うお座ざ

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曖昧さ回避 この項目こうもくでは、星座せいざについて説明せつめいしています。占星術せんせいじゅつでのうお座ざについては「双そう魚さかな宮みや」をご覧らんください。
うお座ざ
Pisces
Pisces
属ぞく格かく形かたち Piscium
略りゃく符ふ Psc
発音はつおん [ˈpaɪsiːz]、属ぞく格かく /ˈpɪʃiəm/
象徴しょうちょう the Fish
概略がいりゃく位置いち：赤あか経けい 1
概略がいりゃく位置いち：赤あか緯ぬき +15
21時じ正中せいちゅう 11月10日にち
広ひろさ 889平方へいほう度ど[1] （14位い）
バイエル符号ふごう/
フラムスティード番号ばんごう
を持もつ恒星こうせい数すう		 86
3.0等とうより明あかるい恒星こうせい数すう 0
最さい輝てる星ぼし ηいーた Psc（3.620等ひとし）
メシエ天体てんたい数かず 1
確定かくてい流星りゅうせい群ぐん うお座ざυうぷしろん流星りゅうせい群ぐん
隣接りんせつする星座せいざ さんかく座ざ
アンドロメダ座ざ
ペガスス座ざ
みずがめ座ざ
くじら座ざ
おひつじ座ざ
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うお座ざ（うおざ、魚さかな座ざ、Pisces）は、黄道こうどう十じゅう二に星座せいざの1つ。トレミーの48星座せいざの1つでもある。最もっとも明あかるい星ほしでも4等とう星ほしと、あまり目立めだたない星座せいざである。ペガススの大だい四よん辺へん形がたの南みなみにある、γがんま星ほし、7番ばん星ほし、θしーた星ほし、ιいおた星ほし、19番ばん星ほし、λらむだ星ほし、κかっぱ星ほしが形作かたちづくる環状かんじょうのアステリズムは、欧米おうべいでは Circlet と呼よばれる。21世紀せいき現在げんざい、ωおめが星ほしの約やく7°南みなみに春分しゅんぶん点てんがある。

主おもな天体てんたい[編集へんしゅう]

恒星こうせい[編集へんしゅう]

「うお座ざの恒星こうせいの一覧いちらん」も参照さんしょう

以下いかの9個この恒星こうせいには国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) によって固有こゆう名めいが認証にんしょうされている[2]。

  • αあるふぁ星ほし：4.11等とう[3]のA星ほしと5.1等とう[4]のB星ほしからなる連れん星ほし系けいで、A・Bのどちらも分光ぶんこう連れん星ぼしの可能かのう性せいを示唆しさされている。A星ほしにはアラビア語ごで「ひも」を意味いみする言葉ことばに由来ゆらいする「アルレシャ[5](Alrescha[2])」という固有こゆう名めいが付つけられている[6]。
  • βべーた星ほし：5等とう星ぼし（4.52等とう[7]）で、Circletの西にし、西にしの魚さかなの口くちの位置いちに見みえる。「フムアルサマカ[8](Fumalsamakah[2])」という固有こゆう名めいがある。
  • ζぜーた星ほし：5等とう星ほし[9]。A星ほしには、ヒンドゥーの月つき宿やど「ナクシャトラ」の第だい26宿しゅくレーヴァティ (Revati) に由来ゆらいする「レーヴァティ (Revati[2])」という固有こゆう名めいが付つけられている。
  • ηいーた星ほし：4等とう星ぼし（3.620等とう[10]）ながら、うお座ざで最もっとも明あかるい恒星こうせい。A星ほしには「アルフェルグ[8](Alpherg[2])」という固有こゆう名めいが付つけられている。
  • οおみくろん星ほし：4等とう星ほし[11]。A星ほしには「トルクラー[8](Torcular[2])」という固有こゆう名めいが付つけられている。
  • HD 1502：IAUの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でハイチに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはCitadelle、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはIndépendanceと命名めいめいされた[12]。
  • HD 8574：IAUの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でフランスに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはBélénos、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはBélisamaと命名めいめいされた[12]。
  • HD 218566：IAUの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でシリアに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはEbla、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはUgaritと命名めいめいされた[12]。
  • WASP-32：IAUの100周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじ「IAU100 NameExoworlds」でシンガポールに命名めいめい権けんが与あたえられ、主しゅ星ほしはParumleo、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいはViculusと命名めいめいされた[12]。

上記じょうき以外いがいに知しられている恒星こうせいには以下いかのものがある。

星団せいだん・星雲せいうん・銀河ぎんが[編集へんしゅう]

  • M74：渦巻うずまき銀河ぎんが（Sc型がた）。ηいーた星ほしの北東ほくとう方向ほうこう付近ふきんにある。光度こうどは9.8等とうと暗くらい。
渦巻うずまき銀河ぎんがM74

由来ゆらいと歴史れきし[編集へんしゅう]

うお座ざは古代こだいメソポタミア文明ぶんめいに由来ゆらいする星座せいざとされる[14]。2匹ひきの魚さかなとそれから伸のびる紐ひもは、チグリス川がわとユーフラテス川がわをあらわし、紐ひもが魚さかなに繋つながっているのは2本ほんの川かわが合流ごうりゅうすることを表あらわしている。2匹ひきの魚さかなの間あいだにあるペガススの大だい四よん辺へん形がたは、2本ほんの川かわの間あいだにあるバビロンまたは農地のうちを表あらわしているといわれる[15]。また2匹ひきの魚さかなのうち南みなみの魚さかなをツバメとして描えがいた図ずも遺のこされている[15]。

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

中国ちゅうごくの天文てんもんでは、うお座ざの星ほし々は二十八宿にじゅうはっしゅくの室しつ宿やど、壁かべ宿やど、奎宿、婁宿にまたがって位置いちしている。室しつ宿やどでは、27・29・33・30の4星ほしが、みずがめ座ざ、やぎ座ざの星ほしとともに「塁壁るいへき陣じん」という星ほし官かんを形作かたちづくる[14]。壁かべ宿やどでは、32・45の2星ほしが土木どぼく工事こうじの役人やくにんを表あらわす「土ど公こう」という星ほし官かんを成なす[14]。βべーた・γがんま・θしーた・ιいおた・ωおめがの5星ほしは雷かみなりを表あらわす「霹靂へきれき」、κかっぱ、12、21、λらむだの4星ほしは雲くもと雨あめを表あらわす「雲くも雨う」という星ほし官かんを成なしている[14]。奎宿では、τたう・91・υうぷしろん・φふぁい・χかい・ψぷさい1の6星ほしがアンドロメダ座ざの星ほしとともに白虎びゃっこの脚あしを表あらわす星ほし官かん「奎」を成なしている[14]。またδでるた・εいぷしろん・ζぜーた・μみゅー・νにゅー・ξくしー・αあるふぁの7星ほしは「外そと屏へい」という星ほし官かんを成なす[14]。婁宿では、σしぐま・ηいーた・πぱい・οおみくろん・104の5星ほしが牧畜ぼくちくを管理かんりする役人やくにんを表あらわす「右みぎ更さら」という星ほし官かんを成なしていた[14]。

神話しんわ[編集へんしゅう]

『ウラニアの鏡かがみ』に描えがかれたうお座ざ

紀元前きげんぜん3世紀せいきのギリシャ人じん学者がくしゃエラトステネースの著書ちょしょ『カタステリスモイ[注ちゅう 1]』では、シリアの女神めがみデルケトー（英語えいご版ばん）が誤あやまってマンビジ近ちかくの湖みずうみに落おちたときに、彼女かのじょを助たすけた魚さかなが天てんに上あげられたとする神話しんわを伝つたえている[14]。この神話しんわでは、デルケトーを助たすけた魚さかなはみなみのうお座ざで、その2匹ひきの子供こどもがうお座ざであるとしている[14][16]。

紀元前きげんぜん1世紀せいきの著述ちょじゅつ家かヒュギーヌスは著書ちょしょ『天文てんもん詩し』の中なかで、紀元前きげんぜん4世紀せいき以降いこうの歴史れきし家かエリトリアのディオグネトスの伝つたえる話はなしとして、美びの女神めがみアプロディーテーとその子こエロースにまつわる神話しんわを紹介しょうかいしている。アプロディーテーとエロースがユーフラテス川がわの近ちかくを訪おとずれたところ、突然とつぜん、怪物かいぶつテューポーンが現あらわれた。驚おどろいた2人ふたりは川かわに飛とび込こみ、魚さかなに姿すがたを変かえて逃にげた[16]。また、ヒュギーヌスは著書ちょしょ『神話しんわ集しゅう』の中なかで、ユーフラテス川がわに落おちた鳩ばとの卵たまごを助たすけた2匹ひきの魚さかなをアプロディーテーが記念きねんして星座せいざとした、とする話はなしを伝つたえている[14]。

呼称こしょうと方言ほうげん[編集へんしゅう]

ラテン語らてんごの学名がくめいでは Pisces と複数ふくすう形がたとなっている。これは2匹ひきの魚さかなと見み做されていたことに由来ゆらいしており、アラビア語ご名めいでも al-Samakatān （アッ゠サマカターン）と双そう数すう形かたちをとっている。現代げんだい中国ちゅうごく名めい（中ちゅう文名ぶんめい）でも双そう魚さかな座ざと呼よばれる。

日本にっぽんでは、1879年ねん（明治めいじ12年ねん）にノーマン・ロッキャーの著書ちょしょ『Elements of Astronomy』を訳やくした『洛らく氏し天文学てんもんがく』が刊行かんこうされた際さいに「魚さかな」という訳語やくごが充あてられた[17]。その後ごは「雙そう魚ぎょ」という訳語やくごが使つかわれるようになり、1908年ねん（明治めいじ41年ねん）4月がつに創刊そうかんされた日本にっぽん天文てんもん学会がっかいの会誌かいし『天文てんもん月報げっぽう』でも同年どうねん8月がつ第だい5号ごうから「雙そう魚ぎょ」とした星図せいずが掲載けいさいされていた[18]が、1910年ねん（明治めいじ43年ねん）2月がつに訳語やくごが改訂かいていされた際さいに「雙そう魚ぎょ」から「魚さかな」に変更へんこうされている[19]。戦後せんごの1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）7月がつ、日本にっぽん天文てんもん学会がっかいは「星座せいざ名めいはひらがなまたはカタカナで表記ひょうきする」[20]とした。このときに、Pisces の訳名やくめいは「うお」と定さだまり[21]、以降いこうこの呼よび名なが継続けいぞくして用もちいられている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 『カタステリスモイ』の作者さくしゃはエラトステネースではない、とする説せつもある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ “星座せいざ名めい・星座せいざ略りゃく符ふ一覧いちらん(面積めんせき順じゅん)”. 国立こくりつ天文台てんもんだい(NAOJ). 2023年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e f “IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (2022年ねん4月がつ4日にち). 2022年ねん11月9日にち閲覧えつらん。
  3. ^ "alp Psc A". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  4. ^ "alp Psc B". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  5. ^ 原はら恵めぐみ『星座せいざの神話しんわ - 星座せいざ史しと星名ほしなの意味いみ』（新装しんそう改訂かいてい版ばん第だい4刷さつ）恒星こうせい社しゃ厚生こうせい閣かく、2007年ねん2月がつ28日にち、194頁ぺーじ。ISBN 978-4-7699-0825-8。 
  6. ^ Kunitzsch, Paul; Smart, Tim (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 50. ISBN 978-1-931559-44-7 
  7. ^ "bet Psc". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c 『ステラナビゲータ11』（11.0i）AstroArts。 
  9. ^ "zet01 Psc". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  10. ^ "eta Psc". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  11. ^ "omi Psc". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  12. ^ a b c d “Approved names” (英語えいご). Name Exoworlds. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (2019年ねん12月17日にち). 2022年ねん11月29日にち閲覧えつらん。
  13. ^ "Wolf 28". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年ねん12月8日にち閲覧えつらん。
  14. ^ a b c d e f g h i j Ridpath, Ian. “Star Tales - Pisces”. 2022年ねん11月29日にち閲覧えつらん。
  15. ^ a b 近藤こんどう二郎じろう『わかってきた星座せいざ神話しんわの起源きげん 古代こだいメソポタミアの星座せいざ』誠まこと文ぶん堂どう新光しんこう社しゃ、2010年ねん。ISBN 978-4-416-21024-6。 
  16. ^ a b Condos; Theony (1997). Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus. Grand Rapids, MI, U.S.A.: Phanes Press. p. 145-149. ISBN 978-1-60925-678-4. OCLC 840823460 
  17. ^ ジェー、ノルマン、ロックヤー 著しる、木村きむら一歩はじめ、内田うちだ正雄まさお 編へん『洛らく氏し天文学てんもんがく 上じょう冊さつ』文部省もんぶしょう、1879年ねん3月がつ、57頁ぺーじ。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/831055。 
  18. ^ 「天てん圖ずの説明せつめい」『天文てんもん月報げっぽう』第だい1巻かん第だい5号ごう、1908年ねん8月がつ、12頁ぺーじ、ISSN 0374-2466。 
  19. ^ 「星座せいざ名めい」『天文てんもん月報げっぽう』第だい2巻かん第だい11号ごう、1910年ねん2月がつ、11頁ぺーじ、ISSN 0374-2466。 
  20. ^ 『文部省もんぶしょう学術がくじゅつ用語ようご集しゅう天文学てんもんがく編へん（増ぞう訂てい版ばん）』（第だい1刷さつ）日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこう会かい、1994年ねん11月15日にち、316頁ぺーじ。ISBN 4-8181-9404-2。 
  21. ^ 「星座せいざ名めい」『天文てんもん月報げっぽう』第だい45巻かん第だい10号ごう、1952年ねん10月がつ、13頁ぺーじ、ISSN 0374-2466。 
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座標ざひょう: 星図 01h 00m 00s, +15° 00′ 00″

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