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金日成 - Wikipedia
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金きむ日成いるそん

北朝鮮きたちょうせんの初代しょだい指導しどう者しゃ、元もと朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう総そう書記しょき

金きむ日成いるそん（きん にっせい[2]、キム・イルソン、朝あさ: 김일성、英えい: Kim Il-sung、1912年ねん〈明治めいじ45年ねん〉4月がつ15日にち - 1994年ねん7月がつ8日にち）は、北朝鮮きたちょうせんの政治せいじ家か、軍人ぐんじん、独裁どくさい者しゃ。同国どうこく初代しょだい最高さいこう指導しどう者しゃ（1948年ねん9月9日にち - 1994年ねん7月がつ8日にち）。称号しょうごうは朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく大元帥だいげんすい、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく英雄えいゆう（3回かい受章じゅしょうしており「三重みえ英雄えいゆう」と称しょうされる）。北朝鮮きたちょうせんの最高さいこう指導しどう者しゃに就任しゅうにんしてから死去しきょするまで権力けんりょくを握にぎり続つづけ、死後しごは永久えいきゅう国家こっか主席しゅせき（英語えいご版ばん）に位置付いちづけられた。

金きむ日成いるそん
김일성

金きむ日成いるそんの公式こうしき肖像しょうぞう画が
任期にんき 1972年ねん12月28日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
国家こっか副ふく主席しゅせき（英語えいご版ばん） 崔ちぇ庸いさお健けん
康かん良りょう煜（英語えいご版ばん、中国語ちゅうごくご版ばん、朝鮮ちょうせん語ご版ばん）
金きむ東ひがし奎
金一きんいち
朴ぼく成しげる哲あきら
李り鐘しょう玉たま
金英柱きむよんちゅう
金炳植きんへいしょく
任期にんき 1966年ねん10月12日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
政治せいじ局きょく常務じょうむ委員いいん[注ちゅう 1] 金一きんいち
呉振宇ごしんう
金きむ正日じょんいる
李り鐘しょう玉たま
任期にんき 1950年ねん7月がつ4日にち – 1991年ねん12月24日にち（公式こうしき発表はっぴょうは12月25日にち）
任期にんき 1948年ねん9月9日にち – 1972年ねん12月28日にち
最高さいこう人民じんみん会議かいぎ
常任じょうにん委員いいん会かい委員いいん長ちょう 		金きむ枓奉
崔ちぇ庸いさお健けん
任期にんき 1949年ねん6月30日にち – 1966年ねん10月12日にち
出生しゅっしょう 1912年ねん（明治めいじ45年ねん）4月がつ15日にち
大日本帝国の旗 日本にっぽん統治とうち下か朝鮮ちょうせん 平安へいあん南道みなみどう平壌ぴょんやん府ふ万まん景けい台だい
死去しきょ (1994-07-08) 1994年ねん7月がつ8日にち（82歳さい没ぼつ）
朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく 平安へいあん北道ほくどう香山こうざん郡ぐん香山かやま官邸かんてい (北緯ほくい39度ど58分ふん19秒びょう 東経とうけい126度ど19分ふん17秒びょう / 北緯ほくい39.97194度ど 東経とうけい126.32139度ど / 39.97194; 126.32139)[1]
※朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく政府せいふの公式こうしき発表はっぴょうでは平壌ぴょんやん直轄ちょっかつ市しの錦繍きんしゅう山やま太陽たいよう宮殿きゅうでん
政党せいとう 朝鮮労働党の旗 朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう
中国共産党ちゅうごくきょうさんとう（1931年ねん - 1945年ねん）
出身しゅっしん校こう 華はな成義なりよし塾じゅくなど
配偶はいぐう者しゃ 金正淑きんせいしゅく
金聖愛きんせいあい
宗教しゅうきょう 無む神かみ論ろん
署名しょめい
金きむ日成いるそんの肖像しょうぞう（1960年代ねんだいに撮影さつえい）。
金きむ日成いるそん
各種かくしゅ表記ひょうき
チョソングル： 김일성
漢字かんじ： 金きむ日成いるそん
発音はつおん： キム イルソン
日本語にほんご読よみ： きんにっせい
英語えいご表記ひょうき： Kim Il-sung
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概要がいよう

編集へんしゅう

先祖せんぞは、現在げんざいの全羅北道ぜんらほくどう・全ぜん州しゅう出身しゅっしん[3]。本ほん貫ぬき全ぜん州しゅう金きん氏し[4]。

満まん洲しゅう一帯いったいにおいて抗日こうにちパルチザン活動かつどうに部隊ぶたい指揮しき官かんとして参加さんかし、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後こうは朝鮮半島ちょうせんはんとう北部ほくぶに朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくを建国けんこくした。以後いご死去しきょするまで最高さいこう指導しどう者しゃの地位ちいにあり、1948年ねんから1972年ねんまでは首相しゅしょう、1972年ねんから死去しきょするまで国家こっか主席しゅせきを務つとめた。死後しごの1998年ねんに改定かいていされた憲法けんぽうでは「永遠えいえんの主席しゅせき」とされ、主席しゅせき制度せいどは事実じじつ上じょう廃止はいしされた。

また、同国どうこくの支配しはい政党せいとうである朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうの党首とうしゅ（1949年ねんから1966年ねんまでは中央ちゅうおう委員いいん会かい委員いいん長ちょう、1966年ねん以降いこうは中央ちゅうおう委員いいん会かい総そう書記しょき）の地位ちいに結党けっとう以来いらい一貫いっかんして就ついていた。遺体いたいはエンバーミングを施ほどこされ、平壌ぴょんやん市内しないの錦繍きんしゅう山やま太陽たいよう宮殿きゅうでん（旧きゅう国家こっか主席しゅせき宮殿きゅうでん）に安置あんちされている。

姓名せいめいと呼称こしょう

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出生しゅっしょう名めいは金成かねなり柱ばしら（きん せいちゅう、キム・ソンジュ、朝鮮ちょうせん語ご: 김성주）である。「ソンジュ」という漢字かんじ音おんに従したがって「聖ひじり柱はしら」または「誠まこと柱ばしら」と表記ひょうきした資料しりょうもある。活動かつどう家かとなって以後いごは「金きむ一星いちぼし」（きん いっせい、キム・イルソン、김일성）と名乗なのり、さらに「金きむ日成いるそん」（朝鮮ちょうせん語ご発音はつおんは「金かね一いち星ほし」と同おなじキム・イルソン）と改名かいめいした。「日成いるそん」は、本格ほんかく的てきに抗日こうにちパルチザン活動かつどうに参加さんかした1932年ねんころから使つかい始はじめた号ごう（称号しょうごう）である[5]。

同国どうこくの公式こうしき伝記でんきでは当初とうしょ同志どうしたちが彼かれに期待きたいを込こめて「一星いちぼし」の名なで呼よんでいたが「星ほしでは足たりない、太陽たいようとならなければならない」ということで「日成いるそん」と呼よぶようになったという。

日本にっぽんでは、かつては「きん・にっせい」と日本語にほんごの音読おんよみで呼よんでいたが、1980年代ねんだい以降いこうは漢字かんじ表記ひょうきのまま「キム・イルソン」と朝鮮ちょうせん語ご読よみされることが増ふえた。なお、NHKでは「キム・イルソン」と片仮名かたかなで表記ひょうきすることを基本きほんとしている[6]。

経歴けいれき

編集へんしゅう

出生しゅっしょう

編集へんしゅう

1912年ねん4月がつ15日にち、平壌ぴょんやん西方せいほうにある万まん景けい台だい（マンギョンデ）に金亨稷きんきょうしょくの長男ちょうなんとして誕生たんじょうする。母ははの康かん盤石ばんじゃくはキリスト教徒きりすときょうとであり、外祖父がいそふの康かん敦あつし煜はキリスト教きりすときょう長老ちょうろう会かいの牧師ぼくしであった[注ちゅう 2]。抗日こうにち派はもしくはそのシンパであったためか、金亨稷きんきょうしょくは1919年ねん3月1日にちの独立どくりつ運動うんどう（三さん・一いち独立どくりつ運動うんどう）の翌年よくねんに金きむ日成いるそんを連つれて南みなみ満まん洲しゅう（中国ちゅうごく東北とうほく部ぶ）に移住いじゅうした。

金きむ日成いるそんは満まん洲しゅうの平城ひらじろの小学校しょうがっこうで学まなんだ後のち、1926年ねんに満まん洲しゅうの民族みんぞく派は朝鮮ちょうせん人じん独立どくりつ運動うんどう団体だんたい正義まさよし府ふが運営うんえいする軍事ぐんじ学校がっこうの華はな成義なりよし塾じゅくに入学にゅうがくした。正義まさよし府ふの幹部かんぶには池いけ青天せいてんがおり、華はな成義なりよし塾じゅくは数すう年ねん前まえに現役げんえき日本にっぽん軍ぐん将校しょうこうだった青天せいてんや金きむ擎天が教官きょうかんを務つとめた新興しんこう武官ぶかん学校がっこうの流ながれをくむ学校がっこうである。しかし、金きむ日成いるそんはここを短期間たんきかんで退学たいがくした。この前後ぜんごに父ちちの亨とおる稷きびが没ぼっしている。なお、亨とおる稷きびは正義せいぎ府ふに関係かんけいしていたとされる[7]。

父親ちちおやが没ぼっした後のち、金きむ日成いるそんは中華民国ちゅうかみんこく・吉林きつりん省しょう吉林きつりん市しの中国人ちゅうごくじん中学校ちゅうがっこうである毓文中学校ちゅうがっこう（中国語ちゅうごくご版ばん）に通かよい[8]、そこで他たの学生がくせいとともに本格ほんかく的てきにマルクス・レーニン主義しゅぎに触ふれ、教師きょうしで中国人ちゅうごくじん共産きょうさん主義しゅぎ者しゃの尚なお鉞（英語えいご版ばん）に強つよい影響えいきょうを受うけ[9]、共産きょうさん主義しゅぎの青年せいねん学生がくせい運動うんどうに参加さんかしたことで中学校ちゅうがっこう退学たいがくを余儀無よぎなくされた。

中国共産党ちゅうごくきょうさんとう入党にゅうとう

編集へんしゅう

金きむ日成いるそんが最初さいしょに参加さんかした抗日こうにち武装ぶそう団だんは、在ざい南みなみ満まん洲しゅうの朝鮮ちょうせん人じん民族みんぞく派は・朝鮮ちょうせん革命かくめい軍ぐんのうち、李り鐘かね洛らく率ひきいる左派さはの一団いちだんだった。1930年ねん、中国共産党ちゅうごくきょうさんとうから派遣はけんされた朝鮮ちょうせん人じん運動うんどう家か・呉ご成しげる崙（全ちょん光ひかり）が、コミンテルンの一いち国こく一いち党とうの原則げんそくに基もとづいて李り鐘かね洛らく部隊ぶたいに入党にゅうとうを勧すすめたが、李り鐘かね洛らく側がわは断ことわったため、金きむ日成いるそんもこの時点じてんでは入党にゅうとうしなかったものと推測すいそくされている[10]。金きむ日成いるそんの中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの入党にゅうとうは1932年ねん・1933年ねんとするものと、2つの記録きろくが中国共産党ちゅうごくきょうさんとう側がわの史料しりょうに残のこっている[11]。親友しんゆうで中国人ちゅうごくじんの張ちょう蔚華（中国語ちゅうごくご版ばん）とともに1932年ねんに入党にゅうとうしたともされている[12]。これ以降いこう、金きむ日成いるそんは、中国共産党ちゅうごくきょうさんとうが指導しどうする抗日こうにちパルチザン組織そしきの東北とうほく人民じんみん革命かくめい軍ぐんに参加さんかし、さらには1936年ねんから再編さいへんされた東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんの隊員たいいんとなるに至いたった、とされる[注ちゅう 3]。

東北とうほく人民じんみん革命かくめい軍ぐんは中国ちゅうごく革命かくめいに従事じゅうじするための組織そしきであったために朝鮮ちょうせん独立どくりつを目指めざす潮流ちょうりゅうは排除はいじょされがちだった。朝鮮ちょうせん人じん隊員たいいんはしばしば親日しんにち派は反共はんきょう団体だんたいである民生みんせい団だん員いんであるというレッテルを貼はられて粛清しゅくせいされた。後のちに、同おなじく親日しんにち派は反共はんきょう団体だんたいである協きょう助すけ会かいの発足ほっそくとその工作こうさくにより粛清しゅくせいは激化げきかした（民生みんせい団だん事件じけん）[注ちゅう 4]。

当時とうじの金きむ日成いるそんについて、中国共産党ちゅうごくきょうさんとうへは「信頼しんらい尊敬そんけいがある」という報告ほうこくがあった一方いっぽうで「民生みんせい団だん員いんだという供述きょうじゅつが多おおい」という内容ないようの報告ほうこくが複数ふくすうなされていた。それにも関かかわらず金きむ日成いるそんは粛清しゅくせいを免まぬかれて、東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんにおいては第だい一路いちろ軍ぐん第だい二に軍ぐん第だい六ろく師しの師長もろながとなった。東北とうほく人民じんみん革命かくめい軍ぐん時代じだいの金きむ日成いるそんの功績こうせきとしては、人民じんみん革命かくめい軍ぐんが共闘きょうとうし、内部ないぶに党員とういんを送おくり込こんで取とり込こもうとしていた中国人ちゅうごくじん民族みんぞく派は抗日こうにち武装ぶそう団だん・救国きゅうこく軍ぐんの隊員たいいんから信頼しんらいを得えていたことを、中共ちゅうきょう側がわ資料しりょうはあげている[11]。

抗日こうにちパルチザン活動かつどう

編集へんしゅう

1937年ねん6月4日にち、金きむ日成いるそん部隊ぶたいである東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐん（連れん軍ぐん）第だい一路いちろ軍ぐん第だい二に軍ぐん第だい六ろく師しが朝鮮ちょうせん咸鏡南道みなみどうの普天ふてん堡（ポチョンボ）の町まちに夜襲やしゅうをかけた事件じけん（普天ふてん堡の戦たたかい）を契機けいきに、金きむ日成いるそんは名なを知しられるようになった[13][14]。国境こっきょうを越こえて朝鮮ちょうせん領内りょうないを襲撃しゅうげきして成功せいこうした例れいは稀有けうだったこと、それが大おおきく報道ほうどうされたこと[15]、日本にっぽん官憲かんけん側がわが金きむ日成いるそんを標的ひょうてきにして「討伐とうばつ」のための宣伝せんでんを行おこない多額たがくの懸賞けんしょう金きんをかけるなどしたことが、金きむ日成いるそんを有名ゆうめいにしたともいわれるが、賞金しょうきん額がくは第だい一路いちろ軍ぐん首脳しゅのう部ぶの魏ぎ拯民、呉ご成しげる崙には三さん千せん円えん、襲撃しゅうげき実績じっせきがあった現場げんば指揮しき官かんの金きむ日成いるそん、崔ちぇ賢けんに一いち万まん円えん[16]で、金きむ日成いるそんが一人ひとり突出とっしゅつしていたわけではない。

また、この普天ふてん堡襲撃げきは在ざい満みつる韓かん人じん祖国そこく光こう復ふく会かい甲山こうざん支部しぶ（後ごの朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう甲山こうざん派は）の手引てびきによって成功せいこうしたもので、祖国そこく光こう復ふく会かいを中心ちゅうしんになって組織そしきしたのは呉ご成しげる崙だった。しかし北朝鮮きたちょうせんの金きむ日成いるそん伝でんでは、「祖国そこく光こう復ふく会かいは金きむ日成いるそん将軍しょうぐんが発意はついして宣言せんげんと綱領こうりょうを発表はっぴょうし、会長かいちょうを務つとめていた」と、呉ごの業績ぎょうせきをそのまま金きむ日成いるそんのものにしてしまっている[17]。

その後ご、日本にっぽん軍ぐんは東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんに対たいする大だい規模きぼな討伐とうばつ作戦さくせんを開始かいしした。咸興（かんこう、ハムン）の第だい19師団しだん第だい74連隊れんたいに属ぞくする恵山えさん（けいざん、ヘサン）鎮守ちんじゅ備隊（隊長たいちょうは栗田くりた大尉たいいだったが、後のちに金きむ仁ひとし旭あさひ少佐しょうさに替かわる）を出撃しゅつげきさせ、抗日こうにち聯れん軍ぐん側がわに50余よ名めいの死者ししゃを出だし退散たいさんさせた。その後ご、抗日こうにち聯れん軍ぐんは1940年ねん3月がつ11日にちに安やす図ず県けん大だい馬鹿ばか溝みぞ森林しんりん警察けいさつ隊たいを襲撃しゅうげき。死傷ししょう者しゃ各かく2名めいの損害そんがいを与あたえ、金品きんぴん2万まん3千せん円えんを略奪りゃくだつ。苦力くーりーおよそ140名めいを拉致らち。2日にち後ご、拉致らち者しゃのうち25名めい（日本人にっぽんじん1名めい、朝鮮ちょうせん族ぞく13名めい、満まん洲しゅう人じん9名めい、白しろ系けいロシア人じん2名めい）を釈放しゃくほう。残のこりの拉致らち人質ひとじち70名めいあまりを伴ともなって逃走とうそうを続つづけたため、満まん洲しゅう警察けいさつ・前田まえだ隊たいの追おうところとなった[18][19]が、逆ぎゃくに前田まえだ隊たいを待まち伏ぶせして襲撃しゅうげきした。この襲撃しゅうげきによる前田まえだ隊たいの損害そんがいは140名めいのうち日本にっぽん側がわ資料しりょうで戦死せんし者しゃ数すう58名めい、戦傷せんしょう者しゃ27名めい、行方ゆくえ不明ふめい9名めい。北朝鮮きたちょうせん側がわ資料しりょうでは戦死せんし者しゃ数すう120名めいとされている。このとき、前田まえだ隊たいの隊員たいいんはそのほとんどが練度れんどの低ひくい朝鮮ちょうせん人じんによって構成こうせいされていたため、隊たいの損害そんがいのほとんどを朝鮮ちょうせん人じんが占しめた[20][21]。

このとき金きむ日成いるそん部隊ぶたいは200余よ名めいのうち31名めいの戦死せんし者しゃを出だしている。

重村しげむら智計ともよしは、普天ふてん堡の戦たたかいは北朝鮮きたちょうせんが喧伝けんでんしているよりもっと小規模しょうきぼであり、東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんも中国ちゅうごく抗日こうにち軍ぐんとの連合れんごう軍ぐんであったことを指摘してきしている[22]。

ソ連それんへの退却たいきゃく

編集へんしゅう
 
1943年ねん10月がつ5日にち、第だい88旅団りょだん幹部かんぶ合あい影かげ。前列ぜんれつ右みぎから2人ふたり目めが金きむ日成いるそん、3人にん目めが周しゅう保ほ中ちゅう。

しかし日本にっぽん側がわの巧たくみな帰順きじゅん工作こうさく・討伐とうばつ作戦さくせんにより、東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんは消耗しょうもうを重かさねて壊滅かいめつ状態じょうたいに陥おちいって小しょう部隊ぶたいに分散ぶんさんしての隠密おんみつ行動こうどうを余儀無よぎなくされるようになった。1940年ねんの秋あき、金きむ日成いるそんは党とう上部じょうぶの許可きょかを得えないまま、独自どくじの判断はんだんで生いき残のこっていた直接ちょくせつの上司じょうし・魏ぎ拯民を置おき去ざりにし、十じゅう数すう名めいほどの僅わずかな部下ぶかと共ともにソビエト連邦れんぽう領りょう沿海州えんかいしゅうへと逃のがれた[23]。

ソ連それんに越境えっきょうした金きむ日成いるそんはスパイの容疑ようぎを受うけてソ連それん国境警備隊こっきょうけいびたいに一時いちじ監禁かんきんされる。その後ご東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんで金きむ日成いるそんの上司じょうしだった中国人ちゅうごくじんの周しゅう保たもつ中なかが彼かれの身元みもとを保証ほしょうして釈放しゃくほうされる。1940年ねん12月のハバロフスク会議かいぎを経へて、金きむ日成いるそん部隊ぶたいは周しゅう保ほ中ちゅうを旅団りょだん長ちょうとするソ連それん極東きょくとう戦線せんせん傘下さんかの第だい88特別とくべつ旅団りょだんに中国人ちゅうごくじん残存ざんそん部隊ぶたいとともに編入へんにゅうされ、金きむ日成いるそんは第だい一いち大隊だいたい長ちょう（階級かいきゅうは大尉たいい）となった。彼かれらはソ連それんハバロフスク近郊きんこうの野営やえい地ちで訓練くんれん・教育きょういくを受うけ、解放かいほう後ごには北朝鮮きたちょうせん政府せいふの中核ちゅうかくとなる[注ちゅう 5]。

帰国きこく後ご、指導しどう者しゃへ

編集へんしゅう
 
金きむ日成いるそん（1946年ねん）
 
1945年ねん10月がつ14日にちの民衆みんしゅう大会たいかいに出席しゅっせきした金きむ日成いるそん。後方こうほうにはレベジェフ少将しょうしょうらソ連それん軍ぐん幹部かんぶが並ならぶ
 
1945年ねん12月、ソ連それん軍ぐん民政みんせい司令しれい官かんロマネンコ少将しょうしょうと会談かいだんする金きむ日成いるそん。
 
金きむ九きゅうと（1948年ねん頃ごろ）

1945年ねん8月がつ、ソ連それん軍ぐんが北緯ほくい38度ど線せん以北いほくの朝鮮半島ちょうせんはんとう北部ほくぶを占領せんりょうした[24]。金きむ日成いるそんは9月19日にちにウラジオストクからソ連それんの軍艦ぐんかんプガチョフに搭乗とうじょうして元山もとやま港こうに上陸じょうりくし、ソ連それん軍ぐん第だい88特別とくべつ旅団りょだんの一員いちいんとして帰国きこくを果はたした[25]。同年どうねん10月14日にちに平壌ぴょんやんで開催かいさいされた「ソ連それん解放かいほう軍ぐん歓迎かんげい平壌ぴょんやん市民しみん大会たいかい」において、金きむ日成いるそんは初はじめて朝鮮ちょうせん民衆みんしゅうの前まえにその姿すがたを現あらわした[26]。

金きむ日成いるそんはアメリカ統治とうち下かの南部なんぶに拠点きょてんを置おき、朴ぼく憲けん永ひさしに率ひきいられている朝鮮ちょうせん共産党きょうさんとうからの離脱りだつを目指めざしていく。

1945年ねん10月がつ10日とおかには平壌ぴょんやんに朝鮮ちょうせん共産党きょうさんとう北部ほくぶ朝鮮ちょうせん分ぶん局きょくが設置せっちされ、12月17日にちの第だい3回かい拡大かくだい執行しっこう委員いいん会かいにおいて金きむ日成いるそんが責任せきにん書記しょきに就任しゅうにん。10月10日にちは朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう創建そうけん記念きねん日びとなっている。

1946年ねん5月には北部ほくぶ朝鮮ちょうせん分ぶん局きょくを北朝鮮きたちょうせん共産党きょうさんとうと改名かいめいし、同年どうねん8月がつ末まつには朝鮮ちょうせん新民党しんみんとうと合併がっぺいして北朝鮮きたちょうせん労働党ろうどうとうを創設そうせつし、金きむ枓奉が党とう中央ちゅうおう委員いいん会かい委員いいん長ちょう、金きむ日成いるそんが副ふく委員いいん長ちょうに就任しゅうにんした。

ソ連それん占領せんりょう下かの朝鮮半島ちょうせんはんとう北部ほくぶでは、暫定ざんてい統治とうち機関きかんとして1946年ねん2月がつ8日にちに北朝鮮きたちょうせん臨時りんじ人民じんみん委員いいん会かいが成立せいりつし、金きむ日成いるそんがソ連それん軍政ぐんせい当局とうきょくの後押あとおしを受うけて、委員いいん長ちょうに就任しゅうにんした[27]。3月1日にち、平壌ぴょんやんでの集会しゅうかい上じょうで手榴弾しゅりゅうだんを投擲とうてきされるが、ソ連それん兵へいの護衛ごえいにより一命いちめいを取とり留とめた[28]。翌年よくねん2月がつ22日にちには北朝鮮きたちょうせん臨時りんじ人民じんみん委員いいん会かいは半島はんとう北部ほくぶの臨時りんじ政府せいふとして北朝鮮きたちょうせん人民じんみん委員いいん会かいに改組かいそされ、金きむ日成いるそんが引ひき続つづき委員いいん長ちょうを務つとめた。

このように、金きむ日成いるそんはソ連それん当局とうきょくの支援しえんを受うけて北朝鮮きたちょうせんの指導しどう者しゃとなっていったが、金きむ日成いるそん派はは北朝鮮きたちょうせん政府せいふおよび北朝鮮きたちょうせん国内こくないの共産きょうさん主義しゅぎ者しゃのなかでは圧倒的あっとうてきな少数しょうすう派はであり、弱小じゃくしょう勢力せいりょくであった。この点てんは1970年代ねんだいに至いたるまで金きむ日成いるそんを苦くるしめた。金きむ日成いるそん個人こじんが信任しんにんできる勢力せいりょくが弱小じゃくしょうであることは、初はじめは絶たえ間まなく党内とうない闘争とうそうを引ひき起おこしては勝かち抜ぬかなければならない要因よういんとなり、後のちには大国たいこくの介入かいにゅうにおびえなければならない要因よういんとなった。その後ご第だい一いち次じインドシナ戦争せんそうでベトナムを支援しえんした。

ソ連それんは朝鮮半島ちょうせんはんとうの統一とういつを望のぞまず、アメリカもまた朝鮮半島ちょうせんはんとうの分断ぶんだんを容認ようにんした。1948年ねんに入はいり、アメリカ占領せんりょう下かの南朝鮮みなみちょうせんで単独たんどく選挙せんきょが実施じっしされ、8月がつ15日にちに大韓民国だいかんみんこくが成立せいりつすると、ソ連それん占領せんりょう下かの北朝鮮きたちょうせんでも国家こっか樹立じゅりつへの動うごきが高たかまっていった。9月9日にち、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくが建国けんこくされ、金きむ日成いるそんは首相しゅしょうに就任しゅうにんした。さらに翌よく1949年ねん6月30日にち、北朝鮮きたちょうせん労働党ろうどうとうと南朝鮮みなみちょうせん労働党ろうどうとうが合併がっぺいして朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうが結成けっせいされると、その党首とうしゅである中央ちゅうおう委員いいん会かい委員いいん長ちょう（1966年ねん10月12日にちより総そう書記しょき）に選出せんしゅつされた[29]。

朝鮮ちょうせん戦争せんそう

編集へんしゅう
 
金きむ日成いるそんを指揮しき官かんとして称たたえる壁画へきが

1950年ねん6月25日にち、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんは38度ど線せんを越こえて南側みなみがわに侵攻しんこうし、朝鮮ちょうせん戦争せんそうが始はじまった。北朝鮮きたちょうせん軍ぐんの南進なんしんの理由りゆうについては、冷戦れいせん終結しゅうけつ後ごに秘密ひみつが解除かいじょされたソ連それんの資料しりょうから、戦争せんそうはアメリカとの冷戦れいせんにおいて勝機しょうきを得えようとしたソ連それんの同意どういを取とり付つけた金きむ日成いるそんが、中国ちゅうごくと共同きょうどうで周到しゅうとう綿密めんみつに準備じゅんびし、満まん洲しゅうという地域ちいきを罠わなとして、アメリカをそこに引ひき入いれようとする国際こくさい謀略ぼうりゃくとして企図きとされた北朝鮮きたちょうせんによる侵略しんりゃくであることが明あきらかとなった[30]。

当初とうしょ、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんが朝鮮半島ちょうせんはんとう全土ぜんどを制圧せいあつするかに見みえたが、朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐんは侵攻しんこうした地域ちいきで民衆みんしゅうに対たいし虐殺ぎゃくさつ・粛清しゅくせいなどを行おこなったため、民衆みんしゅうからの広範こうはんな支持しじは得えられず期待きたいしたような蜂起ほうきは起おきなかった。また、ソウル会戦かいせんにおいて猛攻もうこうを続つづけていたはずの北朝鮮きたちょうせん軍ぐんが突如とつじょとして三さん日間にちかん進軍しんぐんを停止ていしするなど、謎なぞの行動こうどうを取とった。この進軍しんぐん停止ていしの理由りゆうは、一説いっせつによると、南朝鮮みなみちょうせんの農民のうみんたちの蜂起ほうきを期待きたいしていたためともいわれる[31]。しかしこの時間じかんを使つかって、総崩そうくずれとなっていた韓国かんこく軍ぐんは体制たいせいを立たて直なおした。

9月15日にち、アメリカ軍ぐんが仁川にがわ上陸じょうりく作戦さくせんを開始かいしすると、北朝鮮きたちょうせん軍ぐんは一転いってんして敗走はいそうを重かさねるようになった。開戦かいせん直後ちょくごの7月がつ4日にちに朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん最高さいこう司令しれい官かんに就任しゅうにんしていた金きむ日成いるそんは自分じぶんの家族かぞく（祖父母そふぼ、子供こども2人にん（金きむ正日じょんいる・金敬姫きんけいひ兄妹きょうだい）[注ちゅう 6]）を疎開そかいさせた後のち、10月11日にちに平壌ぴょんやんを脱出だっしゅつし、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの通つう化かに事実じじつ上じょう亡命ぼうめいした[32]。

10月25日にちに中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくが中国ちゅうごく人民じんみん志願しがん軍ぐん（抗こう美び援朝義勇軍ぎゆうぐん）を派兵はへいしたことによってアメリカ軍ぐんを押おし戻もどした。しかし、中国ちゅうごく人民じんみん志願しがん軍ぐんおよび朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐんは中ちゅう朝ちょう連合れんごう司令しれい部ぶの指揮しき下かに置おかれた。中ちゅう朝ちょう連合れんごう軍ぐんの彭徳懐ふところ司令しれい官かんは朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう延のべ安やす派はの朴ほお一いち禹を副ふく司令しれい官かんに任命にんめいし、金きむ日成いるそんが直接ちょくせつ指揮しきできる軍ぐんは限かぎられた[33]。

その後ご、戦局せんきょくは38度ど線せん付近ふきんで膠着こうちゃく状態じょうたいに陥おちいり、休戦きゅうせん交渉こうしょうが本格ほんかく化かした。1953年ねん2月がつ7日にち、最高さいこう人民じんみん会議かいぎ常任じょうにん委員いいん会かい政令せいれいにより、「朝鮮ちょうせん戦争せんそうにおける指揮しき・功績こうせき」を認みとめられ、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく元帥げんすいの称号しょうごうを授与じゅよ[34]。同年どうねん6月がつには休戦きゅうせんが成立せいりつし、平壌ぴょんやんに帰還きかんした。

粛清しゅくせい

編集へんしゅう
 
オットー・グローテヴォールらと談笑だんしょうする金きむ日成いるそん（1956年ねん）

反はん満まん洲しゅう派はの粛清しゅくせい

編集へんしゅう
詳細しょうさいは「8月がつ宗派しゅうは事件じけん」を参照さんしょう

金きむ日成いるそん派はは満まん洲しゅう派はとも呼よばれる東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐん出身しゅっしん者しゃたちである。彼かれらは他たの派閥はばつ以上いじょうに徹底てっていした団結だんけつを誇ほこった。満まん洲しゅう派ははかつて中国共産党ちゅうごくきょうさんとうのパルチザンとソ連それん軍ぐんに加くわわった成なり立たちから、植民しょくみん地ち時代じだいから朝鮮ちょうせんで活動かつどうしていた国内こくない派はよりも、当初とうしょは延のべ安やす派はやソ連それん派はと友好ゆうこう的てきであり、金きむ日成いるそんと満まん洲しゅう派はは、まず国内こくない派はの粛清しゅくせいを開始かいしした。朝鮮ちょうせん戦争せんそう休戦きゅうせん直後ちょくごには朴ぼく憲けん永ひさしをリーダーとする南みなみ労ろう派は（国内こくない派はの主流しゅりゅうと目めされた一派いっぱ。ソウルを中心ちゅうしんに活動かつどうしていた）を「戦争せんそう挑発ちょうはつ者しゃ」として有力ゆうりょく者しゃを逮捕たいほ・処刑しょけいした。延のべ安やす派はとソ連それん派はは南みなみ労ろう派はの粛清しゅくせいを黙視もくししていたが、その後ご共同きょうどうして金きむ日成いるそんの批判ひはんを試こころみるもその報復ほうふくで自みずからも粛清しゅくせいされるに至いたった（8月がつ宗派しゅうは事件じけん）。さらに満まん洲しゅう派はは南みなみ労ろう派はや延のべ安やす派はの残存ざんそん勢力せいりょくを排除はいじょする運動うんどうを数すう度どに渡わたって展開てんかいした。一連いちれんの過程かていでソ連それん派はも排除はいじょされ、多おおくのソ連それん派はの幹部かんぶはソ連それんに帰国きこくした。一方いっぽうで1961年ねんにソ連それんとソ朝あさ友好ゆうこう協力きょうりょく相互そうご援助えんじょ条約じょうやく、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくとは中ちゅう朝ちょう友好ゆうこう協力きょうりょく相互そうご援助えんじょ条約じょうやくを結むすんで軍事ぐんじ同盟どうめい関係かんけいを築きずくことで中ちゅうソとの決定的けっていてき対立たいりつは回避かいひした。

1967年ねん5月には国内こくない北部ほくぶで活動かつどうしていた朴ほお金きん喆ら甲山こうざん派はなども粛清しゅくせいし、満まん洲しゅう派はが主導しゅどう権けんを握にぎるに至いたった。この頃ころまでに満まん洲しゅう派はの中なかからも金策きんさくの変死へんし事件じけんが起おこるなどしている。その結果けっか、「朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう初代しょだい政治せいじ委員いいんで生いき延のびたのは、金きむ日成いるそん以外いがいでは皆無かいむ」と言いわれるほどの粛清しゅくせいとなった[注ちゅう 7]。

満まん洲しゅう派は内部ないぶの粛清しゅくせい

編集へんしゅう

1969年ねん以降いこう、満まん洲しゅう派は内部ないぶにおいても、金きむ昌あきら奉たてまつ、許もと鳳おおとり学まなぶ、崔ちぇ光ひかり（1977年ねんに復帰ふっき）、石山いしやま、金光かねみつ侠らが粛清しゅくせいされた。1972年ねんには憲法けんぽうが改正かいせいされ、金きむ日成いるそんへの権力けんりょく集中しゅうちゅうが法的ほうてきに正当せいとう化かされたが、それ以降いこうも粛清しゅくせいが継続けいぞくされ、金きむ日成いるそんの後妻ごさいの金聖愛きんせいあい（1993年ねんに復帰ふっきするが翌年よくねん以降いこう再ふたたび姿すがたを消けす）、実弟じっていの金英柱きむよんちゅう（1975年ねんに失脚しっきゃく、1993年ねんに国家こっか副ふく主席しゅせきとして復帰ふっき）、叔父おじの娘むすめ婿むこ（義よし従兄弟いとこ）の楊亨燮（1978年ねんに復帰ふっき）など身内みうちにも失脚しっきゃく者しゃが出でた。1977年ねんには国家こっか副ふく主席しゅせきだった金きむ東ひがし奎が追放ついほうされ、後のちには政治せいじ犯はん収容しゅうよう所しょへと送おくられた。

金きむ日成いるそんの独裁どくさい体制たいせいが確固かっこなものとなった1972年ねん以降いこうは、金きむ日成いるそん派はの執権しっけんを脅おびやかす要素ようそが外部がいぶからは観察かんさつできない。それでもなお、忘わすれた頃ころに小規模しょうきぼながらも粛清しゅくせいが展開てんかいされている。これらの粛清しゅくせいが何なにを目的もくてきとしたものかは不明ふめいである。全体ぜんたい主義しゅぎ体制たいせいの整理せいりであるとする立場たちば、満まん洲しゅう派はから金きむ日成いるそん個人こじんへの権力けんりょく集中しゅうちゅう過程かていだとみなす立場たちば、金きむ正日じょんいる後継こうけい体制たいせいの準備じゅんびであるとする立場たちばなど無数むすうの見方みかたがあるが、いずれの立場たちばにとっても決定的けっていてきな論拠ろんきょとなる情報じょうほうを入手にゅうしゅ出来できないのが実情じつじょうである。

独裁どくさい体制たいせいの確立かくりつ

編集へんしゅう
 
金きむ日成いるそんを讃たたえるプロパガンダ・ポスター

金きむ日成いるそんはスターリン型がたの政治せいじ手法しゅほうを用もちいて、政治せいじ的てきライバルを次々つぎつぎと葬ほうむった。1950年ねん代だいのうちに社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせい（ソ連それん型がた社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせい）を築きずき、1960年ねん代だい末まつまでに満まん洲しゅう派は＝金きむ日成いるそん派は独裁どくさい体制たいせいを完成かんせいさせた。

1972年ねん4月がつ15日にち、金きむ日成いるそんは還暦かんれきを迎むかえた。祝賀しゅくが行事ぎょうじが盛大せいだいに催もよおされ、個人こじん崇拝すうはいが強つよまると国外こくがいの懸念けねんを生うんだ。

12月27日にちに朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく社会しゃかい主義しゅぎ憲法けんぽうが公布こうふされ、国家こっか元首げんしゅとして国家こっか主席しゅせきの地位ちいが新設しんせつされると、翌よく12月28日にち、金きむ日成いるそんは国家こっか主席しゅせきに就任しゅうにんした。

新しん憲法けんぽうでは国家こっか主席しゅせきに権力けんりょくが集中しゅうちゅうする政治せいじ構造こうぞうとなっており、金きむ日成いるそんは朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう総そう書記しょき・国家こっか主席しゅせき・朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん最高さいこう司令しれい官かんとして党とう・国家こっか・軍ぐんの最高さいこう権力けんりょくを掌握しょうあくし、独裁どくさい体制たいせいを確立かくりつした。

さらに1977年ねん、金きむ日成いるそんはマルクス・レーニン主義しゅぎを創造そうぞう的てきに発展はってんさせたとする「主体しゅたい（チュチェ）思想しそう」を国家こっかの公式こうしき理念りねんとした。

国家こっか主席しゅせきとして

編集へんしゅう
 
ニコラエ・チャウシェスクを迎むかえる金きむ日成いるそん（1971年ねん）
 
ドイツ民主みんしゅ共和きょうわ国こく訪問ほうもんの際さい、エーリッヒ・ホーネッカーと並ならぶ金きむ日成いるそん（1984年ねん）

国家こっか主席しゅせきに就任しゅうにんした頃ころ、金きむ日成いるそんは諸しょ外国がいこくとの関係かんけい樹立じゅりつに力ちからを入いれ、1972年ねん4月がつから1973年ねん3月がつまでに49ヶ国かこくと国交こっこうを結むすんだ。朝鮮半島ちょうせんはんとうの統一とういつ問題もんだいについては、1972年ねん5月がつから6月がつにかけて、南北なんぼくのそれぞれの代表だいひょうが互たがいに相手あいて国こくの首都しゅとを訪おとずれ、祖国そこく統一とういつに関かんする会談かいだんを持もった。同年どうねん7月がつ4日にちに統一とういつは外国がいこく勢力せいりょくによらず自主じしゅ的てきに解決かいけつすること、武力ぶりょく行使こうしによらない平和へいわ的てき方法ほうほうを取とることなどを「南北なんぼく共同きょうどう声明せいめい」として発表はっぴょうした。しかし、対話たいわは北朝鮮きたちょうせん側がわから一方いっぽう的てきに中断ちゅうだんしてしまった。

1977年ねん7月がつ3日にち、NHKの取材しゅざい団だんが金きむ日成いるそんへのインタビューを行おこない[35][36]、7月がつ13日にちに「金きむ日成いるそん主席しゅせき単独たんどく会見かいけん」として放送ほうそう[37]。

1980年代ねんだい以降いこうはそれまで頼たのみの綱つなだったソ連それんなど共産きょうさん圏けんからの援助えんじょが大おおきく減へり、エネルギー不足ふそくが深刻しんこくになり、国内こくないの食糧しょくりょう事情じじょうの悪化あっかから大量たいりょうの餓死がし者しゃが出でたと言いわれる。

1980年ねん10月、第だい6回かい朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう大会たいかいにおいて金きむ日成いるそんは「一いち民族みんぞく・一いち国家こっか・二に制度せいど・二に政府せいふ」の下したでの連邦れんぽう制せいという「高麗こうらい民主みんしゅ連邦れんぽう共和きょうわ国こく」創設そうせつを韓国かんこく側がわに提唱ていしょうした。

1982年ねん11月、錦繍きんしゅう山やま主席しゅせき宮みや会議かいぎ室しつで開ひらかれた金きむ日成いるそん、金きむ正日じょんいる、呉振宇ごしんう、金きむ仲なか麟の4名めいによる秘密ひみつ会議かいぎのなかで、金きむ日成いるそんは「東京とうきょうを火ひの海うみにするのがわれわれの任務にんむ」であると語かたった[38]。これは、ソビエト連邦れんぽう指導しどう部ぶのなかでもレオニード・ブレジネフが北朝鮮きたちょうせんに攻撃こうげき兵器へいきを渡わたすことに消極しょうきょく的てきであったのに対たいし、ユーリ・アンドロポフは第だい三さん次じ世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつをも辞じさない決意けついを北朝鮮きたちょうせんに対たいし秘密ひみつ電報でんぽうで伝つたえてきたことを受うけてのものであった[38]。これに鼓舞こぶされた金きむ日成いるそんは、韓国かんこくの後方こうほう基地きちにあたり、スパイ罪ざいをもたない日本にっぽんを軍事ぐんじ的てきに叩はたき、通常つうじょう兵器へいきで軍事ぐんじ的てき優位ゆういに立たつ韓国かんこくを赤化せっかしようと試こころみた[38]。

1985年ねん12月、北朝鮮きたちょうせんは核かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやく（NPT）に加盟かめい。

1987年ねん11月29日にちに起おきた「大韓航空だいかんこうくう機き爆破ばくは事件じけん」は犯人はんにんの一人ひとりとされる金賢姫きむひょんひ（キム・ヒョンヒ）の自白じはくによって北朝鮮きたちょうせんによる犯行はんこうであるとされ、世界せかい各国かっこくから北朝鮮きたちょうせんという国くにに対たいする厳きびしい批判ひはんが強つよまった。

1991年ねん4月がつ19日にちには毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ訪朝ほうちょう団だんへのインタビューに応おうじた[39][40][41][42]。

1991年ねん9月17日にちには韓国かんこくと共ともに、国際こくさい連合れんごうに同時どうじ加盟かめいする。

1991年ねん10月5日にちに生涯しょうがい最後さいごの外遊がいゆうである中国ちゅうごく訪問ほうもん[43][44]で鄧小平ひらたから改革かいかく開放かいほうを迫せまられて帰国きこく後ごの会議かいぎで羅ら津つ・先鋒せんぽう経済けいざい貿易ぼうえき地帯ちたいの設置せっちを決定けっていする[45]。

1991年ねん12月6日にち、咸鏡南道みなみどうの興南こうなん（フンナム）のマジョン公館こうかんで、韓国かんこく政府せいふの許可きょかなしに同年どうねん11月30日にちから中国ちゅうごく政府せいふが手配てはい[46]した北京ぺきん首都しゅと国際こくさい空港くうこう経由けいゆで電撃でんげき訪朝ほうちょうしていた統一教会とういつきょうかい（統一とういつ協会きょうかい、世界せかい基督教きりすときょう統一とういつ神霊しんれい協会きょうかい）の教祖きょうそ文ぶん鮮明せんめいと会談かいだん[47][48][49][50][51]。金きむ日成いるそんをサタンの代表だいひょうとして非難ひなんし、共産きょうさん主義しゅぎを神かみの敵てきとして、その打倒だとうに力ちからを入いれてきたことで有名ゆうめいな人物じんぶつであるために世界せかいを驚おどろかせた（ただし、当時とうじの統一教会とういつきょうかいは韓国かんこく大統領だいとうりょう盧の泰愚てうの北方ほっぽう外交がいこうに呼応こおうして中国ちゅうごくなど共産きょうさん圏けんで事業じぎょうを手掛てがけており、北朝鮮きたちょうせんとの接触せっしょくもその人脈じんみゃくから始はじまっている[52]）。文ぶん鮮明せんめいはこの訪朝ほうちょうについてソ連それん東欧とうおうへの「神かみ主義しゅぎ」「頭あたま翼つばさ思想しそう」の布教ふきょうや中国ちゅうごくでのパンダ自動車じどうしゃ事業じぎょうを例れいに出だして「私わたしの勝かち共ども思想しそうは共産きょうさん主義しゅぎを殺ころす思想しそうではなく、彼かれらを生いかす思想しそう、すなわち人類じんるい救済きゅうさいの思想しそう」[53][54]とする声明せいめい文ぶんを出だした。会談かいだんでは離散りさん家族かぞく再会さいかいに取とり組くむこと、核かく査察ささつを受うけること、自由じゆう陣営じんえい国家こっかからの投資とうしを受うけ入いれること、軍需ぐんじゅ産業さんぎょうを除外じょがいした経済けいざい事業じぎょうに統一とういつグループが参与さんよすること、南北なんぼく頂上ちょうじょう会談かいだんを行おこなうこと、金剛山こんごうざん開発かいはつの実地じっちなどについて合意ごういした。文ぶん鮮明せんめいから35億おくドル（約やく4400億おく円えん）もの支援しえんを約束やくそくされ、経済けいざい的てきな窮地きゅうちを救すくわれる。

1992年ねん1月がつ30日にちに北朝鮮きたちょうせん政府せいふは国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん（IAEA）の核かく査察ささつ協定きょうていに調印ちょういんしたが[55]、早はやくも翌年よくねん3月がつには核かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやく（NPT）を脱退だったいし[56][57][58][59]、1994年ねん4月がつ16日にちに金きむ日成いるそんは西側にしがわメディアのインタビューで核かく開発かいはつを否定ひていするも[60][61][62][63][64][65][66]、1994年ねん6月がつにはIAEAまで脱退だったいして査察ささつ拒否きょひを表明ひょうめいしたため、核かく開発かいはつ疑惑ぎわくが強つよまった[67][68]。これに危機きき感かんを覚おぼえたアメリカは同年どうねん6月がつ、元もと大統領だいとうりょうジミー・カーターを特使とくしとして北朝鮮きたちょうせんへ派遣はけんする。カーターとの会談かいだんで金きむ日成いるそんは韓国かんこく大統領だいとうりょう金きむ泳三よんさむとの南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだん実施じっしの提案ていあんを受うけ入いれた[69][70]。

後継こうけい者しゃ問題もんだい

編集へんしゅう

経過けいかは不明ふめいながらも、結果けっかとして長男ちょうなんの金きむ正日じょんいるが党とう最高さいこう幹部かんぶの同意どういを得えて後継こうけい者しゃに指名しめいされた。後継こうけい者しゃ指名しめいは秘密裏ひみつりに行おこなわれ、後継こうけい者しゃが選定せんていされたことも長ながらく明あきらかにされなかった。しかし、公式こうしきに明あきらかにされる前まえから、新あらたな「単一たんいつの指導しどう者しゃ」が選定せんていされたことはいくつかのルートで確認かくにんされるに至いたった。金きむ日成いるそんおよび北朝鮮きたちょうせん指導しどう部ぶはスターリン型がたの「単一たんいつの指導しどう者しゃ」が金きむ日成いるそんの死後しごも必要ひつようだと考かんがえていたと見みられている。北朝鮮きたちょうせん指導しどう部ぶは、金きむ裕ひろし民みん『後継こうけい者しゃ論ろん』（虚偽きょぎの出版しゅっぱん元もとが記載きさいされている）において、民族みんぞくには首領しゅりょう（すなわち「単一たんいつの指導しどう者しゃ」）が必要ひつようであるという立場たちばからソ連それんと中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの経験けいけんを失敗しっぱい例れいとして挙あげるなど、同盟どうめい国こくを非難ひなんしてまで早期そうきに後継こうけい者しゃを選定せんていし育成いくせいする必要ひつようを説といていた。

金きむ日成いるそんの首くびの後うしろには1958年ねん時点じてんからコブがあり[71]、しかも徐々じょじょに大おおきくなっていたため健康けんこうを心配しんぱいする声こえも上あがっていた。金きむ日成いるそんが59歳さいとまだ若わかかった1971年ねん時点じてんで、金きむ正日じょんいるが後継こうけい者しゃに指名しめいされた[72]。北朝鮮きたちょうせん指導しどう部ぶは現在げんざいに至いたるまで一いち度どとして「子息しそくであるから」という論法ろんぽうで金きむ正日じょんいる後継こうけいを正当せいとう化かしたことはない。「子息しそくであるから」という表現ひょうげんさえ人民じんみんに示しめしたことがない。

後継こうけい者しゃ選定せんていについては

  1. 継続けいぞく革命かくめいが必要ひつようであるように首領しゅりょうには後継こうけい者しゃが必要ひつようだ
  2. 後継こうけい者しゃには最もっとも優秀ゆうしゅうな人物じんぶつが就つかなければならない
  3. 後継こうけい者しゃには最もっとも首領しゅりょうに忠実ちゅうじつな人物じんぶつが就つかなければならない

というプロパガンダを徐々じょじょに強つよめるばかりだった。金きむ正日じょんいるについても、あくまで上記じょうき3点てんを満みたす人物じんぶつとして挙あげるのみであり、「国内こくないで、最もっとも優秀ゆうしゅうで最もっとも忠誠ちゅうせい心しんに厚あつい」という理由りゆうで選えらばれたことを強調きょうちょうしつづけた。

このプロパガンダのあり方かたは、世襲せしゅうそのものを人民じんみんに対たいして正当せいとう化かすることは難むずかしいと北朝鮮きたちょうせん指導しどう部ぶが認識にんしきしていたことを物語ものがたると見みる論者ろんしゃがいる。

金きむ正日じょんいる後継こうけいが、早期そうき選定せんていの必要ひつようから支配しはい幹部かんぶの合意ごういによって決きまったことなのか、世襲せしゅうを目的もくてきにして幹部かんぶの統制とうせいと粛清しゅくせいが行おこなわれたのかについては、意見いけんが分わかれている。しかし、現状げんじょうではこの論争ろんそうを決定けってい付つける情報じょうほうを入手にゅうしゅ出来できない。

また、三さん代だいの世襲せしゅうも目的もくてきにしていたかは定さだかではないが、金きむ日成いるそんは金きむ正日じょんいると成なり蕙琳の結婚けっこんに反対はんたいしたものの、後のちに娘むすめと娘むすめ婿むこである金敬姫きんけいひ・張ちょう成沢なりさわ夫妻ふさいのとりなしを受うけて、初孫はつまごである金正男キムジョンナムを可愛かわいがり[73]、1994年ねんに訪朝ほうちょうした元もとアメリカ大統領だいとうりょうジミー・カーターにも「自分じぶんが一番いちばん愛あいする孫まご」と金正男キムジョンナムを紹介しょうかいしている[73][74]。また、金きむ正日じょんいると後妻ごさいの高こう英えい姫ひめの結婚けっこんにも反対はんたい[75][76]し、その子この金きむ正ただし恩おんや金きむ正ただし哲あきらが、平壌ぴょんやんから離はなれた元山もとやまで生活せいかつさせられ、金敬姫きんけいひ・張ちょう成沢なりさわ夫妻ふさいによって面会めんかい[77]も認みとめられなかったのとは対照たいしょう的てきに、誕生たんじょう日びを金きむ日成いるそんによって直接ちょくせつ祝いわわれた金正男キムジョンナムは、謂いわば金きむ日成いるそん・金きむ正日じょんいると同おなじ長子ちょうしであるがゆえに、金きむ正日じょんいるの後継こうけい者しゃとなりうる「皇太子こうたいし」の地位ちいが確定かくていしたと、当時とうじの側近そっきん達たちは看做みなしていた[78]。

死去しきょ

編集へんしゅう
詳細しょうさいは「金きむ日成いるそんの死し（英語えいご版ばん、中国語ちゅうごくご版ばん、スペイン語ご版ばん）」を参照さんしょう
 
金きむ日成いるそんと金きむ正日じょんいるの遺体いたいが安置あんちされている錦繍きんしゅう山やま太陽たいよう宮殿きゅうでん

金きむ日成いるそんは1994年ねん7月がつ8日にち午前ごぜん2時じに平安へいあん北道ほくどう香山こうざん郡ぐん香山かやま官邸かんてい（北緯ほくい39度ど58分ふん19秒びょう 東経とうけい126度ど19分ふん17秒びょう / 北緯ほくい39.97194度ど 東経とうけい126.32139度ど / 39.97194; 126.32139）[1]で死去しきょした。死亡しぼう時じには首くびの後うしろにあったコブが野球やきゅうボール大だいにまで大おおきくなっていた[79]。北朝鮮きたちょうせん政府せいふの公式こうしき発表はっぴょうでは香山かやま官邸かんていではなく、平壌ぴょんやんの錦繍きんしゅう山やま議事堂ぎじどうで死去しきょしたことになっている。

死去しきょの数日すうじつ前まえから金きむ日成いるそんへの独占どくせんインタビューの為ため、日本人にっぽんじんジャーナリストの中丸なかまる薫かおるが北朝鮮きたちょうせんへ入国にゅうこくしている[80][81][82][83]。どこから調しらべたのか、入国にゅうこくしてからは宿泊しゅくはくしていた高麗こうらいホテルの電話でんわが各国かっこくのメディア取材しゅざいから鳴なり止やまなかったという。労働党ろうどうとう幹部かんぶとの調整ちょうせいで金きむ日成いるそんの独占どくせんインタビューを7月がつ11日にちに許可きょかされていた。ところが7月がつ7日にちになってインタビューの延期えんきを示唆しさし始はじめたという。レストランでの支払しはらい時じに女性じょせい店員てんいんが泣なきながら対応たいおうした為ために異変いへんに気きづいたという[84]。

北朝鮮きたちょうせん政府せいふは翌日よくじつの7月がつ9日にち正午しょうごに朝鮮ちょうせん中央ちゅうおう放送ほうそうの「特別とくべつ放送ほうそう」で公式こうしき発表はっぴょうを行おこない、死因しいんは執務しつむ中ちゅうの過労かろうによる心筋梗塞しんきんこうそくと報ほうじた[85][86][87][88][89][90][91][92][93][94][95][96][97][98]。金きむ日成いるそんは長ながく心臓しんぞう病びょうを患わずらっており、さらに82歳さいと高齢こうれいであったことからも一般いっぱんに病死びょうしは事実じじつと見みられている。

2000年ねんの南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんで、息子むすこの金きむ正日じょんいるは、晩年ばんねんの金きむ日成いるそんが、ソ連それんのクレムリン病院びょういんのペースメーカーを付つけていたと述のべた。ペースメーカーを付つければ、血液けつえきの凝集ぎょうしゅう現象げんしょうが現あらわれ、急死きゅうしの原因げんいんとなる。そのため、西側にしがわ諸国しょこくや中国ちゅうごくではアスピリンを服用ふくようすることが多おおいが、ソ連それんからはそのような説明せつめいは受うけず、「魚さかなを食たべるのがいい」といった従来じゅうらいの常識じょうしきに従したがっていたのが間違まちがいだったと述のべた[99]。

1994年ねんには、息子むすこの金きむ正日じょんいるが病気びょうき治療ちりょう中ちゅうであったため死亡しぼうまでの間あいだ、様々さまざまな課題かだいの解決かいけつに向むけて金きむ日成いるそんは自みずから精力せいりょく的てきな陣頭じんとう指揮しきに当あたることになる。内政ないせいでは低迷ていめいが続つづく経済けいざいを復活ふっかつさせるための農業のうぎょう指導しどうと先鋒せんぽう開発かいはつ。外交がいこう面めんでは一触即発いっしょくそくはつともいわれたアメリカとの関係かんけいを改善かいぜんするために、大統領だいとうりょうビル・クリントンの密命みつめいを帯おびた元もと大統領だいとうりょうジミー・カーターの招朝実現じつげんと直接ちょくせつ交渉こうしょうによる局面きょくめん打開だかいが課題かだいであった。一点いってんを掴つかめば問題もんだいの核心かくしんとその解法かいほうが掴つかめるという彼かれ特有とくゆうの「円えん環たまきの理論りろん」に基もとづく賭かけでもあったが、交渉こうしょうの結果けっか「米べい朝ちょう枠組わくぐみ合意ごうい」を結むすぶことで決着けっちゃく。さらには当時とうじの韓国かんこく大統領だいとうりょう金きむ泳三よんさむとの間あいだで開催かいさいされることが決きまっていた初はつの南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんの話題わだいが持もち上あがっており、彼かれの突然とつぜんの死しは世界せかいに衝撃しょうげきを与あたえた。

死去しきょ2日にち前まえの7月がつ6日にちにも経済けいざい活動かつどう家か協議きょうぎ会かいを召集しょうしゅう。農業のうぎょう第だい一いち主義しゅぎ・貿易ぼうえき第だい一いち主義しゅぎ・軽工業けいこうぎょう第だい一いち主義しゅぎを改あらためて提起ていき。セメント生産せいさんが成否せいひを握にぎると叱咤しったした上うえで[100][101]、党とう官僚かんりょうの形式けいしき主義しゅぎを声こえを荒あらげて非難ひなんしながら、やめていたはずの煙草たばこを喫煙きつえんした後のちに寝室しんしつに入はいったとの情報じょうほうがある[102]。

このため一部いちぶの北朝鮮きたちょうせんウォッチャーからは、金きむ正日じょんいるとの対立たいりつや暗殺あんさつを疑うたがう声こえが上あがった。しかし米べい朝ちょう間あいだの緊張きんちょうが最さい高度こうどに達たっした直後ちょくごに米べい朝ちょう枠組わくぐみ合意ごういに決定的けっていてきな役割やくわりを果はたした金きむ日成いるそんを失うしなうことは北朝鮮きたちょうせんの政治せいじ体制たいせいにとっても金きむ正日じょんいるにとっても不利益ふりえきでしかないため、暗殺あんさつ説せつには根拠こんきょがほとんどない。また韓国かんこくの中央日報ちゅうおうにっぽうが「南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんに関かんし金きむ正日じょんいると口論こうろんになり、その場ばで心臓しんぞう発作ほっさを起おこした」と報ほうじたことに関かんし北朝鮮きたちょうせんは激はげしく抗議こうぎした。なお、同日どうじつに金きむ正日じょんいるが金きむ日成いるそんに会あっていないことは主席しゅせき府ふ（錦繍きんしゅう山やま議事堂ぎじどう）責任せきにん書記しょき・全ぜん河かわ哲あきらが残のこしていた記録きろくの上うえからも明あきらかである。

葬儀そうぎは国葬こくそうとして金きむ正日じょんいる主導しゅどうのもと7月がつ11日にちに首都しゅと平壌ぴょんやんで執とり行おこなわれた。当日とうじつは北朝鮮きたちょうせん全土ぜんどから大勢おおぜいの国民こくみんが集あつまり、朝鮮ちょうせん中央ちゅうおうテレビでは人々ひとびとが万まん寿ことぶき台だいに集あつまり一斉いっせいに地面じめんを叩はたきながら泣なき崩くずれている様子ようすが報ほうじられた[103][104]。その後ご遺体いたいはエンバーミングが施ほどこされ、錦繍きんしゅう山やま議事堂ぎじどう（主席しゅせき宮殿きゅうでん）を改築かいちくした錦繍きんしゅう山やま太陽たいよう宮殿きゅうでんに安置あんちされた。

北朝鮮きたちょうせん政府せいふは国家こっかとして「三さん年ねんの喪もに服ふくす」と宣言せんげんした[105]。

1998年ねん9月5日にちに行おこなわれた憲法けんぽう改正かいせいによって「永久えいきゅう国家こっか主席しゅせき（英語えいご版ばん）」（en:Eternal leaders of North Korea）に任にんじられる[注ちゅう 8]。

神格しんかく化かとその変化へんか

編集へんしゅう

北朝鮮きたちょうせんにおいては「偉大いだいなる首領しゅりょう様さま」などの尊称そんしょうの下したに神格しんかく化かされ、個人こじん崇拝すうはいされてきた[106]。その一いち例れいとして金きむ日成いるそんによる抗日こうにちパルチザン時代じだいの活動かつどうについて北朝鮮きたちょうせんでは学生がくせい用よう・人民じんみん用よう教材きょうざいにおいて「縮ちぢみ地ち法ほうを使つかい、落おち葉ばに乗のって大おおきな川かわを渡わたり、松まつぼっくりで銃弾じゅうだんを作つくり、砂すなで米こめを作つくった」といった記述きじゅつが行おこなわれていた[107]。

しかし、2019年ねん頃ごろから変化へんかが指摘してきされており、労働ろうどう新聞しんぶんの2019年ねん3月がつの記事きじは孫まごの金きむ正ただし恩おんが書簡しょかんで「もし偉大いだいさを強調きょうちょうするなどといって、首領しゅりょう（最高さいこう指導しどう者しゃ）の革命かくめい活動かつどうや風貌ふうぼうを神格しんかく化かすれば、真実しんじつを隠かくすことにつながる」との考かんがえを表あらわしたことを伝つたえた[107][108]。2020年ねん5月がつ20日にち付づけの労働ろうどう新聞しんぶんも「縮ちぢみ地ち法ほうの秘訣ひけつ」と題だいした記事きじで抗日こうにちパルチザン時代じだいの縮ちぢみ地ち法ほうについて霊的れいてきな技術ぎじゅつを言いったものではないとして金きむ日成いるそん・金きむ正日じょんいる時代じだいの解釈かいしゃくとは異ことなる見解けんかいを伝つたえた[107]。北朝鮮きたちょうせんのメディアが最高さいこう指導しどう者しゃに独断どくだんで言及げんきゅうすることは考かんがえられないことから、金きむ正ただし恩おんの意向いこうが反映はんえいされているとみられている[108]。

人物じんぶつ像ぞう

編集へんしゅう

抗日こうにちの闘士とうしとして勇名ゆうめいを馳はせたが、たとえ日本人にっぽんじんであっても個人こじんとして信頼しんらいを置おく人物じんぶつに対たいしては友情ゆうじょうを示しめし、もし同胞どうほうであったならば決けっして許ゆるされないような言動げんどうに対たいしても寛容かんような態度たいどで対応たいおうすることもあった。[要よう出典しゅってん]

金きむ日成いるそんは終戦しゅうせん後ごも残留ざんりゅうしていた二人ふたりの日本人にっぽんじん女性じょせいを家政かせい婦ふとして雇やとっていた。将来しょうらい日本にっぽんが共産きょうさん主義しゅぎになることを心配しんぱいしていた二人ふたりに彼かれは共産きょうさん主義しゅぎの優位ゆうい性せいを説といて聞きかせた。それにもかかわらず彼女かのじょたちが「天皇陛下てんのうへいかのほうが好すき」と正直しょうじきに答こたえたので、説得せっとくすることを諦あきらめ笑わらって受うけ流ながしたエピソードが伝つたえられる[109][110]。同様どうようのエピソードは息子むすこの金きむ正日じょんいるが料理人りょうりにんに日本人にっぽんじんの藤本ふじもと健二けんじを雇やとい、家族かぞく的てきな付つき合あいをした例れいがある。

評価ひょうか

編集へんしゅう

李り栄さかえ薫かおるは、「中国共産党ちゅうごくきょうさんとう傘下さんかの抗日こうにち聯れん軍ぐんに中隊ちゅうたい長ちょうクラスの位くらいで所属しょぞくしていた金きむ日成いるそんと、彼かれの部下ぶか50名めい余あまりは、関東軍かんとうぐんの追撃ついげきを受うけて1941年ねんには沿海州えんかいしゅうのソ連それん領りょうに逃にげ込こみ、同地どうちで1945年ねんの解放かいほう時じまで過すごしていました」「戦争せんそうが終結しゅうけつする少すこし前まえ、スターリンは沿海州えんかいしゅうにいた金きむ日成いるそんをモスクワに呼よび、彼かれがこれからさき朝鮮ちょうせん北部ほくぶに作つくる自分じぶんの代理だいり政府せいふの責任せきにん者しゃとして適格てきかくであるかどうかをテストします。そしてスターリンは金きむ日成いるそんに満足まんぞくしたようです。これにともない金きむ日成いるそんはソ連それん軍ぐんの船ふねに乗のり、解放かいほうから1カ月かげつ後ごに元山もとやま港こうに帰かえってきました」と説明せつめいしたうえで、北朝鮮きたちょうせんの歴史れきし書しょ『現代げんだい朝鮮ちょうせん歴史れきし』（1983年ねん）が「朝鮮ちょうせんの解放かいほうは金きむ日成いるそんが組織そしきし領りょう導しるべした栄光えいこうの抗日こうにち武装ぶそう闘争とうそうの勝利しょうりがもたらした偉大いだいな結実けつじつだった」と記述きじゅつしていることを「真まっ赤かなウソ」「深刻しんこくな捏造ねつぞう」「偽善ぎぜんの知性ちせい」として、北朝鮮きたちょうせんの歴史れきし書しょが歴然れきぜんたる事実じじつを国民こくみんを欺あざむいているのは、北朝鮮きたちょうせん社会しゃかいに思想しそう・学問がくもんの自由じゆうがなく、偽善ぎぜんの専制せんせい権力けんりょくが君臨くんりんしているから、と批判ひはんしている[111]。

訪朝ほうちょう経験けいけんのある元もとアメリカ大統領だいとうりょうジミー・カーターは2009年ねん11月、タイの新聞しんぶんとの会見かいけんで金きむ日成いるそんを「大変たいへん聡明そうめいで鋭利えいりな人物じんぶつであった」と評ひょうしている。

脱だつ北きたした黄き長ちょう燁元もと朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう書記しょきはフリージャーナリスト・山本やまもと皓あきら一いちとのインタビューにおいて「金きむ日成いるそんは自分じぶんの経歴けいれきを美化びかするなど俗物ぞくぶつ的てきな所ところはあったが、抗日こうにちパルチザン闘争とうそうなどで苦労くろうした経験けいけんがあり人民じんみんの痛いたみもある程度ていどわかっていた。ともかくも国民こくみんを飢うえ死じににはさせなかった。現在げんざいの非ひ民主みんしゅ主義しゅぎ的てきな体制たいせいを造つくり上あげたのは金きむ日成いるそんではなく金きむ正日じょんいるである」と証言しょうげんしている。また、黄き長ちょう燁は金きむ日成いるそんは中国ちゅうごく式しきの改革かいかく開放かいほうに肯定こうてい的てきな柔軟じゅうなんさを持もっていたが、金きむ正日じょんいるは自己じこ保身ほしんを優先ゆうせんして苦難くなんの行軍こうぐんを引ひき起おこして経済けいざいを低迷ていめいさせた責任せきにんがあると証言しょうげんしており[112]、これは他たの記録きろくでも裏付うらづけられている[113][114]。

系譜けいふ

編集へんしゅう

金きむ氏し　本ほん貫ぬきは全ぜん州しゅう金きん氏し。回顧かいこ録ろく『世紀せいきとともに』によると、「金きむ膺禹の10代前まえの先祖せんぞ金きん継つぎ祥さちが、全羅道ぜんらどうから平安へいあん道どうへ移住いじゅうしてきた」という。金きむ膺禹は、「朝鮮ちょうせん平壌ぴょんやん中城なかしろ里さとの出身しゅっしんで、生活苦せいかつくから平壌ぴょんやんの地主じぬし李り平澤ひらさわ家いえの墓守はかもりをするために万まん景けい台だいに帰かえってきた」という。金きむ日成いるそんはその曽そ孫まごにあたる。

膺禹(日成いるそんの曽そ祖父そふ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
輔鉉(日成いるそんの祖父そふ、膺禹の子こ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
亨とおる稷きび（順じゅん川かわ）(日成いるそんの父ちち、輔鉉の子こ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
亨とおる禄ろく(日成いるそんの叔父おじ、輔鉉の子こ)
 
亨とおる権けん(日成いるそんの叔父おじ、輔鉉の子こ)
 
(女性じょせい)(日成いるそんの叔母おば、輔鉉の子こ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
成なり柱ばしら（日成いるそん）
 
哲あきら柱ばしら（日成いるそんの弟おとうと）
 
英えい柱ばしら（日成いるそんの弟おとうと）
 
永えい柱はしら（日成いるそんのいとこ、亨とおる禄ろくの子こ）
 
元もと柱はしら（日成いるそんのいとこ、亨とおる禄ろくの子こ）
 
昌あきら柱ばしら（日成いるそんのいとこ、亨とおる禄ろくの子こ）
 
(女性じょせい)（日成いるそんのいとこ、亨とおる禄ろくの子こ）
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正一しょういち（正日じょんいる）(日成いるそんの子こ)
 
萬一まんいち(日成いるそんの子こ)
 
成なり一いち(日成いるそんの子こ)
 
平一へいいち(日成いるそんの子こ)
 
英一ひでかず(日成いるそんの子こ)
 
清一せいいち(日成いるそんの子こ)
 
(女性じょせい)(日成いるそんの子こ)
 
(女性じょせい)(日成いるそんの子こ)
 
(女性じょせい)(日成いるそんの子こ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正男まさお（日成いるそんの孫まご、正日じょんいるの子こ）
 
正せい哲あきら（日成いるそんの孫まご、正日じょんいるの子こ）
 
正せい恩おん（日成いるそんの孫まご、正日じょんいるの子こ）
 
仁じん剛つよし（日成いるそんの孫まご、平一へいいちの子こ）
 
成なり剛つよし（日成いるそんの孫まご、英一ひでかずの子こ）
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

家族かぞく

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主おもな著書ちょしょ

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別人べつじん説せつ

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詳細しょうさいは「金きむ日成いるそんの身元みもとをめぐる論争ろんそう（朝鮮ちょうせん語ご版ばん）」を参照さんしょう

日本にっぽん統治とうち下かの朝鮮半島ちょうせんはんとうにおいて、抗日こうにち独立どくりつ運動うんどうに挺身ていしんする「キム・イルソン将軍しょうぐん」の伝説でんせつがあったことには、多おおくの証言しょうげんがある。キム・イルソン将軍しょうぐんについて巷ちまたでは、「日本にっぽん陸軍りくぐん士官しかん学校がっこうを出でている」「義兵ぎへい闘争とうそうのころから1920年代ねんだいまで活躍かつやくした」「縮ちぢみ地ちの法ほうを使つかい、白馬はくばに乗のって野山のやまを駆かけた」「白頭山はくとうさんを根城ねじろにして日本にっぽん軍ぐんと戦たたかった」などと言いわれていた[118]。2016年ねん10月、金きむ日成いるそんとされた「金きむ顕あらわ忠ちゅう」が旧きゅう大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう出身しゅっしんだったことが判わかる卒業生そつぎょうせい名簿めいぼが発見はっけん・公表こうひょうされた[119]。抗日こうにち運動うんどうでは「金きむ光瑞こうずい」などと名乗なのったとされる。

金きむ日成いるそんが初はじめて北朝鮮きたちょうせんの民衆みんしゅうの前まえに姿すがたを現あらわしたとき、「若わかすぎる」「朝鮮ちょうせん語ごがたどたどしい」という声こえがあがった[120]。南朝鮮みなみちょうせんを信託しんたく統治とうちしていたアメリカ軍ぐんは、1948年ねん8月がつ1日にちに作成さくせいした資料しりょうで、金成かねなり柱ばしらが抗日こうにち闘士とうしとして名なを挙あげた「金きむ日成いるそん」の名なを騙かたっているとしている[121]。金成かねなり柱ばしらが伝説でんせつを利用りようして「金きむ日成いるそん」と名乗なのっただろうということについては、『金きむ日成いるそんと満州まんしゅう抗日こうにち戦争せんそう』において、別人べつじん説せつを否定ひていした和田わだ春樹はるきも認みとめている。別人べつじん説せつは、金きむ日成いるそんが伝説でんせつを剽窃ひょうせつしたことによって出でてきたものであり、伝説でんせつのモデルが実在じつざいする可能かのう性せいは高たかい。伝説でんせつのモデルについての探索たんさくと、金きむ日成いるそんのパルチザン活動かつどうの実体じったいについては、別個べっこに考かんがえる必要ひつようがある。

キム・イルソン将軍しょうぐんについては、李り命いのち英えいが『金きむ日成いるそんは四よん人にんいた』において述のべている4人にんの人物じんぶつのうち、義兵ぎへい時代じだいから白頭山はくとうさんで活躍かつやくしたという同音どうおんの金きむ一成いっせいと、陸士りくし出身しゅっしんで白馬はくばに乗のって活躍かつやくした金きむ擎天が、生うまれた年としがともに1888年ねん、出身しゅっしん地ちも同おなじ咸鏡南道みなみどうであること、また二に人にんとも1920年代ねんだい後半こうはん以降いこうの消息しょうそくが知しれず謎なぞにつつまれていたことなどから、混同こんどうされて生うまれたものではないか、と佐々木ささき春はる隆たかしは推測すいそくしている[122]。

普天ふてん堡の事件じけんによって、東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐん第だい六ろく師し長ちょうである金きむ日成いるそんの正体しょうたいについて多おおくの伝聞でんぶんが飛とび交かった。彼かれを27歳さいで平壌ぴょんやん近郊きんこう出身しゅっしんとするもの、36歳さいの人物じんぶつだとするもの、陸士りくし卒業生そつぎょうせいだとするものなどである。また、普天ふてん堡襲撃げきに関与かんよした者ものが逮捕たいほされたときの供述きょうじゅつが事前じぜんの情報じょうほうと矛盾むじゅんすることから、普天ふてん堡襲撃げきを行おこなった東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐん第だい六ろく師長もろなが・金きむ日成いるそんと、後のちにソ連それん軍政ぐんせい下かで有力ゆうりょく指導しどう者しゃとして登場とうじょうした金きむ日成いるそんとは別人べつじんではないかと疑うたがわれている[123]。これに対たいする和田わだ春樹はるきなどによる反論はんろんもある[注ちゅう 9]。

諱いみなは初はじめ聖ひじり柱ばしらのち成なり柱ばしらと改あらためる。父ちち亨とおる稷きびは順じゅん川がわと号ごうし、鴨かも緑みどり江こうの北岸ほくがんで「順じゅん川かわ医院いいん」という漢方薬かんぽうやく商しょうを営いとなみ、アヘンの密売みつばいなどで一時いちじは裕福ゆうふくだったが、1926年ねん6月がつ5日にち共産きょうさん主義しゅぎ者しゃの朝鮮ちょうせん人じんに暗殺あんさつされたという。その後ご母ははは中国人ちゅうごくじんの警察けいさつ隊たい隊長たいちょうの妾わらわになる。のちに中国共産党ちゅうごくきょうさんとう系けいの馬賊ばぞくの一員いちいんとなり、一星いちぼし（イルソン）を名乗なのる。ソ連それん軍ぐんに担かつがれて北朝鮮きたちょうせん入いりする際さいに、伝説でんせつの英雄えいゆう金きむ日成いるそんの名なをそのまま借用しゃくようした。本物ほんものの金きむ日成いるそんは、1937年ねん9月がつに日にち満まんの警察けいさつ隊たいと交戦こうせんし射殺しゃさつされる[124]。

元もと抗日こうにちパルチザンの多おおくが、現在げんざいの金きむ日成いるそんは別人べつじんだと生前せいぜん証言しょうげんしたという話はなしもある。抗日こうにちパルチザンで名なを知しられた金きむ日成いるそんは1900年代ねんだい初頭しょとうに活動かつどうした人ひとで、現在げんざいの金きむ日成いるそんが生うまれた1912年ねんには、成人せいじんを過すぎていたとされるものである[125]。

また、金きむ日成いるそんが朝鮮ちょうせん戦争せんそう中ちゅうに連合れんごう軍ぐん側がわに狙撃そげきされ戦死せんしした、若もしくは事故死じこししたという説せつが朝鮮ちょうせん戦争せんそう中ちゅうの韓国かんこくで広ひろまった。しかし、この時期じきは金きむ日成いるそんが一族いちぞくを伴ともなって、中国ちゅうごく領りょうの吉林きつりんに逃にげ込こんだという話はなしがある。そのため、息子むすこで後のちに朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうの総そう書記しょきとなる金きむ正日じょんいるは吉林きつりんの小学校しょうがっこうに通かよっていたとされている。[要よう出典しゅってん]

登場とうじょうする作品さくひん

編集へんしゅう
テレビドラマ
  • 『第だい1共和きょうわ国こく』（1981年ねん、MBC - クク・チョンファン）
  • 『黎明れいめいのその日ひ』（1990年ねん、 KBS - チョン・グァンリョル）
  • 『第だい4共和きょうわ国こく』（1995年ねん、MBC - チュ・ヒョン）
  • 『ソウル1945』（2006年ねん、 KBS - パク・チョルホ）
  • 『大韓民国だいかんみんこく政治せいじ秘史ひし』（2013年ねん、 MBN - キム・ヨンイン）
映画えいが

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 1980年ねんの第だい6回かい党とう大会たいかいで選出せんしゅつ。
  2. ^ 北朝鮮きたちょうせんの公式こうしき文献ぶんけんでは両親りょうしんの信仰しんこうについては特とくに触ふれられていないが、康かん敦あつし煜が使徒しと「ペテロ」の名なに因ちなみ女性じょせいの名なとしては珍めずらしい「盤石ばんじゃく」という名なを娘むすめに付つけた逸話いつわは良よく知しられている。
  3. ^ 長ながらく北朝鮮きたちょうせんの公式こうしきプロパガンダでは金きむ日成いるそんが指揮しきした部隊ぶたいは「朝鮮ちょうせん人民じんみん革命かくめい軍ぐん」であったとされ、東北とうほく人民じんみん革命かくめい軍ぐん、東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんという名称めいしょうや中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの指導しどうには言及げんきゅうされていなかった。但ただし1958年ねんに書かかれた李り羅ら英すぐる「朝鮮ちょうせん民族みんぞく解放かいほう闘争とうそう史し」では金きむ日成いるそんが中国共産党ちゅうごくきょうさんとうに入党にゅうとうしたことを仄ほのめかしている。金きむ日成いるそんは最さい晩年ばんねんに執筆しっぴつした回顧かいこ録ろく『世紀せいきとともに』（未完みかん）において、中国共産党ちゅうごくきょうさんとう指導しどう下かの東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐんに在籍ざいせきしていたことを率直そっちょくに吐露とろしている。またそこでは、李り立たて三さんの下したで極左きょくさ路線ろせんに流ながれた中国ちゅうごく指導しどう部ぶとの間あいだに路線ろせん上じょう、民族みんぞく上じょうの葛藤かっとうがあったことも記しるしている。
  4. ^ 1933年ねんから「反はん民生みんせい団だん闘争とうそう」が始はじまったことによって400名めい余あまりの朝鮮ちょうせん人じんが粛清しゅくせいされ、抗日こうにち闘争とうそうの継続けいぞくに大おおきな障害しょうがいをもたらしたとされている。
  5. ^ 但ただし、北朝鮮きたちょうせんの公式こうしき文献ぶんけんでは40年代ねんだいに金きむ日成いるそんらがソ連それん領内りょうないに退却たいきゃくしていたことについて触ふれておらず、金きむ日成いるそんの息子むすこである金きむ正日じょんいるも、ハバロフスク近郊きんこうのヴャツコエやウラジオストク近郊きんこうのオケアンスカヤではなく白頭山はくとうさんで生うまれたことになっている。
  6. ^ 次男じなんシューラは1947年ねんに事故死じこししている。
  7. ^ 参考さんこうとして朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう初代しょだい政治せいじ委員いいんの名簿めいぼを以下いかに掲かかげる。金きむ日成いるそん以外いがいの政治せいじ委員いいんが排除はいじょされていったことが見みてとれるだろう。
  8. ^ 他国たこくにおける同様どうようの地位ちいとしては、中華民国ちゅうかみんこくによる孫まご文ぶんの“中国ちゅうごく国民党こくみんとう総理そうり”と蒋介石しょうかいせきの“中国ちゅうごく国民党こくみんとう永久えいきゅう総裁そうさい”がある。国民党こくみんとうの党首とうしゅは「主席しゅせき」
  9. ^ 後のちに朴ほお金きん喆、朴ぼく達いたるらが恵山えさん事件じけんにより逮捕たいほされ、彼かれらから金きむ日成いるそんは普天ふてん堡襲撃げき当時とうじ36歳さいの人物じんぶつだと言いう供述きょうじゅつが引ひき出だされた。しかし、満まん洲しゅう国こくの朝鮮ちょうせん人じん治安ちあん関係かんけい者しゃは金きむ日成いるそんは事件じけん当時とうじ27歳さい平壌ぴょんやん近郊きんこうの平安へいあん南道みなみどう大同だいどう郡ぐん古平ふるびら面めん南里なんり出身しゅっしんの人物じんぶつで、既すでに日にち満まん側がわに帰順きじゅんしていた金英柱きむよんちゅうの実兄じっけいであるといった情報じょうほうを集あつめ、金きむ日成いるそんの祖母そぼや金英柱きむよんちゅうを連つれて来きて投降とうこうを呼よびかけている。その後ごの朝鮮ちょうせん総督そうとく府ふの記録きろくでも、「金きむ日成いるそんの身許みもとに付づけては種々しゅじゅの説せつがあるが本名ほんみょう金成かねなり柱ばしら当とう二に十じゅう九年平安南道大同郡古坪面（原文げんぶんママ）南里なんりの出身しゅっしん」（思想しそう彙報いほう20号ごう（1939年ねん9月がつ））と記しるされている。こうした事情じじょうから、普天ふてん堡襲撃げきを行おこなった東北とうほく抗日こうにち聯れん軍ぐん第だい六ろく師長もろながと、後のちに北朝鮮きたちょうせん政府せいふ首班しゅはんとして登場とうじょうした金きむ日成いるそんとは別人べつじんではないかと疑うたがう意見いけんが出でた。李り命いのち英えいは聴きき取とり調査ちょうさなどに基もとづいて金きむ日成いるそん複数ふくすう説せつを提起ていきした。しかし、抗日こうにち運動うんどう家かに関かんする記述きじゅつに齟齬そごがあるのは珍めずらしいことではなく、結局けっきょくは朝鮮ちょうせん総督そうとく府ふがその他たの情報じょうほう・供述きょうじゅつを排はいして「本名ほんみょう金成かねなり柱ばしら当とう二に十じゅう九きゅう年ねん」としていることなど、李り命いのち英えいの日本にっぽんに保存ほぞんされていた資料しりょうの読よみ落おとしが指摘してきされ、両者りょうしゃは同どう一人物いちじんぶつで間違まちがいないという反論はんろん（和田わだ春樹はるきなど）がなされている。

出典しゅってん

編集へんしゅう
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  16. ^ 佐々木ささき春はる隆たかし『朝鮮ちょうせん戦争せんそう前史ぜんしとしての韓国かんこく独立どくりつ運動うんどうの研究けんきゅう』国書刊行会こくしょかんこうかい、昭和しょうわ60年ねん、p.809-810
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  19. ^ 徐じょ大だい粛『金きむ日成いるそん』林はやし茂しげる訳やく、御茶おちゃの水みず書房しょぼう、1992年ねん、47-53頁ぺーじ。金きむ日成いるそん部隊ぶたいの兵力へいりょく補充ほじゅうは、中国人ちゅうごくじん苦力くーりーおよび朝鮮ちょうせん人じん農民のうみんを徴用ちょうようし、村むらや町まちを襲撃しゅうげきするたびに人質ひとじちにとった若者わかものに訓練くんれんを施ほどこしては兵士へいしに仕立したてた。また食料しょくりょうの調達ちょうたつでもっとも一般いっぱん的てきなのは、人質ひとじちをとって富裕ふゆうな朝鮮ちょうせん人じんに金かねを強要きょうようする方法ほうほうだった。求もとめに応おうじない場合ばあいには、人質ひとじちの耳みみを切きり落おとすと脅おどし、それでも応おうじない場合ばあいには首くびをはねるといって人々ひとびとを恐怖きょうふに陥おとしいれた。
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  94. ^ 세계적 특종, KBS 뉴스 신속히 보도 - KBS NEWS（韓国かんこく放送ほうそう公社こうしゃ）（韓国かんこく語ご）（KBSニュース9、1994年ねん7月がつ10日とおか）
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  96. ^ 대한뉴스 제 2018호-김일성 사망 - YouTube - KTV 대한늬우스（韓国かんこく語ご）（1994年ねん7月がつ13日にち）
  97. ^ 「すべての党員とういんと人民じんみんに告つぐ――朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう委員いいん会かい、同どう中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かい、朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく国防こくぼう委員いいん会かい、同どう中央ちゅうおう人民じんみん委員いいん会かい、同どう政務せいむ院いん(1994年ねん7月がつ8日にち) / 朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう委員いいん会かい ; 朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かい ; 朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく国防こくぼう委員いいん会かい ; 朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく中央ちゅうおう人民じんみん委員いいん会かい ; 朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく政務せいむ院いん」『月刊げっかん朝鮮ちょうせん資料しりょう』34巻かん（9号ごう）、朝鮮ちょうせん問題もんだい研究所けんきゅうじょ、1994年ねん9月がつ1日にち、6–8頁ぺーじ。
  98. ^ 「金きむ日成いるそん主席しゅせきの疾病しっぺいと死亡しぼう原因げんいんに関かんする医学いがく的てき結論けつろん書しょ(7月がつ9日にち)」『月刊げっかん朝鮮ちょうせん資料しりょう』34巻かん（9号ごう）、朝鮮ちょうせん問題もんだい研究所けんきゅうじょ、1994年ねん9月がつ1日にち、12頁ぺーじ。
  99. ^ 林はやし東ひがし源げん：著ちょ、波佐はざ場じょう清きよし：訳やく『南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんへの道みち　林はやし東ひがし源げん回顧かいこ録ろく』岩波書店いわなみしょてん、2008年ねん、p51～52
  100. ^ 「【ファイル社会しゃかい主義しゅぎ朝鮮ちょうせん】」『月刊げっかん朝鮮ちょうせん資料しりょう』34巻かん（11号ごう）、朝鮮ちょうせん問題もんだい研究所けんきゅうじょ、1994年ねん11月1日にち、65頁ぺーじ。
  101. ^ この映像えいぞうと音声おんせいは記録きろく映画えいが『偉大いだいな生涯しょうがいの1994年ねん』に収録しゅうろく
  102. ^ 李り相しょう哲あきら (2015年ねん1月がつ20日はつか). “【秘録ひろく金きむ正日じょんいる（8）】「労働ろうどう者しゃの忠誠ちゅうせい心しんは高たかいのですが食たべることができず…」に衝撃しょうげき 食糧しょくりょう配給はいきゅうの途絶とぜつ ただ一人ひとり知しらされなかった〝裸はだかの王様おうさま〟”. 産経新聞さんけいしんぶん (産経新聞さんけいしんぶん社しゃ). https://www.sankei.com/article/20150120-7DJXFZZ3EZLAFJ6MEU37HXGWBM/ 2017年ねん4月がつ22日にち閲覧えつらん。 
  103. ^ KBSニュース9（韓国かんこく語ご）（1994年ねん7月がつ11日にち）
  104. ^ MBCニュースデスク（韓国かんこく語ご）（1994年ねん7月がつ11日にち）
  105. ^ 이제 만나러 갑니다 508 회 갑자기 들려온 김일성 사망 소식! 애도 기간만 3년?! 슬픔까지 통제당한 北きた 주민들（ 이제 만나러 갑니다 508 회 〜） - YouTube - Channel A（韓国かんこく語ご）
  106. ^ “「首領しゅりょう」「将軍しょうぐん」の次つぎは？ 北朝鮮きたちょうせん住民じゅうみんが注目ちゅうもくする金きむ正ただし恩おん時代じだいの変化へんか”. 東亜日報とうあにっぽう (東亜日報とうあにっぽう社しゃ). (2011年ねん12月26日にち). http://japanese.donga.com/List/3/all/27/415951/1 2018年ねん1月がつ16日にち閲覧えつらん。 
  107. ^ a b c “朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう機関きかん紙しが金きむ日成いるそんの「縮ちぢみ地ち法ほう」を否定ひてい”. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう. (2020年ねん5月がつ21日にち). http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/21/2020052180130.html 
  108. ^ a b “金きむ正ただし恩おん氏し、また雲隠くもがくれ　「現実げんじつ主義しゅぎ」との関連かんれん指摘してきも”. 朝日新聞あさひしんぶん. (2020年ねん5月がつ22日にち). https://www.asahi.com/articles/ASN5Q5GY2N5QUHBI02K.html 
  109. ^ 大島おおしま信三しんぞう『異形いぎょう国家こっかを作つくった男おとこ-----金きむ日成いるそんの生涯しょうがいと負まけの遺産いさん』（芙蓉ふよう書房しょぼう）
  110. ^ 佐藤さとう守まもる2009『金きむ正日じょんいるは日本人にっぽんじんだった』講談社こうだんしゃ
  111. ^ 李り栄さかえ薫かおる『大韓民国だいかんみんこくの物語ものがたり』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、2009年ねん2月がつ、199-200頁ぺーじ。ISBN 4163703101。 
  112. ^ 久保田くぼたるり子こ『金きむ正日じょんいるを告発こくはつする　黄き長ちょう燁が語かたる朝鮮半島ちょうせんはんとうの実相じっそう』162頁ぺーじ、2008年ねん
  113. ^ “【秘録ひろく金きむ正日じょんいる（47）】中国ちゅうごくの改革かいかく解放かいほうを「共産きょうさん主義しゅぎ捨すてた」と一蹴いっしゅう　トウ小平しょうへいは「なんてばかなやつだ」と激怒げきど”. 産経新聞さんけいしんぶん. (2015年ねん10月がつ23日にち). https://www.sankei.com/article/20151023-UD7A2SERIRPDHDC5Z2KTE757DU/6/ 2016年ねん9月がつ16日にち閲覧えつらん。 
  114. ^ 五味ごみ洋治ようじ『中国ちゅうごくは北朝鮮きたちょうせんを止とめられるか: 中ちゅう朝ちょう愛憎あいぞうの60年ねんを追おう』第だい5章しょう158頁ぺーじ、2010年ねん
  115. ^ 朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうの宣伝せんでん部門ぶもん責任せきにん者しゃに就任しゅうにんしていたという。金きむ正日じょんいる後継こうけいに躍おどり出でた「金きむヒョン」という男おとこ Foresight(フォーサイト)　2002年ねん10月がつ号ごう　新潮社しんちょうしゃ
  116. ^ 金亨稷きんきょうしょくの次じ弟おとうと亨とおる禄ろくの長女ちょうじょか。なお、金きむ正日じょんいるのいとこ、との報道ほうどうもある。北朝鮮きたちょうせん 首脳しゅのう会談かいだんで通訳つうやく務つとめた日本にっぽん対応たいおうの幹部かんぶ更迭こうてつか NHK　2017年ねん9月がつ10日とおか　「キム総そう書記しょき（金きむ正日じょんいる）のいとこがトップを務つとめる「朝鮮ちょうせん対外たいがい文化ぶんか連絡れんらく委員いいん会かい」」とある。
  117. ^ 北朝鮮きたちょうせん、対外たいがい文化ぶんか連絡れんらく委員いいん長ちょうに金きむ貞淑ていしゅく氏しを任命にんめい 聨合ニュース　2010年ねん2月がつ19日にち
  118. ^ 李り命いのち英えい『金きむ日成いるそんは四よん人にんいた』より。
  119. ^ “初代しょだい”金きむ日成いるそんは旧きゅう陸軍りくぐん士官しかん学校がっこう出身しゅっしん　卒業そつぎょう名簿めいぼに本名ほんみょう記載きさい、伝説でんせつ的てき抗日こうにち運動うんどう家か Iza 2016年ねん10月がつ30日にち
  120. ^ 萩原はぎはら遼りょう『朝鮮ちょうせん戦争せんそう　金きむ日成いるそんとマッカーサーの陰謀いんぼう』に詳くわしい。
  121. ^ 「米国べいこくは『金きむ日成いるそん』を偽者にせものと判断はんだん、1948年ねん資料しりょう」『聯合れんごうニュース』2009年ねん8月がつ13日にち付づけ配信はいしん記事きじ（2012年ねん9月がつ23日にち閲覧えつらん）。
  122. ^ 佐々木ささき春はる隆たかし『朝鮮ちょうせん戦争せんそう前史ぜんしとしての韓国かんこく独立どくりつ運動うんどうの研究けんきゅう』より。
  123. ^ 李り命いのち英すぐる著ちょ『金きむ日成いるそんは四よん人にんいた』など
  124. ^ 『続つづけ　日本人にっぽんじんが知しってはならない歴史れきし』 p48, 若狭わかさ和かず朋とも 朱鳥あすか社しゃ （2007年ねん） ISBN 978-4-434-11358-1
  125. ^ 『朝鮮半島ちょうせんはんとう最後さいごの陰謀いんぼう」』 p85, 李り鍾植 幻冬舎げんとうしゃ （2007年ねん） ISBN 978-4-344-01323-0 その「本物ほんもの」とされる金きむ日成いるそんはスターリンに粛清しゅくせいされたと各国かっこく諜報ちょうほう機関きかんで通説つうせつとなっており、ソビエトが朝鮮ちょうせん人じんを糾合きゅうごうのために金きむ日成いるそんを作つくり上あげたとしている。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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ウィキメディア・コモンズには、金きむ日成いるそんに関連かんれんするカテゴリがあります。
  朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく
先代せんだい
建国けんこく
最高さいこう指導しどう者しゃ
初代しょだい：1948年ねん9月がつ9日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
次代じだい
金きむ正日じょんいる
先代せんだい
設置せっち
国家こっか主席しゅせき
1972年ねん12月28日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
次代じだい
廃止はいし
先代せんだい
崔ちぇ庸いさお健けん
（最高さいこう人民じんみん会議かいぎ常任じょうにん委員いいん会かい委員いいん長ちょう）
国家こっか元首げんしゅ（英語えいご版ばん）
1972年ねん12月28日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
次代じだい
事実じじつ上じょうの国家こっか元首げんしゅ：
金きむ正日じょんいる（国防こくぼう委員いいん長ちょう）
対外たいがい的てきな国家こっか元首げんしゅ：
金永南きんえいなん
（最高さいこう人民じんみん会議かいぎ委員いいん会かい常任じょうにん委員いいん長ちょう）
先代せんだい
設置せっち
内閣ないかく首相しゅしょう
1948年ねん9月がつ9日にち – 1972年ねん12月28日にち
次代じだい
金一きんいち
（政務せいむ院いん総理そうり）
先代せんだい
崔ちぇ庸いさお健けん
朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん最高さいこう司令しれい官かん
1950年ねん7月がつ4日にち – 1991年ねん12月24日にち
次代じだい
金きむ正日じょんいる
  朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう
先代せんだい
委員いいん長ちょう制せいから移行いこう
中央ちゅうおう委員いいん会かい総そう書記しょき
1966年ねん10月がつ12日にち – 1994年ねん7月がつ8日にち
次代じだい
金きむ正日じょんいる
（1997年ねんまで空位くうい）
先代せんだい
設置せっち
中央ちゅうおう委員いいん会かい委員いいん長ちょう
1949年ねん6月がつ30日にち – 1966年ねん10月がつ12日にち
次代じだい
総そう書記しょき制せいへ移行いこう
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