軽油 けいゆ のドラム缶 どらむかん
軽油 けいゆ (けいゆ、英 えい : diesel fuel )は、原油 げんゆ から製造 せいぞう される石油 せきゆ 製品 せいひん の一種 いっしゅ 。主 しゅ としてディーゼルエンジン の燃料 ねんりょう として使用 しよう される。ディーゼル燃料 ねんりょう (ディーゼルねんりょう)ともいう。
軽油 けいゆ は、原油 げんゆ を蒸留 じょうりゅう (石油 せきゆ 精製 せいせい )することによって得 え られる炭化 たんか 水素 すいそ 混合 こんごう 物 ぶつ である。沸点 ふってん 範囲 はんい は180 - 350 ℃ 程度 ていど 。主成分 しゅせいぶん は炭素 たんそ 数 すう 10 - 20程度 ていど のアルカン である。精製 せいせい 直後 ちょくご は無色 むしょく だが、出荷 しゅっか 前 まえ にエメラルドグリーンなどに着色 ちゃくしょく される(精製 せいせい 会社 かいしゃ により異 こと なる)。
消防 しょうぼう 法 ほう において第 だい 4類 るい 危険 きけん 物 ぶつ (引火 いんか 性 せい 液体 えきたい )の第 だい 2石油 せきゆ 類 るい に灯油 とうゆ とともに属 ぞく する。消防 しょうぼう 法 ほう での指定 してい 数量 すうりょう はガソリン の200リットルに対 たい して5倍 ばい の1000リットルだが、これは貯蔵 ちょぞう 方法 ほうほう についての基準 きじゅん を示 しめ すもので、ガソリンの5倍 ばい 安全 あんぜん という意味 いみ ではない。軽油 けいゆ の引火 いんか 点 てん は45 ℃であり、ガソリンの引火 いんか 点 てん (−40 ℃)よりも高 たか いことから比較的 ひかくてき 安全 あんぜん とされているが、炎天下 えんてんか などでは液 えき 温 ゆたか が引火 いんか 点 てん を超 こ える可能 かのう 性 せい があるほか、何 なん らかの事情 じじょう で霧 きり 状 じょう になると常温 じょうおん でも引火 いんか するため取 と り扱 あつか いには注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
軽油 けいゆ の名 な は重油 じゅうゆ に対応 たいおう して付 つ けられたものだが、「軽自動車 けいじどうしゃ 用 よう の燃料 ねんりょう 」と誤解 ごかい されることがある[ 1] 。軽自動車 けいじどうしゃ にディーゼルエンジンが搭載 とうさい されることはまずないため、日本 にっぽん のガソリンスタンド では、軽自動車 けいじどうしゃ への誤 あやま 給油 きゅうゆ を防 ふせ ぐため、「軽油 けいゆ 」の代 か わりに「ディーゼル」と表記 ひょうき されている場合 ばあい がある。
中国 ちゅうごく 語 ご では「柴 しば 油 ゆ 」[ 注 ちゅう 1] といい、「軽油 けいゆ 」は別物 べつもの の「軽質 けいしつ ナフサ 」あるいは「軽質 けいしつ コールタール 」を指 さ す。
主 おも にディーゼルエンジンの燃料 ねんりょう として用 もち いられる。
自動車 じどうしゃ (特 とく に大型 おおがた 車 しゃ )・鉄道 てつどう 車両 しゃりょう ・船舶 せんぱく 用 よう のディーゼル燃料 ねんりょう が日本 にっぽん の軽油 けいゆ の消費 しょうひ 量 りょう の95%を占 し めるが、建設 けんせつ 機械 きかい ・農業 のうぎょう 機械 きかい の燃料 ねんりょう 、窯業 ようぎょう ・鉄鋼 てっこう 用 よう の燃料 ねんりょう 、電力 でんりょく 用 よう 内燃 ないねん 力 りょく 発電 はつでん における発電 はつでん 機 き 燃料 ねんりょう としても使用 しよう されている。高 こう 出力 しゅつりょく で熱 ねつ 効率 こうりつ (燃費 ねんぴ )が良 よ いため、負荷 ふか の大 おお きいバス やトラック に向 む いており、またガソリン よりも税金 ぜいきん (軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい 等 ひとし )が安 やす い利点 りてん もある。
西 にし ヨーロッパ では日本 にっぽん に比 くら べると、ガソリンに対 たい する価格 かかく 的 てき な優位 ゆうい 性 せい が無 な く、軽油 けいゆ の方 ほう が高値 たかね で販売 はんばい されている国 くに もある[ 2] 。車両 しゃりょう 価格 かかく においてもガソリン車 しゃ のそれを上回 うわまわ るにもかかわらず、自家用車 じかようしゃ でのディーゼルエンジン搭載 とうさい 車両 しゃりょう の割合 わりあい が非常 ひじょう に高 たか い(→ディーゼル自動車 じどうしゃ )。北米 ほくべい では、軽油 けいゆ の方 ほう がガソリンよりも高 たか いので、自家用車 じかようしゃ 用途 ようと ではほとんど普及 ふきゅう していない。全 すべ て商用 しょうよう 貨物 かもつ 車 しゃ (トラック)である。
フォルクスワーゲン が、一時期 いちじき 環境 かんきょう に良 よ いことを宣伝 せんでん してディーゼルエンジン車 しゃ を売 う り出 だ したが、ディフィートデバイス 排気 はいき ガス不正 ふせい 事件 じけん により頓挫 とんざ してしまった。日本 にっぽん は、生成 せいせい される軽油 けいゆ の量 りょう に対 たい して使用 しよう 量 りょう が下回 したまわ っているので、軽油 けいゆ は輸出 ゆしゅつ されている。そのため、近年 きんねん のディーゼル車 しゃ の普及 ふきゅう は、売 う らざるを得 え ない軽油 けいゆ を自 みずか ら消費 しょうひ できるという点 てん において、日本 にっぽん の経済 けいざい にとっても有益 ゆうえき となっている。[疑問 ぎもん 点 てん – ノート ]
ディーゼルエンジンを用 もち いる軍用 ぐんよう 車輌 しゃりょう にも使 つか われているが、アメリカ陸軍 りくぐん では、1988年 ねん から「単一 たんいつ 燃料 ねんりょう コンセプト(SFC)」として、ジェット燃料 ねんりょう のJP-8 へと使用 しよう 燃料 ねんりょう を統一 とういつ するテストを開始 かいし しており、戦車 せんしゃ ・装甲車 そうこうしゃ ・貨物 かもつ 自動車 じどうしゃ ・ヘリコプターから偵察 ていさつ 用 よう バイクまで、事実 じじつ 上 じょう の灯油 とうゆ であるJP-8を使用 しよう するようになっている。
ディーゼル用 よう 軽油 けいゆ としての要求 ようきゅう 性状 せいじょう は
始動 しどう ・燃焼 ねんしょう を順調 じゅんちょう に行 おこな うため着火 ちゃっか 性 せい の良 よ いこと。すなわちセタン価 か が高 たか いこと。
燃焼 ねんしょう を均一 きんいつ に行 おこな うために噴霧 ふんむ 状態 じょうたい を良 よ くすることが必要 ひつよう である。そのため、燃料 ねんりょう 中 ちゅう に不純物 ふじゅんぶつ を含 ふく まず、かつ、粘 ねば 度 たび が適当 てきとう であること。
不完全 ふかんぜん 燃焼 ねんしょう による炭素 たんそ (すす )の生成 せいせい を防止 ぼうし するため、アスファルト などの高 こう 沸点 ふってん 留 とめ 分 ぶん が少 すく ないこと。
などである。
これらをふまえた上 うえ で、軽油 けいゆ の規格 きかく は次 つぎ のとおりとされる。
JIS K 2204規格 きかく による軽油 けいゆ の分類 ぶんるい ・性状 せいじょう
試験 しけん 項目 こうもく
試験 しけん 方法 ほうほう
種類 しゅるい
特 とく 1号 ごう
1号 ごう
2号 ごう
3号 ごう
特 とく 3号 ごう
引火 いんか 点 てん (℃)
JIS K 2265
50以上 いじょう
45以上 いじょう
蒸留 じょうりゅう 性状 せいじょう 90%留 とめ 出 で 温度 おんど (℃)
JIS K 2254
360以下 いか
350以下 いか
330以下 いか (*1)
330以下 いか
流動 りゅうどう 点 てん (℃)
JIS K 2269
+5以下 いか
-2.5以下 いか
-7.5以下 いか
-20以下 いか
-30以下 いか
目 め 詰 づ まり点 てん (℃)
JIS K 2288
-
-1以下 いか
-5以下 いか
-12以下 いか
-19以下 いか
10%残 ざん 油 ゆ の残留 ざんりゅう 炭素 たんそ 分 ぶん 質量 しつりょう %
JIS K 2270
0.1以下 いか
セタン指数 しすう (*2)
JIS K 2280
50以上 いじょう
45以上 いじょう
動 どう 粘 ねば 度 たび (30 ℃) mm2 /s
JIS K 2283
2.7以上 いじょう
2.5以上 いじょう
2.0以上 いじょう
1.7以上 いじょう
硫黄 いおう 分 ぶん (質量 しつりょう %)
JIS K 2541-1, JIS K 2541-2, JIS K 2541-6又 また は JIS K 2541-7
0.0010以下 いか
密度 みつど (15 ℃) g/cm3
JIS K 2249
0.86以下 いか
備考 びこう
夏季 かき 用 よう
冬季 とうき 用 よう
寒冷 かんれい 地 ち 用 よう
(*1)動 どう 粘 ねば 度 たび (30 ℃) が4.7 mm2 /s以下 いか の場合 ばあい には、350 ℃とする。
(*2)セタン指数 しすう は、セタン価 か を用 もち いることもできる。
地方 ちほう 税法 ぜいほう 上 うえ の軽油 けいゆ の規格 きかく
比重 ひじゅう :温度 おんど 15度 ど において、0.8017を超 こ え0.8762まで
分留 ぶんりゅう 性状 せいじょう 90%留 とめ 出 で 温度 おんど :267度 ど を超 こ え400度 ど まで
残留 ざんりゅう 炭素 たんそ 分 ぶん :90%を留 とめ 出 だ した後 のち の残 ざん 油 ゆ に含 ふく まれている炭素 たんそ 分 ぶん の重量 じゅうりょう が残 ざん 油 ゆ 総 そう 重量 じゅうりょう の0.2%以下 いか
引火 いんか 点 てん :130度 ど 以下 いか
関税 かんぜい 定率 ていりつ 法 ほう 上 うえ の軽油 けいゆ の規格 きかく
比重 ひじゅう :温度 おんど 摂氏 せっし 15度 ど において、0.8757以下 いか
分留 ぶんりゅう 性状 せいじょう 90%留 とめ 出 で 温度 おんど :310度 ど を超 こ え400度 ど まで
揮発 きはつ 油 ゆ 等 とう の品質 ひんしつ の確保 かくほ 等 とう に関 かん する法律 ほうりつ 上 うえ の軽油 けいゆ の規格 きかく
硫黄 いおう 分 ぶん :0.005質量 しつりょう %(50 ppm )以下 いか → 2007年 ねん からは、10 ppm 以下 いか [ 3] 。
セタン指数 しすう :45以上 いじょう
90%留 とめ 出 で 温度 おんど :360度 ど 以下 いか
環境 かんきょう 規制 きせい に対応 たいおう するため、自動車 じどうしゃ の触媒 しょくばい やディーゼルパティキュレートフィルター(DPF) に悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼす硫黄 いおう 分 ぶん を減 へ らす、低 てい 硫黄 いおう (サルファーフリー)化 か が1992年 ねん (平成 へいせい 4年 ねん )に5,000 ppm から2,000 ppmへ、1997年 ねん (平成 へいせい 9年 ねん )からは500 ppmへと段階 だんかい 的 てき に進 すす められ、日本国 にっぽんこく 政府 せいふ の規制 きせい においては2005年 ねん (平成 へいせい 17年 ねん )から50 ppmへ、東京 とうきょう 大気 たいき 汚染 おせん 訴訟 そしょう 後 ご の2007年 ねん (平成 へいせい 19年 ねん )から10 ppmへと、さらなる低 てい 硫黄 いおう 化 か が進 すす められた[ 3] 。
日本 にっぽん では2004年 ねん (平成 へいせい 16年 ねん )末 まつ 、自動車 じどうしゃ 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい に関連 かんれん する「自動車 じどうしゃ 燃料 ねんりょう 品質 ひんしつ 規制 きせい 値 ち 」の変更 へんこう に伴 ともな い、軽油 けいゆ に含 ふく まれる硫黄 いおう の許容 きょよう 限界 げんかい は、従来 じゅうらい の0.01 %質量 しつりょう 以下 いか から0.005 %質量 しつりょう (50 ppm)以下 いか へと改 あらた められ[ 4] 、2007年 ねん (平成 へいせい 19年 ねん )からは10 ppm 以下 いか へと改 あらた められた[ 3] 。
なお、石油 せきゆ 連盟 れんめい に加盟 かめい する元売 もとう りにおける、50 ppmおよび10 ppmの供給 きょうきゅう は、日本国 にっぽんこく 政府 せいふ の規制 きせい より早 はや く、50 ppmは1年 ねん 9か月 げつ 早 はや い2003年 ねん (平成 へいせい 15年 ねん )4月 がつ より、10 ppmは2年 ねん 前倒 まえだお しで2005年 ねん (平成 へいせい 17年 ねん )1月 がつ から自主 じしゅ 的 てき に供給 きょうきゅう する形 かたち となった[ 5] 。
これらは世界 せかい 的 まと にも早 はや く、欧州 おうしゅう 連合 れんごう やアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では広範囲 こうはんい な地域 ちいき に供給 きょうきゅう が及 およ ぶため単純 たんじゅん な比較 ひかく は出来 でき ないものの、EUやアメリカよりも早 はや く、統一 とういつ したサルファーフリー軽油 けいゆ の供給 きょうきゅう が成 な されたことになる。なおEUの規制 きせい では50 ppmが2005年 ねん から、10 ppmが2009年 ねん から、アメリカでは2006年 ねん 6月1日 にち より15 ppm(ノンロード用 よう 除 のぞ く)となっている[ 6] 。
燃料 ねんりょう 内 ない の硫黄 いおう 分 ぶん は、噴射 ふんしゃ ポンプ と噴射 ふんしゃ ノズルの潤滑 じゅんかつ のためには必要 ひつよう な要素 ようそ であったため、脱硫 だつりゅう した軽油 けいゆ には潤滑 じゅんかつ 剤 ざい (材 ざい )が添加 てんか されている。
軽油 けいゆ やガソリンは、特約 とくやく 店 てん を通 つう じてガソリンスタンド等 とう で販売 はんばい されるのが一般 いっぱん 的 てき であるが、同 おな じ自動車 じどうしゃ 燃料 ねんりょう として使用 しよう されるガソリンと異 こと なる点 てん として、軽油 けいゆ は需要 じゅよう の多 おお くがバスやトラック業者 ぎょうしゃ などの大口 おおぐち 需要 じゅよう 家 か で占 し められることから、大口 おおぐち 需要 じゅよう 家 か に対 たい しては、元売 もとうり や特約 とくやく 店 てん による需要 じゅよう 家 か の所有 しょゆう する地下 ちか タンクへの直接 ちょくせつ 納入 のうにゅう (インタンク)が行 おこな われる。また軽油 けいゆ に特 とく 化 か した広域 こういき 販売 はんばい 店 てん (フリート )での販売 はんばい も行 おこな われている。
一般 いっぱん 的 てき な軽油 けいゆ (1号 ごう 軽油 けいゆ あるいは特 とく 1号 ごう 軽油 けいゆ )は、冬場 ふゆば (おおむね11月 - 3月 がつ 。場合 ばあい によっては4月 がつ まで)に低温 ていおん で放置 ほうち すると、凍結 とうけつ してしまう。このため、ガソリンスタンドにおいて冬場 ふゆば の軽油 けいゆ (おおむね11月 - 3月 がつ 。場合 ばあい によっては4月 がつ まで)は、1号 ごう 軽油 けいゆ から2号 ごう 軽油 けいゆ 、ないしは3号 ごう 軽油 けいゆ もしくは特 とく 3号 ごう 軽油 けいゆ に差 さ し替 か えて販売 はんばい されている[ 7] 。
三菱 みつびし ・デリカスターワゴン の取扱 とりあつかい 説明 せつめい 書 しょ によれば、寒冷 かんれい 地 ち (特 とく に北海道 ほっかいどう )にフェリー で渡航 とこう する際 さい には、普段 ふだん の軽油 けいゆ を渡航 とこう 前 まえ (乗船 じょうせん 前 まえ )までに半分 はんぶん 程度 ていど 以下 いか になるように調整 ちょうせい し、渡航 とこう 後 ご (乗船 じょうせん 後 ご )に給油 きゅうゆ 所 しょ で寒冷 かんれい 地 ち に対応 たいおう した軽油 けいゆ (3号 ごう 軽油 けいゆ もしくは特 とく 3号 ごう 軽油 けいゆ )をガソリンスタンド で満 まん タンにすることが推奨 すいしょう されている。
寒冷 かんれい 地 ち の冬期 とうき 用 よう の軽油 けいゆ として、3号 ごう ないしは特 とく 3号 ごう の規格 きかく の軽油 けいゆ がある。石油 せきゆ 連盟 れんめい によれば、3号 ごう 軽油 けいゆ は中部 ちゅうぶ の山岳 さんがく 部 ぶ 、東北 とうほく 地方 ちほう (関東 かんとう 北部 ほくぶ と北陸 ほくりく の各 かく 一部 いちぶ 地域 ちいき を含 ふく む)と北海道 ほっかいどう の一部 いちぶ 地域 ちいき において12月 - 3月の期間 きかん に適用 てきよう され、特 とく 3号 ごう 軽油 けいゆ は道 みち 南 みなみ 地域 ちいき を除 のぞ いた北海道 ほっかいどう の全域 ぜんいき において1 - 3月の期間 きかん に適用 てきよう される。
SUV などのRV ブームが続 つづ いていた1990年代 ねんだい 、合併 がっぺい して日石 にっせき 三菱 みつびし となる前 まえ の日本石油 にほんせきゆ と三菱石油 みつびしせきゆ 、コスモ石油 こすもせきゆ 、三井 みつい 石油 せきゆ が「プレミアムガソリン 」に対抗 たいこう して、一般 いっぱん 的 てき な軽油 けいゆ (ノーマル軽油 けいゆ )より付加 ふか 価値 かち の高 たか い軽油 けいゆ としてプレミアム軽油 けいゆ を発売 はつばい した[ 注 ちゅう 2] 。このプレミアム軽油 けいゆ は一般 いっぱん 的 てき な軽油 けいゆ (ノーマル軽油 けいゆ )に対 たい し、燃料 ねんりょう 噴射 ふんしゃ 系 けい の汚 よご れを落 お とす「清浄 せいじょう 剤 ざい 」、自己 じこ 着火 ちゃっか (発火 はっか )性 せい を向上 こうじょう し、低温 ていおん 始動 しどう 時 じ の白 しろ 煙 けむり や高 こう 負荷 ふか 時 どき の黒 くろ 煙 けむり を減少 げんしょう させるセタン価 か 向上 こうじょう 剤 ざい (セタン価 か +3程度 ていど )、防 ぼう 錆 さび 剤 ざい が添加 てんか されている。ただし、バスなどの中 なか ・大型 おおがた 自動車 じどうしゃ については、これらに対応 たいおう できるガソリンスタンド で販売 はんばい できるところが存在 そんざい しないか、もしくは少 すく なかったことや、コスト上 じょう の問題 もんだい で全 すべ てのディーゼル車 しゃ への普及 ふきゅう には至 いた らなかったが、黒 くろ 煙 けむり を多少 たしょう なりとも減 へ らすことにとっては役立 やくだ つものであった。日本石油 にほんせきゆ はプレミアム軽油 けいゆ 用 よう の地下 ちか タンクとポンプを別 べつ に設 もう け、消費 しょうひ 者 しゃ が両者 りょうしゃ を選択 せんたく できるようにしていたのに対 たい し、三菱石油 みつびしせきゆ はそれぞれを扱 あつか う店舗 てんぽ を分 わ け、専売 せんばい とする方針 ほうしん であった。日石 にっせき 三菱 みつびし のガソリンスタンドのブランド(トレード)がENEOS に変更 へんこう され、社名 しゃめい が新 しん 日本石油 にほんせきゆ (現在 げんざい のENEOS)に変更 へんこう された後 のち もプレミアム軽油 けいゆ の販売 はんばい が継続 けいぞく されていたが、前記 ぜんき の理由 りゆう で全 すべ てのENEOSのサービスステーションで取 と り扱 あつか われていたわけではない(特 とく に高速 こうそく 道路 どうろ のサービスエリア やパーキングエリア に設置 せっち されているガソリンスタンドにおいては、プレミアム軽油 けいゆ を取 と り扱 あつか っていなかった)。
なお、三井 みつい 石油 せきゆ は2002年 ねん 、ENEOS は2011年 ねん 3月31日 にち 、コスモ石油 こすもせきゆ は2012年 ねん 3月31日 にち をもってプレミアム軽油 けいゆ の販売 はんばい を終了 しゅうりょう した。ENEOSではプレミアム軽油 けいゆ 販売 はんばい 終了 しゅうりょう 後 ご 、ノーマル軽油 けいゆ に軽油 けいゆ 添加 てんか 剤 ざい 「ENEOSエコフォースD」[ 8] を、コスモ石油 こすもせきゆ では「エコディー・ファイン」[ 9] を入 い れることでプレミアム軽油 けいゆ とほぼ同等 どうとう の性能 せいのう が得 え られると知 し らせている。
しかし、最近 さいきん になってENEOSが再 ふたた びプレミアム軽油 けいゆ の販売 はんばい を始 はじ めたが全 すべ てのSSで取 と り扱 あつか いがあるわけではなく、一部 いちぶ のSSのみである。
ディーゼル車 しゃ 用 よう 燃料 ねんりょう として使 つか われる軽油 けいゆ の取引 とりひき には、軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい [ 注 ちゅう 3] という都道府県 とどうふけん 税 ぜい (地方 ちほう 税 ぜい ) がかかる。ちなみに、ガソリン には、国税 こくぜい (中央 ちゅうおう 税 ぜい ) のガソリン税 ぜい (地方 ちほう 道路 どうろ 税 ぜい および消費 しょうひ 税 ぜい (二 に 重 じゅう 課税 かぜい )を含 ふく む)がかかる。
以前 いぜん は軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい を脱税 だつぜい するために、重油 じゅうゆ や灯油 とうゆ を混合 こんごう してディーゼル車 しゃ で使 つか えるようにした不正 ふせい 軽油 けいゆ が製造 せいぞう ・販売 はんばい ・消費 しょうひ されており、その排出 はいしゅつ ガスに多 おお く含 ふく まれる煤煙 ばいえん や硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ の増加 ぞうか によって、大気 たいき 汚染 おせん も含 ふく めて社会 しゃかい 問題 もんだい 化 か した。
軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい の一般 いっぱん 財源 ざいげん 化 か (総合 そうごう 財源 ざいげん 化 か )が審議 しんぎ されているが、一般 いっぱん 財源 ざいげん 化 か されるのであれば道路 どうろ 建設 けんせつ 目的 もくてき の財源 ざいげん ではなくなるため、仮 かり に軽油 けいゆ のみに課税 かぜい することになれば、課税 かぜい の公平 こうへい 性 せい を保 たも つ上 うえ での大 おお きな争点 そうてん になりうる。ただし現実 げんじつ にはその逆 ぎゃく で、ガソリン税 ぜい に対 たい して、軽油 けいゆ 税 ぜい ははるかに税率 ぜいりつ が低 ひく い。軽油 けいゆ とガソリンが同 おな じ税率 ぜいりつ である欧州 おうしゅう とは異 こと なり、日本 にっぽん では運輸 うんゆ 業界 ぎょうかい への配慮 はいりょ から軽油 けいゆ が大幅 おおはば に優遇 ゆうぐう されている。これは逆 ぎゃく の意味 いみ で、課税 かぜい の公平 こうへい 性 せい を保 たも つ上 うえ での大 おお きな争点 そうてん になりうる。なお、運輸 うんゆ 業界 ぎょうかい は自民党 じみんとう 議員 ぎいん へ長年 ながねん にわたり政治 せいじ 資金 しきん を提供 ていきょう している。そしてその資金 しきん は事実 じじつ 上 じょう 優遇 ゆうぐう された軽油 けいゆ 税 ぜい によって捻出 ひねりだ されているといえる。
灯油 とうゆ をディーゼル車 しゃ に給油 きゅうゆ する場合 ばあい や、軽油 けいゆ と混 ま ぜて(混和 こんわ )販売 はんばい ・消費 しょうひ するには、事前 じぜん に各 かく 都道府県 とどうふけん 税 ぜい 事務所 じむしょ の許可 きょか が必要 ひつよう である。実際 じっさい にディーゼル車 しゃ に灯油 とうゆ を給油 きゅうゆ する際 さい には燃料 ねんりょう タンク内 うち を空 そら にし、空 そら であることを都道府県 とどうふけん 税 ぜい 事務所 じむしょ 所員 しょいん 立会 たちあ いの下 した 、目視 もくし で確認 かくにん してもらってから給油 きゅうゆ が可能 かのう となる。神奈川 かながわ 県 けん 税 ぜい 事務所 じむしょ で確認 かくにん した限 かぎ りでは、混和 こんわ してよい灯油 とうゆ は「製油 せいゆ 所 しょ 内 うち で製造 せいぞう される灯油 とうゆ 識別 しきべつ 剤 ざい の入 はい ってない灯油 とうゆ に限 かぎ る。」とされているため、製油 せいゆ 所 しょ から出荷 しゅっか される前 まえ に識別 しきべつ 剤 ざい が投入 とうにゅう されている現状 げんじょう ではそれを入手 にゅうしゅ することは事実 じじつ 上 じょう 不可能 ふかのう で、軽油 けいゆ 引取 ひきと 税 ぜい もタンクに入 い れた量 りょう をそのまま直 ただ ちに申告 しんこく すればよいものではなく、購入 こうにゅう した量 りょう 、消費 しょうひ した量 りょう 、残存 ざんそん 量 りょう を所定 しょてい の書類 しょるい に記入 きにゅう した上 うえ で、月 つき 二 に 回 かい 事務所 じむしょ に直接 ちょくせつ 報告 ほうこく しなければならず、個人 こじん で灯油 とうゆ をディーゼル車 しゃ に給油 きゅうゆ するメリットは全 まった く無 な い。また、軽油 けいゆ に硫黄 いおう 分 ぶん が 500 ppm 含 ふく まれていた頃 ころ 、灯油 とうゆ は 80 ppm 程度 ていど であったため、灯油 とうゆ を燃料 ねんりょう にすれば硫黄 いおう 酸化 さんか 物 ぶつ (や黒 くろ 煙 けむり )を減 へ らせると信 しん じられていたが、現行 げんこう の軽油 けいゆ が 10 ppm まで硫黄 いおう 分 ぶん が減 へ っている事 こと と、灯油 とうゆ にはディーゼルエンジンに使用 しよう した場合 ばあい に噴射 ふんしゃ ポンプや噴射 ふんしゃ ノズルを潤滑 じゅんかつ する成分 せいぶん が含 ふく まれていないため、却 かえ ってそれらを壊 こわ すこととなる。ただし、列 れつ 型 がた 噴射 ふんしゃ ポンプを採用 さいよう しているディーゼルエンジンの場合 ばあい 、燃料 ねんりょう 圧縮 あっしゅく 用 よう カムはエンジンオイル で潤滑 じゅんかつ されるため、耐 たい 性 せい には幾 いく 分 ふん かの余裕 よゆう がある。
また、寒冷 かんれい 地 ち において冬季 とうき に非常 ひじょう に外 そと 気温 きおん が低下 ていか し目 め 詰 づ まり点 てん を大 おお きく下回 したまわ ると、軽油 けいゆ 中 ちゅう のパラフィン 分 ぶん が析出 せきしゅつ し燃料 ねんりょう フィルター閉塞 へいそく などのトラブルが発生 はっせい する場合 ばあい があり、季 き 節 ぶし ・地域 ちいき に合 あ わせた号 ごう 数 すう (3号 ごう 、特 とく 3号 ごう )を使用 しよう する必要 ひつよう があるので、ディーゼル車 しゃ で冬季 とうき に非 ひ 寒冷 かんれい 地 ち から寒冷 かんれい 地 ち に移動 いどう する場合 ばあい や高地 こうち を通過 つうか する場合 ばあい その点 てん に留意 りゅうい する必要 ひつよう がある。JIS K 2204(解説 かいせつ )には、低温 ていおん 特性 とくせい の観点 かんてん からみた軽油 けいゆ のガイドラインが示 しめ されている[ 10] 。大抵 たいてい はその地域 ちいき のガソリンスタンドではその地域 ちいき の気温 きおん に合 あ わせた号 ごう 数 すう の軽油 けいゆ で販売 はんばい されているので、温暖 おんだん 地 ち から寒冷 かんれい 地 ち に行 い く場合 ばあい は少 すく なめの燃料 ねんりょう で出発 しゅっぱつ して現地 げんち で改 あらた めて給油 きゅうゆ すべきであろう[ 11] (エンジンが長時間 ちょうじかん 止 と まり燃料 ねんりょう が冷 ひ えた時 とき のみ問題 もんだい となるため)。
軽油 けいゆ はディーゼルエンジン車 しゃ 用 よう の燃料 ねんりょう であり、ガソリン車 しゃ に軽油 けいゆ を入 い れてエンジンを稼働 かどう した場合 ばあい は、走行 そうこう 中 ちゅう にエンジンが停止 ていし するなど事故 じこ の原因 げんいん になる。ディーゼル車 しゃ にガソリンを入 い れてエンジンを稼働 かどう した場合 ばあい は、噴射 ふんしゃ ポンプや噴射 ふんしゃ ノズルに損傷 そんしょう を与 あた える。
軽油 けいゆ は揮発 きはつ 性 せい が低 ひく く、ポリタンクでの保管 ほかん が認 みと められているが、その際 さい のタンクの色 いろ は消防 しょうぼう 法 ほう により軽油 けいゆ と同 おな じ緑色 みどりいろ であり、かつ内容 ないよう 物 ぶつ が軽油 けいゆ と記載 きさい することを義務付 ぎむづ けられている。したがって灯油 とうゆ 用 よう の青色 あおいろ 、その他 た の色 いろ のタンクに保管 ほかん した場合 ばあい や、緑色 みどりいろ のタンクであっても内容 ないよう 物 ぶつ の記載 きさい がない場合 ばあい 消防 しょうぼう 法 ほう 違反 いはん に該当 がいとう する可能 かのう 性 せい がある。
^ 同様 どうよう に、ディーゼルエンジンは「柴 しば 油 ゆ 引擎 」、ディーゼル機関 きかん 車 しゃ は「柴 しば 油 あぶら 機 き 車 しゃ 」、気動車 きどうしゃ は「柴 しば 聯 れん 車 しゃ 」(台湾 たいわん )、などと軽油 けいゆ 燃料 ねんりょう を使用 しよう するディーゼルエンジンを搭載 とうさい したものに「柴 しば 」の字 じ が入 はい ることが多 おお い。例外 れいがい としてディーゼル機関 きかん 車 しゃ は「内燃 ないねん 机 つくえ 車 しゃ 」の表記 ひょうき になることもある。
^ 日石 にっせき :1991年 ねん 、コスモ:1997年 ねん 発売 はつばい 。
^ 消費 しょうひ 税 ぜい 課税 かぜい の対象 たいしょう 外 がい 。
自動車 じどうしゃ 用 よう 燃料 ねんりょう
主 おも な燃料 ねんりょう その他 た 燃料 ねんりょう ・エネルギー 関連 かんれん 項目 こうもく
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