちしか而大じんうん:「此下ゆうだつ簡,しもぶんゆう也,きみとくのり必用ひつよう矣』じゅういちとうざい此。」あんこうはなわわか此者,雖不扣必鳴しゃ也。わか大人おとな舉不義之よしゆきくだり,雖得だいたくみくだり於軍たびことよくおさむ無罪むざいくにゆう也,きみとくのり必用ひつよう矣。以廣辟土ちょぜいにせざい畢云:「『にせ』,うたぐ當為とうい『䞈』。《せつぶんうん此古貨字,讀若貴わかたか』。」うん:「『ゆう以下いかじゅういちとうざいうえぶんしか而大じんあやま錯於此。此文とううんよくおさむ無罪むざいくに,以廣辟土ちょぜいにせざい』。」あん畢校きんただしちょぜいなんどおりうたぐしるとうさくせき」。もう大雅たいがかん奕箋うんせきぜい也」。《節用せつようじょうへんうん「其籍歛厚」。ざいざいどおり。「せきぜい䞈材」,なおうんせき歛貨ざい矣。必見ひっけんはずかしめところおさむしゃ不利ふり,而攻しゃまた不利ふりりょう利也としやわか此者,雖不扣必鳴しゃ也。以上いじょうあきら扣必鳴ぶつ,畢云「已上いじょうさる明知めいち一身いっしん」,しつ且子曰:『君子くんしどもおのれまてもん焉則ごと不問ふもん焉則どめたとえわか鍾然,扣則扣則。』こんゆう扣,而言,いい扣而鳴よこしまいいじょうとうゆうところ所謂いわゆる君子くんしよこしま?」畢云:「已上いじょうさるあきらまた未知みち其所いい。」

2 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「じつため善人ぜんにん,孰不知ふちたとえわかりょうだましょ而不有餘ゆうよ糈。たま」,うたぐ當為とういみこ」。「糈」,きゅうあやませい」。おうこうぶんもろせいみなため「糈」,おもんみ此未ただしいましんこうとうあずかかれどう。《淮南ワイナン·せつやまくんうんみこもちい糈藉」,こうちゅううん「糈,まつかみべい。」たとえわか美女びじょしょ而不にんそうもとめこれくだり而自衒,內則「奔則ためわらわ」,ていちゅううん「奔或ため衒。」《れつおんなでん·べんどおりへんひとし鍾離はる衒嫁售。」畢云:「《せつぶんうん『𧗳,ぎょう且賣也,衒或』。」ひと莫之也。これ」,きゅうほんさく」。畢云:「『』,一本いっぽんさくこれ』。」詒讓あんさくこれ是也これや林作りんさくひと莫之めと」,こんよりどころただし今子いまこへんしたがえじん而說あまね」,きゅうほんさくへん」,畢以あらためあまね」,みち藏本ぞうほんほん鈔本しょうほんせいさくあまね」,おう以「へんためいにしえあまねしょうおさむへんなに其勞也?」ぼく曰:「こんおっとみだれもとめ美女びじょしゃ眾,美女びじょ雖不にんもとめいまもとめぜんしゃ寡,畢云:「げん好德よしのり如好しょく。」つよしせつじんにん莫之知也ともや。且有せい,於此ぜん筮。きゅうほん,「筮」なまりほし」,おうよりどころぶんあらためいち行為こういじん筮者,いちしょ不出ふしゅつしゃ行為こういじん筮者じゅういちきゅうだっおうよりどころ上下じょうげ文義ふみよしあずかしょ不出ふしゅつしゃ,其糈孰多?」「糈」,きゅうほんあやませい」。おううん:「『せい』,當為とうい『糈』あやま也。《そう人閒にんげんへんつづみ筴播せい』,しゃくあやせい』如字,いちおとしょのりとうさく『糈』。『糈』あずかせい』,字形じけい相似そうじ而易なまり也。かく璞注南山なんざんけい曰『糈,さきりょはんこん江東こうとうおんしょ。』《せつぶん》『糈,かて也。げん兩人りょうにんみなぜん筮,而いちぎょういちしょ,其得まい孰多也。《史記しき貨殖かしょくでんうん醫方いほうしょしょく技術ぎじゅつこれにんこげしんごくのう為重ためしげ糈也』,其證」。あんおうこう是也これやこんよりどころただししたどうおおやけ孟子もうこ曰:「行為こういじん筮者其糈。」ぼく曰:「仁義じんぎひとし鈔本しょうほんさくひとし」。くだりせつじんしゃ,其功また何故なぜくだりせつじん也!」

3 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこ戴章はじめ畢云:「『戴』,ほん多作たさくよし』,以意あらため。」あん:顧校ほんせいさく「戴」,《かんむりあやうんあきらはじめいん道也みちや。」ていちゅううんあきら明也あきやいんしつげん表明ひょうめい丈夫じょうぶ也。」《論語ろんご·先進せんしんへんはしあきらはじめ」,しゅうかいていげんうんころもげんはしかんむりあきらはじめ諸侯しょこうあさふく。」《れい·儒行》「魯哀こうとい孔子こうし儒服,たい曰:ぼう長居ながいそうかんむりあきらはじめかんむり。」此公孟子もうこ儒者じゅしゃまた儒服あずか搢忽,畢云:「搢,そくすすむぞくうつしゆるがせそくしゃく古文こぶん尚書しょうしょざいゆるがせ』,またもちい此字。舊作きゅうさく『●』,あやま。」詒讓あん:《儀禮ぎれいすんでゆう》「しゃく」,ていちゅううんこんぶんしゃくさくゆるがせ。」史記しきなつ本紀ほんぎしゅうかい,引鄭康成やすなりちゅう尚書しょうしょさくざい曶」,うん「曶者,しゃく也」,ゆるがせ、曶、しゃくなみどおり。《しゃくめい·しゃく書契しょけいうんしゃくゆるがせ也,きみゆうきょういのち及所けいしろのりしょ其上,備忽忘也。」《荀子·あいこうへんおっとあきらはじめ絇屨,しん而搢しゃく。」儒服,而以ぼく曰:「君子くんしふくしかぎょう乎?其行しかこうふく乎?」ぼく曰:「くだり不在ふざいふく。」おおやけ孟子もうこ曰:「なに以知其然也?」ぼく曰:「むかししゃひとし桓公かんこうだかかんむりひろしたいきむけんたて畢云:「《せつぶんうんたて,瞂也,所以ゆえん扞身,蔽目象形しょうけい』。りく德明のりあきしゅうれい音義おんぎうんしょくまことはんまたおとまこと』。」詒讓あん:此所げんみなあさふくちょうふく有用ゆうようたてしゃ,「たて」,うたぐまた「曶」あやま但木ただき曶非ふくしょ未詳みしょう也。以治其國,其國むかししゃすすむぶんこうだいぬのころも,牂羊裘,「牂」,みち藏本ぞうほんくれ鈔本しょうほんなみしたがえうしあやま韋以帶劍たいけんなみしょう兼愛けんあいちゅうしたへん以治其國,其國むかししゃすわえそうおう鮮冠ぐみえいせつぶん·けいうんくみ,綬屬也,其小しゃ以為かんむりえい」。玉藻たまもうんげんかんむりしゅぐみえい天子てんしかんむり也。げんかんむりぐみえい諸侯しょこうひとしかんむり也」。此朝ふく當為とういかんむりべんふくただしくみえいためつねせい不足ふそくためはな侈,あずか鮮冠絳衣はくほう文例ぶんれい不相應ふそうおううたぐ此「くみ」,當為とうい「𪓐」かり。《荀子·らくろんへんうん亂世らんせいちょう,其服ぐみ鮮。」𪓐,しょう節用せつようへん綘衣はくほう畢云:「太平たいへい御覽ごらん引作ひきつくり『裦衣はく袌』。」おううん:「《あいじゅうよんねんおおやけひつじでん》:『はんたもとぬぐえめん,涕沾ほう。』なにちゅう曰『ほうころもぜんえり也』。『綘』,きゅうほんさく『絳』。」おう引之うん:「『絳』當為とうい『綘』あやま也。綘與ぬいどうあつまりいんぬえあるしょうさく綘』,かん丹陽たんよう太守たいしゅかくいしぶみ:『わたる綘衮こう』,綘,そくぬいしたがえ夆,したがえ●。ぬいころもだいころも也。あるさく『逢』,またさく『摓』。ひろしはん子孫しそん其逢』,うまちゅう曰『逢,だい也』。儒行『ころも逢掖ころも』,ていちゅう曰『逢猶だい也。だいわきころもだいたもとぜんころも也』。《そう·ぬすめへん『摓衣あさたい』,しゃくぶん曰『摓,ほんまたさくぬい』。れつみかどへんしゃくあやむかいしげるちゅう曰「儒服ひろし而長だい』。」《荀子·じゅうへん其冠すすむ,其衣逢』,《儒效》へん『逢衣あさたいかいはて其冠』。楊倞ちゅうなみ曰『逢,だい也』。《れつ·みかどへん曰『おんな逢衣也』。ぬい、綘、逢、摓,而義どう。綘衣あずかはくほうれんぶん,綘、ひろしみなだい也。《淮南ワイナン·ひとしぞくへんさくすそころもひろしほう』,こうちゅう曰『すそ,裦也』。裦亦だい也。《氾論》へんまたうん『裦衣はくたい』。」あんおうせつ是也これやこんよりどころただし。綘衣,そくれいけい侈袂ころもしゅう禮司れいじふくていちゅううんころもたもとみなしゃくすん而屬はば,其袪じゃくすん大夫たいふ以上いじょう侈之,侈之しゃぶたはん而益いち焉。はん而益いちのり其袂さんしゃくさんすん,袪尺はちすん」。ひろしほうそくいい綘衣ぜんえり。《こうみやびしゃくうんほうちょう襦也」。かれつばめきょふく聽治所用しょようあずか此袍也。にんだい椿つばきいい綘衣はくほうそくかんすすむ以後いごあさふく絳紗ほうだいあやま以治其國,其國むかししゃえつおう踐剪かみ文身いれずみ淮南ワイナン·ひとしぞくくんうんえつおう踐,劗髮文身いれずみ南面なんめん而霸天下でんか」,またうん越人えつじん劗鬋」。もとちゅううん「鬋,だん也」。「剪」そく「鬋」ぞくせつえんたてまつ使つかいへんこししょはつ曰:えつ翦髮文身いれずみただれしか成章しげあき,以像龍子りゅうこしゃはた避水しん也」。以治其國,其國。此四くんしゃ,其服不同ふどう,其行なお一也かずや。翟以知行ちぎょう不在ふざいふく也。」おおやけ孟子もうこ曰:「よしわれ聞之曰『宿善しゅくぜんしゃ不祥ふしょう』,畢云:「讀如無宿むしゅくだく。」請舍ゆるがせ畢云:「舊作きゅうさく『●』。」えきあきらはじめふく夫子ふうし乎?」ぼく曰:「請因以相也。わか必將しゃゆるがせえきあきらはじめ「必」,きゅうほんさく」。畢云:「『』,一本いっぽんさく『必』,また。」うん:「『あやま一本いっぽんさく『必』,是也これや,畢注以『ため。」あんせつ是也これやこんよりどころただし而後しょうしか則行のりゆきはてざいふく也。」畢云:「げん其意ざいふく也。」

4 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこ曰:「君子くんし必古げんふくしかこうじん。」孟子もうしつげへん,荅曹交曰「ふく堯之ふく,誦堯げんぎょう堯之ぎょう堯而やめ矣。」おおやけ孟子もうこげんどう於彼。ただし孟子もうしけん重行しげき,而公孟子もうこただ舉言ふくためすみしょおりぼく曰:「むかししゃしょうおう紂,きょうなかため天下でんか暴人,あかりおにへんさくちゅう」,「なか」「なか古今ここんほろため天下でんか聖人せいじん,此同げん而或じん不仁ふじん也。畢云:「げん同時どうじげん,而仁不仁ふじんこと。」しゅうこうだんため天下でんか聖人せいじんせき叔為天下でんか暴人,せき叔即かん叔,しょうこうばしらへん此同ふくあるじんある不仁ふじんしかのり不在ふざいふくあずかげん矣。且子ほうしゅう而未ほうなつ也,畢云:「いいぶしそう節用せつようぞくぼくまなべ于夏。」也。」

5 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「むかししゃ聖王せいおうれつ也,うえきよしたてため天子てんし,其次りつためきょう大夫たいふこん孔子こうしはく於詩、しょ,察於禮樂れいがくしょう於萬ぶつわか使つかい孔子こうしとう聖王せいおうのりあに以孔ため天子てんし哉?」ぼく曰:「おっと知者ちしゃ,必尊てんごとおに愛人あいじん節用せつようごう焉為矣。今子いまこ曰:『孔子こうしはく於詩しょ,察於禮樂れいがくしょう於萬ぶつ』,而曰以為天子てんしすうにん,而以ためとみ。」畢云:「ねん也。」俞云:「すうにんこれねんやすとく以為とみ?畢說也。しゃちぎり也。いにしえしゃこくちく以記すう,其刻しょ如齒,いいえきりん所謂いわゆるひだりちぎりみぎそうあずかごう是也これや。《れつ·せつへんそうじんゆうゆう於道,とくじんのこちぎりしゃかえり而藏みつすう其齒,曰:われとみまち矣』,此正すうにん以為富者ふしゃぶたゆう此喻。」あん:俞說是也これやせつどう

6 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこ曰:「貧富ひんぷことぶき夭,齰然在天ざいてんせつぶん·うん齰,かじ」,此義。畢云:「齰同錯。」不可ふか損益そんえき。」また曰:「君子くんし必學。」ぼく曰:「きょうじんがく而執ゆういのちこれなおいのちじん畢云:「葆,げんつつみ裹其かみ。」而去亓冠也。」「亓」,畢本さく「丌」,うん:「舊作きゅうさくまた』,此字なまり。『丌』そく『其』,以意あらため。」おう引之うん:「いにしえ『其』また有作ゆうさく『亓』しゃたまへん『亓,古文こぶん其』,其證。今本いまもとぼく『其』さくまた』,のり『亓』なまり『丌』なまり也。こう凡『亓』なまりさくまたしゃ此。」あんおうせつ是也これやこんなみよりどころただし

7 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「ゆう不義ふぎさち不祥ふしょう。」」,畢本あらためゆう」,うん舊作きゅうさく』,よりどころぶんあらため」。おううん:「畢改也。おおやけ孟子もうこ,以為ことぶき貧富ひんぷみなゆういのち,而鬼しん不能ふのうため禍福かふく曰『ゆう不義ふぎさち不祥ふしょう』。ぼく非命ひめいせつ,以為鬼神きじんじつつかさ禍福かふく義則よしのりくだこれさち不義ふぎそくくだこれ不祥ふしょう曰有さち不祥ふしょうゆうさち不祥ふしょう,乃墨せつおおやけ孟子もうここれせつとくよりどころかれ以改此也。」顧、せつどうぼく曰:「聖王せいおういにしえした鈔本しょうほんゆうしゃみな以鬼しんため神明しんめい,而為禍福かふく畢云:「而同のう」。ゆうさち不祥ふしょう政治せいじ而國やす也。桀紂以下いかみな以鬼しんため神明しんめい不能ふのうため禍福かふくさち不祥ふしょう以政らん而國危也。先王せんおうこれしょまたゆう曰:戴云:「『また』,うたぐとうさく『亓子』,『亓』,いにしえ『其』,其子そく,《しゅうしょゆうへんいまほろびあなあきらさくちゅうとうなおざい也。」『亓傲也,畢云:「以下いか『亓』きゅうみなさくまた』。」於子,不祥ふしょう。』此言ため不善ふぜんゆうばつため善之よしゆきゆうしょう。」

8 おおやけはじめ:
ぼくいいこう孟子もうこ曰:「れいきみあずか父母ちちははつまこう畢云:「こう嗣子しし也。」さんねん喪服もふくしょうふしそう》、《儒下へん伯父おじ叔父おじ兄弟きょうだいぞくじんがつぞくじんじょうおうこうぞう「戚」せつしょうふしそうへんしゅうと、姊、しゅうとおいみなゆうすうがつある以不あいだ,誦詩さんひゃくしゅうあやだいつかさらくていちゅううん「以聲ぶし曰誦」。つるさんひゃくれいらくちゅううんつるいいきん瑟也。」うたさんひゃくしゅうあや小師こもろちゅううんうたえい也」。まいさんひゃくいいまいじん以節まい。《ひだり·じょうじゅうろくねんでんうんすすむこうあずか諸侯しょこうえん于溫,使つかいしょ大夫たいふまい,曰:うた必類」,まいゆう也。ぼくいいそくまた習樂,あきら其曠廢業はいぎょう也。もうてい風子ふうこえりつてうんいにしえしゃきょう以詩らく,誦之げんまい」,あずか此書よしどうわかようげんのり君子くんしなんにち以聽?庶人なんにち從事じゅうじ?」おおやけ孟子もうこ曰:「くにらんそく治之はるゆき國治くにはるのりため禮樂れいがくきゅうほんだっくにおうよりどころぶん國治くにはるのり從事じゅうじ國富こくふそくため禮樂れいがくおううん:「した國治くにはる』,當為とういくにひん』。あずからんたいとみあずかまずしたいくにらんそく治之はるゆきそくうえぶん所謂いわゆる君子くんし聽治也,くにひんそく從事じゅうじそくうえぶん所謂いわゆる庶人從事じゅうじ也。儒篇曰『庶人だる從事じゅうじそくひん』,曰國ひんそく從事じゅうじ今本いまもとひんさくおさむしゃわたるじょうぶん國治くにはる』而誤。」ぼく曰:「國之くにゆきうん:「此下だっ治之はるゆき也』。」治之はるゆきはいのりこくまたはい國之くにゆき富也とみや從事じゅうじ富也とみや從事じゅうじはいのりこくとみまたはいしたこときゅうほんなまりさく」,こんよりどころどう藏本ぞうほん鈔本しょうほんただし雖治こくすすむ饜,畢云:「なおうんつとむやめ。」しか可也かなり今子いまこ曰:『國治くにはるのりため禮樂れいがくらんそく治之はるゆき』,たとえなおむせ穿井せんせい也,畢云:「《せつぶんうんむせめし窒也』,めし窒則おもえいん。」俞云:「《晏子春秋しゅんじゅう·ざつじょうへんむせ而遽掘』,せつえん雜言ぞうごんへんさくたとえなお渴而穿井せんせい』,渴字較噎ためしょううたぐ此文またとうさく『渴』。いんむせ古作こさく『●』,《漢書かんしょ賈山でん》『しゅくざいまえ』,曰『●,むせ』,是也これやかたちあずか『渴』ほろ『渴』あやまためむせ』。」あん:畢說是也これや而求也。いにしえしゃ三代暴王桀紂幽厲,薾為聲樂せいがく畢云:「《せつぶんうん薾,はなもり』,げんもり也,ある『侈』かり音字おんじ。」顧其みん以身ためけい僇,くにためもどきょしゃ鈔本しょうほんしゃおううん:「『もどきょ當為とういきょもど』。《魯問へん曰『以國ためむなしもどためけい戮也。ちょうさく曰『ひとしためむなしもど』,また曰『社稷しゃしょくためむなしもど先王せんおうしょく』,もどなお厲也。非命ひめいへん曰『くにためきょ厲,ざいけい僇之ちゅう』,むなしもどそくきょ厲也。《しょうみやび·ふし南山なんざんへんくだ此大もど』,《大雅たいが·瞻卬へんもどさく『厲』。小宛おあてへん『翰飛もどてん』,文選ぶんせん西都さいとちゅう引韓,『もどさく『厲』。《孟子もうし·滕文こうへんらくとしつぶまいおおかみもど』,《しおてつろん·つうへん,『おおかみもどさくりょう厲』。《そう人閒にんげんへんくにためきょ厲,ためけい僇』,しゃくあやうん居宅きょたく無人むじん曰虛,而無ため厲』。」みなしたがえ道也みちや。」

9 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこ曰:「鬼神きじん。」また曰:「君子くんし必學祭祀さいし。」畢云:「當為とういれい』。」詒讓あんそくれい吉禮きれぼく曰:「おに而學祭禮さいれいこれなおきゃく而學きゃくれい也,きゃくれいそくれい賓禮ひんれいこれなおさかな而為ぎょ𦊟也。」せつぶん·网部うん「𦊟,网也」。《しかみやび·しゃくうんさかな𦊟,いい罛」。せきじんあな疏引じゅんうんさかな𦊟,さかな也」。

10 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「さんねんため三日之喪亦非也。」畢云:「『さんにち』,當為とういさんがつ』。《韓非子かんぴし·あらわがくうんぼくしゃこれそう也,冬日ふゆびふゆふくなつにち夏服なつふくきりかんさんすん服喪ふくもさんがつ』,こうさそえちゅう淮南ワイナンひとしぞくうんさんがつふくなつきさきれい』,而後漢書かんしょおうでんちゅう引尸うん『禹制さんにち』,また當為とういつき』。」ぼく曰:「さんねんさんにちこれなお倮謂撅者きょう也。」きゅうほん,「倮」さくはて」,いま從道つぐみち藏本ぞうほんあらため鈔本しょうほんまたさくはだか」。畢云:「『はて』,當為とういはだか』。《せつぶんうん袒也』。《たまへんうん『倮,あかたい也』。『撅』,當為とうい』。《せつぶんうん『僵也,いち曰跳也』。」ひろしうん「《れい·內則》『わたる』,ていちゅう『撅,揭衣也』。いい袒衣あずか揭衣,其露たいきょう一也かずや。《晏子春秋しゅんじゅう·外篇がいへんじょう》『われそし晏子,なお訾倮而高撅者也』,其義あずか此同。」俞云:「畢謂『撅』當為とうい』,しつあずかはだかりょう不倫ふりん不當ふとう以為喻,內則『わたる撅』,撅衣雖不きょうしかはだかそくさら甚,曰『なおはていい撅者きょう也』。」

11 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこいいすみ曰:「ゆうけん於人,いい偶有ぐうゆう一事いちじけん他人たにんのりいい乎?」ぼく曰:「ゆう以賢於人,ゆう以」鈔本しょうほんさくまたゆう」。而愚あにいい矣哉?」

12 おおやけはじめ:
おおやけ孟子もうこ曰:「さんねんがくわれ父母ちちはは。」俞云:「『われしもだっ。《かん·海王かいおうへん吾子あご食鹽しょくえんしょうしょうはん』。いん知章ともあきちゅう曰『吾子あごいい小男こおとこ小女こおんな也。」此文,おおやけ孟子もうこ曰『さんねんがく吾子あご父母ちちはは』,したすみ曰『おっと嬰兒えいじどく父母ちちはは而已』,嬰兒えいじそく吾子あご也。」ぼく曰:「おっと嬰兒えいじ畢云:「眾經音義おんぎうんくら頡篇うんおとこ曰兒,おんな曰嬰』。」どく父母ちちはは而已。父母ちちはは不可ふかとく也,しかごう而不どめ,此亓なん也?「亓」,顧校ほんさく「其」。そくいたり也。しかのり儒者じゅしゃあにゆう以賢於嬰兒えいじ哉?」

13 おおやけはじめ:
ぼく曰:「とい於儒しゃうん:「『曰』あやまたおせとうさくとい於儒しゃ曰』。」何故なぜためらく?』曰:『らく以為らく也。』」せつぶん·木部きべうんらくこえはちおとそうめい」,引申ため哀樂あいらくらく,此第二樂字用引申之義。同音どうおんぼく以「しつ以為しつなん。《らくうん曰樂しゃらく也,君子くんしらくとく其道,小人こどもらくとく其欲」,またれいうんらくしゃらく其所なり。」なかつばめきょうんくだり而樂らく也」。《荀子·らくろんへんまたうんらくしゃらく」。此即すみしょ㡿儒しゃせつぼく曰:「わがおう也。いまわがとい曰:『何故なぜためしつ?』曰:『ふゆ避寒ひかん焉,なつ避暑ひしょ焉,しつ以為男女だんじょべつ也。』俞云:「避寒ひかん避暑ひしょため男女だんじょべつさんみな以室ごと不當ふとう男女だんじょべつどくちょしつ,『しつ』乃『且』あやま古書こしょ『且』あるあやまためむべ』。《·かりらくへんしゃくぶん曰『且君且王,一本いっぽん且並さくむべ』,是也これや。『且』あやまためむべ』,いんあやまためしつ』矣。」あん:「しつとうさくみや」,《へんうんみや牆之だかそく以別男女だんじょれい。」《節用せつようじょうへんうんみや牆足以為男女だんじょべつ」,みな避寒ひかんあつがいふん別言べつげん。此亦とうどう。俞說まこと則子のりこつげわがためしつ矣。いまわがとい曰:『何故なぜためらく?』曰:『らく以為らく也。』畢云:「きゅうだっためよりどころじょうぶんぞう。」これなお曰『何故なぜためしつ』?曰『しつ以為しつ也』。」

14 おおやけはじめ:
ぼくいいほど曰:「うん:「ほどそくほどしげる也。さんべんへん。」儒之どうあし以喪天下でんかしゃよんせい焉。儒以天為てんい不明ふめい畢云:「きゅうだってんよりどころぶんぞう。」以鬼ためかみてんおにせつ,此足以喪天下でんかまたあつそうひさじゅうためかん槨,ためころもふすまおくわか徙,さんねん哭泣,扶後おこりつえぎょうなみしょうぶしそうへんみみ聞,,此足以喪天下でんかまた弦歌げんか鼓舞こぶ畢本,「つづみさく「鼔」,うん「此『鼔』したがえ攴,あずかかねつづみことかれしたがえ𠬢。」あん:畢校也,しょう兼愛けんあいちゅうへん習為聲樂せいがく,此足以喪天下でんかまた以命ためゆう貧富ひんぷことぶき夭,治亂ちらん安危あんきゆうごく矣,ゆうきょくなおげんゆうつねしょう儒下へん不可ふか損益そんえき也,ためうえしゃぎょう,必不聽治矣;「必不」きゅうたおせこんよりどころくれ鈔本しょうほんおつあずかしもぶんあいためしゃぎょう,必不從事じゅうじ矣,此足以喪天下でんか。」ほど曰:「甚矣!先生せんせい毀儒也。」ぼく曰:「儒固此若よんせいしゃ,而我ごとわかきゅうほんさくかく」。おううん:「『此各』,當為とうい『此若』,わかまた此也。げん儒無此四せい也。したぶん曰『こん固有こゆう此四せいしゃ』,其證。今本いまもと『此若』さく『此各』,のり文義ふみよし不順ふじゅんぼくしょいい此為此若,せつ魯問へん。」あんおうせつ是也これやこんよりどころただしのり毀也。こん固有こゆう此四せいしゃ,而我ごとのり毀也,つげ聞也。」畢云:「げんつげしょ聞」。ほど而出。すみ曰:「迷之!」迷之,不可ふかどおりうたぐ「迷」當為とういかえあやまいいすみ𧦝ほどれいかえ也。はんすわ畢讀「たんため,「またためうんげん惑於此說しゃ,請反,而後とめ」。おううん:「畢說也。『當為とういふく』,『ふく』『相似そうじしょでんちゅうふくなまりさく』。『たんためいち,『ふくすわためいちいいほどはん而復すわ也。今本いまもとふくさく』,のり不可ふかどおり。」すすむふく曰:おううん:「ふく,如孟ゆうふく於王しゃ曰之ふくいいほどしん而復於墨也。」さとしゃ先生せんせいげん有可ゆか聞者焉,「せい」,きゅうほんなまりおう」,こんよりどころくれ鈔本しょうほんただししたどう。畢云:「『聞』當為とういあいだ』。」あん:畢校是也これや孟子もうこうんせい不足ふそくあずかあいだ也』,ちょうちゅううんあいだ也」。わか先生せんせいげんのりほまれ禹,毀桀紂也。」此因すみげん毀儒,而遂なんげんじん不能ふのう毀譽きよ也。ぼく曰:「しかおっとおう孰辭,しょう而為孰辭,習孰やめなおうんつね。「」,鈔本しょうほんさくよし」。あん:「しょうじょうとうゆうおう孰辭しょう而為いいおう習孰やめのりしんこうむくい荅,まちしょう而後たいしたうん敏也としや。此明ぜんうん毀儒,毀桀紂之いい不可ふか以習孰應たいこれ以相なん。畢云「孰」當為とうい」,またつう敏也としやあつおさむそくあつわれうすきおさむのりうすわれおう引之うん:「『われ』,讀為れつ禦寇『禦』。『禦』いにしえどおりさくわれ』。ちょうさく曰『おう戰國せんごくまもりわれ,其將なん以當乎』?其證。」あんおうこう是也これや。「われ當為とうい「圄」はぶけ,《せつぶん·くちうん「圄,守也もりや」。おう孰辭而稱これなおながえ而擊也。」此即さるおう孰辭必稱恉。畢云「どう螘」。

15 おおやけはじめ:
ぼくあずかほどべんしょう於孔畢云「しょうじゅつ孔子こうし。」ほど曰:「儒,何故なぜたたえ於孔也?」ぼく曰:「またとう不可ふか易者えきしゃ也。俞云:「『また』,當為とうい『亓』,古文こぶん『其』也。げんしょしょう於孔しゃ其當而不可ふか易者えきしゃ也。其字,そく以孔げんほんへん『其』あやまためまた』,畢氏やめ訂正ていせい,而未及此。」こんとり聞熱ひでりすなわちだかさかな聞熱ひでりすなわちとう此雖禹湯為之ためゆきはかりごと,必不能ふのうえき矣。とりぎょいい矣,禹湯なおうんいん焉。おううん:「うんなおある也。げんとりぎょ雖愚,禹湯なおあるいん也。いにしえしゃうんあずかある同義どうぎ。」こん翟曾しょう於孔乎?」畢云:「げん孔子こうしげんゆう不能ふのう易者えきしゃ。此下きゅうゆうゆうゆう於子すみもんしゃいいすみ曰:先王せんおう以鬼ため神明しんめい知能ちのうためじん哉』じゅうななこんよりどころ一本いっぽんうつり。」

16 おおやけはじめ:
ゆうゆう於子すみもんしゃ身體しんたいきょうりょうりょう」,鈔本しょうほんさくはり」。魯問へんまたうんきょうはりしか不同ふどう思慮しりょ徇通,史記しきみかど本紀ほんぎ》「みかどよう而徇ひとし」,しゅうかいじょひろ曰:ぼく曰『としじゅう五則聰明心慮無不徇通矣』。裴駰あん:徇疾也。」さくかくれうん:「徇齊,《いえ》及《だい戴禮》,なみさくあきらひとし』,一本いっぽんさくとしひとし』。『あきら』『としみな智也ともや。」史記しききゅうほんまた有作ゆうさく『濬齊』,ぶた假借かしゃく『徇』ため『濬』。濬,ふか也,またなみどおり。」あんじょ引墨こん此文,ぶたざい佚篇ちゅう。《せつぶん·ひとうん侚,やまし」,「徇」そく「侚」なまり。《そうきたゆうへんうん思慮しりょまことたち」,またまこと為之ためゆきよく使ずい而學。すみ曰:「しゅうとがく乎,われはたつかまつ。」すすむ善言ぜんげん而學。其年,りん引作ひきつくりねん」。畢云:「どうねん』。」詒讓あん:此書『ねん多作たさく『其』,しょうぶしそうへん而責つかまつ於子すみすみ畢云:「きゅうだっ,以意ぞう。」曰:「つかまつまた聞夫魯語乎?鈔本しょうほんおっと。「かたり」,りん引作ひきつくりひと」。魯有こんおとうとにんしゃ,亓父畢云:「『亓』,舊作きゅうさくまた』,したどう一本いっぽん俱作『其』。」詒讓あんはやしただしさく「其」,しもなみどう長子ちょうし嗜酒而不そう,亓四おとうと曰:『あずかそう畢云:「『あずか』,舊作きゅうさく』,一本いっぽん如此。」當為とうい沽酒。』すすむ善言ぜんげん而葬。やめそう,而責しゅ於其よんおとうと鈔本しょうほん「其」よんおとうと曰:『われまつしゅ矣,まつ」,みち藏本ぞうほん鈔本しょうほんなみさくひつじ」。そうちちそうわれちちあにどくわれちち哉?そうのりじんはた笑子えみこすすむそう也。』今子いまこためよしわがまたためよしあにどくわが也哉?不學ふがくのりじんはた笑子えみこすすむ於學。」

17 おおやけはじめ:
ゆうゆう於子すみもんしゃすみ曰:「盍學乎?」たい曰:「われぞくじん無學むがくしゃ。」ぼく曰:「しかおっと好美よしみしゃあに曰吾ぞくじん莫之このみこう哉?おっとほし富貴ふうきしゃあに曰我ぞくじん莫之よく畢云:「已上いじょうはちきゅうだっよりどころ一本いっぽんぞう。」よく哉?畢云:「太平たいへい御覽ごらん引云『ぼくいい門人もんじん曰:「なんじなん不學ふがく?」たい曰:「われぞく無學むがくしゃ。」ぼく曰:「しかあにゆう好美よしみしゃ,而曰われぞく此,よくよこしま富貴ふうきしゃ,而曰われぞく此,不用ふよう也?」』あずか此微こと。」好美よしみよく富貴ふきしゃじんなおつよため畢云:「此下きゅうせっためぜんしゃ富之とみゆき云云うんぬんひゃくろくじゅうよんこんよりどころ文義ふみよしうつり一本いっぽん此下またせっおっとよし天下てんか大器たいき也』。」おっとよし天下てんか大器たいき也,なに以視じん必強為之ためゆき?」畢云:「『必』,當為とうい』。已上いじょうじゅうろくきゅうだつざいのりぬすめなん遽無したがえしたこんよりどころ一本いっぽんうつりせい。」うん:「此勉これ,『必』あやま。」あんせつのりとう讀「なに以視じんだんしもうん「必強為之ためゆき」,乃勉其為よしせめ不為ふため也。こうりんやく引此ぶんさくつよし自力じりき矣」,のりうまそうしょ讀,やめ如是にょぜしかこん以語こう,竊疑「必」とうざいじんじょう,仍為詰責きっせきやめあずかうわぶんじん云云うんぬん文例ぶんれいせい相對そうたい也。

18 おおやけはじめ:
ゆうゆう於子すみもんしゃいいすみ曰:「先生せんせい以鬼しんため明知めいち先生せんせい」,きゅうほんなまり先王せんおう」,こんよりどころどう藏本ぞうほん鈔本しょうほんただしまたきゅうほんかみためいたうたておうこうおつただし鈔本しょうほんいたのうためじん哉福?畢云:「『ひと哉』已上いじょうじゅうななきゅうざいこん翟曾しょう於孔乎』したこんよりどころ一本いっぽんざい此,一本いっぽんまた知能ちのうためじん哉』ろく。」あん鈔本しょうほんまた知能ちのう以下いかろくまた畢本だっぶくかく本並もとなみゆういまぞうおううん:「此當以『のうため禍福かふくれん讀,不當ふとうゆうひと哉』したぶん曰『先生せんせい以鬼しんためあきらのうため禍福かふくためぜんしゃしょうため不善ふぜんしゃばつ』,其證。今本いまもと禍福かふくあいだ衍『ひと哉』のり不可ふかどおり。」あんおうせつかたこれただしうたぐとうさくのうためじん禍福かふく哉」,「ひと哉」こわ衍文えんぶん敢肊じょうしゅうと仍舊ほんためぜんしゃ富之とみゆきおううん:「とみあずかぶくどう。」ため暴者きゅうほんだっためおうこんわれごと先生せんせいひさ矣,而福いたりしゃ先生せんせいげんゆう不善ふぜん乎?おう引之うん:「しゃうたぐ。《こうみやび》曰『うたぐ也』。」鬼神きじん不明ふめい乎?わが何故なぜとくぶく也?」ぼく曰:「雖子とくぶくわれげんなん不善ふぜん?而鬼しんなん不明ふめいおううん:「遽,またなに也。連言れんげんなん遽者,古人こじんゆうふくみみ。《漢書かんしょりく賈傳》『使つかいわが居中きょちゅうこくなに遽不わかかん』。」また聞乎匿徒けいゆうけい乎?」俞云「『これけい衍文えんぶん,『また聞乎匿徒ゆうけい乎』,いい胥徒,きゅう徭役しゃ,匿徒,いい避役。」せつどうあん:此疑とうさく「匿刑徒之かちのゆうけい乎」,衍一「これ,「けいまたあやまいたみみぶたそくひだりでんあきらななねん所謂いわゆるぼくほうあな疏引ふくけんうんため隱匿いんとくほろびじんほう」,是也これやたい曰:「これとく聞也。」畢云:「『これとくきゅうたおせ,以意うつり。」ぼく曰:「こん有人ゆうじん於此,什子,げん其賢じゅうばいしもうんひゃくどうのう什譽,而一ほまれ乎?」たい曰:「不能ふのう。」「有人ゆうじん於此,ひゃくのう終身しゅうしんほまれ亓善,而子いち乎?」たい曰:「不能ふのう。」ぼく曰:「匿いちにんしゃなお有罪ゆうざい今子いまこしょ匿者わか此亓はたゆうあつざいしゃ也,なにぶくもとめ?」

19 おおやけはじめ:
ぼくゆうやまし,跌鼻しん而問曰:といした鈔本しょうほんゆう「焉」先生せんせい以鬼しんためあきらのうため禍福かふくためぜんしゃしょうきゅうほんだっためおうこうため不善ふぜんしゃばつこん先生せんせい聖人せいじん也,何故なぜゆうやまししゃ先生せんせいげんゆう不善ふぜん乎?鬼神きじん明知めいち乎?」ぼく曰:「雖使わがゆうびょうなに不明ふめいなにじょううたぐだっ鬼神きじんひと所得しょとく於病しゃおおかたゆうとくさむあつゆうとく勞苦ろうく,百門而閉一門焉,のりぬすめなん遽無したがえいれ?」おううん:「きゅうほんだっ『閉』いれこんよりどころ魯問へん及太ひらた御覽ごらん疾病しっぺいいち引補。」あんおうこう是也これや。《淮南ワイナン·人閒にんげんくんうんむろゆうひゃく閉其いちとうなん遽無したがえいれそくほん此文。畢云:「きゅうゆうおっとよし天下てんか大器たいき也』云云うんぬんじゅうろくよりどころ一本いっぽんうつりまえ。」

20 おおやけはじめ:
三子有復於子墨子學射者,すみ曰:「不可ふかおっと知者ちしゃ必量亓力しょのういたり鈔本しょうほんさくおっと智者ちしゃまた必量りょくしょのういたり」。從事じゅうじ焉,國士こくしせん且扶じんなお不可ふか及也。畢云「及猶けん」。今子いまこ國士こくし也,あに能成よしなりがくまたなりしゃ哉?」

21 おおやけはじめ:
三子復於子墨子曰:「つげ曰:『げん而行甚惡。』顧云:「『曰』,當為とうい』」。うん:「つげ曰之『曰』,とうさく』,あるためくちなまりしたすみげんつげくちげん而身くだり其證也。しか此告あずかぼく同時どうじあずか孟子もうことい荅者,とう另為いちにん。」あん:「曰」あやま,此文とうさくつげ曰『ぼくげん而行甚惡。』」ぶたつげ嘗以此言毀墨,而三子為墨子述之,したぶんすみうんたたえわがげん以毀わがくだり」,またうんつげ毀猶いよいよほろび也」。今本いまもとつげ曰」しただつぼくとげわか三子㡿告子行惡,あずかしもうん毀,みな不相應ふそうおう矣。顧、せつなみ憭。またあん孟子もうこつげへんちょうちゅううんつげせい也,男子だんし通稱つうしょう也,めいがい兼治けんじ儒墨道者どうしゃ,嘗學於孟。」ちょううたぐまたかくれよりどころ此書,以此つげあずかかれためいちにんおうおう麟、ひろし頤烜,せつなみどうしか年代ねんだいこうとう以蘇せつため請棄。」ぼく曰:「不可ふかたたえわがげん以毀ぎょういよいよ於亡。ほろびどう有人ゆうじん於此,翟甚不仁ふじんけいせつうんひとしあい也」,げんあずか翟甚相愛そうあい也。なかつばめきょうんしょくきょうれい所以ゆえんじん賓客ひんきゃく也」。みことてんことおに愛人あいじん,甚不仁ふじんなおいよいよ於亡也。こんつげげんだん甚辯,げん仁義じんぎ而不われ毀,上下じょうげぶんりょうげん毀,のり此不とううんわれ毀」,「とう衍文えんぶんつげ毀,畢云「たおせこんうつり」。なおいよいよほろび也。」

22 おおやけはじめ:
三子復於子墨子曰:「つげかちためじん。」畢云:「文選ぶんせんちゅう引,ため。」うん:「『かちためじんしゃげんじんのうしょう其任也,ある以勝ためつげめい未知みちしかいな?」あん文選ぶんせんひねあなあきらため曹洪あずかぶんみかどしょうん有子ゆうこかち斐然こころざし」,ちゅう引此ぶんしゃくのりたかしけん以勝ためつげ引或せつほん於彼。閻若璩四しょしゃくまたぞく引或せついいつげめいがいしょう並無ならびなはなわしょううたぐ不足ふそくよりどころぼく曰:「必然ひつぜん也!つげためひとしたとえなお跂以ためちょう畢云:「『跂』,舊作きゅうさくちんば』,よりどころ文選ぶんせんちゅうあらため。此『くわだてかりおと,《しかみやびうん其踵くわだて」,りく德明のりあき音義おんぎうん豉反,ほんあるさく跂」。《せつぶんうん:「くわだて,舉踵也」,「跂,あしゆび」,ことかくれ以為ひろ畢云「『かくれ』,文選ぶんせんちゅう引作ひきつくり『偃』。『かくれ』『偃』おと相近すけちかまたつうげんくわだてあし以為ちょうおおせ以為ひろ。偃,なおおおせ。」不可ふか久也ひさや。」

23 おおやけはじめ:
つげいいすみ曰:「わが治國ちこく為政いせい。」したうたぐとうゆうのうしたすみなん曰:「あくのう國政こくせい。」ぼく曰:「せいしゃくちげん必行今子いまこくちごと,而身くだりらん也。不能ふのう治子はるこあくのう國政こくせいしゅうとほろび畢云:「げんしゅうとわか此。」詒讓あんしゅうとほろびまた備梯へんらん矣!」鈔本しょうほん。畢云:「一本いっぽんさくしゅうとぼうらん矣』,。」

URN: ctp:mozi-jiangu/juan-shi-er