エンバク (学名 がくめい :Avena sativa )は、イネ科 か カラスムギ属 ぞく に分類 ぶんるい される一 いち 年 ねん 草 くさ 。漢字 かんじ では燕麦 えんばく と書 か かれる。円 えん 麦 むぎ という漢字 かんじ やえんむぎという読 よ みは誤 あやま り。また英語 えいご 名 めい の「Oat」(オート)からオート麦 むぎ /オーツ麦 むぎ とも呼 よ ばれる。
形態 けいたい 学的 がくてき にはエンバク属 ぞく の Avena には二 に 倍 ばい 体 たい のサンドオート(Avena strigosa )と六 ろく 倍 ばい 体 たい の普通 ふつう エンバク(A. sativa )がある[1] 。このうち普通 ふつう エンバクの祖先 そせん 野生 やせい 種 しゅ として、一般 いっぱん には、いずれも六 ろく 倍 ばい 体 たい である野生 やせい 型 がた のオニカラスムギ(A. sterilis )と雑草 ざっそう 型 がた のカラスムギ (A. fatua )が知 し られている[1] 。野生 やせい 種 しゅ カラスムギ(A. fatua )の栽培 さいばい 種 しゅ であるとして、価値 かち が高 たか い・本物 ほんもの という意味 いみ のマ(真 しん )をつけてマカラスムギ とも呼 よ ばれる[2] 。ただし、伝播 でんぱ の違 ちが いなどから栽培 さいばい エンバクが雑草 ざっそう 型 がた のカラスムギから進化 しんか したという点 てん には否定 ひてい 的 てき な説 せつ もある[1] 。なお、二 に 倍 ばい 体 からだ 種 しゅ (A. strigosa Schreb. )のほうは主 おも に緑肥 りょくひ 用 よう でヘイオーツとして知 し られるが野生 やせい エンバクとも称 しょう されている[3] 。
種子 しゅし は穀物 こくもつ として扱 あつか われる。オートミール として食用 しょくよう になるほか、飼料 しりょう として栽培 さいばい されることもある[4] 。
稈長は60-150cmとなり、止 とめ 葉 は の上 うえ の節 ふし 間 あいだ が長 なが い。葉 は は幅広 はばひろ く、葉 は 耳 みみ を欠 か く。穂 ほ 長 ちょう は20-25cm程度 ていど で、穂 ほ 型 がた は一般 いっぱん 的 てき には散 ち 穂 ほ 型 がた であるが、片 かた 穂 ほ 型 がた の品種 ひんしゅ もある。1個 いっこ の小 しょう 穂 ほ は2個 こ の苞 つと 頴を有 ゆう し、小 しょう 花 はな 1-4を包 つつ む。エンバクの穀 こく 粒 つぶ は頴に強 つよ くはさまれており容易 ようい に外 はず れないものが一般 いっぱん 的 てき であるが、東 ひがし アジアで栽培 さいばい されるものはこれが外 はず れやすい、いわゆる裸 はだか 性 せい のものが主流 しゅりゅう である。
栽培 さいばい は秋 あき 蒔 ま きと春 はる 蒔 ま きとに分 わ かれる。エンバクは冷涼 れいりょう を好 この むものの、ライムギ とは異 こと なり耐寒 たいかん 性 せい は高 たか くないため、寒冷 かんれい 地 ち では凍害 とうがい を受 う け冬 ふゆ を越 こ せないことが多 おお い。そのため、温暖 おんだん な土地 とち では秋 あき 蒔 ま き、寒冷 かんれい 地 ち では春 はる 蒔 ま きを行 おこな うことが通例 つうれい である。エンバクは寒冷 かんれい でやせた高緯度 こういど 地帯 ちたい で栽培 さいばい されることが多 おお く、世界 せかい 的 てき には春 はる 蒔 ま きによる生産 せいさん が多 おお い。ムギ類 るい のなかでは湿潤 しつじゅん を好 この み、生育 せいいく には多量 たりょう の水 みず を必要 ひつよう とする。また、ムギ類 るい のなかでは乾燥 かんそう に最 もっと も弱 よわ く、生育 せいいく 期 き に乾燥 かんそう が激 はげ しくなると悪影響 あくえいきょう がある。腐植 ふしょく 土 ど を好 この むが、生育 せいいく 地 ち の幅 はば は広 ひろ い。酸性 さんせい に強 つよ く、酸性 さんせい 土壌 どじょう で広 ひろ く生育 せいいく するが、アルカリ性 あるかりせい 土壌 どじょう にも耐 た えられる。よく成長 せいちょう するが、その分 ぶん 倒伏 とうふく しやすい。
エンバクは一般 いっぱん 的 てき に健康 けんこう 的 てき な食品 しょくひん とみなされ、それを利用 りよう した健康 けんこう 食品 しょくひん は栄養 えいよう 価 か が高 たか いとして宣伝 せんでん されている[8] 。エンバクの水溶 すいよう 性 せい 食物 しょくもつ 繊維 せんい の大 だい 部分 ぶぶん はβ べーた グルカン である。エンバク由来 ゆらい のβ べーた グルカンについて血 ち 中 ちゅう コレステロール 値 ね 上昇 じょうしょう 抑制 よくせい 作用 さよう 、血糖 けっとう 値 ち 上昇 じょうしょう 抑制 よくせい 作用 さよう 、血圧 けつあつ 低下 ていか 作用 さよう 、排便 はいべん 促進 そくしん 作用 さよう 、免疫 めんえき 機能 きのう 調節 ちょうせつ 作用 さよう などが欧米 おうべい を中心 ちゅうしん に多数 たすう 報告 ほうこく されている[9] 。このコレステロール低減 ていげん という特質 とくしつ が確定 かくてい されたこと[10] [11] も、健康 けんこう 食品 しょくひん としてエンバクが受 う け入 い れられる理由 りゆう となった。また、エンバクはコムギと比 くら べたんぱく質 しつ や脂質 ししつ が多 おお く含 ふく まれているうえ、もっとも利用 りよう されるオートミールが全 ぜん 粒 つぶ 穀物 こくもつ であるため、精白 せいはく された他 ほか の穀物 こくもつ と比 くら べてさらに多 おお くの食物 しょくもつ 繊維 せんい やミネラル を取 と ることができる。逆 ぎゃく にこれらの含有 がんゆう 量 りょう が高 たか いため、デンプン の割合 わりあい はほかの穀物 こくもつ に比 くら べて低 ひく く、エネルギー量 りょう はやや低 ひく いが、これもまたエンバクが健康 けんこう 的 てき であるとされる理由 りゆう のひとつとなった。
原産地 げんさんち は地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん から肥沃 ひよく な三日月 みかづき 地帯 ちたい 、中央 ちゅうおう アジア にかけてであり、この地方 ちほう には現代 げんだい でも野草 やそう 型 がた のエンバクが広 ひろ く分布 ぶんぷ している。エンバクの栽培 さいばい 化 か は遅 おそ く、6000年 ねん から7000年 ねん 前 まえ の肥沃 ひよく な三日月 みかづき 地帯 ちたい の遺跡 いせき においては栽培 さいばい の痕跡 こんせき がみられていない。しかしこの地方 ちほう にはエンバク野生 やせい 種 しゅ は自生 じせい しており、コムギ やオオムギ 畑 はたけ に入 はい り込 こ んで雑草 ざっそう として生育 せいいく するようになった。やがてこの雑草 ざっそう 型 がた エンバクが休眠 きゅうみん 性 せい や非 ひ 脱落 だつらく 性 せい といった穀物 こくもつ の重要 じゅうよう な特性 とくせい を獲得 かくとく していき、約 やく 5,000 年 ねん 前 まえ に中央 ちゅうおう ヨーロッパで作物 さくもつ となったと考 かんが えられている。この時 とき は厳 きび しい環境 かんきょう でも収穫 しゅうかく できることから荒地 あれち での栽培 さいばい や不作 ふさく 時 じ の保険 ほけん としてコムギなどと混 ま ぜて播種 はしゅ されていたが、初期 しょき 鉄器 てっき 時代 じだい に本格 ほんかく 的 てき に栽培 さいばい されるようになり、厳 きび しい気候 きこう の北 きた ヨーロッパで作物 さくもつ のエンマーコムギ に置 お き換 か わって栽培 さいばい されるようになってから、栽培 さいばい 型 がた の普通 ふつう エンバクが成立 せいりつ した。このような成立 せいりつ 過程 かてい によりヴァヴィロフ は二 に 次 じ 作物 さくもつ と分類 ぶんるい している。
一方 いっぽう 、エンバクは東方 とうほう にも伝播 でんぱ していき、パミール高原 こうげん などの中国 ちゅうごく 山岳 さんがく 地域 ちいき において脱穀 だっこく のしやすい、いわゆる裸 はだか 性 せい を獲得 かくとく し、裸 はだか 性 せい 栽培 さいばい 型 がた エンバク(ハダカエンバク)の起源 きげん となったと考 かんが えられている。このハダカエンバクは莜麦(ユーマイ)と呼 よ ばれ、中国 ちゅうごく 北部 ほくぶ の内モンゴル自治 うちもんごるじち 区 く などで広 ひろ く栽培 さいばい されている。一般 いっぱん のエンバクは「燕麦 えんばく 」と書 か かれ、莜麦とは区別 くべつ されるが、中国 ちゅうごく で栽培 さいばい されるエンバクのほとんどは莜麦である。
エンバクは栽培 さいばい 化 か された中央 ちゅうおう ヨーロッパを中心 ちゅうしん に栽培 さいばい され、ロ ろ ーマ帝国 まていこく がこの地方 ちほう に進攻 しんこう するとともにローマにも伝 つた えられた。ローマにおいては飼料 しりょう 用 よう にしか使用 しよう されず、人間 にんげん の食用 しょくよう となることはなかったが、一方 いっぽう ローマの北方 ほっぽう に居住 きょじゅう していたゲルマン人 じん はエンバクを栽培 さいばい し、人間 にんげん の食用 しょくよう としていた。中世 ちゅうせい ヨーロッパ において三 さん 圃式農業 のうぎょう が成立 せいりつ すると、エンバクはオオムギとともに1年 ねん 目 め の春耕 しゅんこう 地 ち に蒔 ま かれ、主 おも に飼料 しりょう 用 よう として利用 りよう された。エンバクが三 さん 圃式農業 のうぎょう の作物 さくもつ に組 く み込 こ まれたのは、ローマ時代 じだい には軍馬 ぐんば としてしか使用 しよう されなかったウマが、農法 のうほう の進歩 しんぽ によって農作業 のうさぎょう や輸送 ゆそう 用 よう として農村 のうそん 部 ぶ で広 ひろ く使用 しよう されるようになり、各 かく 農村 のうそん において飼料 しりょう の需要 じゅよう が急増 きゅうぞう したためであった[15] 。また、エンバクのわらはウマなどの敷 じき 料 りょう としても用 もち いられた。以後 いご も19世紀 せいき にいたるまで、利用 りよう は馬 うま の飼料 しりょう 用 よう が中心 ちゅうしん であり、主 おも に食用 しょくよう とするのはスコットランド などいくつかの地域 ちいき に限 かぎ られていた。スコットランドにおいてはすでに5世紀 せいき には広 ひろ く利用 りよう されていた記録 きろく があり、主 おも にオートミール やオートケーキなどとして食 た べられていた。このほか、エンバクはアイルランド やウェールズ 、スウェーデン 、ノルウェー 、フィンランド など、気候 きこう が厳 きび しくコムギの収量 しゅうりょう が多 おお くは望 のぞ めない地域 ちいき において主要 しゅよう な穀物 こくもつ となっていた。ただしアイルランドにおいてはジャガイモ の伝来 でんらい によって主食 しゅしょく の地位 ちい はジャガイモへと交代 こうたい した。中世 ちゅうせい のフランス においても、湿潤 しつじゅん な高地 こうち においてはエンバクが主 おも に栽培 さいばい される穀物 こくもつ であった。また、中世 ちゅうせい のエール にはオオムギ麦芽 ばくが のほかにしばしばエンバクの麦芽 ばくが が使用 しよう された。オートミール を食用 しょくよう とするのは貧 まず しい農民 のうみん が主 おも だったが、これは穀物 こくもつ を粉 こな に挽 ひ かなければならないパン とくらべ目減 めべ りが少 すく ないうえ、石臼 いしうす を持 も つ粉屋 こなや やパン屋 や から手数料 てすうりょう を差 さ し引 ひ かれる必要 ひつよう もなく、価格 かかく も安 やす いためであった[19] 。北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく には17世紀 せいき にはすでに移入 いにゅう されていたものの、スコットランド移民 いみん 中心 ちゅうしん の地域 ちいき を除 のぞ き食用 しょくよう とはされていなかった。18世紀 せいき に入 はい ると気候 きこう の寒冷 かんれい 化 か と人口 じんこう 増加 ぞうか により食生活 しょくせいかつ に変化 へんか が起 お き、スコットランドでは肉 にく の消費 しょうひ 量 りょう の急減 きゅうげん と時 じ を同 おな じくしてエンバクの消費 しょうひ 量 りょう が急増 きゅうぞう した。19世紀 せいき に入 はい るとエンバクの近代 きんだい 的 てき な品種 ひんしゅ 改良 かいりょう が開始 かいし され、20世紀 せいき 初頭 しょとう に本格 ほんかく 化 か したことで収量 しゅうりょう や耐 たい 倒伏 とうふく 性 せい 、病原菌 びょうげんきん への抵抗 ていこう 性 せい などが大幅 おおはば に向上 こうじょう した。
エンバクの薬効 やっこう は古 ふる くから知 し られていたものの、19世紀 せいき まではアメリカの料理 りょうり 本 ほん にはオートミール はほとんど載 の っていないほどであった。しかし、1870年代 ねんだい にフェルディナンド・シューマッハがエンバクを工業 こうぎょう 的 てき にフレーク 化 か する技術 ぎじゅつ を開発 かいはつ し、エンバクの押麦 おしむぎ (ロールドオーツ)が発明 はつめい される[20] ことでエンバクは手軽 てがる に調理 ちょうり できるものへと変化 へんか した。さらにヘンリー・クローウェルがこれを「クエーカーオーツ」の名 な で商品 しょうひん 化 か し[20] 、クエーカーオーツカンパニー が設立 せつりつ されると、食品 しょくひん 会社 かいしゃ がオートミール の大量 たいりょう 生産 せいさん に乗 の り出 だ し、19世紀 せいき 末 まつ 以降 いこう アメリカ中 ちゅう に急速 きゅうそく に普及 ふきゅう した。さらに1880年 ねん ごろにジョン・ハーヴェイ・ケロッグ が、それまでグラハム粉 こな を使用 しよう していたグラニューラという食品 しょくひん をエンバクのフレークを使用 しよう するように改良 かいりょう し、グラノーラ が誕生 たんじょう した。グラノーラはいわゆるシリアル食品 しょくひん のはしりであり、以後 いご さまざまなシリアル食品 しょくひん が開発 かいはつ される元 もと となった。ついで1900年 ねん ごろにはスイス人 じん 医師 いし のマクシミリアン・ビルヒャー=ベンナーがミューズリー を開発 かいはつ した。グラノーラやミューズリーはコーンフレーク などほかのシリアル食品 しょくひん に押 お されて生産 せいさん が減少 げんしょう していたが、1960年代 ねんだい のヒッピームーブメント によって健康 けんこう 面 めん から見直 みなお されるとともに改良 かいりょう が加 くわ えられ、多 おお く消費 しょうひ されるようになった。1980年代 ねんだい 後半 こうはん になるとエンバクのふすま (オートブラン)が健康 けんこう 食品 しょくひん としてブームとなり、エンバクの人気 にんき はさらに高 たか まった。
世界 せかい のエンバク生産 せいさん 図 ず
2005年 ねん の全 ぜん 世界 せかい 生産 せいさん は2460万 まん トンで、小麦 こむぎ 、稲 いね 、トウモロコシ 、大麦 おおむぎ 、ソルガム についで6番目 ばんめ に生産 せいさん 高 だか の多 おお い穀物 こくもつ である。世界 せかい で最 もっと も生産 せいさん 高 だか が多 おお いのはロシア で510万 まん トンとなっており、以下 いか カナダ 330万 まん トン、アメリカ 170万 まん トン、ポーランド 130万 まん トン、フィンランド 120万 まん トンと続 つづ く。冷涼 れいりょう で湿潤 しつじゅん な夏 なつ の気候 きこう に適応 てきおう しているため、高緯度 こういど 地帯 ちたい で多 おお く生産 せいさん される。北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく においては、とくにカナダの大 だい 平原 へいげん 地帯 ちたい およびアメリカ北 きた 中部 ちゅうぶ の諸 しょ 州 しゅう に生産 せいさん が集中 しゅうちゅう しているが、これら諸 しょ 州 しゅう においては春 はる まきのエンバクが栽培 さいばい されている。それに対 たい し、より温暖 おんだん な南部 なんぶ 諸 もろ 州 しゅう やテキサス州 しゅう 、カリフォルニア州 しゅう においては秋 あき 播 ま きのエンバクが主 おも に栽培 さいばい されている。しかしこれら秋 あき 播 ま き諸 しょ 州 しゅう のエンバク生産 せいさん 量 りょう は少 すく なく、春 はる まき地帯 ちたい に集中 しゅうちゅう しているエンバク処理 しょり 工場 こうじょう への輸送 ゆそう 費 ひ が引 ひ き合 あ わないため、ほとんどが地元 じもと で飼料 しりょう として消費 しょうひ されるにとどまっている。
現在 げんざい はロシアを除 のぞ いてどの主要 しゅよう 生産 せいさん 国 こく でも生産 せいさん 量 りょう は減少 げんしょう を続 つづ けており、1965年 ねん から1994年 ねん までの間 あいだ に生産 せいさん 量 りょう は世界 せかい 全体 ぜんたい で23%、作付 さくづけ 面積 めんせき は27%も減少 げんしょう し、生産 せいさん 量 りょう ではソルガムに抜 ぬ かれた。生産 せいさん 減少 げんしょう の理由 りゆう としては、まずエンバクの主要 しゅよう 用途 ようと であったウマ の飼料 しりょう 用 よう 需要 じゅよう が急減 きゅうげん したことによる。ウマは軍馬 ぐんば として、また輸送 ゆそう 用 よう の家畜 かちく として需要 じゅよう が高 たか く世界 せかい 各国 かっこく で飼育 しいく されていたが、20世紀 せいき 中盤 ちゅうばん 以降 いこう 戦車 せんしゃ などの登場 とうじょう によって軍馬 ぐんば がほぼ不要 ふよう となり軍需 ぐんじゅ が消滅 しょうめつ したうえ、モータリゼーション によって輸送 ゆそう 用 よう 需要 じゅよう もほぼトラック などの自動車 じどうしゃ にとってかわられ、こちらの需要 じゅよう も激減 げきげん したため、ウマの用途 ようと が競走 きょうそう 用 よう やスポーツ用 よう を主体 しゅたい としたわずかなものに限 かぎ られてしまい、飼育 しいく 数 すう が減少 げんしょう した。そのため、ウマの飼料 しりょう を主 おも 目的 もくてき としていたエンバク生産 せいさん もそれにつれて急減 きゅうげん した。さらに残 のこ った需要 じゅよう も、大豆 だいず やトウモロコシ といった新 あら たな飼料 しりょう 作物 さくもつ の登場 とうじょう によって競合 きょうごう が起 お き、その需要 じゅよう も減少 げんしょう した。ただし、現代 げんだい においても飼料 しりょう 用 よう 、とくにウマの飼料 しりょう 用 よう 需要 じゅよう がエンバクの最大 さいだい 需要 じゅよう であることには変 か わりがない。エンバクの生産 せいさん 量 りょう のうち79%は現代 げんだい においても飼料 しりょう 用 よう として消費 しょうひ される。ただし健康 けんこう 志向 しこう のたかまりやオートミールの普及 ふきゅう などによって食用 しょくよう 需要 じゅよう の比重 ひじゅう は高 たか まり続 つづ けており、アメリカにおいては42%が食用 しょくよう や種子 しゅし 用 よう として生産 せいさん されている。
エンバクの1人 ひとり 当 あ たりの消費 しょうひ 量 りょう が最 もっと も多 おお い国 くに はフィンランドであり、次 つ いでデンマーク 、スウェーデン 、イギリス とヨーロッパ北部 ほくぶ の国々 くにぐに が続 つづ く。ただし、最 もっと もエンバクの食用 しょくよう 消費 しょうひ 量 りょう の多 おお いフィンランドにおいても年間 ねんかん 消費 しょうひ 量 りょう は1人 ひとり 当 あ たりわずか3kgにすぎず、食用 しょくよう 穀物 こくもつ として大 おお きな比重 ひじゅう を占 し めているとはどの国 くに においても言 い い難 がた い。これは、エンバクの主要 しゅよう な食用 しょくよう 用途 ようと がオートミールにほぼ限 かぎ られており、コムギやライムギのように単独 たんどく でパンにすることができず、主食 しゅしょく 用 よう としてほぼ使用 しよう されないためである。
種子 しゅし は飼料 しりょう または食用 しょくよう として、また、藁 わら は飼料 しりょう として利用 りよう される。
オートミールはエンバクを食用 しょくよう とする際 さい のもっとも一般 いっぱん 的 てき な調理 ちょうり 法 ほう である
食用 しょくよう とする場合 ばあい 、エンバクは利用 りよう しやすいよう押 お し麦 むぎ や挽 ひ き麦 むぎ とするか、製粉 せいふん される。脱穀 だっこく し乾燥 かんそう させて粒 つぶ としたあと、加熱 かねつ してローラーをかけるとフレーク(ロールドオーツ)となる。エンバク粉 こ にする場合 ばあい 、粒 つぶ としたあと、加熱 かねつ して製粉 せいふん をおこなう。この粉 こな をふるいにかけ、エンバク粉 こ とフスマ(オートブラン)とに分 わ けて、どちらも食用 しょくよう とする。
穀物 こくもつ 食品 しょくひん の中 なか ではミネラル ・タンパク質 たんぱくしつ ・食物 しょくもつ 繊維 せんい を最 もっと も豊 ゆた かに含 ふく むが、ビスケット などには使 つか われるものの、グルテン を持 も たないため小麦 こむぎ ほどパン の原料 げんりょう には向 む かない。粗 ほぼ 挽 ひ きもしくは圧 あつ 扁 ひらた したもの(オートミール )を水 みず や牛乳 ぎゅうにゅう などで炊 た いた粥 かゆ は、エンバクの食用 しょくよう 時 じ の利用 りよう 法 ほう として最 もっと も一般 いっぱん 的 てき なものであり、エンバク栽培 さいばい 地域 ちいき である北欧 ほくおう や東欧 とうおう では古 ふる くからどこでも食 しょく されてきた。塩味 しおあじ をつけることもあるが、砂糖 さとう やジャムなどを入 い れて甘 あま くして食 た べることも広 ひろ く行 おこな われている。さらに19世紀 せいき 後半 こうはん にアメリカにおいてエンバクのフレーク化 か 技術 ぎじゅつ が開発 かいはつ されたことで調理 ちょうり にかかる手間 てま が大幅 おおはば に軽減 けいげん され、軽 かる く煮 に るだけで調理 ちょうり できるオートミールは朝食 ちょうしょく として定番 ていばん のシリアル となった。このオートミールは開発 かいはつ 国 こく であるアメリカはじめ、ヨーロッパ諸国 しょこく などでも広 ひろ く食 しょく されている。こうしたオートミールにはいわゆる押 お し麦 むぎ であるロールドオーツや、エンバクの粒 つぶ を2つか3つほどにカットしたスティール・カット・オーツがあるほか、この調理 ちょうり 過程 かてい をさらに簡略 かんりゃく 化 か し、お湯 ゆ を注 そそ ぐだけでオートミールができあがるインスタント・オートミールも市販 しはん されている。
また、オートミールに玄米 げんまい や麦 むぎ などを混 ま ぜ、蜂蜜 はちみつ や油 あぶら を混 ま ぜて焼 や き、さらにドライフルーツ を混 ま ぜてできあがったものがグラノーラ であり、フレーク状 じょう で食 しょく される。またそれを固 かた めて棒状 ぼうじょう にしたグラノーラ・バーもおやつや健康 けんこう 食品 しょくひん として市販 しはん されている。また、ふやかしたオートミールに果物 くだもの やナッツ を混 ま ぜたミューズリー もシリアル食品 しょくひん となっている。グラノーラとミューズリーの差 さ は、加熱 かねつ 処理 しょり の有無 うむ である。こうしたシリアル食品 しょくひん とは別 べつ に、オートミール自体 じたい を製菓 せいか 原料 げんりょう とすることもある。パン やクッキー 、ケーキ などの生地 きじ に混 ま ぜ込 こ むほか、オートミール・クッキーなどは代表 だいひょう 的 てき なエンバクの菓子 かし であり、欧米 おうべい では各社 かくしゃ から販売 はんばい されている。イングランド の北部 ほくぶ においてはオートミールと糖蜜 とうみつ からパーキン と呼 よ ばれるケーキが作 つく られる。
他 た には、エンバクのフスマ をオートブランと呼 よ び、欧米 おうべい では水溶 すいよう 性 せい 食物 しょくもつ 繊維 せんい の代表 だいひょう 格 かく として健康 けんこう 食品 しょくひん となっている。
この他 ほか 、植物 しょくぶつ 性 せい ミルク として、他 た の穀物 こくもつ と同 おな じように代替 だいたい 乳 ちち を作 つく ることができ、オーツミルク として市販 しはん されている。またビール やウィスキー の材料 ざいりょう としても使 つか われる。
エンバクを食用 しょくよう に主 おも に用 もち いていた国 くに は、スコットランド やベラルーシ などである。
スコットランドにおいてはエンバクは主 しゅ 穀 こく であり、主 おも にポリッジ(粥 かゆ )として食 た べられた。現代 げんだい においてもスコットランドにおいてオートミール のポリッジは一般 いっぱん 的 てき なものである。また、ポリッジをさらに水分 すいぶん を多 おお くしてやわらかく炊 た いたグルーエル(重湯 おもゆ )とすることもある。エンバク粉 こ に小麦粉 こむぎこ を混 ま ぜて焼 や き上 あ げたオートケーキも、古 ふる くからスコットランドで利用 りよう されてきた[28] 。オートケーキは甘 あま みがなく塩味 しおあじ で、エンバクは膨 ふく らまないために薄 うす く焼 や き上 あ げられており、主 おも に軽食 けいしょく 用 よう とされる。オートケーキのほかに、同 おな じく小麦粉 こむぎこ にエンバク粉 こ を練 ね りこんで砂糖 さとう を加 くわ え甘 あま く焼 や き上 あ げたビスケット も多 おお く販売 はんばい され、こちらは菓子 かし となっている。また、ベーキングパウダー や塩 しお を入 い れて作 つく るバノック と呼 よ ばれるクイック・ブレッドの材料 ざいりょう ともなる[29] 。スコットランドの名物 めいぶつ 料理 りょうり であるハギス は、ゆでたヒツジ の内臓 ないぞう のミンチにタマネギ とハーブ を刻 きざ み入 い れ、つなぎとしてエンバクを入 い れたのちに牛脂 ぎゅうし と共 とも にヒツジの胃袋 いぶくろ に詰 つ めてゆでる[30] か蒸 ふか すかしたプディング である。スコットランドにおいては、エンバクはブラックプディング のつなぎとしても使用 しよう される。また魚 さかな 料理 りょうり の衣 ころも に混 ま ぜてさくっとした食 しょく 感 かん を出 だ すのに使 つか われたり、スープに入 い れとろみ をつけるのにも用 もち いられる。
アイルランド においてはジャガイモ の伝来 でんらい まではエンバクはもっとも広 ひろ く用 もち いられた穀物 こくもつ であり、ジャガイモ伝来 でんらい によってとってかわられたのちもオートミールやオートケーキを食用 しょくよう とする習慣 しゅうかん は残 のこ った。
ベラルーシにおいてはエンバクは最 もっと も利用 りよう された穀物 こくもつ であり、主 おも にカーシャ (粥 かゆ )に使用 しよう された。ただし、パンを焼 や くときはより膨 ふく らみやすいライムギ が主 おも に使用 しよう された。また、ベラルーシの伝統 でんとう 的 てき スープであるジュールはエンバク粉 こ から作 つく られる[31] 。
アルプス山脈 あるぷすさんみゃく の農村 のうそん においても、エンバクは主 おも な食料 しょくりょう とされた。この地方 ちほう ではエンバク、ライムギ、コムギをつくっていたが、コムギはほとんど取 と れず、ライムギの収量 しゅうりょう もそれほど多 おお くはなかったので、日常 にちじょう 食 しょく としてエンバクを食 た べ、ライムギパンも日常 にちじょう 食 しょく ではあるがより高級 こうきゅう なものとして扱 あつか い、そしてコムギのパンは祝日 しゅくじつ にしか食 た べていなかった。この地方 ちほう ではエンバクはパンまたは粥 かゆ にして食 た べていたが、パンといってもエンバクは上述 じょうじゅつ の通 とお り膨 ふく らまないので、小麦粉 こむぎこ をつなぎに少 すこ しだけ使用 しよう して厚 あつ さ2cm程度 ていど の薄 うす いパンというよりビスケット状 じょう のものにして食 た べていた。これは風味 ふうみ は良 よ かったが非常 ひじょう に硬 かた いものであり、1950年代 ねんだい から1960年代 ねんだい にかけて交通 こうつう 網 もう の整備 せいび などにより安 やす いライムギ粉 こ や小麦粉 こむぎこ が入 はい ってくると、この地方 ちほう でエンバクを食 しょく することはほとんどなくなった[32] 。
アメリカにおいては、エンバクはスコットランドからの移住 いじゅう 者 しゃ によって持 も ち込 こ まれたものの、食用 しょくよう 利用 りよう はスコットランド人 じん の多 おお い地域 ちいき に限 かぎ られ、ほとんどの地域 ちいき では食用 しょくよう とはされていなかった。これが変化 へんか するのはロールドオーツをはじめとする19世紀 せいき 後半 こうはん の技術 ぎじゅつ 革新 かくしん 以降 いこう であり、さらにケロッグ やクエーカーオーツカンパニー をはじめとする食品 しょくひん 企業 きぎょう がこれを大 だい 規模 きぼ な広告 こうこく 戦略 せんりゃく とともに売 う り出 だ したため、19世紀 せいき 末 まつ 以降 いこう に急速 きゅうそく に食用 しょくよう として普及 ふきゅう した。現代 げんだい においてはオートミール やグラノーラなどのシリアル食品 しょくひん が簡便 かんべん で健康 けんこう 的 てき な食品 しょくひん として広 ひろ く利用 りよう されているほか、オートミール・クッキーやオートミール・マフィンなどは一般 いっぱん 的 てき な菓子 かし として広 ひろ く親 した しまれている。
中国 ちゅうごく においてエンバクを使用 しよう するのは内モンゴル自治 うちもんごるじち 区 く や山西 さんせい 省 しょう など北西 ほくせい 部 ぶ の一部 いちぶ に限 かぎ られるが、食用 しょくよう とする地域 ちいき においては麺 めん や餃子 ぎょうざ をはじめ、エンバク粉 こ を用 もち いた多彩 たさい な料理 りょうり が存在 そんざい している。
日本 にっぽん には明治 めいじ 時代 じだい 初期 しょき に導入 どうにゅう され、特 とく に北海道 ほっかいどう において栽培 さいばい された。日本 にっぽん での利用 りよう は馬 うま の飼料 しりょう 、特 とく に軍馬 ぐんば の飼料 しりょう として栽培 さいばい が奨励 しょうれい されたため、太平洋戦争 たいへいようせんそう 前 まえ には栽培 さいばい 面積 めんせき が10万 まん ヘクタールを割 わ り込 こ むことはなく、特 とく に太平洋戦争 たいへいようせんそう 中 ちゅう の1940年 ねん から1944年 ねん にかけては13万 まん 1,080ヘクタールを数 かぞ え最高 さいこう を記録 きろく したが、太平洋戦争 たいへいようせんそう 後 ご は軍馬 ぐんば の生産 せいさん がなくなり軍需 ぐんじゅ が消滅 しょうめつ したうえ、モータリゼーションの進展 しんてん による自動車 じどうしゃ の普及 ふきゅう によってウマの飼育 しいく が激減 げきげん し、ウマの飼料 しりょう が主要 しゅよう 目的 もくてき だったエンバクの栽培 さいばい 面積 めんせき も激減 げきげん した[34] 。
人間 にんげん の食用 しょくよう とされる例 れい は少 すく ない。その数少 かずすく ない例 れい として、昭和 しょうわ 天皇 てんのう の洋食 ようしょく タイプの朝食 ちょうしょく にはいつもオートミール が供 きょう されており[35] 、映画 えいが 『日本 にっぽん のいちばん長 なが い日 ひ 』によると、1945年 ねん 8月 がつ 15日 にち の朝食 ちょうしょく もオートミール であり、思 おも いのほか質素 しっそ な食事 しょくじ であると作中 さくちゅう で言及 げんきゅう されている。しかし21世紀 せいき を迎 むか えたころから、シリアル食品 しょくひん の普及 ふきゅう によりオートミール やグラノーラが国内 こくない 企業 きぎょう によって生産 せいさん されるようになり、エンバク食品 しょくひん が国内 こくない で広 ひろ く流通 りゅうつう するようになった。さらに健康 けんこう 志向 しこう の高 たか まりによってグラノーラ・バーやオートブラン配合 はいごう の健康 けんこう 食品 しょくひん なども各社 かくしゃ から発売 はつばい されるようになった。
現在 げんざい 、日本 にっぽん においては北海道 ほっかいどう で生産 せいさん されており、国内 こくない 向 む けのオートミール 用 よう に出荷 しゅっか されている。ほかに日本 にっぽん 各地 かくち で栽培 さいばい はおこなわれているが、輪作 りんさく の一環 いっかん として飼料 しりょう 用 よう や緑肥 りょくひ 用 よう [36] とされるのがほとんどであり、食用 しょくよう としての収穫 しゅうかく はほぼなされていない。飼料 しりょう 用 よう としての栽培 さいばい は多 おお く、サイレージ 用 よう や青刈 あおが りなどで牧草 ぼくそう として使用 しよう され[37] 、冬作 ふゆさく 飼料 しりょう 作物 さくもつ としての栽培 さいばい はイタリアンライグラス に次 つ ぐものである[38] 。主 おも に温暖 おんだん な地域 ちいき では秋 あき 播 ま きして越冬 えっとう させるが、寒冷 かんれい な地域 ちいき では春 はる 播 ま きして夏 なつ または秋 あき に収穫 しゅうかく する[39] 。
また、一般 いっぱん 的 てき に「猫 ねこ 草 そう 」として売 う られている物 もの の多 おお くは燕麦 えんばく である。
エンバクの用途 ようと のうち最 もっと も重要 じゅうよう なものは飼料 しりょう 用 よう であり、特 とく に馬 うま の飼料 しりょう として盛 さか んに利用 りよう されたが、軍馬 ぐんば の生産 せいさん がほぼ停止 ていし し輸送 ゆそう 用 よう の需要 じゅよう も急減 きゅうげん した現代 げんだい では馬 うま の飼育 しいく 数 すう が激減 げきげん し、そのためエンバクの栽培 さいばい が減少 げんしょう 傾向 けいこう をたどる主因 しゅいん ともなっている。ただしエンバクはウマがよく好 この む飼料 しりょう であり、食物 しょくもつ 繊維 せんい の含有 がんゆう 量 りょう も高 たか く、ウマの濃厚 のうこう 飼料 しりょう としては現代 げんだい においても最 もっと もよく使用 しよう されるものである[40] 。エンバクが飼料 しりょう として好 この まれるのはウマの嗜好 しこう のほか、エンバクはでんぷんが少 すく なくエネルギーが低 ひく いため、厳密 げんみつ な飼料 しりょう の計算 けいさん が必要 ひつよう ではなく扱 あつか いやすいということも挙 あ げられる。日本 にっぽん でのウマの飼育 しいく においては、国産 こくさん のほかオーストラリア 産 さん 、カナダ 産 さん 、アメリカ 産 さん のエンバクが主 おも に使用 しよう される。ウマの飼料 しりょう としてはエンバクの穀 こく 粒 つぶ そのもののほか、押 お し麦 むぎ も使用 しよう される。押 お し麦 むぎ は消化 しょうか が良 よ くなるものの栄養素 えいようそ が穀 こく 粒 つぶ に比 くら べやや損 そこ なわれる[41] 。それ以外 いがい の動物 どうぶつ 、たとえばニワトリ の飼料 しりょう 原料 げんりょう の一 ひと つとして使用 しよう されることもある[42] 。
なお、エンバクの新芽 しんめ を食 た べる猫 ねこ がいることから、飼 か い猫 ねこ 用 よう に猫 ねこ 草 そう 栽培 さいばい キットとして、またはすでに10数 すう cm程 ほど 発育 はついく したものがペットショップやDIYショップなどで売 う られていることもある。[43]
緑肥 りょくひ としても利用 りよう され、透水 とうすい 性 せい などの土壌 どじょう 物理 ぶつり 性 せい の改善 かいぜん や硝酸 しょうさん 態 たい 窒素 ちっそ の水系 すいけい への流亡 りゅうぼう 抑制 よくせい などの効果 こうか がある(Avena sativa のほかAvena strigosa も利用 りよう される)[4] 。
カドミウム をはじめとする重金属 じゅうきんぞく の吸着 きゅうちゃく にすぐれている性質 せいしつ を利用 りよう して、稲 いね やソルガム(モロコシ )と共 とも にカドミウム による土壌 どじょう 汚染 おせん の修復 しゅうふく (バイオレメディエーション )に利用 りよう される。
オオムギとエンバク、およびそれらを原材料 げんざいりょう とする食品 しょくひん
エンバクの穂 ほ 。風媒花 ふうばいか の特徴 とくちょう をもち、よく風 ふう になびく(品種 ひんしゅ :ミエチカラ)
イングランドの詩人 しじん ・批評 ひひょう 家 か のサミュエル・ジョンソン は出版 しゅっぱん 業者 ぎょうしゃ から辞書 じしょ 作 づく りを依頼 いらい され、1755年 ねん に英語 えいご 辞典 じてん A Dictionary of the English Language(2巻 かん )として刊行 かんこう された[44] 。このサミュエル・ジョンソンの辞書 じしょ には個人 こじん 的 てき 主張 しゅちょう が強 つよ く出 で た項目 こうもく が含 ふく まれていることで知 し られ、その有名 ゆうめい な項目 こうもく の一 ひと つがOats(エンバク)の項目 こうもく である[44] 。
Oats - A grain, which in England is generally given to horses, but in Scotland appears to support the people. (Samuel Johnson, 1755, A Dictionary of the English Language )
訳 わけ :エンバク - 穀物 こくもつ の1種 しゅ であり、イングランドでは馬 うま を養 やしな い、スコットランドでは人 ひと を養 やしな う。
これにはスコットランド人 じん も激怒 げきど し、サミュエル・ジョンソンの弟子 でし でもあったジェイムズ・ボズウェル はお返 かえ しに、ユーモアを込 こ めて次 つぎ のように反論 はんろん したという。
Which is why England is known for its horses and Scotland for its men.
訳 わけ :それ故 ゆえ に、イングランドはその産 さん する馬 うま によって名高 なだか く、スコットランドは人材 じんざい において名高 なだか い
スコットランド英語 えいご においては、エンバクは「コーン」(corn)と呼 よ ばれることがある[45] 。これは、英語 えいご においてはその地方 ちほう で最 もっと も重要 じゅうよう な穀物 こくもつ をしばしばcornと呼 よ ぶことがあるからである[46] 。なお、アメリカ英語 えいご においては、他国 たこく で「メイズ 」(maize)と呼 よ んでいたものを「インディアンコーン」と呼 よ び、これが転 てん じて「コーン」はトウモロコシ のことを指 さ すようになった[46] 。
エンバク
エンバク
穀 こく に包 つつ まれているエンバクの麦 むぎ 粒 つぶ
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