ベネトン・B190

ベネトン・B190
ベネトン・B190B

カテゴリー	F1
コンストラクター	ベネトン
デザイナー	ロリー・バーン（チーフデザイナー） ジョン・バーナード（テクニカルディレクター）
先代せんだい	ベネトン・B189
後継こうけい	ベネトン・B191
主要しゅよう諸しょ元もと
シャシー	カーボンファイバー モノコック
サスペンション（前まえ）	ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション（後ご）	ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
エンジン	フォード HBA4, 3,494 cc (213.2 cu in), 75度ど V8, NA, ミッドエンジン, 縦たて置おき
トランスミッション	ベネトン製せい 6速そく MT
燃料ねんりょう	モービル
タイヤ	グッドイヤー、ピレリ
主要しゅよう成績せいせき
チーム	ベネトン・フォーミュラ Ltd
ドライバー	19. アレッサンドロ・ナニーニ 19. ロベルト・モレノ 20. ネルソン・ピケ
コンストラクターズタイトル	0
ドライバーズタイトル	0
初戦しょせん	1990年ねんサンマリノグランプリ
出走しゅっそう 優勝ゆうしょう 表彰台ひょうしょうだい ポール Fラップ 12 2 9 0 0

ベネトン・B190 (Benetton B190) は、ベネトン・フォーミュラが開発かいはつしたフォーミュラ1カー。ロリー・バーンとジョン・バーナードを責任せきにん者しゃとして設計せっけいされ、1990年ねんシーズンから1991年ねんシーズン序盤じょばんにかけて使用しようされた。

概要がいよう

開発かいはつ

前作ぜんさくB189の発展はってんバージョンであり、全体ぜんたいの原げん設計せっけいはロリー・バーンをチーフとするベネトン・デザインチームによるものである。それを前年ぜんねんまでスクーデリア・フェラーリに在籍ざいせきし'89年ねん末まつにベネトンに加くわわったジョン・バーナード率ひきいる先行せんこう開発かいはつグループが各部かくぶを見直みなおし、協力きょうりょくして改良かいりょうを加くわえた。バーナードの影響えいきょうが出でている部分ぶぶんは、これまでバーン作さくのベネトンの特徴とくちょうであった大型おおがたのフロントウィングが廃はいされ、メインウィングと角度かくど調節ちょうせつが可能かのうな小型こがたフラップで構成こうせいされるコンベンショナルな2段だんタイプとなり、B189の弱点じゃくてんであったフロントの神経質しんけいしつな特性とくせいに対たいしてセッティング変更へんこうでの対応たいおうがしやすい方向ほうこうへと舵かじが切きられた点てんがバーナードの合理ごうり的てきな思想しそうによるものであった。

エンジンはフォードHBのステージIIIを搭載とうさい。第だい9戦せんドイツGPよりステージIVが投入とうにゅうされた。1990年ねんのタイヤはグッドイヤー製せいを装着そうちゃくした。

安全あんぜん面めんでの新しんレギュレーション施行しこうにより、トライバー頭上ずじょうのロールオーバー・バーの寸法すんぽうがこれまでより高たかく義務付ぎむづけられたため、他たチーム同様どうようのドライバー頭上ずじょうに吸入きゅうにゅう口こうがあるタイプへと変更へんこうされ、これまでのベネトンの特徴とくちょうであった左右さゆうに吸気きゅうき口こうのあるエンジンカバーが廃はいされた。この変更へんこうはバーナードによるものではなくバーンによるもので、「レギュレーション変更へんこうにより頭上ずじょうにエアボックスを創つくった方ほうが有利ゆうりだと判断はんだんした。ボディ形状けいじょうとフロントウィングも新あたらしくなったが、サイドポッド後部こうぶなどはB189と同おなじなんだ。変かえる必要ひつようが無なかったからね。空そら力りょくで最もっとも注意ちゅういしたのは、車くるま高だかの変化へんかに対たいする過敏かびんな反応はんのうを消けすことだった。B189で問題もんだいとなったフロントのセッティングの出だしにくさについてはかなりやりやすくなると思おもう」と開発かいはつコンセプトを述のべている。フロントサスペンションをプルロッドからプッシュロッドに変更へんこうし、フロントのショック・アブソーバーの配置はいちは左右さゆう非対称ひたいしょう（そのためプッシュロッドのピポッド位置いちが上方かみがたから見みて左右さゆうずれている）のレイアウトとなりB190の大おおきな特徴とくちょうとなっている。このダンパー配置はいちはバーンがB187で導入どうにゅうしていた原理げんりの再さい導入どうにゅうであった。ショック・アブソーバーのレイアウト変更へんこうの影響えいきょうでノーズが高たかくなり、プッシュロッドのピボット辺あたりからノーズ先端せんたんに向むけて鉤かぎ鼻はなのように急きゅう角度かくどで垂たれ下さがるデザインとなった。歴代れきだいのベネトンマシンらしさとは離はなれたスマートさを欠かくデザインとなったが、バーンは「ドラッグの大だい部分ぶぶんは車体しゃたい後部こうぶで発生はっせいするから、このノーズ形状けいじょうでもマシンの空そら力りょく特性とくせいに悪影響あくえいきょうはない。」と説明せつめいしている。

なお、バーンはこの1990年ねんシーズン夏なつにかつての盟友めいゆうであるトールマンのテッド・トールマンとアレックス・ホークリッジが首脳しゅのうとして関与かんよしていたレイナードF1計画けいかくからオファーを受うけ、バーナードのベネトン加入かにゅうによって自分じぶんで最終さいしゅう決定けっていを下くだせる範囲はんいが狭せばまったことなどもあり、レイナードへの移籍いせきを決断けつだんしベネトンを去さった（1991年ねん後半こうはんにベネトンへ復帰ふっき。）。

1990年ねんシーズン

B190は1990年ねん第だい3戦せんサンマリノGPから投入とうにゅうされ、アレッサンドロ・ナニーニが第だい9戦せんドイツGPと第だい10戦せんハンガリーGPでトップ争あらそいを繰くり広ひろげた。しかしナニーニは3位い表彰台ひょうしょうだいを獲得かくとくした第だい14戦せんスペインGP終了しゅうりょう後ごにヘリコプター墜落ついらく事故じこに遭あい戦線せんせんから離脱りだつ。ネルソン・ピケが第だい15戦せん日本にっぽんGPと最終さいしゅう戦せんオーストラリアGPで2連勝れんしょうをマークした。ナニーニの代役だいやくとして加入かにゅうしたロベルト・モレノは日本にっぽんGPで優勝ゆうしょうしたピケに次つぐ2位い表彰台ひょうしょうだいを獲得かくとくし、チーム史上しじょう初はつとなる1-2フィニッシュを成なし遂とげた。

1991年ねんシーズン

1991年ねん、開幕かいまく戦せんアメリカGPに向むけて、レギュレーション変更へんこうに適合てきごうさせたB190Bにモディファイされ、第だい2戦せんブラジルGPまで使用しようされた。タイヤメーカーはグッドイヤーに代かわりピレリを装着そうちゃくした。メインスポンサーがキャメルになり、これまでの極彩色ごくさいしょくのカラーリングから一転いってんして、キャメルのイメージカラーである黄色おうしょくをメインとしたカラーリングに変更へんこうされた。

ベネトン・B190（1991年ねんシーズン用ようカラーリング）

成績せいせき

年とし	マシン	タイヤ	No.	ドライバー	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	ポイント	ランキング
1990	B190	G																			71	3位い
			19	ナニーニ			3	Ret	Ret	4	16	Ret	2	Ret	4	8	6	3
				モレノ															2	7
			20	ピケ			5	DSQ	2	6	4	5	Ret	3	5	7	5	Ret	1	1

• 太字ふとじはポールポジション、斜はす字じはファステストラップ。

年とし	マシン	タイヤ	No.	ドライバー	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	ポイント	ランキング
1991	B190B	P																			38.5	4位い
			19	モレノ	Ret	7
			20	ピケ	3	5

• 太字ふとじはポールポジション、斜はす字じはファステストラップ。

補足ほそく

• 1990年ねんオーストラリアGPでピケはレースカーでなくTカーで勝利しょうりしたが，津川つがわ哲夫てつおはこのTカー担当たんとうメカニックであった。