社会 しゃかい (しゃかい、旧 きゅう 字体 じたい :社 しゃ 󠄁會 かい 、英 えい : Society )は、ある共通 きょうつう 項 こう によってくくられ、他 た から区別 くべつ される人々 ひとびと の集 あつ まり 。また、仲間 なかま 意識 いしき をもって、みずからを他 た と区別 くべつ する人々 ひとびと の集 あつ まり。社会 しゃかい の範囲 はんい は非常 ひじょう に幅広 はばひろ く、単一 たんいつ の組織 そしき や結社 けっしゃ などの部分 ぶぶん 社会 しゃかい から国民 こくみん を包括 ほうかつ する全体 ぜんたい 社会 しゃかい まで様々 さまざま である。社会 しゃかい は広範 こうはん かつ複雑 ふくざつ な現象 げんしょう であるが、継続 けいぞく 的 てき な意思 いし 疎通 そつう と相互 そうご 行為 こうい が行 おこな われ、かつそれらがある程度 ていど の度合 どあ いで秩序 ちつじょ 化 か (この現象 げんしょう を社会 しゃかい 統制 とうせい と呼 よ ぶ)、組織 そしき 化 か された、ある一定 いってい の人間 にんげん の集合 しゅうごう があれば、それは社会 しゃかい であると考 かんが えることができる[1] 。社会 しゃかい を構成 こうせい する人口 じんこう の規模 きぼ に注目 ちゅうもく した場合 ばあい には国際 こくさい 社会 しゃかい や国民 こくみん 国家 こっか を想定 そうてい する全体 ぜんたい 社会 しゃかい や都市 とし や組織 そしき などの部分 ぶぶん 社会 しゃかい に区分 くぶん できる。さらに意思 いし 疎通 そつう や相互 そうご 作用 さよう 、秩序 ちつじょ 性 せい や限定 げんてい 性 せい という社会 しゃかい の条件 じょうけん に欠落 けつらく があれば全 すべ てを満 み たす社会 しゃかい と区別 くべつ して準 じゅん 社会 しゃかい と呼 よ ぶことができる。
社会 しゃかい は人口 じんこう 集団 しゅうだん ・都市 とし 形態 けいたい ・経済 けいざい 発展 はってん ・政治 せいじ 体制 たいせい ・宗教 しゅうきょう などによって多様 たよう 性 せい を観察 かんさつ することが可能 かのう であり、時代 じだい や地域 ちいき によってさまざまな社会 しゃかい の形態 けいたい を見 み ることができる。
「社会 しゃかい 」という訳語 やくご ができるまで
編集 へんしゅう
社会 しゃかい の起源 きげん は人間 にんげん の本性 ほんしょう に求 もと めることができる。動物 どうぶつ には、アリやハチ・イヌ・サルのように群 ぐん を作 つく り集団 しゅうだん 行動 こうどう を好 この む社会 しゃかい 性 せい を持 も つ動物 どうぶつ と、ネコのように単独 たんどく 行動 こうどう を好 この む動物 どうぶつ がある。人間 にんげん は古来 こらい より他 た の多 おお くの動物 どうぶつ と同様 どうよう に群 ぐん という小 ちい さな社会 しゃかい を形成 けいせい し、食料 しょくりょう を得 え るため、外敵 がいてき から身 み を守 まも るため、その他 た 生存 せいぞん するための必要 ひつよう を満 み たすための社会 しゃかい であったと推定 すいてい される。現在 げんざい でも基礎 きそ 集団 しゅうだん である部族 ぶぞく や家族 かぞく は存在 そんざい しており、村落 そんらく や都市 とし の構成 こうせい 要素 ようそ となっている。また言語 げんご ・宗教 しゅうきょう ・文化 ぶんか などを共有 きょうゆう する人口 じんこう 規模 きぼ が小 ちい さな社会 しゃかい では意思 いし 疎通 そつう が密接 みっせつ であり、自然 しぜん 発生 はっせい 的 てき なコミュニティ が成立 せいりつ する。ロバート・モリソン・マッキーバー はこれを共同 きょうどう 関心 かんしん の複 ふく 合体 がったい とし、一定 いってい の地域 ちいき で共同 きょうどう 生活 せいかつ するものと定義 ていぎ している。
しかし原始 げんし 的 てき で素朴 そぼく な社会 しゃかい は近代 きんだい において都市 とし 化 か を始 はじ めることとなる。都市 とし 化 か とは人口 じんこう の増大 ぞうだい と流動 りゅうどう 化 か ・経済 けいざい の工業 こうぎょう 化 か などにより、異質 いしつ な人口 じんこう が特定 とくてい の箇所 かしょ に集中 しゅうちゅう することによって生 しょう じるものである。この都市 とし 化 か はい換 いか えれば社会 しゃかい の近代 きんだい 化 か でもあった。都市 とし に居住 きょじゅう する住民 じゅうみん はスラムや公害 こうがい などの都市 とし 問題 もんだい に直面 ちょくめん することとなり、政府 せいふ は社会 しゃかい 状況 じょうきょう を改善 かいぜん するための政策 せいさく に乗 の り出 だ し始 はじ める。また都市 とし では非常 ひじょう に大 だい 規模 きぼ な人口 じんこう 集団 しゅうだん が居住 きょじゅう しているために従来 じゅうらい の社会 しゃかい の性質 せいしつ とは異 こと なる都市 とし 社会 しゃかい が成立 せいりつ した。
偏差 へんさ 値 ち 競争 きょうそう の高 たか まった高度 こうど 経済 けいざい 成長 せいちょう 期 き から今日 きょう まで出身 しゅっしん や学歴 がくれき の高 たか さに応 おう じ賃金 ちんぎん や処遇 しょぐう ・昇進 しょうしん 等 とう の優劣 ゆうれつ が決 き まる状況 じょうきょう を学歴 がくれき 社会 しゃかい などと表 あらわ されたり、いわゆる肩書 かたが き が極度 きょくど に社会 しゃかい 生活 せいかつ における成否 せいひ を左右 さゆう する状況 じょうきょう を肩書 かたが き社会 しゃかい といわれたりする。近年 きんねん では、65歳 さい 以上 いじょう の人口 じんこう が若年 じゃくねん 層 そう よりも上回 うわまわ る高齢 こうれい 化 か 社会 しゃかい 、またそれが加速 かそく した状況 じょうきょう を高齢 こうれい 社会 しゃかい ・超 ちょう 高齢 こうれい 社会 しゃかい というのをはじめ、多様 たよう な危機 きき を抱 かか えている社会 しゃかい をマルチハザード 社会 しゃかい 、ITなど情報 じょうほう 通信 つうしん 技術 ぎじゅつ を基本 きほん に社会 しゃかい が動 うご く状況 じょうきょう を情報 じょうほう 化 か 社会 しゃかい と称 しょう することがある。
社会 しゃかい 化 か とは個人 こじん が他人 たにん との相互 そうご 的 てき な関与 かんよ によって、所属 しょぞく する社会 しゃかい の価値 かち や規範 きはん を内面 ないめん 化 か するようにパーソナリティを形成 けいせい する過程 かてい である。社会 しゃかい 化 か はどのような社会 しゃかい 集団 しゅうだん にその個人 こじん が所属 しょぞく しているかによってその内容 ないよう は異 こと なる。社会 しゃかい 化 か は教育 きょういく と密接 みっせつ な関係 かんけい がある。児童 じどう が基礎 きそ 教育 きょういく において行 おこな うものだけでなく、大人 おとな であっても所属 しょぞく 集団 しゅうだん において一般 いっぱん 的 てき に行 おこな われている。
社会 しゃかい の根本 こんぽん 的 てき な要素 ようそ である人間 にんげん の本性 ほんしょう については心理 しんり 学 がく ・精神 せいしん 分析 ぶんせき 学 がく ・社会 しゃかい 哲学 てつがく などにおいてさまざまな議論 ぎろん が行 おこな われている。人間 にんげん の社会 しゃかい 的 てき な自我 じが については深層 しんそう 心理 しんり 学 がく のフロイト が意識 いしき ・前 ぜん 意識 いしき ・無意識 むいしき に構造 こうぞう 化 か し、その中 なか において無意識 むいしき にあるイド 、イドから発生 はっせい する自我 じが 、自我 じが を監視 かんし する超 ちょう 自我 じが があるとした。そして自我 じが はパーソナリティ を構築 こうちく し、人間 にんげん に一貫 いっかん 性 せい を持 も った価値 かち 観 かん や態度 たいど を一定 いってい の行動 こうどう パターンとして外部 がいぶ に示 しめ す。自我 じが の発生 はっせい についてはジョージ・ハーバート・ミード は自我 じが が社会 しゃかい の相互 そうご 作用 さよう において発生 はっせい すると論 ろん じており、自我 じが を手 て に入 い れるためには他者 たしゃ の態度 たいど を採用 さいよう し、それに反作用 はんさよう できる役割 やくわり を取得 しゅとく することが必要 ひつよう であると述 の べる。例 たと えば児童 じどう はごっこ遊 あそ びでは他者 たしゃ の役割 やくわり を模倣 もほう することによって他者 たしゃ の態度 たいど を知 し り、ゲーム の中 なか で集団 しゅうだん で共有 きょうゆう する目標 もくひょう に対 たい して自己 じこ の役割 やくわり を取得 しゅとく することで社会 しゃかい 的 てき な自我 じが を成長 せいちょう させている。
社会 しゃかい は構成 こうせい 員 いん 相互 そうご の協力 きょうりょく によって営 いとな まれている。円滑 えんかつ に社会 しゃかい を営 いとな むために人間 にんげん にはそれぞれ役割 やくわり が与 あた えられなければならない。各々 おのおの がそれぞれの役割 やくわり を果 は たすことによって、社会 しゃかい がその機能 きのう を果 は たすことが可能 かのう となる。たとえ、自給自足 じきゅうじそく の生活 せいかつ を実践 じっせん している人 ひと であっても生活 せいかつ の場 ば の安全 あんぜん は、社会 しゃかい の理解 りかい によって保護 ほご されていると考 かんが えることができる。
そして、役割 やくわり を果 は たし生活 せいかつ するために人間 にんげん は社会 しゃかい に対 たい し様々 さまざま な形態 けいたい で参加 さんか する。則 のり ち、生活 せいかつ に密接 みっせつ した労働 ろうどう ・生産 せいさん ・再生 さいせい ・消費 しょうひ ・利用 りよう ・処分 しょぶん ・廃棄 はいき の行為 こうい であり、労働 ろうどう 者 しゃ ・生産 せいさん 者 しゃ ・消費 しょうひ 者 しゃ ・利用 りよう 者 しゃ 等 ひとし と行為 こうい に基 もと づいて呼 よ ばれる。社会 しゃかい の営 いとな みは、人間 にんげん の様々 さまざま な行為 こうい によって産業 さんぎょう を興 おこ し、文化 ぶんか を育 はぐく み、子供 こども を教育 きょういく し、交通 こうつう 手段 しゅだん を発達 はったつ させ、医療 いりょう を充実 じゅうじつ させて長 なが い歴史 れきし を積 つ み重 かさ ねてきた。時 とき に利害 りがい の衝突 しょうとつ 等 とう から戦争 せんそう となり、戦争 せんそう に備 そな えて軍事 ぐんじ を発達 はったつ させ、戦争 せんそう の深 ふか い悲 かな しみは平和 へいわ を希求 ききゅう させた。また、経済 けいざい の発達 はったつ は社会 しゃかい を不安定 ふあんてい 化 か させていた貧困 ひんこん や失業 しつぎょう を解消 かいしょう する可能 かのう 性 せい を生 う み出 だ したが、同時 どうじ に環境 かんきょう を破壊 はかい し、次世代 じせだい にまで引 ひ き継 つ がざるを得 え ない環境 かんきょう 問題 もんだい を産 う みだし負 まけ の遺産 いさん となっている。
社会 しゃかい 行為 こうい (Social action) とは対象 たいしょう が他者 たしゃ である人間 にんげん の行為 こうい を言 い い、日常 にちじょう 的 てき な会話 かいわ から政治 せいじ 的 てき な圧力 あつりょく まであらゆる行為 こうい がこれに含 ふく まれる。ただし自給自足 じきゅうじそく の生活 せいかつ ・個人 こじん 的 てき な信仰 しんこう などは行為 こうい の対象 たいしょう が他者 たしゃ でないためにこれに含 ふく まれない。
行為 こうい の根本 こんぽん 的 てき な理由 りゆう は欲求 よっきゅう であるが、人間 にんげん の欲求 よっきゅう は単一 たんいつ の原理 げんり ではない。心理 しんり 学者 がくしゃ のアブラハム・マズロー の自己 じこ 実現 じつげん 理論 りろん によれば段階 だんかい 的 てき に発展 はってん するものであり、生理 せいり 的 てき 欲求 よっきゅう ・安全 あんぜん の欲求 よっきゅう ・親和 しんわ 欲求 よっきゅう ・自尊 じそん 欲求 よっきゅう ・自己 じこ 実現 じつげん 欲求 よっきゅう と発展 はってん していくものとした。しかし欲求 よっきゅう が直接的 ちょくせつてき に社会 しゃかい 行為 こうい を行 おこな わせるのではなく、社会 しゃかい 化 か によって内面 ないめん 化 か している規範 きはん 、行為 こうい のために利用 りよう できる資源 しげん などがその行為 こうい を行 おこな うべきかどうかの判断 はんだん に影響 えいきょう する。このように社会 しゃかい 行為 こうい は欲求 よっきゅう ・規範 きはん ・資源 しげん から総合 そうごう 的 てき に目的 もくてき が判断 はんだん されるが、この意思 いし 決定 けってい も行為 こうい の目的 もくてき に付随 ふずい する効果 こうか から導 みちび かれる場合 ばあい と行為 こうい そのものに付随 ふずい している目的 もくてき から導 みちび かれる場合 ばあい がある。前者 ぜんしゃ は自己 じこ 充足 じゅうそく 的 てき 行為 こうい 、後者 こうしゃ は手段 しゅだん 的 てき 行為 こうい として区別 くべつ され、例 たと えば本 ほん を読 よ むとしてもそれが自分 じぶん の純粋 じゅんすい な知的 ちてき 好奇心 こうきしん を満 み たすためである限 かぎ りは自己 じこ 充足 じゅうそく 的 てき 行為 こうい であるが、試験 しけん 対策 たいさく などのためであれば手段 しゅだん 的 てき 行為 こうい である。
行為 こうい の分類 ぶんるい についてマックス・ヴェーバー はその性格 せいかく から四 よっ つに類型 るいけい 化 か する。まず非合理 ひごうり 的 てき 行為 こうい としてまとめられるものにそれまでの習慣 しゅうかん に基 もと づいて行 おこな われる伝統 でんとう 的 てき 行為 こうい 、そして感情 かんじょう の起伏 きふく に基 もと づいた感情 かんじょう 的 てき 行為 こうい が挙 あ げられる。次 つぎ に合理 ごうり 的 てき 行為 こうい としてまとめられる価値 かち 観 かん に基 もと づいた価値 かち 合理 ごうり 的 てき 行為 こうい と価値 かち 観 かん に基 もと づきながらも設定 せってい した目的 もくてき を達成 たっせい するために計画 けいかく 的 てき に実行 じっこう する目的 もくてき 合理 ごうり 的 てき 行為 こうい がある。また社会 しゃかい 心理 しんり 学 がく では社会 しゃかい 行動 こうどう を社会 しゃかい の構成 こうせい 員 いん が相互 そうご に他者 たしゃ と合力 ごうりょく ・助力 じょりょく や分業 ぶんぎょう を行 おこな う協力 きょうりょく 、相互 そうご に他者 たしゃ と競争 きょうそう や攻撃 こうげき を行 おこな う対立 たいりつ 、社会 しゃかい 生活 せいかつ そのものから離脱 りだつ する逃避 とうひ と区分 くぶん する[7] 。
現代 げんだい 社会 しゃかい では構成 こうせい 員 いん の利害 りがい を調整 ちょうせい することにより秩序 ちつじょ を維持 いじ して生活 せいかつ を円滑 えんかつ に行 おこな えるように様々 さまざま な制度 せいど が定 さだ められている。人間 にんげん の権利 けんり 行為 こうい には、一般 いっぱん に政治 せいじ が生 う み出 だ す法 ほう に基 もと づいて様々 さまざま な制限 せいげん が加 くわ えられている。社会 しゃかい 秩序 ちつじょ を乱 みだ す者 もの は集団 しゅうだん 内 ない で罰 ばっ せられ更生 こうせい させられるが、更生 こうせい 不可能 ふかのう な場合 ばあい は永久 えいきゅう に排除 はいじょ される(会社 かいしゃ であれば懲戒 ちょうかい 解雇 かいこ ,国家 こっか であれば死刑 しけい など)。近年 きんねん 、社会 しゃかい で認知 にんち された人間 にんげん が生 う まれながらに持 も つとされる自由 じゆう な人権 じんけん に対 たい し、社会 しゃかい 的 てき にどこまで制限 せいげん を加 くわ えることが可能 かのう か常 つね に議論 ぎろん の対象 たいしょう となっており、制度 せいど に基 もと づく義務 ぎむ は、大 おお きな負担 ふたん となってきている。
人間 にんげん の自発 じはつ 的 てき な行為 こうい には常 つね に責任 せきにん が伴 ともな うとされているが、法律 ほうりつ に罰則 ばっそく がなければ社会 しゃかい 的 てき に罰 ばっ することは困難 こんなん である。その一方 いっぽう で、我々 われわれ が共存 きょうぞん している地球 ちきゅう の許容 きょよう にも限界 げんかい があり、現代 げんだい 社会 しゃかい が抱 かか える全 すべ ての社会 しゃかい 問題 もんだい には私 わたし 達 たち 自身 じしん に解決 かいけつ する責務 せきむ があると考 かんが えられている。人口 じんこう 爆発 ばくはつ により地球 ちきゅう の資源 しげん が不足 ふそく する可能 かのう 性 せい が高 たか まっているため、宇宙 うちゅう 進出 しんしゅつ の試 こころ みも続 つづ けられている。
社会 しゃかい の領域 りょういき
編集 へんしゅう
社会 しゃかい は広範 こうはん かつ多様 たよう な領域 りょういき を持 も っているために複雑 ふくざつ な体系 たいけい となっている。例 たと えば政治 せいじ や経済 けいざい は社会 しゃかい の領域 りょういき に所属 しょぞく するものであるが、政治 せいじ や経済 けいざい には社会 しゃかい を超 こ えた原理 げんり が存在 そんざい しており、社会 しゃかい システムの中 なか で複雑 ふくざつ な機能 きのう を果 は たしている。
政治 せいじ は公共 こうきょう 的 てき な意思 いし 決定 けってい や利害 りがい の調整 ちょうせい などを行 おこな い、社会 しゃかい に秩序 ちつじょ や動員 どういん をもたらす機能 きのう の一 ひと つである。
理論 りろん 的 てき な仮定 かてい として考 かんが えると、原始 げんし 的 てき 社会 しゃかい においては秩序 ちつじょ はなく「万 まん 人 にん の万 まん 人 にん に対 たい する闘争 とうそう 」が存在 そんざい した。これを終結 しゅうけつ させるためには個々 ここ の人々 ひとびと が勝手 かって に判断 はんだん して行動 こうどう することを規制 きせい して利害 りがい を調整 ちょうせい することが必要 ひつよう であり、これを達成 たっせい するための機能 きのう が政治 せいじ である。政治 せいじ 権力 けんりょく の元 もと に社会 しゃかい 秩序 ちつじょ が徐々 じょじょ に形成 けいせい され、しかもその政治 せいじ 構造 こうぞう に正当 せいとう 性 せい がもたらされると社会 しゃかい は無 む 政府 せいふ 状態 じょうたい から安定 あんてい 化 か した状態 じょうたい へと移行 いこう する。近代 きんだい の政治 せいじ 哲学 てつがく の議論 ぎろん では、秩序 ちつじょ の形成 けいせい においては初 はじ めは王 おう や権力 けんりょく が支配 しはい する形 かたち で、原始 げんし 国家 こっか が作 つく られた。その後 ご 、共和 きょうわ 制 せい や民主 みんしゅ 制 せい の国家 こっか や社会 しゃかい が作 つく られた。実際 じっさい には、いかなる原始 げんし 的 てき な社会 しゃかい にも、様々 さまざま な社会 しゃかい 秩序 ちつじょ や協力 きょうりょく 行動 こうどう ・規則 きそく (ルール)・礼儀 れいぎ (マナー )・慣習 かんしゅう (カスタム)、公式 こうしき あるいは非公式 ひこうしき な法律 ほうりつ や制度 せいど などが存在 そんざい している。
経済 けいざい は社会 しゃかい の中 なか で希少 きしょう 性 せい や効用 こうよう 性 せい を持 も つ価値 かち を配分 はいぶん する機能 きのう の一 ひと つである。人間 にんげん には生産 せいさん 力 りょく があり、労働 ろうどう を通 つう じて自然 しぜん に作用 さよう することができる。生産 せいさん によって得 え られる資源 しげん を消費 しょうひ することで人間 にんげん は生活 せいかつ している。かつてはこの一連 いちれん の活動 かつどう も社会 しゃかい 交換 こうかん によって社会 しゃかい の中 なか で行 おこな われていたが、物々交換 ぶつぶつこうかん 、貨幣 かへい を介 かい した取引 とりひき が行 おこな われるようになって市場 いちば が形成 けいせい された。この市場 いちば は社会 しゃかい 行為 こうい の相互 そうご 作用 さよう でありながらも異 こと なる経済 けいざい の原理 げんり で作動 さどう するようになる。従 したが って市場 いちば には社会 しゃかい 全体 ぜんたい に対 たい して自動的 じどうてき に価値 かち を配分 はいぶん する機能 きのう をあるていど持 も っていると考 かんが えられている。
^ 富永 とみなが 健一 けんいち 『社会 しゃかい 学 がく 講義 こうぎ 人 ひと と社会 しゃかい の学 がく 』(中公新書 ちゅうこうしんしょ 、2003年 ねん )15頁 ぺーじ
^ 増井 ますい 金 きむ 典 のり 『日本語 にほんご 源 げん 広 こう 辞典 じてん 』ミネル みねる ヴァ書房 ぁしょぼう 、2010年 ねん 、420頁 ぺーじ 。
^ 小松 こまつ 寿雄 よしお 編 へん 『新 しん 明解 めいかい 語源 ごげん 辞典 じてん 』三省堂 さんせいどう 、2011年 ねん 、466頁 ぺーじ 。
^ 柳 やなぎ 父 ちち 章 あきら 『翻訳 ほんやく 語 ご 成立 せいりつ 事情 じじょう 』岩波書店 いわなみしょてん 、1982年 ねん 4月 がつ 20日 はつか 。
^ 久木 ひさき 幸男 ゆきお 「「社会 しゃかい 教育 きょういく 」遡源 さくげん 」『教育 きょういく 学部 がくぶ 論集 ろんしゅう 』1991年 ねん 12月15日 にち 。
^ 小学館 しょうがくかん 国語 こくご 辞典 じてん 編集 へんしゅう 部 ぶ 編 へん 『日本 にっぽん 国語 こくご 大 だい 辞典 じてん 第 だい 6巻 かん 』小学館 しょうがくかん 、2007年 ねん 、1077頁 ぺーじ 。
^ 南 みなみ 博 ひろし 『社会 しゃかい 心理 しんり 学 がく 入門 にゅうもん 』(岩波書店 いわなみしょてん 、1958年 ねん )21頁 ぺーじ
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引用 いんよう 句集 くしゅう があります。