南みなみオセチア

南みなみオセチア共和きょうわ国こく・アラニヤ国こく

Республикæ Хуссар Ирыстон —
Паддзахад Алани（オセット語ご）
Республика Южная Осетия —
Государство Алания（ロシア語ご）

（国旗こっき）	（国くに章あきら）

国くにの標語ひょうご：なし

国歌こっか：Уарзон Ирыстон（オセット語ご）
親愛しんあいなるオセチアよ

公用こうよう語ご	オセット語ご、ロシア語ご
首都しゅと	ツヒンヴァリ
最大さいだいの都市とし	ツヒンヴァリ
政府せいふ 大統領だいとうりょう アラン・ガグロエフ 首相しゅしょう コンスタンティン・ジュソエフ 面積めんせき 総計そうけい 3,900km2（???位くらい） 水面すいめん積せき率りつ 不明ふめい 人口じんこう 総計そうけい（2015年ねん） 53,532人ひと（???位くらい） 人口じんこう密度みつど 13.7人にん/km2 GDP（自国じこく通貨つうか表示ひょうじ） 合計ごうけい（2017年ねん） 4,880,636ロシア・ルーブル GDP（MER） 合計ごうけい（xxxx年ねん） xxx,xxxドル（???位くらい） 1人ひとりあたり xxxドル GDP（PPP） 合計ごうけい（xxxx年ねん） xxx,xxxドル（???位くらい） 1人ひとりあたり xxxドル
独立どくりつ  - 宣言せんげん  - ロシアより承認しょうにん（最初さいしょの承認しょうにん国こく）	ジョージアより 1991年ねん11月28日にち 2008年ねん8月がつ26日にち
通貨つうか	ロシア・ルーブル（RUB）
時間じかん帯たい	UTC+3 (DST:なし)
ISO 3166-1	不明ふめい
ccTLD	不明ふめい
国際こくさい電話でんわ番号ばんごう	995 34

南みなみオセチア（みなみオセチア、オセット語ご: Хуссар Ирыстон）、公式こうしきには南みなみオセチア共和きょうわ国こく・アラニア国こくまたはツヒンヴァリ地域ちいき（グルジア語ご: ცხინვალის რეგიონი）は、南みなみコーカサスの事実じじつ上じょうの国家こっかである。大だいコーカサス山脈さんみゃくの南側みなみがわに位置いちし、面積めんせき3900平方へいほうキロメートル、人口じんこう5万まん3000人にん強きょう、首都しゅとツヒンヴァリには3万まん人にんが居住きょじゅうしている（公式こうしき発表はっぴょう）。ロシア、ベネズエラ、ニカラグア、ナウル、シリアは、南みなみオセチア共和きょうわ国こく（またはアラニア国こく）の分離ぶんり主義しゅぎ的てきな政治せいじを承認しょうにんしている。ジョージアは南みなみオセチアを支配しはいしていないが、ジョージア政府せいふおよび国際こくさい連合れんごうのほとんどの加盟かめい国こくは同どう地域ちいきをジョージアの一部いちぶと考かんがえている。ジョージア憲法けんぽうでは、1990年ねんに解散かいさんした南みなみオセチア自治じち州しゅうを指さして「旧きゅう南みなみオセチア自治じち区く」と定さだめている。

ジョージアは南みなみオセチアの存在そんざいを政治せいじ的てきに認みとめておらず、南みなみオセチアを構成こうせいする領土りょうどはジョージアのどの行政ぎょうせい区域くいきにも該当がいとうせず（ただしジョージア当局とうきょくは南みなみオセチアの地位ちい確立かくりつに向むけた経過けいか措置そちとして南みなみオセチア暫定ざんてい行政ぎょうせい区くを設置せっち）、その大半たいはんはシダ・カルトリ地方ちほうに含ふくまれる。中立ちゅうりつ的てきな表現ひょうげんが必要ひつようと判断はんだんされた場合ばあい、ジョージアも国際こくさい機関きかんも非公式ひこうしきに「ツヒンバリ地方ちほう」と呼よぶことが多おおい（法的ほうてきには未定義みていぎ）。

1922年ねんにソ連それん当局とうきょくによって設立せつりつされた南みなみオセチア自治じち管区かんくは、1991年ねんにグルジア・ソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくからの独立どくりつを宣言せんげんした。ジョージア政府せいふはこれに反発はんぱつし、南みなみオセチアの自治じちを廃止はいしし、武力ぶりょくによる支配しはいを再さい確立かくりつしようとした。危機ききの激化げきかは、1991-1992年ねんの南みなみオセチア紛争ふんそうにつながった。グルジア人じんは、2004年ねんと2008年ねんの2回かい、南みなみオセチアを支配しはいする勢力せいりょくと戦たたかっている。後者こうしゃは2008年ねん8月がつの南みなみオセチア紛争ふんそうに発展はってんし、オセチア軍ぐんとロシア軍ぐんが旧きゅう南みなみオセチア自治じち州しゅうの領土りょうどを事実じじつ上じょう完全かんぜんに掌握しょうあくすることになった。2008年ねんの戦争せんそう後ご、ジョージアと国際こくさい社会しゃかいの大だい部分ぶぶんは、南みなみオセチアをロシア軍ぐんに占領せんりょうされたものとみなしている。

南みなみオセチアは、ロシアからの軍事ぐんじ、政治せいじ、財政ざいせい援助えんじょに大おおきく依存いぞんしている。

名称めいしょう

南みなみオセチアの独立どくりつを認みとめていないジョージアでは、ツヒンヴァリ地域ちいき（グルジア語ご: ცხინვალის რეგიონი Tskhinvalis regioni）または旧きゅう南みなみオセチア自治じち州しゅう（ყოფილი სამხრეთ ოსეთის ავტონომიური ოლქი）と呼よばれている。

なお、ジョージアにはツヒンヴァリ地域ちいきの法的ほうてき政府せいふとして南みなみオセチア暫定ざんてい政府せいふが名目めいもく上じょう存在そんざいするが、あくまで暫定ざんてい的てきな措置そちであるため、行政ぎょうせい区画くかくで「南みなみオセチア/ツヒンヴァリ地域ちいき」に当あたるものは存在そんざいしない。

一方いっぽう、事実じじつ上じょう独立どくりつしている南みなみオセチア共和きょうわ国こくでは2017年ねんに行おこなわれた国民こくみん投票とうひょうによって正式せいしき国名こくめいにアラニヤ国こくが追加ついかされ、南みなみオセチア共和きょうわ国こく・アラニヤ国こくとなった。このアラニヤという名なは、この地域ちいきの主要しゅよう民族みんぞくであるオセット人じんの祖そとされるイラン系けいアラン人じんが建たてたアラニヤ国こくに由来ゆらいする。

なお南みなみオセチア共和きょうわ国こくとアラニヤ国こくは双方そうほうとも同等どうとうとされているため、どちらを使用しようしてもよいとされている。2015年ねん12月時点じてんの改名かいめい案あんでは南みなみオセチア・アラニヤ共和きょうわ国こくであった。

正式せいしき名称めいしょう

• オセット語ご: Республикæ Хуссар Ирыстон — Паддзахад Алани（Respublikæ Xussar Iryston - Paddzaxad Allonston）
• ロシア語ご: Республика Южная Осетия — Государство Алания（Respublika Yuzhnaya Osetiya - Gosudarstvo Alaniya）
• 英語えいご: Republic of South Ossetia — the State of Alania

地理ちり

ジョージアの行政ぎょうせい区画くかく図ずに記しるした「南みなみオセチア自治じち州しゅう/共和きょうわ国こく」の位置いち。北辺ほくへんはロシア連邦れんぽうの北オセチア共和国きたおせちあきょうわこくと接せっする

カフカース山脈さんみゃくの南みなみ斜面しゃめんに位置いちする。最高さいこう点てんはハラツァ山さん（海抜かいばつ3,941m）。面積めんせきは3,900平方へいほうkm（埼玉さいたま県けんとほぼ同おなじ）で、海抜かいばつ1,000m以上いじょうの土地とちが国土こくどの89.3%を占しめる。カフカース山脈さんみゃくにより北風きたかぜから守まもられているため、北きたカフカース地域ちいきよりも温暖おんだんである。平均へいきん気温きおんは、1月で+4.5℃、7月がつで+20.3℃である。年間ねんかん平均へいきん降水こうすい量りょうは、598mm。

住民じゅうみん

民族みんぞく構成こうせい
オセット人じん			89.1%
グルジア人じん			8.9%
ロシア人じん			1.0%
その他た			1.0%

カフカースの民族みんぞく分布ぶんぷ図ず

住民じゅうみんの多おおくはオセット人じんであり、その外そと、ロシア人じん、カルトヴェリ人じん（狭義きょうぎの「グルジア人じん」）、ウクライナ人じん、アルメニア人じんなどもいる。人口じんこうは、1989年ねんのデータで9万まん9千せん人にんだった。2012年ねんの人口じんこう推計すいけいによるとオセット人じんが9割わりを占しめる。一方いっぽう、2007年ねんには25.0%を占しめていたカルトヴェリ人じんは、多おおくが難民なんみんとして流出りゅうしゅつし、8.9%に減少げんしょうした。

言語げんご

主要しゅよう言語げんごは、オセット語ご。現在げんざい、ロシアの北オセチア共和国きたおせちあきょうわこくに倣ならい、キリル文字もじを使用しようしている。北きたオセチアと統一とういつしてのロシア連邦れんぽう加盟かめいを目標もくひょうとしているのでロシア語ごも公用こうよう語ごである。

歴史れきし

ソ連それん時代じだい

南みなみオセチア自治じち州しゅう

Ху́ссар Ирыстоны автономон облæст
სამხრეთ ოსეთის ავტონომიური ოლქი

←

1922年ねん - 1990年ねん

→

1922年ねん時点じてんのカフカース地方ちほう

公用こうよう語ご	オセット語ご グルジア語ご（1989年ねんより）
首都しゅと	ツヒンヴァリ
元首げんしゅ等とう xxxx年ねん - xxxx年ねん 不明ふめい 面積めんせき 1983年ねん 39,000km² 人口じんこう 1926年ねん 87,375人にん 1939年ねん 106,118人にん 1959年ねん 96,807人にん 1979年ねん 97,988人にん 1989年ねん 98,527人にん 変遷へんせん 設置せっち 1922年ねん4月がつ20日はつか 廃止はいし 1990年ねん12月11日にち 独立どくりつ宣言せんげん 1991年ねん11月28日にち
通貨つうか	ソビエト連邦れんぽうルーブル

北きたオセチアと南みなみオセチア

ロシア革命かくめい後ご、オセチアは南北なんぼくに二分にぶんされ、南みなみオセチアはグルジアに編入へんにゅうされ、1922年ねん4月がつ20日はつか、南みなみオセチア自治じち州しゅう（South Ossetian Autonomous Oblast）が誕生たんじょうした。この時とき、北側きたがわは1924年ねんにロシア・ソビエト連邦れんぽう社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくの北きたオセチア自治じち州しゅう（その後ご、北きたオセチア自治じち州しゅうは1936年ねんに北きたオセチア自治じちソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくとなり、1990年ねんにロシア連邦れんぽう北オセチア共和国きたおせちあきょうわこくとなる。）

自治じち州しゅうとされたが、ソ連それん時代じだいを通つうじてカルトヴェリ人じん優先ゆうせんの政策せいさくが遂行すいこうされた。例たとえば、1939年ねんには、これまでラテン文字もじを使用しようしていたオセット人じんにカルトリ文字もじ（グルジア文字もじ）が強制きょうせいされ、カルトリ語ご（グルジア語ご）の教育きょういくが必須ひっすとされた。様々さまざまな抑圧よくあつ策さくの結果けっか、南みなみオセチアの人口じんこうは、戦前せんぜんの10万まん7千せん人にんから1989年ねんの9万まん9千せん人にんにまで減少げんしょうした。

独立どくりつ闘争とうそう

1980年代ねんだい末まつから、グルジアSSRではカルトヴェリ人じんの民族みんぞく主義しゅぎが勃興ぼっこうし始はじめ、カルトヴェリ人じん以外いがいの民族みんぞくは危機きき感かんをつのらせた。1989年ねん、南みなみオセチアでの公用こうよう語ごをカルトリ語ごとすることが決定けっていされると、南みなみオセチア自治じち州しゅう人民じんみん代議員だいぎいん会議かいぎは、南みなみオセチア自治じち州しゅうを自治じち共和きょうわ国こくにすることを要請ようせいした。しかし、グルジア最高さいこう会議かいぎはこの決定けっていを違憲いけんとして却下きゃっかした。

1989年ねん11月23日にち、グルジアの政治せいじ家かズヴィアド・ガムサフルディアは、自分じぶんの支持しじ者しゃ（3万まん～6万まん人にん）を引ひき連つれ、南みなみオセチアの中心ちゅうしん都市としツヒンヴァリで行進こうしんを行おこなった。数かず百ひゃく人にんの武装ぶそう兵へいが随行ずいこうし、負傷ふしょう者しゃ400人にん、死者ししゃ6人にんを出だした。

1990年ねん4月がつ、グルジアSSR最高さいこう会議かいぎは、旧きゅうソビエト連邦れんぽう共産党きょうさんとう執政しっせい時代じだいに採択さいたくされた全ぜん法律ほうりつの無効むこう化かを決定けっていし、このことは、事実じじつ上じょう、南みなみオセチアの自治じち権けんの無効むこう化かを意味いみした。これに対たいして、南みなみオセチア自治じち州しゅう人民じんみん代議員だいぎいん会議かいぎは、主権しゅけん宣言せんげん、ソ連それん時代じだいの憲法けんぽう・法律ほうりつの有効ゆうこう、共和きょうわ国こくへの昇格しょうかくなどを決定けっていした。11月、グルジアSSRが国号こくごうを「グルジア共和きょうわ国こく」に変更へんこうし、ガムサフルディアがグルジア最高さいこう会議かいぎ議長ぎちょうに選出せんしゅつされると、対立たいりつは更さらにエスカレートした。

この年としは南みなみオセチア最高さいこう会議かいぎの任期にんき満了まんりょうの年としだったが、ジョージアは選挙せんきょ日びを公示こうじしなかった。12月9日にち、南みなみオセチアは独自どくじに選挙せんきょを実施じっししたが、12月10日にち、ジョージア最高さいこう会議かいぎは、南みなみオセチア自治じち州しゅうの廃止はいしを全会ぜんかい一致いっちで決定けっていした。12月11日にち、ツヒンヴァリ市しとドザウ地区ちくに戒厳かいげん令れいが施行しこうされた。

1991年ねん1月がつ5日にち、ツヒンヴァリに警官けいかん隊たいとガムサフルディアの親衛隊しんえいたいが投入とうにゅうされた。オセット人じんは、自警じけい団だんを結成けっせいしてこれに対抗たいこうし、ツヒンヴァリからグルジア人じんを追おい出だすことに成功せいこうした。武装ぶそう闘争とうそうは、ロシア・ジョージア・オセチア混成こんせいの平和へいわ維持いじ軍ぐんが導入どうにゅうされた1992年ねん7月がつ14日にちまで継続けいぞくした。

1991年ねん1月がつ29日にち、南みなみオセチア最高さいこう会議かいぎ議長ぎちょうトレズ・クルムベゴフが交渉こうしょうのためジョージアに向むかったが、その場ばで逮捕たいほされた。2月1日にちにはエネルギー供給きょうきゅうが遮断しゃだんされ、4月がつ29日にちには大だい規模きぼな地震じしんも発生はっせいし、住民じゅうみんの生活せいかつ条件じょうけんは極度きょくどに悪化あっかした。事態じたい打開だかいのため、南みなみオセチア代議員だいぎいん会議かいぎは、共和きょうわ国こくから自治じち州しゅうへの復帰ふっきを決議けつぎした。しかしながら、カルトヴェリ人じん武装ぶそう勢力せいりょくの攻撃こうげきは止やまず、6月8日にちまでに70の村落そんらくが焼やかれた。9月1日にち、南みなみオセチア代議員だいぎいん会議かいぎは、自治じち州しゅうへの復帰ふっきを取とり消けし、共和きょうわ国こくを復活ふっかつさせた。

1992年ねん1月がつ19日にち、南みなみオセチア共和きょうわ国こくの独立どくりつに関かんする住民じゅうみん投票とうひょうが行おこなわれ、92%以上いじょうがこれに賛成さんせいした。2月、ツヒンヴァリ周辺しゅうへんにグルジアの砲兵ほうへいと装甲そうこう車両しゃりょうが配備はいびされ、砲撃ほうげきを開始かいしした。

1992年ねん3月がつ8日にち、エドゥアルド・シェワルナゼがグルジアの指導しどう者しゃとなったが、南みなみオセチアに対たいする政策せいさくは変かわらなかった。

1992年ねん5月がつ29日にち、南みなみオセチア共和きょうわ国こく最高さいこう会議かいぎは、国家こっか独立どくりつ法ほうを採択さいたくした。

紛争ふんそう調停ちょうていと独立どくりつ

2007年ねん6月がつ時点じてんでの「南みなみオセチア自治じち州しゅう/共和きょうわ国こく」詳細しょうさい図ず

1992年ねん6月がつ24日にち、ロシア、ジョージア、南北なんぼくオセチア4者しゃによる紛争ふんそう調停ちょうていの原則げんそくに関かんする協定きょうていが署名しょめいされ、7月がつ14日にち、平和へいわ維持いじ軍ぐんが導入どうにゅうされた。

1993年ねん11月2日にち、最高さいこう会議かいぎは憲法けんぽうを採択さいたくし、この日ひは南みなみオセチアの独立どくりつ記念きねん日びとされている。1995年ねん5月がつ5日にちには、国歌こっかを制定せいてい。1996年ねん11月がつ10日とおか、南みなみオセチア最初さいしょの大統領だいとうりょう選挙せんきょが行おこなわれた。

2006年ねん11月12日にち、大統領だいとうりょう選挙せんきょが行おこなわれ、95%の得票とくひょうでエドゥアルド・ココイトゥイが再選さいせんし、同時どうじに行おこなわれた調査ちょうさで、99%の住民じゅうみんが独立どくりつに投票とうひょうした。

2008年ねん2月がつ17日にちのコソボ独立どくりつ宣言せんげんを受うけ、ロシアなど独立どくりつ国家こっか共同きょうどう体たい (CIS)、国際こくさい連合れんごうに対たいし、近ちかくジョージアからの独立どくりつ承認しょうにんを求もとめる方針ほうしんを明あきらかにしたと報道ほうどうされている。

ジョージア軍ぐんによる武力ぶりょく攻撃こうげき

→詳細しょうさいは「南みなみオセチア紛争ふんそう (2008年ねん)」を参照さんしょう

2008年ねん8月がつ8日にち、ジョージア軍ぐんが侵攻しんこうし、ミヘイル・サアカシュヴィリ大統領だいとうりょうは同日どうじつの記者きしゃ会見かいけんで、同どう地域ちいきの大半たいはんの制圧せいあつと州都しゅうと・ツヒンヴァリの包囲ほういを宣言せんげん、予備よび役やくを緊急きんきゅう招集しょうしゅうした。また、南みなみオセチア展開てんかいにおける過程かていで、平和へいわ維持いじ軍ぐんとして駐屯ちゅうとんしていたロシア軍ぐん基地きちに対たいするジョージア軍ぐんの攻撃こうげきも発生はっせい。これに対たいし、同どう州しゅうの後うしろ盾たてとなっているロシア連邦れんぽう政府せいふは同どう州しゅうに増援ぞうえん部隊ぶたいを派遣はけんした。

ロシアへの加盟かめいを目指めざす動うごき

2015年ねん10月がつ19日にち、レオニード・チビロフ大統領だいとうりょうはロシアへの加盟かめいを問とう住民じゅうみん投票とうひょうの実施じっしを表明ひょうめいした。しかしロシア政府せいふの賛同さんどうを得えられず頓挫とんざした。

2022年ねん3月がつ30日にち、アナトリー・ビビロフ大統領だいとうりょうは演説えんぜつでロシアに加盟かめいするための法的ほうてき手続てつづきを開始かいししたことを発表はっぴょうした。2022年ねん2月がつ22日にちに南みなみオセチアが独立どくりつを支持しじしていたドネツク人民じんみん共和きょうわ国こくとルガンスク人民じんみん共和きょうわ国こくが同国どうこくに独立どくりつを承認しょうにんされたことで国内こくないでも編入へんにゅうをめぐる機運きうんが高たかまり、演説えんぜつ直後ちょくごに首都しゅとツヒンヴァリではロシアの国旗こっきを持もって行進こうしんする人ひとたちが見みられた。またロシアが両りょう共和きょうわ国こく承認しょうにん後ごに開始かいししたウクライナ侵攻しんこうの長期ちょうき化かに伴ともない、国民こくみんの不満ふまんをそらすための「戦果せんか」として南みなみオセチアの編入へんにゅうを模索もさくしていることも理由りゆうに挙あげられている。

2022年ねん5月8日にちの大統領だいとうりょう選挙せんきょではロシアへの編入へんにゅうの是非ぜひが争点そうてんとなったが、編入へんにゅうに慎重しんちょうな姿勢しせいを採とっていた野党やとう指導しどう者しゃのアラン・ガグロエフが勝利しょうりした。5月13日にち、退任たいにん直前ちょくぜんのビビロフがロシアへの編入へんにゅうを問とう住民じゅうみん投票とうひょうを7月がつ17日にちに実施じっしすると表明ひょうめいしたが5月がつ24日にちにガグロエフが後継こうけいの大統領だいとうりょうに就任しゅうにんし、5月30日にちに住民じゅうみん投票とうひょうについてはロシアとの協議きょうぎが終おわるまで延期えんきすると表明ひょうめいした。

2024年ねん3月がつ17日にち、アラン・アルボロフ議会ぎかい議長ぎちょうはロシア政府せいふと編入へんにゅうについて協議きょうぎを行おこなっていることを明あかし、両国りょうこく間あいだで合意ごういがなされれば住民じゅうみん投票とうひょうを実施じっしする意向いこうであると述のべた。

政治せいじ

→「南みなみオセチア共和きょうわ国こく大統領だいとうりょう」も参照さんしょう

南みなみオセチアは、独立どくりつ国家こっかを自認じにんしているため、独自どくじの政治せいじ制度せいどを有ゆうしている。

大統領だいとうりょうは、直接ちょくせつ選挙せんきょで選出せんしゅつされ、任期にんき5年ねん。議会ぎかいは、5年ねんの任期にんきで選出せんしゅつされる。内閣ないかくは、大統領だいとうりょうの提案ていあんを基もとに議会ぎかいが承認しょうにんする。

行政ぎょうせい区分くぶん

→「南みなみオセチアの行政ぎょうせい区画くかく」も参照さんしょう

4つの地区ちくと1つの直轄ちょっかつ市しから成なる。

• ドザウ地区ちく
• ズナウル地区ちく
• レニンゴル地区ちく
• ツヒンヴァリ地区ちく
• ツヒンヴァリ直轄ちょっかつ市し

外交がいこう

→「南みなみオセチアの外交がいこう関係かんけい」および「en:Foreign relations of South Ossetia」を参照さんしょう

2006年ねん6月がつ14日にち、国際こくさい的てきに未み承認しょうにんのアブハジア、南みなみオセチア、沿ドニエストル共和きょうわ国こくの3か国こくの大統領だいとうりょうが、スフミで会談かいだんを行おこない、共同きょうどう声明せいめいの形かたちで民主みんしゅ主義しゅぎと民族みんぞくの権利けんりのための共同きょうどう体たいの設立せつりつを宣言せんげんした。同年どうねん11月がつ17日にちには、互たがいの独立どくりつ性せいを認識にんしきし合あっている。また、後のちには同おなじ立場たちばにあるアルツァフ共和きょうわ国こく（旧称きゅうしょうナゴルノ・カラバフ共和きょうわ国こく）が参加さんかし、お互たがいに承認しょうにんしている。2008年ねん9月がつ17日にち、ロシア連邦れんぽうは南みなみオセチアとの友好ゆうこう協力きょうりょく条約じょうやくに調印ちょういんした。

現在げんざい、5カ国かこくの国連こくれん加盟かめい国こくと3つの事実じじつ上じょう独立どくりつしている国家こっかにロシア構成こうせい体たいの北オセチア共和国きたおせちあきょうわこく、モルドバのガガウズ自治じち区くが、南みなみオセチアを独立どくりつ国家こっかとして承認しょうにんしている。他ほかにも、ベラルーシは独立どくりつを支持しじしており、同おなじく事実じじつ上じょう独立どくりつしているサハラ・アラブ民主みんしゅ共和きょうわ国こくと北きたキプロス・トルコ共和きょうわ国こくはロシアの南みなみオセチア国家こっか承認しょうにんを歓迎かんげいし、パレスチナの政党せいとうでもあるハマースは南みなみオセチアとアブハジアの相互そうご認識にんしきを歓迎かんげいしている。

南みなみオセチアが承認しょうにんしている国家こっか承認しょうにんを得えた国連こくれん非ひ加盟かめいの国くにと地域ちいきには、アブハジア共和きょうわ国こくと沿ドニエストル共和きょうわ国こく、アルツァフ共和きょうわ国こく、サハラ・アラブ民主みんしゅ共和きょうわ国こくがある。ウクライナ東部とうぶの親しん露ろ派はが建国けんこくを主張しゅちょうしているルガンスク人民じんみん共和きょうわ国こく、ドネツク人民じんみん共和きょうわ国こく両りょう地域ちいきも承認しょうにんしている。

南みなみオセチアを国家こっか承認しょうにんしている国くに・地域ちいき

南みなみオセチアを国家こっか承認しょうにんしている国家こっか

国家こっか / 地域ちいき	承認しょうにん日び	外交がいこう関係かんけい樹立じゅりつ日び	備考びこう
ロシア	2008年ねん8月がつ26日にち	2008年ねん9月がつ9日にち	2008年ねん9月がつ17日にちに友好ゆうこう協力きょうりょく条約じょうやくを調印ちょういん。2009年ねん2月がつ、南みなみオセチアにロシア大使館たいしかんが開設かいせつ。 詳細しょうさいはロシアと南みなみオセチアの関係かんけいを参照さんしょう。
ニカラグア	2008年ねん9月がつ5日にち	2010年ねん4月がつ14日にち	2011年ねん8月がつ30日にち、ニカラグアに南みなみオセチア大使館たいしかんが開設かいせつ。詳細しょうさいはニカラグアと南みなみオセチアの関係かんけいを参照さんしょう。
ベネズエラ	2009年ねん9月がつ10日とおか	2010年ねん7月がつ9日にち	詳細しょうさいはベネズエラと南みなみオセチアの関係かんけいを参照さんしょう。
ナウル	2009年ねん12月16日にち	2009年ねん12月16日にち
シリア	2018年ねん5月がつ29日にち	2018年ねん7月がつ22日にち
アブハジア （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	2005年ねん9月がつ19日にち?	2007年ねん9月がつ26日にち	国際こくさい的てきにはジョージアの自治じち共和きょうわ国こくとみなされている。 民主みんしゅ主義しゅぎと民族みんぞくの権利けんりのための共同きょうどう体たいの加盟かめい国こく。2005年ねん9月がつ19日にちに友好ゆうこう条約じょうやくが締結ていけつされたが、国家こっか承認しょうにんがいつ行おこなわれたかは定さだかではない。 詳細しょうさいはアブハジアと南みなみオセチアの関係かんけいを参照さんしょう。
沿ドニエストル （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	1994年ねん10月がつ12日にち?	なし	国際こくさい的てきにはモルドバの一部いちぶとされている。 民主みんしゅ主義しゅぎと民族みんぞくの権利けんりのための共同きょうどう体たいの加盟かめい国こく。1994年ねん10月がつ12日にちに友好ゆうこう条約じょうやくが締結ていけつされたが、国家こっか承認しょうにんがいつ行おこなわれたかは定さだかではない。
アルツァフ共和きょうわ国こく （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	2006年ねん11月17日にち	なし	旧称きゅうしょうナゴルノ・カラバフ共和きょうわ国こく。国際こくさい的てきにはアゼルバイジャンの一部いちぶとされている。 民主みんしゅ主義しゅぎと民族みんぞくの権利けんりのための共同きょうどう体たいの加盟かめい国こく。2006年ねん11月17日にち、アブハジアも加くわえた3か国こくで相互そうご承認しょうにんを行おこなった。
西にしサハラ （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	2010年ねん9月がつ30日にち	なし	南みなみオセチアの独立どくりつを事実じじつ上じょう承認しょうにん。 西にしサハラの領有りょうゆう権けんを主張しゅちょう、一部いちぶを実効じっこう支配しはいしている。アフリカ連合れんごう加盟かめい国こく。
ルガンスク人民じんみん共和きょうわ国こく （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	2015年ねん1月がつ28日にち	なし	国際こくさい的てきにはウクライナの一部いちぶとされている。
ドネツク人民じんみん共和きょうわ国こく （事実じじつ上じょう独立どくりつした地域ちいき）	2015年ねん5月がつ13日にち	なし	国際こくさい的てきにはウクライナの一部いちぶとされている。
ガガウズ自治じち区く	2008年ねん9月がつ19日にち	なし	モルドバの自治じち区く。1989年ねんにモルドバから独立どくりつ宣言せんげんを行おこなったことがある。 また自治じち区く議会ぎかいはモルドバ政府せいふに対たいして、南みなみオセチアの独立どくりつを認みとめるよう求もとめている。

• クライナ・セルビア人じん共和きょうわ国こく亡命ぼうめい政府せいふ - 2008年ねん承認しょうにん

かつて承認しょうにんしていた国くに

• ツバルは、2011年ねん9月に承認しょうにんしたが、2014年ねん3月がつにジョージアとの関係かんけいから撤回てっかいしている。

南みなみオセチアが国家こっか承認しょうにんしている地域ちいき

アブハジア、沿ドニエストル、アルツァフのほか、

• 西にしサハラ（2011年ねん2月がつ27日にち承認しょうにん）
• ドネツク人民じんみん共和きょうわ国こく（2014年ねん6月がつ18日にち承認しょうにん）
• ルガンスク人民じんみん共和きょうわ国こく（2014年ねん6月がつ27日にち承認しょうにん）

がある。いずれも南みなみオセチアを国家こっか承認しょうにん（サハラ・アラブ民主みんしゅ共和きょうわ国こくは事実じじつ上じょう）している。

軍事ぐんじ

現役げんえき兵へい3千せん人にんを有ゆうし、最大さいだい1万まん5千せん人にんまでの予備よび役やくが動員どういん可能かのうである。詳細しょうさいは、南みなみオセチア共和きょうわ国軍こくぐんを参照さんしょう。

その他たの軍事ぐんじ力りょくとして、内務省ないむしょう（OMON2個こ大隊だいたい、SOBR）、国家こっか保安ほあん委員いいん会かい（国境警備隊こっきょうけいびたい）、国家こっか警護けいご庁ちょうが存在そんざいする。

ロシアによるウクライナ侵攻しんこうの影響えいきょう

2022年ねん2月がつ24日にちに開始かいししたロシアによるウクライナ侵攻しんこうでは、当初とうしょ南みなみオセチアはロシア側がわへと加担かたんし、ウクライナに武装ぶそう部隊ぶたいを派遣はけんしていた。

ロシアがキーウ攻略こうりゃくから撤退てったいすると、南みなみオセチア共和きょうわ国こく大統領だいとうりょうであったアナトリー・ビビロフは3月がつ末まつ、プーチン政権せいけんの意いを受うけ、南みなみオセチアのロシア編入へんにゅうに向むけた法的ほうてき手続てつづきに入はいる方針ほうしんを表明ひょうめいし、3月31日にちには、ロシア南部なんぶの北オセチア共和国きたおせちあきょうわこくとの統合とうごうが必要ひつようだとロシア国営こくえいテレビに主張しゅちょうした。

5月8日にちの大統領だいとうりょう選せん決選けっせん投票とうひょうでは、ロシアとの統合とうごうを急いそいでいたビビロフ大統領だいとうりょうが敗北はいぼくを喫きっし、統合とうごうに慎重しんちょうなアラン・ガグロエフが当選とうせんした。なお、ジョージア政府せいふはウクライナ戦争せんそうに関かんしては一貫いっかんして中立ちゅうりつを維持いじしている。

関連かんれん項目こうもく

• 国家こっか承認しょうにんを得えた国連こくれん非ひ加盟かめいの国くにと地域ちいきの一覧いちらん
• 民主みんしゅ主義しゅぎと民族みんぞくの権利けんりのための共同きょうどう体たい
• サッカー南みなみオセチア代表だいひょう
• ドネツクと南みなみオセチアの関係かんけい

外部がいぶリンク

• 南みなみオセチア大統領だいとうりょう府ふ（ロシア語ご）
• 南みなみオセチア共和きょうわ国こく国家こっか情報じょうほう・出版しゅっぱん委員いいん会かい（ロシア語ご）（英語えいご）
• 非ひ公認こうにんの国々くにぐに 南みなみオセチア - ウェイバックマシン（2005年ねん11月4日にちアーカイブ分ぶん）
• 『南みなみオセチア』 - コトバンク