二川ふたかわ宿やど

二川ふたかわ宿やど（ふたがわしゅく、ふたがわじゅく）は、東海道とうかいどう五ご十じゅう三さん次じの33番目ばんめの宿場しゅくばである^[1]。三河みかわ国こく最さい東ひがし端はしの宿場しゅくば町まちである。征夷大将軍せいいたいしょうぐんの天領てんりょうであった。現在げんざいの愛知あいち県けん豊橋とよはし市し二川ふたがわ町まちと大岩おおいわ町まちに相当そうとうする。

歴史れきし

宿場しゅくばの建設けんせつ

1601年ねん（慶長けいちょう6年ねん）の東海道とうかいどう設定せってい当初とうしょから、三河みかわ国こく渥美あつみ郡ぐん二川ふたがわ村むらと大岩おおいわ村むらの2村むらで宿場しゅくばとして人馬じんば継立つぎたて業務ぎょうむを担当たんとうしていた。しかし小ちいさな村むらであり、また1.3kmほど離はなれていたため、しばらくすると負担ふたんに耐たえられなくなった。江戸えど幕府ばくふは1644年ねん（正保しょうほう元年がんねん）に二川ふたがわ村むらを西にしに、大岩おおいわ村むらを東ひがしに移動いどうさせ、二川ふたかわ宿やどと加か宿やど大岩おおいわ町まちとして再さい構成こうせいさせた。

江戸えどの日本橋にほんばしより西にしに72里さと3町まち (単位たんい)（約やく283km）に位置いちし、東ひがしの白須賀しらすか宿やどとは1里さと17町まち（約やく5.8km）、西にしの吉田よしだ宿やどとは1里さと20町まち（約やく6.1km）離はなれており、町並まちなみは12町まち16間あいだ（約やく1.3km）の長ながさがあった（二川ふたかわ宿やどは6町まち36間あいだ、大岩おおいわ町まちは5町まち40間あいだ）。

二川ふたかわ宿やどには本陣ほんじん1軒けん、脇本わきもと陣じん1軒けん、旅籠はたごが約やく30軒けんほどあり、大岩おおいわ町まちは宿やどではなく町まちであったため旅籠はたごは設置せっちされなかった。二川ふたがわ宿やどの本陣ほんじんは数すう度どの大火たいかに遭あい、そのたびに再建さいけんされてきた。

明治めいじ時代じだい以後いご

明治維新めいじいしん後のちに現在げんざいの東海道本線とうかいどうほんせんが建設けんせつされた際さいには駅えきが設置せっちされなかったが、鉄道てつどうの便利べんりさが認識にんしきされた後のちには請願せいがんが行おこなわれ、旧きゅう二川ふたがわ宿やどと旧きゅう加か宿やど大岩おおいわ町まちの中間ちゅうかんに二川ふたがわ駅えきが設置せっちされた。駅えきの位置いちが二川ふたかわ宿やどの西端せいたんと離はなれていたため、宿場しゅくば町まち周辺しゅうへんの開発かいはつがほとんど行おこなわれず、現在げんざいも約やく2km余あまりに旧きゅう宿場しゅくば町まちの面影おもかげを残のこしている。

明治めいじ後ごも取とり壊こわされずに残のこった本陣ほんじんの一部いちぶは1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）に改修かいしゅう・復元ふくげんが行おこなわれ、また資料しりょう館かんが併設へいせつされた。本陣ほんじん一帯いったいは豊橋とよはし市しの史跡しせきに^[2]、1807年ねん以降いこうの宿帳やどちょう33冊さつは愛知あいち県けんの有形ゆうけい民俗みんぞく文化財ぶんかざいとされている^[3]。

幕末ばくまつから維新いしん時じの統治とうち機関きかんの変遷へんせん

三河みかわ国こく二川ふたがわ宿やどは徳川とくがわ時代じだいは征夷大将軍せいいたいしょうぐんの天領てんりょうであって現在げんざいは愛知あいち県庁けんちょうの管轄かんかつ下かであるが、その間あいださまざまな統治とうち機関きかんの下したに置おかれた。

徳川とくがわ時代ときよ - 江戸城えどじょう（現在げんざいの東京とうきょう都と千代田ちよだ区く）の征夷大将軍せいいたいしょうぐんの下したの代官だいかん所しょ（海道かいどう赤坂あかさか宿やどの赤坂あかさか陣屋じんや。愛知あいち県けん豊川とよかわ市し赤坂あかさか町まち。）
慶応けいおう4年ねん（1868年ねん）4月がつ - 三河みかわ裁判所さいばんしょ（吉田よしだ城しろ下したの悟さとる真ま寺てら。現在げんざいの同どう県けん豊橋とよはし市し関屋せきや町まち）幕まく領りょうから京きょうの朝廷ちょうてい直轄ちょっかつ領りょうへの管轄かんかつ移行いこうによる。
慶応けいおう4年ねん（1868年ねん）6月がつ - 三河そうご県けん（徳川とくがわ時代じだいと同おなじ赤坂あかさか陣屋じんや）府ふ藩はん県けん三さん治ち制せいによる。
慶応けいおう4年ねん（1868年ねん）9月がつ4日にち - 駿府すんぷ藩はん（駿府すんぷ城じょう。現在げんざいの静岡しずおか県けん静岡しずおか市し葵あおい区く）徳川とくがわ宗家そうけ（第だい16代だい徳川とくがわ家達いえさと）領りょうへの管轄かんかつ移行いこうによる。
明治めいじ元年がんねん（1868年ねん）9月がつ8日にち - 明治めいじ改元かいげん
明治めいじ2年ねん（1869年ねん）8月がつ - 静岡しずおか藩はん（駿府すんぷ藩はんに同おなじ）駿府すんぷ藩はんの名称めいしょう変更へんこうによる。
明治めいじ4年ねん（1871年ねん）7月がつ - 静岡しずおか県けん（静岡しずおか藩はんに同おなじ）廃藩置県はいはんちけんによる。
明治めいじ4年ねん（1871年ねん）11月 - 額田ぬかた県けん（岡崎おかざき城しろ。現在げんざいの愛知あいち県けん岡崎おかざき市し康生こうせい町まち）府県ふけん域いきの整理せいりによる。
明治めいじ5年ねん（1872年ねん）11月 - 愛知あいち県けん（名古屋なごや城じょう。現在げんざいの同どう県けん名古屋なごや市し中ちゅう区く）合併がっぺいによる。

史跡しせき・みどころ