氷 と炎 の歌 の世界
『
ウェスタロス
エッソスの
本 シリーズの第 1部 から第 3部 には岡部 宏之 による旧版 と、酒井 昭伸 による新訳 語 を用 いた改訂 新版 が存在 し、両 版 の間 では多 くの名称 の日本語 訳 が変更 されているため、以下 においては新訳 語 を用 い、最初 に使用 された箇所 では括弧 内 に旧 訳語 を示 す。'以下 の内容 は、第 5部 終了 時点 でのものである。
ウェスタロス
[スターク |
ウィンターフェル | スノウ | |
グレイジョイ |
パイク | パイク | |
アリン |
ストーン | ||
ラニスター |
キャスタリーロック | ヒル | |
タイレル |
ハイガーデン | フラワーズ | |
バラシオン |
ストームズエンド | ストーム | |
ドーン | マーテル |
サンスピア | サンド |
リヴァーランド | タリー |
リヴァーラン | リヴァーズ |
バラシオン |
キングズランディング ドラゴンストーン |
ウォーターズ |
ウェスタロスは、
北部
[ウェスタロスの
ホワイト・ハーバーの
ネック(
その
壁 七 王国 の北 の境界 にある巨大 な石 と氷 と魔法 の壁 。伝説 によれば、北 からの脅威 から七 王国 を守 るために、8000年 前 にブランドン建設 王 ひきいる〈最初 の人々 〉により、巨人 の助 けを得 て作 られる。480kmの長 さにおよび、平均 した高 さは210mほどであるが、所 によっては270mの高 さにもなる。〈壁 〉の上 は10mほどの幅 があり、12人 の騎士 が並 んで進 めるほどである。- 〈
壁 〉の北側 には七 王国 の法 が及 ばない。〈誓約 の兄弟 〉とも呼 ばれる〈冥 夜 の守人 〉が〈壁 〉を守備 し、北 の脅威 から人間 の領域 を守 る。もともとは超 自然 的 な〈異形 〉(〈異形 人 〉)から〈壁 〉を守 っていたが、後 には〈壁 〉の北 に住 む、七 王国 の刑罰 や徴税 から逃 れた自由 民 とその子孫 である〈野人 〉から守 るようになる。物語 が進 むにつれて、〈異形 〉と、〈異形 〉によって死 から引 き戻 され操 られる〈亡者 〉が真 の敵 として再 び姿 を現 す。 - 〈
壁 〉の南 にはギフト、ニューギフトと呼 ばれる細長 い土地 がある。〈冥 夜 の守人 〉はこの土地 に補給 を頼 る。北部 に境界 を接 しながらも、〈壁 〉とギフト、ニューギフトは七 王国 から法的 に独立 しており、法 の及 ばない土地 である。〈壁 〉の防衛 の補給 のため、〈冥 夜 の守人 〉はギフトの管理 を数 千 年間 続 けており、ターガリエン家 がウェスタロスを征服 して七 王国 を統一 した時 に、ターガリエン家 に名目 上 の忠誠 を誓 わせただけで、〈冥 夜 の守人 〉にギフトの管理 を続 けさせ、後 にニューギフトを加増 する。しかし、物語 の時点 では住人 がいない。 冥 夜 の守人
- 〈
冥 夜 の守人 〉は土地 と称号 を持 たず、妻 や子 を持 たず、家族 との絆 を断 ち切 り、七 王国 の争 いには関 わらず、脱走 しないことを誓 う。誓 いを破 ることは死罪 に値 する。〈冥 夜 の守人 〉は黒 い衣 だけをまとうため、〈冥 夜 の守人 〉に加 わることを“黒衣 を着 る”とも言 われ、蔑称 として〈鴉 〉とも呼 ばれる。〈冥 夜 の守人 〉に参加 することは今 でも名誉 だと考 えられ、身分 にかかわらず〈冥 夜 の守人 〉の中 の階級 を登 ることができる。だが近年 は、七 王国 の防衛 のために志願 する者 は少数 となり、ほとんどが七 王国 から追放 された犯罪 者 や裏切 り者 からなる弱体 化 した集団 となっている。最後 に〈異形 〉が現 れてから数 千 年 が経過 したため、七 王国 においては警戒 心 が薄 れており、〈壁 〉の防御 は弱 まっている。〈守人 〉の員数 は減 り、〈壁 〉に沿 う19の城 のうち、もはや〈黒 の城 〉、〈海 を望 む東 の物見 城 〉(〈海辺 の東方 監視 所 〉)、〈影 の塔 〉の3城 にしか守備 隊 がいない。〈野人 〉は〈壁 〉を通 り抜 けられないが、登 って越 える者 、あるいは船 で沿岸 を迂回 する者 がいる。〈守人 〉の新入 りにはそれぞれ役割 が与 えられる。〈工 士 〉は壁 を補修 し、武器 を作 る。〈雑 士 〉は日常 の雑事 を行 う。〈哨士〉は戦 いと偵察 を行 う。 壁 の向 こう側 - 『
王 狼 たちの戦旗 』では〈壁 〉の向 こう側 が描 かれるが、最初 の五 部 ではそれほど詳 しく描 かれていない。だが最後 の二 部 ではより詳 しく〈壁 〉の向 こう側 が描 かれる予定 である。ドラマシリーズではアイスランドで〈壁 〉の向 こう側 の撮影 が行 われたが、原作 者 によれば〈壁 〉の向 こう側 はアイスランドよりも大 きく、グリーンランドよりも大 きい。〈壁 〉の近 くには木 の密生 する森 が広 がるため、カナダのような環境 である。北 に向 かうにつれて景観 は変 わり、ツンドラと氷原 が見 られるようになり、極 地方 の環境 となる。片側 には平原 があり、別 の側 には高 い山々 がある。 - 〈
壁 〉の向 こう側 には〈野人 〉が住 む。〈野人 〉は〈最初 の人々 〉、および七 王国 の刑罰 や税 から逃 れた自由 民 の子孫 である。〈野人 〉はしばしば〈壁 〉を襲撃 し、また〈壁 〉を通 ってその南 の七 王国 に向 かおうとするため、これを阻止 することが〈冥 夜 の守人 〉の主 たる任務 となっている。〈冥 夜 の守人 〉はしばしば〈壁 〉の北 を偵察 し、〈野人 〉の動向 を探 る。〈野人 〉の中 には、クラスターなど、〈冥 夜 の守人 〉と友好 関係 を保 つ者 もいる。 - 〈
壁 〉の向 こう側 には、かつて〈最初 の人々 〉および〈森 の子 ら〉と戦 った〈異形 〉も住 むと伝 えられるが、物語 の開始 時点 では、数 千 年間 も姿 を見 られていない。
- ウィンターフェル
古 からのスターク家 の本城 。冷涼 な北部 にあるため、城 の下 にある温泉 から温水 を壁 の中 に通 して暖房 している。城 の地下 深 くには地下 墳墓 があり、スターク家 の先祖 が葬 られている。墓 には彫像 がおかれ、足元 には大 狼 が、手 には剣 が握 られている。代々 のウィンターフェル公 と、〈征服 戦争 〉前 の〈北 の王 〉が葬 られている。
鉄 諸島
[パイクのグレイジョイ
- パイク
長年 鉄 諸島 を治 めて来 たグレイジョイ家 の本拠 。パイク島 の岩 がちの半島 の先端 に作 られている。〈五 王 の戦 い〉以後 、パイクの玉座 は〈海 の石 の御座 〉(海 の石 の玉座 )と呼 ばれる。止 むことなく打 ちつける波 の衝撃 が、もともとパイク城 が建 っていた岩 を砕 いてしまったため、今 や城 は、本島 に建 つ主 城 と海 の中 の岩 に建 ついくつもの小 さな塔 に分断 されている。これらの塔 は岩 の城 や揺 れるロープの吊 り橋 でつながれている。ローズポートは島 のもう一方 の端 にある村 で、ボトリー家 の城 が見下 ろす位置 にある。- グレイジョイ
家 の反乱 の際 、ローズポートとボトリー家 の砦 はロバート・バラシオンによって破壊 され、パイクは包囲 され征服 される。ベイロン・グレイジョイはパイク公 として残 されたが、その息子 のシオンは人質 としてエダード・スタークに里子 に出 される。反乱 の後 に、ローズポートは神殿 を除 いて再建 され、ボトリー公 は、以前 の木材 と編 み枝 の城 の代 わりに石造 りの小城 を建 てる。
リヴァーランド
[トライデント
- ハレンの
巨 城
- ウェスタロスの
中央 部 の湖 である〈神 の目 〉の北岸 に位置 し、当時 リヴァーランドをも支配 していた鉄 諸島 のハレン暗黒 王 によって、史上 最大 の城 として建設 される。黒 い石 を使 って建設 され、5つの巨大 な塔 と一軍 を入 れられるほどの大広間 をそなえ、ハレンの傲慢 さの記念 碑 となっている。だが工事 を終 えた直後 にエイゴン征服 王 の侵略 が始 まる。エイゴンのドラゴンの前 では、分厚 く高 い壁 も役 にたず、ドラゴンの炎 は、城 の石 を粉砕 して溶 かし、ハレンとその息子 たちを殺 す。ハレンの血統 は絶 え、その王国 は征服 される。 - ハレンの
破滅 の後 、この城 は様々 な家 によって所有 される。悲惨 な末路 を迎 えた居住 者 が多 かったため、城 には呪 われていると言 う悪評 がつく。このように巨大 な城 を維持 し兵 を配置 することは、兵站 的 にも経済 的 にも困難 であり、〈ハレンの巨 城 〉は無用 の長物 となる。 - 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の
時代 には、ほぼ廃墟 となってはいるが、ストロング家 が領主 となり城代 を置 いている。内戦 〈双竜 の舞踏 〉では、デイモン・ターガリエンがこの城 にリヴァーランドの諸侯 の兵 を集 める。 - 〈
五 王 の戦 い〉の初 め、〈ハレンの巨 城 〉は荒 れ果 て、城 のごく一部 だけが手入 れされている。タイウィン・ラニスターがこの城 を奪 ったとき、サーセイ王妃 は所有 権 をジャノス・スリントに与 えるが、弟 で〈王 の手 〉のティリオン・ラニスターは即座 にこの報酬 を取 り上 げ、スリントを〈壁 〉に送 る。タイウィンは代 りに城 をピーター・ベイリッシュ(ベーリッシュ)に与 え、それ以来 、彼 が名目 上 の所有 権 を保持 しているが、一 度 も足 を踏 み入 れたことはない。 戦争 が進 むにつれて、〈ハレンの巨 城 〉には次々 と所有 者 が現 れ、幾度 となく残虐 行為 が行 われる。〈勇武 党 〉(〈勇敢 組 〉)の傭兵 たちが城 のラニスター家 の守備 隊 を裏切 った後 、ルース・ボルトンが城 を乗 っ取 る。ボルトンが城 を捨 てた後 は、グレガー・クレゲインが〈勇武 党 〉を粉砕 して城 をラニスター家 に取 り戻 す。- リヴァーラン
- 〈
征服 戦争 〉以来 リヴァーランド公 であるタリー家 の古 からの本拠地 。タンブルストーン川 がトライデント河 の赤 の支流 に流 れ込 む土地 の突端 にあり、砂岩 を使 って建 てられた、三角形 の城 である。城 を大 きな船 に例 える者 もいる。正門 の他 にも、〈水車 の塔 〉からの水路 を通 って、タンブルストーン川 からリヴァーラン城 に入 ることも可能 である。城 の二 つの側面 はタンブルストーン川 と、トライデント河 の赤 の支流 に面 するが、第 三 の側面 は巨大 な人工 の濠 であり、城 が攻 められた時 には水 が入 れられる。リヴァーランで最 も高 いのは巨大 な物見 の塔 であり、ここからは何 マイルも先 の敵 を発見 することができる。川 と濠 による防御 と相 まって、リヴァーラン城 は難攻不落 である。 - リヴァーランはロブ・スタークが
北 の王 に即位 した場所 である。古 の北 の王国 には属 していなかったトライデント河 流域 の諸公 も、ロブ王 を支持 し、軍 と城 を提供 する(ただし、ウォルダー・フレイは例外 である)。五 王 の戦 いの当初 、ジェイミー・ラニスター(ジェイム・ラニスター)は大軍 でリヴァーランを包囲 するが、〈囁 きの森 の戦 い〉でロブ・スタークに敗 れて捕虜 となり、その軍 は殲滅 される。後 にタイウィン・ラニスターがリヴァーランドを再 び攻 めようとした時 、エドミュア・タリーがその襲撃 を退 けてリヴァーランを守 る。しかし、〈釁られた婚儀 〉(〈血染 めの婚儀 〉)でロブ王 が死 んだ後 、ラニスター家 とフレイ家 は再 びリヴァーラン城 を包囲 する。サー・ライマン・フレイがエドミュア・タリー公 を人質 にとっていたにもかかわらず、ラニスター家 とフレイ家 の争 いのため、包囲 は無秩序 で、不首尾 となっている。ジェイミー・ラニスターが来 て、捕虜 のエドミュア公 と降伏 案 を交渉 するまで、サー・ブリンデン・タリー“ブラックフィッシュ”は包囲 軍 に抵抗 することが出来 る。だがエドミュア公 は、ジェイミーに攻 められて城内 の軍勢 を皆殺 しにされるよりは、城 を明 け渡 すことを選 ぶ。そしてリヴァーランは、ラニスター家 の同盟 者 であるエンモン・フレイの弱々 しい手 に渡 る。 双子 城 緑 の支流 にかかる石造 りのアーチ橋 で結 ばれた、堅固 に防御 された二 つの城 。橋 は二 台 の馬車 がすれ違 えるほど広 く、〈水 の塔 〉として知 られる中央 の塔 によって警備 されている。双子 城 は600年 以上 もフレイ家 の本拠 であり続 け、ここにある関門 橋 (渡 り場 )を通 らなければ数日 間 も回 り道 をしないと川 を渡 る事 が出来 ない。高額 な渡 し賃 によりフレイ家 は富裕 であり、多 くの一族 を抱 える。フレイ家 はタリー家 に臣従 する家 の中 では最 も強力 であり、1000人 の騎士 と3000人 の歩兵 を戦争 に送 り、なおかつ少 なくとも400人 の守備 兵 を双子 城 に残 すことができる。だが、過去 においてフレイ家 の忠誠 心 は疑問 とされ、現在 の家長 であるウォルダー・フレイ公 は遅参 公 とも呼 ばれ、怒 りっぽく高慢 な老人 として知 られている。- 〈
五 王 の戦 い〉の間 、フレイ家 は〈北 の王 〉のために〈鉄 の玉座 〉に反抗 して立 ち上 がる。この反抗 は、フレイ家 の娘 とロブ・スタークの婚約 を条件 とする。しかし、ロブ・スタークがウェスタリング家 の娘 と結婚 して婚約 を破 った後 、ウォルダー・フレイ公 はこの侮辱 に対 する復讐 を計画 する。フレイ公 は、エドミュア・タリー公 と自 らの娘 のロズリン・フレイとの結婚 を整 える。ドレッドフォートのルース・ボルトン公 およびタイウィン・ラニスター公 と陰謀 をめぐらし、傭兵 と騎士 に楽師 を装 わせる。婚儀 の最中 に、“楽師 ”は、王 の母 である レディ・キャトリン(ケイトリン)・スタークを含 む王 の家族 と支持 者 たちを殺 し、リヴァーラン公 エドミュア・タリーを捕虜 とする。王 は斬首 され、代 わりにそのダイアウルフの頭 を縫 い合 わされて引 き回 される。この事件 は〈釁られた婚儀 〉として知 られるようになる。最 も神聖 な客 の権利 を侵害 されて多数 の北部 人 が殺 されたため、フレイ家 は北部 では憎悪 され、その他 の地域 でも軽蔑 されることになる。
アリンの谷間
[ほぼ
高 巣 城 - アリン
家 の古 からの本拠 。ノイシュヴァンシュタイン城 に着想 を得 ている。[1]城 は〈巨人 の槍 〉として知 られる山 の上 にあり、ラバのための細 い道 でしか行 くことが出来 ず、〈月 の門 〉と3つの小 さな関門 -石 城砦 、雪 城砦 、空 城砦 -で守 られている。 高 巣 城 は巨 城 と呼 ばれる城 の中 では最小 であり、7つの細 い塔 からなっている。あらゆる食料 は下 の谷間 から運 んで来 られる。最 も上 にある関門 である空 城砦 からは巨大 なリフトが備 えられている。ライサ・アリン(リサ・アリン)など多 くの者 が、山 に囲 まれた高 巣 城 は難攻不落 だと主張 するが、冬 は雪 で城 への補給 が不可能 になるため、永久 に難攻不落 であるわけではない。高 巣 城 の牢 は〈天空 房 〉(〈空 の独房 〉)として知 られ、極 めて悪名 高 い。冷 たい空 に向 かって開 け、床 は外 に向 かって傾 き、囚人 たちは寝 ている間 に滑 って端 から落 ちてしまうことを恐 れる。多 くの囚人 たちが、囚 われの身 でいるよりも自殺 することを選 んだ場所 である。高 巣 城 での処刑 は、広間 の〈月 の扉 〉から山 の岩 までの身 もよだつような600フィート(180メートル)の落下 である。〈神 々の森 〉がないことも高 巣 城 の特徴 である。- ジョン・アリンの
居城 であったが、ジョンは〈簒奪 者 の戦争 〉の前 に、エダード・スタークとロバート・バラシオンを里子 として育 てる。ジョンはターガリエン家 に対抗 して旗 を上 げた最初 の者 である。戦争 の後 、ジョンはロバート・バラシオン一 世 王 の〈王 の手 〉として仕 える。ジョンが暗殺 された後 、その妻 ライサは病気 がちの息子 ロバート(ドラマシリーズではロビン・アリン)を連 れて再 び高 巣 城 に逃 げこむ。〈五 王 の戦 い〉の間 、ライサはどの王位 宣言 者 とも同盟 しないが、ピーター・ベイリッシュが彼女 と結婚 することを承知 したために、ラニスター家 と同盟 することに合意 する。ピーターの私生児 の娘 を装 っていたサンサ・スタークをライサが殺 そうとした時 、ピーターはライサを殺 し、病気 がちで発育 が遅 れたロバートの守護 代 および摂政 として高 巣 城 を治 める。
西部
[リヴァーランドの
- キャスタリーロック
港湾 都市 ラニスポートとその向 こうの海 を見下 ろす山 を刻 んで作 られた砦 であり、ラニスター家 の古 からの本拠地 である。伝説 によれば、ラン利発 王 として知 られる英雄 がキャスタリー家 を騙 してロックを諦 めさせ、自分 の物 にしたことになっている。ロック城 は七 王国 の中 でも最 も強固 な城 の一 つとして名高 い。〈五 王 の戦 い〉以前 はタイウィン・ラニスター公 が所有 していたが、その死後 は、摂政 太 后 (摂政 女王 )サーセイ・ラニスターが従兄 の一人 を城代 としている。- ジョージ・R・R・マーティンは、キャスタリーロックはジブラルタルの
岩 から着想 を得 たと自身 のブログの中 で述 べている。 - ラニスポート
- キャスタリーロックの
強力 なラニスター家 の分家 である、ラニスポートのラニスター家 により統治 される港 であり、豊 かで繁栄 した街 である。この街 はラニス家 などラニスターと類似 の家名 をもつ小 さな分家 の故郷 でもある。
河間 平野
[ハイガーデンのタイレル
ドーンとの
- オールドタウン
- ウェスタロスで
最大 の都市 の一 つであり、アンダル人 の侵略 以前 に〈最初 の人々 〉によって建設 された最古 の都市 。アンダル人 に反抗 せず歓迎 することでその侵略 を生 き延 びる。ウェスタロスの南西 部 の、ハニーワイン川 河口 が囁 きの入江 (囁 きの瀬戸 )とその先 の〈日没 海 〉に向 かって開 くところに位置 する。 助言 者 、医者 、学者 、そして通信 係 として七 王国 に仕 えるメイスター(マイスター)の結社 の本拠 である、〈知識 の城 〉(〈大 城砦 〉)のある都市 として最 も有名 である。〈星 の聖堂 〉(〈星 の神殿 〉)は、キングズランディングにベーラー大 聖堂 が建設 されるまでは七 神 正教 の本拠 である。エイゴン征服 王 がオールドタウンに入 り、総 司祭 (大 神官 )によって戴冠 された時 、正式 にターガリエン王朝 が始 まる。- オールドタウンはまた、
七 王国 で最 も重要 な港 の一 つでもある。夏 諸島 、自由 都市 、その東 にある都市 、そしてウェスタロス中 からの貿易 船 で常 に埠頭 がにぎわう。街 そのものが美 しく、多 くの川 や運河 が、玉石 を敷 き詰 めた道 と交差 し、息 をのむような石造 りの大 邸宅 が林立 する。 キングズランディングにウェスタロス最大 の都市 としての地位 は譲 り渡 しているが、この街 にキングズランディングの汚 らしさは見 られない。 - ハイタワー
城 は街 で最大 の建物 であり、かつウェスタロスで最 も高 い建造 物 でもある。これは巨大 な階層 状 の灯台 であって、空 に向 かって800フィート(240メートル)も伸 び、頂 きには何 マイルも先 の海上 からも見 える巨大 な篝火 が置 かれる。ハイタワー城 のハイタワー家 によって治 められている。ハイタワー家 は、もとは王 であったが、のちにハイガーデンのガードナー家 に忠誠 を誓 い、さらに侵略 戦争 の後 にはタイレル家 の家臣 となる。ハイタワー家 はその忠誠 と信念 によって知 られる。現在 の市 の統治 者 はレイトン・ハイタワーである。 - オールドタウンは〈
五 王 の戦 い〉には巻 き込 まれなかったが、のちにユーロン・グレイジョイ王 の下 で〈鉄人 〉が沿岸 に大 規模 な攻撃 を仕掛 け、〈盾 諸島 〉とアーバー島 の一部 を征服 し、さらにハニーワイン川 の河口 を封鎖 しようとする。だが埠頭 への攻撃 は、市 の守備 隊 によって退 けられる。オールドタウンはその後 も〈鉄人 〉からの脅威 にさらされ続 けている。
ストームランド
[キングズランディングとドーン
- ストームズエンド
- バラシオン
家 の本拠 であるが、それ以前 は数 千 年 に渡 って〈嵐 の王 〉の古 の本拠地 である。伝説 によれば、〈最初 の人々 〉の時代 の最初 の〈嵐 の王 〉ダランは、海神 と風 の女神 の間 に生 まれた娘 であるエレネイの愛 を得 る。ダランはエレネイを妻 としたが、怒 ったエレネイの両親 は強力 な嵐 を送 りこんでダランの城 を破壊 し、婚儀 の客 と家族 を殺 す。ダランは神 々に宣戦 布告 し、シップブレーカー湾 に沿 って、より大 きくより強固 な城 を次々 に建設 する。最後 の七 番目 の城 は嵐 に耐 える。これは〈森 の子 ら〉(森 の子供 たち)の助 けを得 たからであると言 われるが、後 に〈壁 〉を建設 したブランドン・スターク少年 が、ダランに築城 法 を教 えたからであるとも言 われる。その真実 は明 らかでない。 極 めて強固 な城 であり、七 王国 の時代 には包囲 にも嵐 にも屈 したことはない。その外側 の防御 は100フィート(30メートル)の高 さの巨大 な幕 壁 であり、最 も薄 い側面 でも40フィート(12メートル)の厚 さであり、海 側 の厚 さは80フィート(24メートル)近 くある。幕 壁 は砂 と瓦礫 の内 核 を二 層 の石積 みが覆 っている。幕 壁 は滑 らかで丸 くカーブしており、石 があまりに巧妙 に配置 されているために、風 が入 り込 むような石 の間 の割 れ目 すらない。海 側 の城壁 の下 には150フィート(45メートル)の崖 がある。城 そのものは、最 上部 に恐 るべき狭間 胸壁 がある巨大 な円筒 形 の塔 であり、遠 くの敵 には、反抗 の意思 を込 めて空 に向 かって突 きあげる、棘 のついた巨大 な拳 のように見 える。巨大 な塔 の中 には馬屋 、兵舎 、兵器 庫 そして君主 の居室 が全 て入 っている。- また、
敵 の魔法 に対 する防御 として、幕 壁 に呪文 が織 り込 まれていると言 われている。 戦 いで落城 したことはないが、ストームズエンドは近年 の歴史 でも何 度 か包囲 戦 に遭 っている。エイゴン征服 王 の〈征服 戦争 〉の間 、最後 の〈嵐 の王 〉であるアージラック傲慢 王 は城 を出 てしまい、ターガリエン家 の傍系 オーリス・バラシオンと戦場 で戦 って敗北 する。オーリスはアージラックの娘 をめとり、ストームランドの領主 となる。〈簒奪 者 の戦争 〉の間 、ストームズエンドは一 年間 包囲 され、陸 ではメイス・タイレル公 がその軍 を率 い、海 側 ではパクスター・レッドワインがアーバー島 の艦隊 を率 いる。防衛 軍 を率 いたスタニス・バラシオン(スタンニス・バラシオン)は降伏 を拒否 し、その軍勢 はネズミを食 べるところまで追 い込 まれる。ダヴォス・シーワースという名 の密輸 業者 が封鎖 をすり抜 けて城 に補給 を行 い、スタニスは恩賞 として彼 を騎士 としたが、過去 の密輸 の罪 への罰 として指 を何 本 か切 り落 とす。戦後 、今 や王 となった兄 のロバートが城 を末弟 のレンリーに与 え、スタニスを寒風 吹 きさらすドラゴンストーンの領主 としたため、スタニスは怒 り、何 年 も恨 みを抱 くことになる。〈五 王 の戦 い〉の間 、城 はレンリーを支持 し、スタニスに包囲 される。レンリーの死後 、城代 は降伏 を拒否 する。ル=ロール(ルラー)の女 祭司 メリサンドルが城 の下 からダヴォスによって運 び込 まれ、超 自然 的 な影 の如 きものを産 み出 して、城代 は殺 される。その直後 、城 はスタニスの軍勢 に降伏 する。その後 の戦争 で、城 はメイス・タイレルの率 いる強力 な軍 に包囲 されるが、娘 のマージェリーが密通 の罪 で総 司祭 に逮捕 されたため、数 週間 で包囲 を解 いてキングズランディングに戻 る。城 はスタニス・バラシオンに忠誠 を誓 い続 ける。
ドーン
[ウェスタロス
ドーン
ドーン
- 〈
踏 み石 諸島 〉(ステップストーン)
〈
王室 領
[キングズランディングの
- ドラゴンストーン
- かつては
古代 ヴァリリア永世 領 (古代 ヴァリリア自由 保有 地 )の最 西端 の前哨 地 である。〈破滅 〉と呼 ばれる謎 の災厄 の一 世紀 前 、ターガリエン家 がこの地 を統治 するために送 りこまれる。〈破滅 〉がヴァリリアを襲 ったとき、ターガリエン家 はヴァリリアのドラゴンの最後 の生 き残 りと共 にこの島 で生 き延 びる。一 世紀 後 、エイゴン・ターガリエンとその姉 かつ妻 であるヴィセーニア(ヴァイセニア)と妹 かつ妻 であるレイニス(レーニス)は島 から大 規模 な征服 作戦 を開始 し、最終 的 にはドーンと〈壁 〉の北 を除 く全 ウェスタロスを征服 する。その後 、エイゴンの子孫 は3世紀 にわたって七 王国 に君臨 する。 - ドラゴンストーンは
同名 の島 の大 部分 を占拠 する、巨大 な恐 るべき砦 である。この城 の珍 しいところは、ヴァリリアの石工 がドラゴンの形 に刻 んだ塔 と、恐 ろしいガーゴイルの像 で覆 われた城壁 である。城 の地下 深 くにいくばくかの火山 活動 が残 っているために、城 の低層 階 は意外 に暖 かい。城 の外 には小 さな港 と街 がある。 - 『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』では、レイニラ・ターガリエンがこの
城 を本拠 として黒 装 派 を率 い、キングズランディングの翠 装 派 に対抗 する。 - 〈
簒奪 者 の戦争 〉の間 、キングズランディングの略奪 以前 に、妊娠 していたターガリエンの王妃 レイラ(レーラ)と息子 のヴィセーリス( ヴァイセリス)はターガリエン艦隊 の一部 と忠実 な兵士 たちの守備 隊 と共 にドラゴンストーンに送 られる。だが、キングズランディングの陥落 の後 、ロバート・バラシオンはこの島 の砦 を落 とすために弟 のスタニスを送 りこんだ。王 に忠実 な艦隊 が嵐 で全滅 した後 、ターガリエンの守備 隊 はヴィセーリスと生 まれたばかりの妹 デナーリス( デーナリス)を裏切 ってスタニスに引 き渡 そうとした(王妃 は産褥 の床 で死 んでいた)。しかし、サー・ウィレム・ダリーに率 いられた忠実 な家来 たちは王 の子 らを連 れ出 す。スタニスはやすやすとドラゴンストーンを攻略 し、ロバート王 は城 をスタニスに与 えたが、バラシオン家 古来 の本拠地 であるストームズエンドを末弟 のレンリーが相続 したために、スタニスは冷遇 されたと考 えす。 - ロバートの
死後 、スタニスは、王妃 サーセイの子供 たちが近親 相姦 による私生児 であると非難 し、自 らが王 であると宣言 する。ドラゴンストーンは彼 の本拠地 になる。〈キングズランディングの戦 い〉で壊滅 的 な敗北 をした後 も、スタニスは当地 に戻 る。スタニスの助言 者 である女 祭司 、アッシャイのメリサンドルは、血 の魔法 によって城 の〈石 のドラゴン〉を甦 らせるようにスタニスの説得 を試 みるが、ダヴォス・シーワース公 が、北 の〈壁 〉に赴 き〈野人 〉と〈異形 〉に対 する戦 いを助 けるようスタニスを説 いたために、メリサンドルの説得 は失敗 する。スタニスがドラゴンストーンを去 ったあと、摂政 太 后 サーセイ・ラニスターは島 を封鎖 するために艦隊 を送 り、城 を包囲 するよう命 じる。だが、サー・ロラス・タイレルは故郷 のハイガーデン城 を守 るために艦隊 を包囲 戦 から解放 しようと急 ぎ、ドラゴンストーンを正面 攻撃 する。ロラスは城 を手 に入 れるが、何 千 人 もの兵士 を失 い、報告 によれば彼 自身 も重傷 を負 う。その後 ドラゴンストーンは再 び〈鉄 の玉座 〉に属 する。
- ドリフトマーク
- ドリフトマーク
島 は、ブラックウォーター湾 の中 、ドラゴンストーン島 よりも西方 の、よりキングズランディングに近 く位置 する島 である。しばしば王 に強大 な艦隊 を提供 する、ヴァリリア人 の子孫 でターガリエン家 の姻戚 であるヴェラリオン家 の領地 である。『炎 と血 』および『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』に登場 するコアリーズ・ヴェラリオンは、〈双竜 の舞踏 〉の時期 の、ヴェラリオン家 の当主 である。
- キングズランディング
- ウェスタロスおよび
七 王国 の首都 。ブラックウォーター川 河口 の、エイゴン征服 王 と姉妹 妻 がその征服 を始 めるためにウェスタロスに上陸 した地点 に位置 している。市 は城壁 に囲 まれ、〈金 マント〉として知 られる〈王 都 の守人 〉(都市 警備 隊 )によって守 られている。城壁 の内側 に目立 つ自然 景観 は3つの丘 であり、エイゴンとその二人 の姉妹 妻 にちなんで名 づけられている。貧 しい庶民 は城壁 の外側 の掘 立 小屋 に住 む。キングズランディングは極 めて人口 が多 いが、醜 く汚 い。市 の廃棄 物 の悪臭 ははるか城壁 の外 にも届 く。 王城 は〈赤 の王城 〉(〈赤 い城 〉)と呼 ばれ、エイゴンの丘 に建 ち、王 の宮廷 がある。城 には七 王国 の玉座 である〈鉄 の玉座 〉がある。エイゴン征服 王 は、破 った敵 の剣 から玉座 を作 ることを命 じる。伝説 によれば、統治 者 たるものは決 して玉座 に快適 に座 っているべきでないと信 じて、刃 を鋭 いままにさせたと言 われている。数 世紀 たっても、いまだに玉座 に座 って体 に傷 を負 う王 もいる。玉座 で傷 を負 ったものは、玉座 に“拒否 ”されたことを意味 し、統治 者 にはふさわしくないと幅広 く信 じられている。- キングズランディングにはまた、
聖王 ベイラーの建設 したベイラー大 聖堂 があり、〈篤信 卿 〉が総 司祭 のもとに集 まる。もっとも神聖 なる七 神 正教 の聖堂 である。キングズランディングの貧民 街 は〈蚤 の溜 まり場 〉と呼 ばれ、住民 はあまりに貧乏 であるため、子犬 や殺 された人間 の肉 が入 っていると噂 される、〈茶色 がゆ〉と呼 ばれる謎 のシチューで生 き延 びている。 - オベリン・マーテルの
来訪 時 に出迎 えたティリオンの言 によると、キングズランディングは、50万 を超 える人口 があると推測 されている。
エッソス
[〈
自由 都市
[ライス、ミア、ペントス、ブレーヴォス、ロラス、ノーヴォス、クォホール、ヴォランティス(ヴォランテス)、タイロシュの
- ブレーヴォス
自由 都市 の中 では唯一 ヴァリリアの植民 地 ではなく、ヴァリリアの拡大 から逃 げた避難 民 によって密 かに建設 される。〈狭 い海 〉と〈震 顫海〉が出会 うエッソス大陸 の北西 の端 の礁湖に広 がる100以上 の島 からなる都市 である。巨 像 の形 の砦 〈ブレーヴォスの巨人 〉によっても知 られる。ブレーヴォスの統治 者 はシーロードと呼 ばれ、街 の力 も富 も海 に依存 する。その商船 は多 くの遠 い土地 に旅 し、貿易 品 と富 を故郷 に持 ち帰 る。ブレーヴォスには貸金 業者 が多 く、〈鉄 の銀行 〉は七 王国 を含 む諸 外国 に資金 を用立 てる。- ブレーヴォス
人 は派手 な色 の装 いをするが、豊 かで力 を持 つ人々 は黒 あるいは黒 っぽい濃 い青 を着 る。ブレーヴォスは高級 娼婦 でも名高 い。全 ての高級 娼婦 は屋形船 と召使 を抱 え、著名 な高級 娼婦 の美 しさは多 くの歌 で讃 えられる。金 細工 の贈 り物 が雨 あられと差 し出 され、職人 たちはひいきにしてもらうことを請 う。貴族 や豊 かな商人 は種々 の行事 で同伴 してもらうためだけに大枚 をはたく。かつてのブレーヴォスの第 一 剣士 であるシリオ・フォレルは、〈水 のダンス〉と呼 ばれるブレーヴォス独特 の剣 技 をアリア・スタークに教 える。この剣 技 は剣士 が横向 きに立 って細身 の剣 を振 るう、フェンシングの発展形 である。街 には好戦 的 な刺客 があふれ、決闘 でその技 を見 せびらかす。 - アリアを
助 けた謎 の暗殺 者 ジャクェン・フ=ガーはブレーヴォスの〈黒 と白 の館 〉を中心 とする〈顔 のない男 たち〉と呼 ばれる暗殺 者 のギルドの一員 である。 - ヴェネツィアをモデルとしている。
- ペントス
- ペントスは
西岸 の湾 にある大 きな貿易 港 である。街 には方形 の煉瓦 の塔 がそびえ、豪商 (マジスター)として知 られる実際 の権力 者 たちによって選 ばれるプリンスに率 いられる。時折 ドスラクの海 からカラザール(部族 )がはるばるやって来 るが、そのカール(族長 )たちに貢 納 することで侵略 を免 れる。ペントスの男 たちは先端 の別 れた顎 髭 を染 める。多 くの自由 都市 と同様 に奴隷 は違法 であるが、豊 かで強力 な住民 は法 を無視 し、召使 を青銅 の首 かせにつなぐことが出来 る。イリリオ・モパティスはこの地 に住 む豪商 である。
他 の自由 都市
[- ロラス
北 の諸島 の港湾 都市 である。ジャクェン・フ=ガーは片側 を赤 く染 めもう一方 を白 く染 めた長 い髪 をし、ロラス人 を装 う。- ライス (リス)
南方 の島々 にまたがる都市 である。他 の自由 都市 の住民 と異 なり、ライス人 は背 が高 く色白 で青 い瞳 を持 つ。歓楽 の館 で有名 であり、愛 の技 を教 えこまれた奴隷 が、愛人 や性 奴隷 として売 られる。ステップストーン諸島 や他 の係争 地 に関 して他国 としばしば争 う。デナーリスの召使 であるドリアと海賊 のサラドール・サーンはライス人 である。エドリック・ストームが護衛 の騎士 と共 に隠 れ住 む。- ミア
- レンズ
職人 、精妙 に織 られたレース、美 しいカーペットで有名 な沿岸 都市 である。暗 い色 の瞳 と濃 い色 の肌 をしたミア人 は、ノーヴォスやペントスと同様 に豪商 たちによって支配 され、ドスラクのカラザールに貢 納 する。ミアは奴隷 と薄 緑色 の飲料 ネクタルの交易 の中心 である。係争 地 の支配 をめぐって他国 としばしば争 う。ル=ロールの祭司 ソロスはミアの出身 である。 - ノーヴォス
西岸 から大陸 内部 に入 った都市 であり、高 い丘陵 から川 沿 いの低地 に広 がっている。街 には独自 の名前 と音色 をもつ、3つの大 きな鐘 がある。郊外 には丘 がうねるように並 び、段々畑 と白 漆喰 の壁 の村 があり、気候 は温暖 である。ノーヴォスの男 は染 めてカーブさせた口髭 をする。街 は豪商 の委員 会 によって支配 され、委員 会 はドスラクのカラザールが通過 するたびに貢 納 する。ここにはまた、エリート護衛 を訓練 する〈顎 髭 の導師 〉たちがいる。護衛 たちは服従 を誓 い、自 らは特徴 的 な長柄 斧 と結婚 したものと見 なす。ドーラン(ドラン)・マーテルの妻 メラリオとドーランの護衛 アリオ・ホターはノーヴォスの出身 である。- クォホール(コホール)
大陸 内部 のクォホールの巨大 な森 の中 にある。美 しい壁掛 けと、ヴァリリア鋼 を種々 の色 に鍛 えなおすことが出来 る刀 職人 たちで有名 である。街 の主要 な神 は黒 山羊 である。3000人 の〈穢 れなき軍団 〉(〈無垢 軍団 〉)が25000人 のドスラクの騎馬 兵 を退 けた〈3000人 の戦 い〉以来 、街 は常 に〈穢 れなき軍団 〉のみによって防衛 されている。ドスラク人 が防衛 軍 に敬意 を表 して弁髪 を切 り取 ったことを記念 し、防衛 軍 は槍 に切 り取 った人 髪 を結 びつける。- タイロシュ
強欲 で悪名 高 い執政 官 に支配 される沿岸 の都市 国家 である。奴隷 と梨 のブランデーを交易 する。多 くの歓楽 の館 があるが、ライスほど名高 いわけではない。武具 職人 は奇妙 な形 の精妙 な鎧 を作 る。当地 は傭兵 を雇 いやすい場所 である。ステップストーン諸島 や係争 地 を巡 る争 いにしばしば巻 き込 まれる。タイロシュ人 は先 の別 れた顎 髭 と、先 をとがらせ、明 るい色 に染 めた口髭 をする。傭兵 隊長 ダーリオ・ナハーリスの出身 地 である。- ヴォランティス
最古 の自由 都市 であり、奴隷 商人 湾 に近 いエッソス大陸 の南西 部 にあり、ロイン河 の河口 に位置 する。奴隷 、ガラス製品 そしてワインを交易 する。選挙 で選 ばれた三 人 の統治 者 によって支配 される。ヴォランティスの傭兵 は多 くが顔 に刺青 をする。主人 が奴隷 や召使 に刺青 をすることも多 い。HBOドラマシリーズに登場 する治療 師 タリサの出身 地 である。
奴隷 商人 湾
[3
- アスタポア
- 3
都市 の中 で最 も富貴 であり、アスタポアは〈穢 れなき軍団 〉を購入 出来 る、世界 で唯一 の場所 である。これらの奴隷 兵士 たちは膨大 な投資 を呼 びこみ、〈善良 なる親方 〉と呼 ばれる奴隷 商人 達 に極 めて大 きな利益 をもたらす。都市 そのものは古 く荒廃 しており、もはや衛兵 もいない崩 れた赤 レンガの巨大 な壁 に囲 まれている。市 の主要 な建造 物 は、湾 の水辺 にある巨大 なレンガのピラミッドと、青空 の下 での奴隷 市場 、〈穢 れ無 き軍団 〉の整列 場所 、そして住民 の集合 場所 として使 われる〈誇 りの広場 〉である。〈誇 りの広場 〉には古代 ギスカル帝国 の象徴 であるハーピーの像 がおかれる。アスタポアの栄光 の時代 ははるか以前 に過 ぎ去 ってはいるが、数 えきれないほどの奴隷 、巨大 な闘技 場 、そして剣 闘士 と〈穢 れ無 き軍団 〉の奴隷 の訓練 場 を抱 える、富貴 で強力 な貿易 の中心 地 である。〈穢 れ無 き軍団 〉は去勢 された歩兵 の軍団 であり、頂 に棘 のついた青銅 の兜 をかぶり、死 を賭 しても命令 に従 う。おのれの無用 さを思 い知 らせるため、毎日 新 しい奴隷 の名前 を与 えられる。市 が攻撃 された時 には、〈穢 れ無 き軍団 〉が城壁 を守 る。 - デナーリス・ターガリエンは〈
穢 れ無 き軍団 〉を手 に入 れ、成人 したすべての奴隷 商人 と兵士 を殺 せと命令 する。市 を離 れる時 に、解放 された奴隷 の民 会 に権力 を与 えるが、数 千 人 の解放 された奴隷 はデナーリスに従 ってユンカイに来 る。かつて肉屋 であったクレオンは、権力 を取 り戻 そうとする親方 たちの計画 を潰 し、その功 でアスタポアの王 となる。 - ユンカイ
奴隷 商人 湾 の3都市 の中 では最小 であり、〈穢 れなき軍団 〉の取引 は行 わないが、ミーリーンと同様 に、どちらも奴隷 を多 く必要 とする闘技 場 と売春 宿 で知 られる。建築 様式 はアスタポアに似 ているが、規模 は小 さく、赤 煉瓦 の代 わりに黄色 の煉瓦 を用 いる。ユンカイの奴隷 商人 たちは〈賢明 なる親方 〉として知 られる。市 には〈穢 れなき軍団 〉がいないため、約 4000人 の職業 兵士 と奴隷 の混 じった軍 と、少 なくとも1000人 の傭兵 に防衛 を頼 る。ギスカル人 にはよくあることだが、ユンカイの兵士 も非 実用 的 な服装 をし、その髪 には油 を塗 って風変 わりな形 にまとめており、戦闘 能力 を損 ねている。- ミーリーン
奴隷 商人 の3都市 の中 では最大 であり、ミーリーンの人口 はアスタポアとユンカイの合計 に匹敵 する。建物 は他 の2都市 と同様 の建築 様式 であるが、さまざまな色 の煉瓦 が使 われている。目立 つ建物 は大 ピラミッドと呼 ばれる巨大 なピラミッドと、黄金 のドームを頂 上部 にいだく〈美 の三 女神 〉の神殿 である。ギスカル人 の都市 には珍 しく、多 くの寺院 がある。ミーリーンの奴隷 商人 は〈偉大 なる親方 〉として知 られている。銅 の小片 のついた豪華 なギスカル人 の伝統 的 軍装 をし、14フィート(4.2メートル)もある槍 を持 った槍 兵 の軍 を備 える。
エッソス東部
[- ドスラクの
海 - ドスラク
人 が住 む広大 で平坦 な草原 。ドスラク人 は銅 色 の肌 をし、戦闘 に長 じた遊牧民 で、固有 のドスラク語 を話 し、独特 の文化 を持 つ。ドスラク人 はカラザールと呼 ばれる部族 単位 で暮 らし、それぞれがカール-族長 -と呼 ばれる首長 に率 いられている。カラザールはカスと呼 ばれる集団 に分 かれ、それぞれがコスと呼 ばれる長 に率 いられる。ドスラク人 は熟練 した騎手 であり、馬 は食糧 になり、輸送 に用 いられ、種々 の原材料 となり、戦争 に用 いられ、そして社会 的 な地位 を決 める、ドスラク人 の文化 における最 も重要 な存在 である。ラザール人 など他 の種族 をしばしば略奪 する。 唯一 の持続 するドスラクの都市 は、ヴァエス・ドスラクと呼 ばれ、ドスラク人 の首都 の役割 を果 たす。都市 はドスラクが襲撃 した都市 から奪 った彫像 であふれる。市 の境界 の中 では血 を流 すことを禁 じる法 があり、これを侵 した者 は呪 われる。市 の入 り口 には二 頭 の巨大 な青銅 の雄 馬 が蹄を宙 に浮 かせてアーチを形作 る。- ラザール
- ドスラクの
海 の南 にある半 乾燥 性 の土地 。牧草 地 と丘 からなる地域 であり、銅 色 の肌 、平 べったい顔 、そしてアーモンド型 の眼 をもつ平和 的 な種族 であるラザール人 が住 む。大 部分 は羊 飼 いであり、ドスラク人 からは〈仔 羊 人 〉と呼 ばれ、しばしばドスラク人 に略奪 される。ラザール人 は〈偉大 なる羊 飼 い〉と呼 ばれる神 を崇 め、全 ての人間 は一 つの群 れの一部 であると信 じる。 赤 の荒 れ地 - クァース
- エッソス
大陸 南東 部 の、〈夏 の海 〉と〈翡翠 海 〉をつなぐ海峡 を見下 ろす位置 にある。東西 南北 をつなぐ商業 と文化 の架 け橋 である都市 。富 を誇示 するその建築 物 は壮大 な景観 となる。それぞれ30フィート(9メートル)、40フィート(12メートル)、50フィート(15メートル)の高 さの三重 の壁 に囲 まれ、それぞれの壁 は種々 の動物 、戦争 の場面 、そしてさまざまな男女 の交 わりの彫刻 で飾 られる。街 の建物 は薔薇 、菫 そして琥珀 などの色合 いを帯 びる。高 く細 い塔 が街 中 に聳 え立 ち、あらゆる広場 を噴水 が飾 る。幾 千 もの鳥 や木々 や花 々が街 を埋 め尽 くす。 - クァース
人 は、麻 織物 と絹織物 と虎 の皮 をまとった丈 高 く色白 の人々 だと描 かれ、女性 は一方 の乳房 をむき出 しにしたガウンを纏 い、男性 はビーズ飾 りのついた絹 のスカートをはく。奴隷 たちがクァース人 に奉仕 する。古代 の王 と女王 の子孫 である〈純粋 人 〉たちが街 を統治 し、防衛 もつかさどる。市 の覇権 を巡 って、3つの主 な豪商 達 のグループがお互 いに競 い合 い、〈純粋 人 〉に対抗 している。〈十 三 人組 〉、〈トルマリン協会 〉、〈古来 の薬味 者 ギルド〉(〈古来 の薬味 者 組合 〉)の3つのグループである。 - クァースは
東方 のあらゆる場所 でいまだに恐 れられ敬 われる、唇 が青 に染 めた黒 魔 導師 (黒 魔術 師 )で有名 であるが、彼 らの力 と威信 は年月 と共 に衰 えて来 る。クァースは〈弔問 者 〉(〈悲 しげな男 たち〉)と呼 ばれる暗殺 者 の組合 の本拠 でもある。
エッソスの未踏 の地
[- アッシャイ
- しばしば“
影 に触 れるアッシャイ”(“影 のほとりのアッシャイ”)と呼 ばれ、エッソス大陸 のはるか東 、ドスラクの海 の南 にある港湾 都市 。アッシャイに行 くことは“影 の下 を通 る”と表現 されることもある。アッシャイは翡翠 海 に面 して賑 わう交易 地 であり、黒 アメジスト、琥珀 、黒曜石 (ドラゴングラス)を輸出 する。当地 には多 くの秘密 の知識 が蓄 えられている。他 のどの地 よりも、ドラゴンに関 する伝承 を伝 えているらしい。アッシャイには ウェスタロスのメイスターも住 む。また、アッシャイの古代 の書 には、ル=ロール( ルラー)の教団 が信 じる、“アゾル・アハイ”(“エイゾール・アハイ”)の予言 が記録 されている。アッシャイとそこに住 む人々 は、他 の土地 では不吉 な評判 を立 てられている。アッシャイ人 は、青白 い肌 で、多 くは赤 い髪 であり、暗 く重々 しい表情 を浮 かべがちである。ドスラク人 は、アッシャイ人 は〈影 の卵 〉であると信 じている。〈影 の土地 〉とアッシャイを含 む地域 は、単 に〈影 〉と呼 ばれることがある。 - イ・ティ
- クァースから
山脈 と海峡 を隔 てた東 にある地 。南東 部 が影 の地 に接 した温暖 な領域 で黄金 帝国 とも呼 ばれる。ウェスタロスの人々 にとって、イ・ティの土地 と人々 は、伝聞 上 の存在 でしかない。しかしヴァエス・ドスラク等 、エッソス西部 の諸 都市 では、猿 の尻尾 で作 られた帽子 を被 たイ・ティ人 の姿 が目撃 される。彼 らは夜 の獅子 と昼 の乙女 と呼 ばれる二 柱 神 を信仰 しており、明 るい目 をしている。独自 に発達 した高度 な文明 は中国 をはじめとする極東 地域 のそれとよく似 ており、長 い歴史 を持 っている。『The World of Ice & Fire』の記述 によれば、西方 でヴァリリアの繁栄 していた数 千 年 前 から黄 ・青 緑 ・緋 ・紫 ・真珠 ・濃 紅 ・翡翠 ・藍 ・灰 ・橙 ・紺 という、色 の名 を冠 する11の王朝 が交代 し、氷 と炎 の歌 の時代 は紺碧 朝 の第 17代 皇帝 ブー・ガイ(Bu Gai)の統治 下 にあるという。 - ジョゴス・ナイ
- イ・ティの
北方 に広 がる広大 な平原 とそこに住 む遊牧民 。『The World of Ice & Fire』で言及 される。イ・ティの帝国 はしばしばこの地 を支配 下 に納 めようと試 みてきたが、大抵 の場合 失敗 するか一時 的 なものに終 わっている。その関係 は歴代 の中国 王朝 とモンゴル等 の北方 騎馬 民族 との関係 に類似 している。ドスラクの海 とは山脈 で隔 てられており、この地 の民 が山脈 の西側 に来 ることは滅多 に無 いものの、奴隷 商人 湾 の諸 都市 の奴隷 や剣 闘士 の中 に少数 ながら見 られる。 - イッベン
- エッソス
本土 から鯨 湾 を隔 てた北 の海 に浮 かぶ島々 。最大 の島 はイブ島 でイッベンの港 と都市 イブ=ノールがある。かつては神 王 と呼 ばれる君主 が統治 していたが、ヴァリリアの崩壊 後 は貴族 、司祭 及 び豪商 からなる影 の評議 会 によって治 められている。ドラマの中 でティリオンがマンモスの徘徊 する地 として言及 し、その後 小説 でも名前 が登場 する。 影 の土地 - はるか
東 の土地 。既知 の世界 の東 の端 に位置 し、アッシャイの隣 あるいは向 こう側 にある。西方 世界 では〈影 の土地 〉に関 する種々 の物語 が語 られるが、どこまでが真実 なのかは明 らかでない。石 化 したドラゴンの卵 は〈影 の土地 〉からもたらされ、ドラゴン自身 が〈影 の土地 〉に起源 を持 つと言 われている。ドスラク人 は、〈幽霊 草 〉が〈影 の土地 〉を覆 い、その茎 は闇 に光 り、馬上 の人 よりも高 く育 つと信 じている。この土地 に生 まれたものは〈影 の人々 〉と呼 ばれ、体 を刺青 で覆 い、赤 い漆 塗 りの木 の仮面 をつける。彼 らは陰気 で恐 ろしい存在 として描 かれている。彼 らの中 には、血 の犠牲 を必要 とする呪文 を用 いる、血 の魔法 を使 う者 もいる。〈影 の土地 〉とアッシャイは合 わせて〈影 〉と呼 ばれることが多 い。 - Cannibal Sands
直訳 すると人 食 い族 の砂漠 。影 の土地 の北 にある砂漠 。名前 の通 り、人 肉 を食 らう部族 が住 んでいるとされる。『The World of Ice & Fire』で言及 され、邦訳 書籍 には未 登場 。- Grey Waste
直訳 すると灰色 の荒野 。影 の土地 の北 にある砂漠 。この地 より東 に何 があるのかは不明 。『The World of Ice & Fire』で言及 され、邦訳 書籍 には未 登場 。- Mossovy
- ジョゴス・ナイの
東 、Grey Wasteの北 にあり、北 の海 の沿岸 地域 に広 がる森林地帯 。七 王国 の司祭 たちはこの森 の端 で世界 が終 わっていると言及 するが、実際 に森 の向 こうに何 があるのかは知 られていない。『The World of Ice & Fire』で言及 され、邦訳 書籍 には未 登場 。 - Thousand Islands
直訳 すると千 諸島 。Mossovyの沿岸 一帯 の島々 。既知 の世界 の北東 の端 。緑 がかった肌 の住民 が住 んでいるとされる。『The World of Ice & Fire』で言及 され、邦訳 書籍 には未 登場 。- Ulthos
影 の地 から狭 い海峡 を隔 てた南 の土地 。深 い密林 に覆 われている事 以外 は何 も知 られていない。島 なのか、あるいは大陸 の一部 なのかも不明 で、同 じくほとんどが未踏 のソゾリオスと地続 きである可能 性 もある。『The World of Ice & Fire』で言及 され、邦訳 書籍 には未 登場 。夏 諸島 - エッソスとウェスタロスの
南側 にある〈夏 の海 〉に浮 かぶ、一 つの国家 をなす島々 。美 しい鳥 、類人猿 、そして猿 が住 む。〈高木 の町 〉(〈高 い木 の町 〉)の港 は首都 の役割 を負 う。夏 諸島 の住民 は、独自 の言語 を話 し、しばしば明 るい色 の羽毛 のマントを着 る。肌 は黒 く、魚 と果物 を食 する。ウェスタロスにはワイン、香辛料 、羽毛 、そして弓 を作 る特殊 な木材 を輸出 する。弓術 は夏 諸島 人 にとって重要 な武技 である。その独特 な弓 は他 の弓 よりも飛 距離 が長 く、海賊 から商船 を守 るすぐれた防御 となる。性 は神 々からの贈 り物 と見 なし、愛 の行為 によって神 々を崇拝 する。高貴 な生 まれの若 い男女 の多 くは、神 々を讃 えるために売春 施設 に数 年間 勤 める。 - ヴァリリア
- かつて
古代 ヴァリリア永世 領 と呼 ばれる大帝 国 の首都 であったが、以来 廃墟 となっているかつての驚異 の都市 。絶頂 期 において、古代 ヴァリリア永世 領 は最先端 の文明 であり、既知 の世界 では圧倒的 な軍事 と文化 の力 を保有 している。エッソス南岸 の半島 に位置 し、ターガリエン家 の古 の故郷 である。 - かつては
強力 なギスカル帝国 がヴァリリアの拡大 を阻止 しようとして5回 の戦争 を戦 ったが、いずれもヴァリリアが勝利 する。最後 の戦争 でギスカル帝国 とその首都 は破壊 される。続 く年月 の間 にヴァリリアは多 くの地 を征服 して植民 地 とし、数々 の大都市 、およびヴァリリアを中心 とした街道 を建設 する。アンダルやロインのような小 国家 はヴァリリアの拡大 を逃 れるために西 へ逃 げ、ウェスタロスに上陸 する。ヴァリリアは征服 した土地 から多 くの奴隷 を得 て地中 深 く鉱脈 を掘 らせる。国力 が頂点 に達 した頃 、自由 保有 地 は東方 のほぼ全体 に広 がる。古代 ヴァリリアによって建設 された都市 にはオロス、マンタリース、ティリア、そしてブレーヴォスを除 くすべての自由 都市 がある。 古代 ヴァリリアは、 『氷 と炎 の歌 』の出来事 の数 百 年 前 、〈破滅 〉が訪 れた時 に崩壊 する。〈破滅 〉は明 らかに火山 に関係 したものであるが、ヴァリリアの街 を取 り巻 く土地 をばらばらに壊 して小 さな島々 となし、島々 の間 には〈煙 立 つ海 〉を作 る。現在 、この地域 は“悪魔 が出 る”として描 かれており、多 くの人 はこの土地 に行 くことを恐 れ、“〈破滅 〉がいまだにヴァリリアを支配 する”と言 われる。8つのヴァリリア自由 都市 が〈破滅 〉を生 き延 び、ターガリエン家 がドラゴンストーンに逃 げおおせたにもかかわらず、ヴァリリアの文化 、言語 そして工芸 のほとんどは〈破滅 〉で失 われる。- ヴァリリアは、ドラゴンを
育成 して戦争 の兵器 として使 うという、特殊 な力 によって記憶 されている。その軍事 力 のほとんどはドラゴンの戦場 での有効 性 に負 うものであり、〈征服 戦争 〉においてウェスタロスの王 たちの数多 の恐 るべき軍 を破 ったのは、エイゴン・ターガリエンとその姉妹 たちの、ドラゴンを支配 する力 である。ヴァリリアはまた、比類 なき質 の武器 となる〈ヴァリリア鋼 〉と呼 ばれる特別 な金属 を鍛 えたことでも知 られる。〈ヴァリリア鋼 〉の刃 は、通常 の鋼 に比 べて軽 く強 く鋭 く、ダマスカス鋼 に類似 した独特 の刃 紋 を持 つことが特徴 である。この金属 を新 しく作 る秘密 は明 らかにヴァリリアとともに失 われており、貴重 品 である。ただし、既存 の剣 を溶 かして鍛 え直 すことはできる。ウェスタロスに残 るほとんどのヴァリリア鋼 の剣 は高貴 な名家 の家宝 となり、それぞれが名前 と物語 を持 っている。スターク家 の大 剣 アイスはそのような剣 の一 つである。
宗教
[ウェスタロスの
古 の神 々- 〈
最初 の人々 〉がウェスタロスに初 めて移住 して来 た時 、〈森 の子 ら〉に出会 うことになる。〈最初 の人々 〉は〈古 の神 々〉の宗教 を〈森 の子 ら〉から学 び、以前 の宗教 を捨 てる。〈古 の神 々〉の宗教 には経典 も僧 の階級 も伝道 活動 もなく、〈古 の神 々〉には個々 の名前 すらない。その後 のアンダル人 の侵略 によって、鉄 諸島 を除 く、ネックの南 のウェスタロス全土 は〈七 神 正教 〉に改宗 する。しかしながら北部 では、〈最初 の人々 〉が征服 されずに残 り、多 くの人々 は今日 まで〈古 の神 々〉を奉 じ続 けている。〈古 の神 々〉の信仰 は何 らかの現実 の(魔法 ではあるが)基盤 を持 っていることがほのめかされている。ウィアウッドを通 して遠 くの地 、および過去 未来 を見 る〈緑 視力 〉と動物 の心 に入 り込 む〈狼 潜 り〉などである。この宗教 の焦点 となるのは、顔 を彫 ったウィアウッドの木 が中心 にある〈神 々の森 〉である。現在 、〈古 の神 々〉の信仰 はほぼ北部 に限 られているが、南部 でも高貴 な家 の古 の〈神 々の森 〉はいまだに残 り、世俗 的 な庭園 に改造 されている。 七 神 正教 - ウェスタロス
最大 の宗教 であり、アンダル人 が大陸 を征服 した時 にこの地 にもたらされたる。ウェスタロスの大 部分 で信仰 されているが、鉄 諸島 および北部 にはあまり信者 がいない。〈正教 〉は中世 ヨーロッパのカトリック教会 に類似 している。七 つの側面 を持 つ神 の崇拝 に基礎 を置 いており、カトリックの三位一体 の代 わりとなっている。この“七 にして一 なる”神 は一家 の形態 をとるが、独自 の個人 名 を持 つわけではない。七 神 とは〈厳父 〉、〈慈母 〉、〈乙女 〉、〈老 嫗 〉、〈戦士 〉、〈鍛冶 〉、〈異 客 〉(〈父 の神 〉、〈母 の神 〉、〈乙女 の神 〉、〈老婆 の神 〉、〈戦士 の神 〉、〈鍛冶屋 の神 〉、〈異邦 の神 〉)である。このうち〈慈母 〉、〈乙女 〉、〈老 嫗 〉は女性 的 側面 を象徴 し、〈厳父 〉、〈戦士 〉、〈鍛冶 〉は男性 的 側面 を象徴 する。〈異 客 〉は男性 でも女性 でもなく、謎 と死 を象徴 する。 - 〈
正教 〉の多 くの側面 は素数 3ではなく、素数 7に基 づく。たとえば、この宗教 の重要 な図像 は、水晶 のプリズムに射 し込 んで7色 の虹 を作 る光線 である。〈司祭 〉(〈神官 〉)は〈厳父 〉に仕 える男性 の神職 でありセプトンと呼 ばれ、〈司祭 女 〉(〈女神 官 〉)は〈慈母 〉に仕 える女性 の神職 でありセプタと呼 ばれる。〈七 神 正教 〉には、いくつかの経典 があるが、最 も重要 な経典 の一 つは〈七 芒 星 典 〉であって、多 くの書 に分 かれている。聖職 者 たちは、明 らかに神 の側面 に従 って分 かれている。〈異 客 〉、またの名 を“死 と未知 なるものの神 ”、に仕 える女性 だけの組織 は〈沈黙 の修道 女 〉(〈沈黙 の尼僧 〉)と呼 ばれ、沈黙 を守 り死骸 の世話 を行 う。神 の他 の側面 にもそれぞれ神職 の組織 があるのかどうかは明 らかではない。〈七 神 正教 〉の長 は教皇 に類似 した総 司祭 であり、枢機卿 会 に類似 した〈篤信 卿 会 〉として知 られる高位 の聖職 者 の会議 で選 ばれる。総 司祭 と〈篤信 卿 会 〉は何 千 年 もオールドタウンに置 かれたが、ターガリエン家 が七 王国 を征服 し王 都 キングズランディングを建設 した時 、その本拠 を王 都 に移動 する。 - 〈
七 神 正教 〉はウェスタロスの文化 における概念 である〈騎士 〉の基礎 をなすが、宗教 の側 に立 つ戦士 である〈聖 兵 〉は、〈騎士 〉とは異 なる存在 である。〈五 王 の戦 い〉の時点 では何 世紀 もの間 、解体 されていたが、王室 の借財 の免除 と引 き換 えに、ふたたび〈戦士 の子 ら〉と呼 ばれる組織 を作 ることを許 される。 溺 神 鉄 諸島 の独自 の宗教 。アンダル人 がウェスタロスを侵略 した時 、多 くはその地 の〈最初 の人々 〉が〈七 神 正教 〉に改宗 することを強制 したが、鉄 諸島 を侵略 したアンダル人 は地元 の宗教 と文化 を取 り入 れる。鉄 諸島 には島 の船乗 りの文化 があり、〈溺 神 〉の信仰 もこれを反映 する。水 と、溺 れることがこの宗教 では主要 な役割 を演 じる。信者 は儀式 により溺 れさせられ、原始 的 な人工 呼吸 によって蘇生 させられる。邪悪 な〈嵐 神 〉はかつて〈溺 神 〉を溺 れさせた存在 である。〈鉄 諸島 人 〉が死 んだ時 は海 に住 む〈溺 神 〉の傍 に戻 るとされる。鉄 諸島 人 は海 で死 ぬことも溺 れることも恐 れないが、それは一 度 死 んだものは再 び死 ぬことは出来 ず、より強 くたくましく立 ち上 がるからであるとされる。 〈古 の神 々〉を信 じる北部 人 と同様 に、鉄 諸島 人 には〈騎士 〉がほとんどいないが、それは〈騎士 〉が〈七 神 正教 〉に伴 う概念 だからである。だが、〈溺 神 〉の教義 は武勇 を尊 び、無慈悲 な暴力 と破壊 を伴 う鉄 諸島 人 の伝統 的 な海賊 行為 や女性 の略奪 は、すべて正 しく称賛 に値 する行為 であると教 える。実際 に、海賊 と略奪 はほとんど宗教 的 な行為 であり、捕 えた船 の船員 を甲板 から海 に投 げ込 んで溺 れさせることは、〈溺 神 〉への奉納 であると考 えられている。死刑 もまた、海 に投 げ込 んで溺 れさせ、〈溺 神 〉に奉 げる形 をとる。母 なるロイン東方 の大陸 からのロイン人 の避難 民 がドーンに上陸 した時 (『氷 と炎 の歌 』の出来事 の約 1000年 前 )、彼 らはこの地 のアンダル人 と混 じりあう。ロイン人 は文化 的 遺産 と人種 的 遺産 をドーンに色濃 く残 したが、ほとんどのロイン人 は〈七 神 正教 〉に改宗 する。しかし、元来 のロイン人 の宗教 を守 る者 もいる。ロイン人 はもともとエッソス大陸 のロイン川 の網 の目 のような水路 のそばの都市 国家 に住 んでいたため、その結果 ロイン人 は川 を主題 とした多 くの自然 神 を信仰 する。その主神 はロイン川 を擬人 化 した〈母 なるロイン〉である。そのほかにも、〈河 の翁 〉、そしてその敵 の〈蟹 の王 〉などの神 がいる。ロイン人 がドーンに逃亡 した時 、ほとんどの者 は程度 に差 こそあれウェスタロスの文化 に同化 したが、その先祖 の川 に基 づいた文化 を頑固 に守 り、ドーンを流 れるグリーンブラッド川 に沿 って筏 に乗 って生活 する者 も少数 いる。この小規模 の、川 を上 り下 りして放浪 するジプシーのような文化 は、〈グリーンブラッドの孤児 〉として知 られているが、それは自 らを〈母 なるロイン〉の孤児 であると見 なしているからである。- ル=ロール
- ル=ロールは〈
紅 い神 〉や〈光 の王 〉(光 の神 )として知 られ、主 に〈狭 い海 〉の向 こう側 で信 じられている宗教 であるが、〈鉄 の玉座 〉に仕 えるミアのソロスなど、ル=ロールの司祭 は七 王国 にも在住 している。ル=ロールの崇拝 には火 の儀式 が含 まれ、その多 くは犠牲 を必要 とする。〈光 の王 〉の司祭 は、ソロスの剣 を燃 えたせるトリックや、メリサンドルの邪悪 な呪文 などの神秘 的 な力 をしばしば見 せる。メリサンドルの影響 のもとで、自 らを七 王国 の王 と宣言 するスタニス・バラシオンはこの宗教 に改宗 し、ル=ロールの暗黒 の儀式 の力 を借 りて〈鉄 の玉座 〉を探求 している。ル=ロールの信仰 の中 には、〈壁 〉の北 に住 む〈異形 〉に関 する予言 も含 まれ、〈歩 く白魔 〉(〈白 い歩行 者 〉)はル=ロールの永遠 の敵 である〈偉大 なる異形 〉(〈偉大 なる他者 〉)の信奉 者 であると主張 する。
生物
[意識 を持 つ種
[ウェスタロスには
巨人 - 〈
巨人 〉は壁 の外 の極北 のみで見 られる、絶滅 しつつある種 族 である。〈巨人 〉は二 足 歩行 の類人猿 にやや似 た、巨大 で毛 むくじゃらのヒト型 生物 である。人間 よりも若干 低 い知性 しかない。〈最初 の人々 〉の言語 を話 すが、ウェスタロスの共通 語 を理解 する者 もいる。戦 いではマンモスに乗 り、丸太 より若干 ましな程度 の粗雑 な作 りの棍棒 を振 う。中 には〈野人 〉たちと緩 やかな同盟 を結 ぼうとしたものもいる。多 くの〈巨人 〉が〈壁 の向 こうの王 〉マンス・レイダーの〈野人 〉の大群 に加 わり、〈異形 〉から逃 れるために〈壁 〉の南側 に押 し通 ろうする。 森 の子 ら- 〈
森 の子 ら〉はウェスタロスの本来 の住民 であるとされる。〈森 の子 ら〉はしばしば言及 されるが、何 千 年 も姿 を見 られていない。小柄 なヒト型 生物 であると考 えられている。色 黒 で美 しく、夢 と自然 に関 する不思議 な力 を持 っている。北部 に残 る〈古 の神 々〉への信仰 、そしてウィアウッドの森 を除 けば、彼 らの遺産 はシリーズの時間 軸 ではほとんど残 っていない。ジョージ・R・R・マーティンは彼 らがエルフではないと何 度 も強調 している。彼 はこの件 に関 してこう言 っている「(森 の)子供 たちは・・・(森 の)子供 たちだ。エルフにはもううんざりだ。」[2] - 〈
森 の子 ら〉はウィアウッドを通 して他 の場所 の出来事 を見 ることが出来 る。金属 は持 たなかったが、黒曜石 の武器 とウィアウッドの弓 を用 いたと言 われている。後 に破壊 されることになった陸橋 を通 って、エッソスから、青銅 の武器 を携 え馬 に乗 ってやって来 た〈最初 の人々 〉と多 くの戦争 を戦 う。〈顔 のある島 の条約 〉(〈顔 の島 の条約 〉)が結 ばれ、〈森 の子 ら〉は森 に住 み、〈最初 の人々 〉は開 けた土地 を支配 することとなる。続 く年月 に条約 の効果 は薄 れたが、〈異形 〉が現 れた時 、〈森 の子 ら〉と〈最初 の人々 〉は連合 して、黒曜石 、火 、〈古 の神 々〉の魔法 、そして〈壁 〉の建設 によってこれを退 ける。続 く年月 に〈森 の子 ら〉は数 を減 じ、ウェスタロスを去 ったかあるいは絶滅 したかと思 われている。 異形 - ホワイト・ウォーカー(
白 い歩行 者 、白 き魔物 )とも呼 ばれる〈異形 〉は〈壁 〉の北側 で発見 された邪悪 な生物 である。彼 らは夜 の間 だけしか目撃 されておらず、つねに激 しい寒 さと共 に現 れる。〈異形 〉は背 が高 く、痩 せていて、光 る青 い目 を持 つ優美 なヒト型 生物 である。かれらは一 歩 ごとに色 を変 える鎧 をまとい、鋼 さえ砕 く冷 たい刃 をそなえた薄 い水晶 の剣 を振 う。静 かに動 くが、その声 は氷 を割 るかのように響 く。独自 の言語 を持 つことがほのめかされている。〈異形 〉に対 して鉄 の武器 は無力 であり、黒曜石 (ドラゴングラスとしても知 られる)あるいはヴァリリア鋼 によって作 られた武器 によってのみ倒 すことができる。死 ぬと、彼 らは溶 けて、極 めて冷 たい液体 の水 たまりとなる。 - 〈
異形 〉は死者 を復活 させ、同 じような光 る眼 を持 つ死 にぞこないのゾンビーのような〈亡者 〉とし、操 ることができる。〈亡者 〉は人間 に限 られず、馬 やクマもまた〈亡者 〉となる。〈亡者 〉の体 を切断 してもそれぞれの部分 は動 き続 ける。ヴァリリア鋼 およびドラゴングラスによっても倒 すことはできない(ただしドラマではドラゴングラスによっても倒 すことができる)。火 のみが〈亡者 〉を倒 すことができる。〈壁 〉の外 の野人 は、死者 が〈亡者 〉とならないよう火葬 する。
動物
[- ドラゴン
- ドラゴンは
物語 の上 で重要 な役割 を果 たす。エイゴン征服 王 は3頭 をウェスタロスに連 れてきて七 王国 の統一 に用 いる。王 の子孫 はドラゴンを飼 い繁殖 させたが、やがてその数 は減 じ、『氷 と炎 の歌 』の200年 ほど前 に起 きた、〈双竜 の舞踏 〉(The Dance of the Dragons)として知 られる、ターガリエン家 の王位 継承 をめぐる内戦 で多 くのドラゴンが殺 され、やがて死 に絶 える。〈双竜 の舞踏 〉はドラマシリーズ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』で語 られる。物語 の当初 、ドラゴンは絶滅 したと信 じられ、石 化 したドラゴンの卵 だけが残 る。 デナーリスはカール・ドロゴの葬儀 の燃 える薪 の上 で、3個 のドラゴンの卵 を孵 すことに成功 し、世界 にドラゴンを甦 らせる。 - この
物語 のドラゴンは、鱗 があり、炎 を吐 く、動物 程度 の知性 を持 つ爬虫類 である。ドラゴンには前足 に蝙蝠 のような皮 の翼 がある。氷 と炎 の歌 の挿絵 では4本 の足 と、独立 した翼 が描 かれているが、作者 のジョージ・R・R・マーティンはこれらの絵 が不正確 であると繰 り返 し強調 している。ドラゴンには誰 でも乗 れるわけではなく、乗 りこなそうとして多 くの人間 が命 を落 とす。長命 なドラゴンは一人 以上 の乗 り手 を選 ぶことがあるが、一人 の人間 が二 頭 以上 のドラゴンに選 ばれることはない[3]。ヴァリリア人 であるターガリエン家 の血 の濃 い者 だけが、ドラゴンと絆 を結 ぶことができる。長 じるにつれドラゴンの皮膚 は硬 さを増 して貫 くことは難 しくなり、目 だけが唯一 の弱点 となる。 鴉 - 『
氷 と炎 の歌 』の鴉 は、鳩 と同様 に帰巣 本能 が強 く、かつ体 が大 きく猛禽 類 から襲 われにくいため、手紙 の運搬 に用 いられる。多 くの鴉 は一 つの城 に行 くよう訓練 されているが、中 には口頭 の命令 で複数 の城 のうちの一 つを選 んで飛 べる鴉 もいる。鴉 の中 には、人語 を解 するだけでなくオウムのように限 られた人語 を話 すものもあり、ペットとして飼 われる場合 もある。
植物
[『
- ウィアウッド
- ウィアウッドはウェスタロス
中 に自生 する落葉樹 であり、5つの先端 を持 つ葉 や樹液 は血 のように赤 く、太 い樹 を覆 うなめらかな樹皮 や木材 は骨 のように白 い。ほとんどのウィアウッドには〈古 の神 々〉の顔 が彫 られているが、これは古 くは〈森 の子 ら〉によって彫 られ、現在 は〈野人 〉や〈最初 の人々 〉の子孫 たちの北部 人 が彫 るものである。顔 の彫 られた溝 に樹液 が集 まり、木 が赤 い眼 から涙 を流 しているように見 える。 - 〈
古 の神 々〉たちはウィアウッドに彫 られた顔 の目 を通 して、多 くの出来事 を見守 っていると言 われる。〈森 の子 ら〉の〈緑 視 者 〉たちも顔 の目 を通 して見 ることが出来 るが、木 には時間 の観念 がないために、過去 や未来 を覗 き込 むことがある。ウェアウッドは森 に自生 する。〈最初 の人々 〉は〈森 の子 ら〉にならって〈古 の神 々〉を信 じるようになり、城 や村 に〈神 々の森 〉を作 る。その中心 には〈心 の木 〉と呼 ばれるウィアウッドがある。ウィアウッドは婚儀 などの重要 な儀式 の証 として用 いられる。ウィアウッドの前 では嘘 をつくことが出来 ないと信 じられる。〈神 の目 〉湖 に浮 かぶ〈顔 のある島 〉には顔 の彫 られたウィアウッドがあり、ここで〈森 の子 ら〉と〈最初 の人々 〉の条約 が結 ばれる。 - アンダル
人 が〈七 神 正教 〉を携 えてウェスタロスを侵略 した時 、ウィアウッドは〈古 の神 々〉の象徴 とされ、多 くが切 り倒 されるか燃 やされる。だがネックの北 の北部 は一 度 も侵略 されず、〈最初 の人々 〉の血 とともに多 くのウィアウッドが残 る。〈壁 〉の北 にも多 くのウィアウッドが見 られる。 - ウィアウッドは
腐 らないため、貴重 な建設 材 や家具 材 となる。また槍 、弓 、矢 の材料 にも用 いられる。
脚注
[- ^ “So Spake Martin: KEPLER’S AND CODY’S SIGNINGS (CALIFORNIA; NOVEMBER 9 AND 11)”. Westeros.org (November 11, 2000). August 28, 2014
閲覧 。 - ^ “Targaryen History”. westeros.org (April 20, 2008). 20 October 2010
閲覧 。 - ^ "Dangerous Women"
収録 の中編 "The Princess and the Queen"による