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うさぎ座ざ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
うさぎ座ざ
Lepus
Lepus
属ぞく格かく形かたち Leporis
略りゃく符ふ Lep
発音はつおん [ˈliːpəs]、口語こうご:/ˈlɛpəs/; 属ぞく格かく:/ˈlɛpərɨs/
象徴しょうちょう ウサギ[1][2]
概略がいりゃく位置いち：赤あか経けい  04h 55m 02.2311s -  06h 12m 51.7500s[3]
概略がいりゃく位置いち：赤あか緯ぬき −10.8138046° - −27.2787991°[3]
20時じ正中せいちゅう 2月がつ上旬じょうじゅん[4]
広ひろさ 290.291平方へいほう度ど[5] （51位い）
バイエル符号ふごう/
フラムスティード番号ばんごう
を持もつ恒星こうせい数すう		 20
3.0等とうより明あかるい恒星こうせい数すう 2
最さい輝てる星ぼし αあるふぁ Lep（2.57等ひとし）
メシエ天体てんたい数かず 1
確定かくてい流星りゅうせい群ぐん 無なし[6]
隣接りんせつする星座せいざ オリオン座ざ
エリダヌス座ざ
ちょうこくぐ座ざ
はと座ざ
おおいぬ座ざ
いっかくじゅう座ざ
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うさぎ座ざ（うさぎざ、ラテン語らてんご: Lepus）は、現代げんだいの88星座せいざの1つで、プトレマイオスの48星座せいざの1つ[2]。ウサギをモチーフとしており、オリオン座ざに狩かりの場面ばめんを演出えんしゅつするためにオリオン座ざの南側みなみがわに作つくられたと考かんがえられている[7][8]。

主おもな天体てんたい

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恒星こうせい

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「うさぎ座ざの恒星こうせいの一覧いちらん」も参照さんしょう

2023年ねん11月現在げんざい、国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) によって2個この恒星こうせいに固有こゆう名めいが認証にんしょうされている[9]。

  • αあるふぁ星ほし：見みかけの明あかるさ2.57 等とう、スペクトル型がた F0Ib の超ちょう巨星きょせいで、3等とう星ほし[10]。うさぎ座ざで最もっとも明あかるく見みえる恒星こうせい。A星ほしには、アラビア語ごで「ウサギ」を意味いみする言葉ことばに由来ゆらいする[11]「アルネブ[12] (Arneb[9])」という固有こゆう名めいが認証にんしょうされている。
  • βべーた星ほし：太陽系たいようけいから約やく156 光年こうねんの距離きょりにある、見みかけの明あかるさ2.84 等とう、スペクトル型がた G5II-IIIa: の赤色あかいろ巨星きょせいで、3等とう星ほし[13]。うさぎ座ざで2番目ばんめに明あかるく見みえる。約やく2.5″離はなれた位置いちに見みえる7.5 等とうのB星ほしと連れん星ほし系けいを成なしているとされる[14]。A星ほしには、アラビア語ごで「のどの乾かわきを癒いやし始はじめたラクダたち」という言葉ことばに由来ゆらいする「ニハル[12] (Nihal[9])」という固有こゆう名めいが認証にんしょうされている。これは、かつてアラビアで αあるふぁ・βべーた・γがんま・δでるた の4星ほしで描えがく四辺しへん形がたを「アル・ニハル」と呼よんだことに由来ゆらいする[11]。

その他たに以下いかの恒星こうせいが知しられている。

星団せいだん・星雲せいうん・銀河ぎんが

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由来ゆらいと歴史れきし

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『ウラニアの鏡かがみ』に描えがかれたうさぎ座ざ（右上みぎうえ）

バビロニアの星座せいざにウサギをモチーフとしたものがないことから、うさぎ座ざはギリシア起源きげんの星座せいざであると考かんがえられている[7]。紀元前きげんぜん3世紀せいき後半こうはんの天文学てんもんがく者しゃエラトステネースの天てん文書ぶんしょ『カタステリスモイ (古希こき: Καταστερισμοί)』や1世紀せいき初頭しょとうの古代こだいローマの著作ちょさく家かガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文てんもん詩し (羅ら: De Astronomica)』では、狩かりの場面ばめんを演出えんしゅつするためにオーリーオーンとその猟犬りょうけんに充あてがう適当てきとうな獲物えものとして考案こうあんされたものとしている[7][8]。

うさぎ座ざに属ぞくする星ほしの数かずは、エラトステネースの『カタステリスモイ』やヒュギーヌスの『天文てんもん詩し』では7個こ、帝政ていせいローマ期きのクラウディオス・プトレマイオスの天てん文書ぶんしょ『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希こき: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τたうῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』では12個ことされた[7]。大おおきく時ときを下くだった17世紀せいき初頭しょとうの1603年ねんにドイツの法律ほうりつ家かヨハン・バイエルが編纂へんさんした星図せいず『ウラノメトリア』では、αあるふぁ からνにゅー までのギリシャ文字もじ13個この符号ふごうを用もちいて星ほしを示しめしている[39][40]。

中東ちゅうとう

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オーストリアのアッシリア学者がくしゃヘルマン・フンガー（英語えいご版ばん）とアメリカの数理すうり天文学てんもんがく・古典こてん学者がくしゃのデイヴィッド・ピングリー（英語えいご版ばん） (David Pingree) が解読かいどくした、紀元前きげんぜん500年ねん頃ごろのメソポタミアの粘土ねんど板ばん文書ぶんしょ『ムル・アピン（英語えいご版ばん） (MUL.APIN)』に記しるされた星せいや星座せいざの記録きろくによると、今いまのうさぎ座ざの領域りょういきの星ほし々は「雄鶏おんどり」と呼よばれていたとされる[41]。エジプト デンデラのハトホル神殿しんでんで発見はっけんされた紀元前きげんぜん50年ねん頃ごろの天体てんたい図ずでも同おなじく「雄鶏おんどり」とされている[42]。

中国ちゅうごく

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Imperial Encyclopaedia - Borders - pic010 - 參まいり宿やど圖ず

ドイツ人じん宣教師せんきょうしイグナーツ・ケーグラー（英語えいご版ばん）（戴進賢けん）らが編纂へんさんし、清朝せいちょう乾いぬい隆たかし帝みかど治世ちせいの1752年ねんに完成かんせい・奏そう進しんされた星ほし表ひょう『欽定きんてい儀ぎ象ぞう考こう成なり』では、うさぎ座ざの星ほしは二十八宿にじゅうはっしゅくの西方せいほう白虎びゃっこ七なな宿しゅくの第だい五ご宿しゅく「畢宿」と第だい七なな宿しゅく「参まいり宿やど」に配はいされた[43][44]。畢宿では、1番ばん星ほしがエリダヌス座ざの8星ほしとともに天子てんし直属ちょくぞくの軍ぐんの軍旗ぐんきを表あらわす星ほし官かん「九きゅう斿」に配はいされた[43][44]。αあるふぁ・βべーた・γがんま・δでるた の4星ほしが「トイレ」を意味いみする星ほし官かん「厠かわや」に、εいぷしろん・μみゅー の2星ほしが「屏風びょうぶ」を意味いみする星ほし官かん「屏へい」に、ιいおた・κかっぱ・λらむだ・νにゅー の4星ほしが「軍ぐんの井戸いど」を意味いみする星ほし官かん「軍ぐん井い」に、それぞれ配はいされた[43][44]。

神話しんわ

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紀元前きげんぜん3世紀せいき前半ぜんはんのマケドニアの詩人しじんアラートスの詩篇しへん『パイノメナ (古希こき: Φαινόμενα)』では、オーリーオーンの足元あしもとでシリウスに追おわれるウサギであるとしている[2][45]。エラトステネースの天てん文書ぶんしょ『カタステリスモイ』では、その脚あしの速はやさを称となえたヘルメスによって星ほし々の間あいだに置おかれた」とする話はなしを伝つたえている[7][8]。

ヒュギーヌスの『天文てんもん詩し』では以下いかの話はなしを伝つたえている。ドデカネス諸島しょとうのレロス島とうにはウサギがいなかった。あるとき、ウサギに興味きょうみを持もった少年しょうねんが海外かいがいから妊娠にんしんしたメスのウサギを連つれてきて出産しゅっさんするまで世話せわをした。ウサギが生うまれると、多おおくの島民とうみんも興味きょうみを持もち、購入こうにゅうしたり贈答ぞうとう品ひんとしてもらったりした。やがてウサギは島しま全体ぜんたいに広ひろがり、作物さくもつは打撃だげきを受うけ、人々ひとびとは飢餓きがに苦くるしむこととなった。そこで島しまの人々ひとびとはウサギを撲滅ぼくめつした。のちに「人生じんせいにおいて一時いちじの喜よろこびよりも大おおきな苦痛くつうを伴ともなわないことのほうがはるかに望のぞましい」という戒いましめとして、ウサギの姿すがたを星座せいざとした[2][7]。

呼称こしょうと方言ほうげん

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世界せかいで共通きょうつうして使用しようされるラテン語らてんごの学名がくめいは Lepus、日本語にほんごの学術がくじゅつ用語ようごとしては「うさぎ」とそれぞれ正式せいしきに定さだめられている[46]。現代げんだいの中国ちゅうごくでは、天てん兔うさぎ座ざ[47]（天てん兎うさぎ座ざ[48]）と呼よばれている。

明治めいじ初期しょきの1874年ねん（明治めいじ7年ねん）に文部省もんぶしょうより出版しゅっぱんされた関藤せきふじ成しげる緒いとぐちの天てん文書ぶんしょ『星ほし学がく捷径しょうけい』で「レプス」という読よみと「兎うさぎ」という解説かいせつが紹介しょうかいされた[49]。また、1879年ねん（明治めいじ12年ねん）にノーマン・ロッキャーの著書ちょしょ『Elements of Astronomy』を訳やくして刊行かんこうされた『洛らく氏し天文学てんもんがく』では「レピュス」と紹介しょうかいされた[50]。30年ねんほど時代じだいを下くだった明治めいじ後期こうきには「兎うさぎ」と呼よばれていたことが、1908年ねん（明治めいじ41年ねん）7月がつに刊行かんこうされた日本にっぽん天文てんもん学会がっかいの会報かいほう『天文てんもん月報げっぽう』の第だい1巻かん1号ごうに掲載けいさいされた「四よん月がつの天てん」と題だいした記事きじで確認かくにんできる[51]。この訳名やくめいは、東京とうきょう天文台てんもんだいの編集へんしゅうにより1925年ねん（大正たいしょう14年ねん）に初版しょはんが刊行かんこうされた『理科りか年表ねんぴょう』にも「兎うさぎ（うさぎ）」として引ひき継つがれ[52]、以降いこう継続けいぞくして「兎うさぎ」が使つかわれた[53]。1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）7月がつに日本にっぽん天文てんもん学会がっかいが「星座せいざ名めいはひらがなまたはカタカナで表記ひょうきする」[54]とした際さいに Lepus の日本語にほんご名めいは「うさぎ」とされ[55]、以降いこうも継続けいぞくして用もちいられている。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
ウィキメディア・コモンズには、うさぎ座ざに関連かんれんするメディアおよびカテゴリがあります。
ウィクショナリーに関連かんれんの辞書じしょ項目こうもくがあります。
16世紀せいき以降いこうに追加ついかされた41星座せいざ
  • 改名かいめいされた星座せいざ

座標ざひょう: 星図 06h 00m 00s, −20° 00′ 00″

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