キヌアの品種 ひんしゅ 「レッド・ファロ」
キヌア (西 にし : Quínua 、ケチュア語 ご :kinwa または kinuwa、学名 がくめい :Chenopodium quinoa )またはキノア (Quinoa )は、ヒユ科 か アカザ亜 あ 科 か アカザ属 ぞく の植物 しょくぶつ [1] 。アカザ とは同 どう 属 ぞく 、ホウレンソウ やビート とは同 どう 科 か である。南米 なんべい アンデス山脈 あんですさんみゃく の高地 こうち アルティプラーノ において、数 すう 千 せん 年 ねん 前 まえ より食用 しょくよう に栽培 さいばい されている擬 なずらえ 穀類 こくるい (英 えい : Pseudocereal )であり、トウジンビエ 、シコクビエ 、キビ (黍 きび )、アワ (粟 あわ )、ヒエ (稗 ひえ )などと同様 どうよう に、雑穀 ざっこく に分類 ぶんるい される[2] 。
国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん (FAO)によると、2014年 ねん の年間 ねんかん 生産 せいさん 量 りょう は世界 せかい 全体 ぜんたい で約 やく 19万 まん トン で、ミレット (millet:トウジンビエ、シコクビエ、キビ、アワ、ヒエなどの総称 そうしょう )の2838万 まん トンの約 やく 150分 ぶん の1でしかない。主 しゅ たる生産 せいさん 国 こく も南米 なんべい のペルー 、ボリビア 、エクアドル に限 かぎ られている[3] が、栄養 えいよう 面 めん で優 すぐ れており、いわゆるスーパーフード の一 ひと つとして注目 ちゅうもく されていることから世界 せかい 100カ国 かこく 以上 いじょう に栽培 さいばい が広 ひろ がっており[4] 、少量 しょうりょう は日本 にっぽん (北海道 ほっかいどう 剣淵 けんぶち 町 まち [5] 、静岡 しずおか 県 けん 裾野 すその 市 し [6] )でも栽培 さいばい されている。
2017年 ねん 2月 がつ 、キヌアのほぼ完全 かんぜん なゲノム 情報 じょうほう が解読 かいどく された[7] [8] 。
キヌアの穂 ほ は品種 ひんしゅ により、赤 あか 、黄 き 、紫 むらさき 、白 しろ など様々 さまざま な色 いろ を呈 てい し、直径 ちょっけい 約 やく 2mm の種子 しゅし を一 ひと つの房 ぼう に250-500個 こ 程度 ていど つける。脱穀 だっこく した種子 しゅし は白 しろ く扁平 へんぺい な円形 えんけい をしており、食料 しょくりょう となる。冷涼 れいりょう 少雨 しょうう な気候 きこう でもよく育 そだ つ。
キヌアの草丈 くさたけ は1-2メートルと高 たか く分 ぶん 枝 えだ は少 すく ない。主幹 しゅかん は半 はん 木質 もくしつ で[9] 葉 は は波状 はじょう のものから歯 は 状 じょう のものまで多様 たよう な形態 けいたい で幅 はば が広 ひろ く先端 せんたん は狭 せま くなり鋭 するど い歯 は 状 じょう である。花 はな は[10] 伸 の び出 だ した草 くさ 質 しつ の円錐 えんすい 花序 かじょ で花 はな 被 ひ 片 へん は5枚 まい である。現在 げんざい のキヌアの栽培 さいばい 種 しゅ には栽培 さいばい 地 ち に応 おう じて「高原 こうげん 型 がた 」「塩 しお 地 ち 型 がた 」「谷 たに 型 がた 」「海岸 かいがん 型 がた 」の4つの品種 ひんしゅ 群 ぐん がある。高原 こうげん 型 がた はアンデス山脈 あんですさんみゃく の標高 ひょうこう 3000メートル以上 いじょう のアルティプラノで栽培 さいばい される。塩 しお 地 ち 型 がた はボリビア南西 なんせい 部 ぶ のウユニ塩原 しおばら 周辺 しゅうへん で栽培 さいばい される種 たね 、谷 たに 型 がた はクスコ より北 きた の谷間 たにま で栽培 さいばい されるもの、海岸 かいがん 型 がた はチリ の中部 ちゅうぶ (中 ちゅう 緯度 いど )海岸 かいがん 地帯 ちたい で栽培 さいばい されている。キヌアは数 すう 千 せん 年 ねん の栽培 さいばい の歴史 れきし があるが、植物 しょくぶつ 毒 どく であるサポニン を種子 しゅし の表面 ひょうめん に含 ふく み、種子 しゅし の脱落 だつらく 性 せい がある等 ひとし 、野生 やせい 種 しゅ の特徴 とくちょう を保持 ほじ している。他 た の栽培 さいばい 作物 さくもつ では人類 じんるい による数 すう 千 せん 年 ねん の栽培 さいばい の過程 かてい で利用 りよう に適 てき するよう人為 じんい 選択 せんたく されるが、キヌアにおけるサポニンの保持 ほじ は、キヌアが栽培 さいばい される土地 とち では植生 しょくせい が乏 とぼ しく、鳥獣 ちょうじゅう による食害 しょくがい を防 ふせ ぐためではないかと推察 すいさつ されている[11] 。
ボリビアでは栽培 さいばい 特性 とくせい から、ふたつに分類 ぶんるい される[12] 。
高地 こうち 型 がた (Altiplanoタイプ)
年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう 約 やく 400mm程 ほど 度 ど の比較的 ひかくてき 降水 こうすい 量 りょう の多 おお い地域 ちいき でジャガイモやムギ類 るい と輪作 りんさく して栽培 さいばい される。
塩 しお 地 ち 型 がた (Salarタイプ)
年間 ねんかん 降水 こうすい 量 りょう 約 やく 200mm 程度 ていど のウユニ塩 しお 湖畔 こはん の降水 こうすい 量 りょう が少 すく ない地域 ちいき において単作 たんさく される。
しかし、近年 きんねん のブームによりボリビアでは栽培 さいばい 面積 めんせき の拡大 かくだい や作付 さくづ けをしない期間 きかん の短縮 たんしゅく によって、土壌 どじょう 劣化 れっか の進行 しんこう による栽培 さいばい の持続 じぞく 性 せい が懸念 けねん されている[12] 。
キヌアはコロンビア からボリビアにかけてのアンデス山脈 あんですさんみゃく 一帯 いったい が原産 げんさん と考 かんが えられており、5千 せん -7千 せん 年 ねん 前 まえ 頃 ごろ から野生 やせい 種 しゅ の利用 りよう が始 はじ まり、3千 せん -4千 せん 年 ねん 前 まえ 頃 ごろ には栽培 さいばい が始 はじ まっていた[13] 。
キヌアの栽培 さいばい 地域 ちいき では栽培 さいばい されていない野生 やせい のキヌア(Chenopodium quinoa var. melanospermum )が自生 じせい しており、原種 げんしゅ あるいは栽培 さいばい 種 しゅ の子孫 しそん と考 かんが えられている[14] 。
海抜 かいばつ ゼロメートル地帯 ちたい から標高 ひょうこう 4000メートルの半 はん 乾燥 かんそう 地帯 ちたい (温帯 おんたい ステップ気候 きこう )で生育 せいいく するが、アンデス地方 ちほう では主 おも に標高 ひょうこう 2500メートル以上 いじょう の地域 ちいき で栽培 さいばい されている。ウユニ塩原 しおばら 北方 ほっぽう の標高 ひょうこう 約 やく 4000メートルのチパヤ (英語 えいご 版 ばん ) では降水 こうすい 量 りょう が少 すく なく土壌 どじょう の塩分 えんぶん 濃度 のうど が高 たか いため他 た の作物 さくもつ が育 そだ たず、キヌアが唯一 ゆいいつ の作物 さくもつ となっている[11] 。
日本 にっぽん の国際 こくさい 農林 のうりん 水産 すいさん 業 ぎょう 研究 けんきゅう センター の分析 ぶんせき によると、遺伝子 いでんし 的 まと には多様 たよう で、旱魃 かんばつ や塩分 えんぶん 濃度 のうど が高 たか い環境 かんきょう でも育 そだ つ系統 けいとう があり、品種 ひんしゅ 改良 かいりょう も可能 かのう である[4] 。
インカ文明 ぶんめい ではキヌアはトウモロコシ と同様 どうよう に貴重 きちょう な作物 さくもつ であり、「チソヤ・ママ」(「穀物 こくもつ の母 はは 」)と称 しょう され神聖 しんせい な作物 さくもつ と見 み なされていた。季 き 節 ぶし の初 はじ めにはインカ皇帝 こうてい が金 きむ の鋤 すき で種 たね まきの儀式 ぎしき を行 おこ なっていた[15] 。
スペイン のインカ帝国 ていこく 征服 せいふく 後 ご 、スペイン人 じん はインカ文明 ぶんめい を払拭 ふっしょく して現地 げんち 人 じん を同化 どうか させる ために、キヌアの栽培 さいばい を禁止 きんし した[16] 。他 た のラテンアメリカ 原産 げんさん のトウモロコシ、ジャガイモ 、インゲンマメ などは、スペイン人 じん の交易 こうえき により世界 せかい に広 ひろ まり、全 ぜん 世界 せかい の主要 しゅよう 作物 さくもつ となったが、キヌアはそれほど急速 きゅうそく に広 ひろ まらなかった。
2014年 ねん の生産 せいさん 量 りょう は、ペルーが114,725トン、ボリビアが74,382トン、エクアドルが3711トンであった[3] 。南米 なんべい を含 ふく め100カ国 かこく 以上 いじょう で栽培 さいばい されている[4] 。
痩 や せた土地 とち でも栽培 さいばい ができるため、モンゴル などの気候 きこう 条件 じょうけん が厳 きび しく主 おも に遊牧 ゆうぼく のみが行 おこな われてきた地域 ちいき などでも栽培 さいばい が試 こころ みられている[1] [リンク切 き れ ] 。
1990年代 ねんだい 以降 いこう の降雨 こうう 量 りょう の減少 げんしょう のためにそれまで栽培 さいばい されていたラッカセイ が育 そだ たなくなったインド のアナンタプラム県 けん ではキヌアの栽培 さいばい が試 こころ みられている[17] 。
葉 は
花 はな
蕾 つぼみ の状態 じょうたい
種子 しゅし の状態 じょうたい
水 みず を取 と り拡大 かくだい した種子 しゅし
キヌアは、その他 た の雑穀 ざっこく 同様 どうよう に栄養 えいよう 価 か が高 たか く、キヌアと近 きん 縁 えん のアマランサス はエンバク 、ハトムギ 、ライ麦 らいむぎ 同様 どうよう にタンパク質 たんぱくしつ を13-14%と多 おお く含 ふく む。キヌアとアマランサスは他 た の雑穀 ざっこく に比 くら べマグネシウム 、リン 、鉄 てつ 分 ぶん など無機質 むきしつ (ミネラル )やビタミン B類 るい を多 おお く含 ふく む。特 とく に葉酸 ようさん は緑黄色 りょくおうしょく 野菜 やさい に匹敵 ひってき する量 りょう を含 ふく んでいる。ただし、キヌアや雑穀 ざっこく が高 こう 栄養 えいよう 価 か であるとの評価 ひょうか は主 しゅ 穀 こく であるトウモロコシや米 べい 、小麦 こむぎ と比較 ひかく してのことであり、キヌアを含 ふく む雑穀 ざっこく は、豆 まめ 類 るい ほど栄養 えいよう 価 か は高 たか くない。
近年 きんねん ヨーロッパ や日本 にっぽん などで健康 けんこう 食品 しょくひん として注目 ちゅうもく されてきている。
1990年代 ねんだい にはアメリカ航空 こうくう 宇宙 うちゅう 局 きょく が理想 りそう 的 てき な宇宙 うちゅう 食 しょく の素材 そざい の一 ひと つとして評価 ひょうか し、「21世紀 せいき の主要 しゅよう 食 しょく 」と述 の べている。
タンパク質 たんぱくしつ の含有 がんゆう 率 りつ が他 た の穀物 こくもつ と比 くら べて多 おお く、その構成 こうせい は牛乳 ぎゅうにゅう と似 に ている。グルテン を含 ふく まないため、小麦 こむぎ アレルギー のような対 たい グリアジン アレルギーを持 も つ人 ひと でも摂取 せっしゅ できる。
アミノ酸 あみのさん はリシン 、メチオニン 、イソロイシン などの必須 ひっす アミノ酸 あみのさん を多 おお く含 ふく み、その量 りょう は白米 はくまい に匹敵 ひってき するかそれよりも多 おお い。
粘性 ねんせい の高 たか いデンプン を含 ふく むため、小麦粉 こむぎこ にキヌア粉 こ を混 ま ぜて使 つか うとコシの強 つよ い生地 きじ を作 つく ることができる。
脂質 ししつ のほとんどがリノレン酸 さん 、オレイン酸 さん といった不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん で、特 とく にリノレン酸 さん はコレステロール の産出 さんしゅつ を抑制 よくせい するなど、健康 けんこう 増進 ぞうしん に役立 やくだ つ。なお、キヌアの脂質 ししつ 量 りょう は乾燥 かんそう 品 ひん で8%程度 ていど とあまり高 たか くはない。
コレステロール値 ち を下 さ げる効果 こうか がある一方 いっぽう 、赤血球 せっけっきゅう を破壊 はかい する性質 せいしつ (溶血 ようけつ 性 せい )があるサポニン を多 おお く含 ふく む。キヌアの種子 しゅし はサポニンで覆 おお われているため、そのままでは苦 にが くて食用 しょくよう には適 てき さない。サポニンは水溶 すいよう 性 せい なので水 みず に晒 さら してサポニンを抜 ぬ く。サポニンがあると泡立 あわだ つので泡立 あわだ たなくなるまで何 なん 度 ど も水 みず を換 か え洗 あら うことでサポニンを除去 じょきょ する。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく などで販売 はんばい されているキヌアはサポニンを除去 じょきょ する処理 しょり がされている
[18] 。
雑穀 ざっこく は精白 せいはく 米 まい や製粉 せいふん された小麦粉 こむぎこ などより栄養 えいよう 価 か が高 たか い。以下 いか に各 かく 雑穀 ざっこく と比較 ひかく 用 よう に米 べい 、小麦 こむぎ 、大麦 おおむぎ のデータを示 しめ す。以下 いか のデータの大半 たいはん は文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう の食品 しょくひん データベースからのものであるが[19] 、キヌアのデータは米国 べいこく 農務 のうむ 省 しょう (USDA)のデータを抽出 ちゅうしゅつ した[20] ものである。なお文部 もんぶ 科学 かがく 省 しょう の数値 すうち と米国 べいこく 農務 のうむ 省 しょう の数値 すうち にはアマランサスで示 しめ すように違 ちが いがある。
雑穀 ざっこく 他 た の栄養 えいよう 価 か
成分 せいぶん 名 めい
単 たん 位 くらい
アワ
ヒエ
キビ
モロコシ 玄 げん 穀 こく
はと麦 むぎ /精白 せいはく 粒 つぶ
ライ麦 らいむぎ /全粒粉 ぜんりゅうこ
えんばく /オートミール
アマランサ ス /玄 げん 穀 こく
アマラン サス[21]
キヌア[21]
玄米 げんまい
精白 せいはく 米 まい
小麦 こむぎ 玄 げん 穀 こく
大麦 おおむぎ 七 なな 分 ふん つき押麦 おしむぎ
エネルギー
kcal
364
367
356
352
360
334
380
358
371
368
350
356
337
341
炭水化物 たんすいかぶつ
g
73.1
72.4
73.1
71.1
72.2
70.7
69.1
64.9
65.3
64.2
73.8
77.1
72.2
72.1
たんぱく質 しつ
g
10.5
9.7
10.6
10.3
13.3
12.7
13.7
12.7
13.6
14.1
6.8
6.1
10.6
10.9
脂質 ししつ
g
2.7
3.7
1.7
4.7
1.3
2.7
5.7
6.0
7.0
6.0
2.7
0.9
3.1
2.1
食物 しょくもつ 繊維 せんい
g
3.4
4.3
1.7
9.7
0.6
13.3
9.4
7.4
6.7
7.0
3.0
0.5
10.8
10.3
水分 すいぶん
g
12.5
13.1
14.0
12.0
13.0
12.5
10.0
13.5
11.3
13.0
15.5
15.5
12.5
14.0
無 む 機 き 質 しつ
ナトリウム
mg
1.0
3.0
2.0
2.0
1.0
1.0
3.0
1.0
4.0
5.0
1.0
1.0
2.0
2.0
カリウム
mg
280
240
170
590
85
400
260
600
508
563
230
88
470
220
カルシウム
mg
14
7
9
16
6
31
47
160
159
47
9
5
26
23
マグネシウム
mg
110
95
84
160
12
100
100
270
248
197
110
23
80
46
リン
mg
280
280
160
430
20
290
370
540
557
457
290
94
350
180
鉄 てつ
mg
4.80
1.60
2.10
3.30
0.40
3.50
3.90
9.40
7.61
4.57
2.10
0.80
3.20
1.30
亜鉛 あえん
mg
2.70
2.70
2.70
2.70
0.40
3.50
2.10
5.80
2.87
3.10
1.80
1.40
2.60
1.40
ビ タ ミ ン
B1チアミン
mg
0.20
0.05
0.15
0.35
0.02
0.47
0.20
0.04
0.12
0.36
0.41
0.08
0.41
0.22
B2リボフラビン
mg
0.07
0.03
0.05
0.10
0.05
0.20
0.08
0.14
0.20
0.32
0.04
0.02
0.09
0.07
ナイアシン
mg
1.70
2.00
2.00
6.00
0.50
1.70
1.10
1.00
0.92
1.52
6.30
1.20
6.30
3.20
B6
mg
0.18
0.17
0.20
0.31
0.07
0.22
0.11
0.58
0.59
0.49
0.45
0.12
0.35
0.14
パントテン酸 さん
mg
1.84
1.50
0.94
1.42
0.16
0.87
1.29
1.69
1.36
0.66
1.03
0.43
葉酸 ようさん
μ みゅー g
29
14
13
54
16
65
30
130
82
184
27
12
38
17
キヌアスープ。火 ひ を通 とお すとキヌア独特 どくとく のC字形 じけい の白 しろ い胚芽 はいが が飛 と び出 だ す。
ボリビアやペルーの高原 こうげん では、キヌアスープ が定番 ていばん 料理 りょうり の一 ひと つである。煮 に たキヌアは軽 かる いプチプチとした食 しょく 感 かん があり、わずかにくせがある。他 た の食材 しょくざい の味 あじ をあまり変 か えないので、様々 さまざま な味 あじ のスープに合 あ わせることができる。果物 くだもの と煮 に て甘 あま い飲 の み物 もの にすることもある。新 しん アンデス料理 りょうり (スペイン語 ご 版 ばん ) (現代 げんだい ペルー料理 りょうり )では、キノット(quinotto、キヌアのリゾット )にもする。
また、小麦粉 こむぎこ とあわせてクッキー やパウンドケーキ やパン の生地 きじ にして焼 や いて食 た べることもある。
発酵 はっこう させることにより、ビール に似 に た飲料 いんりょう やチチャ のようなアルコール飲料 いんりょう を作 つく ることもある。
サポニン 化合 かごう 物 ぶつ 由来 ゆらい の苦 にが い味 あじ の種 たね が自然 しぜん に作 つく られることがあり[7] 、調理 ちょうり 方法 ほうほう によっては食味 しょくみ に影響 えいきょう を与 あた えることがある。
日本 にっぽん では、白米 はくまい に混 ま ぜて炊 た いて食 た べるのがブームになったことがあった。キヌアを混 ま ぜて炊 だ いた米 べい は若干 じゃっかん 粘 ねば り気 け が強 つよ く、またいわゆる「薬 くすり 臭 くさ い」香 かお りがすることがある。この独特 どくとく の臭気 しゅうき を誤魔化 ごまか すため、炊 た き込 こ み御飯 ごはん にするなどの工夫 くふう が行 おこな われることもあった。
キヌアを用 もち いて味噌 みそ や醤油 じょうゆ を製造 せいぞう しているメーカー(佐賀 さが 県 けん の丸 まる 秀 しげる 醤油 じょうゆ など)もある。
2013年 ねん は、国際 こくさい 連合 れんごう が定 さだ めた国際 こくさい キヌア年 ねん 。2月20日 にち には、ボリビアのエボ・モラレス 大統領 だいとうりょう らが国際 こくさい 連合 れんごう 総会 そうかい で記念 きねん 演説 えんぜつ を行 おこな った[22] 。
キヌアは環境 かんきょう 適応 てきおう 能力 のうりょく が高 たか く、年間 ねんかん 雨量 うりょう が少 すく ない温帯 おんたい 地域 ちいき (ステップ気候 きこう )での生育 せいいく が可能 かのう で多 おお くの作物 さくもつ が育 そだ たない土地 とち での栽培 さいばい が可能 かのう である。
キヌアの広 ひろ い環境 かんきょう 適応 てきおう 性 せい とその高 たか い栄養 えいよう 価 か から、各国 かっこく でも栽培 さいばい が試 こころ みられているが、2014年 ねん の時点 じてん では主 おも な生産 せいさん 国 こく は原産地 げんさんち であるアンデス高地 こうち のペルーとボリビアが2大 だい 産地 さんち で、エクアドルが遠 とお い三 さん 位 い となっている。この3ヶ国 かこく では1961年 ねん には52,555ヘクタール (ha)で栽培 さいばい され32,435トンが収穫 しゅうかく されたが、60年代 ねんだい から70年代 ねんだい にかけて作付 さくづけ 面積 めんせき が減少 げんしょう し、収穫 しゅうかく 量 りょう も半分 はんぶん から3/4まで落 お ちていた。1990年 ねん 以降 いこう は作付 さくづけ 面積 めんせき も増加 ぞうか に転 てん じ、1995年 ねん には収穫 しゅうかく 量 りょう も1961年 ねん 並 な みの32,995トンとなり、2000年 ねん には52,626トン、2010年 ねん には79,447トンへと増加 ぞうか し、2011年 ねん からさらに急増 きゅうぞう している。2014年 ねん の作付 さくづけ 面積 めんせき は95,843ヘクタールで、これは1961年 ねん の約 やく 1.8倍 ばい で収穫 しゅうかく 量 りょう は2.5倍 ばい 、単位 たんい 面積 めんせき 当 あ たりの収量 しゅうりょう も2010年 ねん は987kg/haと1961年 ねん の617kg/haより60%増加 ぞうか している。なおキヌアの単位 たんい 面積 めんせき 当 あ たりの収量 しゅうりょう は他 た の作物 さくもつ ができない農地 のうち での栽培 さいばい であることもあり、他 た の主要 しゅよう 穀類 こくるい と比較 ひかく すると多 おお くはない。2000年 ねん 以降 いこう 、特 とく にボリビアにおいて生産 せいさん 量 りょう が増加 ぞうか しており、2014年 ねん の1961年 ねん 比 ひ は作付 さくづけ 面積 めんせき で約 やく 5.6倍 ばい 、収量 しゅうりょう で約 やく 8倍 ばい となっている[3] 。
キヌアの輸出 ゆしゅつ 量 りょう はFAOの集計 しゅうけい によると1970年代 ねんだい に始 はじ まり、1990年 ねん には489トン(ボリビア343トン、エクアドル146トン)であったが、2000年 ねん には1,478トン(ボリビア1,436トン、エクアドル42トン)、2010年 ねん には15,363トン(4653万 まん 米 あめりか ドル 、ほぼ全量 ぜんりょう ボリビア)と急増 きゅうぞう した。輸出 ゆしゅつ 単価 たんか も1970年 ねん には0.08米 あめりか ドル/kgであったが、2000年 ねん に1.254米 あめりか ドル/kg、2010年 ねん には3.029米 あめりか ドル/kg[23] と近年 きんねん 急騰 きゅうとう している。トウモロコシ、米 べい 、麦 むぎ などの主要 しゅよう 穀類 こくるい の取引 とりひき 価格 かかく は豊作 ほうさく ・不作 ふさく などの影響 えいきょう で乱 らん 高下 こうげ するが、キヌアは生産 せいさん 国 こく がほぼペルー、ボリビア、エクアドルに限 かぎ られており、2010年 ねん の輸出 ゆしゅつ はFAOの集計 しゅうけい ではボリビアのみで輸出 ゆしゅつ 量 りょう は15,363トン(4653万 まん 米 あめりか ドル)で他 た の穀物 こくもつ の取引 とりひき 量 りょう の千 せん 分 ぶん の一 いち 以下 いか であり[3] 、取引 とりひき 価格 かかく は上昇 じょうしょう の一途 いっと である。
FAOの集計 しゅうけい ではペルーからの輸出 ゆしゅつ は計上 けいじょう されていないが、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 農務 のうむ 省 しょう では、ペルーのキヌアの輸出 ゆしゅつ を2007年 ねん から2009年 ねん までは3000トン代 だい 、2010年 ねん に5745トン、2011年 ねん に9147トン、2012年 ねん に11924トンと報告 ほうこく している。輸出 ゆしゅつ 額 がく は取引 とりひき 価格 かかく の上昇 じょうしょう もあり、2007年 ねん の448万 まん 米 あめりか ドルから、2012年 ねん には3437万 まん 米 あめりか ドルへと8倍 ばい 近 ちか くになった[24] 。
2012年 ねん にはキヌアの輸出 ゆしゅつ 額 がく がボリビアで8500万 まん ドル、ペルーで3500万 まん ドルと2010年 ねん の倍 ばい 以上 いじょう となっており[25] 、ペルーの2013年 ねん の輸出 ゆしゅつ 額 がく は4000万 まん 米 あめりか ドルを超 こ えると見積 みつ もられている[26] 。
21世紀 せいき 初頭 しょとう キヌアの大半 たいはん はアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく へ輸出 ゆしゅつ されているが、国際 こくさい キヌア年 ねん のキャンペーンなどからヨーロッパ 、中国 ちゅうごく 、日本 にっぽん での需要 じゅよう も増大 ぞうだい している[27] [25] 。
取引 とりひき 価格 かかく 高騰 こうとう による弊害 へいがい [ 編集 へんしゅう ]
キヌア畑 はたけ の前 まえ で勉強 べんきょう 会 かい を開 ひら く住民 じゅうみん 。ペルーのプーノ 近郊 きんこう
キヌアに国際 こくさい 的 てき な注目 ちゅうもく が集 あつ まることにより、他 た の作物 さくもつ に比 くら べ生産 せいさん 国 こく も限 かぎ られ収穫 しゅうかく 量 りょう も多 おお くはないキヌアの国際 こくさい 市場 いちば 価格 かかく は暴騰 ぼうとう している。キヌアの2011年 ねん の収穫 しゅうかく 量 りょう は約 やく 8万 まん トンで主要 しゅよう 穀物 こくもつ であるトウモロコシ、米 べい 、小麦 こむぎ などの1万 まん 分 ぶん の1以下 いか である。収量 しゅうりょう のそれほど多 おお くない穀類 こくるい であるライ麦 らいむぎ (Rye)の160分 ぶん の1、ソバ (Buckwheat)の20分 ぶん の1でしかなく、急 きゅう 成長 せいちょう した国際 こくさい 的 てき 需要 じゅよう を満 み たす量 りょう の生産 せいさん はない。最大 さいだい のキヌア生産 せいさん 国 こく であるペルーのキヌア生産 せいさん 量 りょう は約 やく 4万 まん トンで他 た の穀類 こくるい に比 くら べ生産 せいさん 量 りょう は多 おお くはないが、キヌアの比重 ひじゅう は高 たか く、米 べい の63分 ぶん の1、トウモロコシの37分 ぶん の1、小麦 こむぎ やソバの5分 ぶん の1の収穫 しゅうかく 量 りょう がある[3] 。ペルーにおける国民 こくみん 一 いち 人 にん あたりのキヌアの年間 ねんかん 生産 せいさん 量 りょう は1.35kgでしかない。1980年代 ねんだい の価格 かかく 高騰 こうとう 以前 いぜん はキヌアはアンデス高地 こうち における重要 じゅうよう な主食 しゅしょく の一 ひと つであり地産 ちさん 地 ち 消 け されていたが、現在 げんざい では国内外 こくないがい で取引 とりひき されるようになっている。キヌアの生産 せいさん 量 りょう 約 やく 8万 まん トンに対 たい する世界 せかい 各国 かっこく からの需要 じゅよう を例 たと えると、日本 にっぽん の2012年 ねん (H24)の小豆 あずき 生産 せいさん 量 りょう 約 やく 6.8万 まん トン[28] に近 ちか く、全 ぜん 世界 せかい で日本 にっぽん の小豆 あずき のブーム的 てき な需要 じゅよう が発生 はっせい し、価格 かかく が高騰 こうとう しているような状況 じょうきょう である。キヌアがより深刻 しんこく であるのはキヌアは代替 だいたい 作物 さくもつ のない地域 ちいき での主食 しゅしょく であり、生産 せいさん 国 こく ペルー、ボリビアには他国 たこく と競争 きょうそう できる購買 こうばい 力 りょく がない点 てん である。
キヌアが換金 かんきん 作物 さくもつ ・輸出 ゆしゅつ 作物 さくもつ となることによりアンデス高地 こうち の農民 のうみん に現金 げんきん 収入 しゅうにゅう の道 みち が開 ひら かれる一方 いっぽう で、貴重 きちょう な作物 さくもつ である高 こう 栄養 えいよう 価 か のキヌアが農民 のうみん にとって手 て の届 とど かない作物 さくもつ となりつつある。キヌアの栽培 さいばい 農家 のうか では価格 かかく 高騰 こうとう により現金 げんきん 収入 しゅうにゅう は増加 ぞうか するが、キヌアが高級 こうきゅう 食材 しょくざい となり自家 じか 消費 しょうひ に回 まわ されなくなり、何 なん 千 せん 年 ねん にもわたり築 きず かれてきたバランスがとれ地域 ちいき で完結 かんけつ していた食 しょく 文化 ぶんか が崩壊 ほうかい し始 はじ めている。得 え られた収入 しゅうにゅう により低 てい 価格 かかく ではあるが同時 どうじ に低 てい 栄養 えいよう 価 か の穀物 こくもつ を購入 こうにゅう ・消費 しょうひ することによる影響 えいきょう が危惧 きぐ されている。ボリビアより生産 せいさん 量 りょう の多 おお いペルーでは2010年 ねん までは輸出 ゆしゅつ はされていなかったが、それでも国内 こくない 取引 とりひき 価格 かかく は上昇 じょうしょう しており、首都 しゅと リマ ではキヌアは鶏肉 とりにく より高 たか く、米 べい の4倍 ばい の価格 かかく で取引 とりひき されている[29] [25] 。
ペルー政府 せいふ では児童 じどう への給食 きゅうしょく プログラム「カリ・ワルマ」(Qali Warma )によりキヌアを市場 いちば 価格 かかく より12%高 たか い価格 かかく で買 か い付 つ けるという自衛 じえい 行動 こうどう に出 で ている[30] 。
キヌアは他 た の作物 さくもつ が育成 いくせい できない土地 とち での作物 さくもつ であったが、キヌアの価格 かかく の高騰 こうとう から、他 た の作物 さくもつ が育 そだ つ農地 のうち までキヌアへ転作 てんさく され始 はじ め、作物 さくもつ の多様 たよう 性 せい が失 うしな われつつある[25] 。キヌアは栽培 さいばい 面積 めんせき あたりの収量 しゅうりょう は決 けっ して良 よ い作物 さくもつ ではなく、ペルーではトウモロコシの単位 たんい 収穫 しゅうかく 量 りょう は約 やく 3.18トン/ha(ヘクタール)、小麦 こむぎ 1.47トン/ha、ソバ1.36トン/haに対 たい しキヌアは1.16トン/haである。
また過去 かこ には地産 ちさん 地 ち 消 けし の作物 さくもつ として栽培 さいばい されていたが、換金 かんきん 作物 さくもつ として作付 さくづけ 面積 めんせき の急 きゅう 拡大 かくだい や高 こう 収量 しゅうりょう を目指 めざ した地力 じりき を越 こ えた栽培 さいばい による環境 かんきょう 負荷 ふか の増大 ぞうだい も懸念 けねん されている[31] 。
ボリビアでは5年間 ねんかん にキヌアの国内 こくない 消費 しょうひ が3分 ぶん の1減少 げんしょう したとの報告 ほうこく がある一方 いっぽう で、ボリビアの農村 のうそん 開発 かいはつ ・土地 とち 省 しょう の副 ふく 大臣 だいじん による「4年間 ねんかん で4倍 ばい になり一 いち 人 にん あたり1.11kg/年 とし (3g/日 にち )の消費 しょうひ であった」との反論 はんろん の発表 はっぴょう があるなど錯綜 さくそう した報告 ほうこく [25] があるが、これは価格 かかく 高騰 こうとう および輸出 ゆしゅつ 量 りょう 急増 きゅうぞう に対 たい する関心 かんしん の高 たか さを示 しめ している。2000年 ねん にはボリビアのキヌアの輸出 ゆしゅつ は1436トン(総 そう 収穫 しゅうかく 量 りょう の6%)で現在 げんざい の様 よう に(2010年 ねん は総 そう 収穫 しゅうかく 量 りょう の43%が輸出 ゆしゅつ へ)多 おお くはなく、当時 とうじ の国民 こくみん 一 いち 人 にん あたりの消費 しょうひ 量 りょう は2.69kg/年 とし であった[32] 。農村 のうそん 開発 かいはつ ・土地 とち 省 しょう 副 ふく 大臣 だいじん の言 い う1.11kg/年 とし は2000年 ねん の数値 すうち の4割 わり であり、現金 げんきん 収入 しゅうにゅう の限 かぎ られた農民 のうみん における高騰 こうとう したキヌアの消費 しょうひ はこの数値 すうち 以上 いじょう の落 お ち込 こ みである。さらに遡 さかのぼ れば1985年 ねん には一人 ひとり あたりの消費 しょうひ 量 りょう は3.51kg/年 とし であったが、2000年 ねん にかけては輸出 ゆしゅつ の割合 わりあい は1割 わり 以下 いか であり、消費 しょうひ 量 りょう の減少 げんしょう は食生活 しょくせいかつ の変化 へんか によるものと思 おも われる。
「国際 こくさい キヌア年 ねん 」はキヌアの栽培 さいばい を世界 せかい に広 ひろ めることにより食料 しょくりょう 安全 あんぜん 保障 ほしょう と飢餓 きが 撲滅 ぼくめつ を意図 いと したものであるが[33] 、現在 げんざい スーパーフード として需要 じゅよう は喚起 かんき されたが産地 さんち はほぼペルーとボリビアに限 かぎ られており、価格 かかく 高騰 こうとう から産地 さんち では消費 しょうひ できない様相 ようそう になっている。
ペルーでは米国 べいこく と世界銀行 せかいぎんこう の援助 えんじょ のもとに換金 かんきん 作物 さくもつ として1990年代 ねんだい からイカ県 けん で高級 こうきゅう 食材 しょくざい であるアスパラガス の栽培 さいばい が始 はじ まった。2010年 ねん にはペルーは全 ぜん 世界 せかい のアスパラガスの交易 こうえき 量 りょう の40%にあたる12万 まん 3千 せん トンを輸出 ゆしゅつ する世界 せかい 最大 さいだい の輸出 ゆしゅつ 国 こく となった。このアスパラガス栽培 さいばい により仕事 しごと および収入 しゅうにゅう が創成 そうせい されたが、同時 どうじ に乾燥 かんそう 地帯 ちたい であるイカ地方 ちほう に大 おお きな環境 かんきょう 負荷 ふか を与 あた えている[34] 。21世紀 せいき に入 はい り始 はじ まったキヌアブームがアスパラガス同様 どうよう の影響 えいきょう を与 あた えるのではないかと危惧 きぐ されている[29] 。
キヌアは過 か 越 えつ 期間 きかん 中 ちゅう 禁 きん じられる穀類 こくるい の代替 だいたい 品 ひん としてユダヤ教 きょう 徒 と 社会 しゃかい で人気 にんき となっている。いくつかのカシェル 認証 にんしょう 団体 だんたい は、禁忌 きんき の穀類 こくるい と似 に ていること、および近隣 きんりん の農地 のうち からや加工 かこう 施設 しせつ で禁忌 きんき の穀類 こくるい が混入 こんにゅう する恐 おそ れがあることを理由 りゆう にキヌアを過 か 越 えつ 用 よう カシェル食品 しょくひん と認証 にんしょう することを拒否 きょひ している[35] 。
2013年 ねん 12月、世界 せかい 最大 さいだい のカシェル認証 にんしょう 機関 きかん (英語 えいご 版 ばん ) である正統 せいとう 連盟 れんめい (英語 えいご 版 ばん ) は、キヌアを過 か 越 えつ 用 よう カシェル食品 しょくひん に認証 にんしょう することを発表 はっぴょう した[36] 。
生産 せいさん 地 ち がいわば辺境 へんきょう の地 ち であり、生産 せいさん 規模 きぼ が小 ちい さく、ほぼ自家 じか 消費 しょうひ (地産 ちさん 地 ち 消 けし )で広域 こういき に流通 りゅうつう して来 こ なかったため、各地 かくち で様々 さまざま な名 な で呼 よ ばれている。以下 いか 各 かく 言語 げんご での名称 めいしょう (括弧 かっこ 内 ない が産地 さんち )[37]
ケチュア語 ご (ペルー、ボリビア、エクアドル) - kinúwa、kínua、 kiuna、kitaqañiwa、kuchikinwa
アイマラ語 ご (ペルー、ボリビア) - tupapa、supha、jopa、jupha、juira、ära、qallapi、vocal、linquiñique
チブチャ語 ご (コロンビア ) - ・suba、pasca
マプチェ語 ご (チリ ) - dawe、sawe、chichiconwa
スペイン語 ご ではよりケチュア語 ご に近 ちか いquinuaと、学名 がくめい となったquinoaが使 つか われている。他 た の言語 げんご では学名 がくめい quinoaが使 つか われている。
紅色 こうしょく のキヌア
乾燥 かんそう したキヌア
食用 しょくよう キヌアの袋 ふくろ
ヒユ科 か にはキヌアの他 ほか にも食用 しょくよう に栽培 さいばい されている種 たね がある。キヌア同様 どうよう に高 こう タンパク質 たんぱくしつ であり高 こう 栄養 えいよう 価 か であるが、キヌアよりさらに生産 せいさん 量 りょう が少 すく ない。
アマランサス (西 にし :amaranto、ケチュア語 ご :kiwicha、quihuicha) - ヒユ科 か ヒユ属 ぞく の一 いち 年 ねん 草 くさ 。古代 こだい にはヒモゲイトウ (英語 えいご 版 ばん ) (A. caudatus )、スギモリケイトウ (英語 えいご 版 ばん ) (A. cruentus )、センニンコク (英語 えいご 版 ばん ) (A. hypochondriacus )がメキシコ 、グアテマラ 、ペルーで大 だい 規模 きぼ に栽培 さいばい されていたが、現在 げんざい では少 しょう 規模 きぼ の栽培 さいばい に留 とど まっている。葉 は も食用 しょくよう にされ、観賞 かんしょう 作物 さくもつ としても栽培 さいばい されている。
カニワ (英語 えいご 版 ばん ) (qañiwa*、qañawa、Chenopodium pallidicaule ) - キヌアと同属 どうぞく でキヌアと一緒 いっしょ に栽培 さいばい されている。草丈 くさたけ は1mと低 ひく く種子 しゅし はキヌアより小 ちい さく1.0-1.2mmで、より多 おお くサポニンを含 ふく む[11] 。
ウアウソントレ (英語 えいご 版 ばん ) (西 にし :Huauzontle、Chenopodium nuttalliae ) - キヌアと同属 どうぞく 一 いち 年 ねん 草 くさ で草丈 くさたけ 、葉 は 、花 はな などキヌアによく似 に ているが種子 しゅし は約 やく 1.5mmと小 ちい さい。中央 ちゅうおう アメリカ が原産 げんさん と考 かんが えられておりアステカ 文明 ぶんめい では広 ひろ く栽培 さいばい されていたが現在 げんざい ではメキシコで少量 しょうりょう が栽培 さいばい されているのみである[11] 。
ウィキメディア・コモンズには、
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^ 旧 きゅう クロンキスト体系 たいけい ではアカザ科 か に分類 ぶんるい されていたが、APG植物 しょくぶつ 分類 ぶんるい 体系 たいけい 第 だい 3版 はん ではヒユ科 か アカザ亜 あ 科 か に分類 ぶんるい されている
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^ a b c d e FAO統計 とうけい
^ a b c 「キヌアに多様 たよう 性 せい 品種 ひんしゅ の改良 かいりょう 期待 きたい /干 かん ばつ地帯 ちたい 、高 こう 塩分 えんぶん でも発芽 はつが 国際 こくさい 農 のう 研 けん 」『日本農業新聞 にほんのうぎょうしんぶん 』2020年 ねん 10月 がつ 13日 にち (11面 めん )
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^ 地域 ちいき 戦略 せんりゃく 策 さく 作物 さくもつ 「キヌア」試験 しけん 栽培 さいばい 裾野 すその 市 し (2021年 ねん 3月 がつ 12日 にち 閲覧 えつらん )
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