内閣ないかく改造かいぞう

内閣ないかく改造かいぞう（ないかくかいぞう、英語えいご: cabinet reshuffle / cabinet shuffle）とは、政府せいふの長ながが組閣そかく以外いがいの時期じきに内閣ないかくを構成こうせいする閣僚かくりょうの相当そうとう数すうを一いち度どに交代こうたいさせること。

日本にっぽんにおいては、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが内閣ないかく総理そうり大臣だいじん指名しめい選挙せんきょ直後ちょくごの組閣そかくを除のぞく時期じきに国務大臣こくむだいじんの相当そうとう数すうを一いち度どに交代こうたいさせることを指さし、内閣ないかく改造かいぞうによって成立せいりつした新内しんない閣かくを改造かいぞう内ない閣かくという。与党よとう役員やくいん人事じんじと連動れんどうして行おこなわれる。国会こっかい閉会へいかい中ちゅうに行おこなわれることが多おおい。

概説がいせつ

日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい68条じょうは、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが任意にんいに国務大臣こくむだいじんを任命にんめいし、また罷免ひめんできると定さだめる（内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの国務大臣こくむだいじん任免にんめん権けん）。この任免にんめん権けんは、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの在任ざいにん中ちゅう、常つねに行使こうしすることができる。もっとも、あまり頻繁ひんぱんに行使こうしすると、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの人選じんせん能力のうりょくに疑問ぎもんが持もたれ、内閣ないかくの首長しゅちょうとしてのリーダーシップを棄損きそんするという政治せいじ的てき理由りゆうのため、その行使こうしは控ひかえられることが多おおい。やむを得えない事情じじょうにより、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが国務大臣こくむだいじんの一人ひとりを罷免ひめん（もしくは当該とうがい国務大臣こくむだいじんが自発じはつ的てきに辞任じにんし）、新あらたに国務大臣こくむだいじんを任命にんめいすることはある。このような場合ばあいには、内閣ないかくの構成こうせい員いんは変かわるものの、内閣ないかく改造かいぞうとは呼よばれない。

内閣ないかく総そう辞職じしょくや衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょの後のちに国会こっかいにおいて行おこなわれる内閣ないかく総理そうり大臣だいじん指名しめい選挙せんきょ（首班しゅはん指名しめい選挙せんきょ）とは異ことなり、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが辞職じしょくするわけではないため、内閣ないかくとしては継続けいぞくする。このため、宮中きゅうちゅうにおいて天皇てんのうが新しん国務大臣こくむだいじんの任命にんめいを認証にんしょうする認証官にんしょうかん任命にんめい式しきは行おこなわれるが、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの親任しんにん式しきは行おこなわれない。また、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんである人物じんぶつが引ひき続つづき国会こっかいで首班しゅはん指名しめいを受うけて再ふたたび組閣そかくした場合ばあいには、「第だい○次じ○○内閣ないかく」（例れい：第だい1次じ大平おおひら内閣ないかくから第だい2次じ大平おおひら内閣ないかくへ）と次数じすうを重かさねて表記ひょうきするが、内閣ないかく改造かいぞうの場合ばあいには次数じすうは変かわらず「○○内閣ないかく改造かいぞう内ない閣かく」（例れい：第だい3次じ小泉こいずみ内閣ないかくから第だい3次じ小泉こいずみ改造かいぞう内ない閣かくへ）と表記ひょうきされる。内閣ないかく改造かいぞうが複ふく数すう回かい行おこなわれた場合ばあいには「第だい○次じ○○第だい○次じ改造かいぞう内閣ないかく」（例れい：第だい3次じ安倍あべ第だい2次じ改造かいぞう内ない閣かくから第だい3次じ安倍あべ第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かくへ）と表記ひょうきされる。内閣ないかく総そう辞職じしょくを経へて同おなじ人物じんぶつが同おなじポストに就任しゅうにんすることを「再任さいにん」と言いい、内閣ないかく改造かいぞうにて同様どうようの件けんを「留任りゅうにん」と言いう。

改造かいぞうの手順てじゅん

内閣ないかく改造かいぞうは、憲法けんぽう第だい68条じょうに定さだめる国務大臣こくむだいじん任免にんめん権けんを背景はいけいとして、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんがすべての国務大臣こくむだいじんの辞表じひょうをとりまとめ、国務大臣こくむだいじんを新あらたに任命にんめいするという形式けいしきをとる。閣僚かくりょうとして留任りゅうにんする者ものには後あとで辞表じひょうを返還へんかんする。国務大臣こくむだいじんの外遊がいゆう中なかのために内閣ないかく改造かいぞうが絡からむ閣議かくぎを欠席けっせきするのは異例いれいとされるが、内閣ないかくの見解けんかいでは「国務大臣こくむだいじんの出張しゅっちょう先さきに連絡れんらくを取とり、本人ほんにんの意思いしを確認かくにんすれば、（辞表じひょうの）紙しがそろう必要ひつようはない」「国務大臣こくむだいじんの了解りょうかいを官房かんぼう長官ちょうかんが得えれば問題もんだいない」としている。国務大臣こくむだいじんが辞表じひょうを提出ていしゅつせずに国務大臣こくむだいじんを退任たいにんさせる場合ばあいは首相しゅしょうが罷免ひめん権けんを行使こうしするが、過去かこに例れいはない。

改造かいぞう内ない閣かくにおいて新あらたに閣僚かくりょうとなる者もののみ「国務大臣こくむだいじんに任命にんめいする」と発令はつれいされ、閣かく内ない異動いどうや留任りゅうにんの場合ばあいを含ふくめ、改造かいぞう前まえから引ひき続つづき閣僚かくりょうとなる者ものには官記かんきは発はっせられない（形式けいしき的てきに辞表じひょうを提出ていしゅつしているが、その当人とうにんに対たいしては国務大臣こくむだいじんとしての空白くうはく期間きかんが生しょうじないため）。ただし、例たとえば、総務そうむ大臣だいじんから外務がいむ大臣だいじんに「横滑よこすべり」となる場合ばあいには、改あらためて内閣ないかく総理そうり大臣だいじんから補職ほしょく辞令じれいがなされる。この補職ほしょくレベルの異動いどうは内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが一方いっぽう的てきに命めいじたり免めんじたりすることができる。よって国務大臣こくむだいじんの辞表じひょうは「○○大臣だいじんを辞じする」と記しるすのではなく、「国務大臣こくむだいじんを辞じする」とするのが正ただしい。なぜなら、国務大臣こくむだいじんの辞任じにんが認みとめられた場合ばあいは、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんから補職ほしょくされた地位ちいも当然とうぜんに失うしなうことになるからである。憲法けんぽうで定さだめられ内閣ないかくという合議ごうぎ体たいの構成こうせい員いんである国務大臣こくむだいじんと、法律ほうりつで定さだめられた行政ぎょうせい機関きかんの長ちょうである主任しゅにんの大臣だいじん（各省かくしょう大臣だいじん）の地位ちいとは切きり離はなして扱あつかわれる。改造かいぞうに伴ともなって閣僚かくりょうでなくなる者ものについては、形式けいしき的てきには自発じはつ的てきな辞任じにんであるため、辞令じれい書しょには「願ねがいに依より本官ほんかんを免めんずる」と記載きさいされる。

具体ぐたい的てきな手順てじゅんとしては、改造かいぞう日び当日とうじつ朝あさの閣議かくぎの際さいに首相しゅしょうが全ぜん国務大臣こくむだいじんの辞表じひょうをとりまとめた後のち、首相しゅしょう官邸かんていに与党よとう幹部かんぶや官房かんぼう長官ちょうかん（もしくは選任せんにん予定よてい者しゃ）らを呼よんで「組閣そかく本部ほんぶ」を設置せっちし、新しん国務大臣こくむだいじんを決定けっていする。

その後ご、首相しゅしょう官邸かんていにおいて内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかん就任しゅうにん予定よてい者しゃ（もしくは留任りゅうにんした官房かんぼう長官ちょうかん）が閣僚かくりょう名簿めいぼを発表はっぴょうし、続つづいて閣僚かくりょう予定よてい者しゃを含ふくむ全ぜん閣僚かくりょうが就任しゅうにん会見かいけんを行おこない、その抱負ほうふなどを述のべることが慣例かんれいとなっている。これら一連いちれんの作業さぎょうの後のち、宮中きゅうちゅうにおいて新あらたに閣僚かくりょうとなる者ものの認証にんしょう式しきが行おこなわれ、首相しゅしょう官邸かんていの階段かいだんで首相しゅしょうと全ぜん閣僚かくりょうが揃そろって記念きねん撮影さつえいを行おこなう。

改造かいぞうが行おこなわれる背景はいけい

内閣ないかく改造かいぞうは通常つうじょう、新内しんない閣かく発足ほっそく後ご1年ねんほど経過けいかしたときに、国務大臣こくむだいじんの相当そうとう数すうを一いち度どに入いれ替かえないしその担当たんとうを替かえる（横滑よこすべりさせる）ことが多おおい。

内閣ないかく改造かいぞうが行おこなわれる背景はいけいとしては次つぎの3点てんが挙あげられる。

第だい一いちに、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが国務大臣こくむだいじん任免にんめん権けんを行使こうしすることにより、そのリーダーシップを維持いじ拡大かくだいし、政権せいけん基盤きばん強化きょうかを図はかるためである。内閣ないかく総理そうり大臣だいじんがより適当てきとうと考かんがえる人材じんざいを登用とうようし、あるいは適所てきしょに配置はいち換かえし、後継こうけい者しゃを重要じゅうようポストで処遇しょぐうし、与党よとう内ないのライバルを閣かく内ないに取とり込こんで反対はんたい行動こうどうを封ふうじるなど、内閣ないかくの行政ぎょうせい遂行すいこう能力のうりょくを向上こうじょうさせるとともに、人事じんじによって自みずからの政治せいじ力りょくを高たかめることを目的もくてきとする。

第だい二にに、閣僚かくりょうが同おなじ人物じんぶつのままではマスコミを通つうじて国民こくみんからマンネリ感かんを持もたれて社会しゃかいに閉塞へいそく感かんが漂ただよっている場合ばあいは、内閣ないかく改造かいぞうを表明ひょうめいすることで、どの与党よとう議員ぎいんが閣僚かくりょう入いりをするかなどをマスコミに予想よそうさせるなどして内閣ないかくへの国民こくみん的てき注目ちゅうもくを高たかめることで内閣ないかくを刷新さっしんし、フレッシュな感覚かんかくを国民こくみんにアピールすることを目的もくてきとする。その結果けっか、内閣ないかく改造かいぞうすると、改造かいぞう直後ちょくごの内閣ないかく支持しじ率りつが改造かいぞう前まえより上昇じょうしょうする傾向けいこうがある。

第だい三さんに、自由民主党じゆうみんしゅとうの長期ちょうき政権せいけん下かでは内閣ないかく改造かいぞうおよびそれとあわせて行おこなわれる幹事かんじ長ちょうなど党とう役員やくいんの交替こうたいは定期ていき人事じんじ異動いどう的てきな色彩しきさいが強つよく、慣習かんしゅうにより漫然まんぜんと行おこなわれてきた。ある程度ていど当選とうせん回数かいすうを重かさねた国会こっかい議員ぎいんは、特とくに精通せいつうした政策せいさく分野ぶんやなどと関かかわりなく、とにかく大臣だいじんに任命にんめいされることを切望せつぼうする、いわゆる大臣だいじん病びょうにかかる。この大臣だいじん病びょう患者かんじゃたちの不満ふまんに応こたえるため、自民党じみんとうの各かく派閥はばつは、改あらため任にんの必要ひつようがないにもかかわらず、組閣そかくから1年ねんほど経過けいかしたあたりで大臣だいじんの顔触かおぶれを変かえることを要求ようきゅうしはじめ、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんも派閥はばつの支持しじを得えるためにこれを受うけ容いれ、時機じきをみて改造かいぞうを行おこなうことが慣習かんしゅうとなった。もともと替かえる必要ひつよう性せいが低ひくいため、適材てきざいを適所てきしょに配置はいちするという気概きがいは薄うすれ、派閥はばつが当選とうせん回数かいすう順じゅんに推薦すいせんした人物じんぶつを漫然まんぜんとはめ込こむ派閥はばつ順送じゅんおくり人事じんじが横行おうこうした。このことはまた、大臣だいじん・内閣ないかくの官僚かんりょうに対たいする指揮しき・管理かんり機能きのうが形骸けいがい化かし（「重要じゅうようなことですので政府せいふ委員いいんから答弁とうべんします」と国会こっかいで発言はつげんした閣僚かくりょうすらいた）、官僚かんりょう機構きこうの政治せいじに対たいする自立じりつ性せいが強つよいという状態じょうたいをもたらしたともいえる。このような順送じゅんおくり人事じんじに対たいする批判ひはんは強つよかった。

1990年代ねんだいから2000年ねんごろにかけて進すすめられた選挙せんきょ制度せいど改革かいかく・行政ぎょうせい改革かいかくの結果けっか、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが従来じゅうらいよりも強つよい主導しゅどう力りょくを発揮はっきしやすい（派閥はばつからの掣肘せいちゅうを受うけにくい）環境かんきょうが整ととのったため、近年きんねんでは組閣そかくの際さいに派閥はばつの推薦すいせんを受うけ付つけず、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんが任意にんいに与党よとう内ないあるいは民間みんかんの人物じんぶつを登用とうようする一本釣いっぽんづり人事じんじや、複数ふくすうの主要しゅよう閣僚かくりょうが改造かいぞう後ごさらには内閣ないかく交替こうたいの後のちも留任りゅうにんするということがみられるようになった。

2010年代ねんだい前期ぜんきにねじれ国会こっかいの参議院さんぎいんでの閣僚かくりょう問責もんせき決議けつぎが多発たはつすると、その対応たいおうとしての改造かいぞうが行おこなわれるようになった。内閣ないかくは、問責もんせきされた閣僚かくりょうの更迭こうてつには応おうじないという立場たちばを表向おもてむきは取とるが、参議院さんぎいんは当該とうがい閣僚かくりょうが管轄かんかつする議案ぎあんの審議しんぎを拒こばむため、支障ししょうが生しょうじる。そのため、内閣ないかく改造かいぞうという名目めいもくでその閣僚かくりょうを他たの閣僚かくりょうともども交代こうたいさせることがある。このような改造かいぞうは小幅こはばなものになりやすい。

歴史れきし

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん前まえにも内閣ないかく改造かいぞうは存在そんざいした。しかし、大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう（明治めいじ憲法けんぽう）第だい55条じょうで「国務こくむ各かく大臣だいじんは天皇てんのうを輔弼ほひつし其その責ぜめに任まかす」とされ、明治めいじ憲法けんぽうでは内閣ないかく総理そうり大臣だいじん（首相しゅしょう）についての特別とくべつな言及げんきゅうはなく、首相しゅしょうはあくまで国務大臣こくむだいじんの「同輩どうはい中ちゅうの首席しゅせき」という位置付いちづけであった。慣例かんれい上じょうは天皇てんのうから「組閣そかくの大命たいめい」を受うけた首相しゅしょう就任しゅうにん内定ないてい者しゃが組閣そかく作業さぎょうの責任せきにん者しゃとなっていたが、法文ほうぶん上じょうは天皇てんのうが全すべての国務大臣こくむだいじんを自みずからの判断はんだんで任免にんめんするものであり、一旦いったん内閣ないかくが発足ほっそくすると首相しゅしょうの一存いちぞんで閣僚かくりょうを入いれ替かえることはできなかった。また実際じっさいには天皇てんのうが独断どくだんや本人ほんにん以外いがいからの奏請そうせいに基もとづいて国務大臣こくむだいじんを解任かいにんした例れいもなく、国務大臣こくむだいじんの退任たいにんは本人ほんにんの希望きぼうか内閣ないかく総そう辞職じしょくのいずれかにより本人ほんにんが辞表じひょうを提出ていしゅつした場合ばあいに限かぎられていた。

1941年ねん7月がつに近衛このえ文麿ふみまろ首相しゅしょうが、松岡まつおか洋右ようすけ外務がいむ大臣だいじんを更迭こうてつしたいがために内閣ないかく総そう辞職じしょくを行おこない、その上うえで改あらためて天皇てんのうから大命たいめい降下こうかを拝受はいじゅして外務がいむ大臣だいじんを松岡まつおかから豊田とよだ貞次郎ていじろうに交代こうたいさせるなどした『第だい3次じ近衛このえ内ない閣かく』という形かたちの事実じじつ上じょうの「内閣ないかく改造かいぞう」を断行だんこうするという荒あら技わざを駆使くししなければならなかった例れいもある。護憲ごけん三さん派は連立れんりつ政権せいけんとして発足ほっそくした加藤かとう高明こうめい内閣ないかくが1925年ねん8月がつ2日にちに三さん派は連立れんりつを解消かいしょうして憲政けんせい会かい単独たんどく内ない閣かくとなったことは、今日きょうでは内閣ないかく改造かいぞうとされている。

新しん憲法けんぽう下かにあっては内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに閣僚かくりょう任免にんめん権けん並ならびに日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい7条じょうの規定きていに基もとづく事実じじつ上じょうの衆議院しゅうぎいん解散かいさん権けんが付与ふよされ、権限けんげんは格段かくだんに強化きょうかされた。吉田よしだ茂しげるは「ワンマン宰相さいしょう」と称しょうされ、人事じんじ権けんを背景はいけいとして内閣ないかく改造かいぞうを権力けんりょく掌握しょうあくのために有効ゆうこうに使つかった最初さいしょの首相しゅしょうである。首相しゅしょうに指名しめいされること5回かい、その在任ざいにん中ちゅうに「製造せいぞう」された大臣だいじんはおよそ延のべ80人にんにのぼった。

保守ほしゅ合同ごうどうを経へて自由民主党じゆうみんしゅとうが政権せいけんを保持ほじすると内閣ないかく改造かいぞうは頻繁ひんぱんに行おこなわれるようになり、恒常こうじょう化かする。「人事じんじの佐藤さとう」と呼よばれた佐藤さとう栄作えいさく首相しゅしょうも内閣ないかく改造かいぞうを繰くり返かえし、田中たなか角栄かくえい、福田ふくだ赳夫たけおを始はじめ、党とうの実力じつりょく者しゃたちを閣僚かくりょうと党とう役員やくいんを絡からめながら巧たくみに配置はいちして競きそわせ、7年ねん8ヶ月かげつの長期ちょうき政権せいけんを維持いじした。佐藤さとう政権せいけんの下したでは延のべ約やく100人にんの大臣だいじんが誕生たんじょうした。佐藤さとうは、「内閣ないかく改造かいぞうをするほど総理そうりの権力けんりょくは下さがり、解散かいさんをするほど上あがる」とも述のべた。

2012年ねんの第だい2次じ安倍あべ内閣ないかく以降いこうから2020年ねんの第だい4次じ安倍あべ内閣ないかくの総そう辞職じしょくまで70人にんの初はつ入閣にゅうかく大臣だいじんが誕生たんじょうした。

記録きろく

• 改造かいぞう回数かいすうの最多さいた記録きろく - 7回かい
  • 安倍あべ内閣ないかく：第だい1次じ内閣ないかくで1回かい、第だい2次じ内閣ないかくで1回かい、第だい3次じ内閣ないかくで3回かい、第だい4次じ内閣ないかくで2回かいの改造かいぞう
  • 通算つうさん組閣そかく回数かいすう11回かいは史上しじょう最多さいたである。
  • 通算つうさん在任ざいにん3188日にち・連続れんぞく在任ざいにん2822日にちは共ともに歴代れきだい最長さいちょうである。
• 衆院しゅういん選せんを挟はさまない改造かいぞう回数かいすうの最多さいた記録きろく - 3回かい
  • 第だい3次じ吉田よしだ第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かく、第だい2次じ池田いけだ第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かく、第だい1次じ佐藤さとう第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かく、野田のだ第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かく、第だい3次じ安倍あべ第だい3次じ改造かいぞう内ない閣かくの5例れい
• 改造かいぞう後ごに総そう辞職じしょくした最短さいたん記録きろく - 28日にち
  • 1974年ねん11月11日にち 第だい2次じ田中たなか角栄かくえい第だい2次じ改造かいぞう内ない閣かく発足ほっそく〜同年どうねん12月がつ9日にち 内閣ないかく総そう辞職じしょく
  • 田中たなか金脈きんみゃく問題もんだいが政治せいじ問題もんだい化かしたため内閣ないかく改造かいぞうでこれを乗のり切きろうとしたが失敗しっぱい、わずか15日にち後ごの11月26日にちに退陣たいじんを表明ひょうめいした。
• 改造かいぞう後ごに衆議院しゅうぎいんを解散かいさんした最短さいたん記録きろく - 18日にち
  • 2003年ねん9月がつ22日にち 第だい1次じ小泉こいずみ第だい2次じ改造かいぞう内ない閣かく発足ほっそく〜同年どうねん10月がつ10日にち 衆議院しゅうぎいん解散かいさん
  • 自民党じみんとう総裁そうさい選せんで再選さいせんされたことを受うけた内閣ないかく改造かいぞう。直後ちょくごの総そう選挙せんきょの後のちに発足ほっそくした第だい2次じ内閣ないかくでは全ぜん閣僚かくりょうが再任さいにんされた。
• 組閣そかくから改造かいぞうまでの最短さいたん記録きろく - 40日にち
  • 2005年ねん9月がつ21日にち 第だい3次じ小泉こいずみ内閣ないかく発足ほっそく〜同年どうねん10月がつ31日にち 内閣ないかく改造かいぞう
  • 郵政ゆうせい選挙せんきょ後のちに前ぜん内閣ないかくの閣僚かくりょうを全員ぜんいん再任さいにんしてまず急務きゅうむの郵政ゆうせい民営みんえい化か法案ほうあんの国会こっかい通過つうかにあたらせ、それが一いち段だん落おちついた後のちに改造かいぞうを行おこなったもので、実質じっしつ的てきには総そう選挙せんきょ後ごの組閣そかくに相当そうとうするものだった。
• 改造かいぞうから再さい改造かいぞうまでの最短さいたん記録きろく - 119日にち
  • 2010年ねん9月がつ17日にち 菅かん直人なおと第だい1次じ改造かいぞう内ない閣かく発足ほっそく〜2011年ねん1月がつ14日にち 内閣ないかく再さい改造かいぞう
  • 参議院さんぎいんで問責もんせき決議けつぎを受うけた閣僚かくりょう2名めいを含ふくむ3名めいを交代こうたいさせ閣かく内ないで閣僚かくりょう若干じゃっかん名めいを横滑よこすべりさせた。
• 留任りゅうにんの最多さいた記録きろく - 17名めい
  • 小渕おぶち第だい1次じ改造かいぞう内ない閣かく
  • 自由党じゆうとうとの連立れんりつ合意ごういに基もとづく国務大臣こくむだいじんの減員げんいんおよび2001年ねん（平成へいせい13年ねん）に中央ちゅうおう省庁しょうちょう再編さいへんを控ひかえているといった理由りゆうにより、文部もんぶ大臣だいじんが科学技術庁かがくぎじゅつちょう長官ちょうかんを兼かね（文部省もんぶしょうおよび科学技術庁かがくぎじゅつちょうは文部もんぶ科学かがく省しょうに再編さいへんされる）、運輸うんゆ大臣だいじんが北海道開発庁ほっかいどうかいはつちょう長官ちょうかんを、建設けんせつ大臣だいじんが国土庁こくどちょう長官ちょうかんをそれぞれ兼かね（運輸省うんゆしょう、建設省けんせつしょう、北海道開発庁ほっかいどうかいはつちょうおよび国土庁こくどちょうは国土こくど交通省こうつうしょうに再編さいへんされる）、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんが沖縄開発庁おきなわかいはつちょう長官ちょうかんを兼かねる（沖縄開発庁おきなわかいはつちょうは内閣ないかく府ふに吸収きゅうしゅうされる）という形かたちで任命にんめいされた改造かいぞう内ない閣かく。
• 無む改造かいぞうの戦後せんご最長さいちょう記録きろく - 646日にち
  • 1974年ねん12月9日にち 三木みき内閣ないかく発足ほっそく〜1976年ねん9月がつ15日にち 内閣ないかく改造かいぞう
  • 1975年ねんは1年ねんを通つうじて閣僚かくりょうの交代こうたいが1度どもなかったが、途中とちゅうの1976年ねん1月がつに建設けんせつ大臣だいじんの交代こうたいがあったため、閣僚かくりょう交代こうたいの無なかった日数にっすうとしては下記かきの第だい2次じ安倍あべ内閣ないかくが最長さいちょうである。
• 無む改造かいぞうかつ閣僚かくりょう交代こうたい無なしの戦後せんご最長さいちょう記録きろく - 616日にち
  • 2012年ねん12月26日にち 第だい2次じ安倍あべ内閣ないかく発足ほっそく〜2014年ねん9月がつ3日にち 内閣ないかく改造かいぞう
  • 2013年ねんは1年ねんを通つうじて閣僚かくりょうの交代こうたいが1度どもなかったが、これは上記じょうきの三木みき内閣ないかく時代じだいの1975年ねん以来いらい38年ねんぶりのことだった。

比喩ひゆ

転てんじてプロ野球やきゅうで、監督かんとくがコーチ陣じんを入いれ替かえる場合ばあいもこのように呼よばれることがある（コーチは単たん年度ねんど契約けいやく）。

関連かんれん書籍しょせき

• 橋本はしもと五郎ごろう、飯田いいだ政之まさゆき、加藤かとう秀治しゅうじ郎ろう『日本にっぽん政治せいじハンドブック: 政治せいじニュースがよくわかる!』一藝いちげい社しゃ、2006年ねん。ISBN 9784901253796。 

関連かんれん項目こうもく

• 内閣ないかく (日本にっぽん)
  • 組閣そかく
  • 内閣ないかく支持しじ率りつ
  • 一いち内ない閣かく一いち閣僚かくりょう
• 内閣ないかく総理そうり大臣だいじん
  • 内閣ないかく総理そうり大臣だいじん臨時りんじ代理だいり
• 衆議院しゅうぎいん解散かいさん

外部がいぶリンク

• 内閣ないかく制度せいどと歴代れきだい内ない閣かく - 首相しゅしょう官邸かんてい