毛利もうり祥さち久ひさ

毛利もうり 祥さち久ひさ（もうり よしひさ、1860年ねん4月がつ8日にち（万延まんえん元年がんねん3月18日にち） - 1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）12月9日にち）は、長州ちょうしゅう藩はん一門いちもん家老がろうである右田みぎた毛もう利家としいえの13代だい当主とうしゅで、男爵だんしゃく、銀行ぎんこう家か。

生涯しょうがい

父ちちは右田みぎた毛利もうり家かの11代だい当主とうしゅ毛利もうり元もと亮あきらで、二男じなんとして生うまれる。養父ようふは12代だい当主とうしゅ毛利もうり親ちかし信しん。1871年ねん（明治めいじ4年ねん）3月がつに親しん信しんと姉あね夫婦ふうふの養子ようしとなる。養父やぶ親ちかし信しんの没後ぼつご、1885年ねん（明治めいじ18年ねん）6月がつ12日にちに家督かとくを相続そうぞくし13代だい当主とうしゅとなり、同どう時期じきに養父ようふが頭取とうどりであった第だい百ひゃく十じゅう国立こくりつ銀行ぎんこう（後ごの山口銀行やまぐちぎんこう）の取締役とりしまりやくとなった（祥さち久ひさが頭取とうどりだったとの情報じょうほうもあるが、山口銀行やまぐちぎんこう史しには取締役とりしまりやくとしか出でてこない）。

1887年ねん（明治めいじ20年ねん）11月、「取締役とりしまりやく毛利もうり祥さち久ひさ、支配人しはいにん草刈くさかり隆一りゅういちの名義めいぎをもって愛知あいち県けんの三河みかわ干拓かんたく（毛利もうり新田しんでん）の築ちく立だてに着手ちゃくしゅ」と山口銀行やまぐちぎんこう史しにある。

1888年ねん（明治めいじ21年ねん）より、愛知あいち県庁けんちょうの強力きょうりょくなサポートで新田にった干拓かんたくと新田にった用水路ようすいろの工事こうじを進すすめて行いった。

毛利もうり新田しんでんは度々どどの災害さいがいに遭あいながら奮闘ふんとう努力どりょくしたが、1891年ねん（明治めいじ24年ねん）の濃こ尾お地震じしんで堤防ていぼうが傷きずつき、翌年よくねんの1892年ねん（明治めいじ25年ねん）に暴風雨ぼうふううにより堤防ていぼうが破壊はかい、浸水しんすいで多おおくの死亡しぼう者しゃが出でたことで、遂ついに開発かいはつを断念だんねんした。

それまでの経費けいひは41万まん円えんとも言いわれており、明治めいじ銀行ぎんこう史しに「明治めいじ25年ねん、第だい百ひゃく十じゅう国立こくりつ銀行ぎんこう三さん河かわ干拓かんたく事業じぎょうの蹉跌さてつにより巨額きょがくの損失そんしつを生しょうず」とある。

祥さち久ひさは毛利もうり新田しんでんに係かかわる全すべての権利けんりを1893年ねん（明治めいじ26年ねん）4月がつに初代しょだい神野かみの金之助きんのすけへ、損失そんしつ額がくの1/10の41,000円えんで譲渡じょうとした。

神野かみの金之助きんのすけは毛利もうり新田しんでんの設計せっけいを踏襲とうしゅうし工事こうじに工夫くふうと堅固けんごを加くわえて完成かんせいさせ、1896年ねん（明治めいじ29年ねん）に神野新田じんのしんでんの完工かんこう式しきを行おこなった。

祥さち久ひさ37歳さい、1897年ねん（明治めいじ30年ねん）に父ちち元もと亮あきらの遺のこ功こうにより男爵だんしゃくを授さづけられ、1902年ねん（明治めいじ35年ねん）11月には正せい四よん位いを追贈ついぞうせられた。

祥さち久ひさは1904年ねん（明治めいじ37年ねん）から1905年ねん（明治めいじ38年ねん）の日にち露ろ戦争せんそうに際さいしては、多額たがくの軍費ぐんぴを献納けんのうした事ことにより金盃きんぱいを下賜かしされている。

晩年ばんねんは悠々自適ゆうゆうじてき、花卉かき園藝えんげいを楽たのしんだが、1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）12月、82歳さいの老齢ろうれいで逝去せいきょした。

家族かぞく・親族しんぞく

毛もう利家としいえ

• 妻つま・ユリ（1870年ねん - 1930年ねん、山口やまぐち、毛利もうり倫りん亮あきらの妹いもうと、毛利もうり親ちかし彦の三さん女じょ）
• 次男じなん・彜亮（1892年ねん - 1928年ねん、男爵だんしゃく木梨きなし精一郎せいいちろうの養子ようし）
• 四男よつお・重雄しげお（1901年ねん - 1973年ねん）
  • 同どう妻つま・華子はなこ（1905年ねん - 1983年ねん、男爵だんしゃく四條しじょう隆英たかひでの二女じじょ）
• 五男いつお・正彦まさひこ（1902年ねん - 1942年ねん、広島ひろしま市しの古川ふるかわ久吉ひさよしの養子ようし）
• 六男むつお・勇夫いさお（1905年ねん - 1945年ねん、広島ひろしま市しの古川ふるかわ久吉ひさよしの養子ようし）
• 長女ちょうじょ・須賀すか子こ（1894年ねん - ？）
• 二女じじょ・英子えいこ（1898年ねん - 1927年ねん） - 西村にしむら礼あや作さくの長男ちょうなん・圭太郎けいたろうの妻つま
• 孫まご

親戚しんせき

• 二女じじょ・英子えいこの夫おっとの父ちち・西村にしむら礼あや作さく（衆議院しゅうぎいん議員ぎいん）
• 五ご男なん正彦まさひこの養父ようふ・古川ふるかわ久吉ひさよし（醤油じょうゆ醸造じょうぞう業ぎょう、藝げい備銀行ぎんこう取締役とりしまりやく、広島ひろしま株式かぶしき取引とりひき所しょ理事りじ）

参考さんこう文献ぶんけん

• 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい8版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1928年ねん。
• 人事じんじ興信所こうしんじょ編へん『人事じんじ興信録こうしんろく 第だい9版はん』人事じんじ興信所こうしんじょ、1931年ねん。
• 霞かすみ会館かいかん華族かぞく家系かけい大成たいせい編輯へんしゅう委員いいん会かい『平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい』下巻げかん、霞かすみ会館かいかん、1996年ねん。

外部がいぶリンク

• 毛利もうり新田にったホームページ

日本にっぽんの爵位しゃくい
先代せんだい 叙爵じょしゃく	男爵だんしゃく 右田みぎた毛もう利家としいえ初代しょだい 1897年ねん - 1935年ねん	次代じだい 毛利もうり重雄しげお