氷こおりと炎ほのおの歌うたの登場とうじょう人物じんぶつ

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氷こおりと炎ほのおの歌うたの登場とうじょう人物じんぶつ（こおりとほのおのうたのとうじょうじんぶつ）では、ジョージ・R・R・マーティン著ちょのファンタジー小説しょうせつシリーズである『氷こおりと炎ほのおの歌うた』の中なかに現あらわれる主要しゅような登場とうじょう人物じんぶつのうち、ウェスタロスの諸しょ名家めいかの一員いちいんではない人物じんぶつを説明せつめいする。諸しょ名家めいかの登場とうじょう人物じんぶつは氷こおりと炎ほのおの歌うたの諸しょ名家めいかで説明せつめいされている。

「氷こおりと炎ほのおの歌うたの諸しょ名家めいか」も参照さんしょう

本ほんシリーズの第だい1部ぶから第だい3部ぶには岡部おかべ宏之ひろゆきによる旧版きゅうばんと、酒井さかい昭伸あきのぶによる新訳しんやく語ごを用もちいた改訂かいてい新版しんぱんが存在そんざいし、両りょう版はんの間あいだでは多おおくの名称めいしょうの日本語にほんご訳やくが変更へんこうされているため、以下いかにおいては新訳しんやく語ごを用もちい、最初さいしょに使用しようされた箇所かしょでは括弧かっこ内ないに旧きゅう訳語やくごを示しめす。

以下いかの内容ないようは、第だい5部ぶ終了しゅうりょう時点じてんでのものである。

諸しょ名家めいか以外いがいの視点してん人物じんぶつ

各部かくぶの各かく章しょうはそれぞれ一いち人にんの視点してん人物じんぶつの目めから三人称さんにんしょうで描えがかれている。以下いかに諸しょ名家めいか以外いがいの視点してん人物じんぶつを示しめす。

• アリス・オークハート
• アリオ・ホター
• サムウェル・ターリー
• ジョン・コニントン
• ブライエニー
• ダヴォス・シーワース
• バリスタン・セルミー
• メリサンドル

アリス・オークハート

Arys Oakheart

オークハート家かの紋章もんしょう

視点してん人物じんぶつであるサー・アリス・オークハートは、ロバート・バラシオン王おう、その息子むすこのジョフリー・バラシオン王おう、その弟おとうとのトメン・バラシオン(トンメン・バラシオン)王おうの〈王おうの盾たて〉(近衛このえ騎士きし団だん)の騎士きしである。後のちにミアセラ・バラシオンに同行どうこうしてドーンに行いく。 アリアン・マーテル(アリアンヌ・マーテル)に誘惑ゆうわくされて、ミアセラが玉座ぎょくざを主張しゅちょうすることを支持しじする。〈王おうの盾たて〉は結婚けっこんできないが、ミアセラに特別とくべつに許ゆるしてもらうと、アリアンは約束やくそくする。この陰謀いんぼうが明あかるみに出でた時とき、サー・アリスは投降とうこうを拒否きょひし、プリンス・ドーラン(ドラン)の衛士えじ長ちょう(衛兵えいへい隊長たいちょう)のアリオ・ホターに殺ころされる。

オークハートは、ジョフリーの〈王おうの盾たて〉の中なかでは優やさしいほうである。ジョフリーが サンサ・スタークを打うち据すえることをすべての〈王おうの盾たて〉の騎士きしにも命めいじる時とき、マーリン・トラント、ボロス・ブラウント、マンドン・ムーアそしてプレストン・グリーンフィールドは良心りょうしんの呵責かしゃくも疑問ぎもんもなく命令めいれいを実行じっこうするが、サー・アリスは、まず命令めいれいに抗議こうぎした後のちで、できるだけ軽かるくサンサを打うつ。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

アリセント・ハイタワー

Alicent Hightower

ヴィセーリス1世せいの〈王おうの手て〉であったオットー・ハイタワーの娘むすめであり、キングズランディングの〈赤あかの王城おうじょう〉で育そだつ。やがて老ろう王おうの後室こうしつとなりエイゴンを含ふくむ子こたちをもうける。王おうの死後しごに父ちちと組くみ、王おう都みやこに不在ふざいであった後継あとつぎのレイニラ王女おうじょの代かわりにエイゴンを後継こうけいの王おうとし、諸しょ名家めいかを巻まき込こんで多おおくのドラゴンの死しを招まねきターガリエン家かの衰退すいたいにつながった〈双竜そうりゅうの舞踏ぶとう〉と呼よばれる大だい規模きぼな内乱ないらんを招まねく。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』では、オリヴィア・クックが演えんじる。

アリス・カースターク

Alys Karstark

アリス・カースタークはロブにより処刑しょけいされたスターク家かの旗はた主ぬしリカード・カースタークの娘むすめであり、ラニスター家かに囚とらわれた兄あにハリオン・カースタークに次つぐカースターク家か継承けいしょう権けんを持もつ。父ちちリカルドの死後しご、カースターク家か城代じょうだいである大叔父おおおじアーノルフ・カースタークは家いえの乗のっ取とりを図はかり、息子むすこクレガンをアリスと結婚けっこんさせようとする。そして自みずからはカースターク家かの軍ぐんを率ひきいてスタニスの下したに参さんじることでラニスター家かにハリオンを殺ころさせ、その後ごはスタニスを裏切うらぎるつもりである。アリスはこの企たくらみを挫くじくため、一人ひとりで〈壁かべ〉に来きてジョン・スノウの庇護ひごを求もとめる。ジョンはアリスを〈野人やじん〉の名な族ぞくであるゼン族ぞくの族長ぞくちょうであるシゴーンと結婚けっこんさせて、アリスの後うしろ盾たてとするとともに〈野人やじん〉と北部ほくぶ人じんの融和ゆうわを図はかる。またジョンは、アリスを追おいかけて〈壁かべ〉に来きたクレガンを牢ろうに捕とらえる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではミーガン・パーキンソンが演えんじるが設定せっていは大おおきく異ことなる。

アリオ・ホター

Areo Hotah

視点してん人物じんぶつであり、プリンス・ドーランの衛士えじ長ちょうである。アリオは、もともとは自由じゆう都市としノーヴォスの出身しゅっしんである。大だい家族かぞくの末すえっ子ことして生うまれ、斧おの使づかいのエリート護衛ごえいを訓練くんれんすることで知しられる、〈顎あご髭ひげの導師どうしたち〉なる組織そしきに売うられる。16歳さいで訓練くんれんを終おえると、ノーヴォスのメラリオの家いえに売うられる。メラリオがプリンス・ドーランと結婚けっこんした時ときには、彼女かのじょとその夫おっとを守まもるためにドーンに旅たびし、それ以来いらいドーンに留とまる。ホターはプリンス・ドーランに完全かんぜんに忠実ちゅうじつであり、アリアン・マーテルがミアセラ・バラシオンを七なな王国おうこくの女王じょおうに担かつごうとした時ときには、アリス・オークハートを殺ころしてアリアンの計画けいかくを阻止そしする。受うけた命令めいれいに疑念ぎねんを感かんじる時ときには、かつて立たてた単純たんじゅんな誓ちかいである「お仕つかえし、服従ふくじゅうし、お守もりします」を思おもい浮うかべる習慣しゅうかんがある。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではデオビア・オパレイが演えんじる。

アリザー・ソーン

Alliser Thorne

アリザー・ソーンは〈壁かべ〉の〈黒くろの城しろ〉の意地いじの悪わるい武術ぶじゅつ師範しはんである。〈冥めい夜よるの守人もりと〉の新兵しんぺいの訓練くんれんを担当たんとうする。もともとはターガリエン家かの支持しじ者しゃであったが、同家どうけがエダード・スタークおよびロバート・バラシオンによって滅ほろぼされたために、〈冥めい夜よるの守人もりと〉と処刑しょけいのいずれかを選えらばされる。ゆえにスターク家かを強つよく憎にくむ。ジョン・スノウが〈黒くろの城しろ〉に来きた時ときは、あらゆる機会きかいを捕とらえてジョンを虐いじめ、侮辱ぶじょくし、挑発ちょうはつする。ジョンが〈野人やじん〉と行動こうどうを共ともにしてから戻もどると処刑しょけいしようとするが、失敗しっぱいする。ジョンが総帥そうすいに選えらばれた後のちは、ジョンを暗殺あんさつする陰謀いんぼうの中心ちゅうしんになるが、その具体ぐたい的てきな役割やくわりは不明ふめいである。アリザーは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてオーウェン・ティールが演えんじる。

イェッザン

Yezzan

イェッザンはユンカイの富裕ふゆうな奴隷どれい商人しょうにんで〈賢明けんめいなる親方おやかた〉の一人ひとりである。奴隷どれい商人しょうにんから、ティリオン、ペニー、ジョラーを買かい取とるが、疫病えきびょうに倒たおれ命いのちを落おとす。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではエンツォ・クリエンティが演えんじる。

イグリット

Ygritte

イグリットは〈野人やじん〉(〈野性やせい人じん〉)の女おんな戦士せんしである〈槍やりの妻つま〉であり、激はげしい気性きしょうと強つよい意志いしを持もつ女おんなである。〈野人やじん〉には誘拐ゆうかい婚こんの習慣しゅうかんがあり、最初さいしょの出会であいでジョン・スノウに捕とらえられたため、〈野人やじん〉たちはイグリットをジョンの妻つまと見みなす。ジョンは最初さいしょのうちイグリットの誘惑ゆうわくを退しりぞけるが、やがて二に人にんは愛人あいじんになる。ジョンは〈冥めい夜よるの守人もりと〉の誓ちかいとイグリットへの愛あいの狭間はざまで悩なやむが、最終さいしゅう的てきに誓約せいやくを選えらび、〈冥めい夜よるの守人もりと〉に戻もどって〈野人やじん〉の軍ぐんの動うごきを知しらせる。ジョンが逃にげ出だす時とき、イグリットはジョンを殺ころそうとする。イグリットは〈黒くろの城しろ〉に対たいする攻撃こうげきにも加くわわるが、心臓しんぞうを矢やに射抜いぬかれ、ジョンの腕うでの中なかで死しぬ。彼女かのじょの口癖くちぐせは、「あんた何なにも知しらないのね、ジョン・スノウ」である。イグリットは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ローズ・レスリーが演えんじる

イリリオ・モパティス

Illyrio Mopatis

イリリオは自由じゆう都市としペントスの、豊ゆたかで強力きょうりょくな豪商ごうしょう(名士めいし)、マジスターである。若わかい頃ころは腕うでの立たつ傭兵ようへいであったが、著いちじるしく肥満ひまんし、二に叉またに分わかれた黄色きいろい口髭くちひげをしている。 ヴァリス(ヴェリース)の親友しんゆうであり、協力きょうりょくし合あって ターガリエン家かを七なな王国おうこくの玉座ぎょくざに復帰ふっきさせようとしている。物語ものがたりの始はじまる前まえに、ヴィセーリス(ヴァイセリス)・ターガリエン と妹いもうとのデナーリス(デーナリス)を賓客ひんきゃくとして家いえに迎むかえている。ドスラクの強力きょうりょくな軍ぐんを手てに入いれるために、デナーリスとカール・ドロゴの結婚けっこんをまとめる。婚儀こんぎでは石いし化かしたドラゴンの卵たまごを3個こ贈おくる。だがドロゴとヴィセーリスの死しによって計画けいかくは失敗しっぱいする。デナーリスを連つれ戻もどすため、偽名ぎめいを用もちいたバリスタン・セルミーとストロング・ベルウァスと3隻せきの船ふねをクァース(カース)に送おくる。ティリオン・ラニスターをウェスタロスからひそかに運はこび出だし、デナーリスのもとに向むかうエイゴン・ターガリエンとジョン・コニントンと共ともに旅たびをさせる。『ゲーム・オブ・スローンズ』において ロジャー・アラムが演えんじる。

イリーン・ペイン

Ilyn Payne

サー・イリーン・ペインはロバート・バラシオン王おうの首切くびきり役人やくにんとして仕つかえた ラニスター家かの旗はた主ぬし(旗手きしゅ)である。かつて エイリス・ターガリエン二に世せいの治世ちせいの時とき、「タイウィン・ラニスターこそが真しんの統治とうち者しゃである」と言いった時ときに、王おうの命いのちで舌したを切きり取とられる。口くちがきけず、あばただらけの顔かおであるために罪人ざいにんに恐おそれられ、首切くびきり役人やくにんとしての役やくに立たっている。ペインは極きわめて優秀ゆうしゅうな首切くびきり役人やくにんであり、二にの太刀たちをほとんど必要ひつようとしない。ペインには人ひとを殺ころす以外いがいの人生じんせいがないと、物語ものがたりの中なかで何なん度どか語かたられている。ジョフリー王おうがエダード・スタークに死刑しけいを宣告せんこくした時ときに、エダード公こう自身じしんの大だい剣けん、”アイス”によってエダードを処刑しょけいする。大だい剣けんを自分じぶんのものとするが、後のちにはラニスター家かのために溶とかされ二に振ふりの剣けんが作つくられる。右手みぎてを失うしなったジェイミー・ラニスター(ジェイム・ラニスター)の旅たびに同行どうこうし、左手ひだりてでの剣けんの稽古けいこの相手あいてをする。ジェイミーがペインを相手あいてに選えらんだのは、ペインが話はなすことも書かくこともできず、衰おとろえた剣けん技わざのことを誰だれにも伝つたえられないためである。さらにジェイミーは過去かこの全すべての罪つみ、サーセイとの真しんの関係かんけいすらも、ペインに話はなすことになる。イリーン・ペインは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ウィルコ・ジョンソンが演えんじる

ヴァリス

Varys

“蜘蛛くも”とも呼よばれるヴァリスは、 ウェスタロスの鉄てつの玉座ぎょくざのために働はたらく、得体えたいのしれない諜報ちょうほう機関きかんの頭あたま、すなわちスパイの元締もとじめである。流行りゅうこうの服装ふくそうをまとう禿かぶろげ頭あたまの太ふとった宦官かんがんであり、いつも人ひとに媚こびるような女々めめしい態度たいどをとるが、貴族きぞくにも庶民しょみんにも恐おそれられている。変装へんそうの名人めいじんであり、人格じんかくや見みかけを自由じゆうに変かえることができる。〈赤あかの王城おうじょう〉(〈赤あかい城しろ〉)の多おおくの秘密ひみつの通路つうろに通つうじている。”小鳥ことりたち”と呼よぶスパイはあらゆるところにいる。子供こどもの頃ころは、旅回たびまわりの一座いちざの俳優はいゆうだったと言いう。魔法使まほうつかいに去勢きょせいされたと言いい、ゆえに魔法まほうと魔法使まほうつかいを憎にくむ。ペントスで盗賊とうぞくの王おうとして知しられるようになり、イリリオ・モパティスの友人ゆうじんとなっる。情報じょうほう収集しゅうしゅうの能力のうりょくによって、エイリス・ターガリエン二に世せいの宮廷きゅうていで諜報ちょうほう機関きかんの頭あたまの地位ちいに着つき、〈小しょう評議ひょうぎ会かい〉の席せきを得える。それ以来いらい、王国おうこくのために尽つくしてきたと言いう。シリーズを通とおして、七なな王国おうこくを弱体じゃくたい化かさせ、ターガリエン家かが侵略しんりゃくしやすいように仕向しむける。だが他たの人々ひとびとがヴァリスの意図いとに背そむいた行動こうどうをとり、その計画けいかくは複雑ふくざつさを増ます。ヴァリスは ティリオンが牢獄ろうごくから脱出だっしゅつするのを手助てだすけして以来いらい、失踪しっそうする。その後ご、エイゴン・ターガリエンのウェスタロス侵略しんりゃくを揺ゆるがしかねない指導しどう力りょくを発揮はっきした、ケヴァン・ラニスターとパイセルを殺ころす。ヴァリスは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、コンリース・ヒルが演えんじる。

ヴァル

Val

マンス・レイダーの妻つまダラの妹いもうと。〈野人やじん〉による〈壁かべ〉の攻撃こうげきが失敗しっぱいして囚とらわれとなる。〈野人やじん〉には王族おうぞくはいないとジョン・スノウが説明せつめいするにもかかわらず、スタニス(スタンニス)・バラシオンとその家来けらいらはヴァルを”野人やじんのプリンセス”と呼よび、政略せいりゃく結婚けっこんさせることも話はなしに出でる。ヴァルは極きわめて魅力みりょく的てきであるとされる。ジョンはヴァルを解放かいほうして、マンスの残ざん軍ぐんを率ひきいる〈巨きょ人殺ひとごろしのトアマンド〉を〈壁かべ〉に連つれて来くるように送おくりだす。ヴァルは単騎たんきで出発しゅっぱつし、数すう週間しゅうかん後ごにトアマンドを連つれて〈壁かべ〉に戻もどる。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ヴァーゴ・ホウト

Vargo Hoat

ヴァーゴ・ホウトはクォホール出身しゅっしんの傭兵ようへいであり、〈勇武ゆうぶ党とう〉(〈勇敢ゆうかん組ぐみ〉)、またの名なを〈血ちみどろ劇団げきだん〉と呼よばれる傭兵ようへい集団しゅうだんの隊長たいちょうである。山羊やぎの角かくをつけた兜かぶとによって、"山羊やぎ"とあだ名なされ、しばしば捕虜ほりょの手てや足あしを斬きり落おとして逃亡とうぼうできないようにする。ラニスター家かに味方みかたした後のち、北部ほくぶ側がわに寝返ねがえり、〈ハレンの巨きょ城じょう〉 (ハレンホール)を占領せんりょうし、ジェイミー・ラニスターの右手みぎてを斬きり落おとす。後のちにラニスター家かの旗はた主ぬしグレガー・クレゲインが〈ハレンの巨きょ城じょう〉を占領せんりょうし、ヴァーゴ・ホウトの手足てあしを斬きり落おとして死しに至いたらしめる。『ゲーム・オブ・スローンズ』では登場とうじょうせず、代かわりにボルトン家かの家臣かしんロックがその役割やくわりを果はたす。

ウォルダー・フレイ

Walder Frey

フレイ家かの紋章もんしょう

ウォルダー・フレイ公こうは90代だいで、いまだにフレイ家かの家長かちょうであり、トライデント河かわにかかる〈関門かんもん橋きょう〉(〈渡わたり場じょう〉)の領主りょうしゅであり、双子ふたご城じょうの城主じょうしゅである。川かわの渡わたし場ばを支配しはいするフレイ家かは渡わたし賃ちんによって富裕ふゆうで強大きょうだいであり、 タリー家かの旗はた主ぬしではあるが主君しゅくんを脅おびやかす存在そんざいである。衰おとろえを見みせてはいるが、いまだに家政かせいを実際じっさいに切きりまわしている。虚栄きょえい心しんが強つよく、怒いかりっぽく、野望やぼうに充みち、信頼しんらいされていない。100人にん以上いじょうの子孫しそんをもうけ、どの妻つまよりも長生ながいきしたことで有名ゆうめいである。物語ものがたりの当初とうしょでは、8番目ばんめの妻つまと結婚けっこんしている。家族かぞくの忠誠ちゅうせいに非常ひじょうに重おもきを置おくが、その家族かぞくは彼かれのために無慈悲むじひに人ひとをあざむく。ウォルダーが死しねば、フレイ家かの者ものは互たがいに殺ころし合あうであろうと言いわれる。ウォルダー公こうはタリー家かの旗はた主おもでありながら、エドミュア・タリーがロブ・スタークのために旗はた主ぬしを呼よび集あつめた時ときには、リヴァーランに参さんじない。双子ふたご城じょうがロブの軍ぐんの戦略せんりゃく的てき要地ようちになった時とき、ウォルダーは娘むすめとロブ、さらには孫まごとアリア・スタークの結婚けっこんをまとめることに成功せいこうする。だがロブがフレイ家かの娘むすめではなくジェイン・ウェスタリングと結婚けっこんした時とき、激怒げきどしてロブへの支持しじを取とり下さげる。その後ごはタイウィン・ラニスターおよびルース・ボルトンと共謀きょうぼうしてスターク家かとタリー家かを裏切うらぎる。代償だいしょうとしてエドミュアと娘むすめのロズリンを結婚けっこんさせることを装よそおい、ロブとその主要しゅような旗はた主ぬしを双子ふたご城じょうにおびき寄よせる。婚儀こんぎの宴うたげの間あいだ、フレイ家かの者ものたちがロブと客きゃくを襲おそい、ロブ、キャトリン・スターク(ケイトリン・スターク)と北部ほくぶ軍ぐんの大だい部分ぶぶんを殺ころす。この裏切うらぎりは古来こらいからの客きゃくの権利けんりに関かかわる慣習かんしゅうを踏ふみにじるもので、〈釁られた婚儀こんぎ〉(〈血染ちぞめの婚儀こんぎ〉)として知しられるようになる。そしてウォルダーは大手おおてを振ふってラニスター家かに忠誠ちゅうせいを誓ちかい、報酬ほうしゅうとしてリヴァーランとタリー家かの領地りょうちをせしめる。だがフレイ家かは裏切うらぎり行為こういの代償だいしょうを支払しはらうことになる。無法者むほうものや北部ほくぶ人ひとは虐殺ぎゃくさつの復讐ふくしゅうとして次々つぎつぎとフレイ家かの者ものを殺ころし、かつての同盟どうめい者しゃたちはフレイ家かを軽蔑けいべつする。ウォルダー・フレイは、『ゲーム・オブ・スローンズ』において、デイビッド・ブラッドリーが演えんじる。

エイモリー・ローチ

Amory Lorch

エイモリー・ローチはラニスター家かの旗はた主おもである。彼かれは、小ちいさな目めの豚ぶたのような顔かおを持もつ太ふとった残虐ざんぎゃくな人物じんぶつとして描えがかれている。ローチは〈ロバートの反乱はんらん〉の最後さいごに起おきた〈キングズランディングの略奪りゃくだつ〉において3歳さいのプリンセス・レイニス(レーニス)・ターガリエンを冷酷れいこくに殺ころす。ローチは泣なき叫さけぶ幼女ようじょを父ちちであるレイガー(レーガー)のベッドの下したから引ひきずり出だして刺さし殺ころす。〈五ご王おうの戦たたかい〉で、ローチはリヴァーランドを略奪りゃくだつする襲撃しゅうげき隊たいの隊長たいちょうとなる。ローチの襲撃しゅうげき隊たいは、たまたまアリア・スタークが密ひそかに混まじっていた、ヨーレンの〈冥めい夜よるの守人もりと〉(〈夜警やけい団だん〉)の新兵しんぺいまでも攻撃こうげきし、ヨーレンを殺ころす。ルース・ボルトンが〈ハレンの巨きょ城じょう〉をとった時ときにローチは捕とらえられ、ルース・ボルトンとその部下ぶかの娯楽ごらくのために、熊くまに餌えさとして与あたえられる。アリアも現場げんばにいてローチの死しを目撃もくげきし、ローチを殺ころした熊くまは「大おおきくて真黒まっくろだ、ヨーレンみたいだ」と思おもう。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではフィンタン・マッキーオンが演えんじるが、熊くまではなくジャクェン・フ=ガーによって殺ころされる。

エディソン・トレット

Eddison Tollett

エディソン・トレットはドロラス・エッド(陰気いんきなエッド)とも呼よばれ、トレット家か出身しゅっしんの従者じゅうしゃで〈冥めい夜よるの守人もりと〉の雑ざつ士し(執事しつじ隊員たいいん)となる。〈最初さいしょの人々ひとびとの拳こぶし〉での〈亡者もうじゃ〉との戦たたかいを生いき残のこり、仲間なかまと共ともに〈クラスターの砦とりで〉に辿たどり着つく。その後ごは〈総帥そうすい〉の雑ざつ士しとなる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではベン・クロプトンが演えんじる。

エラリア・サンド

Ellaria Sand

オベリン・マーテルの愛人あいじん。ドーン出身しゅっしんの落おとし子こ。〈砂すな蛇へび〉のうち年少ねんしょうの4人にんの母ははである。オベリンとともにキングズランディングに同行どうこうし、目めの前まえでグレガー・クレゲインに殺ころされるところを見みる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではインディラ・ヴァルマが演えんじる。

オシャ

Osha

オシャは〈異形いぎょう〉(〈異形いぎょう人じん〉)から逃のがれて〈壁かべ〉の南側みなみがわに来きた〈野人やじん〉の女おんなである。スターク家かの家来けらいに見みつかり、ウィンターフェルに連つれて来きたられる。下女げじょとして雇やとわれ、一定いっていの自由じゆうが与あたえられる。ブラン・スタークと親したしくなり、しばしば助言じょげんをする。シオン・グレイジョイがウィンターフェルを占領せんりょうした時とき、忠誠ちゅうせいを誓ちかって欺あざむいて、ブランと弟おとうとのリコンの脱出だっしゅつを助たすける。その後ごリコンと共ともに身みを隠かくして北部ほくぶを旅たびするが、後のちに食しょく人じん族ぞくの住すむというスカゴス島とうにいることがわかる。オシャは『ゲーム・オブ・スローンズ』でナタリア・テナが演えんじる。

オットー・ハイタワー

Otto Hightower

南部なんぶ総督そうとくタイレル家かの旗はた主ぬしでオールドタウンの領主りょうしゅハイタワー家か出身しゅっしんであり、ヴィセーリス1世せいの〈王おうの手て〉となる。王妃おうひエイマ・アリンの死後しご、男子だんし優先ゆうせん原則げんそくに背そむき、政敵せいてきである王おう弟おとうとデイモン王子おうじではなくレイニラ王女おうじょを後継あとつぎとするよう進言しんげんする。娘むすめのアリセントを王おうの後室こうしつとし、今度こんどは娘むすめの生うんだエイゴン王子おうじがレイニラ王女おうじょに代かわり後継あとつぎとなるよう策謀さくぼうするも、王おうの逆鱗げきりんに触ふれて職しょくを解とかれる。数すう年ねん後ご、後任こうにんのライオネル・ストロングが死亡しぼうしたために〈王おうの手て〉に復帰ふっきし、衰弱すいじゃくした王おうに代かわって娘むすめとともに政治せいじを取とり仕切しきる。娘むすめとともに〈双竜そうりゅうの舞踏ぶとう〉を引ひき起おこす。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』では、リス・エヴァンスが演えんじる。

カール・ドロゴ

Khal Drogo

カール・ドロゴは、自由じゆう都市としの先さきの草原そうげんに住すむ、すぐれた馬うまの乗のり手てで略奪りゃくだつ者しゃである部族ぶぞく国家こっかドスラクのカール、すなわち族長ぞくちょうである。熟練じゅくれんした戦士せんしであり、いまだ戦たたかいでは負まけたことがない。ヴィセーリス・ターガリエンは豪商ごうしょうマジスター・イリリオと共謀きょうぼうして、ウェスタロスの侵略しんりゃくに味方みかたさせるために、デナーリス・ターガリエンをドロゴと結婚けっこんさせる。ドロゴはデナーリスを気きに入いり妻つまとする。戦士せんしたちには恐おそろしい族長ぞくちょうとして接せっするものの、ドロゴは親切しんせつで思おもいやりのある夫おっとであることがわかる。妊娠にんしんしたデナーリスの命いのちを狙ねらう試こころみが失敗しっぱいした後のち、ドロゴはターガリエン家かと息子むすこのために七なな王国おうこくを取とり戻もどそうと、ウェスタロスを侵略しんりゃくすることを誓ちかう。だがヴィセーリスは無礼ぶれいのあまり、ドロゴに殺ころされることになる。ドロゴは妻つまのために約束やくそくを守まもろうとし、兵站へいたん準備じゅんびのために村むらや他たのドスラクの一族いちぞくを襲撃しゅうげきするが、敵てきの族長ぞくちょうに傷きずを負おわされる。傷きずは化膿かのうして、ドロゴは落馬らくばし、戦士せんしのほとんどは去さる。デナーリスは彼かれを回復かいふくさせる呪文じゅもんのために、知しらずに胎児たいじを犠牲ぎせいにしてしまうが、ドロゴは意識いしきのないままとなる。デナーリスは憐みからドロゴを窒息ちっそく死しさせ、その火葬かそうの薪たきぎの炎ほのおが、ついにドラゴンの卵たまごを孵化ふかさせることになる。デナーリスはお気きに入いりの強つよく黒くろいドラゴンを、ドロゴにちなんでドロゴンと名付なづける。ドロゴは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ジェイソン・モモアが演えんじる。

鎧よろい骨こつ公おおやけ

Lord of Bones

鎧よろい骨こつ公おおやけは〈がらがら帷子かたびら〉とも呼よばれる、マンス・レイダー配下はいかの野人やじんの頭領とうりょうである。骨ほねでできた鎧よろいを着きる。メリサンドルの魔法まほうによりマンスに見みせかけられて処刑しょけいされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、エドワード・ドグリアーニおよびロス・オヘネシーが演えんじる。

クァイバーン

(キバン) Qyburn

かつて生いきている人間にんげんに非ひ倫理りんり的てきな実験じっけんを行おこなったことで鎖くさりを剥奪はくだつされた元もとメイスター(マイスター)である。かつて妖術ようじゅつを行おこなったとも噂うわさされる。傭兵ようへい集団しゅうだんである〈勇武ゆうぶ党とう〉の一員いちいんとして物語ものがたりに登場とうじょうする。優すぐれた治療ちりょうの技わざでジェイミーの腕うでの傷きずの壊疽えそが広ひろがるのを抑おさえる。〈勇武ゆうぶ党とう〉を去さり、キングズランディングの宮廷きゅうていに出仕しゅっしし、そこでサーセイ・ラニスターを説得せっとくして、瀕死ひんしのグレガー・クレゲインに実験じっけんを行おこなう。その知識ちしきを利用りようして囚人しゅうじんを拷問ごうもんし、サーセイに気きに入いられる。ヴァリスの失踪しっそうの後のち、サーセイはついに彼かれを諜報ちょうほう機関きかんの頭あたまの後釜あとがまに据すえる。無敵むてきの剣士けんしサー・ロバート・ストロングを創造そうぞうし、〈王おうの盾たて〉の一員いちいんとする。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではアントン・レッサーが演えんじる。

クラスター

Craster

〈壁かべ〉の向むこう側がわに住すむ野人やじんで、〈クラスターの砦とりで〉と呼よばれる大おおきな住居じゅうきょにすむ。多おおくの妻つまを抱かかえ、その間あいだに生うまれた娘むすめもまた妻つまとする。男おとこの子こが生うまれた場合ばあいは森もりに捨すてる。〈冥めい夜よるの守人もりと〉とは友好ゆうこう関係かんけいにあり、ジオー・モーモントの率ひきいる偵察ていさつ隊たいは〈クラスターの砦とりで〉で休息きゅうそくし、食料しょくりょうを分わけてもらう。偵察ていさつ隊たいが〈最初さいしょの人々ひとびとの拳こぶし〉での戦たたかいで大敗たいはいした後のち、不満ふまん分子ぶんしはクラスターが十分じゅうぶんに食料しょくりょうを分わけないと憤いきどおり、反乱はんらんを起おこしてクラスターとジオーを殺ころす。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではロバート・パフが演えんじる。

クリストン・コール

Criston Cole

サー・クリストン・コールはストームランドのドーンとの境界きょうかい地方ちほう出身しゅっしんの騎士きし。〈王おうの盾たて〉の総帥そうすいとなり、一時いちじはレイニラ王女おうじょの恋人こいびととなる。後ごの王位おうい争あらそいにおいてはレイニラ王女おうじょと対立たいりつする。

グレイ・ワーム

Grey Worm

グレイ・ワーム、〈灰色はいいろの蛆うじ〉はデナーリス・ターガリエンに仕つかえる去勢きょせいされた歩兵ほへいの〈穢けがれなき軍団ぐんだん〉(〈無垢むく軍団ぐんだん〉)の司令しれい官かんである。デナーリスがアスタポア (アスタポール）で〈穢けがれなき軍団ぐんだん〉を手てに入いれる以前いぜんは、各かく兵士へいしは固定こていした名前なまえを持もたなかったが、グレイ・ワームは自みずからこの名前なまえを選えらぶ。デナーリスは〈穢けがれなき軍団ぐんだん〉に自分じぶんたちの司令しれい官かんを選えらばせ、グレイ・ワームが選出せんしゅつされる。デナーリスの信頼しんらいする側近そっきんとなり、ミーリーン(ミイリーン)の侵略しんりゃくに参加さんかする。『ゲーム・オブ・スローンズ』においてはジェイコブ・アンダーソンが演えんじる。

グレイトジョン

Greatjon　 (Jon Umber)　ジョン・アンバー

スターク家かの旗はた主おもであり、〈最後さいごの炉端ろばた城じょう〉(ラスト・ハース城じょう)の城主じょうしゅ、アンバー家かの当主とうしゅであり、その巨大きょだいな体躯たいくゆえに”グレイトジョン”と呼よばれることが多おおい。ロブ・スタークが旗はた主ぬしを呼よび集あつめた時ときに、家来けらいたちをウィンターフェルに連つれて来くる。最初さいしょは若わかい公おおやけの権威けんいに挑戦ちょうせんするが、ロブの大だい狼おおかみグレイウィンドに二に本ほんの指ゆびを噛かみ切きられたあとは、ロブの最もっとも熱烈ねつれつな支持しじ者しゃとなる。ロブの軍ぐんの先陣せんじんを南みなみに率ひきいて〈ささやきの森もりの合戦かっせん〉と〈野営やえい地ちの合戦かっせん〉に参加さんかする。リヴァーランが解放かいほうされた後のち、ロブを北きたの王おうであると宣言せんげんする最初さいしょの貴族きぞくとなる。〈釁られた婚儀こんぎ〉を生いき延のび、双子ふたご城じょうでフレイ家かの捕虜ほりょになっていると信しんじられている。グレイトジョンは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、クライブ・マントルが演えんじる。

グレガー・クレゲイン

Gregor Clegane

サー・グレガー・クレゲインはクレゲイン家かの家長かちょうで、サンダー・クレゲインの兄あにであり、ラニスター家かの旗はた主おもである。グレガーは8フィート (2.4m)の身長しんちょう、30ストーン(190kg)もの体重たいじゅうであり、体からだのほとんどが筋肉きんにくで驚おどろくべき膂力りょりょくを発揮はっきする。”馬うまを駆かる山やま”あるいは単たんに”山やま”とあだ名なされている。その板金ばんきん鎧よろいはあまりに分厚ぶあつく重おもいため、他人たにんにはそれを着きて戦たたかうどころか動うごくことすらできない。

その体からだの大おおきさと強つよさのゆえに、極きわめて強力きょうりょくな戦士せんしであり、残酷ざんこく性せいと獣性じゅうせいは恐怖きょうふの的てきである。弟おとうとサンダーが7歳さいの時とき、12歳さいのグレガーのおもちゃを盗とったため、グレガーはサンダーの顔かおを火鉢ひばちに押おしつけ、火傷かしょうを負おわせる。噂うわさによれば、グレガーは父親ちちおや、妹いもうと、そして最初さいしょの二人ふたりの妻つまを殺ころし、その城しろは不気味ぶきみな所ところで、召使めしつかいは説明せつめいのつかない失踪しっそうをし、番犬ばんけんさえも広間ひろまに入はいるのを恐おそれると言いう。グレガーは数かぞえられないほどの強姦ごうかんと殺人さつじんを行おこなうが、最もっとも悪名あくめい高たかいのは、〈ロバートの反乱はんらん〉において、ラニスター家かがキングズランディングを略奪りゃくだつした時ときの行為こういである。グレガーは幼児ようじであったエイゴン・ターガリエンの頭あたまを壁かべに叩たたきつけて殺ころし、ドーンのプリンセス・エリアを暴行ぼうこうして殺ころす。息子むすこの血ちと脳漿のうしょうがついた手てでその母ははを犯おかし、殺ころしたのである。

〈五ご王おうの戦たたかい〉の間あいだ、 タイウィン・ラニスターに リヴァーランドに送おくりこまれ、襲撃しゅうげき隊たいを率ひきいる。グレガーの一いち隊たいは、焼やき討うち、暴行ぼうこう、拷問ごうもん、無実むじつの村むらの皆殺みなごろしを行おこなう。ベリック・ドンダリオンがグレガーを捕とらえるために送おくりこまれるが、待まち伏ぶせされて殺ころされる。一時期いちじきは正体しょうたいを知しらずにアリア・スタークを捕虜ほりょにしていたため、アリアの章しょうはグレガーの残虐ざんぎゃく行為こういの直接ちょくせつの報告ほうこくともなる。

ティリオン・ラニスターがジョフリー・バラシオン殺害さつがいの件けんの潔白けっぱくを証明しょうめいするために決闘けっとう裁判さいばんを要求ようきゅうした時とき、ティリオンを告発こくはつした摂政せっしょう太ふとし后きさきサーセイは、グレガーを自身じしんの擁護ようご者しゃに指名しめいする。オベリン・マーテルは、姉あねエリアを殺ころされた復讐ふくしゅうの機会きかいと見みてティリオンの擁護ようご者しゃとなる。決闘けっとうでオベリンは毒どくを塗ぬった槍やりでグレガーを刺さすことに成功せいこうする。グレガーはエリアを殺ころしたことを認みとめるが、オベリンの頭蓋骨ずがいこつを潰つぶして殺ころし、決闘けっとう裁判さいばんに勝かつ。だが毒どくによって、グレガーは長ながく苦痛くつうに充みちた死しを迎むかえる。死しの淵ふちで意識いしきを失うしない、グレガーはクァイバーンの医学いがく実験じっけんのために地下ちか牢ろうに運はこばれ、それ以来いらいその姿すがたは見みられていない。グレガーの頭蓋骨ずがいこつは、エリア、エイゴン、そしてオベリンの死しの償つぐないとしてマーテル家かに与あたえられる。

グレガーは『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン1では、コナン・スティーブンスが、シーズン2ではイアン・ホワイトが、シーズン4以降いこうではハフソー・ユリウス・ビョルンソンが演えんじる。

コアリーズ・ヴェラリオン

Corlys Velaryon

ターガリエン家かの旗はた主ぬしで強大きょうだいな海軍かいぐんをもつ有力ゆうりょくなドリフトマークのヴェラリオン家かの当主とうしゅ。レイニス王女おうじょを妻つまに迎むかえ、〈双竜そうりゅうの舞踏ぶとう〉では息子むすこと結婚けっこんしたレイニラ王女おうじょを支持しじする。

サムウェル・ターリー

Samwell Tarly

サムウェル(サム)・ターリーは視点してん人物じんぶつであり、河間こうま平野へいやのタイレル家かの旗はた主おもである、ホーンヒルの領主りょうしゅランディル・ターリー公おおやけの長男ちょうなんである。臆病おくびょうで、太ふとっていて自信じしん不足ふそくであるが、知的ちてきで思慮しりょ深ふかい。父ちちはサムに失望しつぼうし、世継よつぎの座ざを奪うばって〈壁かべ〉に追放ついほうし、弟おとうとを後継あとつぎとする。〈冥めい夜よるの守人もりと〉の〈誓願せいがんの兄弟きょうだい〉(ブラザー)に加くわわった当初とうしょは新兵しんぺい仲間なかまに虐いじめられ、その臆病おくびょうさを剣術けんじゅつ指南しなんのサー・アリザー・ソーンに嘲あざけられる。ジョン・スノウと友達ともだちになって庇護ひごを受うけ、いじめから守まもってもらう。誓ちかいを立たてた後のちは、メイスター・エイモンの雑ざつ士しとなり鴉からすの世話せわをする。

メイスター・エイモンの代かわりに、総帥そうすい(司令しれい官かん)のジオー・モーモントと一緒いっしょに壁かべの向むこう側がわに行いく偵察ていさつ隊たいに加くわわる。ジョンは〈冥めい夜よるの守人もりと〉のマントに包つつまれた角笛つのぶえと黒曜石こくようせきをサムに渡わたす。〈クラスターの砦とりで〉で反乱はんらんがおきた時とき、クラスターの娘むすめのジリとその赤子あかごを連つれて逃にげ出だす。〈異形いぎょう〉が黒曜石こくようせきに弱よわいことを発見はっけんして殺ころし、その後ごは” 異形いぎょう退治たいじのサム”(“殺ころし屋やサム”)と呼よばれることになる。〈冥めい夜よるの守人もりと〉の総帥そうすいの選挙せんきょで、他たの候補者こうほしゃを操あやつってジョンを支持しじするように仕向しむける。

ジョンの命令めいれいによって、サムは治癒ちゆ者しゃで助言じょげん者しゃであるメイスターとなる訓練くんれんを受うけるため、メイスター・エイモンとジリと共ともにオールドタウンの〈知識ちしきの城しろ〉(〈大だい城砦じょうさい〉)に旅たびをする。航海こうかい中ちゅうに〈冥めい夜よるの守人もりと〉の〈誓願せいがんの兄弟きょうだい〉の誓ちかいに反はんしてジリと関係かんけいを持もち始はじめ、恥辱ちじょくの念ねんに駆かられる。ジリとその息子むすこを、ホーンヒルの父ちちの本拠ほんきょに連つれて行いって安全あんぜんな暮くらしをさせようと考かんがえる。亡なくなったメイスター・エイモンの命いのちにより、メイスターをデナーリス・ターガリエンのもとに送おくってもらおうと努つとめる。サムの話はなしを聞きいて、魔術まじゅつ師しと呼よばれているアーチメイスターのマーウィンが、デナーリスを探さがすために旅立たびだつ。サムは〈知識ちしきの城しろ〉に留とどまって訓練くんれんを受うけ、その後ご〈壁かべ〉に戻もどるつもりである。

『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ジョン・ブラッドリーがサムを演えんじる

サラドール・サーン

Salladhor Saan

自由じゆう都市としライス(リス)の海賊かいぞくで"ヴァリリアン"の船長せんちょうであり、艦隊かんたいを率ひきいてスタニス・バラシオンの軍ぐんに雇やとわれて参加さんかする。ブラックウォーターの戦たたかいでその艦隊かんたいはほぼ無傷むきずのまま残のこるが、約束やくそくされた支払しはらいが実行じっこうされないことに不満ふまんを抱いだき、スタニスのもとを去さる。ダヴォス・シーワースとは、彼かれが密輸みつゆ業者ぎょうしゃだったころからの友人ゆうじんである。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではルシアン・ムサマティが演えんじる。

ザロ・ゾアン・ダクソス

Xaro Xhoan Daxos

クァースの豪商ごうしょう。夏なつ諸島しょとうの出身しゅっしん。クァースの代表だいひょうとしてデナーリス・ターガリエンを訪たずねて最初さいしょにドラゴンを見みた3人にんのうちの一人ひとり。デナーリスを自みずからの邸宅ていたくに招待しょうたいし、〈純粋じゅんすい人じん〉たちの支持しじを得えることに助力じょりょくする。クァースの習慣しゅうかんでは結婚けっこんした男女だんじょは相手あいての財産ざいさんの一ひとつをもらいうけることが出来できるため、デナーリスのドラゴン目当めあてに結婚けっこんを申もうし込こむが拒絶きょぜつされる。デナーリスが黒くろ魔ま導師どうしの家いえを焼やき払はらった後のちには、クァースを出でて行いくよう求もとめる。

デナーリスがミーリーンを治おさめようと苦闘くとうしている時とき、ザロは彼女かのじょを訪おとずれ、奴隷どれい商人しょうにん湾わんを去さってウェスタロスに向むかうなら13隻せきの船ふねを提供ていきょうすると申もうし出でる。彼女かのじょのせいで奴隷どれい貿易ぼうえきが不振ふしんとなり、クァースを含ふくむ多おおくのエッソスの都市としが苦くるしんでいたためである。だがデナーリスは拒絶きょぜつし、ザロはミーリーンを立たち去さり、クァースはデナーリスに宣戦せんせん布告ふこくする。

『ゲーム・オブ・スローンズ』ではノンソー・アノジーが演えんじる。

サンダー・クレゲイン

Sandor Clegane

サンダー・クレゲインはグレガー・クレゲインの弟おとうとでありラニスター家かの家臣かしんである。彼かれは疑うたがいようもなく忠実ちゅうじつであり、主人しゅじんの命令めいれいによって簡単かんたんに人ひとを殺ころすために”ハウンド”(犬いぬ)とあだ名なされ、シリーズを通とおして、歯はをむき出だす犬いぬの頭あたまの形かたちをした独特どくとくの兜かぶとをつける。 ウェスタロスでも最もっとも危険きけんで熟練じゅくれんした戦士せんしであると考かんがえられている。子供こどもの頃ころ、兄あにに頭あたまを火鉢ひばちに押おし付つけられて顔かおに醜みにくい火傷かしょうを負おったため、サンダーは兄あにを憎にくみ、火ひを恐おそれるようになる。兄あにが騎士きしとなり、さらに獣性じゅうせいを増ましたため、サンダーは騎士きしを憎にくみ、騎士きし道どうを偽善ぎぜんであると見みなすようになる。決けっして騎士きしにはならないと誓ちかい、”サー”と呼よばれた時ときには呼よび直なおさせる。怒いかりと憎にくしみによって苦くるしめられ、兄あにを殺ころすことだけを望のぞむ男おとことして描えがかれている。

サンダーはジョフリー・バラシオンの護衛ごえいとなり、つねに”犬いぬ”と呼よばれる。彼かれはロラス・タイレル(ティレル)をグレガーの憤怒ふんぬから救すくった後のち、〈王おうの手て〉の馬上もうえ試合しあいで優勝ゆうしょうする。賞金しょうきんを飲のみ尽つくした後のち、彼かれはサンサ・スタークに魅みかれるが、サンサの洗練せんれんされたマナーを嘲あざける。騎士きしとなることを拒否きょひするにもかかわらず、サンダーは〈王おうの盾たて〉の騎士きしに任命にんめいされ、しばしばサンサを見張みはることになる。ジョフリーには忠実ちゅうじつであるが、ジョフリーの命めいじる暴力ぼうりょくからしばしばサンサを守まもる。実際じっさい、キングズランディングにいた6人にんの騎士きしのうちでサンサを打うたなかったのはサンダーだけである。キングズランディングの戦たたかいでナパームのような物質ぶっしつである〈炎ほのお素もと〉(〈燐火りんか〉)が使つかわれ、火ひを恐おそれる彼かれは、戦たたかいから逃亡とうぼうする。逃亡とうぼうの前まえに彼かれはサンサを探さがし出だし、彼かれと一緒いっしょに連つれて行いってもいいと言いう。パニックに駆かられてサンサは拒否きょひするが、サンダーがどれほど火ひを怖こわがっていたのかを理解りかいする。

サンダーはリヴァーランドで放浪ほうろう者しゃとなって〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉(〈旗印はたじるしを持もたない結社けっしゃ〉)と自みずからを呼よぶ無法者むほうものの集団しゅうだんに捕とらえられるが、 アリア・スタークも同おなじく捕とらえられている。〈兄弟きょうだい団だん〉はラニスター家かの残虐ざんぎゃく行為こういに対たいしてサンダーを裁判さいばんにかける。サンダーは決闘けっとう裁判さいばんを選択せんたくして、炎ほのおの剣けんをふるうベリック・ドンダリオンを破やぶるが、その後ご〈兄弟きょうだい団だん〉は彼かれの金かねと持もち物ものを奪うばって釈放しゃくほうする。サンダーは ロブ・スタークから身代金みのしろきんをせしめるために、アリアを誘拐ゆうかいする。二人ふたりはロブのいる双子ふたご城じょうにつくが、フレイ家かがスターク家かを惨殺ざんさつし、二人ふたりは東ひがしに逃にげる。街道かいどう沿ぞいの旅籠はたごで、二人ふたりはグレガーの3人にんの家来けらいたちに遭遇そうぐうして戦たたかいとなり、3人にんとも殺ころしたものの、サンダーは重傷じゅうしょうを負おう。その傷きずは膿うみ、アリアは彼かれを森もりに置おき去ざりにする。

近ちかくの修道院しゅうどういんの長老ちょうろうは”ハウンド”が川かわの傍はたで死しんでいるのを見みつけ、彼かれを埋葬まいそうし、石いしの塚づかの上うえに墓標ぼひょうとして兜かぶとを残のこしてきたと話はなす。極悪ごくあくな犯罪はんざい者しゃがその兜かぶとを手てに入いれて、サンダーを装よそおって凌辱りょうじょくと殺戮さつりくを行おこなう。その後ご、兜かぶとは〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉の手てに落おちる。

サンダーは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ロリー・マッキャンが演えんじる

サー・ダンカン・ザ・トール

Ser Duncan the Tall

ダンカン・ザ・トールを参照さんしょう。

ジオー・モーモント

Jeor Mormont

ジオー・モーモントは“熊くま親父おやじ”として知しられる、〈壁かべ〉の〈冥めい夜よるの守人もりと〉の総帥そうすいである。北部ほくぶの〈熊くまの島しま〉の領主りょうしゅであったが、息子むすこのジョラー・モーモントに地位ちいを譲ゆずって〈冥めい夜よるの守人もりと〉に加くわわる。強つよく、決断けつだん力りょくにあふれ、尊敬そんけいされている。簡単かんたんな言葉ことばを話はなす大だい鴉からすをペットとして飼かっている。ジョンを自分じぶん付つきの雑ざつ士しとし、指導しどう者しゃとして育そだてようとする。〈異形いぎょう〉によって甦よみがえらされた死体したいである〈亡者もうじゃ〉に殺ころされそうになった時とき、ジョンが〈亡者もうじゃ〉を殺ころす。感謝かんしゃの徴しるしとして、モーモント家かに伝つたわる剣けんロングクロウを、柄頭つかがしらを熊くまからスターク家か伝統でんとうの狼おおかみに替かえてジョンに贈おくる。〈亡者もうじゃ〉の復活ふっかつ、行方ゆくえ不明ふめいの哨士、そして〈野人やじん〉の軍ぐんの噂うわさを調しらべるため、〈壁かべ〉を越こえて調査ちょうさ隊たいを率ひきいる。その隊たいは〈野人やじん〉と〈異形いぎょう〉に襲おそわれ、生いき残のこりを率ひきいて〈野人やじん〉の砦とりでに向むかう。ここで隊員たいいんが反乱はんらんをおこしてモーモントを殺ころす。死しの直前ちょくぜん、ジョラーはサムに、自分じぶんの代かわりにジョラーを許ゆるし、〈冥めい夜よるの守人もりと〉に加くわわるよう伝言でんごんを依頼いらいする。ジオー・モーモントは、『ゲーム・オブ・スローンズ』でジェームズ・コスモが演えんじる。

シェイ

Shae

シェイは狭せまい海うみの向むこう側がわの出身しゅっしんの若わかい従軍じゅうぐん売春ばいしゅん婦ふである。シェイを愛あいしたティリオン・ラニスターは父ちちタイウィン・ラニスターに隠かくれて彼女かのじょをサンサ・スタークの侍女じじょとする。だがティリオンの裁判さいばんにおいてシェイはティリオンを裏切うらぎり虚偽きょぎの証言しょうげんを行おこなう。牢ろうを脱出だっしゅつしたティリオンはタイウィンと共ともにいるシェイを見みつけて殺ころす。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではシベル・ケキリが演えんじる。

ジェイン・ウェスタリング

Jeyne Westerling

ラニスター家かの旗はた主おもであるウェスタリング家かのガウエン・ウェスタリングとその妻つまレディ・サイベルの間あいだに生うまれた15歳さいの娘むすめである。ジェインは若干じゃっかん素朴そぼくなところがある、柔やわらかい物腰ものごしの娘むすめであり、高たかいレベルの政治せいじ工作こうさくと、遠とおく離はなれた地ちで立たてられた計画けいかくの犠牲ぎせいになる。ジェインはロブ・スタークが彼女かのじょの父親ちちおやの城しろを奪うばった時ときにロブに出会であう。城しろで休やすんでいる時ときに、ロブはウィンターフェルが奪うばわれ、弟おとうとたちが処刑しょけいされた知しらせを聞きく。その夜よる、ジェインは彼かれを”慰なぐさめた”ため、唯一ゆいいつの名誉めいよある行動こうどうは彼女かのじょと結婚けっこんすることとなり、ロブはその通とおりに行動こうどうする。しかしこれにより、彼かれはフレイ家かとの結婚けっこんの契約けいやくを破やぶってしまう。フレイ家かは〈釁られた婚儀こんぎ〉という形かたちで復讐ふくしゅうし、ロブ王おうを殺ころす。後のちに、すべては最初さいしょからタイウィン・ラニスターがレディ・サイベルと仕組しくんだものだったことが明あきらかになる。ジェインが受胎じゅたい薬やくだと思おもっていたものは、実じつは避妊ひにん薬やくである。ウェスタリング家かはトメン王おうによって赦免しゃめんされ、立派りっぱな領地りょうちと名誉めいよを与あたえられる。ジェイミー・ラニスターはこの取引とりひきを尊重そんちょうし、2年ねん待まって、ロブの子こが生うまれないことを確認かくにんした上うえで、ジェインの再婚さいこんを整ととのえることにする。最後さいごにジェインの姿すがたが見みられたのは、ラニスター家かの一いち隊たいと一緒いっしょに馬うまに乗のって去さるところであり、隊たいはジェインが誘拐ゆうかいされそうになった場合ばあいは殺ころせと命めいじられている。彼女かのじょは公然こうぜんと夫おっとの死しを悲かなしみ、母親ははおやとは疎遠そえんになっているように見みえる。

『ゲーム・オブ・スローンズ』では、ジェイン・ウェスタリングは登場とうじょうせず、代かわりにタリサ・マイギアがロブ・スタークの相手あいてとなる。

ジェイン・プール

Jeyne Poole

ウィンターフェルの家令かれいヴェイヨン・プールの娘むすめでサンサ・スタークの親友しんゆうであり、サンサと共ともにキングズランディングに行いく。茶色ちゃいろの瞳ひとみと黒くろい髪かみをしており、非常ひじょうに美うつくしい娘むすめだとされる。エダード・スタークの逮捕たいほの後のち、スターク家かの家臣かしんたちは殺ころされるが、ジェインは助命じょめいされてサンサと同おなじ部屋へやに閉とじ込こめられる。のちにサンサと引ひき離はなされ、ピーター・ベイリッシュの保護ほご下かにおかれて売春ばいしゅん宿やどで働はたらかされる。 ラニスター家かはジェインをサンサの妹いもうとのアリアの身代みがわりとし、ウィンターフェルでラムジー・スノウと結婚けっこんさせるために送おくりだす。シオン・グレイジョイは偽装ぎそうに気きづくが、別人べつじんであることはボルトン家かも承知しょうちしている。婚儀こんぎの後のち、ラムジーはジェインを塔とうに閉とじ込こめ、肉体にくたい的てきそして性的せいてきに虐待ぎゃくたいする。アリアの腹違はらちがいの兄あにのジョン・スノウは、ジェインが本物ほんもののアリアであると信しんじ、マンス・レイダーと6人にんの〈槍やりの妻つま〉を送おくりだして救出きゅうしゅつを謀たばかる。シオンとジェインは、城しろがスタニス・バラシオンの攻撃こうげきに備そなえる間あいだに逃にげ出だし、スタニスの前まえに連行れんこうされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではエキストラとしてのみ登場とうじょうする。

ジャクェン・フ=ガー

(ジャケン・フガー) Jaqen H'ghar

ジャクェン・フ=ガーは、自由じゆう都市としブレーヴォス(ブラーボス)の、外見がいけんを変かえることが出来できる暗殺あんさつ者しゃの組合くみあい〈顔かおのない男おとこたち〉の一員いちいんの名なである。ジャクェンは、〈赤あかの王城おうじょう〉の牢ろうから出だされ鎖くさりに繋つながれて〈壁かべ〉に連つれて行いかれる途中とちゅうでアリア・スタークに会あう。ラニスター家かの旗はた主ぬしが一いち行ぎょうを攻撃こうげきした時とき、アリアは彼かれと捕虜ほりょ仲間なかま二に人にんを火事かじから救すくう。〈ハレンの巨きょ城じょう〉において傭兵ようへいとしてラニスター家かに仕つかえている時とき、ジャクェンは再ふたたび彼女かのじょを見みつける。彼女かのじょが盗ぬすんだ死しの対価たいかとして、殺ころすべき3人にんを選えらぶように言いうが、他たのやり方かたではアリアを助たすけることを拒否きょひする。アリアは二に人にんの敵てきを指名しめいして殺ころさせたが、もっと重要じゅうような敵てきを殺ころさなかったことを後悔こうかいし、3人にん目めとしてジャクェン自身じしんを選えらぶ。ジャクェンは自分じぶんがアリアの友ともだと言いい、取とり消けさせようとするが、アリアは動どうじず、ジャクェンは借かりを返かえすことだけに興味きょうみがあるのであって、真しんの友ともならば〈ハレンの巨きょ城じょう〉に囚とらわれている北部ほくぶ人ひとを解放かいほうする手伝てつだいをするはずだと言いう。ジャクェンは、彼かれの名なを取とり消けす条件じょうけんでアリアを助たすけることを承知しょうちする。北部ほくぶ人じんを救出きゅうしゅつした後のち、ジャクェンはアリアに、看守かんしゅを殺ころさなければならなかったために約束やくそく以上いじょうの数かずの命いのちを奪うばってしまい、借かりは返かえされたと言いい、立たち去さるべき時ときであると言いう。別わかれる前まえ、ジャクェンは古ふるい鉄てつのコインをアリアに与あたえ、助たすけが欲ほしい時ときには自由じゆう都市としブレーヴォスから来きた誰だれにでもそのコインを渡わたし、”ヴァラー・モルグリス”(“ヴァラール・モルグリス”)と言いえばよいと教おしえる。彼かれは魔法まほうによってその外見がいけんを変かえて新あたらしい顔かおになり、立たち去さる。ジャクェンは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、トム・ヴラシアが演えんじる。

ジャノス・スリント

Janos Slynt

ジャノス・スリントは〈王おう都みやこの守人もりと〉(都市とし警備けいび隊たい)の総帥そうすいとして登場とうじょうする。エダード・スタークがジョフリー・バラシオンを退位たいいさせようとしていた時とき、ピーター・ベイリッシュはジャノスとともにエダードの味方みかたをすると言いう。だが実じつは二に人にんともラニスター家かと通つうじており、エダードを裏切うらぎって逮捕たいほしスターク家かの家人かじんを虐殺ぎゃくさつする。ジャノスはこの功こうで〈小しょう評議ひょうぎ会かい〉に席せきを得えて、低ひくい身分みぶんの生うまれにもかかわらず貴族きぞくとなり、由緒ゆいしょ正ただしい〈ハレンの巨きょ城じょう〉(ハレンホール)の領主りょうしゅとされる。ジャノスの成なり上あがりはタイウィン・ラニスターをはじめとする貴族きぞくを怒おこらせる。〈王おうの手て〉となったティリオン・ラニスターは、サーセイ・ラニスターの命いのちでジャノスが故こロバート王おうの私生児しせいじの娘むすめを殺ころしたことに怒いかり、ジャノスを〈壁かべ〉に追放ついほうする。

ジャノスはスターク家かを憎にくみ、〈壁かべ〉でアリザー・ソーンとともにジョン・スノウに敵対てきたいする。イグリットと関係かんけいを持もち、〈野人やじん〉と行動こうどうを共ともにした罪つみでジョンを投獄とうごくした後のち、ジョンを送おくり出だしてマンス・レイダーを暗殺あんさつさせようとするが、スタニス・バラシオンの軍ぐんの到着とうちゃくで失敗しっぱいする。ジャノスは〈冥めい夜よるの守人もりと〉の総帥そうすいに立候補りっこうほするが、サムウェル・ターリーの運動うんどうによってジョンが選出せんしゅつされる。選挙せんきょでスタニスの支持しじを得えようとするが、〈王おう都みやこの守人もりと〉の総帥そうすいとして賄賂わいろを受うけ取とっていた件けんを持もち出だされ、侮辱ぶじょくされる。自分じぶんが王おうであったならば、ジャノスを処刑しょけいしていたはずだとまでスタニスは言いう。

ジャノスは、〈冥めい夜よるの守人もりと〉の総帥そうすいとなったジョンの頭痛ずつうの種たねとなり続つづけるが、父親ちちおやが裏切うらぎられたにもかかわらず、ジョンはジャノスを砦とりでの司令しれい官かんとして活用かつようしようとする。だがジャノスはジョンの命令めいれいを拒否きょひし、人前ひとまえでジョンを侮辱ぶじょくする。ジョンはついにジャノスを自みずからの手てで斬首ざんしゅする。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではドミニク・カーターが演えんじる。

ジョジェン・リード

Jojen Reed

スターク家かの旗はた主おもであり、〈灰色はいいろ沼ぬまの物見ものみ城じょう〉(グレイウォーター監視かんし所しょ)城主じょうしゅで沼地ぬまち人じんを率ひきいるハウランド・リードの息子むすこであり、ミーラ(メーラ)の弟おとうと。ウィンターフェルに来きた時ときには13歳さいだが、真面目まじめで大人おとなびた性格せいかくのせいでもっと年上としうえに見みえる。非常ひじょうに深ふかい緑みどりの眼めをしており、緑みどりの服ふくを着きる。予知よち夢ゆめを見みる力ちからである〈緑みどり視力しりょく〉を持もっている。ジョジェンが登場とうじょうした時とき、その予知よちの力ちからはブラン・スタークを驚おどろかせる。しかし、ジョジェンはブランが動物どうぶつの心しんに乗のり移うつって操あやつる力ちからを持もっていることに気きづき、ブランにその力ちからを強つよめるように導みちびく。ブランは抵抗ていこうするが、ジョジェンは勧すすめ続つづける。〈三みっつ目めの鴉からす〉の予知よち夢ゆめのことをブランが話はなした時とき、ジョジェンはブランに壁かべの向むこうへ旅たびし、夢ゆめについてもっと多おおくを探さがすように勧すすめる。ルース・ボルトンの私生児しせいじの息子むすこラムジーがウィンターフェルを略奪りゃくだつした時とき、ジョジェン、ミーラ、ブラン、ホーダー、リコン、そしてオシャは城しろの地下ちか墳墓ふんぼに隠かくれる。暴力ぼうりょくが止やんだ時とき、グループは二ふたつに分わかれ、ジョジェン、ミーラ、ブランそしてホーダーは北きたに向むかう。〈三みっつ目めの鴉からす〉として知しられている不思議ふしぎな存在そんざいを探さがすために、一いち行ぎょうはサムウェル・ターリー と〈冷つめたい手て〉の助たすけで、〈壁かべ〉の下したの秘密ひみつの扉とびらを通とおりぬける。壁かべを超こえて北きたに向むかう旅たびの途中とちゅう、ジョジェンの体力たいりょくは落おち、気分きぶんは落おち込こみ、灰色はいいろ沼ぬまに帰かえりたいと望のぞむ。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではトーマス・サングスターが演えんじる。

ジョラー・モーモント

Jorah Mormont

モーモント家かの紋章もんしょう

サー・ジョラー・モーモントは、父ちちであるジオー・モーモントが〈冥めい夜よるの守人もりと〉に加くわわった後のちに跡あとを継ついだ、北部ほくぶの〈熊くまの島しま〉のかつての領主りょうしゅである。馬上もうえ試合しあいで勝かった後のち、高たかい身分みぶんの女性じょせいを二に度目どめの妻つまに迎むかえることを許ゆるされる。だが新妻にいづまの贅沢ぜいたくな暮くらしのために借財しゃくざいを負おい、奴隷どれい商人しょうにんに密漁みつりょう者しゃを売うり飛とばした罪つみで死刑しけいを宣告せんこくされる。〈冥めい夜よるの守人もりと〉に加くわわることも死しぬことも嫌きらい、モーモントと妻つまはライス(リス)に逃にげたが、妻つまは豊ゆたかな商人しょうにんの愛人あいじんとなって去さる。傭兵ようへいとなり、年齢ねんれいを重かさねていたにもかかわらず優すぐれた戦士せんしとして、ドスラク人じんの間あいだでも有名ゆうめいとなる。ジョラーは〈熊くまの島しま〉に戻もどりたいと願ねがう。ヴィセーリスに仕つかえ、彼かれとその妹いもうとデナーリス・ターガリエンの動向どうこうを、ロバート・バラシオンのスパイの長ちょうであるヴァリスに報告ほうこくするようになる。王おうの赦ゆるしを得えて故郷こきょうに帰かえることを望のぞんでのことである。ヴィセーリスよりもデナーリスを選えらんで仕つかえることになり、最もっとも信頼しんらいされる家来けらいとなる。デナーリスを愛あいするようになり、自みずからの報告ほうこくが招まねいたデナーリス暗殺あんさつの試こころみを妨さまたげ、ヴァリスへの報告ほうこくもしないようになる。デナーリスが未亡人みぼうじんとなった後のちもそばに留とまり、〈女王じょおうの盾たて〉の第だい一いちの騎士きしとなる。

助言じょげん者しゃとしてデナーリスに仕つかえ、生得しょうとくの権利けんりによって七なな王国おうこくの女王じょおうとなれるよう支ささえる。愛あいを口くちにし、結婚けっこんを求もとめ、デナーリスにはドラゴンを乗のりこなす二人ふたりの夫おっとが必要ひつようであり、自分じぶん以上いじょうに忠実ちゅうじつな男おとこは見みつからないと主張しゅちょうする。当初とうしょデナーリスを裏切うらぎっていたことがバリスタン・セルミーによって暴あばかれ、ミーリーンを奪うばうために下水げすいから侵入しんにゅうする危険きけんな任務にんむに送おくられる。使命しめいを果はたした後のち、許ゆるしを請こう機会きかいを与あたえられたが、何なにも悪わるいことはしていないと信しんじ、自分じぶんの行動こうどうを正当せいとう化かする。デナーリスはジョラーの行動こうどうが、予言よげんされた3つの裏切うらぎりの一ひとつであると信しんじ、ジョラーを追放ついほうする。追放ついほうされたのち、ジョラーはデナーリスの赦ゆるしを得えるためにティリオン・ラニスターを捕とらえるが、二人ふたりは奴隷どれい商人しょうにんに捕とらえられ奴隷どれいとされてしまう。反抗はんこうしたため、ジョラーは激はげしく鞭打むちうたれ、危険きけんな奴隷どれいとして頬ほおに悪魔あくまの烙印らくいんを押おされる。デナーリスが結婚けっこんすることを聞きいた時とき、ジョラーは抵抗ていこうをやめ、自分じぶんの中なかに引ひきこもって命令めいれいを無視むしするだけとなる。笑劇しょうげきの座員ざいんとして、ティリオンと共ともに買かわれるが、主人しゅじんが疫病えきびょうで死しんだ際さいに逃亡とうぼうする。二人ふたりはデナーリスを裏切うらぎった傭兵ようへい軍ぐん〈次子じし〉(〈次男じなん軍団ぐんだん〉)に加くわわり、再ふたたびデナーリスに仕つかえさせようとする。ジョラー・モーモントは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、イアン・グレンが演えんじる

ジョン・アンバー

Jon Umber

グレイトジョンを参照さんしょう

ジョン・コニントン

Jon Connington

視点してん人物じんぶつであるジョン・コニントン公こうはかつてのバラシオン家かの旗はた主ぬしで〈グリフィンの寝ねぐら城じょう〉(グリフィンズ・ルースト)城主じょうしゅであり、レイガー・ターガリエンの親友しんゆうである。物語ものがたりの15年ねん前まえ、エイリス・ターガリエン二に世せいは、前任ぜんにん者しゃが〈ロバートの反乱はんらん〉を鎮圧ちんあつできなかったため、ジョンを〈王おうの手て〉とする。だが、〈鐘かねの戦たたかい〉では、エダード・スタークとホスター・タリーの援軍えんぐんが到着とうちゃくする前まえに、ストーニーセプトでロバート・バラシオンを捕とらえることも殺ころすこともできず、王おうはジョンの領地りょうちと称号しょうごうを剥奪はくだつし追放ついほうする。ジョンは狭せまい海うみの向むこう側がわに渡わたり、傭兵ようへい軍団ぐんだんである〈黄金おうごん兵団へいだん〉に加くわわり、給与きゅうよを盗ぬすんだ罪つみでそこから追放ついほうされ、一いち年ねん後ごには酔よい潰つぶれて死しんだとされている。だが、実じつはジョンの不ふ始末しまつも死しもヴァリスによる偽装ぎそうであったことが明あきらかになる。レイガーの息子むすこエイゴンも同様どうように死しんだと思おもわれていたが、実じつはキングズランディングから連つれ出だされ、ジョンが密ひそかに養育よういくする。ジョンはグリフと名乗なのり、エイゴンはその息子むすこ〈若わかきグリフ〉であると偽いつわる。いずれはウェスタロスを征服せいふくし、エイゴンを七なな王国おうこくの王おうとするつもりである。 デナーリス・ターガリエンの軍勢ぐんぜいに加くわわるため、ヴォランティスに旅たびをする。旅たびの途中とちゅう、ジョンは緩ゆるやかに体からだを固化こかさせ死しに至いたらしめる〈灰はい鱗うろこ病びょう〉に冒おかされる。だがこれを隠かくし、死しぬ前まえにエイゴンを王位おういにつけたいと願ねがう。デナーリスがすぐにはウェスタロスを征服せいふくする意図いとがないことがわかり、そのもとに参さんずることを止とめた〈黄金おうごん兵団へいだん〉の忠誠ちゅうせいを得える。ジョンとエイゴンは内戦ないせんのさなかにあるウェスタロスを攻撃こうげきすることにする。その軍ぐんはストームランドに上陸じょうりくし、〈グリフィンの寝ねぐら城じょう〉を含ふくむいくつかの城しろを奪取だっしゅする。エイゴンは次つぎにストームズエンド城しろを攻撃こうげきしようと計画けいかくする。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

シリオ・フォレル

Syrio Forel

シリオは自由じゆう都市としブレーヴォスの〈水みずのダンス〉と呼よばれる優雅ゆうがな剣けん技わざの師しであり、かつてブレーヴォスの筆頭ひっとう剣士けんしである。年寄としよりではあるが、いまだに驚おどろくほどのスピードと剣けん技わざを持もっている。エダード・スターク公こうがアリアが隠かくし持もっていた細身ほそみの小剣しょうけん〈針はり〉(〈ニードル〉)を見みつけた後のち、その細ほそい刃ははブレーヴォスの剣けん技わざにふさわしいと信しんじ、公おおやけはシリオを雇やとってアリアに剣けんの使つかい方かたを教おしえさせる。シリオは、戦士せんしのように動うごき戦たたかうように、アリアに猫ねこを追おって街まち中ちゅうを走はしらせるなど特異とくいな教おしえ方かたをする。知覚ちかくを研とぎ澄すませ、優雅ゆうがに動うごき、敵てきを恐おそれないよう教おしえる。サーセイ 王妃おうひが〈赤あかの王城おうじょう〉の全すべてのスターク家かを捕とらえるか殺ころすことを命めいじた時とき、シリオはアリアの脱出だっしゅつを助たすけ、5人にんの衛兵えいへいと〈王おうの盾たて〉の騎士きしに対たいし、練習れんしゅう用ようの木剣ぼっけんだけで戦たたかって時間じかんを稼かせぐ。衛兵えいへいは倒たおすが、騎士きしに木剣ぼっけんを折おられ、シリオは武器ぶきを失うしなって絶体絶命ぜったいぜつめいとなる。フォレルは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてミルトス・イェロレムーが演えんじる。

ジリ

Gilly

ジリは〈野人やじん〉のクラスターの娘むすめで妻つまである。〈冥めい夜よるの守人もりと〉が〈クラスターの砦とりで〉に再さい集結しゅうけつした時とき、ジリは男おとこの子こを生うむ。クラスターは子こを犠牲ぎせいに捧ささげる前まえに殺ころされ、混乱こんらんの中なかでジリはサムウェル・ターリーとともに逃にげ出だす。ジョンによって、サムとともに子こを連つれてオールドタウンに船ふねで向むかう。だが実じつは、"王おう"の血ちをひく子こを犠牲ぎせいに捧ささげようとするメリサンドルを避さけるため、子こはマンス・レイダーの子ことすり替かえられている。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、ハンナ・マリーが演えんじる。

ストロング・ベルウァス

Strong Belwas

ストロング・ベルウァスは、マジスター・イリリオに仕つかえる太ふとった宦官かんがんである。彼かれは巨躯きょくの恐おそれるべき戦士せんしであり、ミーリーンの闘技とうぎ場じょうの戦闘せんとう奴隷どれいとして生いきて来くる。胸むねのごく一部いちぶしか隠かくさない革かわの胴着どうぎを除のぞけば、何なにも防具ぼうぐは付つけない。敵てきに一度いちど切きりつけさせてから殺ころすことを習慣しゅうかんにしているため、その体からだは多おおくの傷きずで飾かざられている。

ベルウァスは、イリリオによってバリスタン・セルミーと共ともにデナーリス・ターガリエンを援助えんじょするために送おくりこまれる。はじめバリスタンはベルウァスの従者じゅうしゃを装よそおっていたが、その偽装ぎそうには説得せっとく力りょくが欠かけている。ベルウァスはデナーリスの護衛ごえいの一人ひとりとして仕つかえたが、デナーリスは彼かれを信頼しんらいせず、ミーリーン包囲ほういまでは彼かれに有用ゆうよう性せいを感かんじない。ミーリーンでは、使つかい捨すてが効きくと言いう理由りゆうで、ベルウァスにミーリーンの英雄えいゆうと一対一いちたいいちの決闘けっとうをさせる。ベルウァスは徒歩とほで馬上もうえのチャンピオンに立たち向むかい、やすやすと敵てきを倒たおす。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ダヴォス・シーワース

Davos Seaworth

ダヴォス・シーワースの紋章もんしょう

視点してん人物じんぶつであるサー・ダヴォス・シーワースは、〈玉葱たまねぎの騎士きし〉と呼よばれるバラシオン家かの旗はた主ぬしで、スタニスに仕つかえる前まえは、七なな王国おうこくで最もっとも悪名あくめい高たかい密輸みつゆ業者ぎょうしゃである。〈ロバートの反乱はんらん〉の際さい、ダヴォスは、後のちにあだ名なのもとになる玉葱たまねぎを含ふくむ食糧しょくりょうを、タイレル家かの軍勢ぐんぜいに包囲ほういされたスタニスの城しろに運はこび入いれる。その功こうでスタニスによって騎士きしとされ、〈怒いかりの岬みさき〉の城しろを与あたえられる。しかしながら、過去かこの犯罪はんざいに対たいする罰ばちとして、スタニスはダヴォスの左手ひだりての4本ほんの指ゆびの先端せんたんを切きり落おとす。ダヴォスはスタニスの忠実ちゅうじつな支持しじ者しゃであり、最もっとも信頼しんらいされる助言じょげん者しゃとなる。指ゆびを失うしなったことで良よき未来みらいを得えられたと信しんじ、ダヴォスは切きり落おとされた指ゆびを袋ふくろに入いれ首くびから下さげて持もち運はこぶ。

ダヴォスはスタニスのために〈五ご王おうの戦たたかい〉で戦たたかい、4人にんの息子むすこを失うしなう。残のこった息子むすこの一人ひとりのデヴァンは従したがえ士しとしてスタニスに仕つかえる。〈七なな神かみ正教せいきょう〉の信者しんじゃであるがゆえに、ル=ロール(ルラー)の女おんな祭司さいしメリサンドルを信頼しんらいしようとしない。メリサンドルのスタニスに及およぼす悪影響あくえいきょうを見みてとって、彼女かのじょを殺ころそうとする。しかしメリサンドルはこれを予知よちし、ダヴォスを投獄とうごくする。スタニスは後のちにダヴォスの罪つみを許ゆるし、〈王おうの手て〉とする。ダヴォスは、再ふたたびメリサンドルの悪影響あくえいきょうと戦たたかい、ロバート・バラシオンの私生児しせいじであるエドリック・ストームをドラゴンストーンから逃にがし、メリサンドルの儀式ぎしきの犠牲ぎせいにならないようにする。メリサンドルの魔術まじゅつを用もちいる代かわりに、〈冥めい夜よるの守人もりと〉の援助えんじょに向むかうことで支持しじを集あつめるようにスタニスに助言じょげんし、受うけ入いれられる。スタニスは、マンダリー家かと交渉こうしょうさせるためにダヴォスをホワイト・ハーバーに送おくる。サーセイはマンダリー公こうに対たいし、捕とらえている世継よつぎの身代金みのしろきん代かわりにダヴォスを処刑しょけいするように要求ようきゅうする。報告ほうこくによれば、ダヴォスの頭あたまと手てがホワイト・ハーバーの壁かべを飾かざっている。だが、実じつはよく似にた囚人しゅうじんをマンダリー家かが代かわりに処刑しょけいしたものである。ダヴォスは快適かいてきな牢ろうに密ひそかに留とめ置おかれ、マンダリー家かの息子むすこが返還へんかんされた際さいに釈放しゃくほうされる。密輸みつゆ業者ぎょうしゃとしての経験けいけんを活用かつようして、死しんでいたと思おもわれている、マンダリー家かの主君しゅくん家かの男性だんせいの世継よつぎであるリコン・スタークを連つれ戻もどせば、ホワイト・ハーバーはスタニスを支持しじすることを誓ちかい、北部ほくぶの多おおくの領主りょうしゅも続つづくだろうとワイマンは約束やくそくする。だが、リコンが危険きけんな食しょく人じん族ぞくの住すむスカゴス島とうにいることを知しって、牢ろうに戻もどることを考かんがえる。

ダヴォスは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、リアム・カニンガムが演えんじる。リアムが左利ひだりききであるため、左手ひだりてではなく右手みぎての指ゆびが短みじかくされている。

タリサ・マイギア

Talisa Maegyr

ジェイン・ウェスタリングの代かわりに、『ゲーム・オブ・スローンズ』で登場とうじょうする ヴォランティス出身しゅっしんの治療ちりょう者しゃであり、〈五ご王おうの戦たたかい〉の戦場せんじょうで死傷ししょう者しゃを治療ちりょうしている時ときにロブ・スタークと知しり合あう。ウォルダー・フレイの孫娘まごむすめと結婚けっこんする約束やくそくがあるにもかかわらず、ロブはタリサと結婚けっこんし、フレイ家かを怒おこらせる。タリサは身みごもるが、子この名前なまえをロブと話はなし合あった直後ちょくごに、〈釁られた婚儀こんぎ〉で腹部ふくぶを何なん度ども突つきされ、ロブの腕うでの中なかで死しぬ。直後ちょくごにロブも殺ころされる。タリサはウーナ・チャップリンが演えんじる。

ダンカン・ザ・トール

Duncan the Tall

サー・ダンカン・ザ・トール(〈長身ちょうしんのサー・ダンカン〉)は伝説でんせつ的てきな騎士きしであり、多おおくの歌うたと物語ものがたりに取とり上あげられる。中編ちゅうへんシリーズ『ダンクとエッグの物語ものがたり』の主人公しゅじんこうの一人ひとりである。キングズランディングの〈蚤のみの底そこ〉出身しゅっしんの〈草くさ臥ふしの騎士きし〉(放浪ほうろうの騎士きし)であったが、エッグと呼よばれる少年しょうねんと特別とくべつな友情ゆうじょうで結むすばれ、やがてエッグはプリンス・メイカー・ターガリエンの息子むすこエイゴンであることがわかる。二人ふたりは多おおくの冒険ぼうけんを共ともにするが、後のちにエッグはエイゴン・ターガリエン五ご世せいとして王位おういにつくことになる。サー・ダンカンは〈王おうの盾たて〉に任用にんようされ、ついには総帥そうすいとなる。エッグの兄あにエイモンがメイスターとして、ブリンデン・リヴァーズが囚人しゅうじんとして〈壁かべ〉に送おくられるときには〈東ひがしの物見ものみ城じょう〉まで付つき添そう。ターガリエン家かの夏なつの城しろ館かんであるサマーホールの火事かじにおいて、エッグの側がわで死しを迎むかえる。

タースのブライエニー

Brienne of Tarth　（タースのブリエンヌ）

視点してん人物じんぶつであるブライエニーは、タース島とうの”宵よいの明星みょうじょう”城しろの城主じょうしゅ、セルウィン公こうの唯一ゆいいつの娘むすめであり世継よつぎである。ブライエニーは熟練じゅくれんの戦士せんしであり、妻つまよりは騎士きしになりたいと思おもう。その異常いじょうな大おおきさと、強つよさと、女性じょせい的てきな特徴とくちょうの欠如けつじょのために、”怪物かいぶつ”扱あつかいをされることが多おおいが、その境遇きょうぐうと世間せけんの意地悪いじわるな目めにもかかわらず、彼女かのじょは正直しょうじきで頑固がんこで、概がいして世間せけん知しらずである。ブライエニーは、模擬もぎ合戦かっせん(大だい乱闘らんとう試合しあい)の勝利しょうりによって レンリー・バラシオンの〈虹にじの盾たて〉(〈虹にじの騎士きし団だん〉)の地位ちいを得えて、レンリーに恋こいする。レンリーが暗殺あんさつされた時ときに居合いあわせ、犯人はんにんとして誤あやまって告発こくはつされる。 キャトリン・スタークと共ともに逃走とうそうしてキャトリンに仕つかえるようになる。キャトリンは、サンサとアリアを、ジェイミー・ラニスターと交換こうかんすることを求もとめて、ブライエニーにジェイミーを連行れんこうしてキングズランディングに向むかわせる。だがブライエニーとジェイミーは〈勇武ゆうぶ党とう〉に捕とらわれてしまう。捕とらわれの間あいだ、二人ふたりは抵抗ていこうを覚おぼえながらも互たがいに敬意けいいを抱いだくようになり、ついには、ジェイミーは命いのちを危険きけんにさらして、熊くまの穴あなでブライエニーが殺ころされそうになるところを救すくう。ブライエニーは極きわめて熟練じゅくれんした戦士せんしであり、ある試合しあいではジェイミーと渡わたり合あえた程ほどである(ただしこれはジェイミーが何なんカ月かげつも牢ろうに入はいっていた直後ちょくごのことで、足あし鎖くさりもまだつけられている)。ほとんどの男おとこが彼女かのじょの強つよさを過小かしょう評価ひょうかしてしまうことも有利ゆうりに働はたらく。

キャトリンの死後しご、ジェイミーは父ちちから贈おくられた〈ヴァリリア鋼こう〉の長剣ちょうけんオウスキーパー(〈誓約せいやくの守まもり手しゅ〉)をブライエニーに与あたえ、サンサ・スタークを探さがす旅たびに送おくり出だす。この剣けんはエダード・スタークの大だい剣けんアイスが溶とかされ二に振ふりの剣けんとして鍛きたえなおされたうちの一方いっぽうである。ブライエニーはサンサを探さがしてリヴァーランドを彷徨ほうこうう。今いまは生いきた骸むくろと化かし、〈石いしの心しん〉を名乗なのるキャトリン・スタークに率ひきいられる〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉に捕とらえられる。キャトリンは、サンサを探さがしていると言いうブライエニーの話はなしを信しんじず、ジェイミーを殺ころせと命令めいれいし、さもなければ処刑しょけいすると迫せまる。ブライエニーは選択せんたくを拒否きょひし、10歳さいの従者じゅうしゃポドリックと共ともに絞首刑こうしゅけいを宣告せんこくされる。縄なわの結むすび目めが締しまった時ときにブライエニーはある言葉ことばを叫さけぶ。その後ごに姿すがたを現あらわした時ときは、傷きずつき、年としをとったように見みえる。サンダー・クレゲインからサンサを救すくい出だす助力じょりょくをジェイミーに請こい、一人ひとりで来こないとサンダーがサンサを殺ころすと言いう。だが実際じっさいは、サンサはアリンの谷間たにまに隠かくれており、サンダーは死しんだと報告ほうこくされている。ブライエニーはダンカン・ザ・トールの子孫しそんであることが示唆しさされている。

ブライエニーは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、グェンドリン・クリスティーが演えんじる。

ダーリオ・ナハーリス

Daario Naharis ダーリオ・ナハーリスは傭兵ようへい部隊ぶたいである〈襲かさね鴉からす〉（〈嵐あらし鴉からす軍団ぐんだん〉）の司令しれい官かんである。三叉みつまたに分わけた顎あご髭ひげを青あおく染そめた派手はでな外見がいけんのタイロシュ人ひとである。デナーリス・ターガリエンの軍ぐんがユンカイを包囲ほういした時とき、〈襲かさね鴉からす〉はユンカイを防衛ぼうえいしており、他たの二人ふたりの司令しれい官かんと共ともにデナーリスとの和平わへい交渉こうしょうに赴おもむく。デナーリスが軍団ぐんだんの寝返ねがえりを求もとめた時とき、他たの二人ふたりは拒否きょひしたが、ダーリオはこの二人ふたりを殺ころし、軍団ぐんだんの忠誠ちゅうせいの対象たいしょうをデナーリスに移うつす。その後ごは軍団ぐんだんを率ひきいてデナーリスの軍ぐんに加くわわりミーリーンを征服せいふくする。その後ごはデナーリスの愛人あいじんとなる。『ゲーム・オブ・スローンズ』第だい3シーズンでは〈次子じし〉軍団ぐんだんの司令しれい官かんの一人ひとりとなっている。第だい3シーズンではエド・スクレインが演えんじ、第だい4シーズン以降いこうではミキール・ハースマンが演えんじている。

ティコ・ネストリス

Tycho Nestoris

ティコ・ネストリスはブレーヴォスの〈鉄てつの銀行ぎんこう〉の使節しせつである。〈鉄てつの玉座ぎょくざ〉の負債ふさいの返済へんさいをスタニス・バラシオンと交渉こうしょうするために〈壁かべ〉に送おくられる。ジョン・スノウと交渉こうしょうして、船ふねを貸かし出だし、食料しょくりょうを購入こうにゅうするための資金しきんを貸かし付つける。〈冥めい夜よるの守人もりと〉に案内あんないされて、〈黒くろの城しろ〉を去さってウィンターフェルに侵攻しんこう中ちゅうのスタニスに会あいに行いく。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではマーク・ゲイティスが演えんじる。

トアマンド

Tormund

〈巨きょ人殺ひとごろし〉トアマンドは〈野人やじん〉の戦せん頭あたまであり、ほら話はなしの好すきな陽気ようきな男おとこである。ジョン・スノウが最初さいしょにマンス・レイダーに会あった時とき、テントに居合いあわせる。その後ごジョンとイグリットはトアマンドの隊たいと行動こうどうを共ともにする。ジョンが〈冥めい夜よるの守人もりと〉に復帰ふっきしてから再ふたたびマンス・レイダーに会あいに来きた時ときに、ジョンを迎むかえてマンスのもとに連つれて行いく。スタニス・バラシオンの軍ぐんがマンスの軍ぐんを打うち破やぶった後のちは、残ざん軍ぐんの指導しどう者しゃになる。ジョンがヴァルを送おくり出だして呼よびかけた講和こうわに応おうじ、〈壁かべ〉に残ざん軍ぐんを連つれてやって来くる。交渉こうしょうの結果けっか、〈野人やじん〉は貴重きちょう品ひんと人質ひとじちの子供こどもたちを差さし出だし、その代かわりに〈壁かべ〉を通とおり抜ぬける。〈野人やじん〉の戦士せんしたちは〈壁かべ〉沿ぞいの無人むじんの城しろに駐屯ちゅうとんして〈異形いぎょう〉から〈壁かべ〉を守まもり、それ以外いがいの〈野人やじん〉たちはギフトおよびニューギフトに住すむことになる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではクリストファー・ヒヴュが演えんじる。

パイセル

Pycelle

パイセルは高齢こうれいのメイスターであり、過去かこ数すう十じゅう年ねんにわたって、多おおくの王おうの〈小しょう評議ひょうぎ会かい〉に、王おうの治療ちりょう者しゃかつ学者がくしゃであるグランド・メイスターとして仕つかえて来くる。知性ちせいと高たかい教育きょういくはあるものの、王おうの宮廷きゅうていでの彼かれの貢献こうけん度どは老齢ろうれいと共ともに減げんじつつあり、しばしば会議かいぎの途中とちゅうに寝ねてしまう。ラニスター家かのため、しばしば王おうを裏切うらぎって来くる。〈ロバートの反乱はんらん〉において、タイウィン・ラニスターの軍勢ぐんぜいが援軍えんぐんであるとエイリス二に世せい王おうに信しんじ込こませて王おう都との城門じょうもんを開ひらかせる。 ジョン・アリンがサーセイ・ラニスターの子この本当ほんとうの父親ちちおやを暴あばきだすのを恐おそれ、死しぬに任まかせる。 このことを知しったティリオン・ラニスターに投獄とうごくされる。パイセルの自信じしんは揺ゆらぎ、耄碌もうろくしたものと見みなされる。サーセイの決定けっていにも異ことを唱となえるようになり、サーセイはパイセルの更迭こうてつを考かんがえ始はじめる。サーセイが逮捕たいほされると、王おうの〈小しょう評議ひょうぎ会かい〉を自由じゆうにし、ケヴァン・ラニスターに七なな王国おうこくの摂政せっしょう職しょくを提供ていきょうする。ケヴァンが摂政せっしょうとなった後のちは二人ふたりで七なな王国おうこくの秩序ちつじょを取とり戻もどし始はじめるが、二人ふたりの指導しどう力りょくがエイゴン・ターガリエンの王位おうい奪回だっかいを危あやうくすることを恐おそれた ヴァリスに殺ころされる。パイセルは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ジュリアン・グローヴァーが演えんじる

バウエン・マーシュ

Bowen Marsh

バウエン・マーシュは、〈冥めい夜よるの守人もりと〉の雑ざつ士し長ちょうであり〈黒くろの城しろ〉に勤務きんむする。補給ほきゅう、資金しきん、平坦へいたんおよび通信つうしんなど、毎日まいにちの運営うんえいに責任せきにんを持もつ。総帥そうすいとしてのジョン・スノウの決断けつだんを疑うたがい、〈冥めい夜よるの守人もりと〉の将来しょうらいに不安ふあんを抱いだくようになり、仲間なかまと共ともにジョンを刺さす。『ゲーム・オブ・スローンズ』において、マイケル・コンドロンが演えんじる

バリスタン・セルミー

Barristan Selmy

“豪胆ごうたん”サー・バリスタン・セルミーはウェスタロスで名高なだかい英雄えいゆうであり、〈王おうの盾たて〉の総帥そうすいであり、視点してん人物じんぶつとなる。60歳さいを超こえているが、いまだに素晴すばらしい戦士せんしであり、ウェスタロスで最もっとも尊敬そんけいされる存命ぞんめいの騎士きしである。人生じんせいのほとんどを〈王おうの盾たて〉の一員いちいんとして過すごし、3人にんの王おうに仕つかえる。有名ゆうめいな武勲ぶくんとしては、〈九きゅう賤王の戦たたかい〉でブラックファイアの僭称せんしょう者しゃたちの最後さいごの者ものを殺ころしたこと、〈ダスケンデールの反乱はんらん〉で捕虜ほりょとなったエイリス・ターガリエン二に世せいを救すくいだしたこと、キングズウッドの無法者むほうもの集団しゅうだんの頭あたまを殺ころしたこと、そしてベイロン(バロン)・グレイジョイの反乱はんらんではオールド・ウィクへの攻撃こうげきを率ひきいたことがあげられる。セルミーは23歳さいで〈王おうの盾たて〉に入団にゅうだんし、ジェヘアリーズ・ターガリエン二に世せい、狂きょう王おうエイリス・ターガリエン二に世せい、そしてロバート・バラシオンに仕つかえる。ロバートの反乱はんらんの間あいだはターガリエン家かに忠実ちゅうじつであったが、ロバートの赦免しゃめんを得えてからはロバートの死しまで〈王おうの盾たて〉の総帥そうすいの地位ちいを守まもる。だが新しん王おうジョフリー・バラシオンがジェイミー・ラニスターを総帥そうすいとするためにセルミーを罷免ひめんする。代かわりに差さし出だされた領地りょうちを拒否きょひし王おうの前まえで怒いかりの言葉ことばを発はっする。ジョフリーはこれに怒いかり〈王おう都みやこの守人もりと〉を差さし向むけ逮捕たいほしようとするが、セルミーは逃亡とうぼうして王おう都とに身みを潜ひそめ、エダード・スタークの処刑しょけいを目撃もくげきする。セルミーは自みずからの人生じんせいを振ふり返かえり、真しんの王おうを探さがして仕つかえる使命しめいを自みずからに課かす。探求たんきゅうの旅たびに出でて、”アースタン・ホワイトベアード”の偽名ぎめいを用もちいて、追放ついほう中ちゅうのプリンセス・デナーリス・ターガリエンに仕つかえ、デナーリスが健全けんぜんな心しんの持もち主ぬしかどうかを確認かくにんする。自みずからの正体しょうたいを明あきらかにし、同時どうじにジョラー・モーモントがかつてロバート王おうのスパイであったことを暴露ばくろする。セルミーはミーリーンを侵略しんりゃくするために、下水げすいを通とおって忍しのび込こむ危険きけんな任務にんむに送おくられる。任務にんむは成功せいこうし、セルミーはデナーリスの家族かぞくを裏切うらぎったことの許ゆるしを請こう。デナーリスはセルミーを赦免しゃめんし、〈女王じょおうの盾たて〉の総帥そうすいとする。デナーリスがドロゴンと共ともに失踪しっそうし死しんだと思おもわれた時とき、その夫おっとヒズダール・ゾ・ロラクは〈女王じょおうの盾たて〉を解散かいさんする。セルミーはデナーリスが存命ぞんめいであると信しんじ、ヒズダールの権力けんりょくを奪うばう。〈女王じょおうの手て〉として、渋々しぶしぶミーリーンを治おさめ、デナーリスが戻もどるまで、疫病えきびょうと、制御せいぎょ不可能ふかのうとなったデナーリスのドラゴンの怒いかりと、戦争せんそうからミーリーンを救すくおうとする。セルミーは『ゲーム・オブ・スローンズ』でイアン・マッケルヒニーが演えんじる。

ピーター・ベイリッシュ

Petyr Baelish (ピーター・ベーリッシュ)

ピーター・ベイリッシュ公こうは”リトルフィンガー”とあだ名なされ、シリーズ当初とうしょは七なな王国おうこくの大蔵おおくら大臣だいじんを務つとめている。財政ざいせいと宮廷きゅうていの陰謀いんぼうに長たけた野望やぼうに充みちた男おとこである。貴族きぞくではあるものの、先祖せんぞ伝来でんらいの領地りょうちは、アリンの谷間たにま領りょうにあるフィンガーズ岬みさきの極きわめて小ちいさく貧まずしい土地とちにすぎない。ピーターは、リヴァーランで里子さとごとして養育よういくされ、ホスター・タリーの娘むすめキャトリン・タリーを愛あいするようになり、ライサ(リサ)・タリーに愛あいされるようになる。キャトリンを巡めぐって、その婚約こんやく者しゃであったブランドン・スタークに決闘けっとうを挑いどんだが敗やぶれ、キャトリンの命いのち請こいで助命じょめいされる。療養りょうようしている間あいだ、ライサと性的せいてき関係かんけいを持もち、身籠みごもらせる。ライサの父ちちホスター・タリーは身分みぶんの低ひくすぎるピーターを家いえから追おい出だし、ライサを騙だまして堕胎だたい薬やくを飲のませる。この事件じけんの後のちもライサはピーターを愛あいし、老おいた夫おっとのジョン・アリンに頼たのんでピーターを王おうの税関ぜいかんの職しょくに就つかせる。すぐれた財政ざいせい手腕しゅわんによって、彼かれは瞬またたく間まに大蔵おおくら大臣だいじんの地位ちいに登のぼる。物語ものがたりの直前ちょくぜんに、ライサを説といて夫おっとを毒殺どくさつさせ、それをラニスター家かの仕業しわざにする手紙てがみを書かかせる。キャトリンの息子むすこの暗殺あんさつの試こころみに使つかわれた短剣たんけんがティリオン・ラニスターの物ものだと嘘うそをつき、スターク家かとラニスター家かの関係かんけいを崩壊ほうかいさせる。エダード・スタークがジョン・アリンの死しを調査ちょうさすることを助たすける。サーセイ・ラニスターの子供こどもたちがロバート王おうの子こではないことを公表こうひょうすることを助たすけるとエダードに約束やくそくするが、エダードを裏切うらぎり、逮捕たいほさせる。

タイレル家かとラニスター家かの同盟どうめいを結むすび、タイレル家かの軍ぐんと共ともに戻もどって王おう都とを救すくう。この功こうにより、ピーターは、王国おうこくで最もっとも大おおきな城しろである〈ハレンの巨きょ城じょう〉と、戦争せんそうに引ひき裂さかれたリヴァーランドの名目めいもく上じょうの地位ちいを与あたえられ、これでベイリッシュは大だい貴族きぞくとなる。この地位ちいを手てに入いれたことで、ピーターは未亡人みぼうじんとなったライサと結婚けっこんできるようになる。この結婚けっこんによって〈五ご王おうの戦たたかい〉で中立ちゅうりつを保たもった 〈アリンの谷間たにま〉もラニスター家かの支配しはい下かに置おかれることになる。ピーターはすぐに谷間たにまに行いかず身みを隠かくし、オレナ・レッドワインと共ともに、婚儀こんぎの宴うたげでジョフリー王おうを暗殺あんさつし、またしてもティリオンに濡ぬれ衣ぎぬを着きせる。ピーターはこの混乱こんらんに乗じょうじてサンサ・スタークをキングズランディングから脱出だっしゅつさせ、私生児しせいじの娘むすめとして〈アリンの谷間たにま〉に連つれて行いき、ライサと結婚けっこんする。ピーターがサンサにキスをしているところをライサが目撃もくげきし激怒げきどしサンサを殺ころそうとするが、ピーターはライサを高こう巣す城じょう(アイリー)の扉とびらから突つき落おとして殺ころす。ライサの息子むすこであるロバート・アリンを保護ほごする”谷たにの守護しゅご者しゃ”となる。谷たにの諸公しょこうはピーターを追放ついほうしようとするが、ピーターは手練しゅれん手管てくだによって諸侯しょこうを味方みかたにつける。病弱びょうじゃくなロバートの世継よつぎであるハロルド・ハーディングとサンサを結婚けっこんさせ、結婚式けっこんしきでその血筋ちすじを発表はっぴょうすることで、サンサに北部ほくぶを取とり戻もどさせようと計画けいかくする。ピーター・ベイリッシュは、『ゲーム・オブ・スローンズ』においてはエイダン・ギレンが演えんじる。

ヒズダール・ゾ・ロラク

ミーリーンの高貴こうきかつ富裕ふゆうな一族いちぞく。デナーリスが闘技とうぎ場じょうを廃止はいしした後のちに下落げらくした闘技とうぎ場じょうの株かぶを買かい占しめる。〈ハーピーの息子むすこたち〉による暗殺あんさつを止とめる約束やくそくを果はたしてデナーリスと結婚けっこんした後のちには闘技とうぎ場じょうを再開さいかいする。デナーリスを毒殺どくさつしようとし、デナーリスの不在ふざいの間あいだはミーリーンの権力けんりょくを握にぎるが、バリスタン・セルミーによって引ひきずり下おろされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではジョエル・フライが演えんじる。

ブロン

Bronn

ブロンは戦たたかいに長たけた傭兵ようへいである。痩やせて、狼おおかみのような外見がいけんを持もち、乾かわいたユーモアと、非ひ道徳どうとく的てきではあるが実際じっさい的てきな哲学てつがくの持もち主ぬしである。キャトリン・スタークが、旅籠はたごで居合いあわせた全すべての男おとこに、息子むすこの暗殺あんさつ未遂みすいの罪つみでティリオン・ラニスターの逮捕たいほに協力きょうりょくすることを求もとめたとき、その場ばに居合いあわせる。ティリオンを〈アリンの谷間たにま〉の高こう巣す城じょうに護送ごそうする手伝てつだいをするが、決闘けっとう裁判さいばんでは、報酬ほうしゅうを期待きたいしてティリオンの擁護ようご者しゃとなる。戦たたかいに勝かった後のちは、用心棒ようじんぼうとしてティリオンに仕つかえることになる。キングズランディングでは、ティリオンの右腕うわんとなり、しばしば友とものように接せっする。王おう都とを防衛ぼうえいした貢献こうけんにより、騎士きしに叙じょされる。”ブラックウォーターのサー・ブロン”と称しょうし、戦たたかいでの役割やくわりを記念きねんして、スモークグレイの地ちに緑みどりの燃もえ上あがる鎖くさりを紋章もんしょうとする。

ジョフリー・バラシオン殺害さつがいの容疑ようぎでティリオンが逮捕たいほされた後のち、サー・グレガー・クレゲインを相手あいてにする決闘けっとうでティリオンの擁護ようご者しゃとなるより、ティリオンを見捨みすてることを選えらぶ。その代かわり、金持かねもちのストークワース(ストークワス)家かに婿むこ入いりさせるというサーセイ・ラニスターの提案ていあんを受うける。妻つまロリスが暴行ぼうこうされて生うまれた子こをティリオンと名なづけた時とき、サーセイはブロンがいまだにティリオンとつながっていることを恐おそれて、レディ・ストークワースである義理ぎりの姉あねファリース(ファリーズ)とその夫おっとバルマン・バーチに、ブロンを事故じこで死しなせるよう命めいじる。だが、愚おろかにもバルマンはブロンに正面しょうめんから決闘けっとうを挑いどんで殺ころされ、ファリースは城しろから追おい出だされ、陰謀いんぼうの暴露ばくろを恐おそれるサーセイに殺ころされる。義理ぎりの兄あにの死しによって、ブロンがストークワースの守護しゅご代だいとなる。

ブロンは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ジェローム・フリンが演えんじる。

ベイロン・スワン

Balon Swann

ベイロン・スワンはスワン家かの次男じなんで騎士きしであり、キングズランディングの宮廷きゅうていに仕つかえる優すぐれた戦士せんしである。〈王おうの手て〉主催しゅさいの武術ぶじゅつ競技きょうぎ会かいに出場しゅつじょうするがグレガー・クレゲインに馬上もうえ試合しあいで敗やぶれ、弓ゆみの試合しあいでは二に位いとなる。キングズランディングの暴動ぼうどうでプレストン・グリーンフィールドが死しんだ後のちには〈王おうの盾たて〉に加くわえられる。〈ブラックウォーターの戦たたかい〉ではティリオン・ラニスターと共ともに戦たたかって〈王おうの盾たて〉の騎士きしにふさわしいことを証明しょうめいし、生いき残のこる。ジェイミー・ラニスターはサー・スワンが白しろいマントにふさわしい勇敢ゆうかんな騎士きしであると認みとめ、〈王おうの盾たて〉ではおそらくただひとり名誉めいよをそなえた人物じんぶつであると見みなす。サー・スワンはドーラン・マーテルを懐柔かいじゅうするため、グレガー・クレゲインの首くびをドーンに運はこび献上けんじょうする。だがドーランが〈砂すな蛇へび〉たちに語かたるところでは、サー・スワンはサーセイの陰謀いんぼうの一翼いちよくを担になっており、トリスタンを殺ころして罪つみをティリオンになすりつける予定よていである。ドーランのキングズランディングにおける情報じょうほう源げんによれば、トリスタンの旅たびの一いち行ぎょうは「半人前はんにんまえ！」と叫さけぶ無法者むほうものたちに襲撃しゅうげきされ、サー・スワンはティリオンの姿すがたを目撃もくげきすることになっている。ドーランによれば、サー・スワンはこの陰謀いんぼうに賛成さんせいではないが、〈王おうの盾たて〉として、個人こじん的てき感情かんじょうにかかわらず命令めいれいに服ふくさなければならない。時間じかんを稼かせぐため、ドーランはサー・スワンを説得せっとくして、プリンセス・ミアセラに傷きずを負おわせた〈暗黒あんこく星ぼし〉ジェラルド・デインを討うつようにしむける。サー・スワンは〈砂すな蛇へび〉のオバラ・サンドに案内あんないされ、ジェラルド・デインの逃にげ込こんだデイン家かの城しろ〈孤高ここうの隠遁いんとん城じょう〉に向むかう。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ベリック・ドンダリオン

Beric Dondarrion

ベリック・ドンダリオンはブラックヘイブン公こうであり、武芸ぶげいに優すぐれたハンサムで勇猛ゆうもうな若わかい貴族きぞくとして描えがかれている。〈王おうの手て〉として、エダード・スタークは、グレガー・クレゲインを逮捕たいほしてリヴァーランドに平和へいわをもたらすためにドンダリオンを送おくり出だすが、ラニスター家かに待まち伏ぶせされ殺ころされる。仲間なかまのミアのソロスは、葬儀そうぎでベリックを偶然ぐうぜんに魔法まほうで蘇よみがえらせてしまう。その後ごドンダリオンとその部下ぶかたちは〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉という名なの無法者むほうものの集団しゅうだんを結成けっせいし、リヴァーランドを荒あらす侵略しんりゃく者しゃたちを相手あいてにゲリラ戦せんを始はじめる。その成功せいこうによって、彼かれはドンダリオン家かの紋章もんしょうにちなんで〈稲妻いなづま公こう〉と呼よばれるようになる。ドンダリオンは6度ど殺ころされその度たびに復活ふっかつさせられる。復活ふっかつの度たびに、彼かれは体からだの一部いちぶと記憶きおくを失うしない、その外見がいけんは死骸しがいに近ちかづいて行いく。彼かれとその家来けらいはキャトリン・スタークの死骸しがいを見みつける。ドンダリオンは自みずから彼女かのじょに再生さいせいの儀式ぎしきを施ほどこし、彼女かのじょを復活ふっかつさせるが、ひきかえに自みずからの命いのちを永遠えいえんに失うしなうことになる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではリチャード・ドーマーが演えんじる。

ベン・プラム

Ben Plumm

ベン・プラムは傭兵ようへい軍団ぐんだん〈次子じし〉の司令しれい官かんである。褐色かっしょくの肌はだの初老しょろうの男おとこであり、褐色かっしょくのベン・プラムと呼よばれる。ユンカイを防衛ぼうえいしていた〈次子じし〉が酔よいつぶれている間あいだにデナーリス・ターガリエンがユンカイを征服せいふくした時とき、司令しれい官かんのメロは姿すがたを消けし、代かわりにベン・プラムが選挙せんきょによって軍団ぐんだんの新あたらしい司令しれい官かんに選えらばれる。その後ごは軍団ぐんだんを率ひきいてデナーリスの軍ぐんに加くわわり、ミーリーンを征服せいふくする。デナーリスを裏切うらぎって敵てきの側がわにつき、ラニスター家かの富とみとひきかえにティリオン・ラニスターを軍団ぐんだんに加くわえる。ウェスタロスのプラム家かの出身しゅっしんであり、祖先そせんにはターガリエン家かの血ちが入はいっていると言いう。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ホーダー

Hodor

ホーダーはウィンターフェルで馬丁ばていとして働はたらく、単純たんじゅんな心しんを持もつ大男おおおとこであり、”婆ばばや”の曾孫そうそんである。本当ほんとうの名前なまえはウォルダーなのだが、”ホーダー“としか口くちにしないため、この名前なまえで呼よばれる。”ホーダー”が何なんで、なぜ彼かれがそう言いうのかだれも知しらない。彼かれは親したしみやすく子供こどもっぽい性格せいかくであり、怪力かいりきのわりには怖こわがりである。ブラン・スタークの体からだが不自由ふじゆうとなった後のち、ホーダーはブランを柳やなぎ細工ざいくのバスケットに入いれて背負せおって運はこぶようになる。ホーダーは時折ときおりブランの命令めいれいにうまく従したがえないこともある。大おおきな体からだ、薄うすい体毛たいもうと未み発達はったつの知性ちせいを見みて、オシャはホーダーの先祖せんぞに〈巨人きょじん〉の血ちが混まじっているのではないかと疑うたがう。ブランがミーラ・リードとジョジェン・リードの姉あね弟おとうとと、占領せんりょうされたウィンターフェルを抜ぬけ出だした時とき、ホーダーも同行どうこうする。ブランは彼かれの心しんに乗のり移うつってコントロールすることが出来できるが、ホーダーはこの経験けいけんに怯おびえる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではクリスチャン・ナイアンが演えんじる。同どうドラマシリーズでは、ウォルダー・フレイとの混同こんどうを避さけるために本当ほんとうの名前なまえはウィリスに変かえられた。

ポドリック・ペイン

Podrick Payne

ペイン家かの紋章もんしょう

サー・イリーン・ペインの遠戚えんせきであり、ティリオン・ラニスターの従者じゅうしゃとなる。ポドリックは極きわめて内気うちきで、どもりのある神経質しんけいしつな少年しょうねんであるが、有能ゆうのうで忠実ちゅうじつな従者じゅうしゃでもある。〈ブラックウォーターの戦たたかい〉の間あいだ、ポドリックはティリオンの横よこで馬うまを駆かり、〈王おうの盾たて〉のマンドン・ムーアによる暗殺あんさつの試こころみからティリオンの命いのちを救すくう。ティリオンが父親ちちおやのタイウィンを殺ころして失踪しっそうするまで、ポドリックはティリオンの従者じゅうしゃとして仕つかえる。以降いこうは、ティリオンの妻つまであるサンサ・スタークを探さがしていることを知しって、ブライエニーについて回まわる。やがてポドリックはブライエニーの従したがえ士しとなって、ティリオンと同おなじように仕つかえる。ブライエニーとともに〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉に捕とらえられ、レディ・キャトリンが甦よみがえった姿すがたであるレディ・ストーンハート(〈石いしの心しん〉)に、ティリオンの従者じゅうしゃであった罪つみで絞首刑こうしゅけいを宣告せんこくされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではダニエル・ポートマンが演えんじる。

マンス・レイダー

Mance Rayder

マンスは、誓ちかいを破やぶって脱走だっそうするまでは、〈冥めい夜よるの守人もりと〉の一員いちいんである。それ以来いらい、彼かれは〈野人やじん〉の間あいだで影響えいきょう力りょくを次第しだいに強つよめ、〈壁かべの向むこうの王おう〉と呼よばれるまでになる。マンスは自みずからの命令めいれいの下したで〈野人やじん〉を連合れんごうさせ、〈壁かべ〉を南側みなみがわから攻撃こうげきする。数かず的てき不利ふりにもかかわらず、ジョン・スノウはマンスの先鋒せんぽう隊たいを退しりぞける。〈野人やじん〉の本ほん軍ぐんが〈壁かべ〉の北きたに迫せまった時とき、ジョンは講和こうわを装よそおってマンスを暗殺あんさつするために送おくられる。マンスは〈壁かべ〉を崩くずす魔法まほうの〈冬ふゆの角笛つのぶえ〉を持もっており、壁かべを超こえられなければ使つかうつもりだと言いう。だが〈壁かべ〉を〈異形いぎょう〉と〈野人やじん〉の間あいだに置おいておきたいため、できれば〈壁かべ〉を壊こわしたくはないと言いう。ウェスタロスの北辺ほくへんの地ちに住すむ権利けんりと角笛つのぶえを交換こうかんしようとジョンに申もうし出でる。そこにスタニスの予想よそう外がいの援軍えんぐんが到着とうちゃくして、〈野人やじん〉の軍ぐんを壊滅かいめつさせる。スタニスはマンスを生いきながら火ひあぶりの刑けいにする。だが、後のちにジョンは、メリサンドルがマンスを魔法まほうで別べつの〈野人やじん〉とすり替かえていたことに気きづく。〈冥めい夜よるの守人もりと〉の総帥そうすいとなったジョンの命令めいれいにより、マンスは6人にんの〈槍やりの妻つま〉を伴ともなって、ウィンターフェルに行いき、吟遊詩人ぎんゆうしじんと洗濯せんたく女おんなを装よそおってアリア・スタークを救すくい出だそうとするが、実じつはジェイン・プールであるとは知しらない。密ひそかにルース・ボルトンの部下ぶかを何人なんにんも殺ころし、ウィンターフェルに緊張きんちょう状態じょうたいを作つくり出だし、ジェインを連つれ出だすためシオン・グレイジョイの助力じょりょくを得える。だがマンスと〈槍やりの妻つま〉たちは城内じょうないに残のこされる。ラムジー・スノウがジョンに書かいた手紙てがみでは、〈野人やじん〉たちは捕とらえられ、マンスは雪ゆきの降ふる野外やがいの牢ろうに入いれられ、〈槍やりの妻つま〉たちの皮膚ひふを外套がいとうにして寒さむさをしのんでいるとある。だが手紙てがみには嘘うそが並ならべられ、マンスの実際じっさいの運命うんめいは確認かくにんされていない。『ゲーム・オブ・スローンズ』で、マンスはキアラン・ハインズが演えんじる。

ミアのソロス

Thoros of Myr

ソロスは、太陽たいよう神しんル=ロールの〈紅べにの祭司さいし〉であり、自由じゆう都市としミアの出身しゅっしんである。炎ほのおに取とりつかれたエイリス・ターガリエン二に世せいを改宗かいしゅうさせるためにキングズランディングに送おくりこまれる。改宗かいしゅうは上手うまく行いかず、ソロスは自みずからの宗教しゅうきょうを疑うたがい始はじめる。〈ロバートの反乱はんらん〉の後のちは、彼かれは ロバート王おうの飲のみ友達ともだちとなる。ソロスは、炎ほのおに包つつまれた剣けんをふるう、恐おそれるべき戦士せんしである。 グレガー・クレゲインを捕とらえようとするベリック・ドンダリオンの一いち行ぎょうに加くわわる。ドンダリオンが殺ころされた後のち、葬儀そうぎで意図いとせずにドンダリオンを復活ふっかつさせてしまう。二人ふたりは、リヴァーランドを略奪りゃくだつ者しゃから民衆みんしゅうを守まもるために、〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだい団だん〉と称しょうする無法者むほうものの集団しゅうだんを作つくる。無法者むほうものとして、ソロスは精神せいしん的てきな目覚めざめを体験たいけんし、炎ほのおの中なかに幻まぼろしを見み、血ちと祈いのりによって剣けんを燃もえたせることなど、以前いぜんは出来できなかった技わざを行おこなえるようになる。方法ほうほうを理解りかいできないながら、何なん度どもドンダリオンを復活ふっかつさせる。その動機どうきや方法ほうほうには賛成さんせいできないにもかかわらず、〈石いしの心しん〉に〈兄弟きょうだい団だん〉を率ひきいさせる。キャトリンが〈兄弟きょうだい団だん〉にもたらした変化へんかによって、ソロスの気分きぶんと自信じしんはさらに落おち込こんでいく。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではポール・ケイが演えんじる。

ミーラ・リード

Meera Reed

スターク家かの旗はた主おもであり、灰色はいいろ沼ぬまの物見ものみ城じょうの城主じょうしゅであるハウランド・リードの娘むすめであり、ジョジェンの姉あね。ミーラは背せが低ひくく痩やせていて、長ながい茶色ちゃいろの髪かみと緑みどりの眼めをしている。熟練じゅくれんした狩人かりゅうどであり、特とくに小ちいさな網あみと小ちいさな三叉みつまたの蛙かえる猟りょうの槍やりを巧たくみに使つかいこなす。ミーラと弟おとうとは、ウィンターフェルの収穫しゅうかく祭さいでブラン・スタークに出会であう。シオン・グレイジョイによって城しろが占領せんりょうされた後のち、ブランとジョジェンと共ともに逃にげ、〈壁かべ〉の北きたに逃にげる。ミーラは弱よわる弟おとうとを心配しんぱいしながら一いち行ぎょうを率ひきい、狩かりで食糧しょくりょうを手てに入いれる。ブランが彼女かのじょに魅みかれていることが示唆しさされている。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではエリー・ケンドリックが演えんじる。

ミッサンデイ

Missandei

ミッサンデイはアスタポアの奴隷どれい商人しょうにんクラズニスに通訳つうやくとして仕つかえるナース出身しゅっしんの奴隷どれいである。デナーリスと〈穢けがれなき軍団ぐんだん〉を売うる取引とりひきをする時とき、クラズニスは軍団ぐんだんに命令めいれいするための通訳つうやくとしてミッサンデイを与あたえる。その後ごはデナーリスに仕つかえる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではナタリー・エマニュエルが演えんじる。

メリサンドル

Melisandre

視点してん人物じんぶつであるアッシャイのレディ・メリサンドルは、スタニス・バラシオンに仕つかえるル=ロールの女おんな祭司さいしである。常つねに赤あかい衣装いしょうを纏まとい、ハート形がたの顔かおと赤あかい眼めをした、美うつくしい女性じょせいであり、〈紅べにの女おんな〉とも呼よばれる。魔法まほうの技わざと予言よげん視しを行おこない、食たべる必要ひつようも眠ねむる必要ひつようもない。人当ひとあたりがよく控ひかえめで普段ふだんは親したしみやすい人柄ひとがらを見みせるが、彼女かのじょのそばに居いるだけで怯おびえる者ものが多おおい。ウェスタロスの他ほかの宗教しゅうきょうを敵視てきしし、他たの神かみは悪魔あくまであり滅ほろぼす必要ひつようがあると信しんじている。

メリサンドルはスタニスの妻つまセリースをル=ロールの信者しんじゃとし、スタニスが、ル=ロールと〈異形いぎょう〉の戦たたかいを終結しゅうけつさせる救世主きゅうせいしゅの如ごとき”アゾル・アハイ”(“エイゾール・アハイ”)であるとスタニスに信しんじ込こませる。そしてル=ロールの宿敵しゅくてきである〈偉大いだいなる他者たしゃ〉と戦たたかうために必要ひつような力ちからを得えられるようスタニスの助言じょげん者しゃとなる。魔法まほうを使つかって、影かげの如ごとき存在そんざいに、スタニスのライバルである弟おとうとレンリー・バラシオンを殺ころさせる。メリサンドルは他ほかにもスタニスの敵てきを殺ころしたと主張しゅちょうするが、物語ものがたりでは彼女かのじょがどのように敵てきを死しに至いたらしめたのか説明せつめいされていない。異質いしつな宗教しゅうきょう、攻撃こうげき的てきな助言じょげん、そして不思議ふしぎな力ちからゆえに、スタニスの支持しじ者しゃの中なかには彼女かのじょを好このまず、スタニスを堕落だらくさせていると信しんじ、〈七なな神かみ正教せいきょう〉の信仰しんこうにしがみつく者ものもいる。魔力まりょくによって、メリサンドルは、不満ふまんを抱かかえたスタニスの支持しじ者しゃによる暗殺あんさつの試こころみを逃のがれる。ダヴォス・シーワースもメリサンドルを殺ころそうとするが、メリサンドルはスタニスに忠実ちゅうじつなダヴォスを信頼しんらいする。スタニスと共ともに〈壁かべ〉に行いくが、重大じゅうだいな使命しめいがあるとしてウィンターフェル侵攻しんこうには加くわわらず、〈壁かべ〉に留とまる。メリサンドルは、『ゲーム・オブ・スローンズ』において、カリス・ファン・ハウテンが演えんじる。

ヨーレン

Yoren

ヨーレンは〈冥めい夜よるの守人もりと〉の〈誓約せいやくの兄弟きょうだい〉である。〈さまよい鴉からす〉と呼よばれる新兵しんぺい募集ぼしゅう係がかりであり、〈誓約せいやくの兄弟きょうだい〉とするために、七なな王国おうこく中ちゅうを旅たびして新兵しんぺいと囚人しゅうじんを〈壁かべ〉に連つれ帰かえる。ティリオン・ラニスターが〈壁かべ〉からキングズランディングに旅たびする時ときに同行どうこうし、キャトリン・タリーがティリオンを逮捕たいほする場面ばめんに居合いあわせる。ヨーレンはキングズランディングに急行きゅうこうし、エダード・スタークに知しらせる。エダード・スタークが処刑しょけいされた時ときには、群衆ぐんしゅうの中なかに居いてアリア・スタークの目めから処刑しょけいの場面ばめんを隠かくす。アリアの髪かみを切きって新兵しんぺいの男おとこの子こであるように見みせかけて王おう都とを抜ぬけだし、〈壁かべ〉に行いく途中とちゅうのウィンターフェルで別わかれようとする。だがエイモリー・ローチに率ひきいられたラニスター家かの兵士へいしが彼かれの一いち行ぎょうを襲おそった時ときに殺ころされる。ヨーレンは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、フランシス・マギーが演えんじる。

ラムジー・スノウ

Ramsay Snow

ラムジーは、ルース・ボルトン公おおやけの認知にんちされた私生児しせいじであり、ボルトンの私生児しせいじ、あるいはドレッドフォートの私生児しせいじと呼よばれる。ラムジーは肉付にくづきがよく、ふっくらとした唇くちびると長ながい髪かみと、父ちちと同おなじく奇妙きみょうに青白あおじろい目めを持もつ。ルースが冷酷れいこくで計算けいさん高たかい一方いっぽうで、ラムジーは悪意あくいに充みちて予測よそく不能ふのうであり、拷問ごうもんを楽たのしむ。敵てきの皮かわを剥はぐという、ボルトン家かの古いにしえの慣習かんしゅうを熱心ねっしんに実践じっせんする。

父ちちが戦争せんそうに出でかけていた間あいだ、ラムジーはドレッドフォートで軍勢ぐんぜいを集あつめる。隣となりの領地りょうちのホーンウッド家かがその領主りょうしゅも世継よつぎも失うしなったと聞ききつけた時とき、彼かれは未亡人みぼうじんとなったレディ・ドネルラ・ホーンウッドを誘拐ゆうかいし無理むりやり結婚けっこんする。床入とこいりを済すませた後のち、無理むりやり彼かれを世継よつぎに指名しめいさせ、塔とうの独房どくぼうに閉とじ込こめて食たべ物ものを与あたえず飢うえ死じににさせる。この罪つみを裁さばかれそうになった時とき、家来けらいのリーク(”くさや”)、を装よそおったまま、捕とらえられてウィンターフェルに連つれて来きたられる。シオン・グレイジョイがウィンターフェルを奪うばった後のち、リークとしてシオンに服従ふくじゅうを誓ちかい解放かいほうされる。スターク家かの軍ぐんがウィンターフェルに押おし寄よせた時とき、ドレッドフォートから数すう百ひゃく人にんのボルトン家かの兵士へいしと共ともに戻もどり、味方みかただと思おもい気きを許ゆるしたスターク軍ぐんを城しろの外そとで襲おそう。城しろの門もんが開ひらかれると、今度こんどは城しろを守まもっていた鉄てつ諸島しょとうの軍ぐんに刃はを向むけ、正体しょうたいを明あきらかにし、シオンを捕虜ほりょにしてウィンターフェルを焼やき尽つくす。シオンをドレッドフォートの囚人しゅうじんとし、皮かわを少すこしずつ剥はぐ。

〈釁られた婚儀こんぎ〉の後のち、トメン王おうは、ルース公おおやけの求もとめに応おうじてラムジーを嫡出ちゃくしゅつ子こと認みとめ、ラムジー・ボルトンとする。この後のち、ラムジーを私生児しせいじあるいはスノウと呼よぶ者ものに対たいしては暴力ぼうりょくで思おもい知しらせることになる。男おとこの世継よつぎを失うしなったウィンターフェルの領主りょうしゅとなるため、アリア・スタークを装よそおっている娘むすめジェイン・プールと婚約こんやくする。結婚けっこんした後のちは、ジェインを性的せいてきにそして肉体にくたい的てきに虐待ぎゃくたいする。ジェインとシオンがマンス・レイダーの助たすけで脱出だっしゅつした後のち、ジョン・スノウに手紙てがみを送おくり、マンスを捕とらえ、ウィンターフェルを攻撃こうげきしたスタニス・バラシオンを殺ころしたと書かいてよこす。手紙てがみでシオンとジェインを返かえすように要求ようきゅうし、スタニスの家族かぞくらを捕虜ほりょとして要求ようきゅうする。拒否きょひした場合ばあい、ジョンを殺ころし、〈冥めい夜よるの守人もりと〉を叩たたき潰つぶすと脅おどす。

ラムジー・スノウは『ゲーム・オブ・スローンズ』でイワン・リオンが演えんじる。

ラリス・ストロング

Larys Strong

〈ハレンの巨きょ城じょう〉の城主じょうしゅ。父ちちで〈王おうの手て〉ライオネル・ストロングと兄あにでレイニラ王女おうじょの恋人こいびとのハーウィン・ストロングが不審ふしんな火事かじで死亡しぼうしたのちに父ちちの跡あとを継つぐ。〈双竜そうりゅうの舞踏ぶとう〉では、アリセント王妃おうひ率ひきいる〈翠みどり装そう派は〉に加くわわる。『炎ほのおと血ち』及および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。

ランディル・ターリー

Randyll Tarly

ランディル・ターリーはタイレル家かの旗はた主ぬしでホーンヒルの領主りょうしゅ。ウェスタロスでも有数ゆうすうの軍事ぐんじ指導しどう者しゃであると目めされる。サムウェル・ターリーの父ちちであるが、臆病おくびょうなサムを廃嫡はいちゃくし、殺ころすと脅おどして〈壁かべ〉に追放ついほうする。マージェリーが逮捕たいほされた時とき、キングズランディングに軍ぐんを率ひきいて向むかい、ケヴァン・ラニスターによって法務大臣ほうむだいじんとされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではジェームズ・フォークナーが演えんじる。

リカード・カースターク

Rickard Karstark

リカード・カースタークはスターク家かの有力ゆうりょく旗はた主ぬしで親戚しんせきであるカースターク家かの長ちょうである。〈五ご王おうの戦たたかい〉ではロブ王おうの下したに参さんじるが、二人ふたりの息子むすこを失うしない、末すえ息子むすこハリオンはラニスター家かの捕虜ほりょとなる。キャトリンがジェイミーを解放かいほうしたことに怒おこってラニスター家かの捕虜ほりょの少年しょうねんたちを殺ころし、ロブに処刑しょけいされる。その後ごは叔父おじで城代じょうだいのアーノルフ・カースタークが家いえ乗のっ取とりを図はかり、息子むすこクレガンをリカードの娘むすめアリスと結婚けっこんさせようとする。HBOドラマシリーズではSteven BlountおよびJohn Stahlが演えんじる。

ルース・ボルトン

Roose Bolton

ドレッドフォート公こうであり、エダード・スターク公おおやけの旗はた主おもである。普通ふつうの体型たいけいと外見がいけんであるが、奇妙きみょうに青白あおじろい目めが特徴とくちょう的てきである。健康けんこうに良よいと信しんじて定期ていき的てきに蛭ひるに血ちを吸すわせており、”蛭ひるの殿様とのさま”とも呼よばれることがある。穏おだやかで上品じょうひんな物腰ものごしながら、冷酷れいこくにして極きわめて残虐ざんぎゃくな行為こういを行おこなうこともできる。静しずかに話はなすため、相手あいては耳みみを澄すませて聞きかなければならない。ロブ・スタークが旗はた主ぬしを呼よび集あつめた時とき、主君しゅくんの呼よび掛かけに応おうじる。知性ちせいと冷静れいせいさをそなえ、 タイウィン・ラニスター公おおやけとの戦たたかいに送おくられた北部ほくぶ軍ぐんの歩兵ほへい隊たいの指揮しきを与あたえられる。〈勇武ゆうぶ党とう〉を説得せっとくして以前いぜんの同盟どうめい軍ぐんに刃向はむかわせ、ラニスター家かから〈ハレンの巨きょ城じょう〉を奪うばう。次つぎにルースは北部ほくぶをグレイジョイ家かから取とり戻もどす作戦さくせんに参加さんかするため呼よび出だされる。しかしルースは密ひそかにロブを裏切うらぎり、フレイ家かと組くんで〈釁られた婚儀こんぎ〉の大だい虐殺ぎゃくさつを行おこない、自みずからロブ王おうを殺ころす。この奉仕ほうしにより、北部ほくぶ総督そうとくとされ、その私生児しせいじの息子むすこラムジーは嫡出ちゃくしゅつ子ことされる。三さん番目ばんめの妻つまと結婚けっこんし、妻つまは妊娠にんしんするが、生うまれる子こはおそらくはラムジーに殺ころされるだろうと言いう。それでも幼ような子こがドレッドフォートを統治とうちするよりはましであろうと言いう。長男ちょうなんを気きに入いっていたが、ラムジーに殺ころされたと信しんじている。

『ゲーム・オブ・スローンズ』ではマイケル・マケルハットンが演えんじる。

ワイマン・マンダリー

Wyman Manderly

ホワイト・ハーバーの領主りょうしゅであり、エダード・スターク公おおやけの旗はた主おもである。余あまりに肥満ひまんしているため、馬うまに乗のることさえできない。〈釁られた婚儀こんぎ〉において長男ちょうなんをとらわれの身みとされ、次男じなんを殺ころされている。ダヴォス・シーワースがスタニス・バラシオンとの同盟どうめいを求もとめてホワイト・ハーバーに来きた時ときには、客人きゃくじんとして見張みはるフレイ家かの面前めんぜんで拒絶きょぜつし、ダヴォスを捕とらえて処刑しょけいしたと見みせかける。だが実じつはダヴォスを丁重ていちょうに匿かくまい、主君しゅくんであるスターク家かの男性だんせいの世継よつぎであるリコン・スタークを連つれ戻もどすようダヴォスに依頼いらいする。長男ちょうなんが戻もどった後のちは、フレイ家かの客人きゃくじんを殺ころす。ラムジー・スノウとアリア・スターク(実じつはジェイン・プール)の婚儀こんぎのため、ボルトン家かの所有しょゆうすることになったウィンターフェルにやって来くる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではショーン・ブロワーズが演えんじる。

外部がいぶリンク

• George R. R. Martin's Official Website
• 早川書房はやかわしょぼう《氷こおりと炎ほのおの歌うた》公式こうしきサイト