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マンモス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
マンモスぞく
生息せいそく年代ねんだい: 5–0.0045 Ma
ケナガマンモス (M. primigenius) 復元想像図
ケナガマンモス (M. primigenius) 復元ふくげん
地質ちしつ時代じだい
鮮新 - 更新こうしん
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
上目うわめ : アフリカじゅう上目うわめ Afrotheria
: ゾウ Proboscidea
: ゾウ Elephantidae
: ゾウ Elephantinae
ぞく : アジアゾウぞく Elephantini
ぞく : マンモスぞく Mammuthus
学名がくめい
Mammuthus Brookes1828
たね

マンモスきゅうぞう[1][2]英語えいご: mammoth)は哺乳ほにゅうつなちょうはなゾウマンモスぞく (Mammuthus) にぞくするたね総称そうしょうである。現在げんざいぜんたね絶滅ぜつめつしている。

現生げんなまゾウ類縁るいえんだが、直接ちょくせつ祖先そせんではない。やく400まんねんまえから1まんねんまえごろ絶滅ぜつめつ時期じき諸説しょせつある)までの期間きかん生息せいそくしていた。巨大きょだいきば特徴とくちょうで、種類しゅるいによってはきばながさが5.2メートルにたっすることもある。シベリアきたアメリカ大陸あめりかたいりく生息せいそくし、ふとなが体毛たいもう全身ぜんしんおおわれた中型ちゅうがたのケナガマンモス M. primigenius有名ゆうめいである。実際じっさいにはマンモスは大小だいしょう数種類すうしゅるいあり、シベリア以外いがいユーラシア大陸たいりくはもとより、アフリカ大陸たいりくみなみアメリカ大陸あめりかたいりくひろ生息せいそくしていた。とく南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりく生息せいそくしていたコロンビアマンモスは、大型おおがたたんで、かつ最後さいごまで生存せいぞんしていたマンモスとして有名ゆうめいである。

誕生たんじょう絶滅ぜつめつ

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ケナガマンモスの復元ふくげん模型もけい

最古さいこのマンモスは、やく500まん - 400まんねんまえきたアフリカにおいてまれたとかんがえられている。そのあらましは、およそつぎのとおりである。

誕生たんじょう

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700まん - 600まんねんまえに、アフリカゾウぞく (Loxodonta) から、「インドゾウとマンモスの共通きょうつう祖先そせん」が分岐ぶんきした。さらに600まん - 500まんねんまえに、その「インドゾウとマンモスの共通きょうつう祖先そせん」から、アジアゾウぞく (Elephas) とマンモスぞく (Mammuthus) に分岐ぶんきした。

Mammuthus subplanifrons は、やく400まん - 300まんねんまえ生息せいそくしたとされる最古さいこのマンモスの一種いっしゅで、みなみアフリカ共和きょうわこくケニヤなどから化石かせき出土しゅつどしている。チャドリビアモロッコチュニジアつかった Mammuthus africanavus最古さいこのマンモスとしんじられ、一説いっせつやく480まんねんまえ生存せいぞんしたとされるが、出土しゅつどしたのは臼歯きゅうしきばのみであり、これら「最古さいこのマンモス」については異論いろんもある。

やく300まん - 250まんねんまえ、アフリカからヨーロッパ北上ほくじょうして移住いじゅうする過程かていで、マンモスはあたらしいたね Mammuthus meridionalis誕生たんじょうさせた。さらに、アジアシベリアて、やく150まんねんまえには北米ほくべい大陸たいりくまでひろがった。当時とうじシベリアとアラスカあいだリング海りんぐかいかい存在そんざいせず陸続りくつづき(ベーリング地峡ちきょう)だったため、自由じゆう往来おうらいができた。

絶滅ぜつめつ

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更新こうしん末期まっきにあたるやく4まん - すうせんねんまえおおくの大型おおがた哺乳類ほにゅうるいともにマンモスは絶滅ぜつめつした。最後さいごのマンモスは紀元前きげんぜん1700ねんころひがしシベリア沖合おきあいにある北極ほっきょくかい(チュクチかいじょうウランゲリとう狩猟しゅりょうされたというせつ提起ていきされている。

原因げんいん確定かくていであるが、有力ゆうりょく仮説かせつとしてこおり末期まっき気候きこう変動へんどうともな植生しょくせい変化へんか原因げんいんとするせつがある。やく1まんねんまえこおりわり、高緯度こういど地域ちいき気温きおんが10程度ていど上昇じょうしょうした。この温暖おんだん以前いぜんのシベリアは乾燥かんそうした大地だいちやなぎイネくさ生息せいそくする黒土こくど地帯ちたいのような肥沃ひよく草原そうげんひろがっていた。シベリアで発見はっけんされたマンモスの内容ないようぶつからイネ植物しょくぶつがマンモスの主食しゅしょくであり、キンポウゲヨモギるいなどをべていたと推測すいそくされる。

ところが温暖おんだんともなって湿潤しつじゅんし、いちねん半分はんぶん大量たいりょうゆきもる現在げんざいタイガへと変貌へんぼうした。針葉樹しんようじゅりんがもたらす生産せいさんりょくひく酸性さんせい土壌どじょうがイネ草木くさき激減げきげんさせ、マンモスにかぎらずケブカサイオオツノジカなどおおくの大型おおがた草食そうしょく動物どうぶつがシベリアからえていった、という推定すいていである。

その有力ゆうりょく仮説かせつとしては、ヒト狩猟しゅりょう対象たいしょうになったことを原因げんいんとするものがある。アメリカ大陸あめりかたいりくでは紀元前きげんぜん1まんねん前後ぜんこうから人類じんるい進出しんしゅつし、人類じんるいがマンモスハンティングに使用しようしたクロビス石器せっき登場とうじょうする1まん1000ねんごろとあい前後ぜんごしてマンモスは地上ちじょうから姿すがたはじめる。シミュレーションによれば、アメリカ大陸あめりかたいりく人類じんるい進出しんしゅつして800ねんほどでマンモスは絶滅ぜつめつしている。子供こどもいちに1とうしかまない大型おおがた動物どうぶつであるマンモスは狩猟しゅりょうあつよわ動物どうぶつである。

また、アメリカ大陸あめりかたいりくのコロンビアマンモスの化石かせき検証けんしょうから伝染でんせんびょうせつ最近さいきん有力ゆうりょく仮説かせつとして提唱ていしょうされている。これはアメリカ大陸あめりかたいりくでマンモスの化石かせき一緒いっしょ発見はっけんされたじり(人間にんげんによる狩猟しゅりょう証拠しょうこ)は全体ぜんたいで7けんしかないにもかかわらず、病変びょうへんられる大腿だいたいこつ変形へんけいが8わりちかくの化石かせき確認かくにんされていることによる。この伝染でんせんびょう原因げんいん人間にんげんれてきた家畜かちくであり、そのため人類じんるいアメリカ大陸あめりかたいりく上陸じょうりくした直後ちょくごにマンモスは絶滅ぜつめつしたが、けっして人類じんるい狩猟しゅりょうのみによって絶滅ぜつめつしたのではないというせつである。上記じょうきのほかに、やく4まんねんまえ超新星ちょうしんせい爆発ばくはつによって絶滅ぜつめつしたとするせつ存在そんざいする[3]

ただし、ウランゲリとうでのマンモスの絶滅ぜつめつについては、最新さいしん研究けんきゅう人類じんるい到達とうたつするやく100ねんまえにマンモスが絶滅ぜつめつしていたとかんがえられること、遺伝いでんてき多様たようせい維持いじされていたという調査ちょうさ結果けっかから環境かんきょうゆるやかな変化へんか狩猟しゅりょうによってではなく、巨大きょだいあらし細菌さいきんウイルスによる伝染でんせんびょう流行りゅうこうといった突発とっぱつてき事件じけんによってマンモスは絶滅ぜつめつしたのではないかというせつされている[4]

2012ねん5がつ9にち、『英国えいこく王立おうりつ協会きょうかい紀要きよう』に史上しじょう最小さいしょうのマンモス(かただか120センチメートル、体重たいじゅう310キログラム)がクレタとうで350まんねんまえまで生息せいそくしていたという研究けんきゅう発表はっぴょうされた[5]

発掘はっくつ

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メリジオナリスゾウ南方なんぽうマンモス)の全身ぜんしん骨格こっかく模型もけい

マンモスの化石かせきヨーロッパなどでふるくからされており、該当がいとうする現生げんなま動物どうぶつがいなかったことから、巨人きょじん怪物かいぶつほねであるとされてきた。たとえば、15世紀せいき発見はっけんされたマンモスの大腿だいたいこつは、「巨人きょじんほね」としてウィーンシュテファンだい聖堂せいどうかざられていた。

フランス博物はくぶつ学者がくしゃジョルジュ・キュビエは、現生げんなまのゾウの骨格こっかくとこれらの化石かせき詳細しょうさい比較ひかくおこない、「これら化石かせき現生げんなましゅとはまったくことなる古代こだい絶滅ぜつめつしたゾウの一種いっしゅである」と結論けつろんづけ、この化石かせきしゅを「マンモス」と命名めいめいした。1796ねん王立おうりつ科学かがく芸術げいじゅつ協会きょうかいにて、キュビエは「現生げんなまゾウと化石かせきゾウのたねについて」という題目だいもくでこの結果けっか発表はっぴょうしている。ほどなく1799ねんシベリアのツンドラ永久えいきゅう凍土とうどから、ほねだけでなくにく皮膚ひふ体毛たいもうのこったこおりづけのマンモスが発見はっけんされ(D・F ヘルツによるとにく新鮮しんせんえたという)、キュビエのかんがえに強力きょうりょくうらづけがられた。

シベリア

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シベリアでこおったマンモスが次々つぎつぎ発見はっけんされたことをけ、1860ねんロシア科学かがくアカデミーは、「マンモスの完全かんぜん骨格こっかく発見はっけんしたものに100ルーブル支払しはらう」というパンフレットを作成さくせいし、シベリアの住民じゅうみん配布はいふした。しかし、マンモスをおかせ瀆することでのろいをけることをおそれたり、マンモス運搬うんぱん使役しえきされるなどの面倒めんどうまれることをけたりするなどの理由りゆうから、発見はっけんされても報告ほうこくされることはほとんどなく、破棄はきされてしまうなど、おおくのマンモスがやみほうむられてしまった。

1900ねんきたシベリアのベレゾフカがわきしでマンモスが発見はっけんされたという通報つうほうけ、1901ねん5がつ3にち、ロシア科学かがくアカデミーの動物どうぶつ学者がくしゃオットー・ヘルツオイゲン・ピッツェンマイヤーらはペテルブルク(げんサンクトペテルブルク)を出発しゅっぱつした。鉄道てつどうで5がつ14にちイルクーツクに、6月14にち馬車ばしゃふねヤクーツクに、9月9にち現地げんち到着とうちゃくした。マンモスは腐敗ふはいするも、残存ざんそんした頭蓋骨ずがいこつ地中ちちゅう埋没まいぼつした下半身かはんしんというなかがった姿勢しせいをしていた。これを運搬うんぱんよう解体かいたいし、1902ねん2がつ18にち帰還きかんした。復元ふくげんされた標本ひょうほんは「ベレゾフカのマンモス」とばれ、ロシア帝国ていこく皇帝こうていニコライ2せいアレクサンドラ皇后こうごう見学けんがくした。このマンモスはこしうしあしほね骨折こっせつしていた。またあいだ内容ないようぶつから植物しょくぶつ発見はっけんされ、そのしょくせいがあきらかとなった。なかからはイネ植物しょくぶつとスゲが多量たりょうてきた。ほかにキョクチヤマヨモギ、エンドウやデージー、キンポウゲなどのくさやヤナギ、カバ、カラマツ、ハンノキなどのしょうえだつかっている。これらの内容ないようぶつからマンモスは、広大こうだい草原そうげんマンモスステップ英語えいごばん、ツンドラステップとばれる)にらしていたとかんがえられている[6]

1977ねんソビエト連邦れんぽう当時とうじ)のシベリアにてあかぼうマンモスの死体したいされた。生前せいぜん姿すがたをほぼ完全かんぜんのこしたこのあかぼうは「ディーマ」とづけられた。ディーマは体高たいこう90センチメートル、体長たいちょう120センチメートル、生後せいご6 - 12かげつのオスのあかぼうであり、やく4まんねんまえ死亡しぼうしたとかんがえられる。ディーマは保存ほぞん処理しょりがなされたのち臓器ぞうき筋肉きんにくのう血液けつえきなどについて生化学せいかがくてき解剖かいぼうがくてき調査ちょうさがなされた。

こおりづけのマンモスからしたDNA断片だんぺん現生げんなまゾウのDNAと比較ひかくすることで、これらのたね遺伝いでんてき関係かんけいあきらかにするという研究けんきゅうがなされている。また、マンモスのDNAはなが年月としつきあいだ分解ぶんかいされ断片だんぺんしているが、完全かんぜんなDNAがつかればクローン技術ぎじゅつによってマンモスを復活ふっかつさせることができるかもれないとかんがえられている。こおりづけのマンモスから、完全かんぜんなDNAがのこされている細胞さいぼうかくし、現生げんなまゾウのたまご細胞さいぼう注入ちゅうにゅうすることで、マンモスの復活ふっかつたすというものである。上述じょうじゅつのディーマからは完全かんぜんなDNAをすことはできなかったが、必要ひつようなDNAをるべく、こおりづけのマンモスの探索たんさくつづけられている。

シベリアで2007ねん発見はっけんされたケナガマンモス「リューバ」。

2007ねんロシア連邦れんぽう西にしシベリアの北極圏ほっきょくけんながれるユリベイかわ付近ふきんやく1まんねんまえ絶命ぜつめいしたとみられる生後せいご1ねんほどのめす凍結とうけつマンモス(リューバ)がほぼ無傷むきず状態じょうたいつかった。2012ねんには、タイミル半島はんとうエニセイがわ河岸かわぎしにおいて、11さい少年しょうねんによって3まんねんまえのマンモスの死骸しがい良好りょうこう保存ほぞん状態じょうたい発掘はっくつされた[7]

なお、2005ねん愛知あいちけん開催かいさいされていたあい地球ちきゅうはくでは、ロシア北東ほくとうサハ共和きょうわこく発掘はっくつされたマンモス(地名ちめいから「ユカギルマンモス」とばれている)の一部いちぶきば頭部とうぶひだり前肢ぜんしとう)を博覧はくらん会場かいじょう展示てんじするプロジェクトがおこなわれていた。そのもこの「ユカギルマンモス」は、万博ばんぱく閉幕へいまくフジテレビ本社ほんしゃ東京とうきょう、2005ねん12がつ10日とおか - 2006ねん2がつ28にち)、愛知あいちけん体育館たいいくかん愛知あいちけん名古屋なごや、2006ねん3がつ25にち)、豊橋とよはし自然しぜん博物館はくぶつかん愛知あいちけん豊橋とよはし、2006ねん4がつ8にち - 6月18にち)、日本にっぽん科学かがく来館らいかん東京とうきょう江東こうとう、2006ねん7がつ1にち - 9月3にち)、大阪おおさかWTCコスモタワー(げん大阪おおさかさきしゅう庁舎ちょうしゃ)(大阪おおさか大阪おおさか、2007ねん7がつ25にち - 10月8にち)の5カ所かしょおこなわれた各種かくしゅイベントで、再度さいどその姿すがたることができた。

また、2013ねんにはシベリアで発掘はっくつされたマンモス「ユカ」が、パシフィコ横浜ぱしふぃこよこはまひらかれた特別とくべつてんマンモスYUKA展示てんじ公開こうかいされた。

近畿大学きんきだいがくはこの「ユカ」の保存ほぞん状態じょうたい肉片にくへん入手にゅうしゅしており、クローン技術ぎじゅつ使つかってマンモスたい細胞さいぼうかくってアジアゾウ卵子らんしうつし、アジアゾウの子宮しきゅう出産しゅっさんさせる研究けんきゅうすすめている[8]

2020ねん前後ぜんこうからは、温暖おんだんにより発掘はっくつ容易よういとなったことでサハ共和きょうわこくで「マンモスラッシュ」とばれる発掘はっくつブームがきている[9]

日本にっぽん

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日本にっぽんでは13てん化石かせき発見はっけんされている。そのうち12てん北海道ほっかいどう発見はっけんされ、のこり1てん島根しまねけん日本海にほんかい海底かいていやく200メートルからげられた標本ひょうほんである[注釈ちゅうしゃく 1]加速器かそくき分析計ぶんせきけいによる放射ほうしゃせい炭素たんそ年代ねんだい測定そくていおこなわれ、8てん測定そくてい可能かのうで、られた結果けっかやく4まん8000ねんまえ - 2まんねんまえまでであった。これらの結果けっかからやく4まんねんまえよりふる化石かせきやく3まんねんまえよりあたらしい年代ねんだいしめ化石かせきけられ、やく3まん5000ねんまえあたりをしめ化石かせきはなかった。マンモスにわってナウマンゾウ生息せいそくしていた時代じだいではないかと推測すいそくされている[10]

系統けいとう分類ぶんるい

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系統けいとう

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Shoshani et al.(2007)[11]による。

Elephantimorpha

マムート Mammutidaeマストドン

Elephantida

ゴンフォテリウム Gomphotheriidae

Elephantoidea

ステゴドン Stegodontidae (ステゴドンるい)

ゾウ

アフリカゾウぞく Loxodonta

Elephantini

パレオロクソドンぞく Palaeoloxodon (ナウマンゾウなど)

Elephantina

アジアゾウぞく Elephas

マンモスぞく Mammuthus

Elephantidae

ゾウぞくする、アフリカゾウぞくアジアゾウぞく・マンモスぞくの3ぞくあいだ類縁るいえん関係かんけいながらく不明瞭ふめいりょうだった。特徴とくちょう初期しょき分子ぶんし系統けいとうにより、アフリカゾウぞくとマンモスぞくきんえんとされたこともあったが[12][13][14]ちょんミトコンドリアDNA解析かいせきにより、アジアゾウぞくとマンモスぞくきんえんとほぼ確定かくていした[15]

おもたね

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おもなマンモスしゅたちのサイズ比較ひかく

アフリカ

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Mammuthus subplanifrons (Osborn1928)
やく400まん - 300まんねんまえ生息せいそくしていた最古さいこのマンモス。みなみアフリカ共和きょうわこくケニアなどから化石かせき出土しゅつどしている。

ユーラシア

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メリジオナリスゾウ
学名がくめい: Mammuthus meridionalis (Nesti, 1825)。別名べつめい南方みなかたマンモス。アフリカ大陸たいりくそと化石かせきつかる最古さいこのマンモスである。やく300まんねんまえあらわれ、ヨーロッパ、ユーラシア大陸たいりく北米ほくべい大陸たいりく分布ぶんぷいきひろげた。
Mammuthus lamarmorae Major, 1883
中期ちゅうき更新こうしんから後期こうき更新こうしんにかけて地中海ちちゅうかいサルデーニャとう生息せいそくしていた。かただかは1.4mしかなかったと推測すいそくされており、島嶼とうしょ矮小わいしょうせいしめしていたとかんがえられている。
ステップマンモス
学名がくめい: Mammuthus trogontherii Pohlig, 1888更新こうしん前期ぜんきから中期ちゅうき(180-20まんねんまえごろ)にユーラシア北部ほくぶ生息せいそくおおきい個体こたいかたたかさが4,5m、体重たいじゅうは20tちかくもあったと推測すいそくされる。ケナガマンモス直系ちょっけい祖先そせんかんがえられている。
ケナガマンモス
学名がくめい: Mammuthus primigenius (Blumenbach1799)。別名べつめい、ウーリーマンモス。からだちゅうながでおおわれ、かたたかさが3mでやや小型こがたたね更新こうしん後期こうき北半球きたはんきゅう冷温れいおんたい草原そうげんからツンドラ地帯ちたいにかけて生息せいそくしていた。シベリアの永久えいきゅう凍土とうどそうからはこおりけになった個体こたいつかっている。日本にっぽんでも北海道ほっかいどうつかっている。一般いっぱんにはこのマンモスがもっともよくられている。
ムカシマンモス
学名がくめい: Mammuthus protomammonteus (Matsumoto, 1924)。やく120まんから70まんねんまえにかけて日本にっぽん各地かくち生息せいそくしていた。ケナガマンモスのふる祖先そせんかんがえられている。

アメリカ

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コロンビアマンモスの骨格こっかく標本ひょうほん
国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじひん
コロンビアマンモス
学名がくめい: Mammuthus columbi (Merriam1910)。きたアメリカの現在げんざいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく南東なんとうからメキシコにかけて生息せいそくしていた。
コビトマンモス
学名がくめい: Mammuthus exilis Stock & Furlong, 1928体高たいこうやく1メートルの矮小わいしょうしたマンモス。北極ほっきょくかいにあるウランゲリとうなどでつかっている。

ナウマンゾウとマンモス

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日本にっぽんでよく発掘はっくつされるゾウの化石かせきしゅナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni はマンモスとはことなる Palaeoloxodon ぞく分類ぶんるいされる。学者がくしゃによってはアジアゾウと同属どうぞくElephas ぞくとする場合ばあいもある。

人間にんげんとのかかわり

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マンモスのほね利用りようした住居じゅうきょ復元ふくげん模型もけい)。ウクライナメジリチ遺跡いせきれいをもとに復元ふくげん国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじ[16]
洞窟どうくつ壁画へきがえがかれたケナガマンモス
フランスアルデシュけんのポンダルク洞窟どうくつ展示てんじ

先史せんし時代じだい人類じんるいとマンモスとのかかわりをしめ様々さまざま遺跡いせきつかっている。フランスルフィニャック洞窟どうくつペシュ・メルル洞窟どうくつには旧石器時代きゅうせっきじだいえがかれたとされるマンモスの洞窟どうくつ壁画へきがのこされている[17]おなじく旧石器時代きゅうせっきじだいのドイツのゲナスドルフ遺跡いせきからはマンモスをえがいた石板せきばん発見はっけんされている[18]ウクライナポーランドではマンモスのほねつくられた住居じゅうきょあと発掘はっくつされている。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくアリゾナしゅうからは、マンモスの化石かせきほねあいだから、いしでできたやり穂先ほさきつかっている。この化石かせきやく1まん2せんねんまえのものとかんがえられ、当時とうじマンモスが狩猟しゅりょう対象たいしょうとなっていた証拠しょうことみなされている。

1989ねんワシントン条約じょうやくによって象牙ぞうげ現生げんなまゾウの象牙ぞうげ)の輸出入ゆしゅつにゅう禁止きんしされたため、代替だいたいとして永久えいきゅう凍土とうどからされたマンモスの象牙ぞうげ印鑑いんかんなどにもちいられている[9]。これにともないマンモスきばいつわって、禁止きんしされている現生げんなまゾウの象牙ぞうげ密輸みつゆされる事例じれいえているため、環境省かんきょうしょう見分みわかた公表こうひょうしている[19]

大衆たいしゅう文化ぶんか

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有史ゆうしまえ象徴しょうちょうする巨大きょだい絶滅ぜつめつ動物どうぶつとして恐竜きょうりゅうなら有名ゆうめいであり(後述こうじゅつの「比喩ひゆ」のこう参照さんしょう)、多数たすう作品さくひん登場とうじょうする。日本にっぽん漫画まんがテレビアニメギャートルズ』では原始げんしじん宿敵しゅくてきかつ主食しゅしょくとしてあつかわれた。外国がいこく映画えいがでは『アイス・エイジ』などがある。BBC制作せいさくプレヒストリック・パーク』にはケナガマンモスが登場とうじょうし、パークないでアフリカゾウのれにざって生活せいかつおくっている。ITV制作せいさくプライミーバル』ではだい2しょうだい6にコロンビアマンモスが登場とうじょうし、高速こうそく道路どうろ暴走ぼうそう無数むすうくるま破損はそんさせ男性だんせい1にん殺害さつがいした。その確保かくほされ亀裂きれつ調査ちょうさセンターで保護ほごけているときにセンターが未来みらい捕食ほしょく動物どうぶつによる襲撃しゅうげきけたさい捕食ほしょく動物どうぶつきば刺殺さしころ主要しゅよう人物じんぶつ危機ききすくった。

比喩ひゆ

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マンモスというかたりは、修飾しゅうしょくとして、「巨大きょだいな…」「大型おおがたの…」などのあらわ接頭せっとうのように使用しようされてきた。たとえばマンモスこう、マンモスタンカーなどである。しかしながらマンモスはゾウなかにおいてとく巨大きょだいというわけではなく、アフリカゾウやインドゾウなどの現生げんなまのゾウとくらべても、体躯たいくはさほどない。ただし、きばきん巨大きょだいであり、またステップマンモスなどは原生げんせいしゅよりあきらかに大柄おおがらである。もちろん、ヒトたたかった相手あいてとしてかんがえると、非常ひじょう巨大きょだいである。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ この1てん対馬つしま海流かいりゅうによってはこばれてきたともかんがえられるので、日本にっぽんにいたマンモスというときには一時いちじのぞ

出典しゅってん

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  1. ^ ランケルスター しる武者むしゃ金吉かねきち わけ海陸かいりく神秘しんぴだい日本にっぽん文明ぶんめい協会きょうかい事務所じむしょ、1922ねん、31ぺーじ 
  2. ^ 服部はっとり宇之きち へん音訓おんくん熟語じゅくご便覧びんらん」『だい漢和かんわ辞典じてん春秋しゅんじゅう書院しょいん、1925ねん、1706ぺーじ 
  3. ^ マンモスを絶滅ぜつめついやったのは超新星ちょうしんせい爆発ばくはつだった!? アストロアーツ 2005ねん10がつ18にち、2015ねん2がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ マンモス絶滅ぜつめつ原因げんいん気候きこう変動へんどうや「り」ではない、研究けんきゅう (2010ねん04がつ01にち 15:15 AFPBB News)
  5. ^ 史上しじょう最小さいしょうのマンモス、350まんねんまえのクレタとう生息せいそく えい研究けんきゅう AFPBB News 2012ねん6がつ30にち閲覧えつらん
  6. ^ 高橋たかはし啓一けいいち「ナウマンゾウは津軽海峡つがるかいきょうおよいでわたったか」/ 化石かせき研究けんきゅうかいへん化石かせきから生命せいめいなぞく -恐竜きょうりゅうから分子ぶんしまでー』朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん 2011ねん 143ページ
  7. ^ 保存ほぞん状態じょうたいい3まんねんまえのマンモス発見はっけん 「100ねんいち」とロシア専門せんもん MSN産経さんけいニュース 2012ねん10がつ7にち
  8. ^ 【サイエンスview】絶滅ぜつめつ危機きき iPSがすくう■マンモスの復活ふっかつ計画けいかくも『読売新聞よみうりしんぶん朝刊ちょうかん 2017ねん8がつ13にち
  9. ^ a b 温暖おんだんでおたからザクザク!? ロシア永久えいきゅう凍土とうど融解ゆうかいでマンモスきば収集しゅうしゅうブーム 5000ねんぶんがまだ地中ちちゅうに:東京とうきょう新聞しんぶん TOKYO Web”. 東京とうきょう新聞しんぶん TOKYO Web. 2021ねん1がつ13にち閲覧えつらん
  10. ^ 高橋たかはし啓一けいいち「ナウマンゾウは津軽海峡つがるかいきょうおよいでわたったか」/ 化石かせき研究けんきゅうかい化石かせきから生命せいめいなぞく -恐竜きょうりゅうから分子ぶんしまでー』朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん 2011ねん 131-141ページ
  11. ^ Shoshani, J.; Ferretti, M. P.; Lister, A. M.; Agenbroad, L. D.; Saegusa, H.; Mol, D.; Takahashi, K. (2007). “Relationships within the Elephantinae using hyoid characters”. Quaternary International 169–170: 174–185. Bibcode2007QuInt.169..174S. doi:10.1016/j.quaint.2007.02.003. 
  12. ^ Thomas, Mark G.; et al. (2000), “Molecular and morphological evidence on the phylogeny of the Elephantidae”, Proc R Soc Lond B, doi:10.1098/rspb.2000.1310, http://abacus.gene.ucl.ac.uk/ziheng/pdf/2000ThomasRS2493.pdf 
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参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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