ぎょしゃ座ざ

ぎょしゃ座ざ

Auriga
ぎょしゃ座ざの恒星こうせい
属ぞく格かく形かたち	Aurigae
略りゃく符ふ	Aur
発音はつおん	[ɔːˈraɪɡə] Auríga, 属ぞく格かく:/ɔːˈraɪdʒiː/
象徴しょうちょう	the Charioteer
概略がいりゃく位置いち：赤あか経けい	6
概略がいりゃく位置いち：赤あか緯ぬき	+40
正中せいちゅう	5月がつ20日はつか21時じ
広ひろさ	657平方へいほう度ど （21位い）
バイエル符号ふごう/ フラムスティード番号ばんごう を持もつ恒星こうせい数すう	65
3.0等とうより明あかるい恒星こうせい数すう	5
最さい輝てる星ぼし	カペラ（αあるふぁ Aur）（0.08等ひとし）
メシエ天体てんたい数かず	3
確定かくてい流星りゅうせい群ぐん	Alpha Aurigids Delta Aurigids
隣接りんせつする星座せいざ	きりん座ざ ペルセウス座ざ おうし座ざ ふたご座ざ やまねこ座ざ

ぎょしゃ座ざ（ぎょしゃざ、馭者ぎょしゃ座ざ、Auriga）は、北きた天てんの星座せいざでトレミーの48星座せいざの1つ。

αあるふぁ星ほしは、全ぜん天てん21の1等とう星ぼしの1つであり、カペラと呼よばれる。

主おもな天体てんたい

恒星こうせい

→「ぎょしゃ座ざの恒星こうせいの一覧いちらん」も参照さんしょう

1等とう星ぼしのαあるふぁ星ほし（カペラ）以外いがいに、2等とう星ほしが1つ（βべーた星ほし）ある。

以下いかの恒星こうせいには、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうによって正式せいしきに固有こゆう名めいが定さだめられている。

• αあるふぁ星ほし：カペラ (Capella) は、ぎょしゃ座ざで最もっとも明あかるい恒星こうせいで、全ぜん天てん21の1等とう星ぼしの1つ。この星ほしは、神話しんわのヤギ、アマルテイアに関係かんけいしている。ζぜーた星ほし、ηいーた星ほしは、その子供こどもとされる。
• βべーた星ほし：メンカリナン (Menkalinan) は、ぎょしゃ座ざで2番目ばんめに明あかるい恒星こうせいで、2等とう星ほし。
• εいぷしろん星ほし：アル・マーズ (Almaaz) は、最もっとも変かわった種類しゅるいの連れん星ぼしである。変へん光こう周期しゅうきは27.1年ねんで、約やく2年ねん間食かんしょくが続つづく。肉眼にくがんで見みえるほうの恒星こうせいは黄色おうしょくを帯おびたF型がたの輝てる巨星きょせいまたは巨星きょせいである。伴とも星ぼしのタイプは不明ふめいである。
• ζぜーた星ほし：食しょく変光星へんこうせいで、変へん光こう周期しゅうき970日にち。主しゅ星ほしAはK型がたの赤色あかいろ超ちょう巨星きょせい、伴とも星ぼしBはB型がたの主しゅ系列けいれつ星ぼしである。主しゅ星ほしAにはSaclateniという固有こゆう名めいが付つけられている。
• ηいーた星ほし：固有こゆう名めいはハエドゥス (Haedus) 。
• θしーた星ほし：固有こゆう名めいはMahasim。
• ιいおた星ほし：固有こゆう名めいはHassaleh。
• HD 45350：国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でルクセンブルクに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはLucilinburhuc、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはPeitrussと命名めいめいされた。
• HD 49674：国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でベルギーに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはNervia、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはEburoniaと命名めいめいされた。
• HAT-P-9：国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごうの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でイスラエルに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはTevel、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはAlefと命名めいめいされた。

その他た、以下いかの恒星こうせいが知しられている。

• Z星ほし：SRD型がたの半はん規則きそく型がた変光星へんこうせい。
• AG星ほし：SRD型がたの半はん規則きそく型がた変光星へんこうせい。
• NO星ほし：LC型がたの脈動みゃくどう変光星へんこうせい。

ぎょしゃ座ざには、カペラ、βべーた星ほし、εいぷしろん星ほし、ζぜーた星ほし、等ひとしの連れん星ぼしがある。εいぷしろん星ほしとζぜーた星ほしは、それぞれ連れん星ぼし進化しんかの非常ひじょうに珍めずらしい段階だんかいにある。

星団せいだん・星雲せいうん・銀河ぎんが

• M36：散開さんかい星団せいだん。
• M37：散開さんかい星団せいだん。
• M38：散開さんかい星団せいだん。

由来ゆらいと歴史れきし

もともと馭者ぎょしゃと山羊やぎは別々べつべつの星座せいざであったが、トレミーによって一ひとつの星座せいざとされた。そのため、馭者ぎょしゃと山羊やぎを結むすびつける神話しんわは存在そんざいしない。

一説いっせつにはこの星座せいざは Rukubi（戦車せんしゃ）としてバビロニアの時代じだいにさかのぼる可能かのう性せいがあるとされる。

中国ちゅうごくではぎょしゃ座ざの4つの星ほしとおうし座ざβべーた星ほしを結むすんだ五角形ごかっけいに注目ちゅうもくし、「五ご車しゃ」と呼よばれた。日本にっぽんでも同様どうようの見方みかたから「五ご角かく星ほし」と呼よばれる。

→「ぎょしゃ座ざの方言ほうげん」も参照さんしょう

神話しんわ

→「エリクトニオス」、「ペロプス」、および「ヒッポリュトス (神話しんわ)」も参照さんしょう

この馭者ぎょしゃが何者なにものであるかについて、ギリシア神話しんわに複数ふくすうの伝承でんしょうが伝つたえられている。

もっとも有名ゆうめいなのは、ギリシア神話しんわの鍛冶たんや神しんヘーパイストスが女神めがみアテーナーに欲情よくじょうして、大地だいちにこぼした精液せいえきから生うまれた息子むすこであるアテナイ王おうエリクトニオスとするものである。アテーナーに育そだてられた彼かれは、馬うまを飼かい馴ならす方法ほうほうを彼女かのじょから学まなび、ヘーリオスを思おもわせる巧たくみな手綱たづなさばきで4頭とう立だての戦車せんしゃを操あやつったとされる。そして、これを称賛しょうさんしたゼウスにより天てんに上あげられ星座せいざとなったとされた。

別べつの伝承でんしょうでは、ヘルメースの息子むすこミュルティロスであるとする。ミュルティロスはピサの王おうオイノマオスの馭者ぎょしゃであったが、タンタロスの息子むすこペロプスとオイノマオスの娘むすめヒッポダメイアに唆そそのかされ、オイノマオスの馬車ばしゃに仕掛しかけをしてオイノマオスを死しに至いたらしめた。その後ごミュルティロスはペロプスに海うみに蹴落けおとされて溺おぼれ死じにんだ。その死しを悲かなしんだヘルメースによって、ミュルティロスは空そらに上あげられ、ぎょしゃ座ざになったとされる。

また、テーセウスの息子むすこヒッポリュトスとする伝承でんしょうもある。ヒッポリュトスは継母けいぼパイドラーに求愛きゅうあいされたがそれを拒絶きょぜつした。絶望ぜつぼうしたパイドラーはテーセウスに彼かれを讒訴ざんそして自殺じさつし、彼女かのじょの讒訴ざんそを信しんじたテーセウスは無実むじつの息子むすこをアテーナイから追放ついほうしてしまった。さらに、テーセウスの呪のろいによってヒッポリュトスは戦車せんしゃから落おちて巻まき込こまれて死しんだ。後のちにヒッポリュトスはアスクレーピオスの手てにより生いき返かえったが、これはゼウスがアスクレーピオスを雷かみなりで撃うち殺ころす遠因えんいんとなった。

アラートスによると、星図せいずで左手ひだりてに抱かかえている山羊やぎは、クロノスから逃のがれてクレタ島とうのイディ山さんに隠かくれていた幼少ようしょう時じのゼウスに乳ちちを与あたえて育そだてた山羊やぎアマルテイアであるとされる。エラトステネースもムーサイオスの伝つたえとして同おなじ山羊やぎであると説明せつめいしているが、こちらではアマルテイアとはその山羊やぎを所有しょゆうする女神めがみ（ニュンペー）の名なとされ、山羊やぎ自身じしんには名前なまえがない。

画像がぞう

ぎょしゃ座ざの星図せいず

外部がいぶリンク

• 『ぎょしゃ座ざ』 - コトバンク