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変速機 (自転車) - Wikipedia コンテンツにスキップ

変速へんそく (自転車じてんしゃ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ほんこうでは自転車じてんしゃにおける変速へんそく(へんそくき)について解説かいせつする。自転車じてんしゃにおいては操作そうさ機構きこうふくめて説明せつめいすることが不可欠ふかけつであるため、それについてもほんこうにてあつかう。

概説がいせつ

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すうとトルクの関係かんけいしめしたしき
うしがわスプロケットおおきく(あるいはチェーンホイールちいさく)すると変速へんそくちいさくなり、出力しゅつりょくトルクはおおきくなり回転かいてんごとすす距離きょりみじかくなる。
うしがわスプロケットをちいさく(あるいはチェーンホイールをおおきく)すると変速へんそくおおきくなり、出力しゅつりょくトルクはちいさくなり回転かいてんごとすす距離きょりながくなる。

原動機げんどうきのあるほかもの同様どうよう駆動くどうりょくとなる回転かいてん運動うんどうなんらかの機構きこうにより走行そうこうてきした回転かいてんすうおよびトルク変換へんかんし、車輪しゃりん伝達でんたつする装置そうちまたは機構きこうす。ただし原動機げんどうきいたおおくのものはその回転かいてんすう減速げんそくしてトルクをすのにたいし、自転車じてんしゃぞうそくしてトルクを減少げんしょうさせる。

自転車じてんしゃ場合ばあい人間にんげんあしまれなど)でクランク回転かいてんさせるちから原動力げんどうりょくとなる。原動機げんどうきして回転かいてんおそく、ちから(トルク)はおおきい(ここでう「トルクがおおきい」とは、車体しゃたい積載せきさいぶつ、そして乗員じょういん重量じゅうりょう加速かそくするのにようするちから比率ひりつす)。そこで、変速へんそく利用りようしてクランクの回転かいてんかくたいするホイールの回転かいてんかく比率ひりつ変換へんかんして必要ひつよう車輪しゃりん回転かいてんすうとトルクをる。

たん駆動くどうけいにおいてこの回転かいてんすう変換へんかん単一たんいつ機構きこうおこなう(シングルスピード)だけでは変速へんそくとはばず、なんらかの人為じんいてき操作そうさによってこの回転かいてんすう変換へんかん比率ひりつ任意にんい変更へんこうする装置そうち機構きこう日本にっぽん自転車じてんしゃでは一般いっぱん変速へんそくんでいる(欧米おうべいにおいてはこの意味いみでの変速へんそくがなくてもドライブトレイン・システム)としてたんそく多段ただん変速へんそくにかかわらず包括ほうかつてき呼称こしょうする。英語えいご記事きじ参照さんしょう)。

自転車じてんしゃにおける駆動くどうりょく伝達でんたつ方法ほうほうチェーンベルトシャフトなどがげられるが、とりわけだい多数たすうをチェーンによる伝達でんたつめる。チェーン駆動くどう場合ばあい変速へんそく直径ちょっけいことなる歯車はぐるまにチェーンをえておこなうが、この「え」をおこな機構きこうしてとくディレイラー(またはディレーラー。もと鉄道てつどう用語ようごで、英語えいごで"脱線だっせん"の)とぶ。その駆動くどう方式ほうしき、またはチェーン駆動くどうふくめて、チェーンのえではなく歯車はぐるまえて変速へんそくおこなうものもあり、この場合ばあい内装ないそう変速へんそくんで区別くべつする。これにたいするディレイラーを外装がいそう変速へんそく分類ぶんるいすることもある(かく項目こうもく詳説しょうせつ)。

この機構きこう操作そうさするための人間にんげん変速へんそく動作どうさ伝達でんたつする機構きこうして、またはこれもふくめた機構きこう全体ぜんたい変速へんそくぶこともある。スポーツ自転車じてんしゃおおいが、操作そうさ部分ぶぶんのみをしてとくシフターまたはシフトなどとぶことがある。自転車じてんしゃ場合ばあい、ある変速へんそく機構きこう維持いじする、すなわち位置決いちぎめの機能きのうもこのシフターがっている場合ばあいおおい。変速へんそく機構きこう全体ぜんたい電動でんどう駆動くどうするものも登場とうじょうしている。

電動でんどうアシスト自転車じてんしゃも、原則げんそくてき乗員じょういんの踏力(こぐちから)をくわえないと電動でんどうモーターがうごかず、アシストをれば普通ふつう自転車じてんしゃおなじなので、外装がいそう内装ないそうわず一般いっぱんおな変速へんそく搭載とうさいしている。

自転車じてんしゃにおける変速へんそく変速へんそく選択せんたく、いわゆる段数だんすうは、一般いっぱんしゃおおい2、3だん程度ていどからスポーツしゃの20〜30だん前後ぜんこうおよぶものまで幅広はばひろい。スポーツしゃは、クランクがわ車輪しゃりんがわそれぞれに変速へんそくち、このわせにより段数だんすう飛躍ひやくてきおおくなっている。ただし、歯車はぐるまかならずしもさい上段じょうだんからさい下段げだんまできれいにならんでいるわけではなく、ふたつの変速へんそくわせによっては変速へんそくかさなる部分ぶぶんもあるため、この操作そうさとき競技きょうぎにおける優劣ゆうれつけっするテクニックとなっている。

歴史れきし

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前史ぜんし

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ペニー・ファージングがた自転車じてんしゃ
安全あんぜんがた自転車じてんしゃ

19世紀せいき登場とうじょうしたペニー・ファージングがた自転車じてんしゃは、駆動くどうである前輪ぜんりんがそのままクランクに直結ちょっけつしている。

19世紀せいき後半こうはん安全あんぜんがた自転車じてんしゃ登場とうじょうすると、チェーン駆動くどうによりクランクがわ動輪どうりんがわ歯車はぐるまちが駆動くどう方式ほうしきになった。これが広義こうぎでいうところの(クランクと動輪どうりん回転かいてんすうちがう)変速へんそく機構きこうったはじめての自転車じてんしゃとなった。これにより、複雑ふくざつ機構きこうたないもっと初歩しょほてき変速へんそく機能きのう実現じつげんした。動輪どうりん両面りょうめんおおきさのちが歯車はぐるまけ、変速へんそくしたいときには動輪どうりんはずし、裏返うらがえして選択せんたくするので、ダブルコグという。21世紀せいき現在げんざいでも一部いちぶ自転車じてんしゃ使つかわれつづけている。

このころ自転車じてんしゃはまだクランクと動輪どうりん連動れんどうしていた、つまりフリーホイール機構きこうたないものであった。

フリーホイールの登場とうじょう

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19世紀せいき後半こうはんから20世紀せいき初頭しょとう自転車じてんしゃにおいては、はじめてフリーホイール機構きこう考案こうあんされた。これは、駆動くどうトルクを一方いっぽうむかい前進ぜんしん方向ほうこう)のみに伝達でんたつし、駆動くどうトルクをくわえる(クランクをまわす)のをやめると動輪どうりんはそのまま空転くうてんする機構きこうである。

フリーホイールなしに変速へんそく構成こうせいしたとすると、走行そうこうちゅう変速へんそく操作そうさをしたとたんにクランクの回転かいてんすう突然とつぜんわるばかりか、変速へんそく歯車はぐるま破損はそんするおそれもある。 また、のち登場とうじょうするチェーンがた外装がいそう変速へんそくぎゃく回転かいてんでのトルクが原理げんりじょうかけられないため、フリーホイールは不可欠ふかけつとなる。

この機構きこう自動車じどうしゃオートバイにおけるクラッチワンウェイクラッチ)の役割やくわり相当そうとうし、スムーズな変速へんそくなめらかな心地ごこち変速へんそく保護ほご実現じつげんしている。

初期しょきのフリーホイールにかんする特許とっきょは、1869ねんにアメリカで取得しゅとくされた。その、イギリス、ドイツと各国かっこく改良かいりょうかさねられ現在げんざいのフリーホイールが完成かんせいしていく。

変速へんそく登場とうじょう

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ロードスター

まず内装ないそうしき変速へんそく1900年代ねんだい登場とうじょうする[1]重量じゅうりょうおおきい、信頼しんらいせいけるなどの欠点けってんもあったが1936ねんスターメーアーチャーしゃが「AW-3」を開発かいはつして品質ひんしつ向上こうじょうした。たいして外装がいそう変速へんそく開発かいはつ内装ないそうくらべておくれた。内装ないそうくらべて複雑ふくざつ機能きのう露出ろしゅつしているので舗装ほそうすくない当時とうじ道路どうろ状況じょうきょうではこわれやすく頻繁ひんぱんなメンテナンスを必要ひつようとしたこともげられるが、なにより当時とうじ自転車じてんしゃ競技きょうぎ世界せかいでは変速へんそく女性じょせい子供こども使つかうものという観念かんねんつよかったからである。ツール・ド・フランス創始そうししゃアンリ・デグランジュもそのようなかんがえを終生しゅうせいっていた。ツールで変速へんそく使用しようみとめられるのは、デグランジュがディレクターをした1937ねんからである。

フリーホイールとAW-3内装ないそう変速へんそくとも搭載とうさいし、現在げんざいまでつづ一般いっぱん自転車じてんしゃ基礎きそてきかたちとして完成かんせいしたのが、イギリスのロードスターがた自転車じてんしゃである。

外装がいそう変速へんそく進化しんか

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その自転車じてんしゃ普及ふきゅう自転車じてんしゃ競技きょうぎ興隆こうりゅうともなって外装がいそう変速へんそくはさまざまなこころみがおこなわれ基本きほんてき構造こうぞう(すなわちかさわせた大小だいしょうのチェーンリングないしスプロケットのたばでチェーンをよこ移動いどうさせることにより変速へんそくさせる仕組しくみ)がだい世界せかい大戦たいせん前後ぜんご定着ていちゃくした。そしてサンプレックスユーレ、シクロ(Cyclo)ゼウスカンパニョーロなどのメーカーがあらわれる。当時とうじのリアディレーラーはクランクを逆転ぎゃくてんさせて変速へんそくするものであったが次第しだい改良かいりょうくわえられ、逆転ぎゃくてん必要ひつようがないスライドシャフト方式ほうしき、さらには変速へんそく性能せいのうすぐれたパンタグラフ方式ほうしきへと徐々じょじょ進化しんかして1971ねんカンパニョーロしゃより「ヌーヴォレコード」が発表はっぴょうされ現在げんざいのリアディレーラーの基本きほん設計せっけいがほぼ定着ていちゃくする。この時期じきまえのギアが2だんうしろが5だん変速へんそく一般いっぱんてきだった(2018ねん現在げんざい最新さいしん機種きしゅではリアはロードバイクけ、MTBとも最高さいこう12だん)。

シフターといえばダウンチューブにける小型こがたレバー(ダウンチューブシフター、しばしばダブルレバーとばれる)が中心ちゅうしん時代じだいながつづき、ドロップエンドにけるバーエンドコントローラーやフラットハンドルけのサムシフターなどもあらわれたものの、その圧倒的あっとうてきなシェアにはわりがなかった。また当時とうじのレバーは段階だんかいうごき(「フリクション」という)レバーの具合ぐあいによるディレーラーの位置決いちぎめはライダー各人かくじんかんたより、それを熟達じゅくたつしているかが勝敗しょうはいめもした。しかし初心者しょしんしゃには使つかいづらく、ちょっとしたことでギアを変速へんそくしそこなったりおとりがすることもおおかった。当時とうじコンポーネントこそ存在そんざいしたもののフロントディレーラー、リアディレーラー、シフターを個別こべつ使用しようする場合ばあいもあり、ちがうメーカーの変速へんそく互換ごかんせい対応たいおうするために、ある意味いみでは調節ちょうせつ許容きょよう範囲はんいおおきいフリクションでないと不都合ふつごうだった。ロードレースはこの状態じょうたいがしばらくつづいた。

技術ぎじゅつ革新かくしん

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1973ねん日本にっぽんシマノあらたに外装がいそう変速へんそく位置決いちぎめシステムとして開発かいはつした「ポジトロンシステム」を利用りようした、自動車じどうしゃのギアセレクターをした変速へんそくレバーが、1970年代ねんだい後半こうはん以降いこうジュニアけスポーツサイクルでに急速きゅうそく普及ふきゅうしていった(くわしくは少年しょうねんようスポーツサイクル参照さんしょう)。当時とうじ変速へんそくにカチカチおんがして、しかもバカでかい変速へんそくレバーがついて、まるでおもちゃみたい」「ジュニアようならともかくレースよう使つかえる精度せいど・サイズのものはつくれない」との意見いけん業界ぎょうかい大勢おおぜいめていた。[だれによって?]

それにたいし、シマノは地道じみち精度せいど向上こうじょう小型こがたけた開発かいはつつづけ、ロードバイクよう変速へんそくシステムとして「SISシマノ・インデックス・システム)」を1983ねん開発かいはつ。さらに1986ねんにはマウンテンバイクようのSISを市場いちば投入とうにゅうした。

当時とうじフラットハンドルようのシフターはサムシフターが主流しゅりゅうだったが、これは従来じゅうらいのフリクションではでの変速へんそくがおぼつかず、確実かくじつ変速へんそくもとめられた。この要求ようきゅうこたえるかたち開発かいはつされたSISでは、レバーが段階だんかいてきうごくため、あらかじ調整ちょうせいしておけばかならただしい位置いちにディレーラーを移動いどうさせることができ、飛躍ひやくてき操作そうさらくになった。またこのころからスプロケットの段数だんすう一気いっきえていく。

そしてシマノは1989ねん旧来きゅうらいのサムシフターにわり「STIシマノ・トータル・インテグレーション)」にもとづくマウンテンバイクようシフター「ラピッドファイヤー」を発表はっぴょう。さらに1991ねん、ロードコンポーネントにおいても、この技術ぎじゅつかしブレーキレバーによってシフティング操作そうさすることで、ハンドルからはなさなくとも変速へんそくできる画期的かっきてきな「デュアルコントロールレバー」を開発かいはつした。

これをかたちでカンパニョーロもほぼどう機能きのうをもった「エルゴシステム」を開発かいはつ。これらの登場とうじょうによりダウンチューブシフターは徐々じょじょすたれ、ロードレースの世界せかいから姿すがたした。またフラットハンドルけのサムシフターも、後発こうはつのグリップシフトやラピッドファイヤーなどといったシフターに刷新さっしんされていった。

電動でんどう・コンピュータ制御せいぎょ

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外装がいそう変速へんそく駆動くどう変速へんそくとレバーのあいだのケーブル張力ちょうりょくではなく電動でんどうなどの仕組しくみでおこなうアイデアは、1979ねん丸石自転車まるいしじてんしゃ電動でんどう変速へんそくシステムとして「ヤングホリデー・PCスーパー5FFP」、1980ねん「ヤングホリデー・PCスーパー6」などを発表はっぴょうしたほか、1993ねんマヴィックが「ZMS」を発表はっぴょうするなど、20世紀せいきちゅうにもいくつか実装じっそうれい存在そんざいしているが、2000年代ねんだいはいると技術ぎじゅつ成熟せいじゅくともな徐々じょじょ電動でんどう・コンピュータ制御せいぎょすすんだ。

2001ねんにはシマノが電動でんどう・コンピュータ制御せいぎょ変速へんそく駆動くどうするシステムとして「Di2(Digital Integrated Intelligence)」システムを発表はっぴょう[2]よく2002ねん発売はつばいされた同社どうしゃシティサイクルけコンポーネント「NEXAVE」の上位じょういモデルにDi2搭載とうさいモデルが設定せっていされ、その2009ねんには同社どうしゃデュラエースにもDi2搭載とうさいモデルが設定せっていされるようになった。カンパニョーロもこれに対抗たいこうして2010ねんには電動でんどうコンポーネントを発表はっぴょうしているほか[3]、イタリアのTiSOも2012ねんに12そく電動でんどうコンポーネントを発売はつばいしている[4]

さらに2015ねんには、それまで電動でんどうコンポーネントの市販しはんおこなわずにいた[5]SRAMが、電動でんどうかつワイヤレスの変速へんそくシステムをUCIワールドツアーに投入とうにゅう[6]。ただし変速へんそくとレバーのあいだ通信つうしん方式ほうしきとう詳細しょうさい開示かいじされていないほか、市販しはん予定よてい未定みていとなっている。

なおシマノのNEXAVEは、たんにシフト操作そうさ電動でんどうしたにとどまらず、サイクルコンピュータ連動れんどうして現在げんざい速度そくどやペダル踏力とう検知けんちしフルオートマチックで変速へんそくおこなうことが可能かのうとなっているが、従来じゅうらい変速へんそく比較ひかくしてかなり高価こうかなことや既存きそん自転車じてんしゃ変速へんそくのみをえることができないことなどがネックとなり、普及ふきゅうにはいたっていない。

内装ないそう変速へんそく進歩しんぽ

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前述ぜんじゅつとはことなり、黎明れいめい以降いこう内装ないそう変速へんそく開発かいはつのスピードは外装がいそう変速へんそく発達はったつくらべるとおそかった。変速へんそくがハブ内部ないぶにあるため部品ぶひん交換こうかん車輪しゃりんなお手間てまがかかること、そして競技きょうぎよう用途ようととしての変速へんそくはや段階だんかいから外装がいそう変速へんそく主流しゅりゅうとなったので最新さいしん技術ぎじゅつつねもとめられる需要じゅようがなかったためとかんがえられる。すでにスターメーアーチャーが5だん変速へんそく、7だん変速へんそく変速へんそくを、ザックスが12だん変速へんそく変速へんそくしてはいたが前者ぜんしゃ操作性そうさせいわるでは往年おうねんのAW-3ほどの完成かんせいはなく、後者こうしゃ生産せいさん中止ちゅうしとなった。そのなかでシマノが「インター7」を発表はっぴょう。つづいてザックスを吸収きゅうしゅうしたSRAMが参入さんにゅうし、ローロフが14だん変速へんそく内装ないそう変速へんそく開発かいはつする。台湾たいわんサンレースしゃ吸収きゅうしゅう合併がっぺいされた新生しんせいサンレース・スターメーアーチャーもオーバーロックナット寸法すんぽうが120mmから調整ちょうせいできて使用しようできる8だん変速へんそく開発かいはつしている。

変速へんそく

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内装ないそうしき変速へんそく内部ないぶ構造こうぞう

自転車じてんしゃ変速へんそくではクランクまたはリヤハブスプロケットけられたすうことなる歯車はぐるまチェーンえるか、ハブなどに内蔵ないぞうされた遊星ゆうせい歯車はぐるま機構きこうのギヤ変更へんこうすることによって変速へんそくする。前者ぜんしゃ外装がいそうしき後者こうしゃ内装ないそうしきんで区別くべつする。

内装ないそう変速へんそく

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ハブギア」などとも。遊星ゆうせい歯車はぐるま機構きこう内部ないぶ密封みっぷうしているために、どろよごれにつよ耐久たいきゅうせいがある。また停止ていしにも変速へんそくができるので、交通こうつうりょうおお市街地しがいちはし自転車じてんしゃく。また一部いちぶではあるがチェーンの張力ちょうりょく一定いっていのため、チェーントラブルがすくないのが特徴とくちょう欠点けってん外装がいそう変速へんそくくらべておもいことと、変速へんそく段数だんすうかぎられること、伝達でんたつ効率こうりつすうパーセントちること、高価こうかであることである。後述こうじゅつ外装がいそう変速へんそくで、スプロケットあいだえができないベルトドライブシャフトドライブ自転車じてんしゃでは内装ないそう変速へんそくもちいる。

一般いっぱんてき内装ないそう変速へんそく伝達でんたつ効率こうりつは90〜95パーセントで、ギアごと伝達でんたつ効率こうりつおおきい。直結ちょっけつギア(変速へんそく1.0)がどれなのかは、メーカーによってことなる(シマノインター3は2そく該当がいとう[7]

外装がいそう変速へんそく

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リアディレイラー フロントディレイラー
リアディレイラー
フロントディレイラー

チェーンをはずす(はずしてえる)ことからかたりである「ディレイラー」のでもっぱらばれる[8]

また、とくにそれぞれを場合ばあいは、クランクがわ前側まえがわであるため「フロントディレイラー」、ハブのスプロケットがわのものをうしがわであるため「リアディレイラー」とぶ。

フロントディレイラーが単純たんじゅん脱線だっせん機能きのうのみゆうしているのにたいし、リアディレイラーはチェーンテンショナーをねた構造こうぞうとなっており一般いっぱん複雑ふくざつである。フロントだけという構成こうせいでは、べつにテンショナーが必要ひつようになる。

段数だんすう可変かへんはばおおきくとれ、軽量けいりょう確実かくじつ操作そうさおこなえるが外部がいぶ機能きのう露出ろしゅつしているためどろなどによわく、また頻繁ひんぱんなメンテナンスをようする。ロードバイクなど自転車じてんしゃ競技きょうぎよう車種しゃしゅく。

てい価格かかくのシティサイクルではコストダウンのために高価こうか内装ないそう変速へんそくではなく、より安価あんかにできる外装がいそう変速へんそく採用さいようされることがる。

現在げんざい[いつ?]では外装がいそう変速へんそくはおおよそロードバイクようマウンテンバイクようとに二分にぶんされている。とくにリアディレーラーはそのちがいが顕著けんちょである。

  • ロードバイクようのものは可動かどう部分ぶぶん水平すいへいちかい「横型よこがた」になっており、対応たいおうできるスプロケットの最大さいだいすう比較的ひかくてきちいさいが機敏きびん変速へんそく可能かのう
  • マウンテンバイクようのものでは可動かどう部分ぶぶん垂直すいちょくちかい「たてがた」であり、ロードバイクようほど変速へんそく機敏きびんではないものの、おおきなスプロケット直径ちょっけい対応たいおうできる。これは変速へんそくさいのチェーン移動いどうりょう考慮こうりょしたものである(マウンテンバイクのほうおおきな移動いどうりょうようする)。またツーリングよう自転車じてんしゃにもマウンテンバイクようのものがもちいられることがおおい。

可動かどう部分ぶぶんかたむきは、カセットスプロケットのわせにおうじて設計せっけいされている。最小さいしょうすうは11か12がおお製品せいひんはないから、最大さいだいすうわせてつくられる。またリアディレーラーの仕様しようとしてキャパシティがあり、フロントもふくめた最大さいだいすう最小さいしょうすうでありチェーンテンショナーとしての対応たいおう範囲はんいあらわしている。ロードバイクようはMTBようくら最大さいだいすう、キャパシティどもちいさくつくられている。MTBの競技きょうぎによっては、ロードようのカセットスプロケットとリアディレーラーのわせが積極せっきょくてき利用りようされることがある(ダウンヒルなど)。

一般いっぱんてき外装がいそう変速へんそく伝達でんたつ効率こうりつは95パーセント程度ていどで、ギアごと伝達でんたつ効率こうりつちいさい。200ワット以上いじょうのパワーをかけたほうが効率こうりつ[7]

前述ぜんじゅつとお外装がいそう変速へんそくには変速へんそくさせたのちぎゃく方向ほうこうにペダルをまわす(ぎゃく方向ほうこうのトルクをかける)と故障こしょうしてチェーンのえなど修理しゅうりしないと走行そうこう不可ふかになる。根本こんぽん対策たいさくではないが、シマノが開発かいはつした『FFシステム』というチェーンリングとクランクのあいだにフリー機構きこう搭載とうさいされている自転車じてんしゃであれば変速へんそくちゅうにペダルをぎゃくまわしてもチェーンははずれない。

ディレイラーガード ディレイラーハンガー
ディレイラーガード
ディレイラーハンガー

リアディレイラーは車体しゃたい側面そくめん突出とっしゅつであるため転倒てんとうや、整地せいち走行そうこうなどで接触せっしょく破損はそんしやすく、ディレイラーガードとばれるおもちいさなロールバーじょう保護ほご用意よういされている。しかし取付とりつけ形式けいしきにもよるが、衝突しょうとつ負荷ふかがフレームにまともにつたわって破損はそんさせるおそれもある。スポーツよう自転車じてんしゃではアクシデントもっと高価こうかなフレームの保全ほぜん優先ゆうせんしディレイラーは緩衝かんしょうざい[9]、ディレイラーまわりの整備せいびせいかか障害しょうがいぶつのぞく、重量じゅうりょう削減さくげん突出とっしゅつりょうらし接触せっしょく可能かのうせいげんじるといったかんがえからガードはけないのが主流しゅりゅうで、むしろ廉価れんかなシティサイクルやルックしゃ場合ばあいおおい。日本にっぽんよりも海外かいがいほうがディレイラーガードのニーズはおおく、形状けいじょう材質ざいしつなど様々さまざま製品せいひんられる。

外装がいそう変速へんそく歴史れきし

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ふる外装がいそう変速へんそく。2つのレバーでチェーンえと、車軸しゃじくをずらしてテンション調整ちょうせいおこなう。

初期しょきにおいては、ネジじょうじくじょうにある滑車かっしゃをワイヤーでくことで回転かいてんさせて変速へんそくごと真横まよこにずらす(フランスのシクロやイギリスのシクロ・ギヤなどでられる)2ほん変速へんそく登場とうじょうした。さらに、内装ないそう変速へんそくのようにワイヤにつながれたちいさなチェーンで「たけばね」をせて変速へんそくごと真横まよこにずらす(ユーレサンプレックスなどでられる)タケノコしき変速へんそく登場とうじょうした。いずれもその性能せいのうほかに、ちょくどう機構きこうであるため自転車じてんしゃ部品ぶひんとして安価あんか大量たいりょう生産せいさんにはかないという問題もんだいがあった。これを4せつリンクの利用りようにより解決かいけつしたのは、おもカンパニョーロ開発かいはつによるパラレログラムしきである(パラレログラムとは平行四辺形へいこうしへんけいのこと。パンタグラフとばれることもおおいが、機構きこう幾何きかてきにはパンタグラフのような菱形ひしがたではなく、平行四辺形へいこうしへんけいである)。さらに1960年代ねんだいサンツアー開発かいはつ特許とっきょとなった、これをななめに設置せっちすることで階段かいだんじょうのスプロケットに沿わせてプーリーをうごかす「スラントパラレログラム(なな平行四辺形へいこうしへんけい)」方式ほうしきは、1980年代ねんだい特許とっきょによる独占どくせん期間きかんれたのち他社たしゃすべ採用さいようし、ほとんどすべての製品せいひんどう方式ほうしきになっている。

外装がいそう+内装ないそう変速へんそく

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古典こてんてき内装ないそう3だん変速へんそく外装がいそう変速へんそく合体がったいさせた変速へんそくおもたた自転車じてんしゃなど自転車じてんしゃ競技きょうぎよう以外いがいのもの、または二人ふたり自転車じてんしゃリカンベントのような、チェーンが通常つうじょうよりなが途中とちゅうにアイドラスプロケットをゆうし、おおきく脱線だっせんさせることがむずかしい自転車じてんしゃ使つかわれる。チェーンテンションがある程度ていど一定いっていでキャパシティをもとめられないことと、フロントディレーラーを併用へいようせずともリヤディレーラーのみで変速へんそく段数だんすうかせぐことができるために、リカンベントへの採用さいようおおい。「デュアルドライブ」はSRAMの商標しょうひょう、「インテゴ」はシマノの商標しょうひょうである。

シフター

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変速へんそく指示しじ装置そうちをシフターといい、ふるくは金属きんぞくせいのロッドで直接ちょくせつ変速へんそく装置そうちうごかしていた(ファウスト・コッピ使つかったカンパニョーロ「パリ・ルーベ」など)。現在げんざい主流しゅりゅうはワイヤでできたつつじょうの(アウター)のなかにワイヤ(インナー)をとおしたボーデンケーブル英語えいごばんドイツばんもちいて、インナーをうごかすことによって変速へんそく装置そうちうごかすワイヤ方式ほうしき主流しゅりゅうである(保安ほあん部品ぶひんであるブレーキとくらべ、安全あんぜん要件ようけんゆるいシフターにはよりほそいワイヤーをもちいたり、可動かどう以外いがいではアウターをはぶいてワイヤーがむきしになっていることもおおい)。電動でんどうしき油圧ゆあつしき開発かいはつさかんにおこなわれている。前述ぜんじゅつのSISなど、位置決いちぎ機構きこうのついたインデックスタイプと、いていないフリクションタイプとがある。

ドロップハンドル

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ダウンチューブシフター

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専用せんよう台座だいざかいして装着そうちゃくされたシマノSL-R400

2ほん小型こがたレバーをダウンチューブにける伝統でんとうてきシフター。バンドをかいしてダウンチューブにけるものと、ダウンチューブにあらかじ溶接ようせつされている台座だいざけるものがある。レバー操作そうさには、カチカチと一定いってい間隔かんかくごとにおさまる場所ばしょのある「インデックス」タイプと、段階だんかいにひねって固定こていする「フリクション」タイプがあるが、シマノ・デュラエースは7800けいまではフロントはフリクション、リヤはインデックスとフリクションをえられるようになっていた。7900けいでリヤがインデックスのみになった。

長所ちょうしょとしてはシンプルなため軽量けいりょうかつ安価あんかであること、耐久たいきゅうせいひいでていること、整備せいびせい分解ぶんかいせいひいでていることがげられる。このため、はなわこう前提ぜんていとしたランドナースポルティーフでは現在げんざいでも主流しゅりゅうである。またフリクションタイプの場合ばあいはリアディレーラーの厳密げんみつ調整ちょうせい不要ふよう(チェーンがきちんとかっていないなら自分じぶんでレバーをひねって位置いちわせすればよい)なので、多段ただんしたリヤディレーラーの調整ちょうせいいと愛好あいこうなかにはえてフリクションタイプのダウンチューブシフターを使用しようするれいられる。

短所たんしょとしては、変速へんそくさいハンドルからいちいちはなして、ダウンチューブまでっていかなくてはならないてんげられる。これはレースちゅう局面きょくめん(ダンシング、ダウンヒル、スプリントなど)ではインテグレーテッド・タイプにくらあきらかに不利ふりであり、現在げんざいではロードレースよう競技きょうぎ車両しゃりょうにはほとんどもちいられない。オフロードよう自転車じてんしゃについても、荒地あれち走行そうこうちゅうにハンドルからはなすことは大変たいへん危険きけんなのでもちいられない。しかし、今中いまなか大介だいすけによれば「STIレバーはハンドルのりょうはし重量じゅうりょうぶつくためWレバーにくらべハンドル慣性かんせいモーメントがおおきくなり、選手せんしゅなかにはそれをきらうものもすくなくなかった」とのことで[10]現在げんざい[いつ?]もあえてダウンチューブシフターを選択せんたくする選手せんしゅ少数しょうすうながら存在そんざいする。

いちれいとして、ランス・アームストロング山岳さんがくステージよう車両しゃりょうでフロントの変速へんそくのみダウンチューブシフターをもちいていた。理由りゆう軽量けいりょうのためだといわれている。ただし当時とうじすでに競技きょうぎ車両しゃりょう最低さいてい重量じゅうりょうめられており、インテグレーテッドレバーでも最低さいてい重量じゅうりょう達成たっせいすることは可能かのうであったため、今中いまなかけんかつぎの可能かのうせい指摘してきしている。

デュアルコントロールレバー

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デュアルコントロールレバー

1991ねんにシマノがはじめて実用じつようしたブレーキレバーによって変速へんそく操作そうさおこなえる一体いったいがたレバー。変速へんそくさいハンドルからはなさずにすむという非常ひじょうおおきなメリットがあるため、プロようから入門にゅうもんようまで非常ひじょうおおくの自転車じてんしゃけられており、現在げんざいのレース機材きざいには標準ひょうじゅん装備そうびされることが普通ふつうである。しかしややおも内部ないぶ機構きこう複雑ふくざつうえにダウンチューブシフターにくらべると高価こうかであり、タイムトライアルバイクによく使つかわれるブルホーンハンドルようブレーキではシフト機構きこうめないために機械きかいしきのデュアルコントロールレバーは存在そんざいしない。ただDURA-ACE Di2のような電動でんどうしきデュアルコントロールレバーも登場とうじょうし、2010ねんにはあらかじめ電線でんせん内蔵ないぞうしたフレームも販売はんばいされはじめている。機能きのうじょうフリクションで使つかえないためにインデックスタイプのみ。またシマノ以外いがいにもほぼおな機能きのうをもったカンパニョーロの「エルゴパワー」、SRAMの「ダブルタップコントロール」や「シマノ互換ごかん」のレバー、そのマイナーな独自どくじ形式けいしき存在そんざいする。国内こくないではこのたねのシフターすべてをデュアルコントロールレバーもしくはSTI(シマノトータルインテグレーションシステムのりゃく)とぶこともあるが、どちらもシマノの商標しょうひょうである。日本にっぽん国外こくがいでSTIといえばおおくはシマノのデュアルコントロールレバーをす。

バーエンドコントローラー

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バーエンドシフター

ハンドルバーの末端まったん位置いちするシフター。ダウンチューブシフターを専用せんよう台座だいざでハンドルまつはしけた形態けいたいである。デュアルコントロールタイプが出現しゅつげんするまでは、ゴールまえのスプリントにおいてしもハンドルをにぎりながら小指こゆび変速へんそくできる利点りてんや、はしるためハンドルからはなすことが危険きけんなシクロクロス競技きょうぎなどで使用しようされた。略称りゃくしょうは「バーコン」とい、ネットじょうではこちらのほうもちいられる。ハンドルから完全かんぜんはな必要ひつようくなるがやはりおおきく移動いどうさせなければならないこと、ワイヤのまわしが長大ちょうだいになり操作そうさかんおもくなることなどからデュアルコントロールタイプほどはこのまれない。レース機材きざいとしては、個人こじんタイムトライアルやトライアスロンでドラフティング禁止きんしのルールのレースにおいて、そらりょく特性とくせいたかめるためにブルホーンバーやTTバーといった特殊とくしゅなハンドルとわせて使つかわれることがほとんどである。とくタイムトライアルバイクについてはブルホーンハンドル+エアロバーのみあわせとなり機構きこうじょうデュアルコントロールレバーがけられないため、バーエンドコントローラー以外いがい選択肢せんたくしがない。

有利ゆうりてん構造こうぞうがシンプルで耐久たいきゅうせい、メンテナンスせいたかいことがげられる。耐久たいきゅう性能せいのう着目ちゃくもくしてブルベなどの競技きょうぎではないものに使つかわれること[11]たた自転車じてんしゃのように海外かいがい遠征えんせいさい故障こしょうのリスクをすくなくするために使つかわれること[12]がある。シマノ製品せいひん場合ばあいはロードレーサーようとマウンテンバイクようでフロントディレーラーの規格きかくことなるため、ドロップハンドルの車両しゃりょうにマウンテンバイクようのクランクセットをもちいる場合ばあいにはインテグレーテッドレバーではなくバーエンドコントローラー(あるいはダブルレバー)を選択せんたくするしかない。インデックスタイプとフリクションタイプの両方りょうほうがある。

コマンド

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かつてサンツアー発売はつばいしていたシフター。シーソーのような構造こうぞうをしており、これをブレーキレバーの根本こんぽんけることで手元てもとでの変速へんそく可能かのうとなる。軽量けいりょうでブレーキレバーを自由じゆうえらべるなどの利点りてんもあったが結局けっきょくデュアルコントロールレバーにはてず、サンツアーの終焉しゅうえんともな姿すがたした。9そくや10そくよう改造かいぞうするためのキットも、もとサンツアーの技術ぎじゅつしゃ開発かいはつして販売はんばいしている。なお、「コマンド」はサンツアーの商標しょうひょうである。シマノもシマノ A050で「コマンド」と同様どうようにハンドルバーにバンドめでけることができるシフターを供給きょうきゅうしているが、安価あんか入門にゅうもんようロードけのパーツのため7そくにしか対応たいおうしていない。

トップチューブシフター

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トップチューブ前方ぜんぽうのボックスから自動車じどうしゃのフロアシフトのようにレバーがびている。車種しゃしゅは「モンテカルロ コンポデジメモ」(1981)

少年しょうねんようスポーツサイクル中心ちゅうしんに、トップチューブじょうにシフターをけていた。自動車じどうしゃのレンジセレクターとフロアシフトをしたレバーであった。シフトインジケーターが搭載とうさいされており、たんにレバーの位置いち目盛めもりがいているものや、機械きかいしきのバーがまどなか表示ひょうじされるもの、電子でんししきのインジケーターなどがあった。特長とくちょうとしては、ダウンチューブシフターより操作そうさしやすく、ポジションの確認かくにん容易よういである。欠点けってんとしては、ハンドルにけたシフターより操作そうさしにくいことと、トップチューブじょうにレバーがあるため乗車じょうしゃ降車こうしゃ邪魔じゃまになることである。また、事故じこ股間こかん腹部ふくぶ怪我けが原因げんいんになりやすい問題もんだいもあった。

フラットハンドル

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ラピッドファイヤー、トリガーシフター

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SHIMANO ST-EF50

ラピッドファイヤーは2ほんのレバーにシフトアップとダウンがそれぞれけられており、これを1ほんにまとめたものがトリガーシフターである。フラットハンドルけでは圧倒的あっとうてき支持しじているためたんにシフトレバーしくはシフターとんだ場合ばあい、フラットハンドルにおいてはこのタイプをすことがおおい。なお「ラピッドファイヤー」という名称めいしょうはシマノの、「トリガーシフター」はSRAMの商標しょうひょうである。

ちなみに、初期しょきのラピッドファイヤーはしも項目こうもくのエクスプレスシフターと同様どうよう、シフトアップとダウンの両方りょうほう親指おやゆびおこな方式ほうしきであったが、その「ラピッドファイヤープラス」として登場とうじょうした現在げんざい形式けいしきわった。登場とうじょうから20ねん熟成じゅくせいされ、から登場とうじょうしたデュアルコントロールレバーをも淘汰とうたするほど根強ねづよ人気にんきほこった。

デュアルコントロールレバー

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フラットハンドルけにもデュアルコントロールレバーは存在そんざいする。ブレーキをかけながら変速へんそくできるのが最大さいだい特徴とくちょうであるとして発売はつばいされたが、もともと操作性そうさせいわるかった「ラピッドファイヤー」や「トリガーシフター」をしのぐほどではなかったためユーザーから人気にんきられず、なおかつブレーキレバーとシフターの単品たんぴんわせるよりも高価こうかであったことから販売はんばい不振ふしんつづき、リア10そくコンポーネントから廃止はいしされた。発売はつばいしていたのはシマノのみで、こちらも「STI」とばれることがある。

エクスプレスシフター

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サンツアーが発売はつばいしていたシフトレバー。2ほんのレバーにシフトアップとダウンがそれぞれけられているのはラピッドファイアーとおなじだが、現在げんざいのラピッドファイヤーが片方かたがたのトリガーを人差ひとさゆび動作どうさであるのにたいし、エキスプレスシフターは、初期しょきのラピッドファイヤーと同様どうよう両方りょうほうのレバーを親指おやゆび動作どうさおこなう。

グリップシフト

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ブリヂストンサイクルとマエダ工業こうぎょう共同きょうどう開発かいはつしたシフター。可動かどうグリップと固定こていグリップに分割ぶんかつしたことを特徴とくちょうとしそれが基本きほん特許とっきょとなっている。シフトは可動かどうグリップをひねることによっておこなう。グリップの根本こんぽんけて使つかうため、専用せんようみじか固定こていグリップが必要ひつようとなる。利点りてんとしてはシフトゆびはなすことなくシフト出来できるため安定あんていかん非常ひじょうたかいことがげられる。欠点けってんとしては、ブレーキをきながら手首てくびねじるのがむずかしいためブレーキちゅうシフトがおこないにくいこと、いち多段ただん変速へんそくしようとすると手首てくび移動いどうりょうおおきくなりブレーキからゆびはなれてしまうことがげられる。現在げんざいシマノレボシフトという名前なまえ同様どうよう機構きこうのものを製作せいさくしているが、SRAMもシマノようのグリップシフターを用意よういしている。レボシフトについてはフロントフリクション(とはいえ、段階だんかいではなくこまかいクリックがある)、リアインデックスのわせ。

シマノ レボシフト SRAM グリップシフト
シマノ レボシフト
SRAM グリップシフト

サムシフター

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ハンドルにけられた一本いっぽんのレバーを左右さゆう回転かいてんさせることにより変速へんそくする形式けいしきおも親指おやゆび操作そうさしたことからこの名前なまえがある。フラットハンドルようとしてはもっとふるく、その構造こうぞうはシンプルで、ダウンチューブシフターを専用せんよう台座だいざでハンドルにけたものちかい。SIS開発かいはつまえ(1970年代ねんだい後半こうはんにはすで存在そんざいした)から流通りゅうつうしているタイプなので、サムシフターにかぎりフリクションで使つかえるものもある。レバー部分ぶぶんがY字形じけいになった「ウィッシュボーンシフター」というバリエーションも存在そんざいしていた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ラレーの歴史れきし 1902 ラレー自転車じてんしゃ英語えいごばん
  2. ^ コンピューター制御せいぎょ自転車じてんしゃようギアチェンジ・システム - WIRED.jp・2001ねん8がつ21にち
  3. ^ カンパニョーロが電動でんどうコンポーネントをサイクルモード東京とうきょう発表はっぴょう - ciclowired.jp・2010ねん11がつ10日とおか
  4. ^ イタリアのTISOが12そく無線むせん電動でんどうコンポーネントを発表はっぴょう - THE BIKE JOURNAL・2012ねん12月13にち
  5. ^ スラムが油圧ゆあつしきロードブレーキをラインナップ、ロードしん時代じだい油圧ゆあつキャリパーブレーキと油圧ゆあつディスクブレーキは普及ふきゅうするか?独自どくじ路線ろせんすすむコンポーネントメーカーはやっぱり面白おもしろ - cyclingtime.com・2013ねん4がつ19にち
  6. ^ ダウンアンダーでAG2Rがスラムの電動でんどうワイヤレスコンポをテスト - cyclowired・2015ねん1がつ19にち
  7. ^ a b [1] - Human Power Number52, 2001 summer
  8. ^ Derailleurつづられることがおおい。Derailleurフランス語ふらんすごもとになっていて、英語えいごでもDerailleur表記ひょうきされる。ディレイル (Derail) は、脱線だっせん意味いみする。意味いみてきにはまったおなじものだが、つづりとしてはDerailer鉄道てつどう機器きき使つかわれることがおお
  9. ^ 同様どうよう理由りゆうから、ディレイラーはハンガーとばれる多少たしょう強度きょうどおとるジョイント金具かなぐでフレームにけ、ディレイラーにくわわった衝突しょうとつりょくがフレームを破損はそんさせるリスクをげんじる。廉価れんかなフレームだとハンガー一体化いったいかしていることがある。
  10. ^ 「シマノ 世界せかいせいした自転車じてんしゃパーツ」(山口やまぐち和幸かずゆきしる光文社こうぶんしゃ2003ねん)pp.42 - 43
  11. ^ Pamela Blalock, Bikes for Randonnees, The Blayleys.
  12. ^ アーカイブされたコピー”. 2009ねん5がつ21にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2009ねん5がつ14にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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