(Translated by https://www.hiragana.jp/)
アルゴ座 - Wikipedia コンテンツにスキップ

アルゴ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
1922ねんに3つに分割ぶんかつされる以前いぜんのアルゴ

アルゴ[1](アルゴざ、Argo[2][3])、またはアルゴせん[4](アルゴせんざ、Argo Navis[3])は、現在げんざいもちいられていない南天なんてん星座せいざ古代こだいギリシア伝承でんしょう登場とうじょうするふねアルゴーをモチーフとしている。古代こだいギリシア時代じだいから20世紀せいき初頭しょとうまで、途中とちゅういくらか改変かいへんけながらも1つの巨大きょだい星座せいざとしてあつかわれてきたが、1922ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) が現代げんだいの88星座せいざとその名称めいしょうさだめたさいに、正式せいしきりゅうこつともの3つに分割ぶんかつされることがまった[2]。そのため、クラウディオス・プトレマイオス(トレミー、えい: Ptolemy)のてん文書ぶんしょアルマゲスト』にげられた48星座せいざなか唯一ゆいいつ現代げんだいの88星座せいざえらばれなかった星座せいざとなった[5]

由来ゆらい歴史れきし

[編集へんしゅう]

古代こだいギリシア・ローマ

[編集へんしゅう]

アルゴは、古代こだいメソポタミア起源きげんほか古代こだいギリシアの星座せいざとはことなり、古代こだいエジプトにその起源きげんつとかんがえられている[5]。たとえば、帝政ていせいローマ1世紀せいきころのギリシアじん著述ちょじゅつプルタルコスは、著書ちょしょ『モラリア』のなかでアルゴをエジプトの「オシリスのふね」とばれる星座せいざ同定どうていしていた[5][6]。ギリシアじんがこの南天なんてんほしぐんふね星座せいざなすようになった時期じきさだかではないが、アメリカの天文学てんもんがくしゃ天文てんもん研究けんきゅうのJohn C. Barentineは、幾何きかがく文様もんよう以前いぜん紀元前きげんぜん1000ねんころにエジプトからつたわったのではないかとしている[5]

星座せいざとしてのアルゴせんは、紀元前きげんぜん4世紀せいき古代こだいギリシアの天文学てんもんがくしゃクニドスのエウドクソス著書ちょしょ『ファイノメナ (古希こき: Φαινόμενα)』のなか星座せいざのリストにすでにその名前なまえがっていた[5]。このエウドクソスの『ファイノメナ』は現存げんそんしていないため、書中しょちゅうでアルゴについてどのように記述きじゅつされていたか不明ふめいだが、エウドクソスの著述ちょじゅつもと詩作しさくしたとされる紀元前きげんぜん3世紀せいき前半ぜんはんのマケドニアの詩人しじんアラートス詩篇しへん『ファイノメナ (古希こき: Φαινόμενα)』では、もやがかかってアルゴせん船首せんしゅあたりがえないことがうたわれている[7]紀元前きげんぜん3世紀せいき後半こうはん天文学てんもんがくしゃエラトステネースの『カタステリスモイ (古希こき: Καταστερισμοί)』や1世紀せいき初頭しょとうごろ著作ちょさくガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文てんもん (: De Astronomica)』においても、アルゴ船首せんしゅ姿すがた星座せいざとなっているとされた[8]

アルゴ構成こうせいするほしについて、エラトステネースとヒュギーヌスはともにほしかずを27としていた[8]。これにたいして、2世紀せいきころアレクサンドリア活躍かつやくしたクラウディオス・プトレマイオスあらわした『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希こき: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τたうῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』では、アルゴには45ほしがあるとされた。プトレマイオスがしめした45ほし現在げんざいのどのほしたるのかについては、研究けんきゅうしゃあいだ多少たしょう相違そういられるものの、現代げんだいのとも・らしんばんだい部分ぶぶん、ほ東側ひがしがわのぞ一部いちぶと、りゅうこつ南側みなみがわのぞ一部いちぶ相当そうとうする、というてんおおむ一致いっちしている[9]

16-18世紀せいき

[編集へんしゅう]

だい航海こうかい時代じだいむかえ、それまで観測かんそくできなかった南天なんてんほし々についての情報じょうほう西洋せいようにもたらされるようになると、それを天球儀てんきゅうぎ星図せいず反映はんえいさせようとする気運きうんまれた。だい航海こうかい時代じだい前半ぜんはんのポルトガルじんたちの観測かんそく記録きろく不正確ふせいかくだったため、星図せいず作成さくせいにはてきしていなかった[10]。しかし、16世紀せいきすえにオランダが海外かいがい進出しんしゅつはじめるとその状況じょうきょう一変いっぺんした[10]1595ねんから1597ねんにかけておこなわれたオランダのだい1ひがしインド遠征えんせい英語えいごばん帯同たいどうしたオランダの航海こうかいペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマンは、南天なんてん観測かんそくしてその詳細しょうさい記録きろくのこした[10][11]。ケイセルは航海こうかい途中とちゅう1596ねんバンテン客死かくししたが、かれのこした観測かんそく記録きろくはデ・ハウトマンによってオランダの地図ちず製作せいさくしゃペトルス・プランシウスもととどけられた[11]。プランシウスはデ・ハウトマンからった観測かんそく記録きろくもとに、オランダの地図ちず製作せいさくしゃヨドクス・ホンディウス英語えいごばん共同きょうどうで、1598ねん天球儀てんきゅうぎ製作せいさくした。このプランシウスとホンディウスの天球儀てんきゅうぎで、アルゴは『アルマゲスト』にしるされたものから南東なんとう拡張かくちょうされた[12]

ヨハン・バイエル『ウラノメトリア』(1603ねん)にえがかれたアルゴ (Navis)。船首せんしゅ部分ぶぶん画像がぞう左側ひだりがわ)をいわ破壊はかいされた姿すがたえがかれている。

1603ねんドイツ法律ほうりつヨハン・バイエルは、プランシウスとホンディウスの天球儀てんきゅうぎからほし位置いちをコピーして製作せいさくした星図せいずウラノメトリア (Uranometria)』を出版しゅっぱんした[10]。バイエルは、この星座せいざNavis[13]とし、そのほし々にたいして、あかるいほしからじゅんギリシア文字もじ符号ふごうαあるふぁからωおめがまでし、さらにラテン文字もじ小文字こもじでsまでの符号ふごうした[13][14][15][ちゅう 1]。またバイエルは、船首せんしゅ部分ぶぶんくとされてきたアルゴせん表現ひょうげんとして、アルゴせん船首せんしゅくだいている巨大きょだいいわ姿すがたえがいた[3][17][14]

1602ねんオランダのだい2ひがしインド遠征えんせい英語えいごばんから帰還きかんしたフレデリック・デ・ハウトマンは、1603ねん刊行かんこうしたオランダのマレー辞典じてんにこのだい2遠征えんせいでの南天なんてん観測かんそく記録きろくもと製作せいさくした南天なんてんほしひょう付録ふろくとしてけた[18]。このほしひょうでデ・ハウトマンは、アルゴほしとして56ほし位置いちあかるさを記載きさいしている[19][20]

ノアの方舟はこぶね

[編集へんしゅう]

16世紀せいきから17世紀せいきにかけて、しばしばアルゴは、旧約きゅうやく聖書せいしょ創世そうせいかたられるノア伝承でんしょう登場とうじょうする方舟はこぶね同一どういつされた。16世紀せいきドイツの人文じんぶん学者がくしゃペトルス・アピアヌス1540ねん出版しゅっぱんしたてん文書ぶんしょ『Astronomicum Caesareum』には、Navis(ふね)、Navis Ioanis(イアソンのふね)、Argonavis(アルゴせん)などの名称めいしょうとともに Arca Noë(ノアの方舟はこぶね)という名称めいしょうしるされている[21]。また先述せんじゅつのプランシウスやホンディウスの天球儀てんきゅうぎでは、オリーブえだくわえてふねかってハト姿すがたえがかれており、ノアの方舟はこぶねとは明記めいきこそされないもののだい洪水こうずいったのちのエピソードを想起そうきさせる意匠いしょうらされていた[12]1602ねんにオランダの天文学てんもんがくしゃ地図ちず製作せいさくしゃウィレム・ブラウ英語えいごばん製作せいさくした天球儀てんきゅうぎでは、アルゴに「Argus, Arca Noë(アルゴ、ノアの方舟はこぶね)」という星座せいざめいけられていた[22]。バイエルの『ウラノメトリア』でも、複数ふくすうある星座せいざめいの1つとして「Archa Nohæ(ノアの方舟はこぶね)」と紹介しょうかいされている[13]。またプランシウスも、1613ねん製作せいさくした天球儀てんきゅうぎじょうで Arca Noehi(ノアの方舟はこぶね)と改名かいめいし、3ほんマストの近代きんだいてき帆船はんせんえがいた[3]

1627ねん出版しゅっぱんされたドイツの法律ほうりつユリウス・シラー英語えいごばん星図せいず『Coelum Stellatum Christianum』では、ラテン語らてんごで「族長ぞくちょうノアの方舟はこぶね」を意味いみする ARCAE PATRIARCHAE NOACHI という星座せいざめいてられた[23]。この星図せいずは、バイエルの『ウラノメトリア』を当時とうじ最新さいしん観測かんそく記録きろくもとにアップデートするとともに、すべての星座せいざキリスト教きりすときょう由来ゆらいした事物じぶつえようという壮大そうだい目論見もくろみしたにシラーとバイエルが製作せいさくすすめていたものであったが、完成かんせいまえにしてりょう相次あいついで他界たかいしたため、ドイツの天文学てんもんがくしゃヤコブス・バルチウスにんのちいで出版しゅっぱんしたものであった[10]

「チャールズのかし

[編集へんしゅう]

17世紀せいきイギリスの天文学てんもんがくしゃエドモンド・ハリーは、1676ねんセントヘレナとうでの南天なんてん観測かんそく記録きろくもと1679ねん刊行かんこうしたてん文書ぶんしょ『Catalogus Stellarum Australium』のなかで、現在げんざいりゅうこつβべーたほしηいーたほしθしーたほしυうぷしろんほしμみゅーほしなど、バイエルのアルゴケンタウルスあいだにあったどちらにも所属しょぞくしていないほしとアルゴ南東なんとう部分ぶぶんにあるほしけい12使つかって「Robur Carolinumチャールズのかし)」という星座せいざもうけた[24]。これは、1651ねんウスターのたたかオリバー・クロムウェルひきいる議会ぎかいぐんやぶれたイングランド・スコットランド皇太子こうたいしチャールズかくしたイングリッシュオークをモチーフとしたものであった[24]ポーランド天文学てんもんがくしゃヨハネス・ヘヴェリウス編纂へんさんし、かれ死後しご1690ねん出版しゅっぱんされたてん文書ぶんしょ『Prodromus Astronomiae』におさめられた星図せいず「Firmamentum Sobiescianum」の南天なんてん部分ぶぶんは、ハリーの『Catalogus Stellarum Australium』をもと製作せいさくされており[25]、ハリーの Robur Carolinum も採用さいようされていた。ただしヘヴェリウスは、アルゴせんみしだかれられた星座せいざえがいている[26]

この政治せいじてき色合いろあいのい Robur Carolinum は天文学てんもんがくしゃたちから忌避きひされ、19世紀せいきわりころまでにはほぼすべての星図せいずから姿すがたした[5]

18世紀せいき後半こうはん以降いこう

[編集へんしゅう]

ラカイユによる改変かいへん

[編集へんしゅう]
ニコラ=ルイ・ド・ラカイユ『Coelum australe stelliferum』(1763ねん)にえがかれた Argo Navis(アルゴせん)。

フランスの天文学てんもんがくしゃニコラ・ルイ・ド・ラカイユは、1756ねん出版しゅっぱんされたフランス科学かがくアカデミーの1752年版ねんばん紀要きよう寄稿きこうしたほしひょう天球てんきゅうで、アルゴ以下いか改変かいへんおこなった[27][28][29]

  1. ハリーの Robur Carolinum をはいして、これらのほしをアルゴ一部分いちぶぶんとすることで、アルゴひがし方向ほうこう拡張かくちょうした[3][5]
  2. バイエルが「マストの4ほし」とした部分ぶぶんをアルゴからはなし、あらたに航海こうかいようコンパスをした星座せいざ la Boussole設定せっていした[30][ちゅう 2]。この星座せいざ1763ねんほしひょうではラテン語らてんごした Pixis Nautica改名かいめいされ、のちのらしんばん (Pyxis) のもととなった。
  3. バイエルがアルゴしたギリシア文字もじとラテン文字もじ符号ふごうすべはいして、あらたにギリシア文字もじ符号ふごうαあるふぁからωおめがまでなおした[31]
  4. アルゴに、Corps du Navire (船体せんたい) 、Pouppe du Navire (船尾せんび) 、Voilure du Navire () の3つのしょう区画くかくもうけた。これらは、ラカイユの死後しご1763ねん出版しゅっぱんされたほしひょう Coelum australe stelliferum では、それぞれラテン語らてんごArgûs in carinaArgûs in puppiArgûs in velisとされた[31]
  5. Corps du NavirePouppe du NavireVoilure du Navireほしのうちギリシア文字もじ符号ふごうされていないものにたいしては、しょう区画くかくごとにラテン文字もじ小文字こもじで a、b、c……z 、つづいて大文字おおもじで A、B、C…… Z と符号ふごうけた[27][ちゅう 3]

ラカイユは、ほしひょう以下いかのようなただきをのこしている[3][35]

星座せいざ「Navire(ふね)」は、肉眼にくがんでよくえる160以上いじょうほしから構成こうせいされており、わたしはまずそれらを構成こうせいするもっとあかるいほし々にギリシア文字もじはいした。そして、それらを「la Pouppe(船尾せんび)」「le Corps(船体せんたい)」「la Voilure()」の3つの部分ぶぶんけた。「船尾せんび」はかじによって船体せんたいからはなされ、「」は船体せんたい外側そとがわえん水平すいへいマスト、あるいはるスパーとのあいだにあるものすべてをそうぶこととした。これらの部分ぶぶんには、それぞれラテン語らてんご大文字おおもじ小文字こもじれた。
Nicolas Louis de Lacaille、Histoire de l'Académie royale des sciences. Année M. DCCXLVII. (1756)

星座せいざ歴史れきしかんする日本語にほんご文献ぶんけんでは「アルゴはラカイユによってとも・ほ・りゅうこつ・らしんばんの4つの星座せいざ分割ぶんかつされた」と紹介しょうかいされることがある[36][37][38][39][40]。しかしながらラカイユ自身じしん説明せつめいしているように、ラカイユはアルゴ一部いちぶけずってらしんばんもうけ、のこるアルゴ領域りょういきを3つのしょう区画くかく区分くわけしただけであり、アルゴを4つの星座せいざ分割ぶんかつしたという事実じじつはない実際じっさい、ラカイユの星図せいずじょうでは、航海こうかいようコンパスとふねべつ星座せいざとしてあつかい、それぞれに星座せいざめい明記めいきしている[28][41]。これにたいして「とも」・「りゅうこつ」・「ほ」にたる星座せいざめい一切いっさいかれていない[28][41][42]

「マスト」の追加ついか

[編集へんしゅう]

Pixis Nautica をもうけるためにラカイユがアルゴからけずったほし々を、ふたたびアルゴ一部分いちぶぶんもどすべきだとかんがえたものもいた。1843ねん天王星てんのうせい発見はっけんしゃウィリアム・ハーシェルちち19世紀せいきイギリス天文学てんもんがくしゃジョン・ハーシェルは、当時とうじ王室おうしつ天文てんもんかんとしてほしひょう『The Catalogue of Stars of the British Association for the Advancement of Science』、いわゆる『BACほしひょう』を編纂へんさんちゅうフランシス・ベイリーてた書簡しょかんで、南天なんてん星座せいざについて以下いか改訂かいていおこなうよう提案ていあんした[29][43]

  1. ラカイユが採用さいようした星座せいざほし配置はいちすべ維持いじする。
  2. ラカイユがプトレマイオスりゅうに「形成けいせい」とみなしたような位置いちうたがわしいほしは、星座せいざ境界きょうかい命名めいめい規則きそくせいたもつために連続れんぞくする星座せいざ境界きょうかいのどちらか一方いっぽうふくまれるようにする。
  3. ラカイユののこりのすべてのほしをラカイユがさだめた境界きょうかいせんない配置はいちすること。ただしつぎ例外れいがいのぞく。
    1. 登録とうろくされている星座せいざ境界きょうかいからはなれすぎているほし
    2. プトレマイオスやフラムスティードによって星座せいざ登録とうろくされているほし、あるいは以前いぜん観測かんそくされたほし混同こんどうされているほし
    3. ラカイユによってインディアンやり先端せんたん配置はいちされた4つのほし。これらはくじゃく一部いちぶとされている。
  4. アルゴ、ケンタウルス、さいだん、おおかみは、バイエルが導入どうにゅうした符号ふごうではなくラカイユが選択せんたくした文字もじ優先ゆうせんして採用さいようする。いくつかの例外れいがいのぞき、ギリシア文字もじは5とうほしまでしかのこさない。ラテン文字もじは、アルゴしょう区画くかくのぞいて現時点げんじてんでは使用しようしない。
  5. ラカイユによって一部いちぶかんがえられていたように、アルゴを4つのしょう区画くかく分割ぶんかつする。ラカイユが考案こうあんした Carina(竜骨りゅうこつ)・Puppis(船尾せんび)・Vela()をのこし、プトレマイオスがふねのマストの部分ぶぶんとしたほし使つかわれた Pixis Nautica(航海こうかいようコンパス)を Malus(マスト)にえる。
  6. もとのアルゴは、そのおおきさと今回こんかい提案ていあんされたしょう区画くかくのために、文字もじかんして以下いか方法ほうほう慎重しんちょう改訂かいていされる。
    1. 主要しゅようほし現在げんざい命名めいめい維持いじするため、ラカイユによってギリシア文字もじしめされたアルゴすべてのほし(すなわち、上記じょうきしょう区画くかくふくむ)を、アルゴという総称そうしょうした現在げんざい文字もじのまま維持いじする。
    2. のこすべてのほしは、Carina・Puppis・Vela・Malusなどほし位置いちするふね部分ぶぶん名前なまえと、ラカイユが採用さいようしたラテン文字もじによって5とうほしまで指定していされる。おなしょう区画くかくにありはなれた位置いちにあるほしおな文字もじ使つかってはならない。競合きょうごうする場合ばあいはよりあかるいほし優先ゆうせんし、おな等級とうきゅう場合ばあい先行せんこうするほし優先ゆうせんする。
  7. ラカイユが2単語たんご命名めいめいした星座せいざは、そのうちの1単語たんごだけで表現ひょうげんするようにする。Apparatus Sculptoris・Mons Mensae・Caelum Scalptorium・Equuleus Pictorius・Piscis Volans・Antlia Pneumaticaは、それぞれ Sculptor・Mensa・Caelum・Pictor・Volans・Antlia とすることを提案ていあんする。これらはラカイユ自身じしんによって一部いちぶ使つかわれていたことがある短縮形たんしゅくけいで、ほし登録とうろく非常ひじょう便利べんりである。

ハーシェルからの提案ていあんけたベイリーは、『BACほしひょう』を編纂へんさんするにあたってこれらの提案ていあんをほぼ全面ぜんめんてき採用さいようした[44]。その結果けっか、アルゴあかるいほし々にラカイユがけたギリシア文字もじ符号ふごうすべ採用さいようされ、「αあるふぁ Argûs」などのように表記ひょうきされた[45]。また、ラカイユがもうけた Pixis Nautica は Malus と改名かいめいされてアルゴ一部分いちぶぶんとして編入へんにゅうされ、ラカイユがけたギリシア文字もじ符号ふごうすべがされた[45]。この改変かいへんにあたって、ハーシェルもベイリーも Carina・Puppis・Vela・Malus をにたいして constellation ではなく subdivision という表現ひょうげんもちいており、4つの独立どくりつした星座せいざつくるのではなく、アルゴなかもうけた4つのしょう区画くかく位置付いちづけていた[43][45]

このハーシェルの提案ていあんによる改変かいへんすべてが天文学てんもんがくしゃたちかられられたわけではなく、とくにアルゴかんする変更へんこうあらたな混乱こんらんむだけであるとして不評ふひょうであった[46]

分割ぶんかつ消滅しょうめつ

[編集へんしゅう]

1879ねん当時とうじコルドバしゅう新設しんせつされたアルゼンチン国立こくりつ天文台てんもんだい英語えいごばん所長しょちょうしょくにあったアメリカまれの天文学てんもんがくしゃベンジャミン・グールドは、自身じしん観測かんそく記録きろくもと編纂へんさんした南天なんてんほしひょう『Uranometria Argentina』を刊行かんこうした。グールドはこの『Uranometria Argentina』を編纂へんさんするにあたり、おおぎるがゆえ不便ふべんなことのおおいアルゴを3つの星座せいざ分割ぶんかつして、名称めいしょうのこさず完全かんぜん放棄ほうきすることとした[47]。この決断けつだんについてグールドは「ラカイユが、プトレマイオスの権威けんい尊重そんちょうするあまりに、アルゴとケンタウルスめる広大こうだい天空てんくうあたらしい星座せいざ導入どうにゅうしなかったのは非常ひじょう残念ざんねんなことであった[29]。」「由緒ゆいしょあるアルゴ完全かんぜん放棄ほうきすることに遺憾いかんねんいだかずにいられないが、アルゴはその正当せいとう子孫しそんによって代理だいりされるのでることはない。事実じじつじょう放棄ほうきしながら名前なまえだけのこすのは、無駄むだ星座せいざのリストをやし命名めいめいほう複雑ふくざつにしてしまうだけで、なんやくにもたない[47]。」とべている。このグールドによる改変かいへんにより、まずハーシェルの Malus がはいされ、アルゴから独立どくりつした星座せいざ Pyxis復活ふっかつした。またPyxisには、ラカイユがけたギリシア文字もじ符号ふごうなおされた[48]。アルゴは、CarinaPuppisVelaの3つの星座せいざ分割ぶんかつされ、ギリシア文字もじ符号ふごうはそのままに、星座せいざめい部分ぶぶんだけが変更へんこうされた[49]。またラテン文字もじ符号ふごうは、変光星へんこうせい命名めいめいほうアルゲランダー記法きほう」と競合きょうごうしないよう、いくつかのほし変更へんこうされた[49]

こうしてアルゴ消滅しょうめつすることとなったが、アメリカのアマチュア博物はくぶつ学者がくしゃリチャード・ヒンクリー・アレン1899ねん刊行かんこうした星座せいざ解説かいせつしょ『Star Names, Their Lore and Meaning』では Argo Navis という1つの星座せいざとして項目こうもくてられており、「最近さいきん天文学てんもんがくしゃ参照さんしょう便宜べんぎはかるために(アルゴを)区分くわけしており、それらは Carina(竜骨りゅうこつ恒星こうせい268)、Puppis(船尾せんび恒星こうせい313)、Vela(恒星こうせい248)の3つの領域りょういきとしてられている[ちゅう 4]。」と紹介しょうかいされるなど、19世紀せいきまつ時点じてんではまだ「3つのしょう区画くかくつ1つの巨大きょだい星座せいざ」としてあつかわれるケースもられた[51]

1922ねん5月にローマ開催かいさいされたIAUの設立せつりつ総会そうかい現行げんこうの88星座せいざ提案ていあんされたさい、ラカイユ以降いこうに「アルゴ」とされていた領域りょういきは、Carina(りゅうこつ)、Puppis(とも)、Vela(ほ)の3つに分割ぶんかつされることが決定けっていされた[2]同時どうじにこれら3つの星座せいざ総称そうしょうとしてラテン語らてんごめいArgo (ぞくかくがたArgus) とほぼArg制定せいていされた[52][2]。その、IAUよりぜんてん88星座せいざ境界きょうかいせん策定さくてい付託ふたくされたベルギー天文学てんもんがくしゃウジェーヌ・デルポルト草案そうあん1928ねん正式せいしきみとめられ、これが1930ねんに『Délimitation Scientifique des Constellations』と『Atlas Céleste』という2つの出版しゅっぱんぶつとしてケンブリッジ大学けんぶりっじだいがく出版しゅっぱんきょくから刊行かんこうされたことにより、現行げんこうの88星座せいざ境界きょうかいせん確定かくていされた[53]。ここにいたり、星座せいざとしてのアルゴせんはその歴史れきしまくじられた。

中国ちゅうごく

[編集へんしゅう]

バイエルやラカイユがアルゴとしたほしのうち、北側きたがわほし中国ちゅうごく星座せいざたる「二十八宿にじゅうはっしゅく」のほしかんふくまれていた。清朝せいちょういぬいたかしみかど治世ちせい1752ねんに、ドイツじん宣教師せんきょうしイグナーツ・ケーグラー英語えいごばん(戴進けん)らによって編纂へんさんされたほしひょう欽定きんていぞうこうなり』では、南方みなかた朱雀すじゃくなな宿しゅくだいいち宿しゅく宿やど」のほしかん老人ろうじん」に1ほし、「きつね」に5ほし南方みなかた朱雀すじゃくなな宿しゅくだい宿しゅくおに宿やど」のほしかんてん」に1ほし、「天狗てんぐ」に7ほし、「てんしゃ」に6ほしはいされていた[54]。また、明朝みょうちょう末期まっきたかしただしみかど治世ちせい1635ねんイエズスかいアダム・シャールわかもち)、じょひかりけいらが編纂へんさんしたてん文書ぶんしょたかしただしれきしょ』では、それまで中国ちゅうごく天文てんもんではあつかわれなかったてん南極なんきょく周辺しゅうへんほしれられた[55]。これら南天なんてんほし々は、のちの『欽定きんていぞうこうなり』でも「きん南極なんきょくぼし」として拡充かくじゅうされてがれた[55]。これまでほしかんはいされていなかったアルゴ南側みなみがわほしも、『欽定きんていぞうこうなり』ではほしかん海山みやま」に3ほし、「うみせき」に5ほし、「みなみせん」に5ほしはいされたとされる[55][56]

アルゴ恒星こうせい一覧いちらん

[編集へんしゅう]

ラカイユがアルゴあかるい恒星こうせいったギリシア文字もじ符号ふごうと、それが現在げんざいぞくする星座せいざ以下いかしめす。おおむあかるいほしからじゅん符号ふごうられている。ηいーたほしは、16世紀せいきまつはじめて観測かんそくされてから現在げんざいいたるまで、そのあかるさをおおきく変化へんかさせている[57]。ラカイユが1752ねん観測かんそくした当時とうじは2.3とう前後ぜんこうであったが、1830年代ねんだいから1850年代ねんだいにかけてきた "Great Eraption" とばれる大増おおますこうで、一時いちじはカノープスをしのぐほどのあかるさとなった[57]。その1870年代ねんだいには肉眼にくがんではえなくなるほどくらくなったが、2018ねんには4.2とう前後ぜんこうまであかるくなっている[58]οおみくろんほしは、現在げんざいとともにあるが、ともοおみくろんほしはラカイユがラテン文字もじ小文字こもじ「o」でしめしたほし後世こうせいあやまってギリシア文字もじの「οおみくろん」とされたものとかんがえられている[59]

ギリシア文字もじ符号ふごうけられたアルゴ恒星こうせい一覧いちらん
符号ふごう IAUが認証にんしょうした固有こゆうめい かけの等級とうきゅう[ちゅう 5] 現在げんざい星座せいざ
日本語にほんご[60] 固有こゆうめい[61] りゅうこつ とも
αあるふぁ カノープス Canopus -0.74
βべーた ミアプラキドゥス Miaplacidus 1.69
γがんま 1.83
δでるた アルセフィナ Alsephina 1.95
εいぷしろん アヴィオール Avior 1.86
ζぜーた ナオス Naos 2.25
ηいーた 6.48[ちゅう 6]
θしーた 2.76
ιいおた アスピディスケ Aspidiske 2.26
κかっぱ マルケブ Markeb 2.473
λらむだ スハイル Suhail 2.21
μみゅー 2.69
νにゅー 3.17
ξくしー アズミディ Asmidi 3.30
οおみくろん 3.63
πぱい 2.70
ρろー トゥレイス Tureis 2.81
σしぐま 3.25
τたう 2.93
υうぷしろん 2.99
φふぁい 3.45
χかい 3.431
ψぷさい 3.60
ωおめが 3.33

神話しんわ

[編集へんしゅう]

きむ羊毛ようもうめぐるアルゴせんアルゴナウタイ物語ものがたりは、古代こだいギリシア・ローマのおおくの著者ちょしゃあいされた主題しゅだいであった[8]

アルゴ船首せんしゅ部分ぶぶんいた姿すがたをしていることについての説明せつめい著作ちょさくごとにことなる。紀元前きげんぜん3世紀せいき前半ぜんはんのアラートスの詩篇しへん『ファイノメナ』では、以下いかのように船首せんしゅ部分ぶぶんは靄にかかってえないとうたわれている[7]

だいいぬせっするようにアルゴーせんはそのともから
かれてくる。もちろん、これは本来ほんらい航行こうこう姿すがたではない。
うしきにすすんでいる。ちょうど、停泊ていはくはいっていくために。
すでに船乗ふなのりたちが船尾せんびきをそちらへわせえた。
地上ちじょうふねのように。それですばやく全員ぜんいんふねぎゃくこげさせると、
ふねともほうから陸地りくちへしっかとわえられる。
まさしくこのように、イアソンのアルゴーせんともからかれてくるのだ。
舳先へさきから帆柱ほばしらそのものまでは、靄のかかったようで
ほしもないまますすむが、ほかはすべてかがやいている。
そのかじもぶらりとがったまま、まえいぬ
後足あとあしのすぐのあたりにえつけられている。

アラートス伊藤いとう照夫てるお やく、「アルゴ」、『Φαινόμενα(星辰せいしん)』[7]

1世紀せいき初頭しょとう古代こだいローマ軍人ぐんじんゲルマニクスは、アラートスの『ファイノメナ』をラテン語らてんごやくしたさいに「いわ衝突しょうとつしてこわれた」とえた[63]。このいわは、古代こだいギリシア・ローマの伝承でんしょうかたられたシュムプレーガデスのいわのこととかんがえられるが、シュムプレーガデスのいわくだかれたのは船首せんしゅではなく船尾せんびのごく一部いちぶだけであるため、船首せんしゅ部分ぶぶんくアルゴたいする説明せつめいとしては適切てきせつでないとされる[8]。エラトステネースの『カタステリスモイ』では「ふねかじからかい、マストまでえるのは、この部分ぶぶん船乗ふなのりがることでより熱心ねっしんはたらくようになるから」とし、ヒュギーヌスの『天文てんもん』では「ふね半分はんぶんだけがえることにより、船乗ふなのりが難破なんぱをしてもおおきなおそれをいだかないようにするため」としている[8]

18世紀せいきイギリスの百科ひゃっか事典じてん編纂へんさんしゃイーフレイム・チェンバーズは、百科ひゃっか事典じてんサイクロペディア、またはしょげいしょがく百科ひゃっか事典じてん (えい: Cyclopædia: or, An Universal Dictionary of Arts and Sciences)』のなかで、「イアーソーンは冒険ぼうけんえたのちにコリントス地峡ちきょうおもむき、アルゴせんネプチューン奉献ほうけんした。ほどなくして、ネプチューンはふねてんへとうつした。」とするはなしつたえている[5]。また、20世紀せいきイギリスの詩人しじんロバート・グレーヴス著書ちょしょギリシア神話しんわ (The Greek myths)』で「いたイアーソーンがコリントのもどり、てたアルゴせんした腰掛こしかけて過去かこ出来事できごとおもいをめぐらせていると、ちょうどそのとき舳先へさきはりくさちてきて、イアーソーンはその下敷したじきとなっていのちとした。かれいたんだポセイドーンは、ふねのこった部分ぶぶんほし々のあいだいた。」としている[3]

呼称こしょう方言ほうげん

[編集へんしゅう]

1922ねん星座せいざとして廃止はいしされるさいに、主格しゅかく Argoぞくかく Argus略称りゃくしょう Arg正式せいしきさだめられた[2]。それまでは、Argo Navis[20]、Navis[13][64]、Navis Ioanis(イアーソーンのふね[13]など様々さまざま名称めいしょうばれていた。

日本にっぽんでは、1879ねん明治めいじ12ねん)にノーマン・ロッキャー著書ちょしょ『Elements of Astronomy』をやくした『らく天文学てんもんがく』が刊行かんこうされたさいに、ラテン語らてんごの「アルゴナヴィス」、英語えいごの「シップアルゴ」というみが紹介しょうかいされていた[65]明治めいじ末期まっきには「アルゴ」という訳語やくごてられていた。これは、1910ねん明治めいじ43ねん)2がつ刊行かんこうされた日本にっぽん天文てんもん学会がっかい会誌かいし天文てんもん月報げっぽう』のだい2かん11ごう掲載けいさいされた、星座せいざ訳名やくめい改訂かいていされたことをつたえる「星座せいざめい」という記事きじ確認かくにんできる[66]。『理科りか年表ねんぴょう』が創刊そうかんされた1925ねん大正たいしょう14ねん)には、すでにアルゴ分割ぶんかつ廃止はいしされていたため、初版しょはんから「【アルゴ】」と括弧かっこきで紹介しょうかいされた[67]1952ねん昭和しょうわ27ねん)7がつ日本にっぽん天文てんもん学会がっかいが「星座せいざめいはひらがなまたはカタカナで表記ひょうきする」[68]としたさい星座せいざめい一覧いちらんにも、「Argo アルゴ」 として星座せいざめい掲載けいさいされた[69]1974ねん昭和しょうわ49ねん)1がつ刊行かんこうされた『学術がくじゅつ用語ようごしゅう天文学てんもんがくへん)』でも番外ばんがいとして和名わみょうの「アルゴ」が記載きさいされていた[70]が、1994ねん平成へいせい6ねん)に刊行かんこうされた『学術がくじゅつ用語ようごしゅう天文学てんもんがくへんぞうていばん)』では「アルゴ」はのこされなかった[71]

天文てんもん同好どうこうかい[ちゅう 7]山本やまもと一清かずきよらはことなる訳語やくごてていた。天文てんもん同好どうこうかい編集へんしゅうにより1928ねん昭和しょうわ3ねん)4がつ刊行かんこうされた『天文てんもん年鑑ねんかんだい1ごうでは星座せいざめい Argo にたいして「アルゴせん」の訳語やくごてていた[72]。さらに1931ねん昭和しょうわ6ねん)に刊行かんこうされただい4ごうからは星座せいざめい Argo Navis にたいして「アルゴせん」のわけ[4]以降いこうごうでもこの星座せいざめい訳名やくめい継続けいぞくしてもちいていた[73]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 19世紀せいきアメリカの天文学てんもんがくしゃベンジャミン・グールドは、著書ちょしょ『Uranometoria Argentina』のなかで「αあるふぁとaの混同こんどうけるためにaのわりに大文字おおもじのAが使つかわれた」としている[16]
  2. ^ ベンジャミン・グールドは、著書ちょしょ『Uranometoria Argentina』のなかポンプ(la Machine Pneumatique、のちに Antlia Pneumatica)もおなじく帆柱ほばしら部分ぶぶんってつくられたとしている[29]
  3. ^ ラカイユはバイエルとことなり、 a のわりに A をもちいることはせず、aほしもうけた。そのため、とも・ほ・りゅうこつにはプトレマイオス星座せいざにはない「aほし」が存在そんざいする[32][33][34]
  4. ^ アレンが引用いんようしたかく星座せいざ恒星こうせいすうは、グールドの『Uranometria Argentina』によるものである[50]
  5. ^ SIMBAD Astronomical Databaseかく恒星こうせいのV等級とうきゅう参照さんしょう
  6. ^ 近年きんねんゆるやかなぞうこうにより、2023ねん現在げんざいは4.0とう前後ぜんこうまであかるくなっている[62]
  7. ^ 現在げんざい東亜とうあ天文てんもん学会がっかい

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ はらめぐみ 2007, pp. 75–85.
  2. ^ a b c d e Ridpath, Ian. “The IAUえーゆー list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2023ねん4がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g Ridpath, Ian. “Argo Navis”. Star Tales. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  4. ^ a b 天文てんもん同好どうこうかい へん天文てんもん年鑑ねんかん』4ごう新光しんこうしゃ、1931ねん3がつ30にち、4-5ぺーじdoi:10.11501/1138410https://dl.ndl.go.jp/pid/1138410/1/10 
  5. ^ a b c d e f g h Barentine, John C. (2015). The lost constellations : a history of obsolete, extinct, or forgotten star lore. Cham: Springer. pp. 65-88. ISBN 978-3-319-22795-5. OCLC 926914920 
  6. ^ プルタルコス柳沼やぎぬま重剛しげたけ『エジプトしんイシスとオシリスの伝説でんせつについて』岩波書店いわなみしょてん東京とうきょう、1996ねん2がつ16にち、47ぺーじISBN 978-4003366455OCLC 834222130 
  7. ^ a b c アラトスカンドロス、オッピアノス ちょ伊藤いとう照夫てるお やく星辰せいしん」『ギリシア教訓きょうくん叙事詩じょじししゅう』(初版しょはんだい1さつ京都大学きょうとだいがく学術がくじゅつ出版しゅっぱんかい京都きょうと、2007ねん10がつ15にち、32-33ぺーじISBN 978-4-87698-170-0OCLC 676527275 
  8. ^ a b c d e Condos, Theony (1997). Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus. Grand Rapids, MI, U.S.A.: Phanes Press. pp. 33-36. ISBN 978-1-60925-678-4. OCLC 840823460 
  9. ^ 竹迫たかばにん (2017ねん11月7にち). “Almagestのほしひょう”. 天文てんもん部屋へや. 2023ねん4がつ29にち閲覧えつらん
  10. ^ a b c d e Dekker, Elly (1987). “On the Dispersal of Knowledge of the Southern Celestial Sky / ZUR VERBREITUNG VON WISSEN ÜBER DEN SÜDLICHEN STERNENHIMMEL”. Der Globusfreund (International Coronelli Society for the Study of Globes) (35/37): 211-230. Bibcode1987Globu..35..211D. ISSN 0436-0664. JSTOR 41628839. 
  11. ^ a b Ridpath, Ian. “Extending Ptolemy's 48”. Ian Ridpath. 2023ねん4がつ29にち閲覧えつらん
  12. ^ a b Hondius, Jodocus I (1600), Clarissimis Belgii luminibus sapientiae, doctrinae et verae pietatis officinis Academiae Lugdunensis Batavorum et Franekeriensis. Hos globos ad mathematicas artes promovendas manu propria à se caelatos lubentissime dedicat consecratque Jodocus Hondius ann. 1600, https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b550087450/f1.medres3d.r=3D%20Jodocus%20I%20Hondius?lang=EN 2023ねん4がつ29にち閲覧えつらん 
  13. ^ a b c d e Bayer, Johann (ラテン語らてんご). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa. excudit Christophorus Mangus. doi:10.3931/E-RARA-309. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77543 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん 
  14. ^ a b Bayer, Johann (ラテン語らてんご). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa. excudit Christophorus Mangus. doi:10.3931/E-RARA-309. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77544 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん 
  15. ^ Bayer, Johann (ラテン語らてんご). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa. excudit Christophorus Mangus. doi:10.3931/E-RARA-309. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77545 2023ねん4がつ16にち閲覧えつらん 
  16. ^ Gould 1879, p. 66.
  17. ^ Ridpath, Ian. “Argo Navis 2”. Star Tales. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  18. ^ Dekker, Elly (1987). “Early explorations of the southern celestial sky”. Annals of Science (Informa UK Limited) 44 (5): 446. Bibcode1987AnSci..44..439D. doi:10.1080/00033798700200301. ISSN 0003-3790. 
  19. ^ Ridpath, Ian. “FREDERICK DE HOUTMAN’S CATALOGUE”. Ian Ridpath. 2023ねん4がつ29にち閲覧えつらん
  20. ^ a b de Houtman, Frederick (1603) (オランダ). Spraeck ende woord-boeck inde Maleysche ende Madagaskarsche talen, met vele Arabische ende Turcsche woorden ... : Noch zijn hier byghevoecht de declinatien van vele vaste sterren, staende omtrent den Zuyd-pool .... Amstelredam,: Jan Evertsz. Cloppenburch. pp. 237-239. OCLC 68675342. https://objects.library.uu.nl/reader/index.php?obj=1874-205055&lan=en#page//50/09/25/50092593743263137100717034745682757634.jpg/mode/1up 
  21. ^ Stoppa, Felice. “Navis o Argonavis”. Atlas Coelestis. 2023ねん4がつ26にち閲覧えつらん
  22. ^ Blaeu, Willem Janszoon, Globe céleste / par Willem Jansz. Blaeu, https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b55008747w/f1.medres3d 2023ねん3がつ6にち閲覧えつらん 
  23. ^ Schiller, Julius; Bayer, Johann (1627) (ラテン語らてんご). Coelum Stellatum Christianum. pp. 102-103. OCLC 692360880. https://catalog.lindahall.org/discovery/delivery/01LINDAHALL_INST:LHL/1284387870005961?lang=en 
  24. ^ a b Ridpath, Ian. “Robur Carolinum”. Star Tales. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  25. ^ Ridpath, Ian. “Hevelius's southern star chart of 1690”. Star Tales. 2023ねん4がつ29にち閲覧えつらん
  26. ^ Hevelius, Johannes (1690). “Firmamentum Sobiescianum, sive Uranographia”. Prodromus Astronomiae. Gedani: typis J.-Z. Stollii. OCLC 23633465. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/133985 
  27. ^ a b Stoppa, Felice. “Planisphere contenant les Constellations Celestes comprises entre le Pole Austral et le Tropique du Capricorne.”. Atlas Coelestis. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  28. ^ a b c de Lacaille, N. L.. “Histoire de l'Académie royale des sciences” (フランス語ふらんすご). Gallica. 2023ねん1がつ7にち閲覧えつらん
  29. ^ a b c d Gould 1879, p. 55.
  30. ^ Ridpath, Ian. “Pyxis”. Star Tales. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  31. ^ a b Nicolas Louis de La Caille (1763). Coelum australe stelliferum. pp. 192-196. http://www.e-rara.ch/zut/content/titleinfo/152572 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん 
  32. ^ "a Pup". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  33. ^ "a Vel". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  34. ^ "a Car". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023ねん4がつ14にち閲覧えつらん
  35. ^ Académie royale des sciences (France) (1756) (フランス語ふらんすご). Histoire de l'Académie royale des sciences. Année M. DCCXLVII. : Avec les Memoires de mathématique & de physique, pour la même année. Tirées des registres de cette Académie. A Paris: De l'Imprimerie royale.. p. 590. OCLC 1026661430 
  36. ^ はらめぐみ 2007, p. 30.
  37. ^ アルゴ”. 88星座せいざ図鑑ずかん. 2023ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  38. ^ 藤井ふじいあさひ. "アルゴ". 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ). コトバンクより2023ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  39. ^ 石田いしだ五郎ごろう. "アルゴ". 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だいはん. コトバンクより2023ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  40. ^ くさ英明えいめい星座せいざ手帖てちょう社会しゃかい思想しそうしゃ、1969ねん、223ぺーじNCID BN02492965 
  41. ^ a b de Lacaille, N. L.. “Coelum australe stelliferum / N. L. de Lacaille”. e-rara. 2023ねん4がつ7にち閲覧えつらん
  42. ^ 村山むらやま定男さだお『キャプテン・クックとみなみほし』(初版しょはん河出かわで書房しょぼう、2003ねん5がつ10日とおか、51-55ぺーじISBN 978-4-309-90533-4 
  43. ^ a b Herschel, Sir John Frederick William (1844). “VI Further Remarks on the Revision of the Southern Constellations.(sic)”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (Oxford University Press (OUP)) 6 (5): 60-62. Bibcode1844MNRAS...6...60R. doi:10.1093/mnras/6.5.60. ISSN 0035-8711. 
  44. ^ Gould, 1879 & 58-59.
  45. ^ a b c Baily, Francis (1845). The Catalogue of Stars of the British Association for the Advancement of Science. London: R. and J. E. Taylor. pp. 130-146. Bibcode1845tcot.book.....B 
  46. ^ Gould 1879, p. 60.
  47. ^ a b Gould 1879, p. 62.
  48. ^ Gould 1879, p. 190.
  49. ^ a b Gould 1879, pp. 65–66.
  50. ^ Gould 1879, pp. 165–190.
  51. ^ Allen, Richard H. (2013-2-28). Star Names: Their Lore and Meaning. Courier Corporation. pp. 64-65. ISBN 978-0-486-13766-7. https://books.google.com/books?id=vWDsybJzz7IC 
  52. ^ International Astronomical Union (1922). Transactions of the IAUえーゆー. 1. International Astronomical Union. p. 158 
  53. ^ Schlesinger, M. F. et al. (1933). “3. Commission des Notations, des Unités et de L’Économie des Publications”. Transactions of the International Astronomical Union (Cambridge University Press (CUP)) 4: 19. doi:10.1017/s0251107x00016345. ISSN 0251-107X. 
  54. ^ 大崎おおさき正次まさつぐ 1987, pp. 294–341.
  55. ^ a b c 大崎おおさき正次まさつぐ 1987, pp. 106–114.
  56. ^ どう (1981-04) (中国ちゅうごく). 中西なかにし对照恒星こうせい图表 : 1950.0. 北京ぺきん: 科学かがく出版しゅっぱんしゃ. NCID BA77343284 
  57. ^ a b “The Historical Record of ηいーた Carinae I. The Visual Light Curve, 1595-2000”. The Journal of Astronomical Data 10. (2004). Bibcode2004JAD....10....6F. 
  58. ^ Richardson, Noel D; Pablo, Herbert; Sterken, Christiaan; Pigulski, Andrzej; Koenigsberger, Gloria; Moffat, Anthony F J; Madura, Thomas I; Hamaguchi, Kenji et al. (2018-01-18). “BRITE-Constellation reveals evidence for pulsations in the enigmatic binary ηいーた Carinae”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (Oxford University Press (OUP)) 475 (4): 5417–5423. doi:10.1093/mnras/sty157. ISSN 0035-8711. 
  59. ^ Wagman, Morton (2003). Lost stars : lost, missing, and troublesome stars from the catalogues of Johannes Bayer, Nicholas-Louis de Lacaille, John Flamsteed, and sundry others. Blacksburg, Va.: McDonald & Woodward Pub. Co. p. 259. ISBN 0-939923-78-5. OCLC 52559096 
  60. ^ 『ステラナビゲータ11』(11.0i)AstroArts。 
  61. ^ Mamajek, Eric E.. “IAU Catalog of Star Names”. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう. 2023ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  62. ^ ETA CAR 1995/09/17 to 2023/05/23”. AAVSO. 2023ねん5がつ23にち閲覧えつらん
  63. ^ 伊藤いとう博明ひろあき佐川さがわ美智子みちこ『グロティウスの星座せいざちょう : ゲルマニクス"アラトスのファイノメナ"の邦訳ほうやく』 No.1、千葉ちば市立しりつ郷土きょうど博物館はくぶつかん天文てんもん資料しりょう解説かいせつしゅう〉、1999ねん3がつ31にち、120ぺーじNCID BA84126606 
  64. ^ Flamsteed, John (1725). “Stellarum Inerrantium Catarogus Britannicus” (ラテン語らてんご). Historia coelestis Britannica. 3. pp. 31-32. https://play.google.com/books/reader?id=4K9FAAAAcAAJ&pg=GBS.RA2-PA31&hl=ja 
  65. ^ ジェー、ノルマン、ロックヤー しる木村きむら一歩はじめ内田うちだ正雄まさお へんらく天文学てんもんがく じょうさつ文部省もんぶしょう、1879ねん3がつ、60ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/pid/831055/1/38 
  66. ^ 星座せいざめい」『天文てんもん月報げっぽうだい2かんだい11ごう、1910ねん2がつ、11ぺーじISSN 0374-2466 
  67. ^ 東京とうきょう天文台てんもんだい へん理科りか年表ねんぴょう だい1さつ丸善まるぜん、1925ねん、61-64ぺーじhttps://dl.ndl.go.jp/pid/977669/1/39 
  68. ^ 文部省もんぶしょう へん学術がくじゅつ用語ようごしゅう 天文学てんもんがくへんぞうていばん)』(だい1さつ日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい丸善まるぜん、1994ねん11月15にち、316ぺーじISBN 4-8181-9404-2 
  69. ^ 星座せいざめい」『天文てんもん月報げっぽうだい45かんだい10ごう、1952ねん10がつ、158ぺーじISSN 0374-2466 
  70. ^ 文部省もんぶしょう へん付録ふろく」『学術がくじゅつ用語ようごしゅう天文学てんもんがくへん』(だい1さつ日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい丸善まるぜん、1974ねん1がつ15にち、135-136ぺーじISBN 4818181560NCID BN01589711 
  71. ^ 文部省もんぶしょう へん学術がくじゅつ用語ようごしゅう 天文学てんもんがくへんぞうていばん)』(だい1さつ日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい丸善まるぜん、1994ねん11月15にち、305-306ぺーじISBN 4-8181-9404-2 
  72. ^ 天文てんもん同好どうこうかい へん天文てんもん年鑑ねんかん』1ごう新光しんこうしゃ、1928ねん4がつ28にち、4ぺーじdoi:10.11501/1138361https://dl.ndl.go.jp/pid/1138361/1/7 
  73. ^ 天文てんもん同好どうこうかい へん天文てんもん年鑑ねんかん』10ごう恒星こうせいしゃ、1937ねん3がつ22にち、4-9ぺーじdoi:10.11501/1114748https://dl.ndl.go.jp/pid/1114748/1/12 

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]