ハーチェク

ˇ
ハーチェク
ダイアクリティカルマーク アキュート ´ ダブルアキュート ˝ グレイヴ ` ダブルグレイヴ  ̏ ブレーヴェ ˘ 倒置とうちブレーヴェ  ̑ ハーチェク ˇ セディーユ ¸ サーカムフレックス ˆ トレマ / ウムラウト ¨ チルダ ˜ ドット符号ふごう ˙ フック  ̡ フック符号ふごう  ̉ ホーン符号ふごう  ̛ マクロン ¯ オゴネク ˛ リング符号ふごう ˚ ストローク符号ふごう ̸ コンマアバブ ʻ コンマビロー , 無む気き記号きごう ᾿ 非ひラテン文字もじ シャクル   シャッダ  ّ‎ ハムザ ء‎ キリル文字もじ   ティトロ  ҃ ヘブライ文字もじ   ニクダー  ִ‎ ブラーフミー系けい文字もじ   アヌスヴァーラ  ं‎ ヴィラーマ  ्‎ 日本語にほんご   濁点だくてん ゛ 半はん濁点だくてん ゜
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ハーチェク（チェコ語ご: háček）は、ダイアクリティカルマーク（発音はつおん区別くべつ符号ふごう）のひとつである。主おもにチェコ語ごやスロバキア語ごなどで用もちいられる記号きごうである。

チェコ語ごでは「ハーチェク」（háček）、スロバキア語ごでは「メクチェニ」（mäkčeň）または「ハーチク」（háčik）、英語えいごでは「キャロン」（caron）と呼よばれる。

概要がいよう

「ハーチェク」という名称めいしょうは、チェコ語ごで「かぎ（鈎かぎ）」を意味いみする hák に指ゆび小しょう辞じがついた háček 「小ちいさなかぎ」に由来ゆらいする。英語えいごでは「キャロン」（caron）と言いうが語源ごげんは明あきらかでない。

ヤン・フスがチェコ語ごに使つかい始はじめたが、とくに č, š, ž の3つはスラブ諸語しょごを中心ちゅうしんとして多おおくの言語げんごの正書法せいしょほうで採用さいようされている。

記号きごうは小ちいさなv字じであるが、チェコ語ごやスロバキア語ごで使つかわれる ď, ť では小文字こもじが、スロバキア語ごでのみ使つかわれる Ľ では大文字おおもじも小文字こもじもアポストロフィーのような形かたちになる。これらの字じも最初さいしょはハーチェクの形かたちをしていた。

ブレーヴェ（˘）は、とがっておらず丸まるくなっており、別べつの記号きごうである。

各かく言語げんごにおける用法ようほう

エストニア語ご、フィンランド語ご

š, ž を使用しようするが、借用しゃくよう語ごのみに現あらわれる。

スコルト・サーミ語ご

ǩ, ǧ, č, ǯ, š, ž を使用しようする。ǩ, ǧ は口蓋こうがい化かした /c͡ç/, /ɟ͡ʝ/ を表あらわす。č, ǯ, š, ž はそれぞれ /tʃ/, /dʒ/, /ʃ/, /ʒ/ を表あらわす。

スロバキア語ご

č, ď, dž, ľ, ň, š, ť, ž を使用しようする。チェコ語ごにない ľ は、口蓋こうがい化かした /ʎ/ を表あらわす。なお dž はアルファベットの10番目ばんめに位置いちする独立どくりつした文字もじとして扱あつかわれ、/dʒ/ を表あらわす。

スロベニア語ご

č, š, ž を使用しようする。

セルビア・クロアチア語ご

č, dž, š, ž を使用しようする。

チェコ語ご

č, ď, ě, ň, ř, š, ť, ž を使用しようする。č, š, ž はそれぞれ /tʃ/, /ʃ/, /ʒ/ を表あらわす。ť, ď, ň は口蓋こうがい化かした /c/, /ɟ/, /ɲ/ を表あらわす。ř はチェコ語ごに特徴とくちょう的てきな「歯茎はぐきふるえ摩擦音まさつおん」/r̝/ を表あらわす。ě は歴史れきし的てきに口蓋こうがい化かした母音ぼいんであったが、現在げんざいのチェコ語ごでは前後ぜんごの環境かんきょうによって異ことなる音おとを表あらわす。

中国ちゅうごく語ご

倒たおせ折おり音符おんぷ（Dǎozhéyīnfú）といい、注ちゅう音おとや拼音で、第だい三さん声ごえ（上声じょうせい）を表あらわす声調せいちょう記号きごうである。拼音には ǎ, ě, ê̌, ǐ, ň, ǒ, ǔ, ǚ が存在そんざいする。

トルクメン語ご

ž で /ʒ/ を表あらわす（トルコ語ごでは j）。

ラトガリア語ご、ラトビア語ご、リトアニア語ご

č, š, ž を使用しようする。

リヴォニア語ご

š, ž を使用しようする。

音声おんせい記号きごう

国際こくさい音声おんせい記号きごうでは、補助ほじょ記号きごうとして使つかわれる。

• 文字もじの上うえに付ふされ、上昇じょうしょう調ちょうを表あらわす声調せいちょう記号きごうとして使つかわれる。
• 文字もじの下したに付ふされ、有ゆう声ごえを表あらわす。

アメリカの言語げんご学者がくしゃが使つかう記号きごうでは、č, ǰ, š, ž によってそれぞれ /tʃ/, /dʒ/, /ʃ/, /ʒ/ を表あらわす。č, ǰ は英語えいごではひとつの音素おんそであるので、1文字もじで書かけるのは都合つごうがよい。

符号ふごう位置いち

記号きごう	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	名称めいしょう
ˇ	U+02C7	1-10-17	ˇ ˇ	キャロン CARON
̌	U+030C	1-11-62	̌ ̌	キャロン(合成ごうせい可能かのう), 声調せいちょう上昇じょうしょう調ちょう COMBINING CARON
̬	U+032C	1-11-72	̬ ̬	下しもキャロン(合成ごうせい可能かのう), 有ゆう声ごえ COMBINING CARON BELOW

大文字おおもじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	小文字こもんじ	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Ǎ	U+01CD	1-8-79	Ǎ Ǎ	ǎ	U+01CE	1-8-80	ǎ ǎ	中国ちゅうごく語ご(拼音)
Č	U+010C	1-10-29	Č Č	č	U+010D	1-10-44	č č	チェコ語ご、スロヴァキア語ご、スロベニア語ご、クロアチア語ご、リトアニア語ご他た
Ď	U+010E	1-10-32	Ď Ď	ď	U+010F	1-10-47	ď ď	チェコ語ご、スロヴァキア語ご
DŽ	U+01C4	-	DŽ DŽ	dž	U+01C6	-	dž dž	スロヴァキア語ご、クロアチア語ご
Ě	U+011A	1-10-31	Ě Ě	ě	U+011B	1-10-46	ě ě	チェコ語ご、中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ǧ	U+01E6	-	Ǧ Ǧ	ǧ	U+01E7	-	ǧ ǧ	スコルト・サーミ語ご
Ȟ	U+021E	-	Ȟ Ȟ	ȟ	U+021F	-	ȟ ȟ
Ǩ	U+01E8	-	Ǩ Ǩ	ǩ	U+01E9	-	ǩ ǩ	スコルト・サーミ語ご
Ǐ	U+01CF	-	Ǐ Ǐ	ǐ	U+01D0	1-8-81	ǐ ǐ	中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ľ	U+013D	1-10-4	Ľ Ľ	ľ	U+013E	1-10-15	ľ ľ	スロヴァキア語ご
Ň	U+0147	1-10-34	Ň Ň	ň	U+0148	1-10-50	ň ň	チェコ語ご、スロヴァキア語ご、中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ǒ	U+01D1	1-8-86	Ǒ Ǒ	ǒ	U+01D2	1-8-87	ǒ ǒ	中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ř	U+0158	1-10-46	Ř Ř	ř	U+0159	1-10-52	ř ř	チェコ語ご
Š	U+0160	1-10-6	&Scaron: Š Š	š	U+0161	1-10-18	š š š	チェコ語ご、スロヴァキア語ご、スロベニア語ご、クロアチア語ご、リトアニア語ご、フィンランド語ご、エストニア語ご
Ṧ	U+1E66	-	Ṧ Ṧ	ṧ	U+1E67	-	ṧ ṧ
Ť	U+0164	1-10-8	Ť Ť	ť	U+0165	1-10-20	ť ť	チェコ語ご、スロヴァキア語ご
Ǔ	U+01D3	-	Ǔ Ǔ	ǔ	U+01D4	1-8-88	ǔ ǔ	中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ǚ	U+01D9	-	Ǚ Ǚ	ǚ	U+01DA	1-8-91	ǚ ǚ	中国ちゅうごく語ご(拼音)
Ž	U+017D	1-10-10	Ž Ž	ž	U+017E	1-10-23	ž ž	チェコ語ご、スロヴァキア語ご、スロベニア語ご、クロアチア語ご、リトアニア語ご、フィンランド語ご、エストニア語ご
Ǯ	U+01EE	-	Ǯ Ǯ	ǯ	U+01EF	-	ǯ ǯ	スコルト・サーミ語ご

記号きごう	Unicode	JIS X 0213	文字もじ参照さんしょう	備考びこう
Dž	U+01C5	-	Dž Dž	参照さんしょう: DŽ
ǰ	U+01F0	-	ǰ ǰ	アメリカの音声おんせい学者がくしゃが使つかう記号きごう、/dʒ/