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こおりほのおうたしょ名家めいか

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こおりほのおうた > こおりほのおうたしょ名家めいか

こおりほのおうたしょ名家めいか(こおりとほのおのうたのしょめいけ)では、ジョージ・R・R・マーティンちょファンタジー小説しょうせつシリーズである『こおりほのおうた』のなか登場とうじょうする、架空かくうウェスタロス大陸たいりくにおけるしょ名家めいかと、しょ名家めいか出身しゅっしん主要しゅよう登場とうじょう人物じんぶつ説明せつめいする。べついえとついだ女性じょせいは、原則げんそくとして出身しゅっしんのところで説明せつめいする。しょ名家めいか以外いがい登場とうじょう人物じんぶつこおりほのおうた登場とうじょう人物じんぶつ説明せつめいされている。

ほんシリーズのだい1からだい3には岡部おかべ宏之ひろゆきによる旧版きゅうばんと、酒井さかい昭伸あきのぶによる新訳しんやくもちいた改訂かいてい新版しんぱん存在そんざいし、りょうはんあいだではおおくの名称めいしょう日本語にほんごやく変更へんこうされているため、以下いかにおいては新訳しんやくもちい、最初さいしょ使用しようされた箇所かしょでは括弧かっこないきゅう訳語やくごしめす。
以下いか内容ないようは、だい5終了しゅうりょう時点じてんでのものである。

しょ名家めいか領地りょうち本拠地ほんきょち標語ひょうご[編集へんしゅう]

しょ名家めいか 領地りょうち 本拠地ほんきょち 標語ひょうご
スターク 北部ほくぶ ウィンターフェル ふゆたる
グレイジョイ てつ諸島しょとう パイク われらしゅかず
アリン アリンの谷間たにま こうじょう たかきことほまれごと
ラニスター 西部せいぶ(ウェスターランド) キャスタリーロック け、わが咆哮ほうこうを!
タイレル 河間こうま平野へいや(リーチ) ハイガーデン われら強大きょうだいたるべし
バラシオン ストームランド
王室おうしつりょう
キングズランディング(ロバート)
ドラゴンストーン(スタニス)
ストームズエンド(レンリー)
氏神うじがみ復讐ふくしゅう女神めがみ
マーテル ドーン サンスピア れぬ、げぬ、まつろわぬ
タリー リヴァーランド リヴァーラン 一族いちぞく本分ほんぶん名誉めいよ
ターガリエン ほのお

しょ名家めいか視点してん人物じんぶつ[編集へんしゅう]

各部かくぶかくしょうはそれぞれいちにん視点してん人物じんぶつから三人称さんにんしょうえがかれている。以下いかしょ名家めいか視点してん人物じんぶつしめす。

アリン[編集へんしゅう]

House Arryn

アリンたてがた紋章もんしょう

アリンアリンの谷間たにまさい上位じょうい貴族きぞくであり、おおくの下位かい貴族きぞく忠誠ちゅうせいちかっている。その本拠ほんきょやまいただきにあるこうじょう(アイリー)にあるが、そのにもおおくの拠点きょてんつ。紋章もんしょう空色そらいろしろの“つきはやぶさ”であり、標語ひょうごめいげん)は“たかきことほまれごとく”(“ほまれのごとくたかし”)である。“やまたにおう”の子孫しそんであり、その血統けっとうウェスタロス侵略しんりゃくしたアンダル貴族きぞくにさかのぼる。のアンダル貴族きぞくつうこんし、現在げんざいのアリンはアンダル貴族きぞくなかでももっと純粋じゅんすい血統けっとうである。

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でえがかれる〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉では、くろそうにつく。

こおりほのおうた』および『ゲーム・オブ・スローンズ』の直前ちょくぜん毒殺どくさつされるまでは、ジョン・アリンがアリンちょうである。死後しご唯一ゆいいつ息子むすこであるロバート・アリンこうじょうおおやけとなり、ジョンのつまタリー出身しゅっしんレディ・ライサ (リサ)が摂政せっしょうとして統治とうちするようになる。実家じっかのタリー内戦ないせん参加さんかして彼女かのじょたすけをもとめるが、ライサは中立ちゅうりつたもつ。ライサは ピーター・ベイリッシュ (ベーリッシュ)と再婚さいこんするが、かれとされてぬ。ピーターはロバートの保護ほごしゃとなり、ロバートのにおいて谷間たにまおさめる。

アリン系図けいず[編集へんしゅう]

 
ジェイン・
ロイス
まえつま故人こじん
 
 
 
 
 
ジャスパー
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ライサ・
タリー
 
 
ジョン
故人こじん
 
ロウェーナ
前妻ぜんさい故人こじん
 
アリス
故人こじん
 
エリス・
ウェインウッド
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロネル
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロバート
(ロビン)
 
デニス
故人こじん
 
むすめ
故人こじん
 
むすめ
故人こじん
 
サー・
ハーディング
 
むすめ6にん
故人こじん
 
ジャスパー・
ウェインウッド
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
夭折ようせつ
 
 
 
 
 
ハロルド・
ハーディング
"世継よつぎのハリー"
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エルバート
故人こじん

ジョン・アリン[編集へんしゅう]

John Arryn

こうじょうおおやけアリンの谷間たにま守護しゅごしゃ東部とうぶ総督そうとくであり、ロバート・バラシオンおう治世ちせいでは〈おう〉をつとめる。ジョン・アリンはロバートとエダード・スターク里親さとおやでありにんにとっては父親ちちおやのごとき存在そんざいである。エイリス・ターガリエンせい二人ふたりころすようめいじたとき、ジョンは反乱はんらんはたげる。反乱はんらんへのホスター・タリー支持しじかためるため、はるかに年齢ねんれいしたの、むすめライサ・タリー結婚けっこんする。〈てつ玉座ぎょくざ〉をれたのち、ロバートはジョンを〈おう〉に任命にんめいする。ロバートの治世ちせいにおいて、なな王国おうこくおさめる責任せきにんおおくをジョンがになう。ロバートおうとエダードこうにとっては、ジョンは人生じんせいだい部分ぶぶんにおいて親友しんゆうでありちちのごとき存在そんざいである。まえに、ジョンはスタニス・バラシオン(スタンニス・バラシオン)とともに、王妃おうひサーセイ・ラニスターちちがロバートではなくサーセイの双子ふたごおとうとであるジェイミー・ラニスター(ジェイム・ラニスター)であることを発見はっけんする。だがこの情報じょうほう公表こうひょうするまえに、ピーター・ベイリッシュそそのかされたつまライサによって毒殺どくさつされる。ライサが息子むすこロビンを里子さとごしたくなかったためである。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、ジョン・アリンはジョン・スタンディングがえんじる。

ライサ・アリン[編集へんしゅう]

ライサ・タリー参照さんしょう

ロバート・アリン[編集へんしゅう]

Robert Arryn

ジョン・アリンとそのつまライサ唯一ゆいいつ病弱びょうじゃく弱々よわよわしい6さいおとこであり、現在げんざいこうじょうおおやけでかつアリンの谷間たにま守護しゅごしゃ。てんかんのような症状しょうじょうしめ病気びょうきくるしんでいる。そのははレディ・ライサはかれにおいて谷間たにま守護しゅごだいとしておさめる。しんからだ発育はついくおくれており、乳離ちばなれさえしていない。

短期間たんきかんではあるがピーター・ベイリッシュがレディ・ライサと結婚けっこんしていたため、ライサの死後しごはピーターが谷間たにま守護しゅごだいとなり、谷間たにま統治とうちしロバート・アリンの保護ほごしゃとなる。谷間たにまのおもな領主りょうしゅたちは〈強訴ごうそろくおおやけ〉と名乗なのり、こうじょうからピーターを追放ついほうしロバート・アリンの保護ほご訓練くんれんける宣言せんげん一時いちじ署名しょめいするが、ピーターの政治せいじてき手腕しゅわんまえがる。ロバートは母親ははおや死後しごさらに感情かんじょうてきかつ不安定ふあんていになり、発作ほっさ頻度ひんどし、いまはアレイン・ストーンを名乗なのって母親ははおやわりとなった従姉じゅうしサンサ・スタークからはなれなくなっている。 『ゲーム・オブ・スローンズ』では、ロバート・バラシオン混乱こんらんされないようにロビンと改名かいめいされており、リノ・ファシオリ英語えいごばんえんじている。

グレイジョイ[編集へんしゅう]

House Greyjoy

グレイジョイたてがた紋章もんしょう

グレイジョイはてつ諸島しょとうさい上位じょうい貴族きぞくである。てつ諸島しょとうおおくの下位かい貴族きぞく忠誠ちゅうせいちかっている。本拠地ほんきょちパイクにある。紋章もんしょう黒地くろじえがかれた黄金おうごんクラーケン(大海おおうみ)であり、標語ひょうごは“われらしゅかず”(“われらはたねかず”)である。

当家とうけは〈英雄えいゆう時代じだい〉の伝説でんせつてきな〈灰色はいいろおう〉(グレイ・キング)の末裔まつえいである。ターガリエンによるなな王国おうこく征服せいふくのち、エイゴン(エーゴン)一世いっせいが〈てつ諸島しょとうまれ〉たちに筆頭ひっとうしゃ(宗主そうしゅ)をえらばせたとき、ヴィコン・グレイジョイとその血統けっとうえらばれ、グレイジョイてつ諸島しょとう領主りょうしゅとなる。

物語ものがたり冒頭ぼうとうでは、ベイロン(バロン)・グレイジョイ領主りょうしゅであり、むすめアシャ息子むすこシオン存命ぞんめいである。物語ものがたりの9ねんまえに、ベイロンはバラシオンの〈てつ玉座ぎょくざ〉に反乱はんらんくわだてたが失敗しっぱいする(〈グレイジョイの反乱はんらん〉)。その結果けっか、シオンはスターク人質ひとじちとしてわたされ、おう逆鱗げきりんれた場合ばあい処刑しょけいされることとなる。唯一ゆいいつのこされたであるアシャは世継よつぎにてられるが、これはおんな指導しどうしゃとしていただかないてつ諸島しょとうじん習慣しゅうかんはんするものである。ベイロンはてつ諸島しょとう北部ほくぶおうであると宣言せんげんし、すではじまっていたよんにんおう戦争せんそう参戦さんせんし、これを〈おうたたかい〉にする。

グレイジョイ系図けいず[編集へんしゅう]

クェロン
故人こじん
 
不明ふめい
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ベイロン
 
アラニス・
ハーロー
 
ユーロン
からす
 
ヴィクタリオン
 
ウリゴン
故人こじん
 
エイロン
がみ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロドリック
故人こじん
 
マロン
故人こじん
 
アシャ
(ヤーラ)
 
シオン
かえちゅう

ベイロン・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Balon Greyjoy

てつ諸島しょとう領主りょうしゅしおいわおう海風かいふう息子むすこパイク収穫しゅうかくしゃ、パイクとう死神しにがみ、グレートクラーケンごう船長せんちょうきびしく勇敢ゆうかんおとこで、てつ諸島しょとう慣習かんしゅう忠実ちゅうじつであったが、これにはんしてむすめアシャ世継よつぎとする。10ねんまえロバート・バラシオンたいする反乱はんらんひきいたがやぶれ、すえ息子むすこシオンはスタークこう人質ひとじちとなる。

ロバート・バラシオンの死後しごロブ・スタークからの同盟どうめい提案ていあんことわり、自身じしんてつ諸島しょとう北部ほくぶおうとして宣言せんげんし、ネック(地峡ちきょう)を占領せんりょうし、スターク保持ほじする北部ほくぶ沿岸えんがん略奪りゃくだつする。ベイロンはあらしなかれるばしわたろうとして落下らっかしてぬ。あまりにも都合つごう時期じきおとうとユーロン帰還きかんしたため、ユーロンのいのちけた暗殺あんさつしゃころされたのではないかと推測すいそくするものもいる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではパトリック・マラハイドえんじ、ユーロン自身じしんによってとされてぬ。

エイロン・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Aeron Greyjoy (エロン・グレイジョイ)

ベイロン末弟ばっていであり視点してん人物じんぶつ。エイロンはわか日々ひびにはだらしないぱらいである。溺死できししかけたのち、エイロンはてつ諸島しょとうおぼれしん(〈おぼれたかみ〉)の宗教しゅうきょうささげる。いまかれ厳格げんかくで、みをらず、禁欲きんよくてき生活せいかつおくり、あらりのローブしかない、浜辺はまべ隠者いんじゃである。いちったことのない長髪ちょうはつには海藻かいそうみこみ、〈がみ〉(〈湿しめかみ〉)とばれている。仲間なかま聖職せいしょくしゃからは〈おぼれししゃ〉とばれ、一片いっぺんまよいもなく命令めいれいくだし、〈鉄人てつじん〉にはひろふか尊敬そんけいされている。ベイロンのユーロン帰還きかんののち、エイロンは〈おぼれしん〉の祭主さいしゅ(司祭しさい)としての影響えいきょうりょく使つかって、ベイロンにわるおうえらぶために〈せんおうみんかい〉をひらく。ベイロンとおなじく、伝統でんとうしたがった保守ほしゅてき統治とうちつづけることを期待きたいし、あにヴィクタリオンおうになることをのぞむ。だがその計画けいかくはうまくはこばず、ユーロンが玉座ぎょくざる。エイロンは“信仰しんこうなき”ユーロンにこうしてみんがらせることを宣言せんげんし、つぎ姿すがたす。 『ゲーム・オブ・スローンズ』ではマイケル・フィースト英語えいごばんえんじるが、役柄やくがら大幅おおはば縮小しゅくしょうされている。

アシャ・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Asha Greyjoy

視点してん人物じんぶつであり、ベイロン・グレイジョイ唯一ゆいいつむすめであり、生存せいぞんするなかでは最年長さいねんちょうである。 エダード・スタークがシオンを人質ひとじちとしてったのち唯一ゆいいつのこったであり、てつ諸島しょとう伝統でんとうはんしておんなながら世継よつぎとしてそだてられる。アシャは勇猛ゆうもうほこたかく、ふねひきいておとこたちをたたかいにみちびくことで、〈鉄人てつじん〉の女性じょせい差別さべつ伝統でんとうこばむ。

ちちベイロンが北部ほくぶ侵略しんりゃくめいじたとき、アシャはディープウッド・モット(〈深林しんりんしょうおかじょう〉)をうばう。 シオンウィンターフェルうばったのち、アシャは防御ぼうぎょむずかしいウィンターフェルを放棄ほうきしてともみなみこうとさそう。だがシオンはれず、アシャの部下ぶか半数はんすうとものこる。アシャはり、シオンの二枚舌にまいじた同盟どうめいしゃであるラムジー・スノウによるウィンターフェルの奪取だっしゅることはない。ベイロンの死後しご玉座ぎょくざ要求ようきゅうするためにてつ諸島しょとうもどる。土地とちえに本土ほんど和平わへいむすぶという提案ていあんによって、〈せんおうみんかい〉では大方おおかた予想よそうよりも人気にんきあつめるが、ユーロンおうえらばれる。アシャはこの決定けっていれず、てつ諸島しょとうからす。

深林しんりんしょうおかじょう〉(ディープウッド・モット)にもどり、ユーロンが自分じぶん結婚けっこんめたことをる。スタニス・バラシオンとらえられ、そのぐんともウィンターフェル移動いどうする。ぐん大雪おおゆきにさえぎられ、食糧しょくりょう不足ふそくはじめ、スタニスの配下はいかゆきむことをいのって、アシャをあぶりにしてル=ロールかみそなえるよう要求ようきゅうはじめる。おとうとシオン再会さいかいするが、シオンがあまりに変貌へんぼうしていたため、はじめはだれなのかわからない。

ゲーム・オブ・スローンズ』では、アシャ・グレイジョイはジェンマ・ウィーラン英語えいごばんえんじている。オシャとの混同こんどうけるため「ヤーラ」のばれており、シオンしゅう彼女かのじょ行動こうどう運命うんめいおおきくえられている。

ユーロン・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Euron Greyjoy

ベイロンおとうとで、したった船員せんいんだけで航行こうこうするふね沈黙ちんもく〉の船長せんちょう予測よそくしがたい人間にんげんであり、まわりの人間にんげん悪意あくいのある心理しんりゲームをいどみ、心理しんりせん仕掛しかけることでられる。このためにすべての兄弟きょうだいにくまれている。左目ひだりめ眼帯がんたいをしており、〈からす〉とばれるが、眼帯がんたいしたなにかくしているのかは不明ふめいである。てつ諸島しょとうから追放ついほうされ、ベイロンの存命ぞんめいちゅうもどらないように警告けいこくされている。

ユーロンはベイロンの絶命ぜつめい翌日よくじつてつ諸島しょとうもどる。エイロンに招集しょうしゅうされた〈せんおうみんかい〉においては、魔法まほう角笛つのぶえによってドラゴンみずからの意思いししたがわせて、ちょんウェスタロス征服せいふくすることを約束やくそくする。ユーロンはおうえらばれ、河間こうま平野へいや(リーチ)への襲撃しゅうげきはじめる。この攻撃こうげき成功せいこうし、ユーロンは土地とち称号しょうごう競争きょうそう相手あいて支持しじしゃあたえることで、相手あいて勢力せいりょくよわめる。しかしながら、襲撃しゅうげき以外いがい成果せいかげられない。ユーロンはおとうとヴィクタリオンおくりだしてデナーリス(デーナリス)・ターガリエンつけし、かれにおいて求婚きゅうこんし、ドラゴンとともにウェスタロスにもどすことをめいじる。 『ゲーム・オブ・スローンズ』ではピルウ・アスベック英語えいごばんえんじ、てつ諸島しょとう帰還きかんかれ行動こうどう変更へんこうされている。

シオン・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Theon Greyjoy

シオン・グレイジョイは視点してん人物じんぶつであり、公式こうしきにはベイロン・グレイジョイ世継よつぎである。10ねんまえエダード・スタークによって人質ひとじちとされ、エダード・スタークを後見人こうけんにんとしてウィンターフェルそだてられる。シオンはスタークいえらと一緒いっしょそだてられ、ともにあらゆる規律きりつおしえられる。スタークグレイジョイりょう世界せかいのはざまでき、どちらにも完全かんぜんぞくすることはない。

ロブ・スターク親友しんゆうとなり、エダードの刑死けいしおおくのたたかいでかれささえる。

ロブはスタークとグレイジョイ同盟どうめいもとめて、シオンをてつ諸島しょとうおくす。だがグレイジョイ親族しんぞくは、シオンの北部ほくぶじんのようないを批判ひはんし、ロブの提案ていあん拒否きょひする。ベイロンはシオンをおくして北部ほくぶ海岸かいがんおそわせるが、シオンはよりおおきな手柄てがらてて家族かぞくからの尊敬そんけいるため、その命令めいれい無視むししてウィンターフェルを占領せんりょうする。オシャの手引てびきでしろ脱出だっしゅつしたブラン・スタークリコン・スターク捜索そうさくするがつけられず、シオンは勝利しょうり確固かっこたるものとせかけるため、農民のうみん兄弟きょうだいころしてき、その死骸しがいがブランとリコンであるとしてウィンターフェルとウェスタロス全土ぜんどだます。これにより北部ほくぶじんは、〈かえちゅうのシオン〉(〈変節へんせつしゃのシオン〉)とさげすむことになる。シオンは短期間たんきかんだけウィンターフェルを占拠せんきょしたが、援軍えんぐん要請ようせい家族かぞく無視むしされラムジー・スノウとらわれる。

シオンがんだとおもわれていたとき生存せいぞんする証拠しょうことしてその皮膚ひふ一部いちぶおおくの人々ひとびととどけられる。シオンは拷問ごうもんけ、かわをはがれ、手足てあしゆびられる。精神せいしんてきまれ、汚物おぶつにまみれ、みずからを「リーク(くさや)」と名乗なのらされラムジーの下僕げぼくとなる。シオンはラムジーをおそれるあまり、ラムジーをよろこばそうとリークのにしがみつき、シオン・グレイジョイであることをわすれようとする。本来ほんらい自分じぶんおもさせられたときには乱心らんしんし、シオンはんだと主張しゅちょうする。ラムジーがアリア・スターク婚約こんやくしたとき、アリアの正体しょうたいジェイン・プールであることにづき、その境遇きょうぐう同情どうじょうするがたすけることはできない。婚儀こんぎまえすう日間にちかん、シオンはウィンターフェルをさまよい、ロブを裏切うらぎったことを後悔こうかいしてねがう。婚儀こんぎのちいにしえかみ々〉いのはじめ、みずからの名前なまえがつぶやかれたのをみみにしたとき、〈いにしえかみ々〉が名前なまえっていてくれたとよろこぶ。シオンはジェインの脱出だっしゅつたすけ、スタニス・バラシオンのもとにされる。

ゲーム・オブ・スローンズ』で、シオン・グレイジョイはアルフィー・アレンえんじている。リークとなったのちかれのストーリーはおおきくえられている。

ヴィクタリオン・グレイジョイ[編集へんしゅう]

Victarion Greyjoy

ベイロンおとうとてつ水軍すいぐん(てつ艦隊かんたい)のうみはた(司令しれいかん)、視点してん人物じんぶつ一人ひとりたたかいとひろうみあいする。有能ゆうのう指揮しきかんであり、せんでは獰猛どうもう戦士せんしであるが、平時へいじにはしずかなおとこであり、てきにもおおいなる尊敬そんけいはらい、捕虜ほりょはずかしめるユーロン傾向けいこうなげく。〈おぼれしん〉をふか信仰しんこうし、おぼれることをおそれないため航行こうこうちゅう板金ばんきんよろいる。なんねんまえに、ヴィクタリオンは名誉めいよよごしたつまころし、その再婚さいこんしない。

ベイロンの死後しごてつ諸島しょとう玉座ぎょくざもと有力ゆうりょくえたが、ユーロンにくっする。ユーロンを憎悪ぞうおしながらも、義務ぎむ尊重そんちょうするゆえに、おうとなったユーロンの命令めいれいしたがう。ユーロンのにおいてデナーリス・ターガリエン求婚きゅうこんするために派遣はけんされるが、ひそかにかれ自身じしんめとることを計画けいかくする。航海こうかい艦隊かんたい半分はんぶんうしなうが、難破なんぱしたふね破片はへんにしがみついていたル=ロールの〈あか祭司さいし〉をたすける。祭司さいしは、化膿かのうしていたヴィクタリオンのきずなおすが、げたままとなる。船乗ふなのりたちは祭司さいしあやしみうみむようもとめるが、ヴィクタリオンはおぼれしんとル=ロールの両方りょうほう供物くもつをささげる。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

スターク[編集へんしゅう]

House Stark

スタークたてがた紋章もんしょう

このシリーズのおおくの視点してん人物じんぶつがスタークものである。スターク北部ほくぶさい上位じょうい貴族きぞくであり、本拠ほんきょ由緒ゆいしょあるウィンターフェルである。紋章もんしょうしろゆき野原のはらはし灰色はいいろおおかみであり、標語ひょうごは“ふゆたる”(“ふゆがやってる”)である。物語ものがたり冒頭ぼうとうで、エダード・スタークんだだいおおかみかたわらに6ひきおおかみつけて、子供こどもたちにあたえる。

スタークは、なんせんねんまえ英雄えいゆう時代じだい伝説でんせつてき存在そんざいで、ウィンターフェルとかべつくった建設けんせつおうブランドンの子孫しそんである。〈征服せいふく戦争せんそう〉においてトーレン・スタークが征服せいふくおうエイゴンに忠誠ちゅうせいちかうまでは、スターク北部ほくぶの“ふゆおう”である。それ以来いらい、スタークはウィンターフェルおおやけおよび北部ほくぶ総督そうとくとして北部ほくぶ統治とうちしている。

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でえがかれる〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉では、世継よつぎであったレイニラ・ターガリエン王女おうじょへのちかいをまもってくろそうにつく。

こおりほのおうた』および『ゲーム・オブ・スローンズ』の15ねんまえリアナ・スタークとプリンス・レイガー(レーガー)・ターガリエンはともに姿すがたす。スタークはこれを誘拐ゆうかいとみなし抗議こうぎする。これにたいし、エイリス(エリス)せいおうはスタークこうとその長男ちょうなんのブランドンを処刑しょけいする。エダードはウィンターフェルこうとなり、リアナをたすしてちちあに復讐ふくしゅうをするために、ともでありリアナの婚約こんやくしゃでもあるロバート・バラシオンの〈ロバートの反乱はんらん〉にくわわる。ロバートがおうとなり、ターガリエンものころされるか追放ついほうされるが、リアナもんでしまう。物語ものがたり冒頭ぼうとうまでに、エダードとタリー出身しゅっしんつまキャトリン(ケイトリン)はロブサンサアリアブランリコンと5にん子供こどもをもうけている。さらにエダードは私生児しせいじ息子むすこジョン・スノウ認知にんちしている。

シリーズをとおして、スターク家族かぞくは〈おうたたかい〉によってはなればなれとなり、のこったものたちは様々さまざま境遇きょうぐうかれる。スターク運命うんめいあきらかでなく、嫡出ちゃくしゅつ息子むすこはすべてんでいるとおおくの人々ひとびとしんじる。 ウィンターフェルはボルトン私生児しせいじラムジー・スノウ(ラムジー・ボルトン)によってかれている。

おもはたぬし(旗手きしゅ)としては、ドレッドフォードのルース・ボルトン、ホワイト・ハーバーのワイマン・マンダリー、〈最後さいご炉端ろばたじょう〉(ラスト・ハース)のグレイトジョン、〈灰色はいいろぬま物見ものみじょう〉(グレイウォーター監視かんししょ)のハウランド・リード、カーホールドのリカード・カースターク、〈くましま〉のレディ・メージ・モーモントなどがいる。

スターク系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リカード
故人こじん
 
 
 
 
 
不明ふめい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブランドン
261-282
 
不明ふめい
 
エダード
263-298
 
キャトリン
264-299
 
ベンジェン
不明ふめい
 
リアナ
267-283
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジョン・スノウ
 
ロブ
283-299
 
ジェイン・
ウェスタリング

(タリサ・マイギア)
 
サンサ
 
アリア
 
ブラン
 
リコン
 

エダード・スターク[編集へんしゅう]

Eddard Stark

エダード・スタークはネッドと愛称あいしょうされ、ウィンターフェルおおやけであり北部ほくぶ総督そうとく視点してん人物じんぶつであり、『なな王国おうこく玉座ぎょくざ』の主役しゅやく一人ひとりである。 キャトリンとのあいだに 5にんがおり、また私生児しせいじ息子むすこであるジョン・スノウがいる。家族かぞくはネッドを温和おんわおとことしてるが、そのひか性格せいかく冷酷れいこくさと軽蔑けいべつあらわれとみるものもいる。領地りょうちでは、義務ぎむ名誉めいよおもんじる領主りょうしゅとして尊敬そんけいされている。スターク特徴とくちょうである茶色ちゃいろかみ灰色はいいろをしている。なかではジョンとアリアだけがこの容貌ようぼうぐ。ネッドは、〈最初さいしょ人々ひとびと〉のかみ々であるいにしえかみ々〉熱心ねっしん信者しんじゃである。このかみ々はウェスタロス本来ほんらい居住きょじゅうしゃであったもりら〉(〈もり子供こどもたち〉)のかみ々でもある。

ネッドはリカード・スタークこう次男じなんとしてまれ、ロバート・バラシオンとともにこうじょうジョン・アリンのもとで里子さとごとしてそだち、アリンこう父親ちちおやのように尊敬そんけいするようになる。ネッドはロバートの終生しゅうせいともとなり、ロバートはいもうとリアナ・スタークこいするようになる。レイガー・ターガリエンがリアナを誘拐ゆうかいし、エイリスせいおうがネッドのちちあに処刑しょけいしたのち、ネッドはあに婚約こんやくしゃであったキャトリンと結婚けっこんする。エイリスおうは、アリンに後見人こうけんにん二人ふたりくびおくることを要求ようきゅうする。アリンはこれを拒否きょひして反乱はんらんをおこし、ネッドとロバートはそれぞれのいえ当主とうしゅおよびそう指揮しきかんとして反乱はんらんくわわる。ネッドはいもうとリアナもどすためにドーンとの国境こっきょうの〈よろこびのとう〉で〈おうたて〉の騎士きしたちとたたかう。リアナがだらけのベッドで「約束やくそくして、ネッド」を最後さいご言葉ことばとしてんだとき、ハウランド・リードとともにその居合いあわせ、その事件じけん記憶きおくはネッドをくるしめる。すうねんグレイジョイ反乱はんらんをおこし、グレイジョイこうのこ唯一ゆいいつ息子むすこであるシオン・グレイジョイ里子さとごとしてる。つづ年月としつきはウィンターフェルこうとしてごす。みずからの土地とちをほとんどはなれようとはせず、南部なんぶ宮廷きゅうてい複雑ふくざつ陰謀いんぼうくわわろうとしない。

シリーズの冒頭ぼうとうで、ロバートおうはウィンターフェルにたびして、アリンのわりに、君主くんしゅもっとちかくでつかえる助言じょげんしゃである〈おう〉となることをねがう。ネッドは辞退じたいすることをのぞむが、つまいもうとおっとであったアリンの死因しいん調査ちょうさねがうために、しょく受諾じゅだくする。ブランはしろから落下らっかして昏睡こんすい状態じょうたいとなるが、キャトリンをしろのこして、むすめたちとおうかう。 かべかうジョンには、つぎときには母親ははおやのことをおしえると約束やくそくする。キングズランディングで、宮廷きゅうてい陰謀いんぼうまれながらも、ジョン・アリンの調査ちょうさする。パイセルから、過去かこぜん貴族きぞく容貌ようぼうしるしたほんあたえられる。キャトリンがひそかにキングズランディングにて、ラニスターやとった暗殺あんさつしゃがブランをころそうとしたとつたえる。ピーター・ベイリッシュたすけにより、ロバートの子供こどもたちが、じつ王妃おうひサーセイおとうとであるジェイミー・ラニスターであることを発見はっけんする。ロバートにこの発見はっけんはなそうとするが、ロバートはいのししりで重傷じゅうしょうい、んでしまう。ネッドはロバートのおとうとスタニス・バラシオンてて、スタニスが正当せいとう世継よつぎであると手紙てがみく。サーセイは反逆はんぎゃくつみでネッドを収監しゅうかんし、恩赦おんしゃによる〈かべ〉への追放ついほう用意よういをする。しかし、サーセイと宮廷きゅうてい意図いとはんし、しんおうジョフリーまぐれをこして公開こうかいでネッドを斬首ざんしゅさせる。

これにより〈おうたたかい〉がはじまる。ネッドの処刑しょけいり、ロブは〈きたおう〉であることを宣言せんげんし、スタニスとそのおとうとレンリー・バラシオンもまたそれぞれ〈てつ玉座ぎょくざ〉の正統せいとう世継よつぎであることを宣言せんげんする。ネッドのくび城門じょうもんだいくぎにさらされるが、〈おう〉になったティリオン・ラニスターはネッドのあたまからだをキャトリンに返還へんかんする。エダード・スタークは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてショーン・ビーンえんじ、少年しょうねん時代じだいセバスチャン・クロフト英語えいごばんが、青年せいねん時代じだいロバート・アラマヨ英語えいごばんえんじる。

キャトリン・スターク[編集へんしゅう]

キャトリン・タリー参照さんしょう

ロブ・スターク[編集へんしゅう]

Robb Stark

ロブはエダード・スタークキャトリン・タリーあいだまれた長男ちょうなんであり、ウィンターフェル世継よつぎである。視点してん人物じんぶつではないが、スターク視点してん人物じんぶつしょうにしばしば登場とうじょうする。不満ふまんらさずにおおきな責任せきにんえ、ちちおなじく名誉めいよ公正こうせいさをにつけている。ロブは私生児しせいじ腹違はらちがいの兄弟きょうだいであるジョン・スノウきわめてしたしく、ははがジョンにける敵意てきい苦々にがにがしくおもう。また10さいときから里子さとごているシオン・グレイジョイとは親友しんゆうである。タリー容貌ようぼうぎ、がっしりとした体格たいかくあおゆたかな赤褐色せきかっしょくかみつ。そのだいおおかみはグレイウィンドである。

エダードが〈おう〉になったとき、ロブはウィンターフェルにまりちち代理だいりとしておさめる。エダードが反逆はんぎゃくざい逮捕たいほされると、はたぬしたちをあつジョフリーおう対抗たいこうするぐんをなし、リヴァーランドすすむ。ははキャトリンは双子ふたごじょうおもむき、かわわたしてもらうわりにロブをウォルダー・フレイむすめ結婚けっこんさせる約束やくそくをする。エダードの処刑しょけいらせがとどいたとき、ジョフリーにたいする戦争せんそう開始かいしし、はたぬしたちのもとめにおうじて北部ほくぶ独立どくりつと“きたおう”であることを宣言せんげんする。ロブはラニスター軍勢ぐんぜいたいしておおくの勝利しょうりおさめ、“わかおおかみ”としてられるようになる。ジェイミー・ラニスター捕虜ほりょとして、いもうとサンサおよびアリア交換こうかんしようとする。

ロブは次々つぎつぎたたかいにち、玉座ぎょくざもとめるほかものたちの脅威きょういとなる。タイウィン・ラニスターには子供こどものようにばれはするが、戦争せんそうつよさを発揮はっきし、数々かずかずたたかいでラニスターやぶる。タイレル支持しじ玉座ぎょくざすわろうとするレンリー・バラシオンとの同盟どうめいもとめて、はは使者ししゃとしておくりだすが、レンリーは不可解ふかかい状況じょうきょう暗殺あんさつされ同盟どうめい不調ふちょうわる。グレイジョイとの同盟どうめいもとめておくしたシオンが裏切うらぎり、ウィンターフェルじょういてブランリコンころしたらせをけ、ロブのしんかれる。ロブのもとにもどったははは、むすめたちとの交換こうかんもとめてひそかにジェイミーを釈放しゃくほうし、ブライエニーともおくりだしてしまう。

戦傷せんしょうけ、おとうとたちのかなしんだロブは、ラニスターぞくする弱小じゃくしょういえむすめであるジェイン・ウェスタリング一夜いちやごし、彼女かのじょ名誉めいよまもるために結婚けっこんしてしまう。約束やくそくやぶられたフレイいかぐんるが、ロブのわりに叔父おじエドミュア・タリーウォルダー・フレイむすめ結婚けっこんさせ、アリアをそのまご結婚けっこんさせることでフレイとの関係かんけい修復しゅうふくする。キャトリンがジェイミーを釈放しゃくほうしたことにいかり、ロブの命令めいれい無視むししてラニスター少年しょうねんころしたリカード・カースターク処刑しょけいするが、その結果けっか、カースタークのぐんもまたロブのもとをる。エドミュアとフレイむすめとの婚儀こんぎ出席しゅっせきし、ロブは約束やくそくやぶったことを謝罪しゃざいする。だがフレイはボルトンとも裏切うらぎり、ロブ、そのだいおおかみグレイウィンド、はは、そしておおくのはたぬし家来けらいたちがフレイへいたちにころされる。スタークはたぬしルース・ボルトンみずかわかおうころし、はずかしめとしてグレイウィンドのあたまがロブの肉体にくたいわされ、王冠おうかんをかぶせられる。この凶事きょうじは〈釁られた婚儀こんぎ〉 (〈血染ちぞめの婚儀こんぎ〉)とばれるようになる。のこったスタークはたぬしたちはいかりにえ、もの屋根やねあたえられたきゃく安全あんぜんまもられなければならないという、なな王国おうこく最古さいこ伝統でんとうみにじったフレイ名誉めいよよごされる。

ロブ・スタークは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてリチャード・マッデンえんじている。

サンサ・スターク[編集へんしゅう]

Sansa Stark

キャトリンエダードだい二子ふたご長女ちょうじょであり、視点してん人物じんぶつである。

シリーズ冒頭ぼうとうで、うつくしい11さいのレディとして登場とうじょうする。母親ははおやて、あおひとみゆたかなとびいろかみしろはだをもつ。うたやダンスなど、女性じょせいらしいたしなみにすぐれ、ちちが〈おう〉になったときに、皇太子こうたいしプリンス・ジョフリー婚約こんやくする。サンサのだいおおかみはレディと名付なづけられる。当初とうしょサンサはジョフリーをあいし、乱暴らんぼうおとこのようないもうとアリアきらっている。キングズランディングかう途中とちゅう、トライデントかわのほとりでジョフリーがサンサを散歩さんぽしたとき、ジョフリーはアリアの友達ともだちのマイカーをきずつけ、アリアを攻撃こうげきしようとするが、アリアのだいおおかみのナイメリアに邪魔じゃまをされ怪我けがをする。ロバート・バラシオン状況じょうきょうかれたとき、サンサはなにきたのかおぼえてないとうそをつき、アリアをおこらせる。アリアがナイメリアをがしたため、王妃おうひサーセイわりにレディをころさせる。キングズランディングについたのち、サンサは南部なんぶ女性じょせいのように着飾きかざり、振舞ふるまはじめる。ネッドは、ロバートおうたちがすべてサーセイとそのおとうとジェイミー近親きんしん相姦そうかんであることを発見はっけんし、あらそいをおそれてむすめたちをウィンターフェルそうとする。ジョフリーおよびキングズランディングからはなれたくないあまり、サンサは父親ちちおや計画けいかくをジョフリーとサーセイにはなしてしまう。ロバートおうに、ちち逮捕たいほされたのち、サンサはジョフリーに恩赦おんしゃねがって、ウィンターフェルか〈かべ〉への追放ついほうもとめる。だがジョフリーはちち処刑しょけいし、〈おうたて〉(近衛このえ騎士きしだん)の騎士きしにサンサをたせる。

保護ほごしゃであったちちうしない、サンサはジョフリーをあいしたふりをし、貴婦人きふじんとして振舞ふるまつづける。〈ブラックウォーターのたたかい〉のさい彼女かのじょたいして無愛想ぶあいそうやさしさのふたつの態度たいどせる、かおきずのあるジョフリーの護衛ごえいサンダー・クレゲインがサンサをれてそうともうるが、サンサはことわる。たたかいののち、ジョフリーはサンサとの婚約こんやく破棄はきし、マージェリー・タイレル婚約こんやくする。サンサはきずついたふりをするが、内心ないしんはジョフリーからはなれられることをよろこぶ。

タイレルがサンサをおちゃまねき、マージェリーの祖母そぼオレナ・レッドワインは、サンサをマージェリーのあに世継よつぎのウィラス・タイレル結婚けっこんさせたいとう。これをった、〈おうタイウィン・ラニスターは、サンサをすえ息子むすこ小人こどもティリオン・ラニスター結婚けっこんさせる。サンサは奇形きけいおっとへの嫌悪けんおかんかくし、うわべは上品じょうひんにつくろう。だがティリオンは床入とこいりを強制きょうせいしないと約束やくそくする。二人ふたり床入とこいりをむかえてないことは宮廷きゅうていちゅうられることになる。母親ははおやロブブランリコン、そしてアリアがんだとかされ、サンサはひそかにかなしむ。ジョフリーがマージェリーとの婚儀こんぎ毒殺どくさつされたとき混乱こんらんなかでキングズランディングを脱出だっしゅつする。 ピーター・ベイリッシュはサンサをみずからの私生児しせいじアレイン・ストーンといつわってアリンの谷間たにまこうじょうれてく。ベイリッシュはサンサの叔母おばライサ・アリン結婚けっこんする。ライサはサンサを病弱びょうじゃく息子むすこいまはアリン当主とうしゅとなったロバート・アリン結婚けっこんさせると約束やくそくする。ピーターがサンサにキスをしているところを目撃もくげきし、ライサは逆上ぎゃくじょうしてサンサをころそうとするが、ピーターによってころされる。サンサはこうじょうおんな主人しゅじんとなり、ベイリッシュから宮廷きゅうてい陰謀いんぼうじゅつまなぶ。ピーターはサンサをロバートの世継よつぎであるハロルド・ハーディングと結婚けっこんさせることを計画けいかくする。結婚けっこんしたのちには、サンサの身分みぶんかし、ウィンターフェルもどさせるつもりである。

サンサ・スタークは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてソフィー・ターナーえんじている。

アリア・スターク[編集へんしゅう]

Arya Stark

キャトリンエダードだい三子みつごにして次女じじょで、視点してん人物じんぶつである。

アリアは機知きちみ、なく、必要ひつようがあればつらいこともいとわない。その性格せいかく上品じょうひんあねサンサとは対照たいしょうてきであり、自由じゆう大胆だいたんである。あね劣等れっとうかんち、てるのは乗馬じょうばだけだとおもっている。自分じぶん可愛かわいいとはおもっておらず、スターク特徴とくちょう色濃いろこく、灰色はいいろひとみ茶色ちゃいろかみつ。その気性きしょう外見がいけんくなった叔母おばリアナているとわれる。同様どうよう劣等れっとうかんってそだった私生児しせいじあにジョン・スノウなかがいい。そのだいおおかみはナイメリアと名付なづけられる。ちちあねともキングズランディング旅立たびだまえ、ジョンから細身ほそみけんおくられ、アリアは〈ニードル〉(〈はり〉)と名付なづける。

たび途中とちゅう皇太子こうたいし ジョフリーがアリアの平民へいみんともマイカーをきずつけようとしていさかいをこす。アリアをまもるためにナイメリアがジョフリーんだため、そのいのちすくうためにナイメリアをのがしてわかれる。げるマイカーをころしたサンダー・クレゲイン(ハウンド)とジョフリー、そのはは王妃おうひのサーセイをにくむようになる。宮廷きゅうていではブレーヴォス (ブラーボス)の名高なだか剣士けんしシリオ・フォレルした訓練くんれんける。そのきびしくも創造そうぞうてき指導しどうのもとでブレーヴォスりゅうけんわざまなぶ。

あか王城おうじょう〉(〈あかしろ〉)からスターク追放ついほうされたとき、シリオはアリアを襲撃しゅうげきしたおうたてたちをめ、アリアはびてちち公開こうかい処刑しょけいまでまち片隅かたすみびる。めいよる守人もりと(〈夜警やけいだん〉)の募集ぼしゅうがかりであるヨーレンは、アリアを護衛ごえいするため父親ちちおや処刑しょけいさせず、新兵しんぺいおとこせかけるためかみり、ウィンターフェルもどすためひそかにおうはなれる。アリアはホットパイ、ジェンドリーなどの新兵しんぺいおとこ友達ともだちになる。募集ぼしゅうへい一団いちだんおう小隊しょうたいおそわれたときジャクェン・フ=ガー (ジャケン・フガー)というのブレーヴォスの暗殺あんさつしゃ2人ふたりいのちすくうが、グレガー・クレゲインひきいるたいとらえられ、〈ニードル〉をうばわれて〈ハレンのきょじょう(ハレンホール)に連行れんこうされる。アリアは偽名ぎめい使つかって正体しょうたいかくすが、〈ハレンのきょじょう〉でラニスターぐん召使めしつかいとしてはたらかされる。ジャクェンはしろいたときにアリアにづき、アリアがすくった3にんいのち対価たいかかみ支払しはらうため、指名しめいした3にんだれでもころしてやるとちかける。アリアの指名しめいした2人ふたりはほどなくしてころされる。アリアはとらわれの北部ほくぶじんたすけるようジャクェンにたのむがことわられたため、3にんとしてジャクェン自身じしん指名しめいする。ジャクェンは自分じぶんさせるために彼女かのじょたすけ、北部ほくぶじん解放かいほうする。彼女かのじょとのわかぎわにジャクェンは古代こだいのコインをあたえ、これによって彼女かのじょはブレーヴォスきのふねれることになる。

ジェンドリーとホットパイとともに〈ハレンのきょじょう〉を脱出だっしゅつした3にんは、 ベリック・ドンダリオンひきいる〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだいだん〉(〈旗印はたじるしたない結社けっしゃ〉) にとらえられる。ドンダリオンは身代金みのしろきんえに、いまや〈きたおう〉となったあにロブのところにアリアをれてくと約束やくそくする。おう逃亡とうぼうしたサンダー・クレゲイン兄弟きょうだいだんつかまるが、決闘けっとう裁判さいばんってびる。アリアは兄弟きょうだいだんすが今度こんどはサンダーにつかまる。アリアをロブにわたして礼金れいきんるため、サンダーはアリアの母方ははかた叔父おじエドミュア・タリー婚礼こんれいおこなわれる双子ふたごじょうにアリアをれてく。婚儀こんぎおこなわれている最中さいちゅうあにロブとそのつまははキャトリンのいちぎょうはフレイ・ボルトン惨殺ざんさつされる。クレゲインはアリアとともにその修羅場しゅらばり、今度こんど母方ははかた叔母おばであるレディ・ライサから身代金みのしろきんるため、アリンの谷間たにまこうじょう(アイリー)にかう。たび途中とちゅう、サンダーはあにグレガーの家来けらいたたかって瀕死ひんし重傷じゅうしょううが、アリアは以前いぜんうばわれた自分じぶんけん〈ニードル〉をもどす。クレゲインのきず悪化あっかするがアリアはりにしてなせる。

をなくしたアリアは、ジャクェンの言葉ことばおもしてブレーヴォスにわたる。ジャクェンが所属しょぞくするおそるべき暗殺あんさつのエリート集団しゅうだんかおのないおとこたち〉の見習みならいとなる。過去かこ人生じんせいのすべてをてなくてはならないためもの全部ぜんぶてるが、ジョンがくれた〈ニードル〉だけはてられない。〈くろしろかん〉でつかえ、うそのつきかた見分みわかたまなぶ。訓練くんれん一部いちぶとして、〈運河うんがねこ〉というあらたな人格じんかくした、アリアはブレーヴォスのまちごす。そのあいだに〈めいよる守人もりと〉からサムウェル・ターリーとダレオンに出会であうが、ダレオンが〈めいよる守人もりと〉のちかいをてようとしていることを発見はっけんし、ダレオンをころす。〈かおのないおとこたち〉のもともどったアリアはみずかくだしたころしをみとめ、にが後味あとあじのこるミルクをあたえられ、翌朝よくあさ盲目もうもくとなって目覚めざめる。ナイメリアになったゆめて、アリア・スタークとしての人生じんせいてられずにくるしむ。えなくてもだれおそわれたかを見分みわけられるようになり、相手あいて反撃はんげきかえすことができたとき彼女かのじょ視覚しかくもどされる。だが自身じしんではなくねことおしてものる。視覚しかくもどしたあとに最初さいしょ暗殺あんさつ使命しめいあたえられ、数日すうじつ相手あいてころす。〈かおのないおとこたち〉の一員いちいんであることをしめすローブをあたえられてアリアは徒弟とていとなる。いまや〈運河うんがねこ〉としてられ、ギルドの一員いちいんとなる。

ゲーム・オブ・スローンズ』においては、アリア・スタークはメイジー・ウィリアムズえんじる。おもにブレーヴォス以降いこう彼女かのじょのストーリーにはいくつかの変更へんこうてんがある。

ブラン・スターク[編集へんしゅう]

Bran Stark

キャトリンエダード・スタークだいよん次男じなんであり、視点してん人物じんぶつである。 ウィンターフェルなかたかいところにのぼって探検たんけんすることをたのしむ。ブランは冒険ぼうけんきでつよく、7さいにして自分じぶんのことを“もうほとんど大人おとな”だとしんじている。エダードのあに伯父おじブランドンにちなんでづけられ、いつの偉大いだい騎士きしになることを夢見ゆめみる。

ブランはしろとうのぼり、王妃おうひサーセイ双子ふたごおとうとジェイミー・ラニスター性交せいこうてしまう。ジェイミーはにん秘密ひみつまもるためにまどからブランをとす。ブランはびるが、背骨せぼねって昏睡こんすい状態じょうたいとなる。暗殺あんさつしゃがブランをおそうが、ブランの獰猛どうもうだいおおかみ暗殺あんさつしゃのどく。目覚めざめたブランはだいおおかみをサマーと名付なづける。落下らっかする幻視げんして、かれとともにぶ〈みっからす〉のゆめる。こしからした麻痺まひしたままとなり、どこにいくにもホーダーはこばれなければならない。落下らっか直前ちょくぜん出来事できごとおぼえていない。サマーの意識いしきはい能力のうりょくたことにやがて気付きづく。ウェスタロスではこのようなことをできる少数しょうすうものたちを〈おおかみもぐり〉(ウォーグ)とぶ。ロブがきたおうとして戴冠たいかんしたのち、ブランはロブの世継よつぎとしてウィンターフェルのプリンスとなり、あにラニスターとの〈おうたたかい〉をたたかあいだしろおさめる。〈灰色はいいろぬま物見ものみじょう〉(グレイウォーター監視かんししょ)からミーラ・リードジョジェン・リードがウィンターフェルにやってきてかれたすける。ジョジェン・リードはブランの〈おおかみもぐり〉としての能力のうりょくづき、その適切てきせつ使つかかたおしえる。ジョジェンは、もしブランがかべ北側きたがわけば、〈みっからす〉をつけることが出来できるとおしえる。シオン・グレイジョイスターク裏切うらぎりウィンターフェルを占拠せんきょしたとき、シオンは農民のうみん子供こどもころして、ブランはんだとなな王国おうこくちゅうげる。だが、ブランはび、リードあねおとうときたかう。かれらはかべ放棄ほうきされたしろである〈よるとりで〉にき、サムウェル・ターリー出会であう。サムウェルはなぞ存在そんざいである〈つめたい〉のいのちで、〈かべ〉のそこにあるかくされたとびらである〈くろとびら〉をブランのいちぎょうとおけさせる。〈かべ〉の北側きたがわで、ついに〈みっからす〉にうが、その正体しょうたいはターガリエン私生児しせいじで、かつて〈おう〉であり、まためいよる守人もりと総帥そうすいでもあったブリンデン・リヴァーズである。ブランはみどりしゃとなることをまなぶが、それは自然しぜんたいする支配しはいりょくち、予知よちゆめて、ひと動物どうぶつうつ能力のうりょくである。ウィアウッドのつうじて過去かこることもできるが、過去かこえることはできない。

ブランは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてアイザック・ヘンプステッド=ライトえんじている。

リコン・スターク[編集へんしゅう]

Rickon Stark

エダードすえ息子むすこで、シリーズがはじまったときにはわずか3さいである。リコンは積極せっきょくてきつよ意志いしである。しかし、戦争せんそうかれ人生じんせい家族かぞくにもたらしたおそろしい変化へんかかうには、おさないリコンにとってはむずかしい。シオン・グレイジョイウィンターフェル占領せんりょうしたとき、リコンはあにブランとともに地下ちか墳墓ふんぼかくれる。ウィンターフェルが襲撃しゅうげきされてつつまれたとき二人ふたり兄弟きょうだい血筋ちすじまもるためにべつみちく。〈野人やじん〉(〈野性やせいじん〉)のおんなオシャがリコンとそのだいおおかみシャギードッグとたびをする。2人ふたりしょくじんぞくむスカゴスとうにいるとわれる。

リコン・スタークは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてアート・パーキンソン英語えいごばんえんじ、ウィンターフェルを脱出だっしゅつしたのちのストーリーには変更へんこうくわえられた。

ジョン・スノウ[編集へんしゅう]

Jon Snow

ジョン・スノウは視点してん人物じんぶつであり、エダードと、デインつかえる乳母うばのウィラという女性じょせいあいだまれた私生児しせいじだとされている。だがおおくのひとリアナ・スターク、アシャラ・デイン、そしてレイガー・ターガリエンなど人物じんぶつがジョンのおやであるとかたっている。さん姉妹しまい諸島しょとうではまたべつうわさながれる。ジョンはスターク特徴とくちょうてき容貌ようぼうをしている。

ジョンは、ちちおなじく名誉めいよ献身けんしんし、ひど決断けつだんをしなければならないときでも道徳的どうとくてきであろうとする。ジョンはロブとおな年齢ねんれいである。いもうとリアナがんだのち、エダード(ネッド)はウィンターフェルにジョンをれてる。つまキャトリン反対はんたいにもかかわらず、エダードはジョンを嫡出ちゃくしゅつスタークらとともにそだてることを宣言せんげんする。私生児しせいじでありキャトリンの敵意てきいさらされたため、ジョンの子供こども時代じだいつらいものである。腹違はらちがいの兄弟きょうだい姉妹しまいたちとはなかく、とくロブアリアとはきわめてしたしいが、それでも疎外そがいかんにさいなまれる。ちち尊敬そんけいしているが母親ははおやのことをおしえてくれないことにきずつく。ジョンのだいおおかみおだやかな性質せいしつのアルビノで、毛皮けがわしろく、まったくおとてないため「ゴースト」と名付なづけられる。のちにジョンはゴーストの意識いしきはい体験たいけんをする。

ジョンの成長せいちょうにつれて私生児しせいじとしての地位ちい次第しだい微妙びみょうなものになる。キャトリンはジョンをこれ以上いじょうウィンターフェルにはけないとネッドにう。ネッドはジョンをキングズランディングれてけないため、ジョンがかべくことをゆるさざるをない。ジョンは当初とうしょめいよる守人もりと身分みぶんひくい〈誓約せいやく兄弟きょうだい〉(ブラザー)たちに軽蔑けいべつしかかんじず、私生児しせいじであることをあざけってつけられた“ロード・スノウ(スノウこう)”というあだきずつく。やがてジョンは偏見へんけんをなくし、仲間なかま新兵しんぺいたち、とくサムウェル・ターリー仲良なかよくなり、残酷ざんこく剣術けんじゅつ師範しはんアリザー・ソーン対抗たいこうして仲間なかま団結だんけつさせる。北部ほくぶ信仰しんこうされる〈いにしえかみ々〉のまえちかいをて、〈哨士〉(突撃とつげき隊員たいいん)ではなく、総帥そうすい(司令しれいかん)ジオー・モーモントきのざつ(執事しつじ隊員たいいん)に配属はいぞくされたことに失望しつぼうするものの、将来しょうらい指導しどうしゃとして見込みこまれていることをのちる。異形いぎょう復活ふっかつさせられた死体したい亡者もうじゃ〉をたおしてモーモントのいのちすくい、感謝かんしゃしるしとしてモーモント伝来でんらいのヴァリリアこうけん「ロングクロウ」をおくられる。ちち反逆はんぎゃくざい逮捕たいほされると、ジョンは家族かぞくちかいのあいだしんかれる。そしてちち処刑しょけいされると、脱走だっそう死罪しざいとなるにもかかわらずロブのぐんくわわろうとするが、仲間なかまたちにもどされる。その直後ちょくご、モーモントひきいる〈かべ〉のこうへの偵察ていさつ遠征えんせい参加さんかする。

ジョンは斥候せっこういちぎょうくわわる。一行いっこうが〈かべ〉のこうにむ〈野人やじん〉におそわれたとき、〈野人やじん〉の計画けいかく調しらべるため〈めいよる守人もりと〉を裏切うらぎるふりをするよう命令めいれいされ、仲間なかまの〈ほんゆびのクォリン〉をころす。それで〈野人やじん〉の信用しんようたジョンは仲間なかまくわわり、〈野人やじん〉が〈異形いぎょう〉からのがれるためになな王国おうこく侵入しんにゅうしようとしていることをる。ジョンは禁欲きんよくちかいをやぶり、イグリットというの〈野人やじん〉のおんな戦士せんしこいちる。〈野人やじん〉のぐんが〈めいよる守人もりと〉のとりでくろしろちかづいたとき、イグリットをてるか〈めいよる守人もりと〉をてるかまよう。最終さいしゅうてきにはイグリットをてて〈めいよる守人もりと〉に警告けいこくすることをえらぶ。〈野人やじん〉の攻撃こうげきたいする〈くろしろ〉の防衛ぼうえいくわわって〈かべ〉の指揮しきまかされたときマンス・レイダー圧倒的あっとうてき優勢ゆうせいぐん対抗たいこうしてなんにちも〈かべ〉をまもる。その最中さいちゅうでイグリットは戦死せんしし、ジョンはかなしみにれる。しろから援軍えんぐんがやってとき、ジョンはアリザー・ソーンと、ちち裏切うらぎったかつての〈おうみやこ守人もりと〉(都市とし警備けいびたい)の総帥そうすいジャノス・スリントによって逮捕たいほされ、マンス・レイダーを暗殺あんさつするようにと〈かべ〉のきたおくされる。そこにスタニス・バラシオンぐん到着とうちゃくして〈野人やじん〉のぐん撃退げきたいする。スタニスはジョンが〈めいよる守人もりと〉のちかいをててル=ロール信者しんじゃとなり、北部ほくぶひとにとってのせいなる象徴しょうちょうであるウィンターフェルの〈しん〉をたおすならば、ジョンを後継こうけいしゃにしてウィンターフェル奪還だっかん領主りょうしゅにしてやると提案ていあんする。しかしその直後ちょくご、サムウェルの尽力じんりょくによって、ジョンは〈めいよる守人もりと〉のだい998だい総帥そうすい選出せんしゅつされる。戸惑とまどいながらも総帥そうすい地位ちいれ、ジョンはスタニスの提案ていあんことわる。スタニスがボルトンからウィンターフェルをもどすためみなみかったとき、〈かべ〉の南西なんせいやまみんから助力じょりょくられるかもしれないとおしえる。

スタニスがったのち、〈野人やじん〉たちに〈かべ〉のすぐみなみ定住ていじゅうすることをゆるし、〈野人やじん〉たちからの志願しがんしゃで〈めいよる守人もりと〉を強化きょうかする。だがその決断けつだんは〈野人やじん〉に敵対てきたいしてきた〈めいよる守人もりと〉たちには不評ふひょうであり、ジャノス・スリントは人前ひとまえでジョンを侮辱ぶじょくして命令めいれい拒否きょひしたため、ジョンに処刑しょけいされる。ラムジー・スノウからは手紙てがみとどき、スタニスをたおしたとかたり、人質ひとじち要求ようきゅうし、ジョンがしたがわなければ〈めいよる守人もりと〉をたおすとちかう。ジョンはボルトンたたかうために志願しがんしゃあつめるが、これはなな王国おうこく内戦ないせんかかわらないという〈めいよる守人もりと〉のちかいにはんし、〈めいよる守人もりと〉の幹部かんぶ不満ふまんむ。出発しゅっぱつするまえに、ジョンは〈めいよる守人もりと〉の〈誓約せいやく兄弟きょうだい〉によってすくなくともよんされ、その運命うんめいはわからない。

ゲーム・オブ・スローンズ』においてジョン・スノウはキット・ハリントンえんじている。

ベンジェン・スターク[編集へんしゅう]

Benjen Stark

エダードおとうとであり、志願しがんしてかべの〈めいよる守人もりと〉にくわわり、哨士ちょうとなる。将来しょうらい見通みとおしのたないとしおいジョンさそって守人もりと仲間なかまむかれる。〈かべ〉のこうがわ調査ちょうさ活動かつどうちゅう行方ゆくえ不明ふめいとなる。

ゲーム・オブ・スローンズ』では、ベンジェン・スタークやくジョゼフ・マウルえんじている。

リアナ・スターク[編集へんしゅう]

Lyanna Stark

エダード唯一ゆいいついもうとであり、ロバート・バラシオン婚約こんやくし、15ねんまえの〈ロバートの反乱はんらん〉の原因げんいんとなる。ロバートはリアナに夢中むちゅうになるが、リアナはそれほどロバートをあいしてはおらず、ロバートの漁色ぎょしょくぶりをっている。しかし、プリンス・レイガー・ターガリエン〈ハレンのきょじょう馬上もうえ試合しあい優勝ゆうしょうしたさいであるドーンのプリンセス・エリア・マーテルまえとおぎて、リアナをあい女王じょおう戴冠たいかんする。レイガーとリアナの関係かんけい詳細しょうさい不明ふめいである。だがその直後ちょくごにリアナとレイガーはそろって失踪しっそうし、これは婚約こんやくしゃのロバートとあにのブランドンによって、合意ごういもとづかない誘拐ゆうかいであるとだんじられる。このけんかんするにんいかりが、エイリスおうによるブランドンの処刑しょけいと〈ロバートの反乱はんらん〉につながる。エダードと仲間なかまたちはドーン国境こっきょうの〈よろこびのとう〉からリアナを救出きゅうしゅつしようとかう。3にんの〈おうたて〉の騎士きしたたかい、エダードとハウランド・リード以外いがいころされる。エダード・スタークはだらけのベッドで瀕死ひんしのリアナをつける。リアナのエダードへの最後さいご言葉ことばは「約束やくそくして、ネッド」である。リアナはウィンターフェル古代こだいからつづ地下ちか墳墓ふんぼほうむられる。

リアナを人々ひとびとによれば、リアナはまわりのえないほど元気げんきわか女性じょせいであったとう。典型てんけいてきなスタークのはだいろをしており、うつくしい女性じょせいであったとなされている。リアナとアリアは、外見がいけん気質きしつているとわれる。自分じぶん魅力みりょくにまだづいていないアリアにとって、これは衝撃しょうげきである。

ゲーム・オブ・スローンズ』では、少女しょうじょ時代じだいをCordelia Hillが、青年せいねんアイスリング・フランシオシえんじる。

スタークはたぬし家来けらいおよび縁者えんじゃ[編集へんしゅう]

ターガリエン[編集へんしゅう]

House Targaryen

ターガリエンたてがた紋章もんしょう

ターガリエンは、ウェスタロスぜんなな王国おうこく上位じょういいえとして300ねんちかくも統治とうちし、すべての名家めいか当家とうけ忠誠ちゅうせいちかう。その本拠地ほんきょちキングズランディングおうドラゴンストーンしまとりでであり、王室おうしつりょうさい上位じょういいえでもある。紋章もんしょうは、黒地くろじあかの、ほのおさん頸のドラゴンであり、標語ひょうごは“ほのお”である。

ターガリエンひがしのエッソス大陸たいりく名高なだかヴァリリア故郷こきょうとする。古代こだい文明ぶんめい破壊はかいした災厄さいやくである〈破滅はめつ〉がヴァリリアをおそまえに、ターガリエンは、ヴァリリア大帝たいていこくさい西端せいたん拠点きょてんである、ウェスタロスのおきのドラゴンストーンとう城砦じょうさい移住いじゅうする。〈破滅はめつ〉のいち世紀せいきに、征服せいふくおうとしてられるエイゴンいちせいは、つまでもあるあねいもうとともにドラゴンとぐんひきいて、のちにキングズランディングとばれることになるウェスタロス本土ほんど上陸じょうりくする。ウェスタロスのなな王国おうこくのうちろく王国おうこくひざくっし、のこドーンもまた政略せいりゃく結婚けっこんによりしたがう。ターガリエンおおくのドラゴンをかかえていたが、エイゴンの征服せいふくいち世紀せいき以上いじょうたったころ〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉とばれる王位おういめぐっての内乱ないらんでそのかずおおきくらし、やがて最後さいごいちとうんでこのからドラゴンは姿すがたす。〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉の時代じだいは『ほのおおよびこれを原作げんさくとしたドラマシリーズ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でえがかれる。ドラゴンをうしなってもターガリエン世紀せいきちかくウェスタロスの王座おうざまもる。

ウェスタロスの貴族きぞくあいだでは唯一ゆいいつ、ターガリエンだけが、ドラゴンを制御せいぎょするため純粋じゅんすい血統けっとうたもつヴァリリアの慣習かんしゅうしたがい、兄弟きょうだい姉妹しまいなどの近親きんしんこん、および一夫多妻いっぷたさいこん習慣しゅうかんまもり、ななかみ正教せいきょうもターガリエン例外れいがいとしてみとめる。“ドラゴンの”という言葉ことばは、ターガリエン独特どくとく容貌ようぼうかたったものであり、かねぎんじった、あるいはぎん白色はくしょくかみと、むらさきひとみである。

ターガリエンは、『なな王国おうこく玉座ぎょくざ』の15ねんまえきた〈簒奪さんだつしゃ戦争せんそう〉でロバート・バラシオンによって権力けんりょくうばわれ、ほとんどの一族いちぞくころされる。のこったヴィセーリス(ヴァイサリス)とデナーリス兄妹きょうだい、そしてレイガー息子むすこエイゴンせまうみわたってエッソスされる。

双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉の時代じだいのターガリエン系図けいず[編集へんしゅう]

〇でかこまれた数字すうじおうだいあらわす。

 
 
 
 
 
 
エイニス1せい
 
アリッサ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジェヘアリーズ1せい
 
アリサンヌ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エイモン
 
 
ロドリック・アリン
 
デイラ
 
ベイロン
 
アリッサ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レイニス
 
コアリーズ・ヴェラリオン
 
エイマ・アリン
 
ヴィセーリス1せい
 
アリセント・ハイタワー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レーナー・ヴェラリオン
 
 
 
レイニラ
 
 
 
 
 
 
 
デイモン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レーナ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジャセアリーズ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
エイゴン2せい
 
 
エイゴン3せい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ベイラ
 
 
 
 
ルケアリーズ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
ヘレイナ
 
 
ヴィセーリス⑩
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レイナ
 
 
 
 
ジョフリー・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
エイモンド
 
 
ヴィセーニア
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デイロン
 

こおりほのおうた』の時代じだいのターガリエン系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
 
 
メイカーいちせい
故人こじん
 
ディアナ・デイン
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ベータ・ブラックウッド
故人こじん
 
エイゴンせい
(エッグ)
故人こじん
 
メイスター・
エイモン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シェイラ
故人こじん
 
ジェヘアリーズせい
故人こじん
 
 
レイル
故人こじん
 
オルムンド・
バラシオン
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エイリスせい
故人こじん
 
レイラ
故人こじん
 
 
 
 
ステッフォン・
バラシオン
故人こじん
 
カッサナ・
エスターモント
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エリア・
マーテル
故人こじん
 
レイガー
故人こじん
 
ヴィセーリス
 
デナーリス
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エイゴン
故人こじん
 
レイニス
故人こじん
 
サーセイ・
ラニスター
 
ロバート・
バラシオン
 
スタニス・
バラシオン
 
レンリー・
バラシオン
 

ゲーム・オブ・スローンズ』ではエイリスせいはエイゴンせいとなっており、ジェヘアリーズせい存在そんざいしないことになっている。人物じんぶつ生死せいしは『なな王国おうこく玉座ぎょくざ開始かいしのものである。

ヴィセーリス・ターガリエンいちせい[編集へんしゅう]

Viserys Targaryen I

ほのおおよびそれにもとづくドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうし、『こおりほのおうた』の時代じだいやく200ねんまえ、ターガリエン衰退すいたいまねいた内乱ないらん双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉のきっかけをつくだい5だいおう祖父そふジェヘアリーズ1せい息子むすこベイロンとむすめアリッサによる兄妹きょうだいこんである。ジェヘアリーズおう息子むすこたちが早世そうせいしたため、だい評議ひょうぎかい男子だんし優先ゆうせん原則げんそくにより、年長ねんちょう息子むすこエイモンの長子ちょうしでありかつ年長ねんちょうである、従姉じゅうしレイニス王女おうじょやその男子だんしレーナー・ヴェラリオンをおさえて後継こうけいしゃえらばれる。唯一ゆいいつレイニラ王女おうじょだけをのこして王妃おうひエイマがくなったのち、男子だんし優先ゆうせん原則げんそくやぶ不仲ふなかおとうとデイモン王子おうじではなくレイニラを後継こうけいしゃとする。のちに〈おうオットー・ハイタワーむすめアリセント後添のちぞいえにむかえ、エイゴン王子おうじらをもうける。崩御ほうぎょ、レイニラとエイゴンの後継こうけいしゃあらそいがしょ名家めいかんだだい規模きぼ内乱ないらん双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉をび、ほとんどのドラゴンがえる結果けっかまねく。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではパディ・コンシダインえんじる。

ヴィセーリス・ターガリエン[編集へんしゅう]

Viserys Targaryen

エイリスせい次男じなんとしてまれ、ロバート・バラシオンの〈ロバートの反乱はんらん〉のさいいもうとデナーリスとともにウェスタロスし、自由じゆう都市とし彷徨うろついながら13年間ねんかんごす。残酷ざんこく野心やしんで、無愛想ぶあいそう暴力ぼうりょくてき気分きぶんながされやすい。暗殺あんさつしゃたちののがれながらも、ウェスタロスにもどってちち玉座ぎょくざうばかえすことをのぞむ。その主張しゅちょう同情どうじょうする人々ひとびとおんにすがってきなければならない羽目はめとなり、しばしば〈乞食こじきおう〉とさげすまれる。ヴィセーリスは、なな王国おうこくもど軍隊ぐんたいれるため、デナーリスとドスラクじん族長ぞくちょうカール・ドロゴ結婚けっこんをまとめる。野望やぼうつよすぎて、現実げんじつることができない。みずからはウェスタロスの正統せいとうなる統治とうちしゃであり、尊敬そんけいされるべきだとおもっているが、いもうとや、忠誠ちゅうせいちかった騎士きしであるジョラー・モーモントまでもが、かれ卑小ひしょう執念深しゅうねんぶか性格せいかく軽蔑けいべつしていることにづかない。ドスラクの習慣しゅうかん見下みくだし、ドロゴの助力じょりょく要求ようきゅうし、いもうとはずかしめる。流血りゅうけつゆるされないドスラクのせいなる都市としけんいもうととその胎児たいじいのちおどかしたときに、ドロゴはいかり、ヴィセーリスをかしたかね戴冠たいかん殺害さつがいする。ヴィセーリス・タイガーリエンは、『ゲーム・オブ・スローンズ』においてハリー・ロイドえんじる。

エイゴン・ターガリエンいちせい[編集へんしゅう]

Aegon I Targaryen

ほのお』に登場とうじょうする。ターガリエン王朝おうちょう初代しょだいの「征服せいふくおう」。古代こだいヴァリリア帝国ていこく領地りょうちであったドラゴンストーン領主りょうしゅであったが、ヴァリリア帝国ていこく滅亡めつぼうしていち世紀せいきのちあねヴィセーニャおよびいもうとレイニスの二人ふたり結婚けっこんし、ともさんとうのドラゴンをひきいてなな王国おうこく征服せいふく統合とうごうする。上陸じょうりくしたキングズランディング建設けんせつして首都しゅととする。庶子しょし家系かけいであるオリスにはバラシオン創立そうりつゆるす。ターガリエン王朝おうちょうは300ねんつづくことになる。

エイゴン・ターガリエンせい[編集へんしゅう]

Aegon II Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉とばれる王位おういあらそいの中心ちゅうしんとなった人物じんぶつ一人ひとりヴィセーリスおう後室こうしつアリセントあいだまれただいいちであり、腹違はらちがいのあねレイニラ王女おうじょとのあいだでの内戦ないせんつも、だい火傷かしょうって不具ふぐとなり、みじか治世ちせいとなる。

エイゴン・ターガリエンさんせい[編集へんしゅう]

Aegon III Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。レイニラ・ターガリエン王女おうじょ叔父おじデイモン・ターガリエン王子おうじあいだまれただいいちである。〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉とばれる王位おういあらそいでははレイニラ王女おうじょころした相手あいてである、叔父おじエイゴン・ターガリエンせいのちいでおうとなる。

エイゴン・ターガリエンせい[編集へんしゅう]

Aegon V Targaryen

おうよん番目ばんめ息子むすこよん番目ばんめ息子むすこであるエイゴンは、わかいころはエッグとばれ、王位おうい継承けいしょうけんではひく地位ちいにいたため、おうばれる。〈だい議会ぎかい〉の選択せんたくしたがって、王位おうい拒否きょひしたあにエイモンふくむ、上位じょうい王位おうい継承けいしょうけんしゃたちをしておうとなる。やさしくさくな人物じんぶつで、ウェスタロス四半世紀しはんせいき以上いじょうもそつなく統治とうちし、ターガリエンなつみや殿どのであるサマーホールの火事かじくなる。

わかのエイゴンはともダンクとともに中編ちゅうへんシリーズ『ダンクとエッグの物語ものがたり』の主人公しゅじんこうとしてえがかれている。あまやかされたあにたちのようにならないよう、ターガリエン独特どくとく銀髪ぎんぱつ目立めだたないようにあたまり、あるじたずに放浪ほうろうする〈くさしの騎士きし〉ダンクの従者じゅうしゃになることをちちプリンス・メイカー・ターガリエンに渋々しぶしぶゆるされ、なな王国おうこく市井しせいらしをまわ経験けいけんる。

長子ちょうしにはともからをもらってダンカンと名付なづけるも、用意よういした政略せいりゃく結婚けっこん拒否きょひして庶民しょみん結婚けっこんしたために王位おうい継承けいしょうけんからはずすことになる。次子じしのジェヘアリースはちち遺志いしそむいて姉妹しまい結婚けっこんし、さらにそのエイリスもまた姉妹しまい結婚けっこんすることになる。エイゴンのむすめのレイルが、バラシオンとつぎ、そのがステッフォン・バラシオンこうとなったため、ロバートスタニス、そしてレンリーはみな、エイゴンの曾孫そうそんである。エイゴンはエイリスきょうおう祖父そふであるが、『ゲーム・オブ・スローンズ』においては、エイリスきょうおう父親ちちおやとされている。

エイゴン・ターガリエンろくせい[編集へんしゅう]

Aegon Targaryen

レイガー・ターガリエンエリア・マーテルあいだまれた唯一ゆいいつ息子むすこである。戴冠たいかんされたあかつきには、エイゴンろくせいとなるはずである。15ねんまえの〈キングズランディングの略奪りゃくだつ〉のさいグレガー・クレゲイン殺害さつがいされたとしんじられている。だが、ヴァリスべつ赤子あかごとすりえ、キングズランディングからしたとされている。エイゴンはレイガーの親友しんゆうジョン・コニントンそだてられる。正体しょうたいかくすため、銀髪ぎんぱつあおめ、その結果けっかむらさきひとみあおえる。ジョンの息子むすこグリフを名乗なのり、わかきグリフとしてられるようになる。エイゴンとジョンはウェスタロス征服せいふくし、エイゴンをなな王国おうこくおうとするつもりである。叔母おばであるデナーリス・ターガリエン軍勢ぐんぜいくわわるため、ヴォランティスかう。だがデナーリスがすぐにはウェスタロスを征服せいふくする意図いとがないことがわかったとき傭兵ようへいぐんの〈黄金おうごん兵団へいだん〉はデナーリスぐんくわわることをやめ、エイゴンに忠誠ちゅうせいちかう。エイゴンは内戦ないせんのさなかにあるウェスタロスを攻撃こうげきすることにするが、それはティリオン・ラニスター助言じょげんによるもので、たすけを立場たちばではなく同等どうとう存在そんざいとしてデナーリスにうためである。そのぐんストームランド上陸じょうりくし、かずじょう奪取だっしゅする。つぎ目標もくひょうストームズエンドしろである。エイゴンはみずからぐんひきい、城壁じょうへきターガリエンはたかかげるつもりである。

ゲーム・オブ・スローンズ』では、ジョン・スノウしん正体しょうたいがレイガーの息子むすこエイゴンであるとされている。

メイスター・エイモン[編集へんしゅう]

(マイスター・エーモン)  Maester Aemon

物語ものがたりなんじゅうねんまえ、メイカー・ターガリエンいちせい三男さんなんであるエイモンは、王位おうい継承けいしょうけんしゃおおすぎることを心配しんぱいした祖父そふデイロン・ターガリエンせい希望きぼうしたがオールドタウンの〈知識ちしきしろ〉(〈だい城砦じょうさい〉)におくられ、古来こらいからの学者がくしゃ治癒ちゆしゃのギルドの一員いちいんであるメイスターになる。のちに、エイモンはおう戴冠たいかんされそうになったがことわり、おとうとエイゴン王位おういゆずる。そして、王位おうい簒奪さんだつ陰謀いんぼう利用りようされないよう、北部ほくぶかべめいよる守人もりとの〈誓約せいやく兄弟きょうだい〉につかえる。

物語ものがたりはじめ、メイスター・エイモンは年老としお盲目もうもくとなっている。だが、〈野人やじん〉と異形いぎょう(〈異形いぎょうじん〉)とのたたかいのあいだくろしろジョン・スノウかべおとこたちに助言じょげんあたえる。おうをひくがゆえに、メリサンドル儀式ぎしきあぶりにされることをおそれ、ジョン・スノウはエイモンをオールドタウンおくりだすが、航海こうかい老人ろうじんにはあまりに過酷かこくである。デナーリス・ターガリエンのことをききおよび、彼女かのじょがウェスタロスにもどってすくぬしとなる“アゾル・アハイ”(“エイゾール・アハイ”)であるとしんじ、メイスターをデナーリスのもとにおくるようサムにたのむ。ブレーヴォスからオールドタウンへの航海こうかい途中とちゅう、102さいくなる。メイスター・エイモンは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてピーター・ヴォーンえんじる。

エイモンド・ターガリエン[編集へんしゅう]

Aemond Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。ヴィセーリス1せいとそのしつアリセント王妃おうひだいさんであり、エイゴンせい、およびそのいもうとつまのヘレイナのおとうとである。レーナ・ヴェラリオンの騎乗きじょうしていた存命ぞんめい最大さいだいのドラゴン"ヴァーガー"ときずなむすぶことに成功せいこうするが、レイニラ次男じなんルケアリーズと喧嘩けんかとなり、片目かため失明しつめいする。王位おういあらそいのなかでヴァーガーがルケアリーズをころしてしまい、〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉とばれる内乱ないらんこす。

エイリス・ターガリエンせい[編集へんしゅう]

Aerys II Targaryen

エイリス・ターガリエンはきょうおうエイリスとばれ、〈簒奪さんだつしゃ戦争せんそう〉またのを〈ロバートの反乱はんらん〉とられる事件じけん以前いぜんに〈てつ玉座ぎょくざ〉にすわる、ターガリエン最後さいごおうである。わかころ、エイリスは短気たんきではあるが寛容かんよう魅力みりょくにあふれたおうであったとわれる。何人なんにんもの〈おう〉にたすけられて、なな王国おうこくなが平和へいわたも国庫こっこかねちる。古代こだいからのターガリエン習慣しゅうかんしたがい、いもうとのレイラ(レーラ)と結婚けっこんし、息子むすこレイガーヴィセーリスむすめデナーリスと3にんをもうける。しかしエイリスは次第しだい常軌じょうきいっするようになり、〈ダスケンデールの叛乱はんらん〉ののちでは狂気きょうきおちいることがおおくなる。次第しだい残酷ざんこくで、サディスティックで、変質へんしつてきで、うつになる。りつかれ、おおくのものあぶりにする。レイガーとリアナ・スターク失踪しっそうしたときスタークとリアナの婚約こんやくしゃロバート・バラシオンはリアナが誘拐ゆうかいされたとだんじる。エイリスはこれにたいし、リアナのちちあに処刑しょけいしてこたえる。直後ちょくごおおくの貴族きぞくがターガリエンたいする反乱はんらんこす。反乱はんらんぐんがターガリエンやぶったのち、エイリスは、てきうばわれるまえキングズランディングとその住民じゅうみんきつくそうと計画けいかくする。だが〈おうたて〉の騎士きしであったジェイミー・ラニスターころされ阻止そしされる。エイゴン・ターガリエンせいまごであるが、『ゲーム・オブ・スローンズ』においては息子むすことされ、デヴィッド・リントウル英語えいごばんえんじる。

デイモン・ターガリエン[編集へんしゅう]

Daemon Targaryen

ヴィセーリス1せいおとうと埓で不安定ふあんてい性格せいかくで、不仲ふなかあにによって後継こうけいしゃからはずされる。〈おうみやこ守人もりと〉の総帥そうすいとなり、きむマントをせる。谷間たにま有力ゆうりょくはたぬしむすめレイア・ロイスとあいのない結婚けっこんをするが、その死後しごにレーナ・ヴェラリオンと結婚けっこんしてにんむすめをもうけ、その死後しごにはあにむすめ後継あとつぎのレイニラ結婚けっこんをもうける。〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉ではレイニラをたすけてくろそうひきいる。ドラゴン"カラクセス"に騎乗きじょうし、けん暗黒あんこく姉妹しまい〉をふるう。『ほのお』に登場とうじょうし、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではマット・スミスえんじる

デナーリス・ターガリエン[編集へんしゅう]

Daenerys Targaryen

“ドラゴンのはは”としてもられるデナーリス・ターガリエンはダニーともばれ、エイリス・ターガリエンせいむすめである。デナーリスは視点してん人物じんぶつであり、ぎんかみむらさきひとみち、いにしえのターガリエン王朝おうちょうウェスタロスぜん王室おうしつ最後さいご末裔まつえい一人ひとりである。デナーリスをごもったははあにヴィセーリス・ターガリエンドラゴンストーンしまとりでげたが、だい暴風ぼうふうあいだはは産褥さんじょくゆかに、ダニーはストームボーンというあだることになる。その直後ちょくごにドラゴンストーンはロバート・バラシオンひきいる反乱はんらんぐんまえ陥落かんらくし、デナーリスとヴィセーリスはエッソス自由じゆう都市としブレーヴォスされる。13ねんあいだ、デナーリスとヴィセーリスは9つの自由じゆう都市とし彷徨うろつい〈てつ玉座ぎょくざ〉をもどすための助力じょりょくもとめる。

シリーズの当初とうしょ、デナーリスは、きわめてうつくしくはあるが、あにヴィセーリスの癇癪かんしゃくおそれをなす、内気うちきでおとなしいわかむすめにすぎない。自由じゆう都市としペントスで、二人ふたりは、富裕ふゆう名士めいし(豪商ごうしょう)、マジスターであるイリリオ・モパティス賓客ひんきゃくである。イリリオとヴィセーリスは、ウェスタロスを征服せいふくするためにドロゴのぐんれようとし、遊牧民ゆうぼくみんドスラクの族長ぞくちょうであるカール・ドロゴに13さいのデナーリスをとつがせる。婚儀こんぎさい、デナーリスはイリリオから3いししたドラゴンたまごおくられる。当初とうしょはドロゴをおそれていたが、この獰猛どうもう族長ぞくちょう花嫁はなよめたいしてはやさしくおもいやりにあふれていることり、おっとあいするようになる。族長ぞくちょうつまとして自由じゆう権力けんりょくて、デナーリスはつよ自信じしんちたわか女性じょせい成長せいちょうし、ヴィセーリスにもかいはじめる。ドスラクの遊牧ゆうぼく生活せいかつにもれ、ウェスタロスを追放ついほうされた騎士きしジョラー・モーモントい、もっと信頼しんらいする仲間なかまになる。デナーリス、ヴィセーリス、そしてドロゴはドスラクじんせいなる都市としヴァエス・ドスラクにたびし、ここでデナーリスは老婆ろうばい、彼女かのじょ古代こだい予言よげんにいう“ドスラクの征服せいふくしゃ”になると予言よげんされる。ヴィセーリスは次第しだい気短きみじかになり、ドロゴがかれたすけて王冠おうかんもどすようつよ要求ようきゅうするようになる。ヴィセーリスがデナーリスと胎児たいじいのちおどかしたとき、カール・ドロゴはいかり、けた黄金おうごんかんむりをヴィセーリスのあたまにかぶせて戴冠たいかんし、ころしてしまう。直後ちょくごにドロゴはたたかいで負傷ふしょうし、感染かんせんによってふちつ。デナーリスは、いのちたすけていた魔女まじょに、魔法まほう使つかってドロゴをすくうようめいじる。だが魔女まじょ復讐ふくしゅうし、魔法まほうによってダニーの胎児たいじ子宮しきゅうなかころされ、ドロゴは植物しょくぶつ人間にんげん状態じょうたいとなるようはからう。デナーリスはみずからドロゴのいのちち、たきぎ魔女まじょしばりつけ、ドラゴンのたまごをおいて火葬かそうおこなう。えるたきぎなかあゆはいるが、孵化ふかした3とうのドラゴンとともに無事ぶじ姿すがたあらわし、ドスラクのはじめての女性じょせい族長ぞくちょう、カールとなる。ドラゴンをにんあにおっとにちなんでレイガル、ヴィセーリオン、ドロゴンと名付なづける。

デナーリスは彗星すいせいのちって〈あか荒地あれち〉にはいり、あらゆる方角ほうがく斥候せっこうおくる。一人ひとりはクァース(カース)から3にん使節しせつかえる。デナーリスは部族ぶぞくをクァースにともない、ウェスタロスの征服せいふくへの助力じょりょくのぞむが、クァースの商人しょうにんたちはドラゴンをれることしか興味きょうみがない。くろ魔道まどう(くろ魔術まじゅつ)にまねかれ、かれらの指導しどうしゃである〈死者ししゃ〉をたずね、過去かこ未来みらいまぼろしる。アッシャイからきた3にん仮面かめんおんな使節しせつが「西にし征服せいふくするためにはひがしかわねばならない」と予言よげんする。ダニーは予言よげんしたがい、ひがしかうふねさがすが、暗殺あんさつしゃおそわれ、マジスター・イリリオの手先てさきであると宦官かんがんストロング・ベルウァス老人ろうじんアースタン・ホワイトベアードにすくわれる。イリリオはダニーとそのれをペントスにもどすために3せき商船しょうせんおくってよこしていたが、デナーリスは西にしもどらずふねひがしける。

デナーリスは、奴隷どれい売買ばいばい繁栄はんえいする奴隷どれい商人しょうにんわんばれる地域ちいきたびする。アスタポア(アスタポール)において、〈けが軍団ぐんだん〉(〈無垢むく軍団ぐんだん〉)とばれるエリートの宦官かんがん奴隷どれい兵士へいしぐんを1とうのドラゴンと交換こうかんする。その兵士へいし使つかってアスタポアを征服せいふくする。奴隷どれい貿易ぼうえき終結しゅうけつさせることを決心けっしんし、傭兵ようへい隊長たいちょうダーリオ・ナハーリス裏切うらぎりにより、ユンカイ征服せいふくする。 ミーリーン(ミイリーン)のちかくで暗殺あんさつされそうになるが、アースタン・ホワイトベアードが暗殺あんさつしゃころし、デナーリスの父親ちちおや裏切うらぎったかつての〈おうたて〉の総帥そうすいバリスタン・セルミーであること告白こくはくする。セルミーはまた、モーモントがロバートおう彼女かのじょ行動こうどう報告ほうこくしていたことをあきらかにする。デナーリスはにん裏切うらぎられたとかんじるが、ミーリーンに侵入しんにゅうする危険きけん任務にんむおくりだす。二人ふたりもどり、ミーリーンは最小限さいしょうげん犠牲ぎせい陥落かんらくする。セルミーはゆるしをい、ゆるされてデナーリスの〈女王じょおうたて〉の総帥そうすいとされる。だがモーモントは自己じこ行動こうどう正当せいとう反省はんせいいろせないため、追放ついほうされる。ミーリーンをて、ダニーはそのをウェスタロスにけるが、アスタポアとユンカイが平和へいわ維持いじできないことをり、ミーリーンにとどまって女王じょおうとなることをまなぼうとする。

デナーリスはミーリーンの統治とうち苦闘くとうする。兵士へいしたちはころされ、自由じゆう都市とし連合れんごう奴隷どれい貿易ぼうえき再開さいかいもとめてミーリーンにせまり、そのぐん疫病えきびょうにもたらす。さらにドロゴンが少女しょうじょころしたとうったえられる。ドラゴンをそとさないことをせまられ、レイガルとヴィセーリオンはめるが、ドロゴンはしてしまう。助言じょげんしゃたちはヒズダール・ゾ・ロラクと結婚けっこんするよう助言じょげんし、90日間にちかんにわたり殺人さつじんめることを条件じょうけんとして結婚けっこん承諾しょうだくする。その90にちあいだ、ダーリオ・ナハーリスを愛人あいじんとする。ヒズダールは殺人さつじんめることに成功せいこうし、デナーリスはかれ結婚けっこんする。解放かいほうされた奴隷どれいたちはふたた奴隷どれいとされないという条件じょうけんのもと、渋々しぶしぶながら奴隷どれい貿易ぼうえき再開さいかいする。さらに闘技とうぎじょう再開さいかいにも同意どういし、初日しょにち姿すがたせる。闘技とうぎじょう騒音そうおんがドロゴンをせる。闘技とうぎたちがドロゴンをころそうとするなか、デナーリスはドロゴンにまたがってる。ドスラクのうみにあるドロゴンのぐらでしばらくらす。ミーリーンにもどろうとするが、途中とちゅう病気びょうきになり、まぼろしる。ふたたびダニーはドロゴンにまたがるが、ドスラクのうみれてかれ、かつてドロゴの配下はいかであったがデナーリスを見捨みすてたカール・ジャークォと出会であう。

ゲーム・オブ・スローンズ』では、タムジン・マーチャントが当初とうしょデナーリスのやく予定よていであったが、のちエミリア・クラーク交代こうたいした。

ブリンデン・リヴァーズ[編集へんしゅう]

Brynden Rivers

ダンクとエッグの物語ものがたり』シリーズと『こおりほのおうた』シリーズの両方りょうほう登場とうじょうする。しろかみしろはだあかひとみ白子しらこでエイゴン・ターガリエンよんせい認知にんちされる〈とし〉である。かおからすかたちをしたあかははまだらがあるために〈べにむらからす〉(けっぱんがらす、ブラッドレイブン)ともよばれる。〈ブラックファイアのらん〉を鎮圧ちんあつし、〈おう〉をつとめたのちエイゴン・ターガリエンせいによって投獄とうごくされ、かべおくられてめいよる守人もりとくわわり、のちには総帥そうすいのぼる。その、〈かべ〉のきたウィアウッドした洞窟どうくつで、ウィアウッドの肉体にくたい同化どうかさせて長寿ちょうじゅたもつ。ブラン・スタークゆめなかに〈みっからす〉としてかえあらわれてみずからのもとにみちびく。ブランとい、〈みどり視力しりょく〉と〈おおかみもぐり〉のちから訓練くんれんする。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではStruan Rodgerおよびマックス・フォン・シドーえんじる。

ベイラー・ターガリエン[編集へんしゅう]

Baelor Targaryen

同名どうめいのベイラー聖王せいおうとはべつ人物じんぶつであり、『くさしの騎士きし』に登場とうじょうする、エッグ叔父おじにあたる王位おうい継承けいしょうしゃのプリンスである。ドーン出身しゅっしんははから黒髪くろかみぎ、賢明けんめい勇敢ゆうかん騎士きしであったが、一介いっかいの〈くさしの騎士きし〉にぎないダンクすくうためにいのちとす。

ヘレイナ・ターガリエン[編集へんしゅう]

Helaena Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。ヴィセーリス1せいとそのしつアリセント王妃おうひだいあにであるエイゴンと結婚けっこんする。

メイカー・ターガリエンいちせい[編集へんしゅう]

Maekar I Targaryen

エイゴン・ターガリエンせい父親ちちおやであり、デイロンせいだいよん王子おうじとしてまれ、プリンス・ベイラーすえおとうとである。ドーン出身しゅっしん黒髪くろかみははからまれながらも、ターガリエン独特どくとく銀髪ぎんぱつつ。『くさしの騎士きし』に登場とうじょうし、不出来ふでき息子むすこたちになやまされ、不慮ふりょ事故じこあにプリンス・ベイラーをいたらす。すえ息子むすこエイゴンをただしく教育きょういくするため、〈くさしの騎士きしダンカン・ザ・トールしたがえとする。上位じょうい王位おうい継承けいしょうしゃたちが不慮ふりょ事故じこおよび疫病えきびょうくなったため、のち王位おういく。長男ちょうなんのデイロンは臆病おくびょうんだくれ、次男じなんのエリオンは残酷ざんこく卑劣ひれつ三男さんなんエイモン王家おうけ不向ふむきでメイスターとなり、よんなんのエイゴンは意外いがいにもおうとなる。

レイガー・ターガリエン[編集へんしゅう]

Rhaegar Targaryen

エイリスせい長男ちょうなんドラゴンストーンのプリンス、〈てつ玉座ぎょくざ〉の世継よつぎ。レイガーは知性ちせいてきだが苦悩くのうちたおとこで、若年じゃくねんのころはほんむしである。ある書物しょもつんだことで、あゆみちえる。その熟練じゅくれん戦士せんしとなるが、内向ないこうてきなままである。 エリア・マーテル結婚けっこんし、むすめのレイニス(レーニス)と息子むすこエイゴンをもうける。 〈ハレンのきょじょう馬上もうえ試合しあいでチャンピオンとなり、つまであるエリアではなくリアナ・スタークあい女王じょおうえらんで人々ひとびと衝撃しょうげきあたえる。のちにレイガーとリアナは失踪しっそうするが、リアナの家族かぞく婚約こんやくしゃロバート・バラシオンふくおおくの人々ひとびとは、これを誘拐ゆうかいなす。ロバートはリアナをすくすために〈簒奪さんだつしゃ戦争せんそう〉をこし、レイガーはトライデントかわたたかいでロバートにころされる。『なな王国おうこく玉座ぎょくざ』においてロバートはつねにレイガーをののしるが、登場とうじょう人物じんぶつおおくはレイガーをほめたたえる。

レイニス・ターガリエン[編集へんしゅう]

Rhaenys Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。ヴィセーリス1せい従姉じゅうし。ジェヘアリーズ1せい息子むすこたちがえたとき、最年長さいねんちょう息子むすこエイモンののこしたであり、かつ最年長さいねんちょうまごであるが、男子だんし優先ゆうせん原則げんそくもとづきだい評議ひょうぎかい従弟じゅうていヴィセーリスを後継こうけいしゃえらぶ。そのため〈戴冠たいかんせざりし女王じょおう〉ともばれる。はははバラシオン出身しゅっしん。ドラゴン"メレイズ"に騎乗きじょうする。〈海蛇うみへびコアリーズ・ヴェラリオンとつぎ、息子むすこレーナ―とむすめレーナをもうける。レーナ―はレイニラ王女おうじょ結婚けっこんするも、たねあやしい息子むすこたちをもうけたのち、不可解ふかかい状況じょうきょう暗殺あんさつされる。レーナはデイモン王子おうじ結婚けっこんしベイラとレイナの二人ふたりむすめをもうけるも、そののちに出産しゅっさんぬ。〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉ではくろそうにつく。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではイヴ・ベスト英語えいごばんえんじる。

レイニラ・ターガリエン[編集へんしゅう]

Rhaenyra Targaryen

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場とうじょうする。ヴィセーリス1せい王妃おうひエイマ・アリンの長子ちょうしである王女おうじょ男子だんし優先ゆうせん原則げんそくやぶり、ちちにより叔父おじデイモンいて後継こうけいしゃ指名しめいされる。レーナー・ヴェラリオンと結婚けっこんをもうけるが、べつおとこたねだとうわさされる。のちにデイモンと結婚けっこんをもうける。ちちおう死後しご、そのしつで〈おうオットー・ハイタワーむすめアリセントんだおとうとエイゴンとのあいだ王位おういあらそいをこし、〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉とばれる内乱ないらんとなり、くろそうひきいる。内乱ないらんやぶれエイゴンにころされるが、やがて王位おういはレイニラの子孫しそんわたることになる。ドラゴン”シアラックス"に騎乗きじょうする。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではエマ・ダーシー英語えいごばんえんじる。

ターガリエン協力きょうりょくしゃはたぬしおよび家来けらい[編集へんしゅう]

タイレル[編集へんしゅう]

House Tyrell (ティレル)

タイレルたてがた紋章もんしょう

タイレル河間こうま平野へいや(リーチ)のさい上位じょうい貴族きぞくである。その本拠地ほんきょちはマンダーかわほとりのハイガーデンじょうである。紋章もんしょう緑色みどりいろかね薔薇ばらであり、標語ひょうごは“われら強大きょうだいたるべし”(“つよそだつ”)である。ゆたかな農業のうぎょう地帯ちたいである河間こうま平野へいや領主りょうしゅとして、なな王国おうこくなかでもいえとみラニスターだいされる。なな王国おうこく最強さいきょう陸軍りくぐんかかえ、オレナ・レッドワイン実家じっかでもある、〈たてしま〉のレッドワインをはじめとする沿岸えんがんはたぬしたちはふねひきいて強大きょうだい海軍かいぐん結成けっせいし、その規模きぼ王立おうりつ海軍かいぐん匹敵ひってきする。タイレル伝統でんとうてき南部なんぶ総督そうとくじょされる。ターガリエンによる侵略しんりゃく以前いぜんは、タイレルはハイガーデンの執政しっせいである。河間こうま平野へいやおうころされたのち、ターガリエンはタイレルをハイガーデンの領主りょうしゅとする。フロレントほうがハイガーデンにたい有力ゆうりょく権利けんりゆうしていたために、河間こうま平野へいや諸家しょかしょ名家めいかからは“がりの執政しっせい”とみなされる。15ねんまえの〈ロバートの反乱はんらん〉では、当初とうしょターガリエン味方みかたする。おもはたぬしとして、フロレントのほかにオールドタウンのハイタワー、ホーンヒル(〈かくおかじょう〉)のターリーがある。

タイレル系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
 
 
 
 
 
ルーサー
故人こじん
 
 
 
オレナ・
レッドワイン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メイス
 
アレリー・ハイタワー
 
ジャナ
 
マイナ
 
 
 
 
 
 
ジョフリー・バラシオン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ウィラス
 
ガーラン
 
ロラス
 
レンリー・バラシオン
 
マージェリー
 
 
トメン・バラシオン
 
 

メイス・タイレル[編集へんしゅう]

Mace Tyrell

メイス・タイレルこうタイレル家長かちょうであり、ハイガーデンこう境界きょうかい領域りょういき(辺境へんきょう、マーチ)の守護しゅごしゃ河間こうま平野へいやそうかん(最高さいこう司令しれいかん)、そして南部なんぶ総督そうとくである。ウィラスガーランロラスの3にん息子むすこと、むすめマージェリーがいる。としわりにはけており、政治せいじ感覚かんかくける退屈たいくつ人物じんぶつである。唯一ゆいいつ軍事ぐんじじょう功績こうせきストームズエンドおさむしろせんであるが、実際じっさいには エダード・スタークたすけにるまでスタニス・バラシオン包囲ほういこたえたので失敗しっぱいともいえる。強力きょうりょくいえかしこ家族かぞくのためのたんなる表看板おもてかんばんになっているにすぎない。むすめ王妃おうひになることをつね夢見ゆめみていたため、レンリー・バラシオン王位おういねらったとき、マージェリーとの結婚けっこん全面ぜんめんてき支持しじする。レンリーがんだときジョフリー・バラシオンおうとの結婚けっこん提案ていあんけいれる。 スタニスやぶったのちは、〈しょう評議ひょうぎかい〉にせきあたえられて海軍かいぐん大臣だいじんとなる。〈おう〉の地位ちいのぞむが、ストームズエンド攻撃こうげきおくられる。マージェリーが反逆はんぎゃく不貞ふていつみ逮捕たいほされたとき包囲ほうい中断ちゅうだんし、おうみやこキングズランディングもどる。なな王国おうこく摂政せっしょうであるケヴァン・ラニスターはタイレルラニスター関係かんけい修復しゅうふくのため、メイスを〈おう〉に任命にんめいするが、その地位ちいにはふさわしくないともかたる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではロジャー・アシュトン゠グリフィス英語えいごばんえんじる。

ウィラス・タイレル[編集へんしゅう]

Willas Tyrell

ウィラス・タイレルはメイス・タイレルとレディ・アレリー・ハイタワーの長男ちょうなんでありハイガーデンの世継よつぎである。わかくして、人生じんせい最初さいしょ馬上もうえ試合しあいオベリン・マーテルたたかったときあしうえ乗馬じょうばたおれこんだため、不自由ふじゆうからだとなる。だがオベリン・マーテルをうらんではおらず、以来いらいにん文通ぶんつうつづけている。この事故じこ以来いらい学問がくもん動物どうぶつ飼育しいく熱中ねっちゅうする。おとうとガーランに〈高士こうし〉(伊達だてだん)というあだをつけたのはウィラスである。祖母そぼオレナ・レッドワインサンサ・スタークをウィラスと結婚けっこんさせようと計画けいかくする。だがピーター・ベイリッシュがこの計画けいかくったとき、サンサ・スタークはティリオン・ラニスター結婚けっこんさせられ、オレナの計画けいかく頓挫とんざする。ウィラスは、学問がくもんきで教養きょうようがあり親切しんせつで、父親ちちおやよりはるかにすぐれた指導しどうしゃであるとしばしば言及げんきゅうされている。『ゲーム・オブ・スローンズ』では存在そんざいしないことになっており、ロラスがメイスの一人ひとり息子むすこである。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ガーラン・タイレル[編集へんしゅう]

Garlan Tyrell

ガーラン・タイレルはメイス・タイレルとレディ・アレリー・ハイタワーの次男じなんである。たかく、おとうとロラスにひげをやした姿すがただとわれる。きわめてすぐれた騎士きしであるロラス自身じしんが、ガーランのほう剣士けんしとしてまさっているとう。子供こどもころふとっており、かれまもるためにあにウィラスによって〈高士こうし〉と名付なづけられる。〈ブラックウォーター〉のたたかいではレンリー・バラシオンよろいんだはずのレンリーをよそおい、スタニス・バラシオンぐんおろかなへいおびやかす。たたかいののち、ブライトウォーターじょう城主じょうしゅとされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』では存在そんざいしないことになっており、ロラスがメイスの一人ひとり息子むすこである。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

ロラス・タイレル[編集へんしゅう]

Loras Tyrell

メイス・タイレルおおやけのおりの三男さんなんであり、“はな騎士きし”とあだされる。若年じゃくねんながらすぐれたわざ騎士きしであり、馬上もうえ試合しあい名手めいしゅである。せてハンサムであるとえがかれ、民衆みんしゅうあいされ、むすめたちはのぼせあがる。レンリー・バラシオンなな王国おうこくおうしょうしたとき護衛ごえいちょうとされる。レンリーの暗殺あんさつのち、ロラスはかなしみのあまり激怒げきどし、そのにいたレンリーのさんにん護衛ごえいころす。レンリーをころした下手人げしゅにんしんじて、ブライエニーキャトリンころそうとするがげられる。だがキングズランディングでブライエニーを尋問じんもんしたのちでは、もはやブライエニーをうたがわない。いもうとマージェリージョフリーおう結婚けっこんしたとき、〈おうたて〉に加入かにゅうする。サーセイ摂政せっしょうふとしきさき故郷こきょうのハイガーデンに援軍えんぐんおくってグレイジョイ攻撃こうげきから防衛ぼうえいできるよう、すすんでドラゴンストーンおさむしろせん参加さんかするが、報告ほうこくによれば重傷じゅうしょうって瀕死ひんし状態じょうたいとなる。

ロラス・タイレルは『ゲーム・オブ・スローンズ』でフィン・ジョーンズえんじる。小説しょうせつでは曖昧あいまいにほのめかされているだけであるが、ドラマシリーズでは明白めいはくにロラスとレンリーの男色なんしょく関係かんけいえがかれている。また、ドラマではロラスはメイスの一人ひとり息子むすことされ、メイス・タイレルのさんにん息子むすこのキャラクターが統合とうごうされている。レンリーのよろいたたかうのも、サンサやサーセイとの結婚けっこんばなしがるのもロラスとなる。

マージェリー・タイレル[編集へんしゅう]

Margaery Tyrell

マージェリーはメイス・タイレル末子まっし唯一ゆいいつむすめである。知的ちてきないわかむすめであり、わずか16さいでありながらまわりの人間にんげんあやつ政治せいじてき手腕しゅわんけている。タイレル忠誠ちゅうせいあかしとして、反乱はんらんこしたレンリー・バラシオン結婚けっこんする。レンリーがころされたのち、タイレルラニスター同盟どうめいむすび、マージェリーはジョフリーおう再婚さいこんする。婚儀こんぎうたげでジョフリーが毒殺どくさつされたのち今度こんどはジョフリーのおさなおとうとトメン(トンメン)と再婚さいこんし、トメンはそのおう戴冠たいかんされる。マージェリーは民衆みんしゅう人気にんきようとつと成功せいこうする。地元じもと市場いちばおとずれ、針子はりこにドレスをいくつも注文ちゅうもんし、慈善じぜん活動かつどうをしてせる。トメンを偉大いだい君主くんしゅとするために、臣下しんかまえうまってせ、〈しょう評議ひょうぎかい〉を見学けんがくすることをすすめる。トメンの母親ははおやであるサーセイ摂政せっしょうふとしきさき支配しはい反抗はんこうするよう、トメンをけしかける。サーセイはマージェリーをのぞこうとし、いまだに処女しょじょであるとの主張しゅちょう逆手さかてにとる。サーセイは不貞ふてい反逆はんぎゃくつみでマージェリーをうったえ、いつわりの証人しょうにん証拠しょうこをでっちげる。マージェリーはサーセイにかい、冤罪えんざい告発こくはつかげにサーセイがいることをっているとう。証拠しょうこ薄弱はくじゃくであるため、裁判さいばんまでマージェリーは釈放しゃくほうされタイレル家臣かしん保護ほごのもとにうつされる。マージェリーは決闘けっとう裁判さいばんではなく、〈ななかみ正教せいきょう〉による裁判さいばんえらぶ。マージェリー・タイレルは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてナタリー・ドーマーえんじる。

オレナ・レッドワイン[編集へんしゅう]

Olenna Redwyne

オレナ・レッドワインはメイス・タイレルおおやけ母親ははおやであり、“いばら女王じょおう”としてられる。意地いじわるいウィットと毒舌どくぜつそなえた、ずるかしこいしわくちゃの老女ろうじょとしてえがかれている。オレナは、サンサ・スタークジョフリー性格せいかくについてするど質問しつもんをする。サンサから、ジョフリーが残酷ざんこく人間にんげんであり彼女かのじょなぐらせていることをききだしたのち、オレナはサンサをハイガーデンにれてき、まごウィラス結婚けっこんさせようと計画けいかくする。だがラニスターがサンサをティリオン・ラニスター結婚けっこんさせ、この計画けいかくつぶれる。オレナとピーター・ベイリッシュ婚儀こんぎでジョフリーを毒殺どくさつする。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではダイアナ・リグえんじる。

タイレルはたぬし[編集へんしゅう]

タリー[編集へんしゅう]

House Tully

タリーたてがた紋章もんしょう

タリーリヴァーランドにおけるさい上位じょうい貴族きぞくであり、その本拠ほんきょリヴァーランである。紋章もんしょうは、あかあおのさざなみ銀色ぎんいろねるますであり、標語ひょうごは“一族いちぞく本分ほんぶん名誉めいよ”(“家族かぞく義務ぎむ名誉めいよ”)である。タリーターガリエンによる征服せいふくあいだ家運かうん上昇じょうしょうさせたいえである。征服せいふくおうエイゴンの侵略しんりゃくさい、タリーはハレンおうそむいてターガリエン味方みかたした最初さいしょいえである。エイゴンはタリーをトライデントかわ流域りゅういき全土ぜんど、すなわちリヴァーランドの支配しはいしゃとする。シリーズ当初とうしょ家長かちょうホスター・タリーおおやけである。二人ふたりむすめはともに名家めいかとついでいる。キャトリンスタークに、ライサアリンとついでいる。最近さいきんホスターが病気びょうきとなり、唯一ゆいいつ息子むすこであるエドミュアぐん指揮しきしている。ライサの婚儀こんぎのち、ホスターの不仲ふなかおとうとブリンデンアリンの谷間たにままる。

タリー系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
 
 
不明ふめい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ホスター
 
ミニサ
故人こじん
 
ブリンデン
"ブラックフィッシュ"
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
キャトリン
 
エダード・
スターク
 
ピーター・
ベイリッシュ
 
ライサ
 
ジョン・アリン
故人こじん
 
エドミュア
 
ロズリン・
フレイ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロバート・
アリン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロブ・
スターク
 
サンサ・
スターク
 
アリア・
スターク
 
ブラン・
スターク
 
リコン・
スターク

ホスター・タリー[編集へんしゅう]

Hoster Tully

リヴァーランおおやけにしてトライデントがわ流域りゅういき支配しはいしゃであり、キャトリンライサエドミュア父親ちちおやである。結婚けっこん拒否きょひするブリンデンとは、しばしば口論こうろんとなる。物語ものがたりなんねんまえに、ピーター・ベイリッシュをリヴァーランに里子さとごとしてむかえる。だがライサがピーターのごもったとき、ピーターをし、ライサをだまして堕胎だたいやくませる。キャトリンおよびライサをそれぞれスタークアリンとつがせると条件じょうけんで、バラシオン、スターク、アリンターガリエンたいする反乱はんらん味方みかたする。物語ものがたり当初とうしょ、ホスターは瀕死ひんしゆかについている。ラニスターがリヴァーランドをおどかしているため、病気びょうきのことは秘密ひみつとなっている。ロブ・スターク反乱はんらんをおこしリヴァーランドをすくうためにやってのちは、ロブを支持しじする。譫妄せんもう状態じょうたいとなり、子供こどもたちを見分みわけることもできなくなり、ライサに堕胎だたいさせたことを後悔こうかいする。ホスターのわりにエドミュアがわりにリヴァーランをおさめる。意識いしきもどさずに病死びょうしし、いえ習慣しゅうかんしたがってかわそうとされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではクリス・ニューマン英語えいごばんえんじる。

キャトリン・タリー[編集へんしゅう]

Catelyn Tully

キャトリン・タリー・スタークは視点してん人物じんぶつであり、ホスター最年長さいねんちょうむすめで、おとうとまれるまでは世継よつぎである。キャトリンはウィンターフェルエダード・スタークつまであり、5にん-ロブサンサアリアブランそしてリコン-のははである。子供こども時代じだいとしちかいもうとライサなかく、やさしく公正こうせい統治とうちしゃであったちちともしたしい。12さい誕生たんじょうまえに、ウィンターフェルの世継よつぎであったブランドン・スタークと婚約こんやくする。だが、ちちのところに里子さとごていたピーター・ベイリッシュはキャトリンにがれる。キャトリンが16さいとき、ピーターはついにブランドンに決闘けっとうもうけるが、キャトリンがころさないようねがったため、ピーターはかる負傷ふしょうだけでむ。ブランドンのいもうとリアナ世継よつぎの王子おうじであるレイガー・ターガリエン誘拐ゆうかいされたとき、ブランドンとそのちちおうかうがきょうおうエイリスによってころされる。そこでキャトリンはエダードと結婚けっこんし、ごもる。またライサはジョン・アリン結婚けっこんする。エダードが反乱はんらんぐん参加さんかしているあいだ、キャトリンはロブをむ。いちねん、エダードは私生児しせいじ乳児にゅうじれてかえり、ジョン・スノウとしてそだてることになるが、キャトリンはこのことでエダードをけっしてゆるそうとしない。その年月としつきに、二人ふたりはさらに4にんをもうける。アリア以外いがいはキャトリンおよびタリー容貌ようぼうぎ、色白いろじろでとびいろかみあおをしている。

ロバートが、エダードに〈おう〉となるようもとめるためウィンターフェルに滞在たいざいしているあいだ、ライサからの手紙てがみとどき、おっとのジョン・アリンはラニスターころされたとってよこす。その真相しんそう調しらべるため、キャトリンはエダードに〈おう〉となっておうみやこキングズランディングくようもとめる。ブランが暗殺あんさつしゃ襲撃しゅうげきされて昏睡こんすい状態じょうたいちたため、キャトリンはウィンターフェルにまり、看病かんびょうつづける。ラニスター背後はいごにいるとしんじ、今度こんどはエダードにおうかないようねがうが、エダードは約束やくそくまも旅立たびだつ。キャトリンはロブとともにウィンターフェルにのこるが、ブランを暗殺あんさつしゃおそい、失敗しっぱいする。キャトリンはおうたびしてラニスター仕業しわざである証拠しょうこつけようとする。おうでピーター・ベイリッシュから、襲撃しゅうげき使つかわれた短剣たんけんティリオン・ラニスター所有しょゆうぶつであるとく。きたるべき戦争せんそうそなえるためにひそかにいえかえ途中とちゅう、キャトリンはティリオンにくわして逮捕たいほし、裁判さいばんのためにアリンの谷間たにまのライサのもとにれていき、この逮捕たいほ開戦かいせん理由りゆうとなる。ティリオンはかかわりを否定ひていし、決闘けっとう裁判さいばん傭兵ようへいブロンったために釈放しゃくほうされる。

キャトリンは息子むすこのロブに合流ごうりゅうし、エダードが反逆はんぎゃくざい逮捕たいほされ、ロバートおうんでジョフリーおうとなったことをり、反乱はんらんたすける。双子ふたごじょうウォルダー・フレイのところにき、反乱はんらんぐんがトライデントかわわたしをとおるための交渉こうしょうをする。ウォルダーは、ロブがむすめ結婚けっこんする条件じょうけん合意ごういする。ロブがいくつかの合戦かっせん勝利しょうりをおさめたあと、エダードが処刑しょけいされたことをらせがる。バラシオン存命ぞんめい兄弟きょうだいたちであるスタニスレンリー同盟どうめいむすばせるためにビターブリッジにたびするが、同盟どうめい不調ふちょうわる。レンリーが暗殺あんさつされるところを目撃もくげきし、現場げんば居合いあわせたブライエニー(ブリエンヌ)とし、二人ふたりリヴァーランもどる。シオン・グレイジョイによってした息子むすこたちがころされたことをき、キャトリンは、キングズランディングにとらわれていたむすめたちとえに、戦争せんそう捕虜ほりょとなっていたジェイミー・ラニスターひそかに釈放しゃくほうする。ジェイミーはブランをとうからとしたことを告白こくはくし、つぐないにサンサとアリアをもどすと約束やくそくする。

勝手かって捕虜ほりょ釈放しゃくほうしたことのばちとして、ロブはキャトリンにリヴァーランでの軟禁なんきんめいじるが、のちゆるす。ロブは、おとうとたちがんだかなしみのなか出会であい、結婚けっこんした新妻にいづまジェイン・ウェスタリング紹介しょうかいする。フレイむすめとの結婚けっこん約束やくそくやぶられたため、フレイ軍勢ぐんぜいいかり、双子ふたごじょうもどる。ちちホスターがみまかり、エドミュアがタリーこうとなる。フレイとの関係かんけい修復しゅうふくするため、ロブのわりにエドミュアをウォルダー・フレイのむすめ結婚けっこんさせ、アリアをまご結婚けっこんさせることになる。双子ふたごじょうでのおとうとエドミュアの婚儀こんぎでは慎重しんちょうにふるまったにもかかわらず、キャトリン、ロブそしておおくのロブのはたぬし家来けらいたちが、フレイとロブのはたおもでありながら裏切うらぎったルース・ボルトン家来けらいたちにころされる。〈釁られた婚儀こんぎ〉とばれることになった裏切うらぎりである。タリー葬儀そうぎ習慣しゅうかんあざけるように、キャトリンの死体したいかわまれる。

キャトリンは、ベリック・ドンダリオンみずからのいのちとひきかえにル=ロールちからにより復活ふっかつさせられる。だがそのかおきずつき、のどかれ、かぎられた会話かいわしかできず、いまねむることもない。家族かぞく裏切うらぎられころされたことにたいする復讐ふくしゅう欲望よくぼうにとりつかれている。〈いししん〉、ストーンハートのもちい、ドンダリオンの無法者むほうもの軍団ぐんだんである〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだいだん〉(〈はたのない結社けっしゃ〉)の指揮しきぐ。家族かぞく裏切うらぎったすべてのものとくにフレイもの無慈悲むじひいつめ処刑しょけいする。

キャトリンは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてミシェル・フェアリーえんじる。

ライサ・タリー[編集へんしゅう]

Lysa Tully

ライサはホスター・タリーおおやけ次女じじょである。わかいころ、ライサはちち後見人こうけんにんであったピーター・ベイリッシュこいをする。だがピーターがあいしたのはあねキャトリン・タリーであったため、ライサはあねうらむことになる。キャトリンがピーターを拒絶きょぜつしたため、ピーターはライサをごもらせる。これをったちちホスター・タリーは激怒げきどして、ベイリッシュを人里ひとざとはなれた故郷こきょうおくかえす。ホスターはライサに堕胎だたいさせるが、のちにホスター自身じしんよりも年上としうえであるジョン・アリンとつがせるときには、この妊娠にんしん事実じじつ石女うまずめでないことのあかしとする。当時とうじジョンは、世継よつぎとタリー支持しじ必要ひつようとしている。ロバートまえに、ライサは5流産りゅうざんと2死産しざん経験けいけんする。ライサはロバートを溺愛できあいし、6さいになってまで授乳じゅにゅうつづける。シリーズの直前ちょくぜんに、ライサはピーターにそそのかされて、おっとアリンを毒殺どくさつし、そのつみラニスターせる手紙てがみく。おっとアリンの死後しごアリンの谷間たにま摂政せっしょうとなり、ライサは次第しだい正気しょうきうしない、谷間たにま家族かぞく王国おうこく諸事しょじからとおざけようとする。〈おうたたかい〉においては厳正げんせい中立ちゅうりつたもち、あね息子むすこロブ・スタークちちたすけるためにはたぬしあつめておくろうともせず、家臣かしんたちをいらだたせる。次第しだい大胆だいたんかつ危険きけんになる〈やまみん〉の脅威きょういにも対応たいおうしようとしない。その決断けつだんによりティリオン・ラニスターさばきにかけるが、決闘けっとう裁判さいばんゆるしてあねキャトリンから解放かいほうする。ジョフリーおう統治とうちした谷間たにま安全あんぜん保証ほしょうし、平和へいわ回復かいふくするために、〈おうたたかい〉の終結しゅうけつ間近まぢかになって、ピーター・ベイリッシュが派遣はけんされてライサに求婚きゅうこんする。ライサはピーターの求愛きゅうあい熱烈ねつれつ結婚けっこんするが、ピーターがサンサ・スタークにキスをするところをてしまう。ったライサはサンサをとびらからとそうとするが、わりにピーターがライサをとしてころす。ピーターは吟遊詩人ぎんゆうしじんマリリオンを身代みがわりの犯人はんにん仕立したてげる。ライサ・タリーは『ゲーム・オブ・スローンズ』ではケイト・ディッキー英語えいごばんえんじる。

エドミュア・タリー[編集へんしゅう]

Edmure Tully

ホスターだいさんであり、唯一ゆいいつ息子むすこであり、世継よつぎである。エドミュアは誠実せいじつ人物じんぶつであり、ちちからの敬意けいいもとめ、リヴァーランドみんまもりたいとねがう。寛大かんだいしんつが、その決断けつだん軽率けいそつ感情かんじょうてきである。ちち病気びょうきによりリヴァーランドを指揮しきするが、ジェイミー・ラニスターによってとらわれる。おいであるロブによってすくわれ、リヴァーランドの諸家しょかひきいてロブを北部ほくぶおうとして宣言せんげんする。タイウィン・ラニスターぐんからリヴァーランドのみんまもろうとするが、十分じゅうぶん兵力へいりょくたない。ロブのいのちそむいてタイウィンをやぶるが、意図いとせずにラニスターぐん壊滅かいめつさせるロブの計画けいかく台無だいなしにしてしまう。ちち死後しごリヴァーランおおやけとなる。ロブの計画けいかくつぶしたつぐないとして、戦略せんりゃくてき重要じゅうようであるフレイとの関係かんけい修復しゅうふくするため、ロズリン・フレイと結婚けっこんすることを承知しょうちする。だがその婚儀こんぎわなである。エドミュアが新妻にいづま寝室しんしつはいっているあいだ、ボルトンとフレイへいたちがスターク人間にんげん虐殺ぎゃくさつし、きゃく権利けんりかんする古来こらいからの慣習かんしゅうみにじる。エドミュアはフレイによってとらえられ囚人しゅうじんとなるが、エドミュアとロズリンはあいうようになる。フレイはリヴァーランじょう包囲ほういし、エドミュアのくびるとおどして叔父おじブリンデンをおびきそうとする。毎日まいにちエドミュアはくびなわをかけられて絞首こうしゅだいち、叔父おじ降伏ごうぶくしなければるされると宣言せんげんされる。 ジェイミー・ラニスター処刑しょけいめんじ、叔父おじ降伏ごうぶくしなければごもったロズリンをころすとおどし、エドミュアをしろもどす。エドミュアは降伏ごうぶくじょうすが、叔父おじ脱出だっしゅつさせる。落城らくじょう捕虜ほりょとしてキャスタリーロックかう。その家族かぞくラニスター一生いっしょうつかえることになっている。ロズリンは双子ふたごじょうまるが、出産しゅっさんふたたびエドミュアと一緒いっしょになる予定よていである。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではトビアス・メンジーズがエドミュアをえんじる。

ブリンデン・タリー[編集へんしゅう]

Brynden Tully

サー・ブリンデン・タリーはサー・ブリンデン・ブラックフィッシュとしてられ、タリー一員いちいんホスター・タリーおおやけおとうとである。結婚けっこん拒否きょひしたため、あにとは不和ふわである。あるとき、ホスターはブリンデンをいえくろヤギとび、ブリンデンはいえ紋章もんしょうさかなであることをしめし、漆黒しっこくさかなえらび、タリー紋章もんしょうを“ねるくろます”にえてみずからの紋章もんしょうとする。かれめいライサ・タリージョン・アリンおおやけ結婚けっこんしたときアリンの谷間たにままで随行ずいこうする。かれはジョン・アリンこうによって、〈もん騎士きし〉の称号しょうごうあたえられ、たにまる。アリンが〈おうたたかい〉で中立ちゅうりつたもったときたにっておいロブ・スタークぐんくわわる。ロブのぐん重要じゅうよう一員いちいんとなり、おおくの勝利しょうりたすける。ロブがもう一人ひとりおいであるエドミュア・タリー婚儀こんぎ出席しゅっせきするために双子ふたごじょうかったときには、リヴァーランしろまもる。ロブの死後しごは、ブリンデンがリヴァーランをまもり、ラニスターフレイ包囲ほういされる。エドミュア・タリーはリヴァーランをジェイミー・ラニスターすが、ブリンデンがしろ脱出だっしゅつすることをたすける。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではクライヴ・ラッセルがブリンデンをえんじる。

タリーはたぬし[編集へんしゅう]

バラシオン[編集へんしゅう]

House Baratheon

バラシオンたてがた紋章もんしょう

バラシオンなな王国おうこくしょ名家めいかなかもっとあたらしいいえであり、 ストームランドさい上位じょうい貴族きぞくである。バラシオンターガリエン王朝おうちょう創始そうししたエイゴン・ターガリエン1せい私生児しせいじ兄弟きょうだいであるオリス・バラシオンにはじまる家系かけいである。オリスは最後さいごの〈あらしおう〉をたおし、そのむすめつまとし、バラシオン創始そうしする。本拠地ほんきょちストームズエンドであり、包囲ほういにもあらしにもくっしたことするはない。紋章もんしょう金色きんいろ王冠おうかんをかぶったくろ牡鹿おじかであり、標語ひょうごは“氏神うじがみ復讐ふくしゅう女神めがみ”である。

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でえがかれる〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉では、くろそうのレイニス・ターガリエンのはは実家じっかでありながら、敵対てきたいするみどりそうにつく。

こおりほのおうた』および『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの15ねんまえに、ロバート・バラシオンリアナ・スターク失踪しっそう抗議こうぎして、ターガリエンたいして反乱はんらんこす。バラシオンは、スタークタリーアリン、そして最終さいしゅうてきにはラニスターたすけをて、〈てつ玉座ぎょくざ〉とドラゴンストーン諸島しょとうれる。ロバートのおとうとレンリー・バラシオンは、スタニス・バラシオンくはずのストームズエンドをあたえられ、そのわりスタニスにはまずしいドラゴンストーンがあたえられ、これはロバートとスタニスのあいだ緊張きんちょうみなもととなる。ロバートはサーセイ・ラニスター結婚けっこんして、ジョフリーミアセラトメンの3にんをもうけたが、その父親ちちおやじつはサーセイの双子ふたごおとうとであるジェイミー・ラニスターである。ロバートの死後しご、ジョフリーがおうとなる。

ジョフリーの出自しゅつじ理由りゆうとして、スタニスとレンリーは反乱はんらんをおこし、王位おうい要求ようきゅうする。レンリーは本家ほんけである“ストームズエンドのバラシオン”の当主とうしゅとなり、スタニスは“ドラゴンストーンのバラシオン”として分家ぶんけ創設そうせつする。ジョフリーの戴冠たいかんのち、ジョフリーの個人こじん紋章もんしょうはバラシオンのくろかね牡鹿おじかとラニスターのあかかね獅子ししわせたものとなる。レンリーは金地きんじくろ牡鹿おしか紋章もんしょう使つかつづけたが、スタニスは黄色おうしょくあかえる心臓しんぞう王冠おうかんいただ牡鹿おしか紋章もんしょうもちいる。

バラシオン系図けいず[編集へんしゅう]

不明ふめい
 
エイゴンせい
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レイル・
ターガリエン
故人こじん
 
オルムンド
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ステッフォン
故人こじん
 
カッサナ・
エスターモント
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
愛人あいじんたち
 
ロバート1せい
 
サーセイ・
ラニスター
 
ジェイミー・
ラニスター
 
スタニス
 
セリース・
フロレント
 
レンリー
 
マージェリー・
タイレル
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ミア・
ストーン
 
 
 
 
 
 
ジョフリー1せい
 
 
 
シリーン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エドリック・
ストーム
 
 
 
 
 
 
ミアセラ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジェンドリー
 
 
 
 
 
 
トメン1せい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私生児しせいじたち
 

ロバート・バラシオン[編集へんしゅう]

Robert Baratheon

シリーズの開始かいし、ロバート・バラシオンは15年間ねんかんなな王国おうこくおうである。わかころおそれるべき戦士せんしであったが、いまりとおんなあそびとさけきな、あごひげやしたふとったおとことしてえがかれている。

ロバートは北部ほくぶエダード・スタークともこうじょう里子さとごとしてそだつ。二人ふたり兄弟きょうだいのようであり、また後見人こうけんにんであるジョン・アリンおおやけともしたしくなる。だが兄弟きょうだいスタニス・バラシオンレンリー・バラシオンとはなかくない。のちにロバートは、とおくから恋焦こいこがれていた、ネッドのいもうとリアナ・スターク婚約こんやくしゃとなる。レイガー・ターガリエンがリアナと姿すがたしたとき、ロバートは激怒げきどする。リアナのあにブランドン・スタークはリアナを救出きゅうしゅつするためキングズランディングうまはしらせるが、エイリスおうとらえられ処刑しょけいされる。その、エイリスおうはジョン・アリンにロバートとエダード・スタークのくびすようめいじる。ロバート、エダード、そしてジョンはエイリスおう反抗はんこうしてがり、かくして〈ロバートの反乱はんらん〉、別名べつめい簒奪さんだつしゃ戦争せんそう〉がはじまる。ロバートは戦争せんそうち、みずからトライデントかわでレイガーをころし、おうとなるが、リアナもぬ。そのロバートはリアナのおもいだつづけ、ターガリエン全体ぜんたいたいし、とくにレイガーにたいふか憎悪ぞうおいだくようになる。

ロバートはラニスター忠誠ちゅうせい確実かくじつにするため、サーセイ・ラニスター結婚けっこんする。3にんをもうけるが、その父親ちちおやじつはサーセイの双子ふたごおとうとジェイミー・ラニスターである。ロバートはみずからのたねだとしんじてはいるが、にかまうことはない。ロバートはジョン・アリンを〈おう〉に任命にんめいし、王国おうこく統治とうちをほとんどアリンにまかせる。うたげ馬上もうえ試合しあいこのみ、エイリスおうのこした膨大ぼうだいとみ無駄遣むだづかいして、とうとう王室おうしつおおきな借財しゃくざい背負せおうこととなる。ロバートはりの最中さいちゅう野生やせいいのししによってころされ、王国おうこく分裂ぶんれつする。したがえであったランセル・ラニスターがワインをいつもよりつよいものにしたため、いのししかったときにはいがまわりすぎていたためである。

ロバート・バラシオンは、『ゲーム・オブ・スローンズ』においてマーク・アディえんじる。

サーセイ・バラシオン[編集へんしゅう]

サーセイ・ラニスター参照さんしょう

ジョフリー・バラシオン[編集へんしゅう]

Joffrey Baratheon

ジョフリーのたてがた紋章もんしょう

ジョフリー・バラシオンはバラシオン王家おうけの3にんのうちの最年長さいねんちょうであり、ロバート世継よつぎである。シリーズの当初とうしょにおいては12さいである。ジョフリーは意思いしつよいが意地いじわるく、サディストてき衝動しょうどうおさえることが出来できない。ラニスターらしく、ジョフリーはたかく、ブロンドでハンサムである。ロバートの息子むすことしてそだてられはしたが、じつジェイミー・ラニスターちちとする。ロバートはジョフリーのちちだれなのかうたがったことはないが、ジョフリーをあいしたこともしたしみをったこともない。

ジョン・アリン死後しごおう家族かぞくともにジョフリーはウィンターフェルたびをする。そので、ジョフリーは婚約こんやくしゃとなったエダードのむすめサンサ・スターク求愛きゅうあいはじめる。おさなげきしやすいアリア・スタークとの事件じけんのち洗練せんれんされたマナーのかげからジョフリーの本性ほんしょうはじめ、アリアはかれにくむようになる。ブラン刺客しかくおくったのもジョフリーであることがのちあきらかになる。

おう〉となったエダード・スタークは、ジョフリーとそのおとうといもうとが、じつはサーセイとそのおとうとジェイミーの近親きんしん相姦そうかんによってまれたことをる。秘密ひみつまもるため、サーセイはロバートのはかり、エダードを逮捕たいほする。わかいジョフリーがロバートの世継よつぎとして〈てつ玉座ぎょくざ〉につく。サンサが嘆願たんがんしたため、エダードの死刑しけいめんじて追放ついほう約束やくそくするが、これをまもらずにサンサのまえでエダードを公開こうかい斬首ざんしゅさせる。この行動こうどうが、ウェスタロスを〈おうたたかい〉におおきなひきがねとなる。

ジョフリーはまぐれにくにおさめ、助言じょげんしゃたちを無視むしする。しんじられないくらい残虐ざんぎゃくだが臆病おくびょうで、抵抗ていこうできないものをさいなんでよろこぶが、けんかれたところをただけでおびえる。ぜん宮廷きゅうていまえでしばしば護衛ごえいにサンサをなぐらせてよろこび、いちふくをはぎってはだかにしようとまでするが、叔父おじのティリオンにさまたげられる。戦争せんそうからの避難ひなんみんしろもんにやってきてパンをもとめたときなどは、パンあつかいをされた侮辱ぶじょくり、何人なんにんかのあたまをクロスボウで射抜いぬく。動物どうぶつたいしても残酷ざんこくであり、はらうちるだけのためにはらんだおとうとねこ解剖かいぼうする。またおとうとトメンいもうとミアセラいじめていたことも示唆しさされている。〈おう〉として、叔父おじティリオンだけがジョフリーにかい、ジョフリーからけられる憎悪ぞうおには軽蔑けいべつおうじる。残酷ざんこくさゆえに不人気ふにんきであり、暴動ぼうどうころされそうにもなる。

ジョフリーはおうとうぐんそう大将たいしょうとして、スタニス・バラシオン海軍かいぐんたいする〈ブラックウォーターのたたかい〉に参加さんかする。ティリオンにひきいられた陸軍りくぐんは〈ほのおもと〉をもちいて侵略しんりゃくぐんをブラックウォーターかわ入江いりえはげしく抵抗ていこうするが、戦況せんきょうはジョフリーおう不利ふり展開てんかいする。このときははふとしきさきはジョフリーを安全あんぜんな〈あか王城おうじょう〉にもどし、おうとうぐん士気しきはさらにがることになる。ジョフリーのおりの護衛ごえいであるサンダー・クレゲインすらも戦場せんじょうからす。敗北はいぼくせまったとき、ジョフリーの祖父そふであるタイウィン・ラニスター待望たいぼう援軍えんぐんとも到着とうちゃくする。タイレル援軍えんぐんて、おうとうぐんはスタニスの反乱はんらんぐん前衛ぜんえい打撃だげきあたえ、日和見ひよりみをしていた軍勢ぐんぜいはスタニスを裏切うらぎり、その矛先ほこさきてんじる。スタニスとのこりのわずかな軍勢ぐんぜい退却たいきゃくし、ジョフリーおうぐん勝利しょうりしゃとなる。

ジョフリーおう廃位はいい危機ききまぬかれてすぐに、タイウィンはジョフリーの〈おう〉となる。サンサの婚約こんやく破棄はきされ、ジョフリーはレンリー未亡人みぼうじんである マージェリー・タイレル婚約こんやくする。そしてそのあにであるサー・ロラスを〈おうたて〉にまねれる。一方いっぽうでジョフリーはサンサをいまわしつづけ、愛人あいじんにすることをほのめかす。ティリオンへの長年ながねん敵意てきい婚儀こんぎ表面ひょうめんし、あつまった賓客ひんきゃくまえなんもティリオンにはじをかかせる。

婚儀こんぎうたげで、ティリオンとのはげしい口論こうろん途中とちゅうにジョフリーはどくられぬ。最後さいごにはくるおしくのどをかきむしりはは絶望ぜつぼうてき視線しせんける。ティリオンは犯人はんにんとして告発こくはつされるが、あにジェイミーたすけで逃亡とうぼうする。

ジョフリーの暗殺あんさつには、オレナ・レッドワインリトルフィンガーからんでいる。マージェリー自身じしん計画けいかくっていたことがほのめかされている。ジョフリーののちおとうとのトメンおうぐ。ジョフリーはいちなな王国おうこくのすべてを支配しはいしたことはない。〈ブラックウォーターのたたかい〉や〈釁られた婚儀こんぎ〉のあとのみじかあいだでさえ、てつ諸島しょとう北部ほくぶリヴァーランド、そしてストームランドはジョフリーの統治とうちふくしたことはない。

ジョフリー・バラシオンは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ジャック・グリーソンえんじる。

ミアセラ・バラシオン[編集へんしゅう]

Myrcella Baratheon

ミアセラ・バラシオンはバラシオン王家おうけ番目ばんめで、繊細せんさいうつくしく好奇心こうきしんつよおんなである。年齢ねんれいわりには、勇気ゆうきつよ意志いしたか知性ちせい垣間見かいまみせる。シリーズの当初とうしょは8さいである。

ミアセラは〈おうたたかい〉のあいだマーテルジョフリーへの支持しじ確実かくじつとするために、ドーンおくられる。ミアセラはプリンス・トリスタン・マーテル婚約こんやくし、いずれは結婚けっこんすることになっている。あらゆる報告ほうこくによれば二人ふたりなか様子ようすである。アリアン(アリアンヌ)・マーテルは、ドーンのほうもとづき、ジョフリーの死後しごミアセラをなな王国おうこく女王じょおうにしようとたくらむが失敗しっぱいする。混乱こんらんなかで、〈暗黒あんこくぼし〉サー・ジェラルド・デインはミアセラをころそうとし、かおりつける。ミアセラはびるが、片方かたがたみみうしない、かおにひどいきずう。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、シーズン1、2ではAimee Richardsonが、シーズン5ではネル・タイガー・フリーえんじる。

トメン・バラシオン[編集へんしゅう]

Tommen Baratheon

バラシオン王家おうけで、トメンはシリーズ当初とうしょ7さいである。そのぽっちゃりとした体型たいけいやさしい気質きしつ、そして意志いしよわいところは、あにジョフリー社会しゃかいびょうしつてき性格せいかく対照たいしょうてきである。ジョフリーの死後しご戴冠たいかんされ、そのわか未亡人みぼうじんマージェリー結婚けっこんする。おとなしいではあるが、ははサーセイきんじたことはなんでもやりたがり、王国おうこくよりも子猫こねこやゲームに興味きょうみがある。トメンはつまはは両方りょうほう従順じゅうじゅんだが、すぐにマージェリーの影響えいきょうけて、母親ははおや命令めいれい抵抗ていこうするようになる。サーセイが逮捕たいほされたのちは、助言じょげんしゃたちがまえいた書類しょるいなんでも署名しょめいつづける。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、だい1、2シーズンではCallum Wharry、だい4シーズン以降いこうではディーン=チャールズ・チャップマンえんじる。

スタニス・バラシオン[編集へんしゅう]

Stannis Baratheon

スタニスのたてがた紋章もんしょう

スタニスはロバートおとうとであり、レンリーあにであり、ドラゴンストーンおおやけであり、ロバートの〈しょう評議ひょうぎかい〉の海軍かいぐん大臣だいじんである。きびしくるぎない正義せいぎかんられる、ユーモアにけたつめたいおとこである。その頑固がんこさと決断けつだんりょく有名ゆうめいである。かれ有能ゆうのう海軍かいぐん指揮しきかんでもある。そのつまは、 タイレル忠誠ちゅうせいちかう、強力きょうりょくなフロレントのレディ・セリーズである。一人娘ひとりむすめシリーンは〈はいうろこびょう〉におかされている。

物語ものがたりの15ねんまえに、スタニスは〈ロバートの反乱はんらん〉にくわわり、ストームズエンド籠城ろうじょうして兵糧ひょうろうめにあうが、ダヴォス・シーワースひそかにはこんだ食糧しょくりょうによってすくわれる。その、スタニスはドラゴンストーン陥落かんらくさせる。だがロバートはスタニスの武功ぶこうみとめず、まずしいドラゴンストーンをスタニスにあたえ、バラシオン本拠地ほんきょちゆたかなストームズエンドはレンリーにあたえる。

サーセイの近親きんしん相姦そうかんり、ジョン・アリンんだのち、スタニスはおうの〈しょう評議ひょうぎかい〉をり、ドラゴンストーンにもどり、当地とうち戦力せんりょくあつめる。つまもとめにおうじて、魔術まじゅつル=ロール(ルラー)のおんな祭司さいしであるメリサンドル助言じょげんしゃとする。メリサンドルは、スタニスが、ル=ロールの宗教しゅうきょうにおける救世主きゅうせいしゅのような存在そんざいであり、まれわってル=ロールと〈異形いぎょう〉のたたかいをわらせる“アゾル・アハイ”(“エイゾール・アハイ”)であるとう。ロバートのさいし、その世継よつぎとして〈てつ玉座ぎょくざ〉をもとめるが、バラシオンのはたぬしたちのほとんどは、カリスマせいのあるおとうとレンリーにしたがう。メリサンドルは魔術まじゅつ使つかってなぞかげとし、レンリーを暗殺あんさつさせる。

こののち、スタニスはおとうと軍勢ぐんぜいのほとんどをとりこんだが、タイレルこばみ、最終さいしゅうてきにはラニスター同盟どうめいしてしまう。ぐんをまとめて、スタニスはキングズランディング陸海りくかいからの攻撃こうげき仕掛しかけるがやぶれ、ドラゴンストーンにかえる。メリサンドルはスタニスにロバートおう私生児しせいじであるエドリック・ストームを犠牲ぎせいにして、ドラゴン復活ふっかつさせる魔術まじゅつ儀式ぎしきおこなうことをもとめる。だがスタニスの助言じょげんしゃであるダヴォス・シーワースはエドリックをがし、のこりの軍勢ぐんぜいきたおくってかべまもるようにもとめる。スタニスはこれをれ、〈くろしろたたかい〉において〈野人やじん〉が攻撃こうげきする最中さいちゅうに〈かべ〉に到着とうちゃくし、〈野人やじん〉の軍勢ぐんぜい粉砕ふんさいする。スタニスは〈かべ〉に滞在たいざいし、〈異形いぎょう〉からのがれようとする〈野人やじん〉を〈かべ〉のみなみ移住いじゅうさせようとする。スタニスはきた山岳さんがく地方ちほうみん援軍えんぐんて〈深林しんりんしょうおかじょう〉(ディープウッド・モット)をめてアシャ・グレイジョイとらえ、北部ほくぶ有力ゆうりょくいえグローヴァーとモーモント援軍えんぐんる。さらにカースターク軍勢ぐんぜい参加さんかする。ボルトンからウィンターフェルもどすためにかうが、その軍勢ぐんぜい豪雪ごうせつのためにしろから3にち距離きょりのところで往生おうじょうする。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではスティーヴン・ディレインえんじる。

レンリー・バラシオン[編集へんしゅう]

Renly Baratheon

ロバートスタニスおとうとであり、ストームズエンドおおやけである。ハンサムでカリスマせいのある人物じんぶつで、さくにだれとも友達ともだちになるが、軽薄けいはくであるとひともいる。

ロバートおうは、年長ねんちょうであるスタニスに優先ゆうせんけんがあるにもかかわらず、バラシオンのストームズエンドの権利けんりをレンリーにあたえる。ストームズエンドの領地りょうちはスタニスのドラゴンストーンよりもはるかにおおきくゆたかであるため、レンリーのほうがスタニスよりもおおきな勢力せいりょくる。ロバートのしょう評議ひょうぎかい法務大臣ほうむだいじんとなるために、レンリーはキングズランディングばれることになる。

ロバートがゆかにあるとき、レンリーはエダード・スタークあゆって、サーセイ・ラニスターことこすまえに〈てつ玉座ぎょくざ〉をにん支配しはいにおくようちかける。スタニスが正当せいとう世継よつぎだとしんじてエダードがこれを拒否きょひしたため、レンリーはおうる。ロバートの死後しご、レンリーはみずかおう名乗なのる。あにスタニスの権利けんりのほうがつよいにもかかわらず、おおくのはたぬし支持しじる。レンリーはまた、マージェリーとの結婚けっこんによってタイレル支持しじる。

レンリーはちあがるべきときち、南部なんぶ緩慢かんまんうごいて支持しじ兵士へいしたちを獲得かくとくする。ラニスタースタークがつぶしあいだかれ馬上もうえ試合しあいさえひらいてときつ。だがあにスタニスがかれかって行軍こうぐんしてたため、レンリーの計画けいかくはほころびをせる。あにぐんとのたたかいを準備じゅんびしているあいだ、レンリーはスタニスにた、うごかげによって、なぞめいた暗殺あんさつう。

レンリー・バラシオンは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてゲシン・アンソニー英語えいごばんえんじる。ドラマシリーズでは、レンリーがロラス・タイレル同性愛どうせいあい関係かんけいにあったことを明白めいはくえがいている。これは、小説しょうせつではたん示唆しさされていただけである。

エドリック・ストーム[編集へんしゅう]

Edric Storm

ロバートおう認知にんちした私生児しせいじであり、ストームズエンド叔父おじレンリーのもとでそだてられる。もう一人ひとり叔父おじスタニスがストームズエンドをとしたさいドラゴンストーンれてかれる。メリサンドルル=ロール儀式ぎしき犠牲ぎせいにしようとするが、ダヴォス・シーワースによって脱出だっしゅつさせられ、護衛ごえい騎士きしとともに自由じゆう都市としライスかくれる。『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうせず、メリサンドル儀式ぎしき犠牲ぎせいにしようとするのはジェンドリーである。

ジェンドリー[編集へんしゅう]

Gendry

武具ぶぐ職人しょくにん見習みならいであり、ロバートおう私生児しせいじであるが本人ほんにんはそのことをらない。ロバートおう死後しごおう私生児しせいじりをのがれてアリア・スタークやホットパイらとともにヨーレンひきいられてかべかうが、ラニスター家臣かしんエイモリー・ローチ〈ハレンのきょじょうとらえられる。そのルース・ボルトン支配しはいうつるが、アリアらととも脱出だっしゅつする。いちぎょうベリック・ドンダリオンひきいる〈旗標はたじるしなき兄弟きょうだいだん〉にとらえられるが、ジェンドリーはみずからの意思いし兄弟きょうだいだんにとどまる。

ゲーム・オブ・スローンズ』ではジョー・デンプシーえんじる。ドラマシリーズでは兄弟きょうだいだんによってメリサンドルられ、ドラゴンストーンらわれて生贄いけにえにされそうになるがダヴォス・シーワース脱出だっしゅつさせられて、原作げんさくでのエドリック役割やくわり一部いちぶになう。

てつ王座おうざ家来けらい[編集へんしゅう]

バラシオンはたぬし[編集へんしゅう]

スタニス・バラシオンの協力きょうりょくしゃはたぬしおよび家来けらい[編集へんしゅう]

マーテル[編集へんしゅう]

House Martel

マーテルたてがた紋章もんしょう

マーテルドーン支配しはいするいえである。その本拠地ほんきょちはサンスピアである。紋章もんしょうかねやりつらぬかれたあか太陽たいよう標語ひょうごは“れぬ、げぬ、まつろわぬ” (“不屈ふくつ不撓ふとう不壊ふえ”)である。

かつて、ドーンは小国しょうこく連合体れんごうたいであり、マーテル領主りょうしゅひとつにぎない。モース・マーテルこうはロインじん(ローインじん)の伝説でんせつてき戦士せんし女王じょおうナイメリアと結婚けっこんし、二人ふたり共同きょうどう統治とうちしたぜんドーンを統一とういつし、マーテル過去かこせん年間ねんかんにわたって君臨くんりんする。マーテルは、両性りょうせい平等びょうどう長子ちょうし相続そうぞく制度せいどや、統治とうちしゃを“プリンス”とぶなど、ロインじん習慣しゅうかんたもつ。マーテルターガリエン統治とうち対抗たいこうし、デイロン・ターガリエンせいがミリア・マーテルと結婚けっこんしてようやく臣従しんじゅうする。シリーズの15ねんまえの〈ロバートの反乱はんらん〉では、マーテルはターガリエン支持しじして反乱はんらんぐんたたかう。エリア・マーテルとそのらは反乱はんらんなかころされ、兄弟きょうだいドーラン(ドラン)とオベリン復讐ふくしゅうちかう。

マーテル系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
不明ふめい
 
 
 
不明ふめい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ドーラン
 
メラリオ
 
エリア
故人こじん
 
レイガー・
ターガリエン
故人こじん
 
愛人あいじんたち
 
オベリン
 
エラリア・サンド
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アリアン
 
 
 
 
 
 
エイゴン・
ターガリエン
故人こじん
 
 
 
 
 
 
オバラ
 
 
エリア
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クェンティン
 
 
 
 
 
 
レイニス・
ターガリエン
故人こじん
 
 
 
 
 
 
ナイメリア
 
 
オベラ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
トリスタン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイエニー
 
 
ドリア
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スラレア
 
 
ロリザ
 
 

ドーラン・マーテル[編集へんしゅう]

Doran Martel

ドーンのプリンス、サンスピアこうにして、アリアンクェンティントリスタンちちである。50だいで、おも痛風つうふうのためほとんどあるくこともできず、普段ふだん車椅子くるまいすすわりきりである。ほとんどの時間じかんを、マーテルなつみや殿どのであるウォーターガーデンズで、子供こどもたちがあそぶところをながめてごす。てき自分じぶんよわみをられるのをけるため、平民へいみん姿すがたせることをけ、信頼しんらいする人間にんげんとだけう。親族しんぞくふくむドーンじんだい部分ぶぶんとはちがい、プリンス・ドーランは慎重しんちょう思慮しりょふか人間にんげんであり、感情かんじょうひょうすことをしない。このために、ドーランはウェスタロスほか大公たいこうたちからは危険きけん人物じんぶつであるとおもわれながらも、家族かぞくからはよわ人間にんげんであるとおもわれている。

ドーランのつまメラリオはノーヴォス出身しゅっしんであり、ドーランがエッソスたびしたとき出会であい、ドーンにかえる。だがメラリオは、ドーンの文化ぶんか馴染なじめず、3にんをなしたのちノーヴォスにかえる。

おうたたかい〉の当初とうしょ、ドーランはジョフリー・バラシオンおう忠誠ちゅうせいちかうことを拒否きょひし、レンリー・バラシオン支持しじすることをかんがえる。しかし、ティリオン・ラニスターミアセラ・バラシオンおくってドーランの息子むすこトリスタンと婚約こんやくさせ、ドーランのいもうとエリアの殺人さつじんさばきにかけ、〈しょう評議ひょうぎかい〉のせきをドーランにあたえることで、支持しじることに成功せいこうする。ドーランは自分じぶんわりにおとうとオベリンおくりこむ。オベリンがキングズランディングんだとき、ドーランは復讐ふくしゅうのために戦争せんそうもとめるこえ拒否きょひし、サンスピアにもどって、いまだに権力けんりょくにぎっていることを人々ひとびとせつける。すなへび (〈すなへびたち〉)とばれるオベリンのむすめたちは戦争せんそうもとめるが、平和へいわ維持いじするために拘束こうそくされる。ミアセラをなな王国おうこく女王じょおう擁立ようりつしようとするむすめアリアンのこころみをたたつぶしたのち、ドーランは、いもうとエリア惨殺ざんさつ復讐ふくしゅうのため、タイウィン・ラニスターおおやけ破滅はめつ計画けいかくしてたこと、そしてターガリエンとの同盟どうめい意図いとしていることをアリアンに告白こくはくする。〈しょう評議ひょうぎかい〉のせきふたたびドーランに提供ていきょうされ、トリスタンはキングズランディング招待しょうたいされる。だがドーランはこれがトリスタンをころせであることをっており、自分じぶんわりに〈すなへび〉の一人ひとりおくす。のち艦隊かんたいがウェスタロスを目指めざしていることをり、ぐん準備じゅんびをする。

ゲーム・オブ・スローンズ』ではアレクサンダー・シディグえんじる。

アリアン・マーテル[編集へんしゅう]

Arianne Martel

視点してん人物じんぶつであり、ドーランとメラリアのだい一子いっし長女ちょうじょ。ロインじんほうしたがって、アリアンはサンスピアとドーン統治とうち予定よていである。アリアンはうつくしく、オリおりブ色ぶいろはだおおきなくらひとみ、そしてあでやかなくろかみをしている。うつくしく高貴こうきまれであるにもかかわらず、父親ちちおやんだ縁談えんだん相手あいて見下みくだしてたため、アリアンは23さいにして未婚みこんである。アリアンは計算けいさんたかく、冒険ぼうけんきで勇敢ゆうかんである。従姉妹いとこであるすなへびたちとしたしい。アリアンは父親ちちおやとその統治とうち手法しゅほうながいこと不満ふまんっており、父親ちちおやよわ優柔不断ゆうじゅうふだん人間にんげんであるとおもっている。サンスピアの世継よつぎとして、父親ちちおやがウォーターガーデンズにかけて不在ふざいおりにはドーンの名目めいもくじょう統治とうちゆるされる。ジョフリー・バラシオン死後しご、ドーンのほうではミアセラ・バラシオン世継よつぎとなるため、ミアセラを王位おういにつけようとたくらむ。アリアンは、アリス・オークハート誘惑ゆうわくし、アリスが独身どくしんちかいをてているにもかかわらず、ミアセラににん結婚けっこんゆるしてもらうつもりだとはなす。叔父おじオベリン復讐ふくしゅうのため、ミアセラの戴冠たいかん戦争せんそうにつながるとってのことである。計画けいかく失敗しっぱいし、ミアセラはひどきずう。アリアンはちち自分じぶん世継よつぎにしないつもりであるとしんじていると、ちち直言ちょくげんする。だがドーランは、ラニスターたいする精妙せいみょう復讐ふくしゅう計画けいかく一部いちぶとして、かつてはアリアンをターガリエン正統せいとう世継よつぎであるヴィセーリス・ターガリエンひそかに結婚けっこんさせるつもりであったと告白こくはくする。侮辱ぶじょくともおもわれた縁談えんだん相手あいては、アリアンがれないことをりながらわざとえらんだものであったとう。 『ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

クェンティン・マーテル[編集へんしゅう]

Quentyn Martel

クェンティン・マーテルはドーラン・マーテルだい二子ふたご長男ちょうなんであるが、ドーンほうにより世継よつぎではない。かしこ真面目まじめ義務ぎむかんにあふれてはいるがハンサムではない。あねアリアンは、クェンティンがちちによってせまうみこうがわおくりこまれたことっており、自分じぶんぐはずのドーンの王座おうざねらっているとしんじている。ドーランはクェンティンがドーンにいるといううそひろめている。クェンティンのしん使命しめいは、エリアエイゴン、レイニス、そしてオベリンのために正義せいぎをもたらすことだと、ドーランはアリアンにらす。

クェンティンがデナーリス・ターガリエン結婚けっこんしてドーンにかえろうとしていたことがあきらかとなる。だがそのいちぎょうは、デナーリスがおさめるミーリーンふねつけられない。やむを偽名ぎめい使つかい、ミーリーンを攻撃こうげきする傭兵ようへい軍団ぐんだんふうらい〉にくわわる。隊長たいちょうの〈襤褸らんる貴公子きこうし〉は、いずれのがわとうとも軍団ぐんだん勝利しょうりしゃとなるよう、クェンティンのいちぎょうがデナーリスに味方みかたするようにたのむ。すでに婚約こんやくしているデナーリスのまえあらわれ、クェンティンは正体しょうたいかす。 ヴィセーリス・ターガリエンアリアン・マーテル結婚けっこんやくした秘密ひみつ文書ぶんしょせ、ヴィセーリスがんだため、クェンティンがデナーリスのおっととなることをもうる。デナーリスは礼儀れいぎただしく辞退じたい帰郷ききょううながすが、二人ふたりおっと必要ひつようとなるかもしれないため、ドーンにはまだのぞみがあるともう。空手からてもどることをのぞまず、クェンティンはドラゴンをいちとうぬすもうとするが、ひど火傷かしょうさんにちぬ。

ゲーム・オブ・スローンズ』には登場とうじょうしない。

トリスタン・マーテル[編集へんしゅう]

アリアンおよびクェンティンおとうとプリンセス・ミアセラ婚約こんやくしている。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではトビー・セバスチャン英語えいごばんえんじる。

オベリン・マーテル[編集へんしゅう]

Oberyn Martell

オベリンはドーランすえおとうとである。かれおそれるべき戦士せんしであり、武器ぶきどくるとうわさのために〈あか毒蛇どくへび〉とばれる。オベリンは回転かいてんはやいウィットとするど舌鋒ぜっぽうそなえた、力強ちからづよ活気かっきにあふれたおとこである。オベリンは世界中せかいじゅうたびし、みずからの傭兵ようへいだんつくり、メイスターを訓練くんれんする〈知識ちしきしろ〉でまなんだことさえある。 すなへびばれる8にん私生児しせいじむすめがあり、そのうち4にん現在げんざい愛人あいじんであるエラリア・サンドとのあいだにもうけている。あねエリアきわめてしたしく、〈キングズランディング略奪りゃくだつ〉のあいだラニスター家臣かしんグレガー・クレゲインがエリアをころしたとき復讐ふくしゅうちかう。

オベリンは、ティリオン・ラニスター約束やくそくしたがい、あに代理だいりとして、〈しょう評議ひょうぎかい〉のせきめ、あねエリアの殺人さつじんさばくために、キングズランディングにかう。ティリオンがジョフリー殺人さつじん告発こくはつされたため、さばきは却下きゃっかされる。相手あいてあねころしたグレガー・クレゲインになることをり、決闘けっとう裁判さいばんでティリオンの擁護ようごしゃとなることをもうる。オベリンはクレゲインの長引ながびかせて、殺人さつじん自白じはくそうとし、どくったやりでクレゲインをたおす。だがオベリンはクレゲインがよわったことを過信かしんしてちかづきぎ、これがあやまちとなる。クレゲインは頭蓋骨ずがいこつつぶしてオベリンをころす。だがクレゲインはやりどくによりなが苦痛くつうちたむかえ、オベリンの復讐ふくしゅうる。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではペドロ・パスカルえんじる。

すなへび[編集へんしゅう]

Sand Snakes

オベリンの8にん私生児しせいじむすめたちは、父親ちちおやのあだあか毒蛇どくへび〉から、まとめて〈すなへび〉とばれる。としじゅんに、オバラ、ナイメリア、タイエニー(ティエネ)、スラレア、エリア、オベラ、ドリア、ロリザである。したの4にんはオベリンの愛人あいじんエラリア・サンドむすめである。年長ねんちょうの3にんの〈すなへび〉は、従姉じゅうしであるアリアンの仲間なかまであり親友しんゆうである。オバラは武術ぶじゅつすぐれた戦士せんしである。ナイメリアは上品じょうひん美女びじょであるが、オバラ同様どうようおそれるべき戦士せんしであるとされる。タイエニーは薬草やくそうどくわざすぐれる。スラレアは19さいにしてふね船長せんちょうであり、好奇心こうきしんちた女性じょせいである。父親ちちおや死後しご、〈すなへび〉の年長ねんちょうのオバラ、ナイメリア、タイエニーは報復ほうふくのために開戦かいせんするよう伯父おじプリンス・ドーラン圧力あつりょくをかけ、ドーン民衆みんしゅう扇動せんどうする種々しゅじゅ計画けいかく参加さんかはじめる。プリンス・ドーランは3にんをサンスピアじょうとう独房どくぼうめるが、オールドタウンにいたスラレアだけは幽閉ゆうへいまぬかれる。年少ねんしょうの4にんは、陰謀いんぼうまれることをけるため、母親ははおやともにウォーターガーデンに隔離かくりされる。『ゲーム・オブ・スローンズ』では、オバラはケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ナイメリアはジェシカ・ヘンウィック、タイエニーはロザベル・ラウレンティ・セラーズ英語えいごばんえんじる。

エリア・マーテル[編集へんしゅう]

Elia Martel

ドーランいもうとであるエリアはおとうとオベリンきわめて親密しんみつである。エリアは、ドラゴンストーンのプリンスで〈てつ玉座ぎょくざ〉の世継よつぎであったレイガー・ターガリエン結婚けっこんし、二人ふたりをもうける。むすめのレイニスと息子むすこエイゴンである。

ロバートの反乱はんらん〉のあいだドーン忠誠ちゅうせい確保かくほするために、エリアと子供こどもたちは人質ひとじちとして〈あか王城おうじょう〉にめられる。〈キングズランディング略奪りゃくだつ〉のとき、〈あか王城おうじょう〉は略奪りゃくだつされ、グレガー・クレゲインおさないエイゴンをエリアのまえころしたとされ、つぎ彼女かのじょ暴行ぼうこうしてころす。むすめのレイニスはさけびながらちちレイガーのベッドのしたからきずりされ、サー・エイモリー・ローチによってきされてぬ。だがのちに、ころされたおとこ身代みがわりであり、エイゴンはびたことがあきらかになる。ラニスターはたおもであるローチとクレゲインが、タイウィン・ラニスターいのちで、おう子供こどもたちをころしたのであるとしんじられる。オベリンは、エイリスおうサーセイでなくエリアをレイガーと結婚けっこんさせたことをうらんで、タイウィンが復讐ふくしゅうのためにエリアをころさせたのだとしんじている。

マーテルはたぬしおよび家来けらい[編集へんしゅう]

ラニスター[編集へんしゅう]

House Lannister

ラニスターたてがた紋章もんしょう

ラニスター西部せいぶ(ウェスターランド)のさい上位じょうい貴族きぞくである。その本拠地ほんきょちキャスタリーロックであるが、ラニスポートに分家ぶんけがある。紋章もんしょう深紅しんく黄金おうごんライオン標語ひょうごは"け、わが咆哮ほうこうを!"である。 しかし、非公式ひこうしき標語ひょうごである“ラニスターはつねりをかえす”のほうが有名ゆうめいである。

ターガリエンの侵略しんりゃくまで、ラニスターいわ王国おうこくおうとして君臨くんりんする。ラニスター一時期いちじきおとろえたが、タイウィン・ラニスターによって栄光えいこうもどす。ラニスターは、おおくの金鉱きんこう領地りょうちかかえ、なな王国おうこくもっとゆたかないえである。

ほのお』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でえがかれる〈双竜そうりゅう舞踏ぶとう〉では、みどりそうにつく。

こおりほのおうた』および『ゲーム・オブ・スローンズ』の以前いぜんに、エイリス・ターガリエンせい息子むすこジェイミー・ラニスターを〈おうたて〉に任命にんめいしたとき、タイウィン・ラニスターは世継よつぎをうばわれたかたちになる。抗議こうぎのために、タイウィンは〈おう〉のしょくから辞任じにんする。ロバート・バラシオン反乱はんらんこしたとき、ロバートの勝利しょうり確実かくじつになるまでは中立ちゅうりつたもつ。反乱はんらんくわわったのちは、キングズランディング略奪りゃくだつする。まちおそわれたとき、ジェイミーはエイリスおうころし、ロバートが王座おうざることになる。ロバートは、ジェイミーの双子ふたごあねであるサーセイ・ラニスター結婚けっこんする。

ラニスター系図けいず[編集へんしゅう]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイトス
 
不明ふめい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイウィン
 
ジョアンナ
故人こじん
 
 
 
ケヴァン
 
ドーナ・
スウィフト
 
タイゲット
故人こじん
 
ダーレッサ
 
ジェリオン
故人こじん
 
ジェナ
 
エモン・
フレイ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロバート・バラシオン
 
サーセイ
 
ジェイミー
 
ティリオン
 
 
ランセル
 
タイレク
 
エルメサンド
 
ジョイ・
ヒル
 
 
クレオス・フレイ
 
ジェイン・ダリー
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジョフリー・バラシオン
 
ミアセラ・
バラシオン
 
トメン・
バラシオン
 
 
 
 
 
 
ウィレム
故人こじん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ライオネル・
フレイ
 
 
タイウィン・
フレイ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マーティン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タイオン・フレイ
故人こじん
 
 
ウィレム・
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ジェイニー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ウォルダー・
フレイ
 
 
 
 
 
 
 

タイウィン・ラニスター[編集へんしゅう]

Tywin Lannister

キャスタリーロックおおやけ、ラニスポートの守護しゅごしゃ西部せいぶ総督そうとくであり、タイウィンは計算けいさんたか無慈悲むじひ支配しはいよくつよい50だいおとこである。親族しんぞくであるジョアンナをつまむかあいするが、ジョアンナは小人こどもすえ息子むすこであるティリオン産褥さんじょくゆかに、それ以来いらいつまむかえていない。“タイウィンの最良さいりょう部分ぶぶんつまともんだ”とかたられている。タイウィンはジェイミーサーセイあいしているが、あいするつまジョアンナのをもたらした、みにくいティリオンを軽蔑けいべつしている。

わかころいたちち政治せいじ口出くちだしする平民へいみん出身しゅっしん愛人あいじんあやつられ、はたぬしたちには軽視けいしされる。反逆はんぎゃくしたキャスタミアのはたぬしレイン根絶ねだやしにし、死骸しがい城壁じょうへきるし、ちちんだときには愛人あいじんはだかにむいて追放ついほうする。その独力どくりょくいえ名誉めいよとみ回復かいふくし、いえ威信いしん回復かいふくつとめる。〈おう〉としてエイリスおうつかえ、つまジョアンナとともにキングズランディングみ、なな王国おうこくおおきな繁栄はんえいをもたらす。だが、エイリスおう疑心暗鬼ぎしんあんき嫉妬しっとしん悪化あっかさせ、二人ふたりはげしく対立たいりつするようになる。エイリスおうがジェイミーを〈おうたて〉にすることでタイウィンの世継よつぎをうばったとき、タイウィンは〈おう〉を辞職じしょく領地りょうちかえる。〈ロバートの反乱はんらん〉のあいだ、タイウィンはキャスタリーロックにまり、トライデントかわロバート決定的けっていてき勝利しょうりおさめるまでは、どちらのがわにもつかない。こののち、タイウィンは軍勢ぐんぜいあつめてキングズランディング進軍しんぐんする。エイリスおうはタイウィンがたすけにもどったとしんじ、もんひらく。タイウィンのぐん略奪りゃくだつはじめたとき、エイリスは〈鬼火おにび〉で市民しみんはらうことをめいじる。ジェイミーは市民しみんすくうためにエイリスおうころし、ラニスター家臣かしんによってレイガー妻子さいしころされる。

ロバートがおうとなったのちは、ラニスターバラシオン同盟どうめいかためるため、サーセイをロバートおうとつがせる。経済けいざい観念かんねんけるロバートは、ラニスターからの借金しゃっきんかえし、おおきな借財しゃくざい背負せおうようになる。ティリオンが平民へいみんむすめよめむかえたときには身分みぶんちがいの結婚けっこんいかり、ジェイミーにうそをつかせて、むすめはティリオンの童貞どうていうしなわせるためにジェイミーがやとった娼婦しょうふであるとわせる。そしてティリオンのまえでラニスターへい連続れんぞくしてむすめおかさせて銀貨ぎんかいちまいずつをはらわせ、最後さいごにはティリオンにおかさせて金貨きんかいちまいはらわせる。

シリーズ当初とうしょ、タイウィンは領地りょうちである西部せいぶ領地りょうち経営けいえい専念せんねんしている。ロバートおう死後しご、タイウィンは、今度こんどまごであるジョフリーおうのために、ふたたび〈おう〉になる。タイウィンは翌年よくねんのほとんどをスタークたいして軍勢ぐんぜいひきいてたたかい、不在ふざいあいだ息子むすこのティリオンを〈おう〉ににんじる。〈おうたたかい〉のあいだスタニス・バラシオンは〈ブラックウォーターのたたかい〉でキングズランディングにめよせる。スタニスぐん勝利しょうりするようにえたとき、タイウィンがタイレル援軍えんぐんとともに到着とうちゃくし、スタニスぐんおおくをころし、のこりのへいのほとんどは降伏ごうぶくする。

おう〉としてまごのジョフリーおう統治とうちとラニスター権力けんりょくかためることに努力どりょくする。ラニスターとタイレル同盟どうめいまもるため、ジョフリーにサンサ・スタークとの婚約こんやく破棄はきさせ、マージェリー・タイレル婚約こんやくさせる。ウィンターフェルれるため、ティリオンはサンサ・スターク結婚けっこんさせられる。タイウィンはまた、エドミュア・タリー婚儀こんぎでのだい虐殺ぎゃくさつ計画けいかくし、ロブ・スターク北部ほくぶぐんだい部分ぶぶんころされる。これで戦争せんそう事実じじつじょう終結しゅうけつする。ジョフリーおう毒殺どくさつされ、ティリオンが告発こくはつされたときには、タイウィンが裁判さいばん仕切しきる。ティリオンは決闘けっとう裁判さいばんえらぶが、ティリオンの擁護ようごしゃオベリン・マーテルやぶころされる。処刑しょけい直前ちょくぜんにティリオンはろうけだし、〈あか王城おうじょう〉の秘密ひみつのトンネルを使つかって〈とう〉のタイウィンの寝室しんしつかい、便所べんじょでタイウィンをころす。

タイウィンは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてチャールズ・ダンスえんじる。

サーセイ・ラニスター[編集へんしゅう]

Cersei Lannister

視点してん人物じんぶつであるサーセイは、 ジェイミー双子ふたごあねであり、金髪きんぱつあかるいみどりひとみつ。外見がいけんきわめてうつくしいが、利己りこてき強欲ごうよく残酷ざんこくひとあやつりたがる。〈ロバートの反乱はんらん〉ののち、サーセイはしんおうロバート・バラシオン結婚けっこんし、なな王国おうこく王妃おうひとなる。強情ごうじょう野望やぼうち、女性じょせいまれたことを残念ざんねんおもう。サーセイはつね子供こどもたち-ジョフリーミアセラトメン-の安全あんぜんにこだわる。おっとであるロバートおうあいしていないし尊敬そんけいもしていない。

サーセイの3にんみなおっとではなく双子ふたごおとうとジェイミーをちちとしている。この秘密ひみつジョン・アリンエダード・スタークスタニス・バラシオンによって発見はっけんされる。名誉めいよおもんじるおとことして、エダードは、ロバートおうらせるまえに、サーセイに逃亡とうぼうする機会きかいあたえる。だが、サーセイにはげるまったくなく、エダードの破滅はめつにつながる。

それ以来いらいサーセイは権力けんりょく階段かいだんのぼつづける。サーセイはロバートおうはかり、そのは、13さい息子むすこジョフリーを王位おういにつけ、摂政せっしょうふとしきさき(摂政せっしょう女王じょおう)として君臨くんりんする。だが、たたかいにさいして、おとうとティリオンはサーセイの政策せいさくのほとんどを廃止はいしする。何人なんにんもの登場とうじょう人物じんぶつが、サーセイは権力けんりょくほっするが権力けんりょく行使こうし下手へただとべている。

長男ちょうなんちちにんともみじか期間きかん連続れんぞくしてころされ、サーセイはティリオンが両方りょうほう暗殺あんさつ犯人はんにんであるとしんじる。実際じっさいにはティリオンはちちころしただけなのだが、サーセイはティリオンが彼女かのじょ没落ぼつらくにつながるおおくの悪事あくじかげにいるとおもむ。子供こどもころに、うらなから、おとうとによってころされると予言よげんされていて、その予言よげんとも実現じつげんしたためである。トメンおうとしてあらたに即位そくいしたばかりの8さい息子むすこ摂政せっしょうふたたく。タイウィンの長子ちょうしとして、サーセイはキャスタリーロックおおやけとしてもみとめられる。なん束縛そくばくもなく権力けんりょくつことになり、サーセイはトメンの〈しょう評議ひょうぎかい〉をみずからの支持しじしゃ代理人だいりにんめ、以前いぜんめを無視むしすることでその統治とうちはじめる。彼女かのじょえらんだ人物じんぶつにも、彼女かのじょおこなった変革へんかくにも、貴族きぞく庶民しょみんおおくは好意こういせない。

サーセイは、いまやトメンとマージェリー・タイレル結婚けっこんによって縁戚えんせきとなった、強力きょうりょく同盟どうめいしゃタイレルが、王国おうこく支配しはいしようとしているとうたがはじめる。サーセイは、息子むすこよめマージェリー、〈おうたて〉の騎士きしロラス・タイレルなど、キングズランディングのタイレル影響えいきょうりょく権威けんいのある地位ちいからのぞ計画けいかくはじめる。ジェイミーはすでに家族かぞくからしんはなはじめているが、これによってさらにサーセイからとおざかり、彼女かのじょ疑心暗鬼ぎしんあんきなかりにする。わざわいをもたらしかねないもうひとつの決断けつだんは、王室おうしつ負債ふさい支払しはらいを拒否きょひしたことであり、ななかみ正教せいきょう教団きょうだんブレーヴォスの〈てつ銀行ぎんこう〉など、強力きょうりょく組織そしきおこらせることになる。この結果けっか教団きょうだんはトメンおうへの祝福しゅくふく拒否きょひする。負債ふさい解消かいしょうするために教団きょうだんわたしぐんつことをゆるしたことで、教団きょうだんはますますサーセイにしたがわなくなる。ブレーヴォスの〈てつ銀行ぎんこう〉はなな王国おうこくちゅうあらたな融資ゆうしをすべて拒否きょひし、旧来きゅうらい負債ふさいたてて、経済けいざい混乱こんらんこす。

サーセイは不倫ふりん反逆はんぎゃくつみをでっちげてマージェリーを告発こくはつする。だが愛人あいじんがサーセイとの不貞ふていとそのいのちによる殺人さつじん白状はくじょうする。サーセイは逮捕たいほされ、ベイラーだい聖堂せいどうでの裁判さいばんつためにとう独房どくぼうつながれる。大臣だいじんたちは彼女かのじょ見捨みすてて、政府せいふ支配しはいけんにぎる。死罪しざいにあたるつみ告発こくはつされたため、唯一ゆいいつのぞみは、〈おうたて〉の擁護ようごしゃ決闘けっとう裁判さいばんたたかうことになる。サーセイはたすけをもとめる手紙てがみをジェイミーにおくるが、ジェイミーは手紙てがみてる。死刑しけいにはたらないことを承知しょうちうえで、サーセイは従兄弟いとこランセル・ラニスターらとの不貞ふていつみだけはみとめる。つみ裁判さいばんまえに、〈正教せいきょう〉は保釈ほしゃくきかえにキングズランディングをある贖罪しょくざい苦行くぎょうす。体毛たいもうはすべてりあげられ、はだか群衆ぐんしゅうまえあるかされる。苦行くぎょうえる間際まぎわ、サーセイはくずれる。そして、〈おうたて〉のあらたな一員いちいんであり、のこつみ裁判さいばんにおいて擁護ようごしゃとなるサー・ロバート・ストロングによって〈あか王城おうじょう〉にはこまれる。苦行くぎょうのち叔父おじケヴァン・ラニスターはサーセイが従順じゅうじゅんになったとしんじる。

サーセイ・ラニスターは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてレナ・ヘディえんじる。

ジェイミー・ラニスター[編集へんしゅう]

Jaime Lannister

視点してん人物じんぶつであり、サーセイ双子ふたごおとうとで、タイウィンとジョアンナの息子むすこである。サーセイと同様どうように、ジェイミーは尊大そんだい不道徳ふどうとく衝動しょうどうてきであり、おどろくほどの美貌びぼうである。サーセイとはわかいころから近親きんしん相姦そうかん関係かんけいにある。ちちあねとはちがい、小人こどもおとうとティリオンには敬意けいいやさしさをもってせっする。かれわかくして騎士きしとなり、サーセイと一緒いっしょるために、キャスタリーロック相続そうぞくけん手放てばなし、15さいにして史上しじょう最年少さいねんしょうで〈おうたて〉にえらばれる。だがこれはきょうおうエイリスがタイウィンから世継よつぎをうばおうとするたくらみである。タイウィンはいかり、〈おう〉を辞職じしょくし、サーセイをれてキャスタリーロックにもどる。あねり、狂気きょうき残酷ざんこくさにりつかれたおうまも職務しょくむいて、ジェイミーは次第しだいにその任務にんむ魅力みりょくからめていく。〈ロバートの反乱はんらん〉の最後さいごに、タイウィンがエイリスおうをだましてキングズランディングにその軍勢ぐんぜいれ、まち略奪りゃくだつはじめたとき、エイリスおうてきうばわれるまえまちきつくす命令めいれいくだし、ジェイミーにはちちタイウィンをころすようめいじる。ジェイミーは民衆みんしゅうちちすくうためにおうころすが、その善行ぜんこう人々ひとびとにはられず、〈おうころし〉の蔑称べっしょうと、邪悪じゃあく名誉めいよたないおとことしての悪評あくひょうのみがのこる。ジェイミーの回顧かいこによれば、自分じぶん最良さいりょう行為こういをするほど、人々ひとびと罵倒ばとうされることがおおい。

シリーズの冒頭ぼうとうで、ジェイミーはサーセイとの近親きんしん相姦そうかん秘密ひみつまもるために、7さいブラン・スタークウィンターフェルたかまどからおとす。 ロブ・スタークとらえられ、〈おうたたかい〉のほとんどをリヴァーランタリーしろとらわれてごす。 サンサアリア解放かいほうし、スタークとタリーたいしては今後こんごけっして武器ぶきらないと条件じょうけんで、キャトリンによって解放かいほうされる。キングズランディングもどたび途中とちゅうで、ききうでを、ちちにかつてつかえた傭兵ようへいヴァーゴ・ホウトによってとされる。たよりとするけんうでうしない、名誉めいよおもんじるブライエニー観察かんさつすることで、ジェイミーはみずからの人生じんせいかえはじめ、名誉めいよある人間にんげんになろうとする。みずからの不貞ふていであるジョフリー・バラシオン暗殺あんさつされたのち犯人はんにんとされたおとうとティリオンを脱獄だつごくさせ、その最初さいしょつま売春ばいしゅんではなくしんにティリオンをあいしていたと告白こくはくする。ティリオンからサーセイにはほかにも愛人あいじんがいたことをいて動揺どうようする。スタークむすめすくラニスターからまもるようにブライエニーをおくす。キングズランディングをはなれ、キャトリンへのちかいをまもって、武器ぶきらずにタリー降伏ごうぶくさせる。 サー・イリーン・ペイン訓練くんれんをし、左腕さわんけん使つかうことをまなぼうとするが、なかなか上達じょうたつしない。サーセイが不貞ふてい大逆だいぎゃくつみろうれられたとき、ジェイミーにあいしているとこし、キングズランディングにもどることをう。だがジェイミーはサーセイの手紙てがみすてて、サーセイを運命うんめいにゆだねる。ブライエニーがジェイミーをたずねてる。ブライエニーは、サンサがサンダー・クレゲインとらえられ、ジェイミーが一人ひとりないとサンサはぬことになるとうそをつく。ジェイミーはブライエニーとともる。

ジェイミー・ラニスターは『ゲーム・オブ・スローンズ』において、ニコライ・コスター=ワルドーえんじる。

ケヴァン・ラニスター[編集へんしゅう]

Kevan Lannister

ケヴァンはタイウィンおとうとであり、もっと信頼しんらいされる指揮しきかんであり、たよりになる誠実せいじつおとことしてられている。ケヴァンはわかくしてあにすぐれていることをみとめ、あにのぞみを実現じつげんすることを、すすんでみずからの義務ぎむとしたが、これは永遠えいえんあにかげなかきることを意味いみする。タイウィンがかんがえたことのないことは、ケヴァンもかんがえたことがないとまでわれている。ジョフリーおうした法務大臣ほうむだいじんとなり、タイウィンの死後しごサーセイは〈おう〉の地位ちいをケヴァンにあたえようとする。しかしケヴァンはサーセイの指導しどうりょく信頼しんらいせず、サーセイがキャスタリーロックかえって、かれ自身じしん摂政せっしょうとしないかぎり、〈おう〉の職務しょくむけないと拒否きょひする。サーセイが指導しどうしゃとしても母親ははおやとしても落第らくだいであるとめる。信仰しんこう目覚めざめた息子むすこランセルとも疎遠そえんになる。サーセイとジェイミーあいだ近親きんしん相姦そうかんとサーセイのらの本当ほんとう父親ちちおやうたがう。 西部せいぶもどり、サーセイはケヴァンにふさわしい地位ちいをラニスター格下かくした人間にんげんたちにあたえる。サーセイがろうはいったのち、〈しょう評議ひょうぎかい〉はケヴァンを摂政せっしょう任命にんめいする。ケヴァンは受諾じゅだくし、タイレルラニスターあいだ国家こっか再建さいけんし、サーセイがこした問題もんだい解決かいけつしようとする。だがその努力どりょくによってエイゴン・ターガリエン王座おうざ奪還だっかんむずかしくなるため、ヴァリスによって石弓いしゆみむねられることになる。ティリオンの犯行はんこうであるようにせかけ、サーセイをさらに混乱こんらんさせるためである。瀕死ひんしのケヴァンは短刀たんとう子供こどもたちにかこまれ、ヴァリスはとどめをさすようにめいじる。ケヴァンは『ゲーム・オブ・スローンズ』においてイアン・ゲルダー英語えいごばんえんじる。

ランセル・ラニスター[編集へんしゅう]

Lancel Lannister

ランセルはサー・ケヴァン長男ちょうなんである。キングズランディングにおいて、ランセルはロバートおうしたがえとしてつかえる。かれは、灰色はいいろかみと、一筋ひとすじ口髭くちひげと、エメラルドしょくひとみち、わかころジェイミーそっくりのおとことしてえがかれている。ランセルは従兄じゅうけいのジェイミーを崇拝すうはいするあまり、〈おうころし〉になれるように、サーセイのロバートおうころたくらみの一翼いちよくになう。ロバートの死後しご、ランセルは騎士きしじょされる。ジェイミーが戦争せんそうかけているあいだ、ジェイミーにているというだけで、サーセイはランセルを愛人あいじんにする。〈ブラックウォーターのたたかい〉のあいだ、サーセイがジョフリーたたかいのそとすことを命令めいれいするまで、ジョフリーを護衛ごえいする。ランセルはたたかいで重傷じゅうしょうい、サーセイの行動こうどう士気しき悪影響あくえいきょうあたえたとのちになじる。ランセルはながふちをさまよい、きずから完全かんぜんには回復かいふくしない。回復かいふくするあいだ、ランセルは精神せいしんてき目覚めざめを体験たいけんし、ほとんどの時間じかん聖堂せいどうごし、贖罪しょくざいねがう。その行動こうどうちちおおいにおこらせる。ランセルはラニスターフレイ協定きょうていどおりにフレイむすめ結婚けっこんし、タリーこうとなる。つま淫行いんこううわさひろがるが、ランセルはにもしない。〈ななかみ正教せいきょう〉にぞくする騎士きしだんである、〈戦士せんしら〉の復活ふっかつらせがランセルにとどいたとき領土りょうどつまて、〈戦士せんしら〉に参加さんかするためにキングズランディングかう。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではユージン・サイモンえんじる。

ティリオン・ラニスター[編集へんしゅう]

Tyrion Lannister

ティリオン・ラニスターのたてがた紋章もんしょう

視点してん人物じんぶつであり、ティリオン・ラニスターはタイウィンだいさんである。あざけりをめて“しょうおに”や“半人前はんにんまえ”などとあだされる、きわめてたか知性ちせい小人こどもである。ちち政治せいじてき策略さくりゃくざいいでいるが、そのみにくさ、舌鋒ぜっぽうするどさ、売春ばいしゅんきのため、そして出産しゅっさん母親ははおやまねいたゆえに、ちちタイウィンからにくまれている。あねサーセイにもにくまれているが、あにジェイミーにはやさしくあつかわれる。てきたいしては残酷ざんこく手段しゅだんをとることもできるが、見捨みすてられたものや不当ふとうあつかわれたものたちには同情どうじょうしんをもつ。わかいころ、乱暴らんぼうしようとしたおとこたちからわか農民のうみんむすめすくい、結婚けっこんしたことがある。だがタイウィンがこれをったとき、ジェイミーからむすめ売春ばいしゅんであったとうそをつかせ、へいたちとティリオンに輪姦りんかんさせてさせる。この出来事できごとはティリオンのトラウマとなっている。

ティリオンは、王室おうしつウィンターフェルへの運命うんめいてきたび参加さんかし、そのかべおとずれる。このあいだジョン・スノウとティリオンは意外いがいにも友人ゆうじんとなり、見捨みすてられたもの同士どうしとして、共有きょうゆうする人生じんせいいちめんかちう。ティリオンがみなみもど途中とちゅうキャトリン息子むすこブラン・スターク殺害さつがいこころみたとしてティリオンを逮捕たいほし、くなったジョン・アリンと、未亡人みぼうじん彼女かのじょいもうとライサ本拠ほんきょであるこうじょうれてく。ここでライサは、ティリオンをブラン殺害さつがい未遂みすいつみだけでなく、おっとジョン・アリン殺害さつがいつみ裁判さいばんにかける。傭兵ようへいブロン擁護ようごしゃとなり、決闘けっとう裁判さいばん勝利しょうりしたため、ティリオンは処刑しょけいをまぬがれる。こうじょうのちかれはがね栄光えいこう約束やくそくして、獰猛どうもう粗暴そぼうアリンの谷間たにまの〈やまみん〉をやとう。

タイウィンは、ティリオンを〈おう〉の一時いちじてき代理だいりとしてキングズランディングおくる。ティリオンは愛人あいじんシェイともなうが、苦心くしんしてその存在そんざいかくす。ティリオンはサーセイとのほろにが権力けんりょく闘争とうそうはじめ、つね彼女かのじょ先手せんてつ。〈ほのおもと〉でたしたふね巨大きょだいくさり用意よういし、これはやがて〈ブラックウォーターのたたかい〉でスタニス・バラシオン艦隊かんたい壊滅かいめつさせ、だい勝利しょうりをもたらすことになる。スタニスのへいたちが戦略せんりゃくてき重要じゅうようもんこわそうとしたとき、ティリオンだけが状況じょうきょう深刻しんこくさを理解りかいし、城壁じょうへきそと突撃とつげきしてもんまもろうとする。自分じぶんったおおきさの戦闘せんとうおのをもってうまり、兵士へいしたちをひきいてたたかう。戦闘せんとうあいだに、〈おうたて〉の騎士きしによりころされそうになり、従者じゅうしゃポドリック・ペインすくわれるが、かおきずはなのほとんどをうしなう。

きずから回復かいふくするが、ちちタイウィンに権力けんりょくうばわれ、〈やまみん〉の軍勢ぐんぜいからはらわれている。サンサ・スタークとの政略せいりゃく結婚けっこん強制きょうせいされるが、気乗きのりしない花嫁はなよめあわれみ、床入とこいりを強制きょうせいしようとはしない。二人ふたりジョフリーおう殺人さつじんけんで、無実むじつでありながら告発こくはつされる。サンサは逃亡とうぼうし、ティリオンだけが裁判さいばんにかけられる。通常つうじょう裁判さいばんではてないことをり、グレガー・クレゲインたいして決闘けっとう裁判さいばんたたかうようブロンに依頼いらいするがことわられる。悪名あくめいたか熟練じゅくれん剣士けんしであるプリンス・オベリン・マーテルがティリオンの擁護ようごしゃとして名乗なのりをげる。だがグレガー・クレゲインはオベリンをころし、ティリオンは死刑しけい宣告せんこくされる。しかし、ティリオンはあにジェイミーとヴァリスによってひそかにろうから解放かいほうされる。ジェイミーは、かつてちちタイウィンに命令めいれいされ、ティリオンがかつて結婚けっこんしたむすめ売春ばいしゅんであるとうそをついたことを告白こくはくする。しろまえに、ティリオンは秘密ひみつのトンネルをとおってちち部屋へやおとずれ、かつてあいしたが裏切うらぎられた売春ばいしゅんシェイちちころす。

ティリオンはひそかにペントスはこばれる。イリリオ・モパティス依頼いらいエイゴン・ターガリエンおよびジョン・コニントンともミーリーンたびをして、デナーリス・ターガリエンなな王国おうこく侵攻しんこう手助てだすけしようとする。だが売春ばいしゅん宿やどおとずれたときジョラー・モーモントつかりとらわれる。追放ついほうされていたジョラーはティリオンをデナーリスのもとにれてき、ゆるしをおうとする。たびあいだ、ティリオンはペニーと小人こどもむすめ友達ともだちとなる。さんにん奴隷どれい商人しょうにんつかまりられ、ミーリーンのそとのキャンプにたどりく。疫病えきびょうがはやり、さんにん混乱こんらんじょうじてす。ティリオンは傭兵ようへいぐんである〈次子じし〉(〈次男じなん軍団ぐんだん〉)にくわわり、その代償だいしょうとして、キャスタリーロックとみ軍団ぐんだんすことを約束やくそくする。軍団ぐんだんはデナーリスとたたか契約けいやくむすんでいるが、デナーリスのがわふたた寝返ねがえらせようとする。

ティリオンは『ゲーム・オブ・スローンズ』でピーター・ディンクレイジえんじる。

ティリオン・ラニスターの家来けらいしたしいものたち[編集へんしゅう]

ラニスターはたぬしおよび家来けらい[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]